JP2003095309A - トレー容器 - Google Patents

トレー容器

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JP2003095309A
JP2003095309A JP2001286468A JP2001286468A JP2003095309A JP 2003095309 A JP2003095309 A JP 2003095309A JP 2001286468 A JP2001286468 A JP 2001286468A JP 2001286468 A JP2001286468 A JP 2001286468A JP 2003095309 A JP2003095309 A JP 2003095309A
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Japan
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container
tray
resin
lid
tray container
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Application number
JP2001286468A
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English (en)
Inventor
Kenichi Niimi
健一 新見
Hiroshi Kawasaki
浩志 河崎
Yoshiki Ueda
佳樹 植田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レトルト処理にも耐えられる繊維構造物を主体
としたフランジ付き容器を提供すること。 【解決手段】蓋材(11)をフランジ付き容器(21)
の開口部に載置し、蓋材(11)の周縁とそれに重なる
セルロース繊維構造物を主体とするフランジ付き容器
(10)のフランジ部(22)とを融着シールしてなる
トレー容器(10)において、蓋材(11)とフランジ
部(22)との融着シール部(23)が、フランジ部
(22)の端縁よりも内側に位置して形成さている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料や食料品など
の熱水処理による殺菌および調理を必要とする、内容物
を収納するトレー型容器及び、衣料用洗剤、柔軟剤、シ
ャンプー、リンスなどのトイレタリー用品や化粧品をは
じめとする耐水性を必要とするトレー型容器に使用され
る容器に関するものである。
【0002】詳しくは、蓋材やトレー容器のフランジ等
の、繊維がむき出しになっている端面へのストレスを大
幅に軽減したトレー容器である。
【0003】蓋材、トレー容器にかかるストレスには、
熱水、水圧、トレー内装に設けられるフィルムの伸縮、
蓋フィルムによる伸縮等によるものが存在するが、繊維
端面にかかるそれらのストレスを、大幅に軽減せしめ繊
維端面においての繊維層間剥離を防ぐことのできる容器
である。
【0004】
【従来の技術】近年、環境問題が重要視され容器類なら
びに包装材の易廃棄性が必要とされ、易焼却性、リサイ
クル性、またはリサイクル材料使用の需要が高まってい
る。
【0005】ボトル、トレイ形状の紙容器、および紙容
器とプラスチックとの紙製容器や、化粧板や壁紙などの
建装材や、ラベルなどの産業資材分野においてもプラス
チック使用量を大幅に低減したいわゆる紙製品や、容器
分野においては廃棄時に紙とプラスチックの分別が可能
な紙製容器等が種々提案されている。
【0006】われわれは鋭意検討をすすめた結果、レト
ルトにもつ紙製容器を開発することに成功した。(特願
2000−011837、特願2000−01183
8、特願2000−011839として出願済)
【0007】我々の方法によれば、耐水性、耐ボイル、
耐レトルト適性のある、セルロース繊維構造物を得るこ
とが出来る。
【0008】耐熱水処理方法はグラビアコート、ナイフ
コート等、塗工による含浸にとどまらず噴霧、どぶずけ
等によっても可能である。
【0009】繊維構造物の形状はシートであっても、パ
ルプモールドのような三次元構造物であってもよい。
【0010】現在、紙製容器の骨格として使用されるセ
ルロース繊維構造物としては、コストや機械等加工方法
等から、シート状の板紙が一般的に使用されている。
【0011】その板紙は、容器の内容量、内容物にもよ
るが、求められる剛性から高坪量(厚みが厚い)のもの
であることが多い。
【0012】高坪量の板紙は、薄い紙を何層にも重ね合
わせ層漉きという工程で経て抄紙され多層構成のものと
なる。
【0013】多層構成である板紙は、水の浸積により繊
維間の層間で強度の劣化をまねき、層間剥離を起こし、
繊維の切断など破壊される。
【0014】耐水性、耐熱水性等を考慮した特定の樹脂
を、適切な塗布量で、繊維全層に含浸することにより、
湿潤下における、繊維強度、層間強度を向上させること
により、破壊等を防ぐことができる。
【0015】しかしながら、繊維間が剥離しないために
必要な湿潤下での強度物性値は、処理条件により大幅に
変わる。
【0016】通常のトレー容器においては、層間剥離が
おきるようなストレスを一番うける箇所は、繊維層間が
むき出しになっているフランジ端面である。
【0017】フランジ部は、紙の切断面になっていて、
セルロース繊維がむきだしの状態になってあり、真っ先
に水が吸水され強度低下が著しい箇所である。
【0018】さらに、フランジ部は、トレー内層に設け
られたフィルムによる伸縮により引っ張りの力をうけ
る。
【0019】上述したように、繊維構造物が多層構造物
であるために、フィルムと直接張り合わされた繊維層
(1層目)が強く引っ張られ、繊維層の2層目と1層目
もしくは他の繊維層間において、層間剥離をおこしやす
い。
【0020】また蓋をもうけた場合、蓋の伸縮等によ
り、さらにフランジ部にかかるストレスが大きくなる場
合がある。
【0021】さらにトレー容器は、レトルト処理等によ
る圧力や処理水により、大きく変形を繰り返すため、ス
トレスをいかに小さくするか、ストレスのかかる箇所を
いかに分散するかが問題である。
【0022】レトルト処理方法について述べると、処理
水が蒸気、液体であるか、さらには液体であっても液体
で処理層を満たす方法、蒸気でみたす方法、液体を直接
容器に吹き付けるスプレー方法、蒸気を直接吹き付ける
方法、容器が処理層の中で静置状態にあるか、処理層の
なかで回転されるか等様々な方法がある。
【0023】最近では処理効率が高い処理方法として、
液体を直接スプレーで吹き付ける方法が広範囲に採用さ
れつつある。
【0024】このスプレー方式のレトルトによれば、常
に高い温度の処理水を容器に接触させることができるの
で、処理効率が高いのがメリットである。デメリットと
しては、100°C以上の高温水にするための圧力が容
器に与えられるほかに、水圧のかかった水が容器に常に
当てられるということである。
【0025】フィルムパウチや缶詰めや、プラスチック
トレー等であれば、このスプレー方式はそれほど問題に
なる物ではないが、繊維端面がむきだしになって、かつ
多層構成である繊維構造物を使用してある容器において
は、その層間剥離という致命的な問題を引き起こす可能
性が非常に高くなってしまうという問題があった。(端
面以外には問題を生じなくとも)
【0026】またこの問題に加え、容器全体を紙で構成
した容器とした場合、蓋材の印刷面表面に皺やひびわ
れ、処理水や処理機やそのほか外界よりもちこまれる細
かい埃や錆等が表面に付着し、固定化されてしまうとい
った不具合があった。(熱可塑性プラスチックフィルム
での蓋では問題ない。)
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みなされたものであり、優れた耐熱水物性をもっ
たトレー容器で、レトルト処理方法のうち、スプレー方
式における高温高圧水のスプレーによる容器変形におい
ても、トレーのフランジ部分において層間剥離をおこさ
ないトレー容器であり、それに加え撥水性による洗浄性
を高めた、蓋をもつトレー容器を提供することを課題と
する。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、鋭意検討の結果なされたものであり、請求
項1の発明は、蓋材をフランジ付き容器の開口部を覆う
ように載置し、蓋材の周縁とそれに重なるフランジ付き
容器のフタンジ部とを融着シールしてなるトレー容器に
おいて、前記蓋材とフランジ部との融着シール部が、フ
ランジ部の端縁より内側に位置して形成されていること
を特徴とするトレー容器である。
【0029】また、請求項2の発明は、前記蓋材の縦横
寸法が、フランジ付き容器の開口部フランジ縦横寸法以
上であることを特徴とする請求項1記載のトレー容器で
ある。
【0030】請求項3の発明は、前記フランジ付き容器
が、繊維層の全層が樹脂により含浸された坪量500g
/m2 以下のセルロース繊維構造物からなることを特徴
とする請求項1又は2記載のトレー容器である。
【0031】請求項4の発明は、前記蓋材が、少なくと
も一層以上積層されてなる熱可塑性樹脂フィルムである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載
のトレー容器である。
【0032】請求項5の発明は、前記蓋材が、片面に
(シーラントとして)少なくとも一層以上の熱可塑性樹
脂フィルムが貼合された、繊維層の全層が樹脂により含
浸された坪量500g/m2 以下のセルロース繊維構造
物からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか
1項に記載のトレー容器。
【0033】請求項6の発明は、前記蓋材が、ベック平
滑度が50sec.以上である平滑な被印刷面をもって
いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に
記載のトレー容器である。
【0034】請求項7の発明は、前記蓋材が、コッブ吸
水度が30g/m2 以下になるような表面撥水性をもっ
ていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項
に記載のトレー容器である。
【0035】請求項8の発明は、請求項5から7のいず
れか1項記載の蓋材が、樹脂含浸された繊維構造物の湿
潤引っ張り強度が、9.8N/15mm以上であること
を特徴とするトレー容器である。
【0036】請求項9の発明は、前記フランジ付き容器
及び蓋材に使用されるセルロース繊維構造物へ含浸する
樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、
アクリル酸エステル、尿素樹脂、エポキシ樹脂、硝化綿
樹脂が、単独もしくは、併用されてなることを特徴とす
る請求項1から8のいずれか1項記載のトレー容器であ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、さらに詳細に説明する。本発明のトレー容器は、例
えば、図1、図2に示すように、蓋材(11)をフラン
ジ付き容器(21)の開口部を覆うように載置し、蓋材
(11)の周縁とそれに重なるフランジ付き容器のフラ
ンジ部(22)とを融着シールしてなるトレー容器(1
0)において、前記蓋材とフランジ部との融着シール部
(23)が、フランジ部(22)の端縁より内側に位置
して形成されているものである。そして、耐水性、耐熱
性、耐熱水性、耐圧力を有する容器である。
【0038】このトレー容器に充填される物としては、
液体状態でも固体状態のものでも良いし、食品用途に非
食品用途でも良い。
【0039】トレー容器の容器胴部、蓋に印刷が可能で
あるが、ベック平滑度が50sec.以上になる平滑性
をもつ、蓋(繊維構造物、プラスチックフィルム)を使
用することにより、調子物(美称印刷)をかけることが
でき印刷内容物、注意書き等を絵図で十分な情報量を消
費者に与えることができる。
【0040】このトレー容器は、ボイル、レトルト処理
等において、高温の水の浸積に耐え、容器の内圧の増加
および、容器の外側からかかる圧力に耐えうるものでな
くてはいけない。
【0041】既に述べたように、紙で構成されたトレー
容器は、紙が多層構成であり、プラスチックの射出等で
作成された単層のプラスチックトレー容器と違い、繊維
層自体の強度及び、繊維層間の強度がレトルト処理等に
より破壊等されないことが必要である。
【0042】繊維構造物の必要な強度は、ボイル、レト
ルト処理において、温度や時間圧力等の処理条件、容器
の容量、容器の形状でそれぞれ違う。
【0043】最近では処理効率が高い処理方法として、
液体を直接スプレーで吹き付ける方法が一般に採用され
つつあり、本発明においてはこの方式にも対応が可能な
トレー容器である。
【0044】通常のレトルト処理でかかる圧力に加え、
スプレーで水が直接たたきつけられるような、トレー容
器において、トレー容器のフランジ端面で層間剥離を起
こさないトレー容器と蓋との組み合わせである。
【0045】このスプレー方式のレトルトに対応するこ
とで、常に高い温度の処理水を容器に接触させ処理効率
を高くすることができる。
【0046】またこの問題に加え、レトルト等厳しい条
件にさらされた場合、クレー層表面に皺やひび割れ等が
発生するという不具合、レトルト処理行程において、処
理水や処理機やそのほか、外界よりもちこまれる細かい
埃や錆等がクレー層の表面に付着し、固定化されてしま
うといった不具合があり、本発明では、印刷面が皺等で
破壊されたりまた汚染されたりすることで、情報量が減
少するといったことがない蓋材との組み合わせによるレ
トルト処理可能なトレー容器である。
【0047】我々は、様々な処理方法に対応する紙製耐
熱水、耐圧容器を鋭意検討開発をおこなった結果以下の
ことを見いだした。
【0048】まず、請求項1の発明について説明する。
容器において、破壊が起きる箇所を洗い出すと、まず、
蓋フィルムと繊維構造物のトレーの内袋フィルム間と、
トレー内袋フィルムとトレー間、トレーの繊維構造物の
繊維層間においてである。
【0049】より詳しく説明すると、蓋(少なくとも1
層の熱可塑性樹脂フィルムをもつ)は通常、カップシー
ラー等による熱をかけ、トレー容器の内袋フィルム(熱
可塑性樹脂フィルム)と融着される。
【0050】蓋が熱可塑性樹脂の積層フィルムであった
場合、通常厚みが200μm程度の薄いフィルムは水や
圧力により、たやすくたわみ、トレー容器にストレスを
かけ、またそのストレスは蓋との融着箇所(フランジ
部)において大きい。
【0051】蓋が紙とフィルムとの複合構成による紙蓋
であっても、紙は湿潤状態ではたやすく変形をおこすた
め、フィルムにつられて、蓋の変形をおこし、結果トレ
ー容器にストレスをかけ、またそのストレスは蓋との融
着箇所(フランジ部)において大きい。
【0052】フランジ端面に掛かる力を分散、低減させ
るために、各種シール方法、箇所を検討したところ、シ
ール部分が、トレー容器のフランジ際より内側にするこ
とで解決することが可能であった。
【0053】仮にフランジ端面ぎりぎり際までシール箇
所がかかってしまうと、容器や蓋が変形したさいに掛か
る力はそのまま、フランジの端面を上下にもちあげ、繊
維の層間及び、フィルムと繊維の間を剥がそうとする方
向の力になってしまう。
【0054】これまで述べたように、トレーの端面にお
いては繊維がむき出しになった断面であり、レトルト処
理中の、容器の接触、水の接触等により容易に剥離のき
っかけが入りやすく、きっかけが入った状態で、フラン
ジの端面に繊維の層間剥離をおこすような力がかかる
と、そこから容易に剥離をおこしてしまう。
【0055】そこで、トレーの端面より内側にシール部
をもってきて、繊維の断面のない箇所でストレスをうけ
ることにより、繊維端面へのストレスは大幅に減少し、
スプレー式レトルトでも容器の形状を維持することがで
きる容器を作製することができた。
【0056】つぎに請求項2の発明について説明する。
蓋材の面積がトレー型容器の上部からの投影面積以上で
あれば、蓋材の変形等による、トレー容器端面へのスト
レスを逃がすことができる。
【0057】紙構成による蓋材が大きく変形する箇所と
して、紙の端面が吸水により剛性が低下するため、そこ
でフィルムにつられて変形をおこす。
【0058】この蓋の変形によるストレスが原因となっ
ておこる、トレー容器フランジ端部の層間剥離を防ぐに
は、大きく変形する箇所をフランジ端部より、逃がせば
良いことがわかった。
【0059】すなわち、蓋の大きさをトレー容器以上に
することで、蓋の変形部分をトレー端部より外側でおこ
させることによりストレスの軽減をはかることができ
る。
【0060】この蓋の大きさは、トレーより大きければ
大きいほど良いというわけではないが、通常は30mm
以下の範囲で設定されるが、限定される物ではない。
【0061】またこの蓋がトレーより大きいことで、ト
レーの蓋をつっかえとして使用し、容器を斜めにかたむ
けて店頭に配置することができ、購入者は棚上に配置し
てある商品においても、蓋に印刷された内容が良好にみ
ることができる。
【0062】請求項3の発明について説明する。トレー
容器に使用されるセルロース繊維構造物は坪量500g
/m2 以下であれば、もっとも簡易的なグラビア塗工に
よって、繊維層を全層まで加工処理できる。
【0063】セルロース繊維構造物はシート(板紙等)
であっても良いし、パルプモールドのような三次元構造
物であっても良いが、一般的にはシート状の板紙が良好
に使用される。
【0064】通常、このトレー容器においては内容物を
保護するために、樹脂フィルムが最低1層も設けられて
いる。
【0065】しかしながら、樹脂フィルム以外の、例え
ば、アルミ蒸着、ガラス蒸着、CVD蒸着等の薄膜を繊
維表層に設ける方法によって内容物保護性を付与させて
も良い。
【0066】請求項4の発明について説明する。蓋材と
しては、熱可塑性フィルムが最低1層積層されてなるフ
ィルムであればよく、トレーとのシールに未延伸ポリプ
ロピレンフィルム(CPP)等を使用したり、バリア性
をもたせた無機化合物蒸着プラスチックフィルム等の組
み合わせで使用しても良く、以下の樹脂フィルム等が良
好に選択できる。
【0067】すなわち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂のようなポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコ
−ル共重合体のようなバリア性樹脂層、又はそれらの穴
あけ加工物の単体、アルミニウム(Al)、酸化アルミ
ニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)に代表さ
れる無機物を蒸着した無機化合物蒸着プラスチックフィ
ルム、もしくはこれらを組み合わせた複合フィルムなど
も外観、酸素バリア性、水蒸気バリア性や保香性を付与
目的で使用可能である。
【0068】また積層構成に限定されるものではない。
ラミネ−トする方法としては、例えば、ウエットラミネ
−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライ
ラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ
共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、その
他等の方法で行うことができる。必要ならば、コロナ処
理、フレーム処理等おこなって良い。
【0069】請求項5の発明について説明する。蓋材に
紙を使用する場合、繊維構造物においては坪量500g
/m2 以下であれば良好に使用できる。シール性をもた
せるために、その蓋材には一層以上の熱可塑性樹脂フィ
ルムからなる積層フィルムが貼合されてあり、これを介
してトレーと貼り合わされる。
【0070】請求項6の発明について説明する。蓋材に
紙を使用した場合、平滑性に極めて優れたフィルムに印
刷するのと違い、紙の平滑性は劣るのが一般的である。
【0071】内容物等のイラスト等、グラデーションが
必要な印刷(調子物印刷)をかける場合に、ベック平滑
度(JIS P8119)は50sec.以上あること
が望ましく、最も良好に印刷するためには200se
c.以上がもとめられる。
【0072】ここでベック平滑度とは、紙の平滑性を調
べるJIS規格の一つで、紙の表面(測定面)と鏡面版
と重ね合わせ、その間をバキュームポンプにより真空状
態にして密着させたのち、バキュームをやめ、空気が紙
表面と鏡面版の隙間より10cc通過する時間を測定す
る規格である。
【0073】表面が粗ければ短い時間で空気が10cc
通過し,平滑ならば通過するまでに長い時間がかかる。
【0074】フィルムは平滑性に優れるため、ベック平
滑度という紙のJIS規格による測定では無限秒という
秒数になる。
【0075】請求項7の発明について説明する。次に、
蓋材に施された印刷がレトルト処理工程中および、その
後の乾燥中において水や錆、埃、微粒子等の湿潤状態で
の吸着による汚染を防ぐための検討を行った。
【0076】この汚染を防ぐため、もしくは汚染されて
あっても容易に洗浄させるために各種検討をしたとこ
ろ、蓋材の繊維構造物クレーコート層の面上にコッブ吸
水度が30g/m2 になるような撥水性をもたせること
で、水の接触を防ぐことにより、処理中の汚染を最大限
に防ぎ、また処理後には汚染物を含んだ水が玉状になる
ために風や、洗浄水等で容易に流し去るとこが可能であ
った。
【0077】ここでコッブ吸水度とは,紙の吸水性(撥
水性)を測定するJIS規格(JIS P8140)で
ある。
【0078】具体的には、紙の表面に円状のゴムパッキ
ン等により10cm2 になるように区切り、そこに表面
が覆われる程度の水を紙表面に与えて2分間保持し、初
期の重量と、2分後の重量を比較し、平方米あたりの吸
水度を計算し、吸水性(撥水性)を測定する。
【0079】コッブ吸水度が大きければ撥水性は小さ
く、コッブ吸水度が小さければ撥水性は大きいといえ
る。
【0080】仮に蓋材がフィルムであった場合、フィル
ムのもつ吸水性は極めて低いため、紙の規格であるコッ
ブ吸水度では0g/m2 であり、撥水性も極めてたかい
ため、汚染にたいしても強いし、洗浄性も極めて優れて
いる。
【0081】蓋材がセルロース繊維構造物で構成される
場合には、まず撥水性をもつ樹脂の塗工等によってコッ
ブ吸水度では30g/m2 以下になるような撥水性をも
たせることができる。
【0082】上記の性能を満たす樹脂を検討したとこ
ろ、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、アク
リル酸エステル、尿素樹脂、エポキシ樹脂、硝化綿樹
脂、フッ素樹脂が単独もしくは、併用されてなれば撥水
性をもたせることができるが、本発明はコッブ吸水度で
は30g/m2 以下になるような撥水性をもたせれば、
汚染性、洗浄性を有することができる発明であり、樹脂
の塗工という方式や、樹脂系に限定されるものではな
く、紙への蒸着等により撥水性をもたせてあっても良
い。
【0083】請求項8の発明について説明する。紙蓋材
において、樹脂が含浸された繊維構造物の、湿潤時の引
っ張り強度は9.8N/15mm以上の値であれば、レ
トルト処理中に容器等の変形により引っ張られ破壊され
るといったことのない紙蓋が提供できる。
【0084】ここで、湿潤引っ張り強度はJIS規格
(JIS P8135)に規定される、水を含んだ(試
験片を60分間室温水に浸積させた)状態での15mm
巾の短冊を引っ張り速度20mm/min.で測定した
時の強度である。
【0085】湿潤時の引っ張り強度が9.8N/15m
m以下になると、レトルト処理中から冷却、取り出し、
搬送ライン上において、紙の切断が発生し性能を維持で
きない。
【0086】請求項9の発明について説明する。次にト
レー容器に使われる、繊維構造物をレトルト処理におい
て耐えうるような樹脂を検討した。
【0087】レトルト処理において、容器に使用される
繊維構造物に求められる要因としては、耐水であるこ
と、また耐熱性があること、耐熱水性があることであ
る。
【0088】さらに、容器は高圧化に、おいての破壊、
またトレー容器の圧力(内圧)、処理層の圧力(外圧)
の差(差圧)による破壊をしてはならない。
【0089】この破壊を防ぐためには、繊維構造物のレ
トルト時における引っ張り強度が高いことが求められ
る。
【0090】検討した結果、トレーに使用される繊維構
造物へ全層含浸する樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリイ
ソシアネート樹脂、アクリル酸エステル、尿素樹脂、エ
ポキシ樹脂、硝化綿樹脂が単独もしくは、併用されてな
ることにより上記の求められる要因を満たすことができ
る。
【0091】これらの樹脂を、繊維構造物に処理しやす
いよう分子量を設計したり、繊維構造物の水酸基とより
反応するよう官能機を設計することで求められるレトル
ト性能を出すことができる。
【0092】さらに、繊維構造物の種類としては100
%バ−ジンパルプからなるもの、100%再生故紙から
なるもの、それらを任意の割合で混合したもの、NBK
P材、LBKP材の使用率、木材パルプ以外のケナフ、
バカラ、バンブー等の植物繊維材料、合成樹脂パルプ、
など、様々な種類の紙を所望する耐水レベルに応じて用
いることが可能である。ここでの紙は不織布、布等を包
含するものであり抄紙による、いわゆる紙の種類に限定
されるものではない。
【0093】これらの紙基材に抄紙後の二次加工として
耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸するものであ
る。
【0094】この外添による含浸、塗工方法としては、
繊維構造物を含浸剤中に浸し過剰量の含浸剤を一時的に
付与できるディッピング法や、好ましくは、含浸剤を一
定量だけ塗工または含浸させるグラビアコーティング法
やロールコーティング法などがある。
【0095】紙基材に含浸材を供給できる方法であれ
ば、使用される紙基材や含浸材の種類にもよるが、それ
らに応じて、いずれの方法を任意に選択することができ
る。さらにはこれらの加工は二次加工的に行われるた
め、抄紙工程に比較すると少量の加工が安価に行うこと
ができる。
【0096】また、含浸に使用される樹脂及び、表層の
樹脂は、水性の物であっても良いし、溶剤系のものであ
ってもよい。
【0097】また印刷に使用されるインキは水性、溶剤
系のものであってもよい。また樹脂とインキの溶媒タイ
プの組み合わせも自由に組み合わせることができる。
【0098】耐水処理される繊維構造物の処理について
は、未処理部が存在すると破壊等おこるため、厚み方向
へ全て処理(全層処理)されることが必要である。但し
処理部において樹脂濃度勾配や、層によって樹脂を選択
するなどの求められる耐水レベル、機能に応じて適宜調
整できる。
【0099】一般的に耐水処理を行っていない繊維構造
物の場合、繊維間の基本的な結合力である水素結合が水
の進入によって、結合力の阻害および、繊維自体の移動
等がおこるため、熱水中の水の動きによっても破壊され
うるし、膨張伸縮等に耐えうることが出来ない。
【0100】容器の形状は代表的なものとして上方に開
口部を有するトレー形状であればよい。成形方法は、容
器の形状応じて周知の方法によるものであって良い。
【0101】
【実施例】以下に具体的な実施例を示す。 <実施例1> 蓋材;シート状セルロース繊維構造物(板紙;カップ原
紙) 坪量 ;160g/m2 蓋構成;板紙/ポリエチレンテレフタレートフィルム
(PET)(12μm)/CPP(50μm) セルロース繊維含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネー
トのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約3.5g/m2 湿潤引っ張り強度;35N/15mm 撥水性;付与(有り) ;コッブ吸水度;10g/m2 平滑性;良好 ;ベック平滑度;180sec. 印刷;内容物表示のための調子物 フランジ付き容器;シート状セルロース繊維構造物(板
紙;カップ原紙)を用いて容器作製 坪量 ;290g/m2 含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネートのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約7g/m2 湿潤引っ張り強度;80N/15mm トレー内袋;PP 蓋材寸法とフランジ付き容器寸法の関係;同寸法 蓋材寸法 ;縦 150mm、横 180mm 容器寸法 ;縦 150mm、横 180mm シール箇所;トレーフランジ巾10mmのうち、端面よ
り5mm内側で3mm巾のシールバーをもつカップシー
ラーにて蓋とトレーをシール
【0102】<実施例2> 蓋材;シート状セルロース繊維構造物(板紙;カップ原
紙) 坪量 ;160g/m2 蓋構成;板紙/PET(12μm)/CPP(50μ
m) セルロース繊維含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネー
トのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約3.5g/m2 湿潤引っ張り強度;35N/15mm 撥水性;付与(有り) ;コッブ吸水度;10g/m2 平滑性;良好 ;ベック平滑度;180sec. 印刷;内容物表示のための調子物 フランジ付き容器;シート状セルロース繊維構造物(板
紙;カップ原紙)を用いて容器作製 坪量 ;290g/m2 含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネートのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約7g/m2 湿潤引っ張り強度;80N/15mm トレー内袋;PP 蓋材寸法とフランジ付き容器寸法の関係;蓋材>容器 蓋材寸法 ;縦 160mm、横 190mm 容器寸法 ;縦 150mm、横 180mm シール箇所;トレーフランジ巾10mmのうち、端面よ
り5mm内側で3mm巾のシールバーをもつカップシー
ラーにて蓋とトレーをシール
【0103】<実施例3> 蓋材;酸素バリア対応蒸着積層フィルム(無機化合物蒸
着PET(12μm)/CPP(50μm) 蓋構成;PET(12μm)/CPP(50μm) 湿潤引っ張り強度;100N/15mm 撥水性;付与(有り) ※プラスチックフィルムであり、吸水せず。 コップ吸水度;0g/m2 平滑性;あり ;ベック平滑度;無限秒 印刷;内容物表示のための調子物 フランジ付き容器;パルプモールドトレー(オバール形
状、楕円) 坪量換算;約300g/m2 含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネートのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約10g/m2 湿潤引っ張り強度;50N/15mm トレー内袋;PP (真空成形にてトレーと融着成形) 蓋材寸法とフランジ付き容器寸法の関係;同寸法 蓋材寸法(最大巾); 縦150mm、横 180mm 容器寸法(最大巾); 縦150mm、横 180mm シール箇所;トレーフランジ巾10mmのうち、端面よ
り5mm内側で3mm巾のシールバーをもつカップシー
ラーにて蓋とトレーをシール
【0104】<実施例4> 蓋材;酸素バリア対応蒸着積層フィルム(無機化合物蒸
着PET(12μm)/CPP(50μm) 蓋構成;PET(12μm)/CPP(50μm) 湿潤引っ張り強度;100N/15mm 撥水性;付与(有り) ※プラスチックフィルムであり、吸水せず。 コップ吸水度;0g/m2 平滑性;あり ;ベック平滑度;無限秒 印刷;内容物表示のための調子物 フランジ付き容器;シート状セルロース繊維構造物(板
紙;カップ原紙)を用いて容器作製 坪量;290g/m2 含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネートのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約7g/m2 湿潤引っ張り強度;80N/15mm トレー内袋;PP 蓋材寸法とフランジ付き容器寸法の関係;同寸法 蓋材寸法; 縦150mm、横 180mm 容器寸法; 縦150mm、横 180mm シール箇所;トレーフランジ巾10mmのうち、端面よ
り5mm内側で3mm巾のシールバーをもつカップシー
ラーにて蓋とトレーをシール
【0105】<比較例1>シール箇所をトレーフランジ
巾10mmのうち、端面で3mm巾のシールバーをもつ
カップシーラーにて蓋材とフランジ付き容器をシールし
た以外は、全て実施例1と同様にした。詳細の説明は省
略する。
【0106】<比較例2>シール箇所をトレーフランジ
巾10mmのうち、端面で3mm巾のシールバーをもつ
カップシーラーにて蓋材とフランジ付き容器をシールし
た以外は、全て実施例1と同様にした。詳細の説明は省
略する。
【0107】<比較例3> 蓋;シート状セルロース繊維構造物(板紙;カップ原
紙) 坪量 ;160g/m2 蓋構成;板紙/PET(12μm)/CPP(50μ
m) セルロース繊維含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネー
トのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約3.5g/m2 湿潤引っ張り強度;35N/15mm 撥水性;悪い ;コッブ吸水度;100g/m2 平滑性;良好 ;ベック平滑度;180sec. 印刷;内容物表示のための調子物 トレー;シート状セルロース繊維構造物(板紙;カップ
原紙)を用いてトレー容器作製 坪量 ;290g/m2 含浸樹脂系;イソホロンジイソシアネートのアダクト体 含浸状態;全層 含浸量;約7g/m2 湿潤引っ張り強度;80N/15mm トレー内袋;PP 蓋寸法とトレー寸法の関係;蓋>トレー 蓋材寸法 ;縦 160mm、横 190mm トレー寸法;縦 150mm、横 180mm シール箇所;トレーフランジ巾10mmのうち、端面で
3mm巾のシールバーをもつカップシーラーにて蓋とト
レーをシール
【0108】このようにして作製した実施例4種類、比
較例3種類、合計7種類のトレー容器を下記する条件で
レトルト処理し、レトルト処理後の外観を観察した。そ
の結果を表1に示す。 レトルト処理条件;トレー容器を130°C、30分ス
プレー式レトルト装置にて処理後、10分冷却させてト
レー容器の蓋材、フランジ付き容器の各部分の外観と蓋
材の洗浄性を観察した。 外観 ○ ‥ 層間剥離等が発生せず良好 × ‥ 端面に層間剥離が発生 蓋洗浄性 ○ ‥ 良好 × ‥ 悪い
【0109】
【表1】
【0110】表1について考察する。まず、実施例1に
ついては、外観評価は蓋材、フランジ付き容器共に良好
であり、スプレー方式においても層間剥離等おこさな
い、130°Cというハイレトルト条件に耐えうるトレ
ー容器を作製することができた。またこのトレー容器に
おいては、1個あたりのセルロース繊維構造物の重量に
対して使用されている石油樹脂の割合(フィルム等含
む)は80%対20%であり紙容器として問題なく使用
できる。またフィルム等を剥がすことにより、セルロー
ス繊維構造物の割合は97%程度となり、通常のセルロ
ース構造物(板紙等)から極めて少量の樹脂量で高い改
質効果を得ることができた。
【0111】蓋材においては、調子物を印刷した表面
は、撥水性が維持されてあり、固着したような汚染や、
傷等無く、洗浄水をかけることで瞬間的に表面を洗い流
すことができた。撥水性、耐汚染性、強靭性をもたせた
蓋材を作製する事ができた。
【0112】つぎに実施例2については、外観評価は蓋
材、フランジ付き容器共に良好であり、スプレー方式に
おいても層間剥離等おこさない、130°Cというハイ
レトルト条件に耐えうるトレー容器を作製することがで
きた。またこのトレー容器においては、1個あたりのセ
ルロース繊維構造物の重量に対して使用されている石油
樹脂の割合(フィルム等含む)は80%対20%であり
紙容器として問題なく使用できる。またフィルム等を剥
がすことにより、セルロース繊維構造物の割合は97%
程度となり、通常のセルロース構造物(板紙等)から極
めて少量の樹脂量で高い改質効果を得ることができた。
【0113】蓋材においては、調子物を印刷した表面
は、撥水性が維持されてあり、固着したような汚染や、
傷等無く、洗浄水をかけることで瞬間的に表面を洗い流
すことができた。撥水性、耐汚染性、強靭性をもたせた
蓋材を作製する事ができた。
【0114】更に容器のフランジ部の変形は極めて少な
く、変形は蓋材の容器よりはみ出した端面部分におきて
いる。またその変形もそれほど大きくはないが、トレー
の洗浄、乾燥後にその部分を切り落とすことが可能であ
る。
【0115】実施例3については、外観評価は蓋材、フ
ランジ付き容器共に良好であった。スプレー方式におい
ても層間剥離等おこさない、130°Cというハイレト
ルト条件に耐えうるトレー容器を作製することができ
た。蓋材においては、調子物を印刷した表面は、撥水性
が維持されてあり、固着したような汚染や、傷等無く、
洗浄水をかけることで瞬間的に表面を洗い流すことがで
きた。撥水性、耐汚染性、強靭性をもたせた蓋材を作製
することができた。
【0116】パルプモールドトレーにおいては、トレー
は単層の肉厚な繊維構造物である。紙を打ち抜いて組み
立てられるトレーに使用される板紙は、薄い繊維構造物
(シート状)を、3層や5層といった複層重ね合わせる
こと(複層漉き)で、1枚の板紙(約坪量150g/m
2 以上)として作られている。その層間がでんぷん等の
水溶性接着剤で作られているために、レトルトにより、
1層、1層の間が剥離し、ついで繊維が破壊される。
【0117】パルプモールドトレーにおいては、単層で
あり、繊維層のある部分が、フィルムや容器の変形を支
えられずに、凝集破壊により破壊される。仮に蓋がフィ
ルムであった場合、パルプモールドトレーの繊維間で破
壊が起き、また蓋が板紙(シート状)であった場合、パ
ルプモールドトレーの繊維間か、板紙の繊維層間で破壊
される。強度の弱い方で破壊が起きやすいが、両方で起
こる場合もある。
【0118】実施例4について、外観評価は蓋材、フラ
ンジ付き容器共に良好であり、スプレー方式においても
層間剥離等おこさない、130°Cというハイレトルト
条件に耐えうる容器を作製することができた。蓋材にお
いては、プラスチックフィルムのために、撥水性が維持
されてあり、固着したような汚染や、傷等無く、洗浄水
をかけることで瞬間的に表面を洗い流すことができた。
蓋材は、筒型のインスタントラーメン等に使用されてい
るような、マーケット店内のランプなどの光線透過を防
ぐためにアルミ等を使用し、紙でデッドホールド性(折
り曲げたらそのままの形状を維持する性能)等を付与す
るという理由や、デザイン的にトレーと同様に、蓋も紙
とし容器全体に紙のもつ柔らかさのをもたせるといった
理由のために、紙蓋を使用する場合もあるし、コスト等
を鑑みて、プラスチックフィルムを選定する場合もあ
る。
【0119】今回の発明は蓋材とフランジ付き容器のシ
ール部で破壊がおきないようにする発明であり、プラス
チックフィルム構成の蓋材、紙構成の蓋材共に適用でき
る物である。
【0120】比較例1と比較例2については、外観評価
はフランジ付き容器で、フランジ部において層間剥離が
発生し、商品価値がないものとなった。
【0121】比較例3について、外観評価は蓋材、フラ
ンジ付き容器ともに良好であり、スプレー方式において
も層間剥離等おこさない。130°Cというレトルト条
件に耐えうるトレー容器を作製することができたが、固
着したような汚染があり、洗浄水をかけも表面を洗い流
すことができなかった。
【0122】
【発明の評価】本発明の容器は、スプレー式で水が直接
たたきつけられるようなレトルト洗浄方式においても繊
維の層間剥離を防ぐことができ、一般的なプラスチック
レトルト容器や缶への代替え品として良好に使用でき
る。また、印刷面においては、撥水性を付与することで
耐汚染性、洗浄性を付与することができ、プラスチック
容器、缶と同様に、美称性を維持する性能を持たせるこ
とができた。優れた耐水物性および耐熱水物性を有する
ボイル殺菌処理、レトルト殺菌処理、熱水処理による調
理が可能な(紙製)容器を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトレー容器の一実施例を示す、断面説
明図である。
【図2】本発明のトレー容器の一実施例を示す、斜視説
明図である。
【図3】本発明のトレー容器の別の実施例を示す、断面
説明図である。
【符号の説明】
10‥‥トレー容器 11‥‥蓋材 21‥‥フランジ付き容器 22‥‥フランジ部 23‥‥融着シール部
フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AA03 AA04 AA11 AB01 BA10A BB02A BB14A BB26A CA17 CA24 EA06 EA32 EE48 FA01 FB13 FC01 GC02 3E084 AA05 AA14 AA24 AA37 AA39 BA08 BA09 BA10 CA03 CB03 CC03 CC08 CC10 FA09 FD13 GB08 HB01 HC08 HD01 4F100 AJ04B AJ06B AJ06H AK01A AK01B AK25B AK25H AK36B AK36H AK42 AK51B AK51H AK53B AK53H BA02 BA05 BA07 DG01B EJ82B GB16 JB16A JD15B JK02B JK15B JL11 YY00B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓋材をフランジ付き容器の開口部を覆うよ
    うに載置し、蓋材の周縁とそれに重なるフランジ付き容
    器のフランジ部とを融着シールしてなるトレー容器にお
    いて、前記蓋材とフランジ部との融着シール部が、フラ
    ンジ部の端縁より内側に位置して形成されていることを
    特徴とするトレー容器。
  2. 【請求項2】前記蓋材の縦横寸法が、フランジ付き容器
    の開口部フランジ縦横寸法以上であることを特徴とする
    請求項1記載のトレー容器。
  3. 【請求項3】前記フランジ付き容器が、繊維層の全層が
    樹脂により含浸された坪量500g/m2 以下のセルロ
    ース繊維構造物からなることを特徴とする請求項1又は
    2記載のトレー容器。
  4. 【請求項4】前記蓋材が、少なくとも一層以上積層され
    てなる熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする請
    求項1から3のいずれか1項に記載のトレー容器。
  5. 【請求項5】前記蓋材が、片面に(シーラントとして)
    少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂フィルムが貼合され
    た、繊維層の全層が樹脂により含浸された坪量500g
    /m 2 以下のセルロース繊維構造物からなることを特徴
    とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトレー容
    器。
  6. 【請求項6】前記蓋材が、ベック平滑度が50sec.
    以上である平滑な被印刷面をもっていることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれか1項に記載のトレー容器。
  7. 【請求項7】前記蓋材が、コッブ吸水度が30g/m2
    以下になるような表面撥水性をもっていることを特徴と
    する請求項1から6のいずれか1項に記載のトレー容
    器。
  8. 【請求項8】請求項5から7のいずれか1項記載の蓋材
    が、樹脂含浸された繊維構造物の湿潤引っ張り強度が、
    9.8N/15mm以上であることを特徴とするトレー
    容器。
  9. 【請求項9】前記フランジ付き容器及び蓋材に使用され
    るセルロース繊維構造物へ含浸する樹脂が、ポリウレタ
    ン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、アクリル酸エステ
    ル、尿素樹脂、エポキシ樹脂、硝化綿樹脂が、単独もし
    くは、併用されてなることを特徴とする請求項1から8
    のいずれか1項記載のトレー容器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012144259A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd 蓋材用基紙

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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