JP2003094858A - 書籍およびその流通管理方法 - Google Patents

書籍およびその流通管理方法

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JP2003094858A JP2001288006A JP2001288006A JP2003094858A JP 2003094858 A JP2003094858 A JP 2003094858A JP 2001288006 A JP2001288006 A JP 2001288006A JP 2001288006 A JP2001288006 A JP 2001288006A JP 2003094858 A JP2003094858 A JP 2003094858A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】書籍等の製造管理、流通管理、店舗管理、盗難
防止等を実現し、同時に不正返本を防止できるシステム
を提供する。 【解決手段】ユニークな番号を持つ無線タグを書籍のカ
バーあるいは表紙に設けた点数券に内装し、上記無線タ
グの情報と版元サーバーにある発行済みタグ情報とを公
衆回線等を使って比較対応し、書籍のカバー紙あるいは
表紙の点数券の真贋を判別し、真券である場合には点数
券の相当価値の金券として通用させ、正規購入者に利便
を図るとともに、販売済み書籍が不正返本などに還流す
るのを抑止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は店頭管理、蔵書管
理、流通管理等に共通して利用できる書籍の管理手段お
よび管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図14に従来の書籍の返本の流れを示し
た。一般の書籍流通における再販制度によれば、書店A
は書籍を出版社あるいは取次店から仕入れ、売れなかっ
た書籍を返本することで仕入れ費用が返金される。この
とき、小林一博著「出版大崩壊」(2001年6月20
日、イースト・プレス社発行)に述べられているよう
に、一旦販売された書籍あるいは盗難などにあった書籍
を、書店Bなどを介して還流させ、それらを売れ残った
書籍と併せて返本する不正が行われることがある。
【0003】上記不正は、出版社や取次店での入出庫の
管理が不十分であるために、売れ残りの書籍と一旦売ら
れてから還流してくる書籍との厳密な確認が行われてい
ないことで助長されているものと考えられる。その要因
として、書籍に付けられているバーコードなどの認識符
号の読み取りが書籍のような膨大な発行量の物品の管理
には適していないことが上げられる。
【0004】従来の書籍の蔵書管理、流通管理に利用さ
れてきたバーコードは、汚れや傷がついた場合に読みと
りにくい、バーコードの方向に併せて読み込む必要があ
り、扱いにくいといった欠点がある。方向に関係なくバ
ーコードの読み込みができる高性能な読みとり器もある
が、それらは非常に高価である。
【0005】また、バーコードは可視光領域での読み取
りのために、複数の書籍を扱う場合、それらを順次個別
に読みとり器にかける必要があるなど、作業性の点で問
題があった。さらに、コピーあるいはプリントすること
で簡単に複製が作られてしまうなどのセキュリティ確保
の上でも問題があり、高い信頼度が要求される場合など
には適さなかった。
【0006】以上のような理由から、バーコードで書籍
の一冊ずつを管理するやり方では、大量の書籍を扱う流
通業務、店舗管理業務、返本処理業務などで処理時間が
かかりすぎ、正確かつ迅速な管理ができなかったと言え
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なバーコードによる書籍管理方法の弱点を克服し、比較
的低コストで迅速かつ正確なデータ処理を可能とし、不
正返本の防止などを容易にする書籍管理手段および方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、バ
ーコードの代わりに、記憶情報量が大きく、かつ書き込
まれた情報の管理が高い秘匿性を持って実現でき、読み
取りにおける方向性が少なく、電波の透過性などの利点
を生かして複数冊を一括処理できる無線タグを用いた安
価で高信頼度の書籍管理システムを提供することで達成
される。
【0009】上記無線タグとしては、空間波長で決まる
アンテナの大きさを小さく安価にでき、電波を効率よく
授受できる準マイクロ波帯の電波を使った無線タグが好
ましい。また、無線タグを書籍の表紙あるいはカバーに
点数券の形で作り込み、書籍の購入者が点数券を金券と
同価値で利用できるようにし、購入者の利便を図るとと
もに、一度販売された書籍が販売されなかった書籍とし
て返本処理される際に容易に発見できるようにする。
【0010】無線タグを導入することで、出版社や取り
次ぎ店における書籍の管理が高速かつ高信頼度、高セキ
ュリティで実現でき、不正返本などの検出処理が容易に
なる。
【0011】また、書店において一旦売却された書籍が
書店の返本ルートに還流することがないようにするため
には、売却された書籍であることの証を売却された書籍
自体に残す必要がある。そのために本発明においては、
書籍の顔である表紙あるいはそのカバー紙に無線タグが
装着された点数券の領域を設け、これを切り離して使用
するようにする。
【0012】図15に本発明の無線タグを装着した点数
券を持つ書籍による不正返本抑止の構図を示した。出版
社あるいは取次店は無線タグを使った書籍の管理システ
ムを構築しておく。この管理システムは書籍の製造段階
から物流、店舗管理、不正返本管理まで全管理行程にお
いて効果を発揮できる。
【0013】本発明によれば、出版社あるいは取次店が
扱う書籍はすべてカバー紙あるいは表紙に無線タグを装
着した点数券を備えており、すべての書籍の無線タグが
持っている点数券を識別できる番号を読み取り、書籍と
のひも付けを行い、管理端末に格納しておく。
【0014】点数券に付された無線タグの持つ識別番号
は、書籍の識別が可能な情報に対して管理端末上でひも
付けされる。書店Aが点数券の付いた書籍を購入者に売
却すると、購入者は図14の場合のように書店Bに売却
することで得られる利益よりも高い利益が約束されれ
ば、書籍から点数券を切り離して点数券を有効に活用で
き、書籍が不要になれば、書籍のみを書店Bに売却する
こともできる。
【0015】点数券は、たとえば一般の物品購入におい
ての購入金額の補充分、あるいは会員カードなどへの点
数の蓄積などの形で、点数に応じて金銭に代わるサービ
スが提供されるものとする。購入者が無線タグの装着さ
れた点数券でのサービスを要求すると、出版社あるいは
取次店は管理端末の格納情報と無線タグの読み取り情報
を比較し、真券である場合には点数保証がなされ、券面
の点数に応じたサービスが提供される。盗難などに遭っ
た書籍に付された点数券によるサービス要求が出された
場合は、あらかじめ書籍にひも付けされた識別番号と盗
難情報が出版社あるいは取次店の管理端末で確認される
ことによって、その点数券は無効とされ、サービス提供
が拒否される。ここで、本発明においては、書店の書棚
の書籍から点数券だけが持ち去られるような盗難を防止
する工夫も必要となるが、この点については後述する。
本発明によれば、点数券のなくなった書籍が書店B、書
店Aを介して出版社もしくは取次店に還流してきても、
それらは売れ残りの書籍とは認められず、返本処理から
除外され、出版社や取次店は書店Aに対して返金の義務
はなくなる。
【0016】図16は不正返本の関係者相互の関係を時
間軸で見たものである。書店Aが出版社あるいは取り次
ぎから点数券付きの書籍を仕入れ、購入者がこれを購入
して点数券の価値を認めた場合には点数券を書籍から切
り離す。この場合、この購入者が書籍を書店Bに売却
し、書店Bがさらにそれを書店Aに売却しても、書店A
は点数券がない書籍を返本することはきない。書籍の購
入者は点数券を使ったサービスを要求し、出版社や取次
店の管理端末に格納された情報から未使用の点数券で盗
難に遭ったものでないことが分かれば点数保証がなさ
れ、物品購入や点数蓄積などのサービスが付与される。
【0017】図17は不正返本の関係者相互の関係をフ
ローチャートで見たものである。出版社あるいは取次店
から無線タグ付き書籍の物品管理システム下に置かれた
無線タグ付き書籍を書店Aが仕入れて購入者に販売した
場合、購入者は書籍の点数券を書籍のカバー紙あるいは
表紙などから切り離し、これを物品購入や点数券蓄積な
どのサービスを受けることができる。購入者の点数券利
用に際しては出版社あるいは取り次の管理システムに対
して公衆網などを介して、有効あるいは無効などの点数
保証がなされる。点数券の付いていない書籍で、購入者
が不要とする書籍は書店Bなどに売却して購入者が利益
を得ることができる。このとき、本発明により点数券の
ない書籍が返本できない仕組みが構築されていると分か
れば、書店Aでは書店Bから買い上げて不正返本に回す
ことがなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は書籍本体の外面を覆う書籍
カバーに本発明を実施した例を示す。図2は図1のカバ
ー1の裏面を示す。図1において、1は書籍カバー全
体、2はカバー1の一部をなす点数券、3は無線タグ、
4,5はミシン目あるいは切取線である。
【0019】カバー1には、書籍の題名、作者、訳者、
発行所、発行人などの情報が印刷される。点数券2はミ
シン目あるいは切取線4,5によってカバー1から容易
に分離可能である。上記点数券2には点数などが印刷さ
れ、その内部に点数や発行元、書籍のID番号などの情
報を書き込んだ無線タグ3が挿入され、書籍の店頭管
理、蔵書管理、流通管理、製造管理における固有番号と
して利用される。この無線タグ3は、図2のようにカバ
ー2の紙の厚さ内に封止できる薄く折り曲げにも強い小
型の無線タグである。上記無線タグ3に記録されるID
番号等は、ネットワーク上の版元などの管理部署のサー
バーにおいて集中的に管理され、固有値であることが保
証される。ここで、雑誌などの場合は図1のカバー紙を
そのまま表紙として使用することができる。
【0020】図3は本実施例において紙の厚さ内に封止
される無線タグの一構成例を示し、(a)はその平面
図、(b)は断面図をである。図3において6はアンテ
ナ導体、7はICチップ、8は高周波整合線路、9はカ
バーコート、10は誘電体基板である。ICチップ7は
電波の照射によって電力を発生させると同時にクロック
を生成し、内蔵する論理回路を駆動し、論理回路内のメ
モリ情報を必要に応じて送信する機能を持った無電池型
の無線タグを構成する。
【0021】アンテナ導体6は2.45GHzの空間波
長のほぼ1/2の長さで、アンテナ導体6の途中からI
Cチップ7と高周波的な整合をとるための整合線路8を
備えており、ICチップ7とアンテナ6との電力のやり
取りを効率的に行っている。アンテナ導体6と読みとり
器との通信距離が短くてもよい場合は、アンテナ導体6
の長さは必ずしも空間波長の1/2の長さが必要ではな
く、場合に応じて、アンテナ導体6の長さを短くするこ
とが可能である。
【0022】アンテナ導体6は誘電体基板10の上に蒸
着やメッキなどの技術で形成された銅などの導電性の良
好な導体層をエッチング技術によりパターン成形する。
当該パターンの高周波整合線路8とアンテナ導体6の中
央部の低電位点との間にICチップ7を異方性導電フィ
ルムによる接合技術やハンダ接続技術により電気的、機
械的に接続し、カバーコート9により銅導体表面の保護
や接続部の保護をする。
【0023】図4は図3の無線タグをカバー1の紙内部
に実装した構造を示す。図4において、(a)は平面
図、(b)は平面図におけるA−A断面図を示す。図4
において、11,12はミシン目あるいは切取線で切り
離された点数券2のミシン目あるいは切断面を示す。
(b)の断面に示すように、本実施例では無線タグ3が
背表紙の紙の間に内装され、無線タグ3実装部位におい
ても紙の厚さ程度になっている。
【0024】本実施例に示したカバー紙あるいは表紙の
材料には一般的に紙が用いられるが、点数券部分だけ、
簡単に切り取られるおそれがあることを考えると、書店
の書棚から不正に持ち出されないように、合成樹脂の繊
維質の材料を使って点数券部分を容易には切り離せない
構成とすることもできる。無論ナイフやはさみなどを使
えば切り取ることは容易にしておく。
【0025】図1〜図4までの実施例の無線タグ3はア
ンテナ6を備えているが、無線タグICチップに電力お
よびクロックを伝送するための回路として複同調回路方
式を導入し、複同調回路の信号源を含む一次側同調回路
を読みとり器側に設け、負荷回路を含む二次側同調回路
を無線タグICチップ上に設けて無線タグシステムを構
築することもできる。
【0026】図5は複同調型の共振回路を使って電力、
情報のやり取りを行うICチップ型無線タグを点数券2
の内部に配置した構成例である。図5において、(a)
は点数券2に実装された平面図、(b)はその断面図を
示す。13はICチップで、(b)の断面図に示すよう
に背表紙またはカバーの折り返し部の紙材のほぼ中央部
に実装可能なICチップの大きさで構成した。
【0027】上記ICチップ13には、半導体能動部に
発電回路、変調・復調回路、メモリ回路が集積化され、
これら半導体の上部に誘電体層と導体層を交互に積みか
ねてコイルおよびコンデンサを形成し、マイクロ波の周
波数帯で共振する複同調回路の二次側回路を構成する。
当該無線タグICチップ13に対して、質問器の複同調
回路の一次側同調回路を近接させ、電力を供給するとと
もに情報のやり取りを行い、ICチップ13に書き込ま
れたメモリにアクセスして情報を読みとったり、書き込
んだり、あるいは論理回路動作に指示を与えるなどの一
連の通信を行う。
【0028】図6は無線タグICチップ13を直接紙に
実装せず、テープ状の台紙に一旦固定し、台紙ごと点数
券2に張り付ける例を示す。図6において(a)は平面
図、(b)は断面図で、14はテープ状の紙あるいは樹
脂製の台紙で、ミシン目15などの切取線により無線タ
グICチップを個別に切り出す。無線タグICチップ1
3は台紙に接着層16を介して直接固定される。接着層
16は無線タグICチップ13を点数券の表面あるいは
裏面に台紙14で保護して固定する。
【0029】図7は台紙に固定された無線タグICチッ
プが取り付けられた様子を示す。(a)は平面図、
(b)は断面図である。図7において17は無線タグI
Cチップが実装された台紙で、(b)の断面図に示すよ
うに点数券2の券面に接着層により固定される。
【0030】図8は図1に示したカバー1を装着した書
籍を、裏表紙の内側が見えるように開いた状態で示した
斜視図である。図8において、2は点数券、3は無線タ
グ、18は書籍本体、19は裏表紙である。無線タグ3
が放射アンテナを備える場合、背表紙の材質、書籍本体
の材質が大抵の場合マイクロ波などの高周波信号を若干
の減衰量を持って通過する紙などを使用しており、カバ
ー1を装着したまま、書籍を閉じた状態または書籍を複
数冊積み重ねた状態でも、質問器との間でほとんどあら
ゆる方向から同時に複数の無線タグ3に対して電力を供
給し、情報のやり取りをすることが可能である。
【0031】ただし、無線タグのアンテナが図3に示す
ような直線偏波対応のアンテナの場合、アンテナの長手
方向に感度が低下するために長手方向からの電波に対し
ては通信がしにくくなる。また、質問器のアンテナが直
線偏波の場合、無線タグの偏波面とお互いの偏波面を合
わせなければならないが、質問器アンテナに円偏波のア
ンテナを使えば、偏波面の合わせは不要となる。
【0032】また、図5あるいは図7の例のように複同
調型の無線タグICチップ13を使う場合には、質問器
コイルは密着状態で無線タグICチップ13のコイルと
近接配置しなければ無線タグIC13を動作させるのに
十分な電力供給ができず、情報のやり取りが困難にな
る。この場合には、無線タグICチップ13と質問器を
1対1で近接させ、通信させる必要がある。
【0033】図9は図1に示したカバー1を表紙あるい
は裏表紙を持つ書籍などに装着し、裏表紙の内側に折り
曲げたカバー紙1が見えるように書籍を開いた状態で示
した斜視図である。図9において、2は点数券、3は無
線タグ、18は書籍本体、19は裏表紙である。無線タ
グ3が内装された点数券2が書籍の裏表紙19の内側に
入り込む形になるが、応答器となる無線タグ3と質問器
間の電波を使った情報のやり取りは図8の例と同様に可
能である。
【0034】図10は本発明の実施例で、無線タグ3を
配した書籍のタグ情報を読み取り、あるいは書き込む質
問器を含むシステムのデータのやり取りを示す図であ
る。図において、20は無線タグ3を個々に持つ複数の
書籍、21は質問器、22はパソコン、23は公衆網、
24はサーバー、25,26はパソコン、27は携帯電
話、28は携帯情報端末、29,30は質問器である。
質問器21,29,30は、パソコンによって動作が制
御されており、無線タグ3からの情報の読み出しや書き
込み、無線タグ3に対する動作コマンドの送信などを行
う。
【0035】質問器を直接持たない携帯電話27や携帯
情報端末28は質問器を内蔵しており、手に持ったまま
でタグに対して情報を書き込むあるいは読み出すなどの
処理を行い、端末でデータの処理を行い、公衆網を介し
てさらに上位の他のコンピュータなどとのデータのやり
取りを行う。パソコンの場合も上位との情報のやり取り
は同様に行うことができる。携帯電話27や携帯情報端
末28では、駆動電池の容量が少ないために、質問器か
ら発する電力を少なくしてより近接状態で無線タグとの
通信を行う。これに対して、パソコンを介した質問器の
場合は、比較的大きな駆動電力が得られるので、据え置
き型として比較的長い距離を保って無線タグとの通信が
可能となる。
【0036】パソコン22,25,26あるいは携帯電
話27、携帯端末28は、それぞれ認証のためのIDを
備えている。書籍のカバー1あるいは書籍本体を通した
電波による通信で書籍20から読みとられた個々の無線
タグ3の情報は、パソコンのIDとともにサーバー24
に蓄積され、書籍の売買店頭での棚卸し、配送などのデ
ータとして利用することができるとともに、版元などの
サーバーにデータとして蓄積でき、返本処理時や購読者
が点数券を利用するときの管理データとして利用でき
る。
【0037】図11は無線タグを備えている書籍から、
質問器を使って情報を読みとる別の例を示す。31はパ
ソコン、32は質問器、33は制御線である。この例で
は、サーバー24がパソコンと直結しているが、公衆網
23を介して接続されていてもよい。図11において書
籍20は、たとえば返本されてきた書籍で、版元におい
てサーバー24に蓄えられた情報と、質問器32で読み
とった情報を比較して無線タグの付いていない書籍を特
定するなどの処理プロセスを実施する構成である。
【0038】無線タグの付いていない書籍がある場合、
書籍20に対して質問器32から電波を照射することで
重なったままの書籍からこの書籍のタグの情報を読みと
ることができ、員数合わせやカバーの点数券の有無を確
認するなどして無線タグの実装された点数券のない書籍
を特定することができる。また、書籍20を一冊ずつバ
ラバラにして、一冊ずつ質問器32に近づけて高速で読
み取り確認を行うことでも、無線タグのない書籍を特定
できる。
【0039】返本された書籍の中に、無線タグ3の入っ
た点数券のないものが混じっていれば、一度販売された
ものが過って返本の書籍に入り込んだか、書店において
点数券のみが抜き取られたかのいずれかであると判断さ
れる。無線タグが故障で読み取りができないものについ
ては、点数券の有無から判断でき、上記両者のいずれで
もないことがわかる。
【0040】図12は点数券の利用に関する例である。
図において23は公衆網、24は版元のサーバー、34
はパソコン、35は金融機関などのサーバー、36は第
1の点数券、37は第2の点数券、38はクレジットカ
ードやプリペイドカード、39は現金、40は書籍、6
6は質問器である。上記構成において、読者が過去に書
籍を購入して点数券を2枚得て、この2枚の点数券3
6、37とクレジットカードあるいはプリペイドカード
38あるいは現金39を使って、書店にて新たに書籍4
0を購入するものとする。
【0041】書籍40を購入することで点数券36,3
7は初めて使用されることになる。このとき、点数券3
6,37の情報は質問器66によって読み込まれ、パソ
コン34から公衆網23を介して版元のサーバー24で
点数券の確認が行われ、正券で未使用であることが確認
されると点数に対応する金額の書籍の販売が行われる。
このとき、上記点数券に対応する金額が書籍の価格に満
たない場合には、クレジットカードやプリペイドカード
38または現金39などでの決済が行われる。また、点
数券に対応する金額以下の価格の書籍の場合は、プリペ
イドカード38などに、差額に相当する点数が補充され
るなどのサービスが可能である。プリペイドカードに補
充された点数は版元サーバーの了解を得て金融機関のサ
ーバー35から書店に補充がなされる。
【0042】ここで、書店において書籍販売時点で書籍
の無線タグの確認ができれば、書店のIDとともに無線
タグ情報を公衆網を通して版元のサーバーに蓄積でき、
書店にも情報が残される。また、書店で陳列中に点数券
だけが抜き取られた場合は、換金時点で書店のパソコン
あるいは他の店舗を介して版元のサーバーで確認がとれ
るため、点数券の不正使用は防止できる。また、書店で
の点数券の抜き取りは、棚卸し時に図11に示した処理
を実施することでも確認できる。この結果を版元サーバ
ーに問い合わせることで、書店店頭にて無くなった点数
券の情報を確認でき、不正使用を防ぐことができる。本
発明の点数券によるサービスを、一般の店舗、通信販売
あるいはオンラインショッピングなどの決済においても
利用可能にすることもできる。
【0043】書店店頭にて点数券2が容易に持ち去られ
ないようにする方策としては、図1から図9までの例で
示しているようなミシン目による点数券の切り離しをな
くし、ミシン目部分を切り取り用のガイドラインとする
ことで、書店店頭において容易に持ち去られることは少
なくなると考えられる。
【0044】図13は点数券の利用に関する別の例であ
る。図13において図12の例と異なる点は、41のプ
リペイドカードあるいはポイントカード(会員カード)
を用いる点である。23は公衆網、24は版元のサーバ
ー、34はパソコン、35は金融機関などのサーバー、
36は第1の点数券、37は第2の点数券、38はプリ
ペイドカード、66は質問器である。図13は書籍の読
者が書籍を購入して点数券を2枚得て、この2枚の点数
券36、37をプリペイドカードあるいはポイントカー
ド41に点数券の点数相当を蓄積する場合の例である。
【0045】店舗のパソコン34より公衆網23を介し
て版元のサーバー24に点数券の確認が行われ、正券で
未使用であることが確認されると券面相当の点数の補充
がプリペイドカードあるいはポイントカード41に対し
て行われる。プリペイドカードあるいはポイントカード
41に補充された点数は版元サーバーの了解を得て金融
機関のサーバー35より店舗に補充がなされる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、書籍のカバー紙あるい
は表紙にマイクロ波帯などを利用した無線タグを適用す
ることにより書籍の流通における管理および書店店頭に
おける在庫管理が遠隔点から無線タグ情報の読み込み、
書き込みとして行うことができる。書籍が複数冊重なっ
た場合でも複数の書籍を通して無線タグの読み取りが可
能で、バーコードのように無線タグを直視する必要がな
い。
【0047】当該無線タグを内蔵する背表紙の点数券部
分を背表紙から切り離して金券として利用することで、
書籍購入者が一般店舗における商品の売買におけるクレ
ジットカードあるいはプリペイドカードの補完としても
使用することができ、プリペイドカードに対して、点数
の上積みとしても利用できる。点数券を切り取り方式に
して、店頭にて陳列中に容易に切り離しができないよう
にすることで書店店頭からの不正持ち出しを抑止でき
る。
【0048】また、一度金券として使われた点数券は書
籍から切り離されるために点数券の有無での確認と複数
の書籍のタグを一括してあるいは個別に読み込むなどし
て無線タグの情報を読み込み、当該情報を照合すること
で販売済みの書籍の確認ができるので、版元への返本の
際に正規の返本の書籍の確認が容易かつ迅速にできる。
【0049】この結果、点数券だけが不正に持ち去られ
ることなく、版元における不正返本の書籍の発見が容易
になり書籍に関する不正の抑止効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の書籍カバー表面の展開図。
【図2】本発明の一実施例の書籍カバーの裏面展開図。
【図3】本発明の一実施例の無線タグの構成を示す平面
図と断面図。
【図4】本発明の一実施例の無線タグを内装する点数券
の平面図と断面図。
【図5】本発明の一実施例の無線タグICチップを内装
する点数券の平面図と断面図。
【図6】本発明の一実施例の無線タグICチップ実装部
の平面図と断面図。
【図7】本発明の一実施例の無線タグICチップと点数
券を示す平面図と断面図。
【図8】本発明の一実施例におけるカバー装着状態を示
す書籍の斜視図。
【図9】本発明の一実施例におけるカバー装着状態を示
す書籍の斜視図。
【図10】本発明の一実施例のシステム構成例を示す模
式図。
【図11】本発明の一実施例のシステム構成例を示す模
式図。
【図12】本発明の一実施例のシステム構成例を示す模
式図。
【図13】本発明の一実施例のシステム構成例を示す模
式図。
【図14】書籍販売と返本のルートを示す流れ図。
【図15】本発明の一実施例による書籍販売と返本のル
ートを示す流れ図。
【図16】不正返本の関係者相互の関係を時間軸で見た
説明図。
【図17】不正返本の関係者相互の関係示す流れ図。
【符号の説明】
1…カバー、2…点数券、3…無線タグ、4、5、1
1、12、15…ミシン目あるいは切取線、6…アンテ
ナ導体、7無線タグICチップ、8…インピーダンス整
合線路、9…カバーコート、10…誘電体基板、13…
無線タグICチップ、14…台紙、16…接着層、17
…台紙、18…書籍、19…裏表紙、20…書籍、2
1、29、30、32…質問器、22、25、」26、
31、34…パソコン、23…公衆網、24…サーバ
ー、27…携帯電話、28…携帯端末、33…制御線、
35…サーバー、36、37…点数券、38…クレジッ
トカード、39…現金、40…書籍、41…プリペイド
カード。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】書籍の表紙および裏表紙の内側に一部が折
    り込まれて、書籍の表紙および裏表紙を覆うカバー紙を
    備え、上記カバー紙の一部に点数券の領域を設け、上記
    領域内に無線タグを取り付けたことを特徴とする書籍。
  2. 【請求項2】書籍の表紙および裏表紙を構成し、上記表
    紙または裏表紙の内側に折り返し部を有するカバー紙
    の、上記折り返し部の一部に点数券の領域を設け、上記
    領域内に無線タグを取り付けたことを特徴とする書籍。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、無線タグがカ
    バー紙のいずれか一方の面に張り付ける構造で設けられ
    ていることを特徴とする書籍。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、無線タグがカ
    バー紙の紙の内部に埋め込まれるように実装されている
    ことを特徴とする書籍。
  5. 【請求項5】請求項1または2において、無線タグがカ
    バー紙の折り込み部分に貼付あるいは内装されているこ
    とを特徴とする書籍。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかにおいて、上
    記無線タグが放射型のアンテナを持つ無線タグであるこ
    とを特徴とする書籍。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれかにおいて、上
    記無線タグが二次側同調回路を設けた無線タグICチッ
    プからなることを特徴とする書籍。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか記載の書籍に
    おいて、上記無線タグには、外部からの電磁波を電力源
    として動作する電源回路、論理回路、発信回路およびメ
    モリ部を有し、上記メモリ部に、点数券の券面表記の点
    数情報および書籍の管理情報が記憶されていることを特
    徴とする書籍。
  9. 【請求項9】書籍の表紙あるいは裏表紙の内側に一部が
    折り込まれる部分を有し、書籍の表紙および裏表紙を覆
    うか、もしくはそれ自体が表紙または裏表紙を構成する
    カバー紙カバー紙の、上記折り返し部の一部に無線タグ
    を貼付あるいは内装した点数券の領域を設け、書籍の購
    入者が上記点数券の領域にあらかじめ設けられたミシン
    目あるいは切取線に沿って点数券を切り離し、一般の店
    舗や通信販売、オンラインショッピングなどの買い物の
    支払いにおいて提示することで、上記購入者に点数券の
    券面点数に応じたサービスが提供され、上記点数券のな
    い書籍が返本された場合には、点数券がないことを目視
    や無線タグのデータが読出されないことから認識し、当
    該書籍が一度販売された書籍であることを確認すること
    を特徴とする書籍の流通管理方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、上記無線タグには外
    部からの電磁波の照射を受けて動作する電源回路、論理
    回路、発信回路およびメモリ部を有し、上記メモリ部に
    当該書籍の点数券に表記される点数の情報および書籍の
    店頭管理、蔵書管理、流通管理、製造管理のいずれかに
    所要の管理情報が記憶されていることを特徴とする書籍
    の流通管理方法。
  11. 【請求項11】請求項9記載の書籍の無線タグに記憶さ
    せた情報を管理する出版社または取次店サーバーと、上
    記点数券の券面記載の点数に応じたサービスを提供する
    店舗等に設置され、公衆網を介して上記サーバーに対す
    るクライアントとなるコンピュータと、上記クライアン
    トコンピュータに上記無線タグの記憶情報を供給する読
    み取り装置を用いることを特徴とする書籍の流通管理方
    法。
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