JP2003094572A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
積層体およびその製造方法Info
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- JP2003094572A JP2003094572A JP2001296047A JP2001296047A JP2003094572A JP 2003094572 A JP2003094572 A JP 2003094572A JP 2001296047 A JP2001296047 A JP 2001296047A JP 2001296047 A JP2001296047 A JP 2001296047A JP 2003094572 A JP2003094572 A JP 2003094572A
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、透明性が高く、高湿度下や機械的
ストレスを受けるような場合でも極めて高度なガスバリ
ア性能を有する積層体を提供することを主目的とするも
のである。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
基材と、この基材上に形成された無機・有機ハイブリッ
ドポリマー層とを有する積層体において、上記無機・有
機ハイブリッドポリマー層が、水素結合形成基を有する
電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくと
も一方の化合物を重合させて形成された有機ポリマー
と、金属酸化物を骨格とする無機ポリマーとの無機・有
機ハイブリッドポリマー層であることを特徴とする積層
体を提供する。
ストレスを受けるような場合でも極めて高度なガスバリ
ア性能を有する積層体を提供することを主目的とするも
のである。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
基材と、この基材上に形成された無機・有機ハイブリッ
ドポリマー層とを有する積層体において、上記無機・有
機ハイブリッドポリマー層が、水素結合形成基を有する
電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくと
も一方の化合物を重合させて形成された有機ポリマー
と、金属酸化物を骨格とする無機ポリマーとの無機・有
機ハイブリッドポリマー層であることを特徴とする積層
体を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性およ
び透明性に優れ、例えば、飲食品、医薬品などの包装ま
たは、太陽電池やポリマーバッテリー、液晶フィルム、
有機EL素子等の電子部材用に有用な積層体に関するも
のである。
び透明性に優れ、例えば、飲食品、医薬品などの包装ま
たは、太陽電池やポリマーバッテリー、液晶フィルム、
有機EL素子等の電子部材用に有用な積層体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、化学薬品等の包装には、
水蒸気や酸素の透過防止のため、ガスバリア性のプラス
チックフィルムが使用されている。そして、内容物の変
質を防ぐためさらに良好な水蒸気や酸素の透過防止性が
必要な用途には、高度なガスバリア性を有するフィルム
が用いられている。
水蒸気や酸素の透過防止のため、ガスバリア性のプラス
チックフィルムが使用されている。そして、内容物の変
質を防ぐためさらに良好な水蒸気や酸素の透過防止性が
必要な用途には、高度なガスバリア性を有するフィルム
が用いられている。
【0003】このようなフィルムとしては、従来よりア
ルミ箔が知られているが、使用後の廃棄処理が問題にな
っている他に、基本的に不透明であり、内容物を外から
見ることができない問題がある。
ルミ箔が知られているが、使用後の廃棄処理が問題にな
っている他に、基本的に不透明であり、内容物を外から
見ることができない問題がある。
【0004】その他、ポリ塩化ビニリデン樹脂や塩化ビ
ニリデンと他のポリマーとの共重合体樹脂からなる基
材、あるいはこれらの塩化ビニリデン系樹脂をポリプロ
ピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂にコー
ティングしてガスバリア性を付与したものが、特に包装
材料として広く使用されているが、焼却処理で塩素系ガ
スが発生するため、環境保護の点で現在、問題となって
おり、さらに、ガスバリア性が必ずしも充分でなく、高
度なバリア性が要求される内容物には使用できないとい
う問題があった。
ニリデンと他のポリマーとの共重合体樹脂からなる基
材、あるいはこれらの塩化ビニリデン系樹脂をポリプロ
ピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂にコー
ティングしてガスバリア性を付与したものが、特に包装
材料として広く使用されているが、焼却処理で塩素系ガ
スが発生するため、環境保護の点で現在、問題となって
おり、さらに、ガスバリア性が必ずしも充分でなく、高
度なバリア性が要求される内容物には使用できないとい
う問題があった。
【0005】さらに、ポリビニルアルコール(PVA)
やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)も用
いられるが、これらは絶乾条件では、比較的優れたガス
バリア性を示すが、水蒸気バリア性は充分でなく、ま
た、湿度条件で酸素バリアが悪化するため、現実的な条
件では充分なガスバリア性材料とは言えない。この湿度
依存性を改善する手法の一つとして、真空蒸着法で酸化
珪素等の無機酸化物を蒸着する方法(特開平4−713
9号公報)も提案されているが、湿度70%以上の高湿
度条件では酸素バリア性の悪化は改善できないという問
題があった。
やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)も用
いられるが、これらは絶乾条件では、比較的優れたガス
バリア性を示すが、水蒸気バリア性は充分でなく、ま
た、湿度条件で酸素バリアが悪化するため、現実的な条
件では充分なガスバリア性材料とは言えない。この湿度
依存性を改善する手法の一つとして、真空蒸着法で酸化
珪素等の無機酸化物を蒸着する方法(特開平4−713
9号公報)も提案されているが、湿度70%以上の高湿
度条件では酸素バリア性の悪化は改善できないという問
題があった。
【0006】また、真空蒸着法、例えば物理蒸着法(P
VD)で二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のプラスチックフィルム基材上に珪素酸化物、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄
膜を蒸着したフィルムが提案されている。このようなフ
ィルムは、ガスバリア性が格段に向上し、しかも、透明
なため内容物を外から見える利点もあり、さらにEVO
H等のようにバリア性の湿度依存性がない。しかしなが
ら、蒸着膜は無機酸化物粒子の積み重ねで形成されてお
り、膜内に必ず欠陥構造を含むため、成膜手法を変えて
も、バリア性には限界がある。さらに、これらの蒸着膜
は耐屈曲性が悪く、機械的ストレスによってバリア性が
劣化する問題も指摘されており、その用途は限定されて
いる。
VD)で二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のプラスチックフィルム基材上に珪素酸化物、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄
膜を蒸着したフィルムが提案されている。このようなフ
ィルムは、ガスバリア性が格段に向上し、しかも、透明
なため内容物を外から見える利点もあり、さらにEVO
H等のようにバリア性の湿度依存性がない。しかしなが
ら、蒸着膜は無機酸化物粒子の積み重ねで形成されてお
り、膜内に必ず欠陥構造を含むため、成膜手法を変えて
も、バリア性には限界がある。さらに、これらの蒸着膜
は耐屈曲性が悪く、機械的ストレスによってバリア性が
劣化する問題も指摘されており、その用途は限定されて
いる。
【0007】一方、低温プラズマ化学蒸着法(CVD
法)は、基材に対する熱的ダメージが少なく無機酸化物
蒸着層を形成できる方法として注目されている。耐屈曲
性も良好で、機械的ストレスを受けてもバリア性の低下
が少ない等の優れた特性を有しているが、PVD法と同
様、膜内の欠陥構造によるバリア性に限界があるという
問題がある。
法)は、基材に対する熱的ダメージが少なく無機酸化物
蒸着層を形成できる方法として注目されている。耐屈曲
性も良好で、機械的ストレスを受けてもバリア性の低下
が少ない等の優れた特性を有しているが、PVD法と同
様、膜内の欠陥構造によるバリア性に限界があるという
問題がある。
【0008】以上のように、PVD法、あるいはCVD
法による蒸着フィルムのバリア性は、有機系のバリア材
料に比べると確かに優れているが、アルミ箔のレベルに
は及ばないという問題があった。また、これら蒸着法で
得られる無機酸化物層は、例えば、ケイ素酸化物を形成
した場合、SiO1.5〜1.8付近の組成となるが、
これら酸化が不十分な無機酸化物は黄変するため、高い
透明性が求められる用途には使用することができないと
いう問題があった。
法による蒸着フィルムのバリア性は、有機系のバリア材
料に比べると確かに優れているが、アルミ箔のレベルに
は及ばないという問題があった。また、これら蒸着法で
得られる無機酸化物層は、例えば、ケイ素酸化物を形成
した場合、SiO1.5〜1.8付近の組成となるが、
これら酸化が不十分な無機酸化物は黄変するため、高い
透明性が求められる用途には使用することができないと
いう問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、透明性が高く、
高湿度下や機械的ストレスを受けるような場合でも極め
て高度なガスバリア性能を有する積層体を提供すること
を主目的とするものである。
を解決するためになされたものであり、透明性が高く、
高湿度下や機械的ストレスを受けるような場合でも極め
て高度なガスバリア性能を有する積層体を提供すること
を主目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、基材と、こ
の基材上に形成された無機・有機ハイブリッドポリマー
層とを有する積層体において、上記無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層が、水素結合形成基を有する電離放射線
硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化
合物を重合させて形成された有機ポリマーと、金属酸化
物を骨格とする無機ポリマーとの無機・有機ハイブリッ
ドポリマー層であることを特徴とする積層体を提供す
る。
に、本発明は、請求項1に記載するように、基材と、こ
の基材上に形成された無機・有機ハイブリッドポリマー
層とを有する積層体において、上記無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層が、水素結合形成基を有する電離放射線
硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化
合物を重合させて形成された有機ポリマーと、金属酸化
物を骨格とする無機ポリマーとの無機・有機ハイブリッ
ドポリマー層であることを特徴とする積層体を提供す
る。
【0011】本発明においては、このように比較的硬い
無機ポリマーのネットワーク中に、この無機ポリマーと
水素結合を有する電離放射線硬化性モノマーもしくはオ
リゴマーを重合させて得られる有機ポリマーのネットワ
ークが形成されたものであるので、有機ポリマーおよび
無機ポリマーが分離することなく、均一に無機・有機ハ
イブリッドポリマー層内に存在する新規な構造を有する
ものである。したがって、無機および有機ポリマー中の
空隙をお互いの分子同士が埋めるように作用し、これに
より透明性が高くかつ機械的なストレス等を受けるよう
な場合でも極めて高度なガスバリア性を有する積層体と
することができる。
無機ポリマーのネットワーク中に、この無機ポリマーと
水素結合を有する電離放射線硬化性モノマーもしくはオ
リゴマーを重合させて得られる有機ポリマーのネットワ
ークが形成されたものであるので、有機ポリマーおよび
無機ポリマーが分離することなく、均一に無機・有機ハ
イブリッドポリマー層内に存在する新規な構造を有する
ものである。したがって、無機および有機ポリマー中の
空隙をお互いの分子同士が埋めるように作用し、これに
より透明性が高くかつ機械的なストレス等を受けるよう
な場合でも極めて高度なガスバリア性を有する積層体と
することができる。
【0012】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記有機ポリマーが、
上記無機ポリマーが形成された後に重合されて形成され
たものであることが好ましい。
は、請求項2に記載するように、上記有機ポリマーが、
上記無機ポリマーが形成された後に重合されて形成され
たものであることが好ましい。
【0013】本発明において、上記有機ポリマーは、水
素結合形成基を有するモノマーもしくはオリゴマーが重
合されて形成されるものである。したがって、先に無機
ポリマーが形成されると、この無機ポリマー上に通常規
則的に存在する水素結合形成可能な部分に、上記モノマ
ーもしくはオリゴマーが水素結合を介して付着した状態
となる。したがって、上記モノマーもしくはオリゴマー
は無機ポリマー上に均一に存在することになる。これを
例えば電離放射線照射等により重合させれば、無機ポリ
マー上に均一に有機ポリマーが絡み合う状態の無機・有
機ハイブリッドポリマー層が形成される。このような無
機・有機ハイブリッドポリマー層は、極めてガスバリア
性に優れたものとなるので、ガスバリア性に優れた積層
体とすることが可能となる。
素結合形成基を有するモノマーもしくはオリゴマーが重
合されて形成されるものである。したがって、先に無機
ポリマーが形成されると、この無機ポリマー上に通常規
則的に存在する水素結合形成可能な部分に、上記モノマ
ーもしくはオリゴマーが水素結合を介して付着した状態
となる。したがって、上記モノマーもしくはオリゴマー
は無機ポリマー上に均一に存在することになる。これを
例えば電離放射線照射等により重合させれば、無機ポリ
マー上に均一に有機ポリマーが絡み合う状態の無機・有
機ハイブリッドポリマー層が形成される。このような無
機・有機ハイブリッドポリマー層は、極めてガスバリア
性に優れたものとなるので、ガスバリア性に優れた積層
体とすることが可能となる。
【0014】上記、請求項1または請求項2に記載され
た発明においては、請求項3に記載するように、上記無
機・有機ハイブリッドポリマー層のJIS K7113
に基づき作製した試験片の破断強度が、上記有機ポリマ
ー単独、または上記無機ポリマー単独の塗膜について同
様にして測定した破断強度以上の値を有することが好ま
しい。
た発明においては、請求項3に記載するように、上記無
機・有機ハイブリッドポリマー層のJIS K7113
に基づき作製した試験片の破断強度が、上記有機ポリマ
ー単独、または上記無機ポリマー単独の塗膜について同
様にして測定した破断強度以上の値を有することが好ま
しい。
【0015】上記無機・有機ハイブリッドポリマー層内
において、無機ポリマーおよび有機ポリマーが均一に混
ざり合って存在し、互いのポリマー中の空隙を互いの分
子同士が埋めるような新規な構造を有する場合は、無機
・有機ハイブリッドポリマーの機械的特性も向上するも
のである。すなわち、上述したような機械的強度を有す
る膜であれば、上述した構造を有するものであり、良好
なガスバリア性を有するものであるといえるからであ
る。
において、無機ポリマーおよび有機ポリマーが均一に混
ざり合って存在し、互いのポリマー中の空隙を互いの分
子同士が埋めるような新規な構造を有する場合は、無機
・有機ハイブリッドポリマーの機械的特性も向上するも
のである。すなわち、上述したような機械的強度を有す
る膜であれば、上述した構造を有するものであり、良好
なガスバリア性を有するものであるといえるからであ
る。
【0016】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項4に記載
するように、上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマー
が、分子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を
有し、Si、Al、Zr、およびTiから選ばれる少な
くとも1種類の金属元素を含む有機金属化合物を出発原
料とすることが好ましい。このような有機金属化合物で
あれば、ポリマー化の過程で−OH基を配することが可
能となり、電離放射線硬化性モノマーもしくはオリゴマ
ーと水素結合を結合しやすくし、上述したような有機ポ
リマーおよび無機ポリマーがポリマー中の空隙をお互い
に埋めあうような相互介入型の網目構造を形成すること
ができるからである。
の請求項に記載された発明においては、請求項4に記載
するように、上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマー
が、分子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を
有し、Si、Al、Zr、およびTiから選ばれる少な
くとも1種類の金属元素を含む有機金属化合物を出発原
料とすることが好ましい。このような有機金属化合物で
あれば、ポリマー化の過程で−OH基を配することが可
能となり、電離放射線硬化性モノマーもしくはオリゴマ
ーと水素結合を結合しやすくし、上述したような有機ポ
リマーおよび無機ポリマーがポリマー中の空隙をお互い
に埋めあうような相互介入型の網目構造を形成すること
ができるからである。
【0017】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項5に記載
するように、上記水素結合形成基を有する電離放射線硬
化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化合
物が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジ
ル基、アミド基、およびアミド結合からなる群から選択
される少なくとも1種類の水素結合形成基を有すること
が好ましい。このような水素結合形成基を有することに
より、後述するように活性エネルギー線の照射により、
上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマーに存在する−
OH基とこの水素結合形成基とが容易に結合することが
可能となり、その結果ガスバリア性の高い積層体とする
ことができるからである。
の請求項に記載された発明においては、請求項5に記載
するように、上記水素結合形成基を有する電離放射線硬
化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化合
物が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジ
ル基、アミド基、およびアミド結合からなる群から選択
される少なくとも1種類の水素結合形成基を有すること
が好ましい。このような水素結合形成基を有することに
より、後述するように活性エネルギー線の照射により、
上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマーに存在する−
OH基とこの水素結合形成基とが容易に結合することが
可能となり、その結果ガスバリア性の高い積層体とする
ことができるからである。
【0018】上記請求項1から請求項5までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、上記有機ポリマー100重量部に対し、上記無機ポ
リマーを1〜200重量部含むことが好ましい。この範
囲内とすることにより、好適なガスバリア性を得ること
ができるからである。
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、上記有機ポリマー100重量部に対し、上記無機ポ
リマーを1〜200重量部含むことが好ましい。この範
囲内とすることにより、好適なガスバリア性を得ること
ができるからである。
【0019】上記請求項1から請求項6までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
されるように、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、0.05〜5μmの範囲内の膜厚を有する無機・有
機ハイブリッドポリマー層であることが好ましい。上記
範囲より膜厚が薄い場合は、ガスバリア性が不十分とな
り、上記範囲より膜厚を厚くしてもガスバリア性に大き
な影響はなく、経済面でむしろ不利であると考えられる
からである。
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
されるように、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、0.05〜5μmの範囲内の膜厚を有する無機・有
機ハイブリッドポリマー層であることが好ましい。上記
範囲より膜厚が薄い場合は、ガスバリア性が不十分とな
り、上記範囲より膜厚を厚くしてもガスバリア性に大き
な影響はなく、経済面でむしろ不利であると考えられる
からである。
【0020】上記請求項1から請求項7までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項8に記載
するように、上記基材と、上記無機・有機ハイブリッド
ポリマー層との間に、物理的蒸着法(PVD法)および
化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着
法により得られ、Si、Al、Zr、Ti、Sn、I
n、Zn、およびSbからなる群から選択される少なく
とも1種類の金属の酸化物を有する蒸着層が形成されて
いることが好ましい。このように蒸着層と無機・有機ハ
イブリッドポリマー層とを組合わせることにより、より
ガスバリア性の高い積層体を得ることができるからであ
る。
の請求項に記載された発明においては、請求項8に記載
するように、上記基材と、上記無機・有機ハイブリッド
ポリマー層との間に、物理的蒸着法(PVD法)および
化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸着
法により得られ、Si、Al、Zr、Ti、Sn、I
n、Zn、およびSbからなる群から選択される少なく
とも1種類の金属の酸化物を有する蒸着層が形成されて
いることが好ましい。このように蒸着層と無機・有機ハ
イブリッドポリマー層とを組合わせることにより、より
ガスバリア性の高い積層体を得ることができるからであ
る。
【0021】上記請求項8に記載された発明において
は、請求項9に記載するように、上記蒸着層が、5〜1
000nmの範囲内の膜厚を有する蒸着層であることが
好ましい。蒸着層の膜厚が上記範囲より薄い場合は、ガ
スバリア性の向上が期待できない可能性があるため好ま
しくなく、上記範囲より膜厚が厚い場合は、クラック等
が生じやすくなることから好ましくない。
は、請求項9に記載するように、上記蒸着層が、5〜1
000nmの範囲内の膜厚を有する蒸着層であることが
好ましい。蒸着層の膜厚が上記範囲より薄い場合は、ガ
スバリア性の向上が期待できない可能性があるため好ま
しくなく、上記範囲より膜厚が厚い場合は、クラック等
が生じやすくなることから好ましくない。
【0022】上記請求項8または請求項9に記載された
発明においては、請求項10に記載するように、上記基
材上にプライマー層が形成され、このプライマー層上に
上記蒸着層および上記無機・有機ハイブリッドポリマー
層が、この順序で積層されてなるものであってもよい。
より高度なガスバリア性が要求され場合は、このように
プライマー層上に上記蒸着層および上記無機・有機ハイ
ブリッドポリマー層をこの順序で多数層が積層されて形
成される積層体が好適に用いられる。
発明においては、請求項10に記載するように、上記基
材上にプライマー層が形成され、このプライマー層上に
上記蒸着層および上記無機・有機ハイブリッドポリマー
層が、この順序で積層されてなるものであってもよい。
より高度なガスバリア性が要求され場合は、このように
プライマー層上に上記蒸着層および上記無機・有機ハイ
ブリッドポリマー層をこの順序で多数層が積層されて形
成される積層体が好適に用いられる。
【0023】上記請求項10に記載された発明において
は、請求項11に記載するように、上記プライマー層
が、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層であること
が好ましい。
は、請求項11に記載するように、上記プライマー層
が、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層であること
が好ましい。
【0024】また、上記請求項10または請求項11に
記載の発明においては、請求項12に記載するように、
上記蒸着膜および上記無機・有機ハイブリッドポリマー
層の積層数が、2〜12層であることが好ましい。上記
積層数より多く積層しても、積層体の膜厚が厚くなりす
ぎ取扱上問題が生じる可能性があるからである。
記載の発明においては、請求項12に記載するように、
上記蒸着膜および上記無機・有機ハイブリッドポリマー
層の積層数が、2〜12層であることが好ましい。上記
積層数より多く積層しても、積層体の膜厚が厚くなりす
ぎ取扱上問題が生じる可能性があるからである。
【0025】上記請求項1から請求項12までのいずれ
かの請求項に記載の積層体においては、請求項13に記
載するように、全光線透過率が85%以上であることが
好ましい。また、上記請求項1から請求項13までのい
ずれかの請求項に記載の積層体においては、請求項14
に記載するように、温度25℃、相対湿度90%におけ
る酸素透過度が0.3cc/m2・day・atm以下であり、かつ温
度40℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が0.
3g/m2・day・atm以下であることが好ましい。
かの請求項に記載の積層体においては、請求項13に記
載するように、全光線透過率が85%以上であることが
好ましい。また、上記請求項1から請求項13までのい
ずれかの請求項に記載の積層体においては、請求項14
に記載するように、温度25℃、相対湿度90%におけ
る酸素透過度が0.3cc/m2・day・atm以下であり、かつ温
度40℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が0.
3g/m2・day・atm以下であることが好ましい。
【0026】本発明はまた、請求項15に記載するよう
に、水素結合形成基を有する電離放射線硬化性モノマー
およびオリゴマーの少なくとも一方の化合物が溶媒中に
溶解された溶液中に、分子中に2個以上の炭素数1〜6
のアルコキシ基を有する少なくとも1種類の金属元素を
含む有機金属化合物を溶解させて塗工液を調製する塗工
液調整工程と、この塗工液を基材上に塗布した後、乾燥
させて塗布膜を形成する膜形成工程と、乾燥により形成
された塗布膜に活性エネルギー線を照射する活性エネル
ギー線照射工程とを有することを特徴とする積層体の製
造方法を提供する。
に、水素結合形成基を有する電離放射線硬化性モノマー
およびオリゴマーの少なくとも一方の化合物が溶媒中に
溶解された溶液中に、分子中に2個以上の炭素数1〜6
のアルコキシ基を有する少なくとも1種類の金属元素を
含む有機金属化合物を溶解させて塗工液を調製する塗工
液調整工程と、この塗工液を基材上に塗布した後、乾燥
させて塗布膜を形成する膜形成工程と、乾燥により形成
された塗布膜に活性エネルギー線を照射する活性エネル
ギー線照射工程とを有することを特徴とする積層体の製
造方法を提供する。
【0027】本発明においては、上述したような塗工液
を用いるものであるので、まず、塗工液を塗布し、乾燥
させて塗布膜を形成する膜形成工程において、上記アル
コキシ基を有する有機金属化合物が重合して架橋した無
機ポリマーを形成する。この際、電離放射線硬化性モノ
マーおよびオリゴマーは、水素結合形成基を有するもの
であるので、上記架橋無機ポリマー中の−OH基等の水
素結合形成基と水素結合により付着した状態となってい
る。この状態で塗布膜に活性エネルギー線を照射するこ
とにより、上記電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴ
マーが重合して架橋有機ポリマーを形成する。また、架
橋無機ポリマーと水素結合で付着している部分は脱水縮
合により強固な化学結合となる。
を用いるものであるので、まず、塗工液を塗布し、乾燥
させて塗布膜を形成する膜形成工程において、上記アル
コキシ基を有する有機金属化合物が重合して架橋した無
機ポリマーを形成する。この際、電離放射線硬化性モノ
マーおよびオリゴマーは、水素結合形成基を有するもの
であるので、上記架橋無機ポリマー中の−OH基等の水
素結合形成基と水素結合により付着した状態となってい
る。この状態で塗布膜に活性エネルギー線を照射するこ
とにより、上記電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴ
マーが重合して架橋有機ポリマーを形成する。また、架
橋無機ポリマーと水素結合で付着している部分は脱水縮
合により強固な化学結合となる。
【0028】このように、本発明の積層体の製造方法に
よれば、まず架橋した無機ポリマーを形成した後、この
架橋無機ポリマーの水素結合形成基と水素結合した状態
のモノマーおよびオリゴマーを重合させることにより、
架橋性の有機ポリマーを形成するものである。したがっ
て、このようにして形成された架橋性有機ポリマーは、
規則的な構造で架橋無機ポリマーと重なり合い、均一な
状態で形成される。したがって、この架橋有機ポリマー
は、上記架橋無機ポリマーが有する空間を均一に埋める
ことが可能となり、極めてガスバリア性の高い無機・有
機ハイブリッドポリマー層を形成することができる。
よれば、まず架橋した無機ポリマーを形成した後、この
架橋無機ポリマーの水素結合形成基と水素結合した状態
のモノマーおよびオリゴマーを重合させることにより、
架橋性の有機ポリマーを形成するものである。したがっ
て、このようにして形成された架橋性有機ポリマーは、
規則的な構造で架橋無機ポリマーと重なり合い、均一な
状態で形成される。したがって、この架橋有機ポリマー
は、上記架橋無機ポリマーが有する空間を均一に埋める
ことが可能となり、極めてガスバリア性の高い無機・有
機ハイブリッドポリマー層を形成することができる。
【0029】上記請求項15に記載された発明において
は、請求項16に記載するように、上記塗工液には、加
水分解もしくは部分加水分解処理が予め行われた有機金
属化合物が用いられ、この加水分解もしくは部分加水分
解処理は、有機金属化合物が有する全アルコキシ基量の
40〜100モル%の範囲内で行われる処理であること
が好ましい。
は、請求項16に記載するように、上記塗工液には、加
水分解もしくは部分加水分解処理が予め行われた有機金
属化合物が用いられ、この加水分解もしくは部分加水分
解処理は、有機金属化合物が有する全アルコキシ基量の
40〜100モル%の範囲内で行われる処理であること
が好ましい。
【0030】このようにアルコキシ基を有する有機金属
化合物を予め加水分解もしくは部分加水分解処理した
後、溶液と混合して塗工液を調整することにより、得ら
れる金属酸化物を骨格とする無機ポリマーがゲル化する
ことなく均一に形成される。したがって、高いガスバリ
ア性を有し、かつ透明な積層体を得ることができるから
である。
化合物を予め加水分解もしくは部分加水分解処理した
後、溶液と混合して塗工液を調整することにより、得ら
れる金属酸化物を骨格とする無機ポリマーがゲル化する
ことなく均一に形成される。したがって、高いガスバリ
ア性を有し、かつ透明な積層体を得ることができるから
である。
【0031】上記請求項15または請求項16に記載さ
れた発明においては、請求項17に記載するように、上
記塗工液のpHが2〜7の範囲内であることが好まし
い。塗工液のpHをこのような酸性側とすることによ
り、有機金属化合物を架橋無機ポリマーとすることが可
能となり、ガスバリア性の高い無機・有機ハイブリッド
ポリマー層を有する積層体とすることができるからであ
る。
れた発明においては、請求項17に記載するように、上
記塗工液のpHが2〜7の範囲内であることが好まし
い。塗工液のpHをこのような酸性側とすることによ
り、有機金属化合物を架橋無機ポリマーとすることが可
能となり、ガスバリア性の高い無機・有機ハイブリッド
ポリマー層を有する積層体とすることができるからであ
る。
【0032】上記請求項15から請求項17までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項18
に記載するように、上記活性エネルギー線が電子線であ
り、電子線の照射線量が1〜10メガラッドの範囲内で
あり、かつ加速電圧が150kV以下であることが好ま
しい。照射線量が上記範囲に満たない場合は上記モノマ
ーもしくはオリゴマーの重合や、無機ポリマーと有機ポ
リマーの水素結合の脱水による化学結合化が進まないこ
とから塗布膜が十分に硬化せず、上記範囲を超える場合
は塗布膜にダメージを与え、着色やバリア性能の低下が
起こる可能性があるため好ましくない。また、150k
Vより大きい加速電圧で電子線を照射すると、基材を劣
化させることになり、透明性の点で好ましくないからで
ある。
れかの請求項に記載された発明においては、請求項18
に記載するように、上記活性エネルギー線が電子線であ
り、電子線の照射線量が1〜10メガラッドの範囲内で
あり、かつ加速電圧が150kV以下であることが好ま
しい。照射線量が上記範囲に満たない場合は上記モノマ
ーもしくはオリゴマーの重合や、無機ポリマーと有機ポ
リマーの水素結合の脱水による化学結合化が進まないこ
とから塗布膜が十分に硬化せず、上記範囲を超える場合
は塗布膜にダメージを与え、着色やバリア性能の低下が
起こる可能性があるため好ましくない。また、150k
Vより大きい加速電圧で電子線を照射すると、基材を劣
化させることになり、透明性の点で好ましくないからで
ある。
【0033】上記請求項15から請求項18までのいず
れかの請求項に記載の発明においては、請求項19に記
載するように、上記活性エネルギー照射工程の後、加熱
処理および酸・アルカリ処理の内の少なくとも一方の処
理を行うことことが好ましい。これは、金属酸化物を骨
格とする無機ポリマーとの結合をより完全なものとし、
ガスバリア性をさらに向上させることができるからであ
る。
れかの請求項に記載の発明においては、請求項19に記
載するように、上記活性エネルギー照射工程の後、加熱
処理および酸・アルカリ処理の内の少なくとも一方の処
理を行うことことが好ましい。これは、金属酸化物を骨
格とする無機ポリマーとの結合をより完全なものとし、
ガスバリア性をさらに向上させることができるからであ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、まず本発明の積層体につい
て説明し、次いで本発明の積層体の製造方法について説
明する。
て説明し、次いで本発明の積層体の製造方法について説
明する。
【0035】A.積層体
本発明の積層体は、基材と、この基材上に形成された無
機・有機ハイブリッドポリマー層とを有する積層体にお
いて、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層が、水素
結合形成基を有する電離放射線硬化性モノマーおよびオ
リゴマーの少なくとも一方の化合物を重合させて形成さ
れた有機ポリマーと、金属酸化物を骨格とする無機ポリ
マーとの無機・有機ハイブリッドポリマー層であること
を特徴とするものである。
機・有機ハイブリッドポリマー層とを有する積層体にお
いて、上記無機・有機ハイブリッドポリマー層が、水素
結合形成基を有する電離放射線硬化性モノマーおよびオ
リゴマーの少なくとも一方の化合物を重合させて形成さ
れた有機ポリマーと、金属酸化物を骨格とする無機ポリ
マーとの無機・有機ハイブリッドポリマー層であること
を特徴とするものである。
【0036】本発明は、基材上に形成される無機・有機
ハイブリッドポリマー層が、上述したように水素結合形
成基を有する電離放射線硬化性モノマー、およびオリゴ
マーの少なくとも一方の化合物を重合させて形成させた
点に特徴を有するものである。
ハイブリッドポリマー層が、上述したように水素結合形
成基を有する電離放射線硬化性モノマー、およびオリゴ
マーの少なくとも一方の化合物を重合させて形成させた
点に特徴を有するものである。
【0037】この際、上記電離放射線硬化性モノマーも
しくはオリゴマーは、水素結合形成基を有するものであ
るので、形成された無機ポリマーの水素結合形成基と水
素結合する。ここで、金属酸化物から形成されるこの無
機ポリマーは比較的均一な構造を有するものであり、上
記モノマーもしくはオリゴマーは、この無機ポリマーの
均一に配置された水素結合形成基と結合するものである
ので、このモノマーもしくはオリゴマーは均一に配置さ
れることになる。
しくはオリゴマーは、水素結合形成基を有するものであ
るので、形成された無機ポリマーの水素結合形成基と水
素結合する。ここで、金属酸化物から形成されるこの無
機ポリマーは比較的均一な構造を有するものであり、上
記モノマーもしくはオリゴマーは、この無機ポリマーの
均一に配置された水素結合形成基と結合するものである
ので、このモノマーもしくはオリゴマーは均一に配置さ
れることになる。
【0038】そして、このように均一に配置されたモノ
マーもしくはオリゴマーが、電離放射線の照射により、
無機ポリマー上に均一に配置された状態で重合する。こ
れは、電離放射線照射によって得られる有機成分を主と
する有機ポリマーと、金属酸化物を骨格とする無機ポリ
マーとが水素結合を介して、お互いの網目構造中に相互
に侵入する、相互侵入網目構造(IPN構造)を形成す
るものであり、有機ポリマーや無機ポリマー単独のもの
に比べ、良好なバリア性を示すこととなる。そして、こ
のIPN構造は、上述したように無機ポリマー上に均一
配置された有機ポリマーで構成される新規な構造である
ことから、無機ポリマーが有する空隙を均一に封鎖する
ことが可能となる。これにより非常に高いガスバリア性
を確保することが可能となるのである。
マーもしくはオリゴマーが、電離放射線の照射により、
無機ポリマー上に均一に配置された状態で重合する。こ
れは、電離放射線照射によって得られる有機成分を主と
する有機ポリマーと、金属酸化物を骨格とする無機ポリ
マーとが水素結合を介して、お互いの網目構造中に相互
に侵入する、相互侵入網目構造(IPN構造)を形成す
るものであり、有機ポリマーや無機ポリマー単独のもの
に比べ、良好なバリア性を示すこととなる。そして、こ
のIPN構造は、上述したように無機ポリマー上に均一
配置された有機ポリマーで構成される新規な構造である
ことから、無機ポリマーが有する空隙を均一に封鎖する
ことが可能となる。これにより非常に高いガスバリア性
を確保することが可能となるのである。
【0039】以下、このような積層体の各構成について
説明する。
説明する。
【0040】1.基材
本発明の積層体は、上述したような無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層が基材上に形成されてなるものである。
このような基材としては、透明なプラスチックフィルム
等のフィルム状のもののみならず、半導体等の所定の形
状を有するものをも含むものである。
ッドポリマー層が基材上に形成されてなるものである。
このような基材としては、透明なプラスチックフィルム
等のフィルム状のもののみならず、半導体等の所定の形
状を有するものをも含むものである。
【0041】フィルム状の基材としては、具体的にはポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の
フィルム、水蒸気のバリア性に優れている環状のポリオ
レフィン系のフィルム、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリオキ
シメチレンなどのポリエーテル系フィルム、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、ポリメタキシレンアジパミドな
どのポリアミド系フィルム、ポリスチレン、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
酢酸ビニルなどのビニル系樹脂フィルム、光学性能に優
れるポリカーボネート樹脂フィルム、トリアセチルセル
ロース、セロファン、アセテートなどのセルロース系の
フィルム、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリスル
フォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トンケトン、液晶ポリマーを使用したフィルム等を挙げ
ることができる。これらの樹脂フィルムは単独重合体で
あっても共重合体であっても良く、さらに上記フィルム
に粘土、雲母等の層状ケイ酸塩を練りこんだフィルム等
が使用目的に応じて選択されて用いられる。
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の
フィルム、水蒸気のバリア性に優れている環状のポリオ
レフィン系のフィルム、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリオキ
シメチレンなどのポリエーテル系フィルム、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、ポリメタキシレンアジパミドな
どのポリアミド系フィルム、ポリスチレン、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
酢酸ビニルなどのビニル系樹脂フィルム、光学性能に優
れるポリカーボネート樹脂フィルム、トリアセチルセル
ロース、セロファン、アセテートなどのセルロース系の
フィルム、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリスル
フォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トンケトン、液晶ポリマーを使用したフィルム等を挙げ
ることができる。これらの樹脂フィルムは単独重合体で
あっても共重合体であっても良く、さらに上記フィルム
に粘土、雲母等の層状ケイ酸塩を練りこんだフィルム等
が使用目的に応じて選択されて用いられる。
【0042】このようなフィルム状の基材の膜厚として
は、用途に応じて適宜選択されるものではあるが、通常
5μm〜2mmの範囲内、好ましくは10〜200μm
の範囲内の膜厚のものが好適に用いられる。上記厚みの
範囲内であれば、生産性や屈曲性に問題が生じることが
ないからである。
は、用途に応じて適宜選択されるものではあるが、通常
5μm〜2mmの範囲内、好ましくは10〜200μm
の範囲内の膜厚のものが好適に用いられる。上記厚みの
範囲内であれば、生産性や屈曲性に問題が生じることが
ないからである。
【0043】フィルム状の基材は上記樹脂単体で、ある
いは1種以上の樹脂を溶融混合してフィルム状に成形し
たものが用いられる。このようなフィルム状の基材は未
延伸フィルムであっても、1軸または2軸配向フィルム
であってもよい。さらに、このようなフィルムを2枚以
上積層した積層体も用いられる。
いは1種以上の樹脂を溶融混合してフィルム状に成形し
たものが用いられる。このようなフィルム状の基材は未
延伸フィルムであっても、1軸または2軸配向フィルム
であってもよい。さらに、このようなフィルムを2枚以
上積層した積層体も用いられる。
【0044】また、所定の形状を有する基材としては、
通常は基材を封止する用途として用いられる場合が多
く、この場合の基材としては、封止が必要な基材である
といえる。このような基材としては、例えば、銅箔やア
ルミニウム箔等の金属箔、ステンレス箔、シリコンウエ
ハー、ガラス、セラミックス板等の他に、ポリイミド等
の耐熱性に優れる樹脂基材等を挙げることができる。
通常は基材を封止する用途として用いられる場合が多
く、この場合の基材としては、封止が必要な基材である
といえる。このような基材としては、例えば、銅箔やア
ルミニウム箔等の金属箔、ステンレス箔、シリコンウエ
ハー、ガラス、セラミックス板等の他に、ポリイミド等
の耐熱性に優れる樹脂基材等を挙げることができる。
【0045】2.無機・有機ハイブリッドポリマー層本
発明に用いられる無機・有機ハイブリッドポリマー層
は、少なくとも水素結合形成基を有する電離放射線硬化
性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化合物
を重合させて形成された有機ポリマーと、金属酸化物を
骨格とする無機ポリマーとから形成される。以下、それ
ぞれについて説明する。
発明に用いられる無機・有機ハイブリッドポリマー層
は、少なくとも水素結合形成基を有する電離放射線硬化
性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化合物
を重合させて形成された有機ポリマーと、金属酸化物を
骨格とする無機ポリマーとから形成される。以下、それ
ぞれについて説明する。
【0046】(有機ポリマー)上記無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層中の有機ポリマーは、上述したように水
素結合形成基を有する電離放射線硬化性のモノマーおよ
びオリゴマーの少なくとも一方の化合物が重合されて形
成されるものである。
ッドポリマー層中の有機ポリマーは、上述したように水
素結合形成基を有する電離放射線硬化性のモノマーおよ
びオリゴマーの少なくとも一方の化合物が重合されて形
成されるものである。
【0047】ここで、本発明において、水素結合形成基
とは、有機金属化合物の加水分解により得られる無機ポ
リマーと容易に水素結合を形成し得る基であり、具体的
には水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル
基、アミド基、といった官能基、もしくはアミド結合を
示すものである。ここで、アミド結合とは、−NHC
(O)や>NC(O)−を結合単位に含むものを示す旨
である。本発明においては、中でも水酸基、グリシジル
基、およびアミド基が好ましい。
とは、有機金属化合物の加水分解により得られる無機ポ
リマーと容易に水素結合を形成し得る基であり、具体的
には水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル
基、アミド基、といった官能基、もしくはアミド結合を
示すものである。ここで、アミド結合とは、−NHC
(O)や>NC(O)−を結合単位に含むものを示す旨
である。本発明においては、中でも水酸基、グリシジル
基、およびアミド基が好ましい。
【0048】このような水素結合形成基を有する電離放
射線硬化性のモノマーおよびオリゴマーとしては、例え
ばエチレン性二重結合を有するラジカル重合性のモノマ
ー及びオリゴマー等を挙げることができる。具体的に
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプ
ロピルアクリレート、カルボキシポリカプロラクトンア
クリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミ
ド等の単官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステア
レート等のジアクリレート;トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート
等、またこれらのラジカル重合性モノマーが重合したオ
リゴマーを例示することができる。ここで「(メタ)ア
クリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレ
ートを意味する。
射線硬化性のモノマーおよびオリゴマーとしては、例え
ばエチレン性二重結合を有するラジカル重合性のモノマ
ー及びオリゴマー等を挙げることができる。具体的に
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプ
ロピルアクリレート、カルボキシポリカプロラクトンア
クリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミ
ド等の単官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステア
レート等のジアクリレート;トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート誘導体やジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート
等、またこれらのラジカル重合性モノマーが重合したオ
リゴマーを例示することができる。ここで「(メタ)ア
クリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレ
ートを意味する。
【0049】本発明における「オリゴマー」とは、モノ
マーが2〜100個重合したものを示すものである。
マーが2〜100個重合したものを示すものである。
【0050】本発明においては、上記有機ポリマーは、
架橋を有する有機ポリマーであることが好ましい。した
がって、上記モノマーもしくはオリゴマーは、多官能の
ものが所定の割合で含まれていることが好ましい。
架橋を有する有機ポリマーであることが好ましい。した
がって、上記モノマーもしくはオリゴマーは、多官能の
ものが所定の割合で含まれていることが好ましい。
【0051】具体的には、多官能モノマーもしくはオリ
ゴマーが1〜90モル%、特に30〜70モル%含まれ
ていることが好ましい。多官能性分を上述した範囲内と
することにより、有機ポリマーが所定の架橋を有するこ
とになり、良好なガスバリア性を有するものとなるから
である。
ゴマーが1〜90モル%、特に30〜70モル%含まれ
ていることが好ましい。多官能性分を上述した範囲内と
することにより、有機ポリマーが所定の架橋を有するこ
とになり、良好なガスバリア性を有するものとなるから
である。
【0052】(無機ポリマー)本発明における無機・有
機ハイブリッドポリマー層は、上記有機ポリマーと金属
酸化物を骨格とする無機ポリマーとが、IPN構造を形
成し、緻密な塗膜となっている。
機ハイブリッドポリマー層は、上記有機ポリマーと金属
酸化物を骨格とする無機ポリマーとが、IPN構造を形
成し、緻密な塗膜となっている。
【0053】このような無機ポリマーは、分子中に2個
以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有し、Si、A
l、Zr、およびTiから選ばれる少なくとも1種類の
金属元素を含む有機金属化合物を出発原料とするもので
あることが好ましい。アルコキシ基を有するこれら有機
金属化合物は加水分解反応により、対応する金属元素を
含むゾルを生成することが可能となり、これにより金属
酸化物を骨格とする微粒子をポリマー中に形成すること
ができる。
以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有し、Si、A
l、Zr、およびTiから選ばれる少なくとも1種類の
金属元素を含む有機金属化合物を出発原料とするもので
あることが好ましい。アルコキシ基を有するこれら有機
金属化合物は加水分解反応により、対応する金属元素を
含むゾルを生成することが可能となり、これにより金属
酸化物を骨格とする微粒子をポリマー中に形成すること
ができる。
【0054】上記有機金属化合物中の炭素数1〜6のア
ルコキシ基は、同一でも異なってもよく、具体的にはメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、n−ペ
ンチル、n−ヘキシルに相当するアルコキシ基が好まし
い。
ルコキシ基は、同一でも異なってもよく、具体的にはメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、n−ペ
ンチル、n−ヘキシルに相当するアルコキシ基が好まし
い。
【0055】本発明に用いることができる有機金属化合
物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラn‐プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、
テトラsec−ブトキシシラン、テトラtert−ブトキシシ
ラン、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミ
ニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn‐プ
ロポキシアルミニウム、トリn‐ブトキシアルミニウ
ム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブト
キシアルミニウム、テトラメトキシジルコニウム、テト
ラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコ
ニウム、テトラn‐ブトキシジルコニウム、テトラsec
−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコ
ニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラn‐プロポキ
シチタン、テトラn‐ブトキシチタン、テトラsec−ブ
トキシチタン、テトラtert−ブトキシチタン等を挙げる
ことができる。
物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラn‐プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、
テトラsec−ブトキシシラン、テトラtert−ブトキシシ
ラン、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミ
ニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn‐プ
ロポキシアルミニウム、トリn‐ブトキシアルミニウ
ム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブト
キシアルミニウム、テトラメトキシジルコニウム、テト
ラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコ
ニウム、テトラn‐ブトキシジルコニウム、テトラsec
−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコ
ニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラn‐プロポキ
シチタン、テトラn‐ブトキシチタン、テトラsec−ブ
トキシチタン、テトラtert−ブトキシチタン等を挙げる
ことができる。
【0056】本発明においては、中でも金属元素が珪素
であるものが、好適に用いられる。この場合の有機ケイ
素化合物は、以下の化学式(1)で表される各種シラン
カップリング剤を好ましく使用することができる。
であるものが、好適に用いられる。この場合の有機ケイ
素化合物は、以下の化学式(1)で表される各種シラン
カップリング剤を好ましく使用することができる。
【0057】
RmSiX(4−m) (1)
ここで、mは1または2である。また、残基Xは、同一
でも異なってもよく、炭素数1〜6のアルコキシ基であ
り、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イ
ソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルに対応するアル
コキシ基が好ましい。
でも異なってもよく、炭素数1〜6のアルコキシ基であ
り、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イ
ソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルに対応するアル
コキシ基が好ましい。
【0058】残基Rは同一でも異なってもよく、アルキ
ル、アルケニル、アルキニル、アリル、アリルアルキ
ル、アルキルアリル、アリルアルケニル、アルケニルア
リル、アリルアルキニルまたはアルキニルアリル基であ
る。さらに、ハロゲン、アミノ、アミド、アルデヒド、
ケト、アルキルカルボニル、カルボキシル、メルカプ
ト、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシカ
ルボニル、スルホン酸、リン酸、アクリルオキシ、メタ
クリルオキシ、エポキシド、またはビニル基からなる群
から選択された一つ以上の置換基を有していてもよい。
ル、アルケニル、アルキニル、アリル、アリルアルキ
ル、アルキルアリル、アリルアルケニル、アルケニルア
リル、アリルアルキニルまたはアルキニルアリル基であ
る。さらに、ハロゲン、アミノ、アミド、アルデヒド、
ケト、アルキルカルボニル、カルボキシル、メルカプ
ト、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシカ
ルボニル、スルホン酸、リン酸、アクリルオキシ、メタ
クリルオキシ、エポキシド、またはビニル基からなる群
から選択された一つ以上の置換基を有していてもよい。
【0059】具体的に、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン等が好ましく、特にエポキシ基を有する3−
グリドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン等が好ましく、特にエポキシ基を有する3−
グリドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0060】本発明においては、上述したように、S
i、Al、Zr、およびTiから選択される少なくとも
1種類の金属元素を含む有機金属化合物を出発原料とす
ることが好ましいのであるが、2種類以上の金属元素を
組合わせる場合は、SiおよびAl、SiおよびZr、
TiおよびAl、もしくはTiおよびZrの組み合わせ
であることが好ましく、最も好ましくは、SiとAlと
を組合わせた場合である。この組み合わせの場合は、特
開平2−160836号公報に記載されている無機・有
機ハイブリッドポリマーの考え方を取り入れることがで
きる。すなわち、上記化学式(1)に記載されるケイ素
化合物と下記化学式(2)に記載されるアルミニウム化
合物との加水分解物を使用することができるのである。
i、Al、Zr、およびTiから選択される少なくとも
1種類の金属元素を含む有機金属化合物を出発原料とす
ることが好ましいのであるが、2種類以上の金属元素を
組合わせる場合は、SiおよびAl、SiおよびZr、
TiおよびAl、もしくはTiおよびZrの組み合わせ
であることが好ましく、最も好ましくは、SiとAlと
を組合わせた場合である。この組み合わせの場合は、特
開平2−160836号公報に記載されている無機・有
機ハイブリッドポリマーの考え方を取り入れることがで
きる。すなわち、上記化学式(1)に記載されるケイ素
化合物と下記化学式(2)に記載されるアルミニウム化
合物との加水分解物を使用することができるのである。
【0061】AlR3 (2)
上記化学式(2)は、アルミニウム化合物、および/ま
たはそこから誘導されるオリゴマーおよび/または錯体
や無機または有機酸のアルミニウム塩の中から選定する
ことができる。ここで、残基Rは、同一でも異なっても
よく、ハロゲン、炭素数10以下、好ましくは4以下の
アルキル、アルコキシ、もしくはアシルオキシ、または
ヒドロキシであり、これらの基は全部または一部がキレ
ート配位子により置き換えられていてもよいものであ
る。
たはそこから誘導されるオリゴマーおよび/または錯体
や無機または有機酸のアルミニウム塩の中から選定する
ことができる。ここで、残基Rは、同一でも異なっても
よく、ハロゲン、炭素数10以下、好ましくは4以下の
アルキル、アルコキシ、もしくはアシルオキシ、または
ヒドロキシであり、これらの基は全部または一部がキレ
ート配位子により置き換えられていてもよいものであ
る。
【0062】具体的には、アルミニウム-sec-ブトキシ
ド、アルミニウム-iso-プロポキシド、及びそのアセチ
ルアセトン、アセト酢酸エチル、アルカノールアミン
類、グリコール類、及びその誘導体との錯体等を挙げる
ことができる。
ド、アルミニウム-iso-プロポキシド、及びそのアセチ
ルアセトン、アセト酢酸エチル、アルカノールアミン
類、グリコール類、及びその誘導体との錯体等を挙げる
ことができる。
【0063】本発明においては、さらに他の金属化合物
を微粒子内に導入することも可能である。この場合も、
特開平2−160836号公報に記載されている無機・
有機ハイブリッドポリマーの考え方を取り入れることが
できる。すなわち、上記化学式(1)と(2)に加え
て、アルミニウム以外の、周期律表の主族Ia−Va、
または亜族IIb、IIIb、Vb−VIIIbの元素の、反応
媒体に可溶な、一つ以上の無機酸化物の生成が可能な有
機金属化合物を出発原料として加えることができるので
ある。
を微粒子内に導入することも可能である。この場合も、
特開平2−160836号公報に記載されている無機・
有機ハイブリッドポリマーの考え方を取り入れることが
できる。すなわち、上記化学式(1)と(2)に加え
て、アルミニウム以外の、周期律表の主族Ia−Va、
または亜族IIb、IIIb、Vb−VIIIbの元素の、反応
媒体に可溶な、一つ以上の無機酸化物の生成が可能な有
機金属化合物を出発原料として加えることができるので
ある。
【0064】本発明における第三の元素としては、好ま
しくは以下の元素から誘導される。すなわち、Mgおよ
びCaのようなアルカリ土類金属、B、Si、Sn、P
b、P、As、Sb、Bi、Cr、Mo、W、Mn、F
e、Co、Ni、Zn、および/またはVであり、B、
Si、Sn、Zn、およびPが特に好ましい。必要であ
ればランタニドおよびアクチニドを用いることもでき
る。
しくは以下の元素から誘導される。すなわち、Mgおよ
びCaのようなアルカリ土類金属、B、Si、Sn、P
b、P、As、Sb、Bi、Cr、Mo、W、Mn、F
e、Co、Ni、Zn、および/またはVであり、B、
Si、Sn、Zn、およびPが特に好ましい。必要であ
ればランタニドおよびアクチニドを用いることもでき
る。
【0065】具体的な有機金属化合物としては、上記金
属元素のアルコキシド、及びそのアセチルアセトン、ア
セト酢酸エチル、アルカノールアミン類、グリコール
類、及びその誘導体との錯体等を挙げることができる。
属元素のアルコキシド、及びそのアセチルアセトン、ア
セト酢酸エチル、アルカノールアミン類、グリコール
類、及びその誘導体との錯体等を挙げることができる。
【0066】このように、有機金属化合物を2種類以上
使用する際の各々の成分の割合は、上記化学式(1)の
成分を、(単量体の)出発化合物の総モル数に対して2
5〜95モル%の割合、上記化学式(2)の成分を、
(単量体の)出発化合物の総モル数に対して5〜75モ
ル%の割合、そして上記第三の成分を、(単量体の)出
発化合物の総モル数に対して0〜70モル%の割合で使
用することが好ましい。
使用する際の各々の成分の割合は、上記化学式(1)の
成分を、(単量体の)出発化合物の総モル数に対して2
5〜95モル%の割合、上記化学式(2)の成分を、
(単量体の)出発化合物の総モル数に対して5〜75モ
ル%の割合、そして上記第三の成分を、(単量体の)出
発化合物の総モル数に対して0〜70モル%の割合で使
用することが好ましい。
【0067】このような有機金属化合物から形成される
金属酸化物を骨格とする無機ポリマーは、−OH基を多
数有するものであり、この−OH基と上記有機成分の水
素結合形成基とが結合することにより、架橋構造が多数
導入された無機・有機ハイブリッドポリマー層とするこ
とができるのである。この微粒子は、−OH基に加えて
必要に応じてエポキシ基等の他の官能基を有するもので
あってもよい。
金属酸化物を骨格とする無機ポリマーは、−OH基を多
数有するものであり、この−OH基と上記有機成分の水
素結合形成基とが結合することにより、架橋構造が多数
導入された無機・有機ハイブリッドポリマー層とするこ
とができるのである。この微粒子は、−OH基に加えて
必要に応じてエポキシ基等の他の官能基を有するもので
あってもよい。
【0068】(無機・有機ハイブリッドポリマー層)本
発明における無機・有機ハイブリッドポリマー層におい
ては、上記有機ポリマー100重量部に対し、上記金属
酸化物を骨格とする無機ポリマーが1〜200重量部の
範囲内で含まれることが好ましく、特に5〜150重量
部、中でも10〜130重量部含まれることが好まし
い。
発明における無機・有機ハイブリッドポリマー層におい
ては、上記有機ポリマー100重量部に対し、上記金属
酸化物を骨格とする無機ポリマーが1〜200重量部の
範囲内で含まれることが好ましく、特に5〜150重量
部、中でも10〜130重量部含まれることが好まし
い。
【0069】なお、金属酸化物を骨格とする無機ポリマ
ーの量が、100重量部以下の場合は、水素結合形成基
を有する有機ポリマーの架橋点を調節するように働き、
100重量部以上の場合は有機ポリマーが上記無機ポリ
マーの隙間を埋めるように作用する。これら異なる膜構
造のいずれを選択するかは、最終的に使用される製品の
性能によって決定される。
ーの量が、100重量部以下の場合は、水素結合形成基
を有する有機ポリマーの架橋点を調節するように働き、
100重量部以上の場合は有機ポリマーが上記無機ポリ
マーの隙間を埋めるように作用する。これら異なる膜構
造のいずれを選択するかは、最終的に使用される製品の
性能によって決定される。
【0070】このような、無機・有機ハイブリッドポリ
マー層の膜厚は、用いられる用途や、他の層の有無等に
より大きく異なるものではあるが、一般的には、0.0
5〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.3
〜3μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より
膜厚が厚い場合は、製造時の硬化収縮や、使用時の屈曲
等によりこの無機・有機ハイブリッドポリマー層にクラ
ックが生じ、結果的にガスバリア性を悪化させるといっ
た問題が生じる可能性があることから好ましくなく、上
記範囲より膜厚が薄い場合は、必要なガスバリア性を得
ることができない可能性があることから好ましくない。
マー層の膜厚は、用いられる用途や、他の層の有無等に
より大きく異なるものではあるが、一般的には、0.0
5〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.3
〜3μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より
膜厚が厚い場合は、製造時の硬化収縮や、使用時の屈曲
等によりこの無機・有機ハイブリッドポリマー層にクラ
ックが生じ、結果的にガスバリア性を悪化させるといっ
た問題が生じる可能性があることから好ましくなく、上
記範囲より膜厚が薄い場合は、必要なガスバリア性を得
ることができない可能性があることから好ましくない。
【0071】本発明においては、上記無機・有機ハイブ
リッドポリマー層が、上記無機ポリマーが形成された後
に有機ポリマーが形成されてなるものであることが好ま
しい。
リッドポリマー層が、上記無機ポリマーが形成された後
に有機ポリマーが形成されてなるものであることが好ま
しい。
【0072】上記有機ポリマーは、水素結合形成基を有
するモノマーもしくはオリゴマーが重合されて形成され
るものである。したがって、先に無機ポリマーが形成さ
れると、この無機ポリマー上に通常規則的に存在する水
素結合形成基に、上記モノマーもしくはオリゴマーが水
素結合を介して付着した状態となる。したがって、上記
モノマーもしくはオリゴマーは無機ポリマー上に均一に
存在することになる。この状態で、上記モノマーもしく
はオリゴマーを例えば電離放射線照射等により重合させ
れば、無機ポリマー上に均一に有機ポリマーが絡み合う
状態の無機・有機ハイブリッドポリマー層が形成され
る。
するモノマーもしくはオリゴマーが重合されて形成され
るものである。したがって、先に無機ポリマーが形成さ
れると、この無機ポリマー上に通常規則的に存在する水
素結合形成基に、上記モノマーもしくはオリゴマーが水
素結合を介して付着した状態となる。したがって、上記
モノマーもしくはオリゴマーは無機ポリマー上に均一に
存在することになる。この状態で、上記モノマーもしく
はオリゴマーを例えば電離放射線照射等により重合させ
れば、無機ポリマー上に均一に有機ポリマーが絡み合う
状態の無機・有機ハイブリッドポリマー層が形成され
る。
【0073】このような無機・有機ハイブリッドポリマ
ー層は、無機ポリマーの空隙を有機ポリマーが均一に埋
めた状態のものとすることが可能であり、極めてガスバ
リア性に優れたものとすることが可能となる。
ー層は、無機ポリマーの空隙を有機ポリマーが均一に埋
めた状態のものとすることが可能であり、極めてガスバ
リア性に優れたものとすることが可能となる。
【0074】また、本発明においては、上記無機・有機
ハイブリッドポリマー層の機械的な特性が、所定の範囲
内となるものが用いられる。上述したように、本発明に
おける無機・有機ハイブリッドポリマー層は、無機ポリ
マーに有機ポリマーが均一にからみあい、そして水素結
合が脱水縮合等することにより結合されて形成された新
規な構造を有するものである。したがって、このように
無機ポリマーおよび有機ポリマーが均一に混ざり合った
状態の無機・有機ハイブリッドポリマー層は、このよう
な層特有の新たな機械的特性を有するものだからであ
る。
ハイブリッドポリマー層の機械的な特性が、所定の範囲
内となるものが用いられる。上述したように、本発明に
おける無機・有機ハイブリッドポリマー層は、無機ポリ
マーに有機ポリマーが均一にからみあい、そして水素結
合が脱水縮合等することにより結合されて形成された新
規な構造を有するものである。したがって、このように
無機ポリマーおよび有機ポリマーが均一に混ざり合った
状態の無機・有機ハイブリッドポリマー層は、このよう
な層特有の新たな機械的特性を有するものだからであ
る。
【0075】具体的には、上記無機・有機ハイブリッド
ポリマー層を用い、JIS K7113に基づいて塗膜
の試験片を作製し、引張試験を行って破断強度を測定し
た値と、上記無機・有機ハイブリッドポリマー中の有機
ポリマー成分のみの塗膜を形成し、この塗膜から同様に
してJIS K7113に基づいて塗膜の試験片を作製
し、引張試験を行って破断強度を測定した値、または上
記無機・有機ハイブリッドポリマー中の無機ポリマー成
分のみの塗膜を形成し、この塗膜から同様にしてJIS
K7113に基づいて塗膜の試験片を作製し、引張試
験を行って破断強度を測定した値とを比較した場合に、
いずれの破断強度と同等もしくは高い破断強度を示すも
のであることが好ましい。
ポリマー層を用い、JIS K7113に基づいて塗膜
の試験片を作製し、引張試験を行って破断強度を測定し
た値と、上記無機・有機ハイブリッドポリマー中の有機
ポリマー成分のみの塗膜を形成し、この塗膜から同様に
してJIS K7113に基づいて塗膜の試験片を作製
し、引張試験を行って破断強度を測定した値、または上
記無機・有機ハイブリッドポリマー中の無機ポリマー成
分のみの塗膜を形成し、この塗膜から同様にしてJIS
K7113に基づいて塗膜の試験片を作製し、引張試
験を行って破断強度を測定した値とを比較した場合に、
いずれの破断強度と同等もしくは高い破断強度を示すも
のであることが好ましい。
【0076】3.蒸着層
本発明においては、上記基材と上記無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層との間に、蒸着層が形成されることが好
ましい。このように蒸着層を形成することにより、より
ガスバリア性の高い積層体とすることができるからであ
る。
ッドポリマー層との間に、蒸着層が形成されることが好
ましい。このように蒸着層を形成することにより、より
ガスバリア性の高い積層体とすることができるからであ
る。
【0077】このように、蒸着層と無機・有機ハイブリ
ッドポリマー層とを組み合わせることにより、より優れ
たガスバリア性を発揮することの原理は、その詳細は不
明ではあるが、基本的なバリア性能に優れる金属酸化物
蒸着層の構造欠陥を無機・有機ハイブリッドポリマー層
が補い、結果としてバリア性能と耐屈曲性に優れる積層
体になるものと考えられる。
ッドポリマー層とを組み合わせることにより、より優れ
たガスバリア性を発揮することの原理は、その詳細は不
明ではあるが、基本的なバリア性能に優れる金属酸化物
蒸着層の構造欠陥を無機・有機ハイブリッドポリマー層
が補い、結果としてバリア性能と耐屈曲性に優れる積層
体になるものと考えられる。
【0078】このような蒸着層を形成する方法として
は、基材をいためないような方法であれば、いかなるP
VD法であってもCVD法であっても用いることが可能
である。具体的には低温プラズマ気相成長法等を挙げる
ことができる。
は、基材をいためないような方法であれば、いかなるP
VD法であってもCVD法であっても用いることが可能
である。具体的には低温プラズマ気相成長法等を挙げる
ことができる。
【0079】このような蒸着膜に好ましく使用される金
属酸化物は、Si、Al、Zr、Ti、Sn、In、Z
n、Sbから選ばれる1種、あるいは2種以上であるこ
とが好ましく、具体的には、ケイ素酸化物、炭化ケイ素
酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セ
リウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化チタン
(例えば、二酸化チタン、三酸化チタン、もしくは一酸
化チタン)、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム(例
えば、一酸化ジルコニウム)等を挙げることができる
が、特に上記無機・有機ハイブリッドポリマー層との親
和性、製造の安定性、もしくは安全性やコストの観点か
らケイ素酸化物および/または炭化ケイ素酸化物がより
好ましく用いられる。
属酸化物は、Si、Al、Zr、Ti、Sn、In、Z
n、Sbから選ばれる1種、あるいは2種以上であるこ
とが好ましく、具体的には、ケイ素酸化物、炭化ケイ素
酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セ
リウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化チタン
(例えば、二酸化チタン、三酸化チタン、もしくは一酸
化チタン)、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム(例
えば、一酸化ジルコニウム)等を挙げることができる
が、特に上記無機・有機ハイブリッドポリマー層との親
和性、製造の安定性、もしくは安全性やコストの観点か
らケイ素酸化物および/または炭化ケイ素酸化物がより
好ましく用いられる。
【0080】本発明における上記蒸着層の膜厚として
は、5〜1000nmの範囲内であることが好ましく、
特に20〜100nmの範囲内であることが好ましい。
上記範囲より薄い場合は、金属酸化物の蒸着層を設けて
も効果的にガスバリア性を向上させることができず、ま
た上記範囲より膜厚が厚い場合は、使用時の屈曲等の場
合に基材の屈曲性に金属酸化物の蒸着層が追従すること
ができず、多量のクラックが生じる可能性があり、結果
的にガスバリア性を悪化させることになるからである。
は、5〜1000nmの範囲内であることが好ましく、
特に20〜100nmの範囲内であることが好ましい。
上記範囲より薄い場合は、金属酸化物の蒸着層を設けて
も効果的にガスバリア性を向上させることができず、ま
た上記範囲より膜厚が厚い場合は、使用時の屈曲等の場
合に基材の屈曲性に金属酸化物の蒸着層が追従すること
ができず、多量のクラックが生じる可能性があり、結果
的にガスバリア性を悪化させることになるからである。
【0081】4.多層積層体
本発明においては、上述した基材上にプライマー層が形
成され、このプライマー層上に上記蒸着層および上記無
機・有機ハイブリッドポリマー層が、この順序で積層さ
れた多層積層体としてもよい。このように、蒸着層と無
機・有機ハイブリッドポリマー層がこの順序で多数積層
することにより、高いガスバリア性を有する積層体を得
ることができるからである。
成され、このプライマー層上に上記蒸着層および上記無
機・有機ハイブリッドポリマー層が、この順序で積層さ
れた多層積層体としてもよい。このように、蒸着層と無
機・有機ハイブリッドポリマー層がこの順序で多数積層
することにより、高いガスバリア性を有する積層体を得
ることができるからである。
【0082】この場合の積層数は、特に限定されるもの
ではないが、2層以上12層以下であることが好まし
い。2層未満では十分なガスバリア性を得ることができ
ないからであり、12層を超えて積層した場合はフィル
ムとして巻き取ることが困難となり、加工適性上好まし
くないからである。なお、例えばシートとして使用する
場合は、12層以上の積層体のものも使用することがで
きる。
ではないが、2層以上12層以下であることが好まし
い。2層未満では十分なガスバリア性を得ることができ
ないからであり、12層を超えて積層した場合はフィル
ムとして巻き取ることが困難となり、加工適性上好まし
くないからである。なお、例えばシートとして使用する
場合は、12層以上の積層体のものも使用することがで
きる。
【0083】上記プライマー層としては、例えばアクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂
等を用いることが可能であるが、本発明においてはこの
プライマー層として、上記無機・有機ハイブリッドポリ
マー層を用いることが好ましい。本発明に用いられる上
記無機・有機ハイブリッドポリマーは、無機と有機の両
者の性質を併せ持つため、基材や金属酸化物層との接着
に良好に働くものだからである。
ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂
等を用いることが可能であるが、本発明においてはこの
プライマー層として、上記無機・有機ハイブリッドポリ
マー層を用いることが好ましい。本発明に用いられる上
記無機・有機ハイブリッドポリマーは、無機と有機の両
者の性質を併せ持つため、基材や金属酸化物層との接着
に良好に働くものだからである。
【0084】5.積層体
このような本発明の積層体は、全光線透過率が85%以
上とすることが可能であり、特に90%以上とすること
も可能である。
上とすることが可能であり、特に90%以上とすること
も可能である。
【0085】PVD法、あるいはCVD法により、例え
ばケイ素酸化物を形成した場合、SiO1.5〜1.8
付近の組成となるため、酸化が不十分な無機酸化物が黄
変することから高い透明性が求められる用途には使用す
ることができなかった。本発明においては、無機・有機
ハイブリッドポリマー層を有するものであるので、層内
に存在する水分の酸化作用等により蒸着層の黄変が緩和
され、結果として積層体の透明性が向上する等の理由か
ら、高い透明性が確保できるのである。
ばケイ素酸化物を形成した場合、SiO1.5〜1.8
付近の組成となるため、酸化が不十分な無機酸化物が黄
変することから高い透明性が求められる用途には使用す
ることができなかった。本発明においては、無機・有機
ハイブリッドポリマー層を有するものであるので、層内
に存在する水分の酸化作用等により蒸着層の黄変が緩和
され、結果として積層体の透明性が向上する等の理由か
ら、高い透明性が確保できるのである。
【0086】また、本発明においては、上記積層体の温
度25℃、相対湿度90%における酸素透過度が0.3cc/
m2・day・atm以下であり、かつ上記積層体の温度40
℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が0.3g/m2
・day・atm以下とした積層体を提供することも可能であ
る。このような酸素透過度および水蒸気透過度を有する
積層体は、酸素や水蒸気が侵入することを嫌う食品、医
薬品、化学薬品、電子部材等の包装に好適に用いること
ができる。
度25℃、相対湿度90%における酸素透過度が0.3cc/
m2・day・atm以下であり、かつ上記積層体の温度40
℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が0.3g/m2
・day・atm以下とした積層体を提供することも可能であ
る。このような酸素透過度および水蒸気透過度を有する
積層体は、酸素や水蒸気が侵入することを嫌う食品、医
薬品、化学薬品、電子部材等の包装に好適に用いること
ができる。
【0087】B.積層体の製造方法
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。本
発明の積層体の製造方法は、(1)水素結合形成基を有
する電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴマーの少な
くとも一方の化合物が溶媒中に溶解された溶液中に、分
子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有する
少なくとも1種類の金属元素を含む有機金属化合物を溶
解させて塗工液を調製する塗工液調整工程と、(2)こ
の塗工液を基材上に塗布した後、乾燥させて塗布膜を形
成する膜形成工程と、(3)乾燥により形成された塗布
膜に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射
工程とを少なくとも有するものである。以下、各工程に
ついてそれぞれ説明する。
発明の積層体の製造方法は、(1)水素結合形成基を有
する電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴマーの少な
くとも一方の化合物が溶媒中に溶解された溶液中に、分
子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有する
少なくとも1種類の金属元素を含む有機金属化合物を溶
解させて塗工液を調製する塗工液調整工程と、(2)こ
の塗工液を基材上に塗布した後、乾燥させて塗布膜を形
成する膜形成工程と、(3)乾燥により形成された塗布
膜に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射
工程とを少なくとも有するものである。以下、各工程に
ついてそれぞれ説明する。
【0088】1.塗工液調製工程
本発明においては、上記基材上に塗布し、無機・有機ハ
イブリッドポリマー層を形成するための塗工液をまず調
製する。この塗工液の調製に際して、まず、上記水素結
合形成基を有する電離放射線硬化性モノマーおよび/ま
たはオリゴマーを、所定の溶剤に溶解して溶液を調製す
る。この際用いられる溶剤は、上記水素結合形成基を有
する電離放射線硬化性モノマーおよび/またはオリゴマ
ーを溶解できる溶媒であれば特に限定されるものではな
いが、塗工後除去しやすいものが好ましく、具体的には
イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等の
アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;あるいはこれらの混合物等が好適に用
いられる。なお、水素結合形成基を有する電離放射線硬
化性モノマーおよび/またはオリゴマーについては、す
でに詳細に説明したものと同様であるので、ここでの説
明は省略する。
イブリッドポリマー層を形成するための塗工液をまず調
製する。この塗工液の調製に際して、まず、上記水素結
合形成基を有する電離放射線硬化性モノマーおよび/ま
たはオリゴマーを、所定の溶剤に溶解して溶液を調製す
る。この際用いられる溶剤は、上記水素結合形成基を有
する電離放射線硬化性モノマーおよび/またはオリゴマ
ーを溶解できる溶媒であれば特に限定されるものではな
いが、塗工後除去しやすいものが好ましく、具体的には
イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等の
アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;あるいはこれらの混合物等が好適に用
いられる。なお、水素結合形成基を有する電離放射線硬
化性モノマーおよび/またはオリゴマーについては、す
でに詳細に説明したものと同様であるので、ここでの説
明は省略する。
【0089】この溶媒中の上記有機成分の濃度は、塗工
に際して好適な粘度となるように調整される。したがっ
て、用いられる有機成分および溶媒の種類等に応じて変
化するものである。
に際して好適な粘度となるように調整される。したがっ
て、用いられる有機成分および溶媒の種類等に応じて変
化するものである。
【0090】本発明においては、このポリマー溶液中に
上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマーの原材料とな
る有機金属化合物を投入する。本発明においては、この
際、上記有機金属化合物が予め加水分解もしくは部分加
水分解処理がなされたものであることが好ましい。
上記金属酸化物を骨格とする無機ポリマーの原材料とな
る有機金属化合物を投入する。本発明においては、この
際、上記有機金属化合物が予め加水分解もしくは部分加
水分解処理がなされたものであることが好ましい。
【0091】予め有機金属化合物の加水分解もしくは部
分加水分解を行うことにより、生成するゾルが均一に成
長し、ポリマー溶液中に均一に分布するようになる。こ
れは、生成したゾルが溶液に溶解しているポリマーの水
素結合形成基によって安定化されるからである。一方、
上述した処理を行わずに有機金属化合物を有機成分溶液
に投入し、溶液中で有機金属化合物の加水分解を行った
場合は、水素結合形成基が反応により取りこまれ、溶液
中で架橋反応が進行する結果、ゲル化と呼ばれる不溶成
分の析出が起こる可能性があることから好ましくないの
である。
分加水分解を行うことにより、生成するゾルが均一に成
長し、ポリマー溶液中に均一に分布するようになる。こ
れは、生成したゾルが溶液に溶解しているポリマーの水
素結合形成基によって安定化されるからである。一方、
上述した処理を行わずに有機金属化合物を有機成分溶液
に投入し、溶液中で有機金属化合物の加水分解を行った
場合は、水素結合形成基が反応により取りこまれ、溶液
中で架橋反応が進行する結果、ゲル化と呼ばれる不溶成
分の析出が起こる可能性があることから好ましくないの
である。
【0092】このように予め(部分)加水分解処理をす
るために添加する水の量は、有機金属化合物のアルコキ
シ基に対し、当モル量程度の添加が好ましいが、有機金
属化合物の種類によっては加水分解反応が急激に起こ
り、超微粒子が析出してしまう性質のものがあり、この
場合にはアルコキシ基に対し、等モル量以下の水による
加水分解(部分加水分解)を採用することもできる。部
分加水分解の場合は、系内に存在する水の量を最少に抑
えられることが可能となるため、水分の混入が好ましく
ないポリマー溶液を使用する場合等にも、部分加水分解
が好ましく使用される。
るために添加する水の量は、有機金属化合物のアルコキ
シ基に対し、当モル量程度の添加が好ましいが、有機金
属化合物の種類によっては加水分解反応が急激に起こ
り、超微粒子が析出してしまう性質のものがあり、この
場合にはアルコキシ基に対し、等モル量以下の水による
加水分解(部分加水分解)を採用することもできる。部
分加水分解の場合は、系内に存在する水の量を最少に抑
えられることが可能となるため、水分の混入が好ましく
ないポリマー溶液を使用する場合等にも、部分加水分解
が好ましく使用される。
【0093】具体的には、有機金属化合物が有する全ア
ルコキシ基量の40〜100モル%の範囲内、特に60
〜100モル%の範囲内で行われることが好ましい。
ルコキシ基量の40〜100モル%の範囲内、特に60
〜100モル%の範囲内で行われることが好ましい。
【0094】なお、ここで用いられる有機金属化合物に
関しては、上述したものと同様であるので、ここでの説
明は省略する。
関しては、上述したものと同様であるので、ここでの説
明は省略する。
【0095】本発明においては、このような塗工液のp
Hを2〜7の範囲内とすることが好ましい。このような
範囲内に塗工液のpHを調整することにより、後述する
膜形成工程において、有機金属化合物が均一な無機ポリ
マーとして縮重合することが可能となり、ガスバリア性
に優れた積層体を提供することができるからである。な
お、この際に用いられるpH調整剤としては、例えば塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、蟻酸、クエ
ン酸、フタル酸等の有機酸等を挙げることができる。
Hを2〜7の範囲内とすることが好ましい。このような
範囲内に塗工液のpHを調整することにより、後述する
膜形成工程において、有機金属化合物が均一な無機ポリ
マーとして縮重合することが可能となり、ガスバリア性
に優れた積層体を提供することができるからである。な
お、この際に用いられるpH調整剤としては、例えば塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、蟻酸、クエ
ン酸、フタル酸等の有機酸等を挙げることができる。
【0096】2.膜形成工程
次に、得られた塗工液を基材上に塗布した後、乾燥させ
て塗布膜を形成する膜形成工程が行われる。基材上への
塗工液の塗布は、従来用いられる種々の塗工方法、例え
ばスプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法
により行うことができる。
て塗布膜を形成する膜形成工程が行われる。基材上への
塗工液の塗布は、従来用いられる種々の塗工方法、例え
ばスプレーコート、スピンコート、バーコート等の方法
により行うことができる。
【0097】なお、上記基材には、予めPVD法および
/またはCVD法により蒸着層が形成されていてもよ
い。この蒸着層に関しては、上述したものと同様である
ので、ここでの説明は省略する。
/またはCVD法により蒸着層が形成されていてもよ
い。この蒸着層に関しては、上述したものと同様である
ので、ここでの説明は省略する。
【0098】本発明においては、この膜形成工程におい
て、無機ポリマーが形成される。ここでの無機ポリマー
の形成は、塗工液中に触媒を添加して塗布することによ
り、加熱することなく行なうことも可能であり、また、
塗工液を塗布後に加熱することにより行うようにしても
よい。
て、無機ポリマーが形成される。ここでの無機ポリマー
の形成は、塗工液中に触媒を添加して塗布することによ
り、加熱することなく行なうことも可能であり、また、
塗工液を塗布後に加熱することにより行うようにしても
よい。
【0099】ここで添加することができる触媒として
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、蟻
酸、クエン酸、フタル酸等の有機酸等のほかに、pHに
影響を与えない程度のアルカリ、例えばアンモニア、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、ト
リメチルアミン等の有機アルカリ、酢酸ナトリウム、酢
酸マグネシウム等の緩衝剤等を挙げることができる。ま
た、加熱する場合の温度としては、用いる基材の種類に
もよるが、一般的には、5℃〜40℃の範囲内で行なわ
れる。
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、蟻
酸、クエン酸、フタル酸等の有機酸等のほかに、pHに
影響を与えない程度のアルカリ、例えばアンモニア、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、ト
リメチルアミン等の有機アルカリ、酢酸ナトリウム、酢
酸マグネシウム等の緩衝剤等を挙げることができる。ま
た、加熱する場合の温度としては、用いる基材の種類に
もよるが、一般的には、5℃〜40℃の範囲内で行なわ
れる。
【0100】本発明においては、このように後述する活
性エネルギー照射工程の前に、無機ポリマーがある程度
形成されていることが好ましい。これは、後述する活性
エネルギー照射工程においては、水素結合形成基を有す
る電離放射線硬化性のモノマーもしくはオリゴマーが重
合する。ここで、本発明の特徴は、有機ポリマーと無機
ポリマーとが均一に存在する状態でIPN構造を構築す
る点にあり、このように均一に混ざり合うことにより、
互いのポリマーの空隙を埋め合い、結果として極めて高
いガスバリア性を得る点にある。したがって、無機ポリ
マーが形成されており、この無機ポリマーに規則的に存
在する水素結合形成基に上記水素結合形成基を有するモ
ノマーもしくはオリゴマーが水素結合を介して付着して
いる状態を作り出し、この状態で活性エネルギー照射工
程が行なわれ、有機ポリマーの重合が行なわれることが
好ましいのである。
性エネルギー照射工程の前に、無機ポリマーがある程度
形成されていることが好ましい。これは、後述する活性
エネルギー照射工程においては、水素結合形成基を有す
る電離放射線硬化性のモノマーもしくはオリゴマーが重
合する。ここで、本発明の特徴は、有機ポリマーと無機
ポリマーとが均一に存在する状態でIPN構造を構築す
る点にあり、このように均一に混ざり合うことにより、
互いのポリマーの空隙を埋め合い、結果として極めて高
いガスバリア性を得る点にある。したがって、無機ポリ
マーが形成されており、この無機ポリマーに規則的に存
在する水素結合形成基に上記水素結合形成基を有するモ
ノマーもしくはオリゴマーが水素結合を介して付着して
いる状態を作り出し、この状態で活性エネルギー照射工
程が行なわれ、有機ポリマーの重合が行なわれることが
好ましいのである。
【0101】この活性エネルギー照射工程前における無
機ポリマーの形成状態としては、反応可能なアルコキシ
基の10モル%以上、特に30モル%以上が重合されて
いる状態であることが好ましい。
機ポリマーの形成状態としては、反応可能なアルコキシ
基の10モル%以上、特に30モル%以上が重合されて
いる状態であることが好ましい。
【0102】3.活性エネルギー線照射工程
最後に、膜形成工程により得られた塗布膜に対して、活
性エネルギー線を照射することにより、無機・有機ハイ
ブリッドポリマー層を形成する。
性エネルギー線を照射することにより、無機・有機ハイ
ブリッドポリマー層を形成する。
【0103】本発明における活性エネルギー線とは、紫
外線、電子線、X線等の塗布膜中の電離放射線硬化性モ
ノマーおよび/またはオリゴマーが重合することが可能
であり、かつこのような有機成分と無機ポリマーとの水
素結合を脱水縮合させることが可能なものであれば特に
限定されるものではないが、中でも電子線が最も好まし
い。これは、電子線は高速製膜性(生産性)や安全性
(光重合開始剤等を必要としない)に優れながら、上記
モノマーおよび/またはオリゴマーの重合、あるいは有
機ポリマーと無機ポリマーとの結合を容易に形成できる
からである。
外線、電子線、X線等の塗布膜中の電離放射線硬化性モ
ノマーおよび/またはオリゴマーが重合することが可能
であり、かつこのような有機成分と無機ポリマーとの水
素結合を脱水縮合させることが可能なものであれば特に
限定されるものではないが、中でも電子線が最も好まし
い。これは、電子線は高速製膜性(生産性)や安全性
(光重合開始剤等を必要としない)に優れながら、上記
モノマーおよび/またはオリゴマーの重合、あるいは有
機ポリマーと無機ポリマーとの結合を容易に形成できる
からである。
【0104】本発明において、このような活性エネルギ
ー線の照射量の上限は、たとえば基材として、無色の基
材フィルムを用いた場合は、この基材フィルムが劣化着
色しない量であり、下限は合理的な時間内に上記塗布膜
中での重合および縮合反応が進行する程度の照射量とす
ることができる。
ー線の照射量の上限は、たとえば基材として、無色の基
材フィルムを用いた場合は、この基材フィルムが劣化着
色しない量であり、下限は合理的な時間内に上記塗布膜
中での重合および縮合反応が進行する程度の照射量とす
ることができる。
【0105】具体的には、活性エネルギー線が電子線で
ある場合、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグ
ラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出
される50〜1,000KeV、 好ましくは100〜
300KeVのエネルギーを有し、加速電圧を150k
V以下、好ましくは90〜150kVに設定した電子線
が使用されることが好ましい。加速電圧が上記範囲を超
える場合は、基材を劣化・着色させる可能性があり、好
ましくないからである。また、この際の照射線量として
は、好ましくは1〜10メガラッド、特に好ましくは2
〜5メガラッドの範囲内である。照射線量を上記範囲と
したのは、照射線量が上記範囲に満たない場合は塗布膜
が十分に硬化せず、上記範囲を超える場合は塗布膜にダ
メージを与え、着色やバリア性能の低下が起こる可能性
があるため好ましくないからである。
ある場合、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグ
ラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出
される50〜1,000KeV、 好ましくは100〜
300KeVのエネルギーを有し、加速電圧を150k
V以下、好ましくは90〜150kVに設定した電子線
が使用されることが好ましい。加速電圧が上記範囲を超
える場合は、基材を劣化・着色させる可能性があり、好
ましくないからである。また、この際の照射線量として
は、好ましくは1〜10メガラッド、特に好ましくは2
〜5メガラッドの範囲内である。照射線量を上記範囲と
したのは、照射線量が上記範囲に満たない場合は塗布膜
が十分に硬化せず、上記範囲を超える場合は塗布膜にダ
メージを与え、着色やバリア性能の低下が起こる可能性
があるため好ましくないからである。
【0106】一方、紫外線硬化の場合には超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノ
ンアーク、メタルハライドランプ、マイクロ波ランプ等
の光源から発する紫外線等が利用される。
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノ
ンアーク、メタルハライドランプ、マイクロ波ランプ等
の光源から発する紫外線等が利用される。
【0107】電子線照射は、空気を酸素で置換しなが
ら、あるいは十分な酸素雰囲気中で行うことが好まし
く、酸素雰囲気中で行うことにより架橋結合の形成が促
進され、より均質且つ高品質のゲル層を形成することが
できる。
ら、あるいは十分な酸素雰囲気中で行うことが好まし
く、酸素雰囲気中で行うことにより架橋結合の形成が促
進され、より均質且つ高品質のゲル層を形成することが
できる。
【0108】本発明においては、上記活性エネルギー線
を照射した後、加熱処理および酸・アルカリ処理の内の
少なくとも一方の処理を行うことが好ましい。これは、
活性エネルギーの照射により、さらなる活性点が発生す
る可能性があることから、この活性点での反応を進行さ
せることにより、さらに架橋構造を増加させ、ガスバリ
ア性を向上させることができるからである。
を照射した後、加熱処理および酸・アルカリ処理の内の
少なくとも一方の処理を行うことが好ましい。これは、
活性エネルギーの照射により、さらなる活性点が発生す
る可能性があることから、この活性点での反応を進行さ
せることにより、さらに架橋構造を増加させ、ガスバリ
ア性を向上させることができるからである。
【0109】上記加熱処理における加熱条件としては、
120℃〜200℃の温度範囲で数秒〜30分程度、8
0℃〜120℃の温度範囲で30分〜2時間程度、60
〜80℃の温度範囲で2時間〜2週間程度を目安とする
ものであり、基材の熱ダメージの程度等を考慮して適時
決定することができる。
120℃〜200℃の温度範囲で数秒〜30分程度、8
0℃〜120℃の温度範囲で30分〜2時間程度、60
〜80℃の温度範囲で2時間〜2週間程度を目安とする
ものであり、基材の熱ダメージの程度等を考慮して適時
決定することができる。
【0110】また、酸・アルカリ処理は、酸性やアルカ
リ性の環境に放置する処理であるが、この処理を行う場
合は、使用した有機金属化合物から得られたゾルが、ど
ちらの環境で縮合反応が進行しポリマー化しやすいかを
見極める必要がある。方法としては、酸やアルカリの溶
液中に浸漬させたり、酸やアルカリの雰囲気に塗工面を
曝す等の方法を挙げることができる。
リ性の環境に放置する処理であるが、この処理を行う場
合は、使用した有機金属化合物から得られたゾルが、ど
ちらの環境で縮合反応が進行しポリマー化しやすいかを
見極める必要がある。方法としては、酸やアルカリの溶
液中に浸漬させたり、酸やアルカリの雰囲気に塗工面を
曝す等の方法を挙げることができる。
【0111】具体的には、塗布膜を0.1〜5mol/
lの範囲で濃度を調節した酸(塩酸、硫酸、硝酸など)
やアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアなど)の水溶液に直接浸漬する方法(液温は室温
〜60℃、浸漬時間は1秒〜2分)や、塩酸やアンモニ
ア等の揮発性の酸やアルカリを含む場合は、水溶液を4
0℃以上で加熱し、発生する酸やアルカリの蒸気に30
秒〜30分間曝す方法等を挙げることができる。
lの範囲で濃度を調節した酸(塩酸、硫酸、硝酸など)
やアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアなど)の水溶液に直接浸漬する方法(液温は室温
〜60℃、浸漬時間は1秒〜2分)や、塩酸やアンモニ
ア等の揮発性の酸やアルカリを含む場合は、水溶液を4
0℃以上で加熱し、発生する酸やアルカリの蒸気に30
秒〜30分間曝す方法等を挙げることができる。
【0112】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0113】例えば、上記実施形態においては、本発明
の積層体の奏する効果をガスバリア性としているが、こ
のガスバリア性には酸素等のガスの透過防止性のみなら
ず水蒸気透過防止性をも含む概念である。
の積層体の奏する効果をガスバリア性としているが、こ
のガスバリア性には酸素等のガスの透過防止性のみなら
ず水蒸気透過防止性をも含む概念である。
【0114】
【実施例】以下、本発明の積層体について、実施例を挙
げて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
げて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
【0115】[実施例1]
1.有機金属化合物の加水分解処理
12.8g(30モル%)のポリメトキシシロキサン
(三菱化学(株)製、商品名:MS−51、平均分子量
500〜700)、110.7g(50モル%)の3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、46.2g
(20モル%)のアルミニウムsec−ブトキシドをフラ
スコ中で、氷で冷却しながら、5分間攪拌した。この混
合物に55.7gの蒸留水を徐々に滴下して加え、その
混合物を5分間攪拌し、有機金属化合物の加水分解物を
得た。
(三菱化学(株)製、商品名:MS−51、平均分子量
500〜700)、110.7g(50モル%)の3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、46.2g
(20モル%)のアルミニウムsec−ブトキシドをフラ
スコ中で、氷で冷却しながら、5分間攪拌した。この混
合物に55.7gの蒸留水を徐々に滴下して加え、その
混合物を5分間攪拌し、有機金属化合物の加水分解物を
得た。
【0116】2.無機・有機ハイブリッドポリマー層形
成用塗工液の調製 ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部をn
−ブチルアルコールの50重量部に溶解し、さらに
「1.有機金属化合物の加水分解処理」で調製した加水
分解物をペンタエリスリトールトリアクリレート100
重量部に対して10重量部の割合で添加し、n−ブチル
アルコールで希釈して固形分濃度5重量%の無機・有機
ハイブリッドポリマー層形成用塗工液を得た。
成用塗工液の調製 ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部をn
−ブチルアルコールの50重量部に溶解し、さらに
「1.有機金属化合物の加水分解処理」で調製した加水
分解物をペンタエリスリトールトリアクリレート100
重量部に対して10重量部の割合で添加し、n−ブチル
アルコールで希釈して固形分濃度5重量%の無機・有機
ハイブリッドポリマー層形成用塗工液を得た。
【0117】3.積層体の作成
フィルム基材としてPVD法によるシリカ蒸着ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(商品名:テックバリア
H、三菱化学興人パックス(株)製、フィルム厚:12μ
m、シリカ蒸着膜:50nm)をA4サイズに切り出し
てバーコート法により上記塗工液を塗工し、熱風乾燥機
中で130℃で1分間乾燥し、0.5μmの塗膜を得
た。この塗膜中の残存溶剤量は2%以下であった。次い
で、これを電子線照射装置(EC250:岩崎電気
(株)製)を用いて5Mrad(加速電圧90kV)の
電子線を照射させた後、熱風乾燥機中、130℃で1時
間加熱硬化させて実施例1の積層体を得た。
レンテレフタレートフィルム(商品名:テックバリア
H、三菱化学興人パックス(株)製、フィルム厚:12μ
m、シリカ蒸着膜:50nm)をA4サイズに切り出し
てバーコート法により上記塗工液を塗工し、熱風乾燥機
中で130℃で1分間乾燥し、0.5μmの塗膜を得
た。この塗膜中の残存溶剤量は2%以下であった。次い
で、これを電子線照射装置(EC250:岩崎電気
(株)製)を用いて5Mrad(加速電圧90kV)の
電子線を照射させた後、熱風乾燥機中、130℃で1時
間加熱硬化させて実施例1の積層体を得た。
【0118】[実施例2]
1.有機金属化合物の加水分解処理
12.8gのポリメトキシシロキサン(三菱化学(株)
製、商品名:MS−51)に46.2gのアルミニウム
sec−ブトキシドをフラスコ中で、氷で冷却しながら、
5分間攪拌した。この混合物に25.0gの蒸留水を徐
々に滴下して加え、その混合物を5分間攪拌し、有機金
属化合物の加水分解物を得た。
製、商品名:MS−51)に46.2gのアルミニウム
sec−ブトキシドをフラスコ中で、氷で冷却しながら、
5分間攪拌した。この混合物に25.0gの蒸留水を徐
々に滴下して加え、その混合物を5分間攪拌し、有機金
属化合物の加水分解物を得た。
【0119】2.無機・有機ハイブリッドポリマー層形
成用塗工液の調製 ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部をn
−ブチルアルコールの50重量部に溶解し、さらに
「1.有機金属化合物の加水分解処理」で調製した加水
分解物をペンタエリスリトールトリアクリレート100
重量部に対して10重量部の割合で添加し、n−ブチル
アルコールで希釈して固形分濃度5重量%の無機・有機
ハイブリッドポリマー層形成用塗工液を得た。
成用塗工液の調製 ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部をn
−ブチルアルコールの50重量部に溶解し、さらに
「1.有機金属化合物の加水分解処理」で調製した加水
分解物をペンタエリスリトールトリアクリレート100
重量部に対して10重量部の割合で添加し、n−ブチル
アルコールで希釈して固形分濃度5重量%の無機・有機
ハイブリッドポリマー層形成用塗工液を得た。
【0120】3.積層体の作成
実施例1と同様の方法により積層体を作製した。乾燥後
の無機・有機ハイブリッドポリマー層の膜厚は、同様に
0.5μmであった。
の無機・有機ハイブリッドポリマー層の膜厚は、同様に
0.5μmであった。
【0121】[比較例1]
1.無機・有機ハイブリッドポリマー層形成用塗工液の
調製 実施例1と同様の方法で塗工液を調製した。
調製 実施例1と同様の方法で塗工液を調製した。
【0122】2.積層体の作成
電子線照射を行わなかった以外は、実施例1と同様の材
料、同様の方法により積層体を作製した。乾燥後の無機
・有機ハイブリッドポリマー層の膜厚は、同様に0.5
μmであった。
料、同様の方法により積層体を作製した。乾燥後の無機
・有機ハイブリッドポリマー層の膜厚は、同様に0.5
μmであった。
【0123】[比較例2]
1.モノマー塗工液の調製
有機金属化合物の加水分解物を添加しなかった以外は、
実施例1と同様の材料と方法で固形分が5重量%のモノ
マー塗工液を得た。
実施例1と同様の材料と方法で固形分が5重量%のモノ
マー塗工液を得た。
【0124】2.積層体の作成
実施例1と同様の方法により積層体を作製した。乾燥後
のエバール樹脂層の膜厚は、同様に0.5μmであっ
た。
のエバール樹脂層の膜厚は、同様に0.5μmであっ
た。
【0125】[比較例3]水酸基を持たないペンタエリ
スリトールテトラアクリレートを用いた以外は実施例1
と同様の手法で塗工液および積層体を得た。
スリトールテトラアクリレートを用いた以外は実施例1
と同様の手法で塗工液および積層体を得た。
【0126】[評価]上記実施例1、2、および比較例
1、2、3により得られた積層体を、それぞれ、室温で
24時間放置後の酸素、及び水蒸気透過度を以下の条件
で測定した。また、下記の条件で破断強度を測定した。
結果を表にまとめる。
1、2、3により得られた積層体を、それぞれ、室温で
24時間放置後の酸素、及び水蒸気透過度を以下の条件
で測定した。また、下記の条件で破断強度を測定した。
結果を表にまとめる。
【0127】1.酸素透過度測定条件
MOCON社のOX−TRAN2/20型を用いて、23℃、90%RH
の条件で測定した。
の条件で測定した。
【0128】2.水蒸気透過度測定条件
MOCON社のPERMATRANを用いて、40℃、90%RHの条
件で測定した。
件で測定した。
【0129】3.塗工膜の破断強度
無機・有機ハイブリッド層形成用塗工液を用いて基材上
に塗膜を形成し、これのJIS K7113に基づく1
号試験片を作製した。得られた試験片について、それぞ
れ引張試験機(インストロン5565、インストロン
製)で破断強度を測定した。破断強度の評価は、比較例
2で得た塗膜を1とし、これに対する比の値として示し
た。この比が大きいほどIPN構造が均一化していると
考えられる。なお、比較例1は、実施例1と同じ組成を
有するがハイブリッド体の電子線照射を行わなかったも
のであり、比較例2は実施例1のコーティング組成物か
ら無機成分を抜いた組成を有するものである。
に塗膜を形成し、これのJIS K7113に基づく1
号試験片を作製した。得られた試験片について、それぞ
れ引張試験機(インストロン5565、インストロン
製)で破断強度を測定した。破断強度の評価は、比較例
2で得た塗膜を1とし、これに対する比の値として示し
た。この比が大きいほどIPN構造が均一化していると
考えられる。なお、比較例1は、実施例1と同じ組成を
有するがハイブリッド体の電子線照射を行わなかったも
のであり、比較例2は実施例1のコーティング組成物か
ら無機成分を抜いた組成を有するものである。
【0130】
【表1】
【0131】表1から明らかなように、実施例の積層体
は、比較例のものに対して良好なガスバリア性を示し
た。また、引張強度においても、比較例のものより大き
な値を示した。
は、比較例のものに対して良好なガスバリア性を示し
た。また、引張強度においても、比較例のものより大き
な値を示した。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、このように比較的硬い
無機ポリマーのネットワーク中に、この無機ポリマーと
水素結合を有する電離放射線硬化性モノマーもしくはオ
リゴマーを重合させて得られる有機ポリマーのネットワ
ークが形成されたものであるので、有機ポリマーおよび
無機ポリマーが分離することなく、均一に無機・有機ハ
イブリッドポリマー層内に存在する新規な構造を有する
ものである。したがって、無機および有機ポリマー中の
空隙をお互いの分子同士が埋めるように作用し、これに
より透明性が高くかつ機械的なストレス等を受けるよう
な場合でも極めて高度なガスバリア性を有する積層体と
することができるという効果を奏する。
無機ポリマーのネットワーク中に、この無機ポリマーと
水素結合を有する電離放射線硬化性モノマーもしくはオ
リゴマーを重合させて得られる有機ポリマーのネットワ
ークが形成されたものであるので、有機ポリマーおよび
無機ポリマーが分離することなく、均一に無機・有機ハ
イブリッドポリマー層内に存在する新規な構造を有する
ものである。したがって、無機および有機ポリマー中の
空隙をお互いの分子同士が埋めるように作用し、これに
より透明性が高くかつ機械的なストレス等を受けるよう
な場合でも極めて高度なガスバリア性を有する積層体と
することができるという効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C08L 101:00 C08L 101:00
Fターム(参考) 4F006 AA11 AA22 AA31 AA35 AB39
AB76 BA05 CA07 CA08 DA01
DA04 EA03
4F100 AA01B AA17A AA17B AA19A
AA20A AA21A AA25A AA27A
AA28A AH00B AH06B AH08B
AH08K AK01B AK24B AK42A
AK52B AT00A BA02 BA10A
BA10B EH462 EJ533 EJ65A
JB14B JB14K JD03 JD04
JK02B JN08 YY00A YY00B
4J011 CA01 CC02 CC10 PA02 PA07
PB40 PC02 PC08
Claims (19)
- 【請求項1】 基材と、この基材上に形成された無機・
有機ハイブリッドポリマー層とを有する積層体におい
て、 前記無機・有機ハイブリッドポリマー層が、水素結合形
成基を有する電離放射線硬化性モノマーおよびオリゴマ
ーの少なくとも一方の化合物を重合させて形成された有
機ポリマーと、金属酸化物を骨格とする無機ポリマーと
の無機・有機ハイブリッドポリマー層であることを特徴
とする積層体。 - 【請求項2】 前記有機ポリマーが、前記無機ポリマー
が形成された後に重合されて形成されたものであること
を特徴とする請求項1に記載の積層体。 - 【請求項3】 前記無機・有機ハイブリッドポリマー層
のJIS K7113に基づき作製した試験片の破断強
度が、前記有機ポリマー単独、または前記無機ポリマー
単独の塗膜について同様にして測定した破断強度以上の
値を有することを特徴とする請求項1または請求項2に
記載の積層体。 - 【請求項4】 前記金属酸化物を骨格とする無機ポリマ
ーが、分子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基
を有し、Si、Al、Zr、およびTiから選ばれる少
なくとも1種類の金属元素を含む有機金属化合物を出発
原料とすることを特徴とする請求項1から請求項3まで
のいずれかの請求項に記載の積層体。 - 【請求項5】 前記水素結合形成基を有する電離放射線
硬化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化
合物が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシ
ジル基、アミド基、およびアミド結合からなる群から選
択される少なくとも1種類の水素結合形成基を有するこ
とを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの
請求項に記載の積層体。 - 【請求項6】 前記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、前記有機ポリマー100重量部に対し、前記無機ポ
リマーを1〜200重量部含むことを特徴とする請求項
1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の積層
体。 - 【請求項7】 前記無機・有機ハイブリッドポリマー層
が、0.05〜5μmの範囲内の膜厚を有する無機・有
機ハイブリッドポリマー層であることを特徴とする請求
項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の積層
体。 - 【請求項8】 前記基材と、前記無機・有機ハイブリッ
ドポリマー層との間に、物理的蒸着法(PVD法)およ
び化学的蒸着法(CVD法)の内の少なくとも一つの蒸
着法により得られ、Si、Al、Zr、Ti、Sn、I
n、Zn、およびSbからなる群から選択される少なく
とも1種類の金属の酸化物を有する蒸着層が形成されて
いることを特徴とする請求項1から請求項7までのいず
れかの請求項に記載の積層体。 - 【請求項9】 前記蒸着層が、5〜1000nmの範囲
内の膜厚を有する蒸着層であることを特徴とする請求項
8記載の積層体。 - 【請求項10】 前記基材上にプライマー層が形成さ
れ、このプライマー層上に前記蒸着層および前記無機・
有機ハイブリッドポリマー層が、この順序で積層されて
なることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の
積層体。 - 【請求項11】 前記プライマー層が、前記無機・有機
ハイブリッドポリマー層であることを特徴とする請求項
10記載の積層体。 - 【請求項12】 前記蒸着膜および前記無機・有機ハイ
ブリッドポリマー層の積層数が、2〜12層であること
を特徴とする請求項10または請求項11に記載の積層
体。 - 【請求項13】 全光線透過率が85%以上であること
を特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの
請求項に記載の積層体。 - 【請求項14】 温度25℃、相対湿度90%における
酸素透過度が0.3cc/m2・day・atm以下であり、かつ温度
40℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が0.3
g/m2・day・atm以下であることを特徴とする請求項1
から請求項13までのいずれかの請求項に記載の積層
体。 - 【請求項15】 水素結合形成基を有する電離放射線硬
化性モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方の化合
物が溶媒中に溶解された溶液中に、分子中に2個以上の
炭素数1〜6のアルコキシ基を有する少なくとも1種類
の金属元素を含む有機金属化合物を溶解させて塗工液を
調製する塗工液調整工程と、この塗工液を基材上に塗布
した後、乾燥させて塗布膜を形成する膜形成工程と、乾
燥により形成された塗布膜に活性エネルギー線を照射す
る活性エネルギー線照射工程とを有することを特徴とす
る積層体の製造方法。 - 【請求項16】 前記塗工液には、加水分解もしくは部
分加水分解処理が予め行われた有機金属化合物が用いら
れ、この加水分解もしくは部分加水分解処理は、有機金
属化合物が有する全アルコキシ基量の40〜100モル
%の範囲内で行われる処理であることを特徴とする請求
項15に記載の積層体の製造方法。 - 【請求項17】 前記塗工液のpHが2〜7の範囲内で
あることを特徴とする請求項15または請求項16に記
載の積層体の製造方法。 - 【請求項18】 前記活性エネルギー線が電子線であ
り、電子線の照射線量が1〜10メガラッドの範囲内で
あり、かつ加速電圧が150kV以下であることを特徴
とする請求項15から請求項17までのいずれかの請求
項に記載の積層体の製造方法。 - 【請求項19】 前記活性エネルギー照射工程の後、加
熱処理および酸・アルカリ処理の内の少なくとも一方の
処理を行うことを特徴とする請求項15から請求項18
までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296047A JP2003094572A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 積層体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296047A JP2003094572A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 積層体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003094572A true JP2003094572A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19117363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001296047A Pending JP2003094572A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 積層体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003094572A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007049859A1 (en) * | 2005-10-25 | 2007-05-03 | Mun-Chan Kim | Clip for fixing line type bookmark |
JP2010084054A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Dainippon Printing Co Ltd | 耐熱層形成用塗布液、ガスバリア性シートの製造方法、ガスバリア性シート、及び製品 |
WO2011118845A1 (en) | 2010-03-26 | 2011-09-29 | Fujifilm Corporation | Polyester resin, and optical materials, films and image display devices using the same |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001296047A patent/JP2003094572A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007049859A1 (en) * | 2005-10-25 | 2007-05-03 | Mun-Chan Kim | Clip for fixing line type bookmark |
JP2010084054A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Dainippon Printing Co Ltd | 耐熱層形成用塗布液、ガスバリア性シートの製造方法、ガスバリア性シート、及び製品 |
WO2011118845A1 (en) | 2010-03-26 | 2011-09-29 | Fujifilm Corporation | Polyester resin, and optical materials, films and image display devices using the same |
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