JP2003094212A - 軸力発生装置及びこれを用いた機械式チャックシリンダ - Google Patents

軸力発生装置及びこれを用いた機械式チャックシリンダ

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JP2003094212A
JP2003094212A JP2001297426A JP2001297426A JP2003094212A JP 2003094212 A JP2003094212 A JP 2003094212A JP 2001297426 A JP2001297426 A JP 2001297426A JP 2001297426 A JP2001297426 A JP 2001297426A JP 2003094212 A JP2003094212 A JP 2003094212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ機構を利用して回転運動を軸方向移動に
変換する軸力発生装置に関し、軸方向の移動ストローク
の大小に関わらずそのストローク端で大きな倍力作用を
有する軸力発生装置及び当該装置を含む機械式のチャッ
クシリンダを提供する。 【解決手段】 同心かつ同一リードの1次ねじ及び2次
ねじと、1次ねじの回転を2次ねじに伝達する負荷クラ
ッチ部材と、1次ねじの回転により軸方向移動する第1
スリーブと、2次ねじの回転により軸方向移動する第2
スリーブと、第2スリーブの先端側の円周を等分する位
置に形成された倍力室32と、各倍力室に配置された球
形ないし円筒形の受動体34及び偏倚して位置する押込
体35と、第1スリーブの先端に設けられて各倍力室の
押込体を受動体側に押動する楔面33aとを備えてい
る。1次ねじを回転駆動することにより、軸方向のスト
ローク移動とストローク端における軸方向倍力とを発生
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ねじ機構を利用
して回転運動を軸方向移動に変換する軸力発生装置に関
し、特に軸方向の移動ストロークの大小に関わらず、そ
のストローク端で大きな倍力作用を有する軸力発生装置
及び当該装置を含む機械式のチャックシリンダに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械において、回転工具や回転ワー
クを把持するチャックは、その回転軸線上で軸方向移動
するプルロッドによって開閉される構造が一般的であ
る。このプルロッドの軸方向移動は、チャックシリンダ
と呼ばれる油圧シリンダで行っている。
【0003】例えば、旋盤の主軸に装着されるワークチ
ャックは、半径方向に同時開閉する3個ないし4個の爪
を備えており、この爪の開閉は、主軸の中空孔に挿通し
たプルロッドの軸方向動きを楔機構やカム機構によって
半径方向の動きに変換して、それぞれの爪に伝達するこ
とによって行われている。このプルロッドを軸方向移動
させるために、主軸の反チャック側端部に油圧シリンダ
が装着され、そのピストンをプルロッドに連結して爪の
開閉を行う。
【0004】なお、旋盤の主軸チャックを開閉するプル
ロッドは、主軸の軸心を通してバー材を供給できるよう
に中空ロッドを用いるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】油圧式のチャックシリ
ンダは、主軸端に装着されて回転するため、回転ジョイ
ントを用いて油圧を供給する必要があり、回転ジョイン
ト部における油漏れによるエネルギーロスやシール交換
の問題が生ずる。更にチャックシリンダには、チャック
がワークを把持している間、常に高い油圧力を供給しな
ければならず、油圧ポンプの運転コストの上昇と作動油
の温度上昇とが問題となる。作動油温度が上昇すると、
それが主軸やチャックに伝達され、熱変形による加工寸
法の誤差を生じさせる。
【0006】この発明は、油圧式のシリンダチャックに
代えて用いる電動機駆動による純機械式のチャックシリ
ンダを得ることを課題としており、電動機の回転運動を
軸方向移動に変換してプルロッドに伝え、かつチャック
がワークを把持するストローク端において、プルロッド
のストローク量に影響されることなく、大きな倍力機構
が得られ、かつ主軸の高速回転に追従できるコンパクト
な純機械式のチャックシリンダ及びこれに用いる軸力発
生装置を得ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決したこの
発明の軸力発生装置は、同心円筒上に配置された同一リ
ードの1次ねじ15及び2次ねじ8と、この1次ねじの
回転を2次ねじに伝達する負荷クラッチ部材7と、前記
1次ねじの回転により軸方向移動する第1スリーブ16
と、前記2次ねじの回転により軸方向移動する第2スリ
ーブ9と、この第2スリーブの移動先端側に配置した軸
力部材20と、これら軸力部材及び第2スリーブの対向
面間の円周を等分する位置に形成された複数の倍力室3
2と、各倍力室に軸方向に間隔を隔てて配置された球形
ないし円筒形の受動体34と、各倍力室の軸方向に隣接
する2つの受動体の軸心を結ぶ線から偏倚して当該隣接
する受動体の間に位置する球形ないし円筒形の押込体3
5と、前記第1スリーブの先端周面ないし側面に設けら
れて各倍力室の押込体を受動体側に向けて同時に押動す
る楔面33aとを備えており、前記1次ねじを回転駆動
することにより、軸方向のストローク移動とストローク
端における軸方向倍力とを発生する。
【0008】この発明の好ましい構造の軸力発生装置
は、負荷クラッチ部材7が2次ねじ8に螺合し、当該負
荷クラッチ部材と第2スリーブ9とが相対回転可能かつ
相対軸方向移動不能に連結され、その負荷クラッチをク
ラッチ切り状態に強制的に保持する係止体38と、この
係止体をクラッチ切り方向に付勢するロックばね39と
を備え、前記第1スリーブ16が復帰したときに、係止
体38がロックばねの付勢力に抗して押動されて、負荷
クラッチの強制切り状態が解除され、当該第1スリーブ
が負荷クラッチ部材から離隔したときに、前記ロックば
ねが係止体を押動してクラッチ切り状態を強制的に保持
する。
【0009】またこの発明の機械式チャックシリンダ
は、基端に固定フランジ6を有する固定内筒5と、その
外側に位置する回転外筒11とを備え、この回転外筒の
内周面に前記1次ねじが設けられて、上記構造の軸力発
生装置が前記固定内筒と回転外筒との間に内装され、前
記軸力部材20の先端に当該固定内筒の中心孔に挿通さ
れるプルロッドへの連結具24、25が設けられている
ものである。
【0010】上記のこの発明の軸力発生装置において、
1次ねじ15を回転駆動すると、当該1次ねじ及びこれ
に負荷クラッチ部材7を介して連結された2次ねじ8が
同期回転する。1次ねじ15に螺合し又は螺合する部材
に連結された第1スリーブ16及び2次ねじ8に螺合し
又は螺合する部材に連結された第2スリーブ9は、両ね
じ15、8が等しいリードを備えていることから、軸方
向に同期移動する。チャックの爪がワークに当接するこ
となどによって規制されるストローク端に達すると、軸
力部材20の軸方向移動が阻止され、その阻止力が倍力
室32の球体ないし円筒体34、35を介して第2スリ
ーブ9に伝達されるので、第2スリーブ9の軸方向移動
も阻止される。従って第2スリーブ9を螺進退させてい
る2次ねじ8の回転負荷が増大し、負荷クラッチ部材7
が切れる。そのため、2次ねじ8の回転は停止し、第2
スリーブ9の軸方向移動が停止する。
【0011】一方、1次ねじ15は更に回転を続け、第
1スリーブ16が更に前進する。停止した第2スリーブ
9に対する第1スリーブ16の相対前進移動により、楔
面33aが押込体35を軸方向に隣接する2つの受動体
34、34の間に押込み、押込体35と受動体34との
間の楔作用により、2つの受動体34、34を離隔させ
ようとする方向の大きな軸方向力が生ずる。この軸方向
力を受ける第2スリーブ9は、停止している2次ねじ8
により軸方向に固定されているため、当該軸方向力は軸
力部材20に伝達される。従って、この軸力部材20に
連結具24、25でチャック開閉用のプルロッドを接続
すれば、チャック開状態からその爪がワークに当接する
までの間は、軸力部材20の軸方向移動に負荷がかから
ないため、1次ねじ15と2次ねじ8との同期回転によ
るストローク移動が行われ、チャック爪がワークに当接
した後は、第1スリーブ16のみの軸方向移動による倍
力作用が働いて、ワークが強固に把持される。
【0012】1次ねじ15を逆方向に回転させると、2
次ねじ8のねじ面には、倍力によって生じた大きな軸方
向反力が作用しているため、2次ねじ8は直ちには回転
することができず、1次ねじ15のみが回転して、第1
スリーブ16を軸方向に復帰移動させる。第1スリーブ
16がある程度のストロークを復帰移動すると、楔面3
3aによる押込体35の押込力が開放され、2次ねじ8
の回転負荷が開放されるために負荷クラッチ部材7が入
り、2次ねじ8は1次ねじ15と同期回転して、第1ス
リーブ16と第2スリーブ9とを同時復帰させる。第2
スリーブ9が復帰ストローク端に達すると、再び2次ね
じに回転負荷が掛るので、負荷クラッチ部材7が切れ、
1次ねじ15のみが回転して、第1スリーブ16のみが
復帰する。そして、第1スリーブ16も復帰ストローク
端に達すると、1次ねじ15の回転負荷が増加し、この
負荷の増加を1次ねじを回転駆動している電動機の電流
値の増加等によって検出して当該電動機を停止し、1次
ねじ15の回転を停止する。
【0013】なお、第1スリーブ16の前進側ストロー
ク端における軸力部材20の軸力の制御は、第2スリー
ブ9の負荷が増大して負荷クラッチ部材7が切れたとき
の駆動電動機の電流値の急激な低下を検出し、その検出
時点からの電動機の回転数を制御して、第1スリーブ1
6が単独移動するときの移動ストロークを制御すること
により、行うことができる。
【0014】上記構造の軸力発生装置は、前進側ストロ
ーク端において、そのストロークの大小にかかわらず、
大きな倍力を発生させることができ、チャックシリンダ
に用いたときに、大きなワークないし工具把持力を発生
させることができる。また、進出側及び復帰側のストロ
ーク端において、ねじによるセルフロック機構が働くの
で、電動機を自由回転状態にしてやれば、軸力部材20
の進出及び復帰位置が保持され、チャックシリンダとし
て使用したときのチャック爪の開閉位置が保持されるか
ら、チャック開閉時のみ電動機を駆動してやればよい。
【0015】なお、チャックシリンダの駆動電動機とし
てサーボモータを用い、この電動機を工作機械の主軸駆
動用電動機と同期回転させ、両電動機に回転差を与える
ことによって1次ねじ15を相対的に回転させるように
すれば、主軸回転を継続した状態でのチャックの開閉が
可能である。
【0016】また、請求項2の手段を採用することによ
り、負荷クラッチ部材7のクラッチの切り状態を強制的
に保持することができ、クラッチの正確なタイミングで
の入切動作を保証することができて、第1スリーブ16
と第2スリーブ9とのより確実な進退動作を実現するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、この発明の軸
力発生装置を用いた機械式チャックシリンダの第1実施
例を示した図である。図中1は旋盤の主軸で、2は主軸
1の反チャック側端に固定されたVベルトプーリであ
り、このVベルトプーリに主軸モータが連結されて主軸
1が回転する。3は主軸1の中空孔に軸方向移動可能に
挿通された中空孔4を有するプルロッドである。
【0018】主軸1の中心孔と等しい径の中心孔を有す
る固定内筒5は、その基端の固定フランジ6で主軸のベ
ルトプーリ2に固定されている。固定内筒5の基端側
(固定フランジ側)には、負荷クラッチ部材7が相対回
転可能かつ軸方向移動不能に嵌挿されている。2次ねじ
8はクラッチ部材7と一体に形成され、第2スリーブ9
の基端部内周と螺合している。
【0019】固定フランジ6には、軸受10を介して回
転外筒11が自由回転可能に装着されている。回転外筒
11の基端側には、歯付きベルトプーリ12が固定さ
れ、この歯付きベルトプーリに図示しないチャック開閉
モータを歯付きベルトで連結することにより、回転外筒
11が回転駆動される。回転外筒11の基端側内周に
は、負荷クラッチ部材7のクラッチ爪13が係入する凹
所14が設けられている。1次ねじ15は回転外筒11
の内周面に形成され、第1スリーブ16の基端側外周と
螺合している。
【0020】負荷クラッチ部材7のクラッチ爪13は、
図2に示すように、軸方向のピン17回りに起倒自在
で、図2に示す起立状態では、その先端が負荷クラッチ
部材7の外周面から突出して、その外側に嵌合されてい
る回転外筒11の内周面に設けた凹所14に係合してい
る。クラッチ爪13のこの起立状態は、圧縮コイルばね
18でクラッチ爪13の両側に向けて付勢されたスライ
ダ19によって保持されている。この状態で回転外筒1
1の回転は、クラッチ爪13を介して負荷クラッチ部材
7に伝達される。2次ねじ8、従って負荷クラッチ部材
7に回転負荷が作用すると、その接線力によりクラッチ
爪13がコイルばね18の付勢力に抗してスライダ19
を押込んだ状態で倒伏する。この倒伏によりクラッチ爪
13の先端は、負荷クラッチ部材7の外周面の位置まで
押込まれて、回転外筒11の回転が負荷クラッチ部材
7、従って2次ねじ8に伝達されなくなる(負荷クラッ
チ部材が切れる)。2次ねじ8の負荷トルクが開放され
た状態で回転外筒11が回転すると、クラッチ爪13と
凹所14が一致したときに、圧縮コイルばね18の付勢
力によってクラッチ爪13が起立して凹所14に係入
し、以後回転外筒11の回転は、負荷クラッチ部材7、
従って2次ねじ8に伝達される(負荷クラッチ部材が入
る)(図2参照)。
【0021】固定内筒5の先端側外周には、円筒状の軸
力部材20が嵌挿され、その外側にガイドスリーブ21
が嵌挿されている。固定内筒5の先端に立設された半径
方向の固定ピン22により、ガイドスリーブ21は固定
ピン22に対して相対回転不能かつ軸方向移動不能であ
る。固定ピン20は、軸力部材20の軸方向の長孔20
aを貫通しており、軸力部材20は相対回転不能かつ長
孔20aの長さの範囲内で軸方向移動自在である。回転
外筒11の先端部は、軸受材11aを介して回転自在に
嵌合しており、かつこのガイドスリーブ21の先端に螺
着した押えナット23により、軸方向移動を規制されて
いる。
【0022】軸力部材20の先端は、プルロッド3の先
端に螺合した鍔付きナット24の基端面に当接してお
り、この鍔付きナットの鍔24aは、軸力部材20の先
端側外周に固定した2つ割れのカップリング25で先端
側を係止されている。従って、軸力部材20の軸方向移
動は、プルロッド3に伝達され、かつ鍔付きナット24
を回転させることにより、両者の軸方向の相対位置関係
が調整可能である。
【0023】第1スリーブ16の円周4箇所には、図3
に示す短冊状の突起26が形成され、この短冊突起の先
端は、ガイドスリーブ21の基端側に設けたガイド切欠
27で軸方向移動可能に案内されている。第2スリーブ
9の先端の前記短冊突起の内周側の部分には、段付きコ
の字形の凹所28が設けられ、軸力部材20の基端の前
記ガイド切欠27の内径側の部分には、コの字形の対向
凹所29が設けられて、これらの凹所28、29で楔室
30が形成され、凹所28の段部31で側面が楔室30
に向けて開放された倍力室32が形成されている。楔室
30には、前記短冊突起26の内周面に一体に設けた楔
33が挿入されており、この楔33の楔面33aは、倍
力室32を向いている。倍力室32には2個の受動球体
34が軸方向に間隔を隔てて嵌挿され、かつこの受動球
体の間に押込球体35が楔33側に偏倚して挿入されて
いる。第2スリーブ9の軸方向移動が停止している状態
で、第1スリーブ16が前進すると、楔33が楔室30
内で先端側に移動し、その楔面33aが押込球体35を
2つの受動球体34の間に押込む。このとき、押込球体
35と受動球体34との間に楔作用が生じるため、2つ
の受動球体34は、2段の楔作用による倍力で互いに離
隔する方向に押動させられる。基端側の受動球体は、2
次ねじ8で軸方向移動が固定されているので、先端側の
受動球体が軸力部材20の基端を押動して、大きな軸方
向力を発生させる。
【0024】なお、図の実施例では、カバー部材36で
倍力室32の外周を閉鎖しており、このカバー部材の先
端を軸力部材20にねじ止めすると共に、その基端と第
2スリーブ9との間に設けたコイルばね37で基端側に
向けて付勢することにより、楔33が復帰したときに、
軸力部材20を基端側に引き戻して、押込球体35を楔
33側に押し出すようにしている(図3参照)。
【0025】次に図示実施例の軸力発生動作及び復帰動
作を説明する。図示しないチャック開閉モータにより、
回転外筒11が回転駆動されると、1次ねじ15と負荷
クラッチ部材7を介して連結された2次ねじ8とが同期
回転して、第1スリーブ16と第2スリーブ9とが一体
となって軸方向に移動する。このとき、楔室30内での
楔33の位置は変化せず、軸力部材20は3個の球体3
4、35、34を介して、第2スリーブ9に押動されて
一体となって軸方向移動(前進)する。主軸チャックの
チャック爪がワークを把持すると、プルロッド3に引出
し負荷が掛かり、軸力部材20の軸方向移動が停止す
る。このため第2スリーブ9の軸方向移動が不能にな
り、2次ねじ8に回転負荷が作用して、クラッチ部材7
が切れ、1次ねじ15のみが回転する状態となる。この
状態、すなわち第2スリーブが停止して、第1スリーブ
16のみが前進する状態で、楔33が楔室30内で前進
し、押込球体35を受動球体34の間に押込んで、軸力
部材20に大きな軸力を伝達し、これがプルロッド3に
伝達されて、主軸チャックはワークを強固に把持する。
【0026】主軸チャックを開くときは、この状態で回
転外筒11を逆方向に回転させる。回転開始時には、2
次ねじ8のねじ面に大きな推力が作用しているため、2
次ねじ8は回転できないが、1次ねじ15のみが回転し
て、楔33が楔室30内で後退すると、押込球体35が
ばね37の付勢力によって押し出され、2次ねじに作用
していた面圧は急激に低下する。そのため、クラッチ爪
13と回転外筒11の凹所14が一致した状態でクラッ
チ部材7が入り、1次ねじ15と2次ねじ8とが同期回
転して第1スリーブ16と第2スリーブ9とを復帰させ
る。通常の場合は、第2スリーブ9が先に復帰端に達す
るので、これにより第2スリーブの復帰移動が阻止され
て、再び2次ねじ8に回転負荷が掛かり、負荷クラッチ
部材7が切れる。この状態で1次ねじ15のみが回転
し、第1スリーブ16が復帰端に達すると、1次ねじ1
5にも回転負荷が作用して、チャック開閉電動機が停止
する。
【0027】図5ないし図7は、この発明の軸力発生装
置を用いた機械式チャックシリンダの第2実施例を示し
た図で、2次ねじ8が固定内筒5の外周に設けられてい
る点、負荷クラッチ部材7にクラッチ爪13を切り状態
で保持するロック手段が設けられている点及び押込み球
体35が半径方向に偏倚して配置されている点が第1実
施例と異なる。以下、これらの相違点について説明す
る。
【0028】第2実施例の2次ねじ8は、固定内筒5の
外周に設けられ、この2次ねじに負荷クラッチ部材7が
螺合している。負荷クラッチ部材7と第2スリーブ9の
基端とは、継手部40において相対回転自在かつ軸方向
相対移動不能に連結されている。負荷クラッチ部材7の
外周は、大径ねじとした1次ねじ15の内周(ねじの頂
面)に相対回動及び軸方向移動可能に嵌挿されている。
1次ねじ15の内周の互いに180度離れた位置にクラ
ッチ爪13の先端が係入する軸方向の凹溝41が設けら
れている。
【0029】負荷クラッチ部材7のクラッチ爪13は、
ピン17回りに起倒する第1実施例と同様な構造である
が、その倒伏方向は一方向のみで、従ってこれを起立状
態に保持する圧縮コイルばね18は、片側にのみ設けら
れている。そしてこのクラッチ爪の倒伏状態(クラッチ
切り状態)を保持するロックピン38が各クラッチ爪1
3に近接して軸方向に所定ストローク移動可能にして設
けられており、かつこのロックピンを先端側、すなわち
第1スリーブ側に向けて付勢するロックばね39が設け
られている。ロックピン38はロックばね39の付勢力
により先端側に移動したときに、その傾斜したロック面
38aがクラッチ爪13を倒伏状態でロックし、そのと
きロックピン38の先端は、負荷クラッチ部材7の先端
の第1スリーブ16の基端と対向する面に突出する。す
なわち、第1スリーブ16の基端が負荷クラッチ部材7
に当接しているときは、ロックピン38は先端側に移動
することができず、従ってクラッチ爪13はロックされ
ない。
【0030】クラッチ爪13が起立状態になったとき、
当該クラッチ爪の先端は、1次ねじ15の内径面に設け
た凹溝41に係合して回転外筒11の回転が負荷クラッ
チ部材7に伝達されることとなる。このとき、負荷クラ
ッチ部材7は、2次ねじ8に螺合しているために、軸方
向に移動することとなり、クラッチ爪13の先端は、凹
溝41に係入した状態で軸方向に移動してゆく。
【0031】第2スリーブ9の先端には、受動球体34
及び押込球体35が遊嵌可能な程度の幅の軸方向に細長
い倍力室が設けられ、この倍力室の基端側と先端側とに
位置して2つの受動球体34が挿入され、この2つの受
動球体の間に押込球体35が、その中心を受動球体の中
心から半径方向外側に偏倚させて挿入されている。
【0032】第1スリーブ16の先端は、切欠のない筒
状で、しかしその先端側内面は、先端側を大径にした緩
いテーパ面となっている。押込球体35は、この円錐内
面42に当接しており、従って第1スリーブ16が第2
スリーブ9に対して相対的に先端側に移動すると、押込
球体35が円錐内面42の楔作用により受動球体34側
に押込まれて、2つの受動球体34、34を離隔させる
方向の倍力を発生する。
【0033】チャック開状態においては、第1スリーブ
16の基端が負荷クラッチ部材7に当接した状態となっ
ている。この状態で回転外筒11を前進方向に回転する
と、負荷がかかっていない状態では、負荷クラッチ部材
7が回転外筒11と共に回転して、2次ねじ8のリード
に従って先端側へと移動し、第2スリーブ9も移動す
る。第1スリーブ16は、2次ねじ8と等しいリードの
1次ねじ15に螺合し、かつ回転することができないの
で、第2スリーブ9と相対位置関係を保持した状態で前
進する。
【0034】チャックの爪がワークに当接して、プルロ
ッドに負荷がかかると、その負荷は第2スリーブ9の前
進を阻止するので、負荷クラッチ部材7に回転負荷がか
かり、クラッチ爪13が倒れてクラッチが切れる。一
方、回転外筒11は回転を続けるので、第2スリーブ9
が停止した状態で、第1スリーブ16のみが前進するこ
ととなる。前進する第1スリーブの基端は、クラッチ部
材7から離れ、ロックピン38が進出して、クラッチ爪
13の倒伏状態をロックする。第1スリーブ16の相対
前進により、押込球体35が押されて、軸方向の倍力が
発生し、この倍力がプルロッドを引込んで、チャックが
ワークを強固に把持する。
【0035】この状態から回転外筒11を逆方向に回転
させると、クラッチ爪13の倒伏状態がロックピン38
で保持されているので、第1スリーブ16のみが後退す
る。そうして第2スリーブの基端が負荷クラッチ部材7
に当接したときに、ロックピン38が押し戻されて、ク
ラッチ爪13のロック状態を開放し、その開放後、最初
にクラッチ爪13の先端が凹溝41と対向した位置でク
ラッチ爪の先端と凹溝41とが係合する。この係合位置
は、チャック閉鎖時にクラッチ爪13の先端と凹溝41
とが外れた位置と同じ位置である。その後負荷クラッチ
部材7は、回転外筒11と同期回転するから、第1スリ
ーブ16と第2スリーブ9とは、相対位置を保持したま
ま、基端側のストローク端まで移動することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の上半分のみを断面にして示す断面
側面図
【図2】第1実施例の負荷クラッチ部分の横断面図
【図3】第1実施例の回転外筒内周面での部分展開図
【図4】第1実施例の楔室と倍力室の詳細展開図
【図5】第2実施例の上半分のみを断面にして示す要部
断面側面図
【図6】第2実施例の負荷クラッチ部分の横断面図
【図7】第2実施例の負荷クラッチ部分の縦断面図
【符号の説明】
5 固定内筒 6 固定フランジ 7 負荷クラッチ部材 8 2次ねじ 9 第2スリーブ 11 回転外筒 15 1次ねじ 16 第1スリーブ 20 軸力部材 24 鍔付ナット 25 カップリング 32 倍力室 33a 楔面 34 受動球体 35 押込球体 38 ロックピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円筒上に配置された同一リードの1
    次ねじ(15)及び2次ねじ(8)と、この1次ねじの回転を
    2次ねじに伝達する負荷クラッチ部材(7)と、前記1次
    ねじの回転により軸方向移動する第1スリーブ(16)と、
    前記2次ねじの回転により軸方向移動する第2スリーブ
    (9)と、この第2スリーブの移動先端側に配置した軸力
    部材(20)と、これら軸力部材及び第2スリーブの対向面
    間の円周を等分する位置に形成された複数の倍力室(32)
    と、各倍力室に軸方向に間隔を隔てて配置された球形な
    いし円筒形の受動体(34)と、各倍力室の軸方向に隣接す
    る2つの受動体の軸心を結ぶ線から偏倚して当該隣接す
    る受動体の間に位置する球形ないし円筒形の押込体(35)
    と、前記第1スリーブの先端周面ないし側面に設けられ
    て各倍力室の押込体を受動体側に向けて同時に押動する
    楔面(33a)とを備え、前記1次ねじを回転駆動する、軸
    力発生装置。
  2. 【請求項2】 前記負荷クラッチ部材(7)が2次ねじ(8)
    に螺合し、当該負荷クラッチ部材と第2スリーブ(9)と
    が相対回転可能かつ相対軸方向移動不能に連結され、そ
    の負荷クラッチをクラッチ切り状態に強制的に保持する
    係止体(38)と、この係止体をクラッチ切り方向に付勢す
    るロックばね(39)とを備え、前記第1スリーブ(16)が復
    帰したときに、係止体(38)がロックばねの付勢力に抗し
    て押動されて、負荷クラッチの強制切り状態が解除さ
    れ、当該第1スリーブが負荷クラッチ部材から離隔した
    ときに、前記ロックばねが係止体を押動してクラッチ切
    り状態を強制的に保持することを特徴とする、請求項1
    記載の軸力発生装置。
  3. 【請求項3】 基端に固定フランジ(6)を有する固定内
    筒(5)と、その外側に位置する回転外筒(11)とを備え、
    この回転外筒の内周面に前記1次ねじが設けられて請求
    項1又は2記載の軸力発生装置が前記固定内筒と回転外
    筒との間に内装され、前記軸力部材(20)の先端に当該固
    定内筒の中心孔に挿通されるプルロッドへの連結具(24,
    25)が設けられている、機械式チャックシリンダ。
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