JP2003094048A - グリーストラップ槽の浮上スカムと汚泥の回収装置及び回収方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】グリーストラップ槽内の浮上スカム及び沈澱汚
泥を、１台の装置で効率良く回収する為の、グリースト
ラップ槽の浮上スカムと汚泥の回収装置及び回収方法の
提供を目的とする。 【解決手段】グリーストラップ槽内の浮上スカムを吸引
する為に、フロートを装装着し常時浮上しているスカム
汚泥吸引装置は、柔軟材質のフレキシブルホースで水中
ポンプと連結されており、水位変動時にも上下摺動する
事に安定した浮上スカムの吸引が可能となっており、脱
着式汚泥吸引ホースを連結すれば沈澱汚泥も吸引可能と
なっており、それぞれ吸引された浮上スカム及び沈澱汚
泥は、スカム汚泥分離回収装置で送風機の送気による気
泡の浮力によって分離され、分離浮上スカムはスカム貯
留箱で回収され、分離沈澱汚泥は底部の汚泥取出開閉バ
ルブの開放により回収される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、グリーストラップ
槽内（食事提供施設に設置が義務づけられている油脂阻
集器）の浮上スカム及び沈澱汚泥の除去回収処理を効率
良く行う為の、グリーストラップ槽の浮上スカムと汚泥
の回収装置及び回収方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来はグリーストラップ槽の蓋を開放
し、人手による柄杓等を使用した浮上スカムの回収や専
門業者による全排水抜き取りによる回収が大半である。
グリーストラップ槽の浮上スカムを、機械的に回収除去
する装置はあまり使用されていないが、例えば従来技術
として、特開平１０−１２８３２２のスカム分離装置あ
る。これはグリーストラップ槽などの水処理施設内の浮
上スカムのみを回収除去する装置であり、沈澱汚泥は回
収除去できない問題点があり、人手による柄杓等での回
収除去が必要となってくる。同じく、実用新案登録第３
０７１８２４号の浮上油自動回収装置も同様の問題点が
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】柄杓等による手作業で
の浮上スカムの回収は、手間が掛かり回収効率も悪く、
また専門業者による全排水抜き取りは、コストが高価で
抜き取り後数日間位しか効果の持続が出来ず、従来技術
のスカム分離装置や浮上油自動回収装置をもっても、浮
上スカムのみの回収除去しか出来ず、沈澱汚泥は機械で
回収除去出来ない問題点がある。本発明は、浮上スカム
と沈澱汚泥の両方を機械で回収除去する事で、これらの
問題を解消せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、厨房から排出
される廃油含有水から、比重により浮上スカムと沈澱汚
泥とを分離して清水のみを排出するグリーストラップ槽
と、前記浮上スカム含有混濁水の圧送を受けて、更に浮
上スカムと沈澱汚泥と清水とに分離するスカム汚泥分離
回収装置を有する回収装置において、スカム汚泥分離回
収装置内の混濁水下層に開口し、送風機の送気により気
泡を噴出する散気管を設けた事を特徴とする、グリース
トラップ槽の浮上スカムと汚泥の回収装置を提供するも
のである。

【０００５】また、第２の発明は、グリーストラップ槽
内の浮上スカムを、タイマー制御により定期的かつ自動
で、フロートを装着し吸引部と水中ポンプとを柔軟材質
のフレキシブルホースで連結し、水位変動時にも上下摺
動する事により浮上スカムの安定吸引が可能なスカム汚
泥吸引装置の吸引口より、水中ポンプでスカム汚泥分離
回収装置に注入させ、下部散気管より発生される気泡で
浮上分離させ、浮上スカムはスカム貯留箱に貯められ、
汚泥は底部に沈澱して貯められ、スカム汚泥分離回収装
置内の水量及び圧力により清水のみがグリーストラップ
槽に戻される事を特徴とする、グリーストラップ槽の浮
上スカムと汚泥の回収方法を提供するものである。

【０００６】第３の発明は、グリーストラップ槽内の沈
澱汚泥の回収方法として、脱着式汚泥吸引ホースのスカ
ム吸引口接続パイプをスカム汚泥吸引装置のスカム吸引
口に連結し、スカム吸引パイプの先端から水中ポンプで
沈澱汚泥を吸引し、スカム汚泥分離回収装置に注入さ
せ、底部に貯まった分離沈澱汚泥を汚泥取出開閉バルブ
を開放する事により取り出し回収できる事を特徴とす
る、グリーストラップ槽の汚泥の回収方法を提供するも
のである。

【０００７】

【実施例】図１は本発明に係る、グリーストラップ槽の
浮上スカムと汚泥の回収装置及び回収方法の構成を示す
断面図である。グリーストラップ槽(１)は、厨房からの
排水に含まれる油や残渣物を一時的に貯める装置で、昭
和５１年の建設省告示１５９７号（改正／昭和５７年建
設省公示）で食事を提供する飲食店・学校給食・病院・
社員食堂・老人ホーム・食品加工工場などに設置が義務
付けられている。厨房よりグリーストラップ槽(１)に流
入した排水は、比重の軽い浮上スカム（７）と比重の重
い沈澱汚泥(８)に自然分離される。残りの水は清水とし
て、下水道もしくは浄化槽に排出される。（図中：ＯＵ
Ｔ部）

【０００８】浮上スカム(７)は、スカム汚泥分離回収装
置（Ｂ）のタイマー装置（２４）により、予め設置され
た回数の一日数回から数十回の割合で常時浮上している
スカム汚泥吸引装置（Ａ）のスカム吸引口（２）より、
自動で水中ポンプ（６）で吸引され注入ホース(９)及び
注入パイプ(１０)を経由してスカム汚泥分離回収装置
（Ｂ）へ注入される。

【０００９】スカム汚泥分離回収装置（Ｂ）は、例えば
３５ｃｍ四方で高さ１２０ｃｍ、ステンレス材質で作ら
れており下部の散気管（１６）の直径１〜２ｍｍの気泡
穴の目詰まり防止の為の掃除・メンテナスが容易に出来
るよう、上部が脱着式上蓋（２２）になっており蓋の内
側には一定の傾斜が設けられ、かつ三方向の壁がスカム
貯留箱（２０）に向かって絞られており、分離浮上スカ
ム（２９）がスムーズにスカム貯留箱（２０）に貯まる
ようになっている。

【００１０】スカム汚泥吸引装置（Ａ）は、例えば２５
ｃｍ四方の逆三角形型でステンレス材質にフロート
（３）を４個装着しグリーストラップ槽（１）内で常時
浮上している。スカム吸引口（２）と水中ポンプ（６）
との連結に柔軟材質のフレキシブルホース（５）が使用
されており、水位変動時にも柔軟材質のフレキシブルホ
ース（５）の伸縮によりスカム汚泥吸引装置（Ａ）が上
下摺動する事で、水位変動時にも影響されない安定した
浮上スカム（７）の吸引が可能となっている。

【００１１】浮上スカム（７）の吸引の為、スカム汚泥
吸引装置（Ａ）と連結されている水中ポンプ（６）(最
大吐出量１７０リットル／分の粒径通過２５ｍｍ）は、
インバータ装置（２５）の制御により浮上スカム（７）
の吸引速度調整が可能で、スカム汚泥吸引装置（Ａ）の
フレキシブルホース（５）との連結に、水中ポンプ
（６）の底部吸込口にステンレス材質の長方形ボックス
を接合する事により、フレキシブルホース（５）との連
結を可能にしている。

【００１２】スカム汚泥分離回収装置（Ｂ）に注入され
た浮上スカム（７）は、送風機（１３）で発生されエア
ー送風ホース（１４）とエアー送風パイプ（１５）を経
由、下部の散気管から噴出される気泡（１８）により清
水と浮上分離スカム（２９）とに分離され、浮上分離ス
カム（２９）はスカム貯留箱（２０）に貯まり、スカム
回収引出し（２１）より回収する。槽内の清水は水量や
圧力により、スカム貯留箱（２０）の分離浮上スカム
（２９）入口の高さまで延ばされた、放流パイプ（１
１）から放流ホース（１２）を経由してグリーストラッ
プ槽（１）に、またスカム貯留箱（２０）に残った水分
も水分返却ホース（１９）を経由して、同じくグリース
トラップ槽（１）に戻される。

【００１３】送風機（１３）は、ブロア．ポンプ．コン
プレッサー等が用いられ、例えば風量４３リットル／分
の電動式あり、脱着式上蓋（２２）の内側をエアー送風
パイプ（１５）で上部から下部へ貫通された、下部の散
気管（１６）と連結されている。散気管（１６）は２０
ｃｍ四方のステンレスパイプに、直径１〜２ｍｍの気泡
穴を上部方向のみに向って多数あけ、底部より１５ｃｍ
の高さに設置されたメッシュの散気管置台（１７）の上
に設置し、底部に貯まった分離沈殿汚泥（３０）が気泡
によって舞い上がらないようになされている。

【００１４】図４は、グリーストラップ槽（１）内の沈
殿汚泥（８）の回収方法を示す断面図である。スカム汚
泥吸引装置（Ａ）のスカム吸引口（２）に、脱着式汚泥
吸引ホース（Ｃ）のスカム吸引接続パイプ（３１）を接
続し、スカム吸引パイプ（３２）の先端より沈殿汚泥
（８）を水中ポンプ（６）で吸引し、注入ホース（９）
および注入パイプ（１０）を経由して、スカム汚泥分離
回収装置（Ｂ）へ注入する。

【００１５】脱着式汚泥吸引ホース（Ｃ）の長さ５０ｃ
ｍのスカム吸引接続パイプ（３１）と長さ１mのスカム
吸引パイプ（３２）は、ステンレスパイプで出来ており
各々の接続には、フレキシブルホース（５）が使われて
いる。

【００１６】注入された沈殿汚泥は作業終了後、メッシ
ュの散気管置台（１７）の下部に自然沈降し分離沈殿汚
泥（３０）として蓄積され、沈殿汚泥取出開閉バルブ
（２７）を開放する事により分離沈殿汚泥（３０）と清
水が、土のう袋等を敷いた回収バケツ（２８）に流れ濾
過され、清水はグリーストラップ槽（１）に戻り分離沈
殿汚泥（３０）は回収バケツ（２８）の土のう袋等に残
り回収される。

【００１７】スカム汚泥分離回収装置（Ｂ）の、注入パ
イプ（１０）と放流パイプ（１１）の構造については、
第６図のような構造にしても良い。

【００１８】

【発明の効果】本発明の装置と、発明者が入手した従来
構造の装置とを作動比較してみたところ、下記の結果を
得た。

【表１】

【００１９】本発明は、従来品の排水中の水より比重の
軽いスカムを、その浮力で水面に浮上させて回収する方
法に、送風機の送気による気泡を排水中の懸濁粒子に付
着させ、見かけの比重を軽くさせ浮上させる方法を加え
た為、従来品では不可能とされていた乳濁状排水の分離
回収が可能となり、その結果、スカム除去時間の短縮と
スカム除去率のアップが図れた。

【００２０】本発明は、従来品では不可能とされてい
た、グリーストラップ槽内の沈澱汚泥を、脱着式汚泥吸
引ホースを必要に応じて接続し、別設のスカム汚泥分離
回収装置で分離沈澱させ回収可能にした。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る、グリーストラップ槽の浮上スカ
ムと汚泥の回収装置及び回収方法の断面構造説明図であ
る。

【図２】本発明のスカム汚泥分離回収装置の平面図であ
る。

【図３】本発明のスカム汚泥吸引装置の平面図である。

【図４】本発明のグリーストラップ槽内の、沈澱汚泥の
回収方法を示す断面図である。

【図５】本発明の脱着式汚泥吸引ホースの側面図であ
る。

【図６】本発明のスカム汚泥分離回収装置の断面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ・・・スカム汚泥吸引装置 Ｂ・・・スカム汚泥分離回収装置 Ｃ・・・脱着式汚泥吸引ホース １・・・グリーストラップ槽 ２・・・スカム吸引口 ３・・・フロート ４・・・吸引部 ５・・・フレキシブルホース ６・・・水中ポンプ ７・・・浮上スカム ８・・・沈殿汚泥 ９・・・注入ホース １０・・・注入パイプ １１・・・放流パイプ １２・・・放流ホース １３・・・送風機 １４・・・エアー送風ホース １５・・・エアー送風パイプ １６・・・散気管 １７・・・散気管置台（メッシュ） １８・・・気泡 １９・・・水分返却ホース ２０・・・スカム貯留箱 ２１・・・スカム回収引出し ２２・・・脱着式上蓋 ２３・・・制御ボックス ２４・・・タイマー装置 ２５・・・インバータ装置 ２６・・・脱着式据付足 ２７・・・汚泥取出開閉バルブ ２８・・・回収バケツ（ホース付） ２９・・・分離浮上スカム ３０・・・分離沈殿汚泥 ３１・・・スカム吸引口接続パイプ ３２・・・スカム吸引パイプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】厨房から排出される廃油含有水から、比重
   により浮上スカムと沈澱汚泥とを分離して清水のみを排
   出するグリーストラップ槽と、前記浮上スカム含有混濁
   水の圧送を受けて、更に浮上スカムと沈澱汚泥と清水と
   に分離するスカム汚泥分離回収装置を有する回収装置に
   おいて、スカム汚泥分離回収装置内の混濁水下層に開口
   し、送風機の送気により気泡を噴出する散気管を設けた
   事を特徴とする、グリーストラップ槽の浮上スカムと汚
   泥の回収装置。
2. 【請求項２】グリーストラップ槽内の浮上スカムを、タ
   イマー制御により定期的かつ自動で、フロートを装着し
   吸引部と水中ポンプとを柔軟材質のフレキシブルホース
   で連結し、水位変動時にも上下摺動する事により浮上ス
   カムの安定吸引が可能なスカム汚泥吸引装置の吸引口よ
   り、水中ポンプでスカム汚泥分離回収装置に注入させ、
   下部散気管より発生される気泡で浮上分離させ、浮上ス
   カムはスカム貯留箱に貯められ、汚泥は底部に沈澱して
   貯められ、スカム汚泥分離回収装置内の水量及び圧力に
   より清水のみがグリーストラップ槽に戻される事を特徴
   とする、グリーストラップ槽の浮上スカムと汚泥の回収
   方法。
3. 【請求項３】グリーストラップ槽内の沈澱汚泥の回収方
   法として、脱着式汚泥吸引ホースのスカム吸引口接続パ
   イプをスカム汚泥吸引装置のスカム吸引口に連結し、ス
   カム吸引パイプの先端から水中ポンプで沈澱汚泥を吸引
   し、スカム汚泥分離回収装置に注入させ、底部に貯まっ
   た分離沈澱汚泥を汚泥取出開閉バルブを開放する事によ
   り取り出し回収できる事を特徴とする、請求項１記載の
   グリーストラップ槽の汚泥の回収方法。