JP2003093319A - スポンジたわし、およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に容器等を安定して洗浄することがで
き、かつ飽きの来ない美的外観を有する。 【解決手段】 中央を湾曲させ両端が略同一方向に揃え
られたＵ字形状を有する取手部と、この取手部の両端に
嵌挿される一端に鍔部を有する一対の円筒状連結部と、
この円筒状連結部を介して取手部に固定される多角柱形
状を有する一対のスポンジ体とを備えてなり、上記スポ
ンジ体が上記円筒状連結部に嵌挿されることにより、上
記鍔部が上記スポンジ体の嵌挿面の中央を固定し、上記
嵌挿面の各頂点が上記鍔部よりも突出した花型形状とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、業務用や家庭用等
に用いられる、スポンジたわし、およびその製造方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】市販されている従来のスポンジたわし
は、直方体形状のスポンジたわしが最も一般的で広く普
及しており、また、その使用方法は一方の手で容器など
を持ちながらもう片方の手でスポンジたわしを持ち容器
表面を摺擦するのが通常であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の形状のスポンジたわしでは、ジョッキ等の底の深い容
器を洗浄する際に、手が奥まで入らないために底部周辺
の汚れを落とすことが困難であり、また、手が入る場合
でも、洗剤等で容器を支える手が滑るうえ、容器内表面
から力を加えるため、容器が安定せず落下してしまうな
どの問題があった。さらに、業務用途などにおける容器
洗浄は、前記した問題に加え、多量の容器を洗浄する必
要があるうえ、一般家庭での使用ではあまり気にしない
ような容器外表面の汚れも綺麗に洗浄する必要があるた
めに、非常に労力のかかる作業であった。また、これら
のスポンジたわしはその形状が単調で、デザイン性に乏
しいものであるため、使用者の飽きが来るのが早いもの
であった。その結果、長く使用するという意識が薄くな
り、単なる使い捨て道具として頻繁に交換されることが
多いので、経済性が悪く、また環境へ悪影響を及ぼすと
いう問題があった。従来のスポンジたわしの中には、飽
きのこない美的外観を有する形状のものもあるが、製造
時にスポンジ体部分を事前加工する必要があるため、コ
ストが高いという問題があった。

【０００４】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、誰もが容易に容器などを安定して洗
浄することができ、かつ飽きの来ない美的外観を有する
スポンジたわし、およびその製造方法を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のスポンジたわし
は、中央を湾曲させ両端が略同一方向に揃えられたＵ字
形状を有する取手部と、この取手部の両端に嵌挿される
一端に鍔部を有する一対の円筒状連結部と、この円筒状
連結部を介して上記取手部に固定される多角柱形状を有
する一対のスポンジ体とを備えてなり、上記スポンジ体
が上記円筒状連結部に嵌挿されることにより、上記鍔部
が上記スポンジ体の嵌挿面の中央を固定し、上記嵌挿面
の各頂点が上記鍔部よりも突出した花型形状となること
を特徴とする。

【０００６】本発明のスポンジたわしは、スポンジ体の
嵌挿面に花型の突起形状を有するため、デザイン性に優
れる。この結果、使用者が愛着を持ち長く使用するよう
になるため、経済性、環境性に優れる。

【０００７】本発明のスポンジたわしは、一対のスポン
ジ体が密着して設けられているため、容器などをスポン
ジ体の間に挟んで洗浄することにより、安定して洗浄を
行なうことができる。また、内表面、外表面を同時に洗
浄できるので、作業効率に優れる。

【０００８】本発明のスポンジたわしは、多角柱形状を
有する一対のスポンジ体間に容器を挟んで洗浄するた
め、スポンジ体の摺擦面が摩耗したり劣化した場合は、
スポンジ体を回転させ、スポンジ体の別の面を摺擦面と
することにより多角柱の各面を有効に利用できるため、
経済性に優れる。

【０００９】上記スポンジたわしの製造方法は、上記取
手部の両端に、上記円筒状連結部を嵌挿する工程と、上
記円筒状連結部に、上記スポンジ体を、嵌挿面が花型形
状に変形するまで押し込む工程とを含むことを特徴とす
る。

【００１０】上記製造方法により、スポンジ体を事前加
工する必要がなく、簡易な製造方法でデザイン性に優れ
た形状のスポンジたわしを製造できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の一実施態様に係るスポン
ジたわしについて図１および図２により説明する。図１
はスポンジたわしを構成する部品を、図２はスポンジた
わしの斜視図を示す。なお図２（ｂ）は、図２（ａ）に
おけるＡ−Ａ断面図を示す。取手部１は両端を同一方向
に揃えたＵ字形状となるように中央で湾曲させており、
湾曲させる角度は、スポンジ体を嵌挿時に両側のスポン
ジ体が密着できるように１８０度をこえて湾曲させる。
また、取手部１は、曲げ強度を強化するためと、円筒状
連結部３を固定するために、その長方向断面が、水平、
垂直両方向に凸部を有する十字形状となっている。さら
に、取手部１は両末端側から嵌挿される円筒状連結部３
を固定するための固定爪４と、スポンジ嵌挿時にスポン
ジの指定形状への変形を促進させるための凸部５を有す
る。（図１（ａ）、図２（ｂ））円筒状連結部３は、一
端に鍔部３ａを有する。また、円筒状連結部３の内部に
は十字状の空孔を有しており、取手部１へ嵌挿時には、
円筒周方向に対しての回転を制限することができる。
（図１（ｂ）、図２（ｂ））取手部１および円筒状連結
部３は、射出成形などにより容易に、安価で製造するこ
とができる。取手部１および円筒状連結部３の材質とし
ては成形が容易な合成樹脂などが好ましい。具体的に
は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニルな
どのポリオレフィン樹脂を挙げることができる。スポン
ジ体２は、四角柱形状を有し、円筒状連結部３の嵌挿面
に、スポンジ体２と円筒状連結部３とを強固に密着させ
るため、円筒状連結部３の直径以下の円筒状の嵌挿用空
孔を有する。（図１（ｃ）、図２（ｂ））また、スポン
ジ体２の形状は、嵌挿面を花型の突起形状とするため
に、嵌挿面に頂点を有する多角柱形状であればよい。ス
ポンジ体２の材質としては、軽量で柔軟性に優れ形状変
形させやすいことから、発泡ポリウレタン、発泡ポリエ
チレンや発泡ポリプロピレンなどの発泡ポリオレフィン
を用いることが好ましい。

【００１２】本発明の一実施態様に係るスポンジたわし
の製造方法について図３により説明する。図３はスポン
ジたわしの製造工程を示す。まず、図３（ａ）に示すよ
うに、取手部１の両端側に円筒状連結部３を嵌挿する。
取手部１に設けられた前記固定爪４の先端部４ａは、取
手部１の末端側に傾斜面を有し、中央側に取手部１の長
方向に対して垂直な面を有するかぎ爪形状であるので、
取手部１の末端側より嵌挿される円筒状連結部３の鍔部
３ａを爪に引っ掛けて固定することができる。さらに、
円筒状連結部３は内部に十字状の空孔を有し、ここに十
字形状の取手部１が嵌挿されるので、円筒状連結部３は
その円筒周方向に対しても回転しないように固定するこ
とができる。また、円筒状連結部３の嵌挿時、および分
離時には、固定爪４は支柱４ｂを支点にして湾曲するこ
とができるので、固定爪４にかかる曲げ応力を緩和し破
損するのを防止することができる。次に図３（ｂ）に示
すように、スポンジ体２を両端の円筒状連結部３に嵌挿
する。嵌挿前に円筒状連結部３の表面にスポンジ体固定
用の接着剤を塗布しておく。また、スポンジ体２の嵌挿
は、摺擦面となる一対のスポンジ体の一面が互いに密着
するように調整して行なう。図３（ｃ）に示すように、
スポンジ体２の嵌挿面は、円筒状連結部３の鍔部３ａが
深く押し込まれることにより、鍔部３ａがスポンジ体の
嵌挿面中央部２ｂを押し込み、嵌挿面の各頂点２ａが鍔
部３ａよりも突出した花型形状となる。また、取手部１
に凸部５を設けることにより、円筒状連結部３嵌挿時に
スポンジ体の嵌挿面中央部２ｂ付近で、凸部がスポンジ
体に押し込まれ曲げ跡をつけるので、より際立った突起
形状を形成することができる。以上より、本発明のスポ
ンジたわしを得ることができる。

【００１３】上記製造工程において、円筒状連結部３に
スポンジ体２を嵌挿した後に、該円筒状連結部を取手部
１に嵌挿しても本発明のスポンジたわしを得ることがで
きる。

【００１４】図２（ａ）に示すように、本発明のスポン
ジたわしにおけるスポンジ体２の円筒状連結部嵌挿面の
形状は、花びらを彷彿させるような美的外観に優れたも
のであり、かつ取手部１がＵ字形状であることから、使
用しない時には壁などに掛けておくことできるため、従
来単なる使い捨て道具であったスポンジたわしを、台所
などのデザインレイアウトの一つとして用いることがで
きる。この結果、使用者の道具への愛着が湧き長く使用
することになるので経済性に優れ、また、昨今の物の使
い捨てによる環境への悪影響も軽減することができる。

【００１５】ジョッキなどの容器を洗浄する際には、ス
ポンジ体２の間に容器側面を挟み込み、スポンジ体２の
先端を容器内底面に接するようにして一周させるだけで
容器外底面以外の部分を一度に洗浄することができ、ま
た、スポンジ体はお互いが密着するように取手部１を湾
曲させてあるため、洗浄中に容器がぶれることがなく安
定して洗いむらなく洗浄することができるので洗浄作業
の効率が良い。特に、業務用途では多量の容器を洗浄す
る必要があるため、迅速にかつ綺麗に洗浄できるという
理由から本発明のスポンジたわしが非常に有効である。

【００１６】容器洗浄時に摺擦面となるのは、スポンジ
体２の任意の一面であるので、スポンジ体２の摺擦面が
摩耗したり劣化した場合は、取手部１の固定爪４を広げ
て円筒状連結部３をスポンジ体２ごと分離し、スポンジ
体２の別の面を摺擦面とするように回転させた後、再び
円筒状連結部３を取手部１に嵌挿させることにより、摺
擦面を自己で交換することができるので、スポンジ体表
面を最大限に有効利用することができる。

【００１７】上記製造方法は、スポンジ体２に熱処理や
溶剤処理などの事前加工を行なう必要がないため、簡易
に低コストでデザイン性に優れた形状のスポンジたわし
を製造することができ、量産性にも優れる。

【００１８】

【発明の効果】本発明のスポンジたわしは、中央を湾曲
させ両端が略同一方向に揃えられたＵ字形状を有する取
手部と、この取手部の両端に嵌挿される一端に鍔部を有
する一対の円筒状連結部と、この円筒状連結部を介して
取手部に固定される多角柱形状を有する一対のスポンジ
体とを備えてなり、上記スポンジ体が上記円筒状連結部
に嵌挿されることにより、上記鍔部が上記スポンジ体の
嵌挿面の中央を固定し、上記嵌挿面の各頂点が上記鍔部
よりも突出した花型形状となるので、デザイン性に優れ
た美的外観を有し、かつ容器の内外表面を安定して同時
に洗浄することができ、さらに、スポンジ体表面を有効
に利用することのできるデザイン性、作業性、経済性に
優れたスポンジたわしが得られる。

【００１９】本発明のスポンジたわしの製造方法は、取
手部の両端に、円筒状連結部を嵌挿する工程と、上記円
筒状連結部に、上記スポンジ体を、嵌挿面が花型形状に
変形するまで押し込む工程とを含むので、スポンジ体を
事前加工する必要がなく、簡易な製造方法でデザイン性
に優れた形状のスポンジたわしを製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様に係るスポンジたわしを構
成する部品を示す図である。

【図２】本発明の一実施態様に係るスポンジたわしの斜
視図である。

【図３】本発明の一実施態様に係るスポンジたわしの製
造工程を示す図である。

【符号の説明】

１ 取手部 ２ スポンジ体 ２ａ 頂点 ２ｂ 中央部 ３ 円筒状連結部 ３ａ 鍔部 ４ 固定爪 ４ａ 先端部 ４ｂ 支柱 ５ 凸部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央を湾曲させ両端が略同一方向に揃え
   られたＵ字形状を有する取手部と、この取手部の両端に
   嵌挿される一端に鍔部を有する一対の円筒状連結部と、
   この円筒状連結部を介して前記取手部に固定される多角
   柱形状を有する一対のスポンジ体からなるスポンジたわ
   しであって、 前記スポンジ体が前記円筒状連結部に嵌挿されることに
   より、前記鍔部が前記スポンジ体の嵌挿面の中央を固定
   し、前記嵌挿面の各頂点が前記鍔部よりも突出した花型
   形状となることを特徴とするスポンジたわし。
2. 【請求項２】 請求項１記載のスポンジたわしの製造方
   法であって、 前記取手部の両端に、前記円筒状連結部を嵌挿する工程
   と、 前記円筒状連結部に、前記スポンジ体を、嵌挿面が花型
   形状に変形するまで押し込む工程とを含むことを特徴と
   するスポンジたわしの製造方法。