JP2003093072A - 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna - Google Patents

新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna

Info

Publication number
JP2003093072A
JP2003093072A JP2001294913A JP2001294913A JP2003093072A JP 2003093072 A JP2003093072 A JP 2003093072A JP 2001294913 A JP2001294913 A JP 2001294913A JP 2001294913 A JP2001294913 A JP 2001294913A JP 2003093072 A JP2003093072 A JP 2003093072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
polynucleotide
seq
present
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001294913A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Obara
収 小原
Takahiro Nagase
隆弘 長瀬
Reiko Kikuno
玲子 菊野
Satoshi Oda
聡 織田
Takeshi Sakaguchi
岳 阪口
Atsuyuki Shimazaki
淳行 島崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kazusa DNA Research Institute Foundation
Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Kazusa DNA Research Institute Foundation
Shionogi and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kazusa DNA Research Institute Foundation, Shionogi and Co Ltd filed Critical Kazusa DNA Research Institute Foundation
Priority to JP2001294913A priority Critical patent/JP2003093072A/ja
Publication of JP2003093072A publication Critical patent/JP2003093072A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規癌マーカーおよび神経疾患マーカーを提供
すること。 【解決手段】神経細胞より分泌されるタンパク質の中に
ps20様の、特定の配列を有する新規ポリペプチドを
見出した。該ポリペプチドは、癌マーカーおよび/また
は神経疾患マーカーとして有用である。本発明はまた、
そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにも関
する。このポリヌクレオチドもまた、癌マーカーおよび
/または神経疾患についての検出マーカーとして有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテアーゼイン
ヒビター領域を有する分泌蛋白質に関連する新規ポリペ
プチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド、該ポリヌクレオチドに対する相補的ポリヌクレオチ
ド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターで
形質転換された形質転換体、該ポリペプチドを認識する
抗体、該ポリペプチドを利用した物質のスクリーニング
方法、ならびに本発明のポリペプチドおよび本発明のポ
リヌクレオチドの癌マーカー、および虚血性疾患のマー
カーとしての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ps20は、WAP 領域を有する分泌
蛋白質であり、細胞増殖阻害活性を有している[J.B
iol.Chem.,273,4574(199
8)]。TATIはPSTIともよばれているKaza
l型セリン プロテアーゼ インヒビター領域を有して
いるトリプシンインヒビターであり、種々の癌細胞で発
現が増大していることが報告されている[Int.J.
Cancer,83,486(1999)] [Ant
icancer Res.,18,4635(199
8)]。また、Kazal型セリン プロテアーゼ イ
ンヒビター領域がその活性に関与している。TFPIは
Kunitz型のセリンプロテアーゼインヒビター領域
を有しているプロテアーゼインヒビターであり、外因系
血液凝固の開始反応を阻害する機能を有する他、消化器
癌などで発現が増大していることが報告されている[B
r.J.Haematol.,102,889(199
8)]。TIMPはNTRモジュール領域を有するメタ
ロプロテアーゼインヒビターであり、NTRモジュール
領域がその活性に関与していると考えれれている[Pr
otein Sci.,8,1636]。メタロプロテ
アーゼは、癌細胞が転移する際、細胞外マトリックスを
破壊するのに働いており、TIMPはプロテアーゼ活性
を阻害することにより癌転移を阻害する働きがある。T
IMPは、大腸癌において発現が増大しているという報
告がある[Am.J.Pathol.,141,389
(1992)。WFIKKNは、WAP領域、Kaza
l型セリン プロテアーゼ インヒビター領域、Kun
itz型のセリンプロテアーゼインヒビター領域および
NTRモジュール領域を有する蛋白質であるが、その機
能は不明である[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,98,3705(2001)]。また、A
PPはKunitz型セリンプロテアーゼインヒビター
領域をもつ蛋白質であり、アルツハイマー病におけるア
ミロイド沈着斑の主要な構成成分であり、アルツハイマ
ー病の発症に関与している主要な蛋白質である[Cli
n.Neuropathol.,14,142(199
5)]。また、Kunitz型セリンプロテアーゼイン
ヒビター領域が病態と関連しているという報告がされて
いる。さらに、メタロプロテアーゼインヒビターである
TIMPが脳虚血時に発現が増大し、その病態に関与し
ていることが報告されている[Stroke,29,5
16(1998)]。
【0003】このように、プロテアーゼインヒビター
は、癌細胞および神経細胞の機能に重要な働きをしてい
る。プロテアーゼインヒビターの癌病態への関与として
は、大きく二つの機能が示されている。1)癌細胞が浸
潤、転移する際に、プロテアーゼインヒビターが細胞外
マトリックスを破壊するプロテアーゼの活性を調節し
て、癌細胞の転移を制御する機能、2)増殖因子あるい
は増殖阻害因子としてプロテアーゼインヒビターが、癌
細胞の増殖を直接調節する機能の二である。また、アル
ツハイマー病または脳虚血時の神経疾患の病態への関与
としては、大きく三つの機能が示されている。1)アル
ツハイマー病の病態に関与しているβアミロイド斑形成
を制御する機能、2)神経細胞が変性する際働くプロテ
アーゼを阻害することによる、神経細胞の保護機能、
3)神経細胞に直接作用し、その増殖を調節する機能で
ある。しかしながら、発癌機構および神経変性の機構は
未だ完全に解明されておらず、未知の遺伝子の関与しう
る可能性が考えられている。この様な状況の下、癌およ
び神経疾患の発症に関わる新規遺伝子の同定および同遺
伝子を用いた診断方法が待望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、癌および神
経変性の診断に有用な新規ポリペプチドおよびポリヌク
レオチドの提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、中枢組織
における神経細胞軸索の突起伸展および誘導、または末
梢組織における細胞の癌化に関与する新規遺伝子の単離
を目的として、鋭意研究を行なった結果、分泌型プロテ
アーゼインヒビター様新規ポリペプチドをコードする新
規遺伝子を見出した。さらに研究を進めた結果、本発明
の遺伝子の発現が胃癌、乳癌、および子宮癌組織中で増
加していることを見出し、本発明のポリペプチドおよび
ポリヌクレオチドが癌マーカーとして有用であることを
確認した。さらに、ラットの病態モデルを用いた、脳虚
血実験により、本発明の遺伝子が、脳虚血後により発現
が低下していることを見出し、神経疾患の診断マーカー
として有用であることを確認した。以上により、本発明
を完成させた。
【0006】本発明は以下を提供する。
【0007】(1)(a)配列番号3に記載の塩基配列
またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチ
ド; (b)配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
プチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレ
オチド; (c)配列番号4に記載のアミノ酸配列において、1も
しくは数個のアミノ酸が、置換、付加および欠失からな
る群より選択される少なくとも1つの変異を有する改変
体ポリペプチドであって、生物学的活性を有する改変体
ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (d)配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAの対
立遺伝子変異体である、ポリヌクレオチド; (e)配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
プチドの種相同体をコードする、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70
%である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有する
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、を含む、
核酸分子。
【0008】(2)(a)配列番号5に記載の塩基配列
またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチ
ド; (b)配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
プチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレ
オチド; (c)配列番号5に記載のアミノ酸配列において、1も
しくは数個のアミノ酸が、置換、付加および欠失からな
る群より選択される少なくとも1つの変異を有し、か
つ、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコード
する、ポリヌクレオチド; (d)配列番号5に記載の塩基配列からなるDNAの対
立遺伝子変異体である、ポリヌクレオチド; (e)配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
プチドの種相同体をコードする、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70
%である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有する
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、を含む、
核酸分子。
【0009】(3)(a)配列番号1に記載の塩基配列
のうち、194〜274、317〜466、593〜7
18、863〜1060、1175〜1327、134
9〜1501および1556〜1879からなる群より
選択される少なくとも1つのドメインを含むポリヌクレ
オチド; (b)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
7、42〜91、134〜175、224〜289、3
28〜378、386〜436および455〜562か
らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
むポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (c)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
7、42〜91、134〜175、224〜289、3
28〜378、386〜436および455〜562か
らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
むポリペプチドにおいて、1または数個のアミノ酸が置
換、付加および欠失からなる群より選択される少なくと
も1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有するポリ
ペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (d)(a)において、配列番号1の対立遺伝子変異体
に由来する配列を含む、ポリヌクレオチド; (e)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
7、42〜91、134〜175、224〜289、3
28〜378、386〜436および455〜562か
らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
むポリペプチドにおいて、配列番号1の種相同体に由来
する配列を含む、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリ
ヌクレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
ドの相補配列に対する同一性が少なくとも70%である
塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペ
プチドをコードする、ポリヌクレオチド、を含む、核酸
分子。
【0010】(4) 単離された核酸分子であって、以
下: (a)配列番号1に記載の塩基配列のうち、少なくとも
8個の連続したフラグメント配列を有するポリヌクレオ
チド; (b)(a)に対する同一性が少なくとも70%であ
る、ポリヌクレオチド; (c)(a)または(b)と相補的な塩基配列を有する
ポリヌクレオチド;および (d)(a)または(b)において誘導体ヌクレオチド
を含むポリヌクレオチド、からなる群より選択される、
ポリヌクレオチドを含む、核酸分子。
【0011】(5) 前記同一性が少なくとも80%で
あり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコー
ドする、項目1〜3のいずれか1項に記載の核酸分子。
【0012】(6) 項目1〜5のいずれか1項に記載
の核酸分子がコードする、ポリペプチド。
【0013】(7)(a)配列番号4に記載のアミノ酸
配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド; (b)配列番号4に記載のアミノ酸配列において、1ま
たは数個のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群
より選択される少なくとも1つの変異を有し、かつ、生
物学的活性を有する、ポリペプチド; (c)配列番号3に記載の塩基配列の対立遺伝子変異体
によってコードされる、ポリペプチド; (d)配列番号4に記載のアミノ酸配列の種相同体であ
る、ポリペプチド;または (e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに
対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
含む、ポリペプチド。
【0014】(8)(a)配列番号6に記載のアミノ酸
配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド; (b)配列番号6に記載のアミノ酸配列において、1ま
たは数個のアミノ酸配列が置換、付加および欠失からな
る群より選択される変異を有し、かつ、生物学的活性を
有する、ポリペプチド; (c)配列番号5に記載の塩基配列の対立遺伝子変異体
によってコードされる、ポリペプチド; (d)配列番号6に記載のアミノ酸配列の種相同体であ
る、ポリペプチド;または (e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに
対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
含む、ポリペプチド。
【0015】(9)(a)配列番号2に記載のアミノ酸
配列のうち、1〜27、42〜91、134〜175、
224〜289、328〜378、386〜436およ
び455〜562からなる群より選択される少なくとも
1つのドメイン配列を含む、ポリペプチド; (b)配列番号2のアミノ酸配列ドメイン1〜27、4
2〜91、134〜175、224〜289、328〜
378、386〜436および455〜562からなる
群より選択される少なくとも1つのドメイン配列を含
み、1または数個のアミノ酸が置換、付加および欠失か
らなる群より選択される少なくとも1つの変異を有し、
かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド; (c)(a)において、配列番号1の対立遺伝子変異体
に由来する配列を含む、ポリペプチド; (e)(a)において、配列番号1の種相同体に由来す
る配列を含む、ポリペプチド;または (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリペプチドに
対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
含む、ポリペプチド。
【0016】(10) 項目7〜9のいずれか1項に記
載のポリペプチドであって、該ポリペプチドは、生物学
的活性を有し、該生物学的活性は、癌および神経疾患か
らなる群より選択される疾患の少なくとも1つの指標と
なる活性を含む、ポリペプチド。
【0017】(11) 前記同一性が少なくとも80%
であり、かつ、生物学的活性を有する、項目7〜9のい
ずれか1項に記載のポリペプチド。
【0018】(12) 配列番号2に記載のアミノ酸配
列のうち、少なくとも5個の連続したアミノ酸配列を含
む、ポリペプチド。
【0019】(13) 項目7〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
【0020】(14) 項目1〜5および13のいずれ
か1項に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベク
ター。
【0021】(15) 項目14に記載の組換えベクタ
ーで形質転換させた形質転換体。
【0022】(16) 前記形質転換体が哺乳動物細胞
株または大腸菌株である、項目15に記載の形質転換
体。
【0023】(17) 項目15または16に記載の形
質転換体を培養する工程、および生産された組換えタン
パク質を培養培地から回収する工程を包含する、項目7
〜12のいずれか1項に記載のポリペプチドまたはその
塩の製造方法。
【0024】(18) 項目7〜12のいずれかに記載
のポリペプチドを特異的に認識する抗体。
【0025】(19) 下記の工程:(a)ポリペプチ
ドと項目18に記載の抗体とを接触させる工程、および
(b)該ポリペプチドと該抗体との結合を検出する工
程、を包含する、項目7〜12のいずれか1項に記載の
ポリペプチドの検出または定量方法。
【0026】(20) 項目19に記載の方法を用いる
ことを特徴とする、項目7〜12のいずれか1項に記載
のポリペプチドが関連する疾患の検出方法。
【0027】(21) 前記疾患が癌または癌転移であ
る、項目19に記載の検出方法。
【0028】(22) 前記疾患が神経病態である、項
目21に記載の検出方法。
【0029】(23) 項目18に記載の抗体を含むこ
とを特徴とする、疾患検出用キット。
【0030】(24) 前記疾患が癌または癌転移であ
る、項目23に記載の疾患検出用キット。
【0031】(25) 前記疾患が神経病態である、項
目23に記載の疾患検出用キット。
【0032】(26) 下記の工程:(a)項目6〜1
2のいずれか1項に記載のポリペプチドと被検物質とを
接触させる工程、および(b)該ポリペプチドと被検物
質との結合を検出する工程、を包含する、項目6〜12
のいずれか1項に記載のポリペプチドの結合物質のスク
リーニング方法。
【0033】(27) 項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドを含む、項目6〜12のいずれか1
項に記載のポリペプチドの結合物質のスクリーニング用
キット。
【0034】(28) 項目26に記載のスクリーニン
グ方法より得られる、項目6〜12のいずれか1項に記
載のポリペプチドの、結合物質。
【0035】(29) 下記の工程:(a)被検物質の
存在下または非存在下、項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドと項目28に記載の結合物質を接触
させる工程、および(b)該ポリペプチドと該結合物質
との結合活性を、該被検物質の存在下と非存在下で比較
する工程、を包含する、項目28に記載の結合物質と項
目6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチドとの結
合活性調節物質のスクリーニング方法。
【0036】(30) 項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドおよび項目28に記載の結合物質を
含む、項目6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチ
ドの結合活性調節物質のスクリーニング用キット。
【0037】(31) 項目29に記載のスクリーニン
グ方法より得られる、項目6〜12のいずれか1項に記
載のポリペプチドの、結合活性調節物質。
【0038】(32) 下記の工程;(a)項目6〜1
2のいずれか1項に記載のポリペプチドを発現し得る細
胞と被検物質とを接触させる工程、および(b)該ポリ
ペプチドの発現量または活性を検出する工程、を包含す
る、項目6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチド
の発現調節物質のスクリーニング方法。
【0039】(33) 項目19に記載の方法を用いる
工程を包含する、項目32に記載のスクリーニング方
法。
【0040】(34) 項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドを発現し得る細胞を含む、項目6〜
12のいずれか1項に記載のポリペプチドの発現調節物
質のスクリーニング用キット。
【0041】(35) 項目32または33に記載のス
クリーニング方法より得られる、項目6〜12のいずれ
か1項に記載のポリペプチドの発現調節物質。
【0042】(36) 項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドをコードするDNAを欠損または変
異させた非ヒトノックアウト動物。
【0043】(37) 項目6〜12のいずれか1項に
記載のポリペプチドをコードするDNAを発現させた非
ヒトトランスジェニック動物。
【0044】(38) 項目1〜5および13に記載の
ポリヌクレオチド、項目6〜12に記載のポリペプチ
ド、項目18に記載の抗体、項目28に記載の結合物
質、項目31に記載の結合活性調節物質および項目35
に記載の発現調節物質からなる群より選択される少なく
とも1つの物質を含む、医薬。
【0045】(詳細な説明)本発明のポリペプチドは、
配列番号4で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドまたはその塩、および配列番号6で表されるアミノ
酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩を包含す
る。「塩」としては、酸または塩基との生理学的に許容
される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0046】本発明のポリペプチドは、「配列番号2、
4および6に記載されるアミノ酸配列において、1また
は数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加されたアミ
ノ酸配列を含む、ポリペプチドまたはその塩を包含す
る。このポリペプチドは、ガンマーかであり得る。1も
しくは数個のアミノ酸とは、部位特異的変異誘発法等に
より欠失、置換もしくは付加することができる程度の数
のアミノ酸であり、50個以下、好ましくは30個以
下、より好ましくは20個以下、さらに好ましくは10
個以下のアミノ酸を意味している。さらに、本発明のポ
リペプチドは、欠失、置換もしくは付加によっても癌マ
ーカーおよび神経疾患マーカーとしての機能を有するポ
リペプチドであり得る。
【0047】本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポ
リペプチドをコードするDNAを包含する。本発明のポ
リヌクレオチドとしては、請求項1、3および5で表さ
れる塩基配列を含有するポリヌクレオチドが例示され
る。また、本発明のポリヌクレオチドには、本発明のポ
リヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドが含まれ得る。好ましく
は、このポリヌクレオチドは、癌マーカーであるポリペ
プチドをコードし得る。本発明のポリヌクレオチドは、
好ましくは配列番号3で表されるポリヌクレオチドであ
り、より好ましくは配列番号5で表されるポリヌクレオ
チドである。
【0048】本発明の核酸分子は、本発明の特徴的ドメ
インのみを少なくとも1つ含むものを包含する。ここ
で、その特徴的なドメインには、配列番号1のヌクレオ
チド配列ドメイン194〜274、317〜466、5
93〜718、863〜1060、1175〜132
7、1349〜1501および1556〜1879が包
含される。これらのドメインは、それぞれ、シグナルペ
プチド領域(194〜274)、WAP領域(317〜
466)、Kazal型セリンプロテアーゼインヒビタ
ー領域(593〜718)、細胞接着に関与することが
知られている免疫グロブリン領域(863〜106
0)、2つ連続でのKunitz型セリンプロテアーゼ
インヒビター領域(1175〜1327および1349
〜1501)、およびNTR領域(1556〜187
9)であると予測される。好ましくは、本発明の核酸分
子は、上記ドメインを少なくとも2つ、3つ、4つ、5
つ、6つおよびすべてを含み得る。本明細書において、
このような特徴的ドメインのみを含むものを、ポリヌク
レオチドAと呼ぶことがある。
【0049】本発明のポリペプチドは、本発明の特徴的
ドメインのみを少なくとも1つ含むものを包含する。こ
こで、そのような特徴的ドメインとしては、配列番号2
のアミノ酸配列ドメイン1〜27、42〜91、134
〜175、224〜289、328〜378、386〜
436および455〜562が挙げられる。これらのド
メインは、それぞれ、シグナルペプチド領域(1〜2
7)、WAP領域(42〜91)、Kazal型セリン
プロテアーゼインヒビター領域(134〜175)、細
胞接着に関与することが知られている免疫グロブリン領
域(224〜289)、2つ連続でのKunitz型セ
リンプロテアーゼインヒビター領域(328〜378お
よび386〜436)、およびNTR領域(455〜5
62)と予測される。好ましくは、本発明のポリペプチ
ドは、上記ドメインを少なくとも2つ、3つ、4つ、5
つ、6つおよびすべてを含み得る。本明細書において、
このような特徴的ドメインのみを含むものを、ポリペプ
チドBと呼ぶことがある。
【0050】本発明は、配列番号1のポリヌクレオチド
中の連続した少なくとも8個のヌクレオチド配列に対す
る同一性が少なくとも70%である配列を有するオリゴ
ヌクレオチドC、およびそのようなオリゴヌクレオチド
Cを含む核酸分子にも関する。ここで、そのような核酸
分子は、比較的短い長さであり得、例えば、少なくとも
5個、8個、10個、12個、15個、20個、25
個、30個、40個、50個等であり得る。そのような
短い核酸分子は、例えば、遺伝子マーカーとして、PC
R用のプローブとして有用であり得る。好ましくは、そ
のような短い核酸分子の配列は、上記のドメイン以外に
由来する。
【0051】(定義)本明細書において使用される用語
は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いら
れる意味で用いられるが、以下に本明細書において用い
られる用語を特に説明する。
【0052】本明細書において「生物学的活性」とは、
あるポリペプチドまたはタンパク質が、生体内において
有し得る活性のことをいい、種々の機能を発揮する活性
が包含される。例えば、あるポリペプチドが酵素である
場合、その生物学的活性は、その酵素活性を包含する。
好ましくは、配列番号6に記載のアミノ酸配列が機能す
る活性および/または各ドメインに由来する活性を包含
する。そのような活性としては、プロテアーゼインヒビ
ター活性、細胞増殖阻害活性、血液凝固阻害活性、メタ
ロプロテアーゼインヒビター活性、抗癌活性、抗癌転移
活性などが例示される。
【0053】「癌マーカー」とは、癌細胞または癌組織
を検出するのに使用されるマーカーである。あるmRN
Aまたはタンパク質は、癌疾患においてそのmRNAま
たはタンパク質の発現が増加または減少する場合に、癌
マーカーとなり得る。「癌」としては、胃癌、乳癌、前
立腺癌、膀胱癌、卵巣癌、肺癌、大腸癌、肝癌が例示さ
れる。「マーカー」は癌を検出することができる物質で
あればよく、本発明のポリヌレクオチドおよびポリペプ
チドをマーカーとして使用することができる。
【0054】「神経疾患マーカー」とは、神経疾患を検
出するのに使用されるマーカーである。あるmRNAま
たはタンパク質は、神経疾患においてそのmRNAまた
はタンパク質の発現が増加または減少する場合に、神経
疾患マーカーとなり得る。「神経疾患」としては、脳虚
血、老人性痴呆症型アルツハイマー病、ピック病、パー
キンソン病、症候性パーキンソニズム、進行性核上性麻
痺、ハンチントン舞踏病、、線条体黒質変性症、異染性
脳白質ジストロフィー、副腎脳白質ジストロフィー、C
anavan病、脊椎小脳変性症、Shy−Drage
r症候群、多系統変性症、遺伝性脊椎小脳変性疾患、歯
状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、筋萎縮性側索硬化症が例
示される。「マーカー」は、神経疾患を検出することが
できる物質であればよく、本発明のポリヌレクオチドま
たはポリペプチドをマーカーとして使用することができ
る。
【0055】本発明は、炎症、糖尿病、肝炎の疾患マー
カーとして有用であり得る。胸腺、骨格筋、肝臓で発現
しているからである。
【0056】本明細書において、「ストリンジェントな
条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド」とは、当
該分野で慣用される周知の条件をいう。本発明のポリヌ
クレオチド中から選択されたポリヌクレオチドをプロー
ブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラ
ーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロッ
トハイブリダイゼーション法等を用いることにより、そ
のようなポリヌクレオチドを得ることができる。具体的
には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化
したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl
存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、
0.1〜2倍濃度のSSC(saline−sodiu
m citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組
成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン
酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルタ
ーを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを
意味する。ハイブリダイゼーションは、(Molecu
lar Cloning2nd ed.;以下モレキュ
ラー・クローニング第2版ともいう),Current
Protocols in Molecular B
iology,Supplement)1〜38(以
下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー サプルメント 1〜38ともいう)、D
NA Cloning 1:Core Techniq
ues,A Practical Approach,
Second Edition,Oxford Uni
versity Press(1995)等の実験書に
記載されている方法に準じて行うことができる。ここ
で、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配
列からは、好ましくは、A配列のみまたはT配列のみを
含む配列が除外される。
【0057】「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチ
ド」とは、上記ハイブリダイズ条件下で別のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオ
チドをいう。ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドと
して具体的には、配列番号2,4または6で表されるア
ミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの
塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリ
ヌクレオチド、好ましくは80%以上の相同性を有する
ポリヌクレオチド、さらに好ましくは95%以上の相同
性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。但
し、好ましくは、配列番号1で表される塩基配列の11
13から1808番目の塩基配列で示されるポリヌクレ
オチドが除かれ得る。記載の相同性は、たとえばAlt
schulら(J.Mol.Biol.215,403
−410(1990))が開発したアルゴリズムを使用
した検索プログラムBLASTを用いることにより、s
coreで類似度が示される。
【0058】「誘導体オリゴヌクレオチド」とは、ヌク
レオチドの誘導体を含むか、またはヌクレオチド間の結
合が通常とは異なるオリゴヌクレオチドをいう。そのよ
うなオリゴヌクレオチドとして具体的には、オリゴヌク
レオチド中のリン酸ジエステル結合がホスフォロチオエ
ート結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリ
ゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P
5’ホスフォアミデート結合に変換された誘導体オリゴ
ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン
酸ジエステル結合とがペプチド核酸結合に変換された誘
導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラ
シルがC−5プロピニルウラシルで置換された誘導体オ
リゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラシルが
C−5チアゾールウラシルで置換された誘導体オリゴヌ
クレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5
プロピニルシトシンで置換された誘導体オリゴヌクレオ
チド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジ
ン修飾シトシン(phenoxazine−modif
ied cytosine)で置換された誘導体オリゴ
ヌクレオチド、DNA中のリボースが2’−O−プロピ
ルリボースで置換された誘導体オリゴヌクレオチドおよ
びオリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエ
トキシリボースで置換された誘導体オリゴヌクレオチド
等が例示される。
【0059】本明細書において、「アミノ酸」は、天然
のものでも非天然のものでもよい。「誘導体アミノ酸」
とは、天然に存在するアミノ酸とは異なるがもとのアミ
ノ酸と同様の機能を有するものをいう。そのような誘導
体アミノ酸は、当該分野において周知である。
【0060】本明細書において「ヌクレオチド」は、天
然のものでも非天然のものでもよい。「誘導体ヌクレオ
チド」とは、天然に存在するヌクレオチドとは異なるが
もとのヌクレオチドと同様の機能を有するものをいう。
そのような誘導体ヌクレオチドは、当該分野において周
知である。
【0061】本明細書において、「フラグメント」と
は、全長のポリペプチドまたはポリヌクレオチド(長さ
がn)に対して、1〜n−1までの配列長さを有するポ
リペプチドまたはポリヌクレオチドをいう。フラグメン
トの長さは、その目的に応じて、適宜変更することがで
き、例えば、その長さの下限としては、ポリペプチドの
場合、3、4、5、6、7、8、9、10、15,2
0、25、30、40、50およびそれ以上のアミノ酸
が挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表さ
れる長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切
であり得る。また、ポリヌクレオチドの場合、5、6、
7、8、9、10、15,20、25、30、40、5
0、75、100およびそれ以上のヌクレオチドが挙げ
られ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長
さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり
得る。
【0062】本明細書において、「エピトープ」とは、
構造の明らかな抗原決定基をいう。エピトープを決定す
る方法は、当該分野において周知であり、そのようなエ
ピトープは、核酸またはアミノ酸の一次配列が提供され
ると、当業者はそのような周知慣用技術を用いて決定す
ることができる。エピトープとして使用するためには、
少なくとも3アミノ酸の長さの配列が必要であり、好ま
しくは、この配列は、少なくとも4アミノ酸、5アミノ
酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ
酸、10アミノ酸、15アミノ酸、20アミノ酸、25
アミノ酸の長さの配列が必要であり得る。
【0063】本明細書において、ポリペプチドまたはポ
リヌクレオチドの「置換、付加または欠失」とは、もと
のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して、それ
ぞれアミノ酸もしくはその代替物、またはヌクレオチド
もしくはその代替物が、置き換わること、付け加わるこ
とまたは取り除かれることをいう。このような置換、付
加または欠失の技術は、当該分野において周知であり、
そのような技術の例としては、部位特異的変異誘発技術
などが挙げられる。置換、付加または欠失は、1つ以上
であれば任意の数でよく、そのような数は、その置換、
付加または欠失を有する改変体において目的とする機能
(例えば、癌マーカー、神経疾患マーカーなど)が保持
される限り、多くすることができる。例えば、そのよう
な数は、1または数個であり得、そして好ましくは、全
体の長さの20%以内、10%以内、または100個以
下、50個以下、25個以下などであり得る。
【0064】本明細書において、「改変体」とは、もと
のポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの物質に対
して、一部が変更されているものをいう。そのような改
変体としては、置換改変体、付加改変体、欠失改変体、
短縮(truncated)改変体、対立遺伝子変異体
などが挙げられる。対立遺伝子(allele)とは、
同一遺伝子座に属し、互いに区別される遺伝的改変体の
ことをいう。従って、「対立遺伝子変異体」とは、ある
遺伝子に対して、対立遺伝子の関係にある改変体をい
う。「種相同体(homolog)」とは、ある種の中
で、ある遺伝子とアミノ酸レベルまたはヌクレオチドレ
ベルで、相同性(好ましくは、60%以上の相同性、よ
り好ましくは、80%以上、85%以上、90%以上、
95%以上の相同性)を有するものをいう。そのような
種相同体を取得する方法は、本明細書の記載から明らか
である。
【0065】「組み換えベクター」とは、目的のポリヌ
クレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができ
るベクターをいう。そのようなベクターとしては、原核
細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、動物個体
および植物個体等の宿主細胞において自立複製が可能、
または染色体中への組込みが可能で、本発明のポリヌク
レオチドの転写に適した位置にプロモーターを含有して
いるものが例示される。
【0066】原核細胞に対する「組み換えベクター」と
しては、pBTrp2、pBTac1、pBTac2
(いずれもロシュ・バイオケミカルズ社(Roche
Molecular Biochemicals)より
市販)、pKK233−2(ファルマシア社(Phar
macia))、pSE280(インビトロジェン社
(Invitrogen))、pGEMEX−1[プロ
メガ(Promega)社製]、pQE−8(キアゲン
(QIAGEN)社製)、pKYP10(特開昭58−
110600)、pKYP200[Agric.Bio
l.Chem.,48,669(1984)]、pLS
A1[Agric.Biol.Chem.,53,27
7(1989)]、pGEL1[Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,82,4306(198
5)]、pBluescript IISK+(ストラ
タジーン社(Stratagene)製)、pBlue
script II SK(−)(ストラタジーン社
製)、pTrs30(FERMBP−5407)、pT
rs32(FERM BP−5408)、pGHA2
(FERM BP−400)、pGKA2(FERM
B−6798)、pTerm2(特開平3−2297
9、US4686191、US4939094、US5
160735)、pEG400[J.Bacterio
l.,172,2392(1990)]、pGEX(フ
ァルマシア社製)、pETシステム(ノバジェン社(N
ovagen)製)、pSupex、pUB110、p
TP5、pC194、pTrxFus(Invitro
gen社製)、pMAL−c2(NewEngland
Biolabs社製)、pUC19[Gene,3
3,103(1985)]、pSTV28(宝酒造社
製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭
63−233798)等が例示される。
【0067】酵母細胞に対する「組み換えベクター」と
しては、YEp13(ATCC37115)、YEp2
4(ATCC37051)、YCp50(ATCC37
419)、pHS19、pHS15等が例示される。
【0068】動物細胞に対する「組み換えベクター」と
しては、pcDNAI/Amp、pcDNAI、pCD
M8(いずれもフナコシ社より市販)、pAGE107
[特開平3−22979、Cytotechnolog
y,3,133(1990)]、pREP4(インビト
ロジェン社製)、pAGE103[J.Bioche
m.,101,1307(1987)]、pAMo、p
AMoA[J.Biol.Chem.,268,227
82−22787(1993)]等が例示される。
【0069】植物細胞に対する「組み換えベクター」と
しては、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベク
ター等が例示される。
【0070】昆虫細胞に対する「組み換えベクター」と
しては、pVL1392、pVL1393、pBlue
BacIII(すべてインビトロジェン社製)等が例示
される。
【0071】「形質転換体」とは、形質転換によって作
製された細胞などの生命体の全部または一部をいう。形
質転換体としては、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細
胞、昆虫細胞等が例示される。形質転換体は、その対象
に依存して、形質転換細胞、形質転換組織、形質転換宿
主などともいわれる。
【0072】原核細胞としては、エシェリヒア属、セラ
チア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバ
クテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス
属等に属する原核細胞、例えば、Escherichi
a coli XL1−Blue、Escherich
ia coli XL2−Blue、Escheric
hia coli DH1、Escherichia
coli MC1000、Escherichia c
oli KY3276、Escherichia co
li W1485、Escherichia coli
JM109、Escherichia coli H
B101、Escherichia coli No.
49、Escherichia coli W311
0、Escherichia coli NY49、E
scherichia coliBL21(DE3)、
Escherichia coli BL21(DE
3)pLysS、Escherichia coli
HMS174(DE3)、Escherichia c
oli HMS174(DE3)pLysS、Serr
atia ficaria、Serratia fon
ticola、Serratia liquefaci
ens、Serratia marcescens、B
acillus subtilis、Bacillus
amyloliquefaciens、Brevib
acterium ammmoniagenes、Br
evibacterium immariophilu
m ATCC14068、Brevibacteriu
m saccharolyticumATCC1406
6、Corynebacterium glutami
cum ATCC13032、Corynebacte
rium glutamicum ATCC1406
7、Corynebacterium glutami
cum ATCC13869、Corynebacte
rium acetoacidophilum ATC
C13870、Microbacteriumammo
niaphilum ATCC15354、Pseud
omonassp.D−0110等が例示される。
【0073】酵母細胞としては、サッカロマイセス属、
シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコ
スポロン属、シワニオミセス属、ピチア属等に属する酵
母菌株を挙げることができ、具体的には、Saccha
romyces cerevisiae、Schizo
saccharomyces pombe、Kluyv
eromyces lactis、Trichospo
ron pullulans、Schwanniomy
ces alluvius、Pichia pasto
ris等を挙げることができる。組換えベクターの導入
方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればい
ずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーシ
ョン法[Methods.Enzymol.,194,
182(1990)]、スフェロプラスト法[Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,84,19
29(1978)]、酢酸リチウム法[J.Bacte
riol.,153,163(1983)]、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,75,19
29(1978)記載の方法等が例示される。
【0074】動物細胞としては、マウス・ミエローマ細
胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ
細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細
胞、BHK細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、ヒト白
血病細胞、HBT5637(特開昭63−299)、ヒ
ト大腸癌細胞株等を挙げることができる。マウス・ミエ
ローマ細胞としては、ps20、NSO等、ラット・ミ
エローマ細胞としてはYB2/0等、ヒト胎児腎臓細胞
としてはHEK293(ATCC:CRL−1573)
等、ヒト白血病細胞としてはBALL−1等、アフリカ
ミドリザル腎臓細胞としてはCOS−1、COS−7、
ヒト大腸癌細胞株としてはHCT−15等が例示され
る。
【0075】植物細胞としては、ポテト、タバコ、トウ
モロコシ、イネ、アブラナ、大豆、トマト、ニンジン、
小麦、大麦、ライ麦、アルファルファ、亜麻等の植物細
胞等を挙げることができる。組換えベクターの導入方法
としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればい
ずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム
(Agrobacterium)(特開昭59−140
885、特開昭60−70080、WO94/0097
7)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251
887)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法
(特許第2606856、特許第2517813)等が
例示される。
【0076】昆虫細胞としては、Spodoptera
frugiperdaの卵巣細胞、Trichopl
usia niの卵巣細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞
等を用いることができる。Spodoptera fr
ugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21
(バキュロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ
ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Trichop
lusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、B
TI−TN−5B1−4(インビトロジェン社製)等、
カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mo
ri N4等が例示される。
【0077】「ポリペプチドまたはその塩の製造法」と
は、本発明のポリペプチドをコードするDNAを組み込
んだ組換え体ベクターを保有する原核細胞、酵母、動物
細胞、植物細胞、昆虫細胞の形質転換体を、通常の培養
方法に従って培養し、本発明のポリペプチドを生成蓄積
させ、その培養物より本発明のポリペプチドを採取する
ことにより、本発明のポリペプチドを製造させる方法を
いう。
【0078】「抗体」とは、当該分野で通常使用される
意味で用いられ、本明細書においては、抗体の全部およ
びそのフラグメント、誘導体、結合体なども包含する。
好ましくは、本発明のポリペプチドを認識する抗体であ
り、より好ましくは、本発明のポリペプチドを特異的に
認識する抗体である。そのような抗体は、ポリクローナ
ル抗体またはモノクローナル抗体のいずれでもよい。
【0079】本発明のポリペプチドの「検出または定
量」は、免疫学的測定方法を含む適切な方法を用いて達
成され得る。例えば、方法としては、マイクロタイター
プレートを用いるELISA法、RIA法、蛍光抗体
法、ウェスタンプロット法、免疫組織染色法等が例示さ
れる。また、定量方法としては、ELISA法またはR
IA法等が例示される。
【0080】本発明の抗体を用いて、癌または癌転移を
検出することができる。本発明のポリペプチドは癌マー
カーとなり得ることから、前述のポリペプチドの検出方
法と同様に、免疫学的測定方法を含む適切な方法を用い
ることができる。例えば、検出方法としては、マイクロ
タイタープレートを用いるELISA法、RIA法、蛍
光抗体法、ウェスタンブロット法、免疫組織染色法等が
例示される。
【0081】本発明の抗体を用いて、神経病態を検出す
ることができる。本発明のポリペプチドは神経疾患マー
カーとなり得ることから、前述のポリペプチドの検出方
法と同様に、免疫学的測定方法を含む適切な方法を用い
ることができる。例えば、検出方法としては、マイクロ
タイタープレートを用いるELISA法、RIA法、蛍
光抗体法、ウェスタンブロット法、免疫組織染色法等が
例示される。
【0082】本発明はまた、本発明の抗体を含むことを
特徴とする癌または癌転移の診断用キットに関する。こ
のキットは、少なくとも本発明の抗体および標準試薬と
して本発明のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチ
ドは癌マーカーとなり得ることから、前述の癌または癌
転移の検出方法に基づき、本発明のポリペプチドを免疫
学的に測定することができる。
【0083】本発明はまた、本発明の抗体を含むことを
特徴とする神経病態の診断用キットに関する。このキッ
トは、少なくとも本発明の抗体および標準試薬として本
発明のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドは神
経疾患マーカーとなり得ることから、前述の神経病態の
検出方法に基づき、本発明のポリペプチドを免疫学的に
測定することができる。
【0084】本発明のポリペプチドのmRNAの「検出
または定量」は、mRNAの測定を行う分子生物学的測
定方法を含む任意の適切な方法を用いて行うことができ
る。そのような方法としては、例えば、ノーザンブロッ
ト法、ドットブロット法またはPCR法等が例示され
る。
【0085】本発明のmRNAを測定することによっ
て、癌または癌転移および/あるいは神経病態を検出す
ることができる。本発明のポリヌクレオチドは、癌マー
カーおよび神経疾患マーカーとなり得ることから、前述
のポリペプチドのmRNAの検出方法と同様に、分子生
物学的測定方法を含む任意の適切な方法を用いて検出す
ることができる。例えば、ノーザンブロット法、ドット
ブロット法またはPCR法等が例示される。
【0086】本発明はまた、本発明のポリペプチドのm
RNAまたはその一部および標準試薬としてそのポリヌ
クレオチドまたはその一部を含む、癌または癌転移の診
断用キットおよび神経病態の診断用キットに関する。本
発明のポリヌクレオチドは、癌マーカーおよび神経疾患
マーカーとなり得ることから、前述の癌または癌転移の
検出方法あるいは神経病態検出方法に基づき、ポリヌク
レオチドを分子生物学的に測定することができる。
【0087】本発明のポリヌクレオチドを用いて、DN
Aの転写またはmRNAの翻訳を抑制することができ
る。本発明のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列を有
するポリヌクレオチド、本発明のポリヌクレオチドとハ
イブリダイズするポリヌクレオチド、本発明のポリヌク
レオチドの塩基配列中の連続した5〜60塩基と同じ配
列を有するオリゴヌクレオチドと相補的な配列を有する
オリゴヌクレオチド、およびこれらオリゴヌクレオチド
の誘導体オリゴヌクレオチド等を適宜調製し、当該分野
で周知のアンチセンスRNA/DNA技術を用いて、こ
のポリペプチドのDNAの転写またはmRNAの翻訳を
抑制する方法を実施することができる。
【0088】「結合物質」とは、本発明のポリペプチド
に結合する任意の物質をいう。この結合物質としては、
例えば、低分子物質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド
等が例示される。本発明の「結合物質のスクリーニング
方法」は、当該分野で公知となっている技術を適宜適応
することにより行うことができ、バイオアッセイおよび
結合アッセイ等が例示される。本発明の「結合物質のス
クリーニング用キット」には、少なくとも本発明のポリ
ペプチドまたはその一部が含まれる。このキットを用い
て、前述の本発明の結合物質のスクリーニング方法に基
づき、結合物質を生化学的手法によりスクリーニングす
ることができる。
【0089】「結合活性」とは、本発明のポリペプチド
またはポリヌクレオチドと上記結合物質との結合に関す
る活性をいう。
【0090】「結合活性の変化」とは、本発明のポリペ
プチドと本発明の結合物質との結合活性の増強あるいは
減少を意味する。「結合活性調節物質」とは、本発明の
ポリペプチドと本発明の結合物質との結合活性の増強あ
るいは減少を引き起こす物質であり、例えば、低分子物
質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド等が例示される。
本発明の結合活性調節物質は、当該分野で公知となって
いる技術を適宜適応することによりスクリーニングする
ことができる。そのような技術としては、バイオアッセ
イおよび結合アッセイ等が例示される。本発明はまた、
「結合活性調節物質のスクリーニング用キット」を提供
する。このキットには、少なくとも本発明のポリペプチ
ドまたはその一部が含まれており、このキットを用い
て、前述の結合活性調節物質のスクリーニング方法に基
づき、結合物質を生化学的手法によりスクリーニングす
ることができる。
【0091】「発現量」とは、目的の細胞などにおい
て、本発明のタンパク質またはmRNAが発現される量
をいう。そのような発現量としては、本発明の抗体を用
いてELISA法、RIA法、蛍光抗体法、ウェスタン
プロット法、免疫組織染色法等の免疫学的測定方法を含
む任意の適切な方法により評価される本発明ポリペプチ
ドのタンパク質レベルでの発現量、またはノーザンプロ
ット法、ドットプロット法、PCR法等の分子生物学的
測定方法を含む任意の適切な方法により評価される本発
明のポリペプチドのmRNAレベルでの発現量が挙げら
れる。「発現量の変化」とは、上記免疫学的測定方法ま
たは分子生物学的測定方法を含む任意の適切な方法によ
り評価される本発明のポリペプチドのタンパク質レベル
またはmRNAレベルでの発現量が増加あるいは減少す
ることを意味する。「発現調節物質」とは、上記の免疫
学的測定方法または分子生物学的測定方法を含む任意の
適切な方法により評価される、本発明のポリペプチドの
タンパク質レベルまたはmRNAレベルでの発現量を増
加あるいは減少させる物質であり、このような物質とし
ては、例えば、低分子物質、ポリヌクレオチド、ポリペ
プチド等が例示される。本発明の「発現調節物質」は、
本発明のポリペプチドの発現量は、指標に当該分野で公
知となっている技術を適宜適応することによりスクリー
ニングすることができる。そのような技術としては、例
えば前記抗体を用いるELISA法、RIA法、蛍光抗
体法、ウェスタンプロット法、免疫組織染色法等の免疫
学的測定方法、またはノーザンプロット法、ドットプロ
ット法、PCR法等の分子生物学的測定方法等が例示さ
れる。本発明はまた、本発明の発現調節物質についての
スクリーニング用キットを提供する。このキットには、
本発明のポリペプチドまたはその一部が含まれている。
本発明のキットとしては、前述の発現調節物質のスクリ
ーニング方法に基づき発現調節物質を免疫学的手法によ
りスクリーニングするためのキット、または本発明のポ
リヌクレオチドまたはその一部が含まれており、前述の
発現調節物質のスクリーニング方法に基づき発現調節物
質を分子生物学的にスクリーニングするためのキットが
挙げられる。
【0092】「非ヒトノックアウト動物」とは、本発明
のポリヌクレオチドを含むベクターを用い、目的とする
非ヒト動物、例えばサル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、
ウマ、ニワトリ、マウス、ラット、ハムスター、モルモ
ット等の胚性幹細胞において染色体上の本発明のポリペ
プチドをコードするDNAを公知の相同組換えの手法
[例えば、Nature,326,6110,295
(1987)、Cell,51,3,503(198
7)等]により不活化した非ヒト動物を意味する。「非
ヒトランスジェニック動物」とは、本発明のポリヌクレ
オチドを含むベクターを用い、目的とする非ヒト動物、
例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、ニワトリ、マ
ウス、ラット、ハムスター、モルモット等の胚性幹細胞
において染色体上の本発明のポリペプチドをコードする
DNAを公知の相同組換えの手法[例えば、Natur
e,326,6110,295(1987)、Cel
l,51,3,503(1987)等]により任意の配
列と置換した非ヒト動物を意味する。具体的には、本発
明のポリペプチドの発現時期、発現部位または発現量等
が調節された非ヒト動物、より具体的には本発明のポリ
ペプチドが過剰に発現された非ヒト動物を意味する。本
発明の「医薬」とは、少なくとも、本発明の抗体、結合
物質、結合活性調節物質、または発現調節物質を含有す
ればよく、特定の疾患、例えば癌あるいは神経疾患等の
予防または治療に用いうる。
【0093】
【発明の実施の形態】以下に本発明ポリヌクレオチドの
調製、本発明ポリペプチドの調製、組換えベクター、形
質転換体、製造方法、抗体、本発明ポリペプチドの検出
方法、mRNAの検出方法、DNAの転写およびmRN
Aの翻訳抑制方法、結合物質のスクリーニング方法、結
合物質のスクリーニング用キット、結合物質、結合活性
調節物質のスクリーニング方法、結合活性調節物質のス
クリーニング用キット、結合活性調節物質、発現調節物
質のスクリーニング方法、発現調節物質のスクリーニン
グ用キット、発現調節物質、ノックアウト動物、トラン
スジェニック動物、癌または癌転移の検出方法、神経病
態の検出方法、癌または癌転移の断用キット、神経病態
診断用キット、医薬、について説明する。
【0094】本明細書において、特に指示のない限り、
当該分野で公知である遺伝子組換え技術、動物細胞、昆
虫細胞、酵母および大腸菌での組換えタンパク質の生産
技術、分子生物学的手法、発現したタンパク質の分離精
製法、分析法および免疫学的手法が採用される。
【0095】(1)本発明のポリヌクレオチドの取得 ラットの脳、骨格筋もしくは精巣、またはヒトの脳、
胃、骨格筋、卵巣もしくは胃癌組織より、当該分野にお
いて周知慣用である常法によりcDNAライブラリーを
作製する。
【0096】cDNAライブラリー作製法としては、モ
レキュラー・クローニング第2版(Molecular
Cloning 2nd ed.)またはカレント・
プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー
サプルメント(Molecular Protovol
s in Molecular Biology Su
pplement)1〜38、A Laborator
y Manual,2nd Ed.(1989)、DN
A Cloning 1:Core Techniqu
es,A Practical Approach,S
econd Edition,Oxford Univ
ersity Press(1995)等に記載された
方法、あるいは市販のキット、例えばスーパースクリプ
ト・プラスミド・システム・フォー・cDNA・シンセ
シス・アンド・プラスミド・クローニング[Super
Script Plasmid System for
cDNA Synthesis and Plasmi
d Cloning;インビトロジェン(Invitr
ogen)社製]またはザップ−cDNA ・シンセシ
ス・キット[ZAP−cDNA Synthesis
Kit、ストラタジーン社(Stratagene)
製]を用いる方法等があげられる。
【0097】本発明のDNAの両末端にNotI―Sa
l Iリンカーを付与した後、グベクターに挿入する。
ベクターとしては、pBluescript II S
K(+)、pBluescript SK(−)(いず
れもStratagene社製)、pDIRECT[N
ucleic Acids Research,18,
6069(1990)]、pCR−Script Am
p SK(+)[Stratagene社製、Stra
tegies,5,6264(1992)]、pT7B
lue[Novagen社製]、pCR II[インビ
トロジェン社(Invitrogen)製、Biote
chnology,9,657(1991)]、pCR
−TRAP[Genehunter社製]、pNoTA
T7(5’→3’社製)等を挙げることができる。本発
明のプラスミドを用い、E.coli DH5aを形質
転換してcDNAライブラリーを作製する。作製したc
DNAライブラリーより目的とするDNAを含むクロー
ンを以下の方法で選択する。
【0098】上記で作製したcDNAライブラリーよ
り、個々のcDNAが挿入されたプラスミドを精製し、
塩基配列を解析することにより、ps20のアミノ酸配
列とホモロジーを有するが完全には一致しないアミノ酸
配列をコードするDNA断片を選択する。塩基配列は、
通常用いられる塩基配列解析方法、例えばサンガー(S
anger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,74,5463(197
7)]あるいは373A・DNAシークエンサー[アプ
ライドバイオシステムズ(Applied Biosy
stems)社製]等の塩基配列分析装置を用いてスク
リーニングすることができる。
【0099】上記で作製したcDNAライブラリーに対
して、本発明のDNA断片をプローブとしてコロニーハ
イブリダイゼーション(モレキュラー・クローニング第
2版)を行うことにより、既知のps20とホモロジー
を有するポリペプチドをコードするcDNAを取得する
ことができる。プローブとしては、本発明のDNA断片
をアイソトープあるいはジゴキシゲニン(digoxi
genin)標識したものを使用することができる。
【0100】上記の方法により取得されたDNAの塩基
配列は、本発明のDNA断片をそのままあるいは適当な
制限酵素等で切断後、モレキュラー・クローニング第2
版等に記載の常法によりベクターに組み込み、通常用い
られる塩基配列解析方法、例えばサンガー(Sange
r)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,74,5463(1977)]あ
るいは373A・DNAシークエンサー[アプライドバ
イオシステムズ社製]等の塩基配列分析装置を用いて分
析することによりスクリーニングすることができる。
【0101】本発明の方法により取得されるDNAとし
て、例えば、配列番号2で表されるポリペプチドをコー
ドするDNA等を挙げることができ、具体的には、配列
番号1、3および5で表される塩基配列を有するDNA
等を挙げることができる。配列番号1、3および5のD
NAを含むプラスミドとしては、例えば、後述の実施例
に記載したプラスミドを挙げることができる。
【0102】上記のようにして取得したDNAを発現ベ
クターに組み込み発現プラスミドを構築する。得られた
発現プラスミドを適当な動物細胞に導入後、神経細胞軸
索の突起伸展活性あるいは誘導活性、または血管新生活
性を指標に、本発明のDNAが中枢組織における神経回
路の形成または末梢組織における、癌細胞増殖あるいは
癌転移に関与する生理活性を有するかどうかを調べるこ
とができる。
【0103】本発明の発現ベクターとしては、本発明の
cDNAを組み込んで動物細胞で発現できるベクターで
あればいかなるものでも用いることができ、例えば、p
cDNAI/Amp、pcDNAI、pCDM8(いず
れもフナコシ社より市販)、pAGE107[特開平3
−22979、Cytotechnology,3,1
33(1990)]、pREP4(インビトロジェン社
製)、pAGE103[J.Biochem.,10
1,1307(1987)]、pAMo、pAMoA
[J.Biol.Chem.,268,22782−2
2787(1993)]、pAS3−3(特開平2−2
27075)等を用いることができる。
【0104】cDNAを組み込んだ発現ベクターは、目
的とするcDNAを選択可能な動物細胞に導入し、形質
転換細胞を取得する。本発明の発現ベクターの導入方法
としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればい
ずれの方法も用いることができ、例えば、エレクトロポ
レーション法[Cytotechnology,3,1
33(1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2−
227075)、リポフェクション法[Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,84,7413(1
987)]、Virology,52,456(197
3)に記載の方法等の方法を挙げることができる。
【0105】動物細胞としては、ヒトの細胞である29
3細胞、HeLa細胞、サルの細胞であるCOS細胞、
チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細胞、ラ
ットの細胞であるPC12細胞を挙げることができ、好
ましくは、293細胞あるいはHeLa細胞を用い得
る。
【0106】得られた形質転換細胞を当該分野において
周知慣用の常法により培養する。具体的には、以下の形
質転換体の培養方法により培養することができる。形質
転換体が動物細胞である場合、本発明の細胞を培養する
培地は、一般に使用されているRPMI1640培地
[The Journal of the Ameri
can Medical Association,1
99,519(1967)]、EagleのMEM培地
[Science,122,501(1952)]、D
MEM培地[Virology,8,396(195
9)]、199培地[Proceeding of t
he Society for the Biolog
ical Medicine,73,1(1950)]
またはこれら培地にウシ胎児血清等を添加した培地等が
用いられる。
【0107】培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、
5%CO2存在下等の条件下で1〜7日間行う。また培
養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレ
プトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0108】上記培養により得られた細胞を、神経細胞
軸索の突起伸展活性あるいは誘導活性、または血管新生
活性を指標に、本発明のDNAが中枢組織における神経
回路の形成または末梢組織における血管新生、癌細胞増
殖あるいは癌転移に関与する生理活性を有するかどうか
を調べることができる。本発明の発現プラスミドを導入
した細胞において、神経細胞軸索の突起伸展活性あるい
は誘導活性、または癌細胞の増殖および運動能を指標
に、本発明のDNAが中枢組織における神経回路の形
成、または末梢組織における癌細胞増殖あるいは癌転移
に関与する生理活性を有するかどうか検討する。上記生
理活性が検出されれば、本発明のDNAは中枢組織にお
ける神経回路の形成または末梢組織における、癌細胞増
殖あるいは癌転移に関与する新規ps20様ポリペプチ
ドをコードしていると考えることができる。
【0109】以上のようにして、ラットの脳、骨格筋も
しくは精巣、またはヒトの脳、胃、骨格筋、卵巣もしく
は胃の癌組織において、中枢組織における神経回路の形
成、または末梢組織における癌細胞増殖あるいは癌転移
に関与する生理活性を有する新規ps20様ポリペプチ
ドをコードするDNAを取得することができる。
【0110】また、上記方法で取得したDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを選択
することにより、配列番号2、4または6に記載のアミ
ノ酸配列と比較して、1もしくは数個のアミノ酸が欠
失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリ
ペプチドをコードする目的のDNAを取得することがで
きる。即ち、非ヒト動物、例えば、サル、ウシ、ヒツ
ジ、ヤギ、ブタ、ウマ、ニワトリ、マウス、ハムスタ
ー、モルモット等由来のcDNAライブラリーに対して
スクリーニングを行うことにより、目的のDNAを取得
することができる。スクリーニングされたps20様活
性を有する新規ポリペプチドのアミノ酸配列に基づい
て、本発明のポリペプチドをコードするDNAを化学合
成することによっても目的のDNAを調製することがで
きる。DNAの化学合成は、チオホスファイト法を利用
した島津製作所社製のDNA合成機、ホスホロアミダイ
ト法を利用したアプライドバイオシステムズ社製のDN
A合成機model392等を用いて行うことができ
る。
【0111】また、後述のオリゴヌクレオチドをセンス
プライマーおよびアンチセンスプライマーとして用い、
これらDNAに相補的なmRNAを発現している細胞の
mRNAから調製したcDNAを鋳型として、PCRを
行うことによっても、目的とするDNAを調製すること
ができる。 (2)本発明のポリペプチドの製造 本発明のポリペプチドは、モレキュラー・クローニング
第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー サプルメント1〜38等に記載され
た方法等を用い、例えば以下の方法により、本発明のポ
リヌクレオチドを宿主細胞中で発現させ、製造すること
ができる。
【0112】本発明のポリペプチドをコードする全長D
NAを基にして、必要に応じて、本発明のポリペプチド
をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製
する。また、本発明のポリペプチドをコードする部分の
塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、
塩基を置換したDNAを調製する。このDNAは本発明
のポリペプチドの生産率を向上させるうえで有用であ
る。このDNA断片、または全長DNAを適当な発現ベ
クターのプロモーターの下流に挿入することにより、組
換え体DNA(組換えベクター)を作製する。この組換
えベクターを、その発現ベクターに適合した宿主細胞に
導入することにより、本発明のポリペプチドを生産する
形質転換体を得ることができる。
【0113】宿主細胞としては、原核細胞、酵母、動物
細胞、植物細胞、昆虫細胞等、目的とする遺伝子を発現
できるものであればいずれも用いることができる。発現
ベクターとしては、上記宿主細胞において自立複製が可
能、または染色体中への組込みが可能で、本発明のポリ
ペプチド遺伝子の転写に適した位置にプロモーターを含
有しているものが用いられる。
【0114】(i)細菌等の原核生物を宿主細胞として
用いる場合 新規ps20様ポリペプチドのDNAの発現ベクター
は、原核生物中で自立複製可能であると同時に、プロモ
ーター、リボソーム結合配列、新規ps20様ポリペプ
チドのDNA、転写終結配列、より構成されていること
が好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれて
いてもよい。
【0115】発現ベクターとしては、例えば、pBTr
p2、pBTac1、pBTac2(いずれもロシュ・
バイオケミカルズ社より市販)、pKK233−2(フ
ァルマシア社)、pSE280(インビトロジェン
社)、pGEMEX−1[プロメガ(Promega)
社製]、pQE−8(キアゲン(QIAGEN)社
製)、pKYP10(特開昭58−110600)、p
KYP200[Agric.Biol.Chem.,4
8,669(1984)]、pLSA1[Agric.
Biol.Chem.,53,277(1989)]、
pGEL1[Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,82,4306(1985)]、pBlues
cript II SK+(ストラタジーン社製)、p
Bluescript II SK(−)(ストラタジ
ーン社製)、pTrs30(FERM BP−540
7)、pTrs32(FERM BP−5408)、p
GHA2(FERM BP−400)、pGKA2(F
ERM B−6798)、pTerm2(特開平3−2
2979、US4686191、US4939094、
US5160735)、pEG400[J.Bacte
riol.,172,2392(1990)]、pGE
X(ファルマシア社製)、pETシステム(ノバジェン
社製)、pSupex、pUB110、pTP5、pC
194、pTrxFus(Invitrogen社
製)、pMAL−c2(New England Bi
olabs社製)、pUC19[Gene,33,10
3(1985)]、pSTV28(宝酒造社製)、pU
C118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−23
3798)等を例示することができる 。
【0116】プロモーターとしては、大腸菌等の宿主細
胞中で発現できるものであればいかなるものでもよい。
例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロ
モーター(Plac)、PLプロモーター、PRプロモ
ーター、PSEプロモーター等の、大腸菌およびファー
ジ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、
SPO2プロモーター、penPプロモーター等を挙げ
ることができる。またPtrpを2つ直列させたプロモ
ーター(Ptrp x2)、tacプロモーター、la
cT7プロモーター、let Iプロモーターのように
人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることが
できる。
【0117】リボソーム結合配列であるシャイン−ダル
ガノ(Shine−Dalgarno)配列と開始コド
ンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節し
たプラスミドを用いることが好ましい。本発明のポリヌ
クレオチドの発現には転写終結配列は必ずしも必要では
ないが、構造遺伝子直下に転写終結配列を配置すること
が好ましい。
【0118】宿主細胞としては、エシェリヒア属、セラ
チア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバ
クテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス
属等に属する微生物、例えば、Escherichia
coli XL1−Blue、Escherichi
a coli XL2−Blue、Escherich
ia coli DH1、Escherichia c
oli MC1000、Escherichia co
li KY3276、Escherichiacoli
W1485、Escherichia coli J
M109、Escherichia coli HB1
01、Escherichia coli No.4
9、Escherichia coli W3110、
Escherichia coli NY49、Esc
herichia coli BL21(DE3)、E
scherichia coli BL21(DE3)
pLysS、Escherichia coli HM
S174(DE3)、Escherichia col
i HMS174(DE3)pLysS、Serrat
ia ficaria、Serratia fonti
cola、Serratia liquefacien
s、Serratia marcescens、Bac
illus subtilis、Bacillus a
myloliquefaciens、Brevibac
terium ammmoniagenes、Brev
ibacterium immariophilum
ATCC14068、Brevibacterium
saccharolyticumATCC14066、
Corynebacterium glutamicu
m ATCC13032、Corynebacteri
um glutamicum ATCC14067、C
orynebacterium glutamicum
ATCC13869、Corynebacteriu
m acetoacidophilum ATCC13
870、Microbacteriumammonia
philum ATCC15354、Pseudomo
nassp.D−0110等を挙げることができる。
【0119】組換えベクターの導入方法としては、上記
宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用い
ることができ、例えば、エレクトロポレーション法[N
ucleic Acids Res.,16,6127
(1988)]、カルシウムイオンを用いる方法[Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2
110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63
−2483942)、Gene,17,107(198
2)およびMolecular & General
Genetics,168,111(1979)に記載
の方法等を挙げることができる。
【0120】(ii)酵母を宿主細胞として用いる場合 酵母菌株を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクタ
ーとして、例えば、YEp13(ATCC3711
5)、YEp24(ATCC37051)、YCp50
(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を
例示することができる。プロモーターとしては、酵母菌
株中で発現できるものであればいかなるものでもよく、
例えば、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、
GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1
プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショ
ック蛋白質プロモーター、MFα1プロモーター、CU
P 1プロモーター等を挙げることができる。
【0121】宿主細胞としては、サッカロマイセス属、
シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコ
スポロン属、シワニオミセス属、ピチア属等に属する酵
母菌株を挙げることができ、具体的には、Saccha
romyces cerevisiae、Schizo
saccharomyces pombe、Kluyv
eromyces lactis、Trichospo
ron pullulans、Schwanniomy
ces alluvius、Pichia pasto
ris等を挙げることができる。組換えベクターの導入
方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればい
ずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーシ
ョン法[Methods.Enzymol.,194,
182(1990)]、スフェロプラスト法[Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,84,19
29(1978)]、酢酸リチウム法[J.Bacte
riol.,153,163(1983)]、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,75,19
29(1978)記載の方法等を挙げることができる。
【0122】(iii)動物細胞を宿主細胞として用い
る場合 動物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクタ
ーとして、例えば、pcDNAI/Amp、pcDNA
I、pCDM8(いずれもフナコシ社より市販)、pA
GE107[特開平3−22979、Cytotech
nology,3,133(1990)]、pREP4
(インビトロジェン社製)、pAGE103[J.Bi
ochem.,101,1307(1987)]、pA
Mo、pAMoA[J.Biol.Chem.,26
8,22782−22787(1993)、別名pAM
oPRSA(特開平05−336963)]、pAS3
−3(特開平2−227075)等を例示することがで
きる。
【0123】プロモーターとしては、動物細胞中で発現
できるものであればいずれも用いることができ、例え
ば、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(im
mediateearly)遺伝子のプロモーター、S
V40の初期プロモーター、モロニー・ミュリン・ロイ
ケミア・ウイルス(Moloney Murine L
eukemia Virus)のロング・ターミナル・
リピート・プロモーター(Long Terminal
Repeat Promoter)、レトロウイルス
のプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRα
プロモーター、あるいはメタロチオネインのプロモータ
ー等を挙げることができる。また、ヒトCMVのIE遺
伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよ
い。
【0124】宿主細胞としては、マウス・ミエローマ細
胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ
細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細
胞、BHK細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、ヒトの
細胞であるNamalwa細胞またはNamalwa
KJM−1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病細胞、
HBT5637(特開昭63−299)、ヒト大腸癌細
胞株等を挙げることができる。マウス・ミエローマ細胞
としては、ps20、NSO等、ラット・ミエローマ細
胞としてはYB2/0等、ヒト胎児腎臓細胞としてはH
EK293(ATCC:CRL−1573)等、ヒト白
血病細胞としてはBALL−1等、アフリカミドリザル
腎臓細胞としてはCOS−1、COS−7、ヒト大腸癌
細胞株としてはHCT−15等を挙げることができる。
【0125】組換えベクターの導入方法としては、動物
細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いるこ
とができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cyt
otechnology,3,133(1990)]、
リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポ
フェクション法[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,84,7413(1987)]、Viro
logy,52,456(1973)に記載の方法等を
挙げることができる。
【0126】(iv)植物細胞を宿主細胞として用いる
場合 植物細胞または植物個体を宿主として用いる場合には、
公知の方法[組織培養,20(1994)、組織培養,
21(1995)、Trends in Biotec
hnology,15,45(1997)]に準じてポ
リペプチドを生産することができる。発現ベクターとし
て、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルス
ベクター等を挙げることができる。
【0127】遺伝子発現に用いるプロモーターとして
は、植物細胞中で発現できるものであればいずれも用い
ることができ、例えば、カリフラワーモザイクウイルス
(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プ
ロモーター等を挙げることができる。また、プロモータ
ーと発現させる遺伝子の間に、トウモロコシのアルコー
ル脱水素酵素遺伝子のイントロン1等を挿入することに
より、遺伝子の発現効率を挙げることもできる。
【0128】宿主細胞としては、ポテト、タバコ、トウ
モロコシ、イネ、アブラナ、大豆、トマト、ニンジン、
小麦、大麦、ライ麦、アルファルファ、亜麻等の植物細
胞等を挙げることができる。組換えベクターの導入方法
としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればい
ずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム
(Agrobacterium)(特開昭59−140
885、特開昭60−70080、WO94/0097
7)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251
887)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法
(特許第2606856、特許第2517813)等を
挙げることができる。
【0129】(v)培養方法 本発明のポリペプチドをコードするDNAを組み込んだ
組換え体ベクターを保有する微生物、動物細胞、あるい
は植物細胞由来の形質転換体を、通常の培養方法に従っ
て培養し、本発明のポリペプチドを生成蓄積させ、本発
明の培養物より本発明のポリペプチドを採取することに
より、本発明のポリペプチドを製造することができる。
【0130】(vi)昆虫細胞を宿主細胞として用いる
場合 昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例えば、バキュ
ロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ ア・ラ
ボラトリー・マニュアル[Baculovirus E
xpression Vectors,A Labor
atory Manual,W.H.Freeman
and Company,NewYork(199
2)]、モレキュラー・バイオロジー ア・ラボラトリ
ー・マニュアル(Molecular Biolog
y,A Laboratory Manual)、カレ
ント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロ
ジー サプルメント1〜38(Current Pro
tocols in Molecular Biolo
gy)、Bio/Technology,6,47(1
988)等に記載された方法によって、ポリペプチドを
発現することができる。
【0131】即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバ
キュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上
清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルス
を昆虫細胞に感染させ、ポリペプチドを発現させること
ができる。本発明の方法において用いられる遺伝子導入
ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1
393、pBlueBacIII(すべてインビトロジ
ェン社製)等を挙げることができる。
【0132】バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗
蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カ
リフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス
(Autographa californica n
uclear polyhedrosis viru
s)等を用いることができる。
【0133】昆虫細胞としては、Spodoptera
frugiperdaの卵巣細胞、Trichopl
usia niの卵巣細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞
等を用いることができる。Spodoptera fr
ugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21
(バキュロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ
ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Trichop
lusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、B
TI−TN−5B1−4(インビトロジェン社製)等、
カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mo
ri N4等を挙げることができる。
【0134】組換えウイルスを調製するための、昆虫細
胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウ
イルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウ
ム法(特開平2−227075)、リポフェクション法
[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,8
4,7413(1987)]等を挙げることができる。
【0135】また、動物細胞にDNAを導入する方法と
同様の方法を用いて、昆虫細胞にDNAを導入すること
もでき、例えば、エレクトロポレーション法[Cyto
technology,3,133(1990)]、リ
ン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフ
ェクション法[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,84,7413(1987)]等を挙げる
ことができる。
【0136】本発明のポリペプチド製造用形質転換体が
大腸菌等の原核生物、酵母菌等の真核生物である場合、
これら本発明の形質転換体を培地に培養し、培養物中に
本発明のポリペプチドを生成蓄積させ、本発明の培養物
から採取することにより、本発明のポリペプチドを製造
することができる。
【0137】本発明の形質転換体を培地に培養する方法
は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うこ
とができる。大腸菌等の原核生物あるいは酵母等の真核
生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地と
しては、本発明の生物が資化し得る炭素源、窒素源、無
機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える
培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよ
い。
【0138】炭素源としては、それぞれの微生物が資化
し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、
スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいは
デンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸
等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール
類を用いることができる。
【0139】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の各種無機酸または有機酸のアンモニウ
ム塩、その他含窒素物質、ならびに、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体
およびその消化物等を用いることができる。
【0140】無機塩としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培養
は、振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下
で行う。
【0141】培養温度は15〜40℃がよく、培養時間
は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは、3.0
〜9.0に保持する。pHの調整は、無機あるいは有機
の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニ
ア等を用いて行う。また培養中必要に応じて、アンピシ
リンまたはテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加
してもよい。
【0142】プロモーターとして誘導性のプロモーター
を用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する
ときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加し
てもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベ
クターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプ
ロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trp
プロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生
物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に
添加してもよい。遺伝子を導入した植物の細胞または器
官は、ジャーファーメンターを用いて大量培養すること
ができる。培養する培地としては、一般に使用されてい
るムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワイト
(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、
サイトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用
いることができる。
【0143】本発明のポリペプチド製造用形質転換体が
動物細胞である場合、本発明の細胞を培養する培地は、
一般に使用されているRPMI1640培地[The
Journal of the American M
edical Association,199,51
9(1967)]、EagleのMEM培地[Scie
nce,122,501(1952)]、DMEM培地
[Virology,8,396(1959)]、19
9培地[Proceeding of theSoci
ety for the Biological Me
dicine,73,1(1950)]またはこれら培
地にウシ胎児血清等を添加した培地等が用いられる。
【0144】培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、
5%CO2存在下等の条件下で1〜7日間行う。また培
養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレ
プトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0145】本発明のポリペプチド製造用形質転換体が
昆虫細胞である場合、本発明の細胞を培養する培地とし
ては、一般に使用されているTNM−FH培地(ファー
ミンジェン社(Pharmingen)製)、Sf−9
00 II SFM培地(インビトロジェン社製)、E
xCell400 、ExCell405[いずれもJ
RHバイオサイエンシーズ社製]、Grace’s I
nsectMedium[Nature,195,78
8(1962)]等を用いることができる。
【0146】(vii)製造方法 本発明ポリペプチド製造用形質転換体の培養物から、本
発明のポリペプチドを単離または精製するためには、当
該分野で周知慣用の通常の酵素の単離または精製法を用
いることができる。例えば、本発明のポリペプチドが本
発明のポリペプチド製造用形質転換体の細胞外に本発明
のポリペプチドが分泌される場合には、その培養物を遠
心分離等の手法により処理し、可溶性画分を取得する。
その可溶性画分から、溶媒抽出法、硫安等による塩析法
脱塩法、有機溶媒による沈澱法、ジエチルアミノエチル
(DEAE)−セファロース、DIAION HPA−
75(三菱化成社製)等レジンを用いた陰イオン交換ク
ロマトグラフィー法、S−Sepharose FF
(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換
クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニル
セファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフ
ィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティーク
ロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電
点電気泳動等の電気泳動法等の手法を用い、精製標品を
得ることができる。
【0147】本発明のポリペプチドが本発明のポリペプ
チド製造用形質転換体の細胞内に溶解状態で蓄積する場
合には、培養物を遠心分離することにより、培養物中の
細胞を集め、その細胞を洗浄した後に、超音波破砕機、
フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダ
イノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。
その無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上
清から、溶媒抽出法、硫安等による塩析法脱塩法、有機
溶媒による沈澱法、ジエチルアミノエチル(DEAE)
−セファロース(Sepharose)、DIAION
HPA−75(三菱化成社製)等レジンを用いた陰イ
オン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharos
e FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イ
オン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、
フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマ
トグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニ
ティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング
法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を用いるこ
とによって、精製標品を得ることができる。
【0148】また、本発明のポリペプチドが細胞内に不
溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破
砕し、遠心分離を行うことにより得られた沈澱画分よ
り、通常の方法により本発明のポリペプチドを回収後、
そのポリペプチドの不溶体をポリペプチド変性剤で可溶
化する。この可溶化液を、ポリペプチド変性剤を含まな
いあるいはポリペプチド変性剤の濃度がポリペプチドが
変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるいは透析し、
本発明のポリペプチドを正常な立体構造に構成させた
後、上記と同様の単離精製法により精製標品を得ること
ができる。
【0149】また、通常のタンパク質の精製方法[J.
Evan.Sadlerら:メソッド・イン・エンザイ
モロジー(Methods in Enzymolog
y),83,458]に準じて精製できる。また、本発
明のポリペプチドを他のタンパク質との融合タンパク質
として生産し、融合したタンパク質に親和性をもつ物質
を用いたアフィニティークロマトグラフィーを利用して
精製することもできる[山川彰夫,実験医学(Expe
rimental Medicine),13,469
−474(1995)]。例えば、ロウらの方法[Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,
8227(1989)、GenesDevelop.,
4,1288(1990)]に記載の方法に準じて、本
発明のポリペプチドをプロテインAとの融合タンパク質
として生産し、イムノグロブリンGを用いるアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製することができる。
【0150】また、本発明のポリペプチドをFLAGペ
プチドとの融合タンパク質として生産し、抗FLAG抗
体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精
製することができる[Proc.Natl.Acad.
Sci.,USA,86,8227(1989)、Ge
nes Develop.,4,1288(199
0)]。
【0151】さらに、本発明のポリペプチド自身に対す
る抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーで精
製することもできる。本発明のポリペプチドは、公知の
方法[J.Biomolecular NMR,6,1
29−134、Science,242,1162−1
164、J.Biochem.,110,166−16
8(1991)]に準じて、in vitro転写・翻
訳系を用いてを生産することができる。
【0152】上記で取得されたポリペプチドのアミノ酸
情報を基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニ
ル法)等の化学合成法によっても本発明のポリペプチド
を製造することができる。また、アドバンスト・ケムテ
ック(Advanced ChemTech)社、アプ
ライドバイオシステムズ社、ファルマシアバイオテク
社、プロテイン・テクノロジー・インストゥルメント
(Protein Technology Instr
ument)社、シンセセル・ベガ(Synthece
ll−Vega)社、パーセプティブ(PerSept
ive)社、島津製作所等のペプチド合成機を利用し化
学合成することもできる。
【0153】精製した本発明のポリペプチドの構造解析
は、蛋白質化学で通常用いられる方法、例えば遺伝子ク
ローニングのためのタンパク質構造解析(平野久著、東
京化学同人発行、1993年)に記載の方法により実施
可能である。本発明の新規ps20様ポリペプチドの生
理活性は、公知の測定法[Cell,75,1389
(1993)、J.Cell Bio.l146,23
3(1999)、Cancer Res.58,123
8(1998)、Neuron 17,1157(19
96)、Science 289,1197(200
0)]に準じて測定することができる。
【0154】(3)変異型ポリペプチドの作製方法 本発明ポリペプチドのアミノ酸の欠失、置換もしくは付
加は、出願前周知技術である部位特異的変異誘発法によ
り実施することができる。かかる1もしくは数個のアミ
ノ酸が欠失、置換もしくは付加は、Molecular
Cloning,A Laboratory Man
ual,Second Edition,Cold S
pring Harbor Laboratory P
ress(1989)、Current Protoc
ols in Molecular Biology,
Supplement 1〜38,JohnWiley
& Sons(1987−1997)、Nucleic
Acids Research,10,6487(1
982)、Proc.Natl.Acad.Sci.,
USA,79,6409(1982)、Gene,3
4,315(1985)、Nucleic Acids
Research,13,4431(1985)、P
roc.Natl.Acad.Sci USA,82,
488(1985)、Proc.Natl.Acad.
Sci.,USA,81,5662(1984)、Sc
ience,224,1431(1984)、PCT
WO85/00817(1985)、Nature,3
16,601(1985)等に記載の方法に準じて調製
することができる。 (4)本発明のポリペプチドを認識する抗体の作製 (i)ポリクローナル抗体の作製 上述(2)の方法により取得したポリペプチドの全長ま
たは部分断片精製標品、あるいは本発明の蛋白質の一部
のアミノ酸配列を有するペプチドを抗原として用い、動
物に投与することによりポリクローナル抗体を作製する
ことができる。
【0155】投与する動物として、ウサギ、ヤギ、ラッ
ト、マウス、ハムスター等を用いることができる。その
抗原の投与量は動物1匹当たり50〜100μgが好ま
しい。ペプチドを用いる場合は、ペプチドをスカシガイ
ヘモシアニン(keyhole limpet hae
mocyanin)またはウシチログロブリン等のキャ
リア蛋白に共有結合させたものを抗原とするのが望まし
い。抗原とするペプチドは、ペプチド合成機で合成する
ことができる。その抗原の投与は、1回目の投与の後1
〜2週間おきに3〜10回行う。各投与後、3〜7日目
に眼底静脈叢より採血し、その血清が免疫に用いた抗原
と反応することを酵素免疫測定法[酵素免疫測定法(E
LISA法):医学書院刊 1976年、Antibo
dies−A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Lavora
tory(1988)]等で確認する。
【0156】免疫に用いた抗原に対し、その血清が充分
な抗体価を示した非ヒトほ乳動物より血清を取得し、そ
の血清より、下記方法によりポリクローナル抗体を分
離、精製することができる。抗体を分離、精製する方法
としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウ
ムによる塩析、カプリル酸沈澱[Antibodie
s,A Laboratory manual,Col
d Spring Harbor Laborator
y,(1988)]、またはDEAE−セファロースカ
ラム、陰イオン交換カラム、プロテインAまたはG−カ
ラムあるいはゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフ
ィー等を、単独または組み合わせて処理する方法があげ
られる。
【0157】(ii)モノクローナル抗体の作製 (a)抗体産性細胞の調製 免疫に用いた本発明のポリペプチドの部分断片ポリペプ
チドに対し、その血清が十分な抗体価を示したラットを
抗体産生細胞の供給源として供する。
【0158】このように充分な抗体価を示したラットに
抗原物質を最終投与した後3〜7日目に、脾臓を摘出す
る。その脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断
し、ピンセットでほぐし、1,200rpmで5分間遠
心分離した後、上清を捨てる。得られた沈澱画分の脾細
胞をトリス−塩化アンモニウム緩衝液(pH7.65)
で1〜2分間処理し赤血球を除去した後、MEM培地で
3回洗浄し、得られた脾細胞を抗体産生細胞として用い
る。
【0159】(b)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスまたはラットから取得した
株化細胞を使用する。例えば、8−アザグアニン耐性マ
ウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63A
g8−U1(以下、P3−U1と略す)[Curr.T
opics.Microbiol.Immunol.,
81,1(1978)、Europ.J.Immuno
l.,6,511(1976)]、ps20−Ag14
(SP−2)[Nature,276,269(197
8)]、P3−X63−Ag8653(653)[J.
Immunol.,123,1548(1979)]、
P3−X63−Ag8(X63)[Nature,25
6,495(1975)]等を用いることができる。こ
れらの細胞株は、8−アザグアニン培地[RPMI−1
640培地にグルタミン(1.5mM)、2−メルカプ
トエタノール(5×10−5M)、ジェンタマイシン
(10μg/ml)およびウシ胎児血清(FCS)(C
SL社製、10%)を加えた培地(以下、正常培地とい
う)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を
加えた培地]で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正
常培地で培養し、融合にはその細胞を2×107個以上
用いる。
【0160】(c)ハイブリドーマの作製 (a)で取得した抗体産生細胞と(b)で取得した骨髄
腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム
1.83g、リン酸一カリウム 0.21g、食塩
7.65g、蒸留水 1リットル、pH7.2)でよく
洗浄し、細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜1
0:1になるよう混合し、1,200rpmで5分間遠
心分離した後、上清を捨てる。
【0161】得られた沈澱画分の細胞群をよくほぐし、
その細胞群に、攪拌しながら、37℃で、108抗体産
生細胞あたり、ポリエチレングライコール−1000
(PEG−1000)2g、MEM 2mlおよびジメ
チルスルホキシド(DMSO)0.7mlを混合した溶
液を0.2〜1ml添加し、さらに1〜2分間毎にME
M培地1〜2mlを数回添加する。添加後、MEM培地
を加えて全量が50mlになるように調製する。その調
製液を900rpmで5分間遠心分離後、上清を捨て
る。得られた沈澱画分の細胞を、ゆるやかにほぐした
後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆるやかにH
AT培地[正常培地にヒポキサンチン(10-4M)、チ
ミジン(1.5×10-5M)およびアミノプテリン(4
×10-7M)を加えた培地]100ml中に懸濁する。
【0162】その懸濁液を96穴培養用プレートに10
0μl/穴ずつ分注し、5% CO 2インキュベーター
中、37℃で7〜14日間培養する。培養後、培養上清
の一部をとりアンチボディイズ[Antibodie
s,A Laboratorymanual,Cold
Spring Harbor Laborator
y,Chapter 14(1988)]等に述べられ
ている 酵素免疫測定法により、本発明のポリペプチド
の部分断片ポリペプチドに特異的に反応するハイブリド
ーマを選択する。
【0163】(5)本発明ポリペプチドの免疫学的検出
方法 本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドの免疫学的
検出法としては、マイクロタイタープレートを用いるE
LISA法・蛍光抗体法、ウェスタンブロット法、免疫
組織染色法等を挙げることができる。
【0164】(6)本発明ポリペプチドの免疫学的定量
方法 本発明ポリペプチドの定量方法としては、液相中で本発
明のポリペプチドと反応する抗体のうちエピトープが異
なる2種類のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ
ELISA法、126I等の放射性同位体で標識した本
発明の蛋白質と本発明の蛋白質を認識する抗体とを用い
るラジオイムノアッセイ法等を挙げることができる。
【0165】(7)本発明ポリペプチドのmRNAの定
量方法 本発明のポリヌクレオチドあるいはDNAより調製した
上記オリゴヌクレオチドを用い、ノーザンハイブリダイ
ゼーション法またはPCR法により、本発明のポリペプ
チドをコードするDNAの発現量をmRNAレベルで定
量することができる。
【0166】具体的には、(i)正常あるいは疾患モデ
ル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て、薬剤(例えば、抗癌剤など)などを与え、一定時間
経過した後に、血液、もしくは特定の臓器(例えば、
脳、胃、腎臓など)、または臓器から単離した、組織も
しくは細胞を得る。得られた細胞に含まれる本発明のポ
リペプチドまたはその部分ペプチドのmRNAは、例え
ば、通常の方法により細胞等からmRNAを抽出し、例
えばTaqManPCRなどの手法を用いることにより
定量することができ、自体公知の手段によりノザンブロ
ットを行うことにより解析することもできる。
【0167】または、(ii)本発明のポリペプチドも
しくはその部分ペプチドを発現する形質転換体を前述の
方法に従い作製し、この形質転換体に含まれる本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドのmRNAを同様
にして定量、解析することができる。さらに、本発明の
ポリヌクレオチドをプローブとして、公知の方法[東京
大学医科学研究所制癌研究部編、新細胞工学実験プロト
コール、秀潤社(1993年)]を用いて、本発明の遺
伝子のプロモーター領域を取得することが可能である。
【0168】現在、多くの機能未知のヒト染色体遺伝子
の配列がデータベースに登録されている。したがって、
本発明のポリペプチドをコードするヒトcDNAの配列
と、データベースに登録されてるヒト染色体遺伝子の配
列とを比較することにより、本発明のポリペプチドをコ
ードするヒト染色体遺伝子を同定し、その遺伝子の構造
を明らかにできる可能性がある。cDNAの配列と一致
する染色体遺伝子配列が登録されていれば、cDNAの
配列と染色体遺伝子の配列を比較することにより、本発
明のポリペプチドをコードする染色体遺伝子のプロモー
ター領域、エクソンおよびイントロン構造をスクリーニ
ングすることができる。
【0169】プロモーター領域としては、哺乳動物細胞
において本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の転
写に関与するすべてのプロモーター領域があげられる。
例えば、ヒト大腸癌細胞あるいはヒト膵臓癌細胞で、本
発明のポリペプチドをコードする遺伝子の転写に関与す
るプロモータ領域を挙げることができる。具体的には、
例えば、配列番号7で表される塩基配列の1〜5000
番目の塩基配列中の連続する50〜5000bpの配列
を有するプロモーターDNAを挙げることができる。そ
のプロモーターは後述のスクリーニング法に利用するこ
とができる。
【0170】(8)癌または癌転移の検出方法 癌または癌転移検出方法としては、本発明のポリペプチ
ドの免疫学的検出方法で本発明のポリペプチドと反応す
る抗体のうちエピトープが異なる2種類のモノクローナ
ル抗体を用いたサンドイッチELISA法、125I等の
放射性同位体で標識した本発明の蛋白質と本発明の蛋白
質を認識する抗体とを用いるラジオイムノアッセイ法等
を挙げることができる。上記検出法は、胃癌等の診断に
利用することができる。
【0171】本発明のポリペプチドは、胃癌患者の癌細
胞においてその発現が増加していることから、本遺伝子
の多型を調べることにより、胃癌等の診断または予後の
予測に利用できる。
【0172】また、本遺伝子の多型と、本遺伝子が発現
している臓器(脳、食道、胃、肺、十二指腸、尿管、小
腸癌、結腸、直腸、胆嚢甲状腺、副腎、膀胱、前立腺)
における疾患との関連を調べることにより、他の疾患の
診断にも利用できる。本遺伝子の多型解析は、本遺伝子
の遺伝子配列情報を用いて行うことができる。具体的に
は、サザンブロット法、ダイレクトシークエンス法、P
CR法、DNAチップ法などを用いて遺伝子多型を解析
することができる[臨床検査,42,1507−151
7(1998)、臨床検査,42,1565−1570
(1998)]。
【0173】(9)神経病態の検出方法 神経病態の検出方法としては、本発明のポリペプチドの
免疫学的検出方法で本発明のポリペプチドと反応する抗
体のうちエピトープが異なる2種類のモノクローナル抗
体を用いたサンドイッチELISA法、125I等の放射
性同位体で標識した本発明の蛋白質と本発明の蛋白質を
認識する抗体とを用いるラジオイムノアッセイ法等を挙
げることができる。上記検出法は、脳梗塞時の神経病態
の診断に利用することができる。
【0174】(10)癌または癌転移の診断用キット 本発明の抗体を用いて免疫学的手法によっても癌の診断
を行なうことができる。また、本発明のポリヌクレオチ
ドは、ノーザンハイブリダイゼーション法またはPCR
法を用いたそれら癌の診断に利用することが可能であ
る。従って、抗体を用いた診断の場合には、本発明の抗
体の他に、標準抗原として本発明のポリペプチドが含ま
れる。さらにキット中には標準曲線が含まれていてもよ
い。また、ポリヌクレオチドを用いた診断の場合には、
キット中には標識された本発明のポリヌクレオチドが含
まれる。
【0175】(11)神経病態の診断用キット 本発明の抗体を用いて免疫学的手法によっても神経病態
の診断を行なうことができる。また、本発明のポリヌク
レオチドは、ノーザンハイブリダイゼーション法または
PCR法を用いたそれら神経病態の診断に利用すること
が可能である。従って、抗体を用いた診断の場合には、
本発明の抗体の他に、標準抗原として本発明のポリペプ
チドが含まれる。さらにキット中には標準曲線が含まれ
ていてもよい。また、ポリヌクレオチドを用いた診断の
場合には、キット中には標識された本発明のポリヌクレ
オチドが含まれる。
【0176】(12)本発明ポリペプチドのDNAの転
写抑制およびmRNAの翻訳抑制方法 本発明のポリヌクレオチドを投与することにより、本発
明のポリペプチドの生産を抑制することができる。即
ち、本発明のポリヌクレオチドを用いて、本発明のポリ
ペプチドをコードするDNAの転写の抑制、本発明のポ
リペプチドをコードするmRNAの翻訳の抑制を行うこ
とが可能である。
【0177】(13)結合物質のスクリーニング方法 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドは、本発
明のポリペプチドに結合する蛋白質を探索し、またはス
クリーニングするための試薬として有用である。すなわ
ち、本発明は、本発明のポリペプチドもしくはその塩ま
たは本発明の部分ペプチドもしくはその塩と被験物質と
を接触させることを特徴とする本発明のポリペプチドに
対する結合物質のスクリーニング方法を提供する。被験
物質としては、例えば、トリプシン等のプロテアーゼに
属するタンパク質、ヒトまたは哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽
出物、細胞培養上清などが用いられる。これらの被験物
質を本発明のポリペプチドに添加し、結合活性などを測
定しながら分画し、最終的に単一の結合物質を得ること
ができる。また、プロテアーゼに関しては、その活性を
本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドが阻害す
ることが可能かどうか検討することによりスクリーニン
グすることも可能である。
【0178】具体的には、本発明の結合物質スクリーニ
ング方法は、本発明のポリペプチドもしくはその部分ペ
プチドを用いるか、組換え型ポリペプチドの発現系を構
築し、その発現系を用いた結合アッセイ系を用いるか、
本発明のポリペプチドに結合して細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化またはpHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
か、あるいはプロテアーゼに対する阻害活性を測定して
スクリーニングすることができる。
【0179】まず、結合物質スクリーニング方法に用い
るポリペプチドとしては、上記した本発明のポリペプチ
ドまたは本発明の部分ペプチドを含有するものであれば
何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて大量発
現させたポリペプチドが適している。本発明のポリペプ
チドを製造するには、前述の発現方法が用いられるが、
そのポリペプチドをコードするDNAを哺乳動物細胞ま
たは昆虫細胞で発現することにより行なうことが好まし
い。目的とする蛋白質部分をコードするDNA断片に
は、通常、相補的なDNAが用いられるが、必ずしもこ
れに制約されるものではない。例えば、遺伝子断片また
は合成DNAを用いてもよい。本発明のポリペプチドを
コードするDNA断片を宿主動物細胞に導入し、それら
を効率よく発現させるためには、そのDNA断片を昆虫
を宿主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウイ
ルス(nuclear polyhedrosis v
irus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV
40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモータ
ー、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショッ
クプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、
SRαプロモーターなどの下流に組み込むのが好まし
い。発現したポリペプチドの量と質の検査はそれ自体公
知の方法で行うことができる。例えば、文献[Namb
i,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(J.Biol.Chem.),267
巻,19555〜19559頁,1992年]に記載の
方法に従って行うことができる。
【0180】したがって、本発明の結合物質スクリーニ
ング方法において、本発明のポリペプチドもしくはその
部分ペプチドを含有するものとしては、それ自体公知の
方法に従って精製したポリペプチドもしくはその部分ペ
プチドであってもよいし、本発明のポリペプチドを含有
する細胞またはその細胞上清を用いてもよい。本発明の
結合物質スクリーニング方法において、本発明のポリペ
プチドを含有する細胞を用いる場合、その細胞をグルタ
ルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固
定化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうことがで
きる。本発明のポリペプチドを含有する細胞としては、
本発明のポリペプチドを発現した宿主細胞をいうが、そ
の宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、動物細
胞、植物細胞、昆虫細胞などが用いられる。細胞上清画
分としては、細胞の培養上清に含まれる画分のことをい
う。
【0181】本発明のポリペプチドまたはその塩に対す
る結合物質をスクリーニングするためには、適当なポリ
ペプチド画分と、標識した被検物質が必要である。ポリ
ペプチド画分としては、天然型のポリペプチド画分か、
またはそれと同等の活性を有する組換え型ポリペプチド
画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等の
結合物質結合活性、シグナル情報伝達作用などを示す。
標識した被検物質としては、[3H]、[125I]、[14
C]、[35S]などで標識した、例えば、タイプIVコ
ラーゲンおよびラミニン等の基底膜タンパク質に属する
タンパク質を挙げることができる。
【0182】具体的には、本発明のポリペプチドまたは
その塩に対する結合物質のスクリーニング方法を行なう
には、まず本発明のポリペプチドを含有する細胞培上清
を、スクリーニング方法に適したバッファーに懸濁する
ことによりポリペプチド標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バ
ッファー、トリス−塩酸バッファーなどの結合物質とポ
リペプチドとの結合を阻害しないバッファーであればい
ずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的
で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
またはウシ血清アルブミンまたはゼラチンなどの各種蛋
白質をバッファーに加えることもできる。さらに、プロ
テアーゼによる結合物質の分解を抑える目的でPMS
F、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペ
プスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することも
できる。0.01ml〜10mlのそのポリペプチド溶
液に、一定量(5000cpm〜500000cpm)
の[3H]、[125I]、[14C]、[35S]などで標識
した被検物質を共存させる。非特異的結合量(NSB)
を知るために大過剰の未標識の被検物質を加えた反応チ
ューブも用意する。反応は約0℃から50℃、望ましく
は約4℃から37℃で、約20分から24時間、望まし
くは約30分から3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾
紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラ
ス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーション
カウンターあるいはγ−カウンターで計測する。全結合
量(B)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウン
ト(B−NSB)が0cpmを超える被検物質を本発明
のポリペプチドまたはその塩に対する結合物質として選
択することができる。
【0183】本発明のポリペプチドに対する結合物質を
スクリーニングするためには、本発明のポリペプチドを
介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセ
チルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化またはpHの低下などを促進する活性または抑制
する活性またはなど)を公知の方法または市販の測定用
キットを用いて測定することができる。具体的には、ま
ず、ポリペプチドを含有する細胞をマルチウェルプレー
ト等に培養する。結合物質スクリーニングを行なうにあ
たっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さ
ない適当なバッファーに交換し、被検物質などを添加し
て一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは
上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従
って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例え
ば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解
酵素によって検定困難な場合は、その分解酵素に対する
阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、c
AMP産生抑制などの活性については、フォルスコリン
などで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対
する産生抑制作用として検出することができる。
【0184】本発明のポリペプチドに対する結合物質と
してプロテアーゼをスクリーニングするためには、本発
明のポリペプチドを介するプロテアーゼ阻害活性を公知
の方法または市販の測定用キットを用いて測定すること
ができる。具体的には、本発明のポリペプチドを、市販
のプロテアーゼ測定キットに加え、阻害活性を測定する
ことにより検出することができる。
【0185】(14)結合物質のスクリーニング用キッ
ト 本発明のポリペプチドまたはその塩に結合する蛋白質ス
クリーニング用キットは、本発明のポリペプチドもしく
はその塩、本発明の部分ペプチドもしくはその塩、本発
明のポリペプチドを含有する細胞、または本発明のポリ
ペプチドを含有する細胞上清画分などを含有するもので
ある。本発明の結合物質スクリーニング用キットの例と
しては、次のものが挙げられる。
【0186】(i)結合物質のスクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液Hanks’ Bal
anced SaltSolution(インビトロジ
ェン社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグ
マ社製)を加えたもの。孔径0.45μmのフィルター
で濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製し
ても良い。 (a)本発明のポリペプチドを発現させたCHO細胞
を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37
℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。 (b)標識被検物質:市販の[3H]、[125I]、[14
C]、[35S]などで標識した被検物質、または適当な
方法で標識化した被検物質の水溶液状態のものを4℃あ
るいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1
μMに希釈する。水に難溶性を示す被検物質について
は、ジメチルホルムアミド、DMSO、メタノール等に
溶解する。 (c)非標識被検物質:標識物質と同じものを100〜
1000倍濃い濃度に調製する。
【0187】(ii)測定法 (a)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の
ポリペプチド発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 (b)標識被検物質を5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには非標識被検物質
を5μl加えておく。 (c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗
浄する。細胞に結合した標識被検物質を0.2N Na
OH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレータ
ーA(和光純薬製)と混合する。 (d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定する。
【0188】(15)結合活性調節物質のスクリーニン
グ方法 本発明のポリペプチドと結合物質との結合性を変化させ
る物質のスクリーニング方法としては、本発明のポリペ
プチドまたは組換え型ポリペプチド等の発現系を構築
し、バイオアッセイ系または結合アッセイ系を用いるこ
とによって、結合物質と本発明のポリペプチド等との結
合性を変化させる物質(例えば、ペプチド、蛋白質、非
ペプチド性物質、合成物質、発酵生産物など)またはそ
の塩を効率よくスクリーニングすることができる。この
ような物質には、(a)結合物質と本発明のポリペプチ
ドとの結合を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化またはpHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を増強あるいは減少させる
物質、(b)結合物質と本発明のポリペプチドとの結合
力を増強する物質あるいは減少させる物質が挙げられ
る。すなわち、本発明は、(i)本発明のポリペプチド
もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、結合物質と
を接触させた場合と(ii)本発明のポリペプチドもし
くはその部分ペプチドまたはそれらの塩と、結合物質お
よび被検物質とを接触させた場合との比較を行なうこと
を特徴とする結合物質と本発明のポリペプチドもしくは
その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる
物質のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリ
ーニング方法においては、(i)および(ii)の場合
における、例えば、細胞刺激活性あるいは本発明のポリ
ペプチドと結合物質との結合量などを測定して、比較す
ることを特徴とする。
【0189】より具体的には、本発明のスクリーニング
方法としては、(a)標識した結合物質を、本発明のポ
リペプチド等に接触させた場合と、標識した結合物質お
よび被検物質を本発明のポリペプチド等に接触させた場
合における、標識した結合物質の本発明のポリペプチド
等に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
結合物質と本発明のポリペプチド等との結合性を変化さ
せる物質のスクリーニング方法、(b)標識した結合物
質を、本発明のポリペプチド等を含有する細胞または本
発明の細胞の上清画分に接触させた場合と、標識した結
合物質および被検物質を本発明のポリペプチド等を含有
する細胞または本発明の細胞の上清画分に接触させた場
合における、標識した結合物質の本発明の細胞またはそ
の上清画分に対する結合量を測定し、比較することを特
徴とする結合物質と本発明のポリペプチド等との結合性
を変化させる物質のスクリーニング方法、(c)標識し
た結合物質を、本発明のポリヌクレオチドを含有する形
質転換体を培養することによって細胞上清に分泌された
ポリペプチド等に接触させた場合と、標識した結合物質
および被検物質を本発明のポリヌクレオチドを含有する
形質転換体を培養することによって細胞上清上に発現し
た本発明のポリペプチド等に接触させた場合における、
標識した結合物質の本発明のポリペプチド等に対する結
合量を測定し、比較することを特徴とする結合物質と本
発明のポリペプチド等との結合性を変化させる物質また
はその塩のスクリーニング方法などが列挙される。
【0190】(16)結合活性調節物質のスクリーニン
グ用キット 結合物質と本発明のポリペプチド等との結合性を変化さ
せる物質またはその塩のスクリーニング用キットは、本
発明のポリペプチド、本発明のポリペプチドを含有する
細胞、または本発明のポリペプチドを含有する細胞の上
清画分を含有するものなどである。本発明のスクリーニ
ング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
【0191】(i)スクリーニング用試薬 (a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液:Hanks’
Balanced Salt Solution(イ
ンビトロジェン社製)に、0.05%のウシ血清アルブ
ミン(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.45μmの
フィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは
用時調製しても良い。 (b)ポリペプチド標品:本発明のポリペプチドを発現
させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/
穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日
間培養したもの。 (c)標識結合物質:市販の[3H]、[125I]、[14
C]、[35S]などで標識した結合物質 の水溶液の状
態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測
定用緩衝液にて1μMに希釈する。 (d)結合物質:標準液結合物質を0.1%ウシ血清ア
ルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるよ
うに溶解し、−20℃で保存する。
【0192】(ii)測定法 (a)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の
ポリペプチド発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 (b)10-3〜10-10Mの被検物質溶液を5μl加え
た後、標識結合物質を5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには被検物質の代わ
りに10-3Mの結合物質を5μl加えておく。 (c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗
浄する。細胞に結合した標識結合物質を0.2N Na
OH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレータ
ーA(和光純薬製)と混合する。 (d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定し、PMBを求める。
【0193】(17)発現調節物質のスクリーニング方
法 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現調
節物質のスクリーニング方法は、本発明のポリヌクレオ
チドあるいは上記(5)記載の抗体を、プローブとして
用いることにより、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドの発現調節物質のスクリーニングに用いるこ
とができる。すなわち本発明は、例えば、(i)非ヒト
哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器から単離した組織も
しくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれる本
発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドのmRNA
量あるいはタンパク質量を測定することにより、本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現調節物質
のスクリーニングを行うことができる。
【0194】(18)発現調節物質のスクリーニング用
キット 本発明のポリペプチドの発現調節物質またはその塩のス
クリーニング用キットは、本発明のポリペプチド、本発
明のポリペプチドを含有する細胞、または本発明のポリ
ペプチドを含有する細胞の上清画分を含有するものなど
である。本発明のスクリーニング用キットの例として
は、次のものが挙げられる。
【0195】(19)免疫学的定量方法に基づくスクリ
ーニング用キット 本発明ポリペプチドの定量方法としては、液相中で本発
明のポリペプチドと反応する抗体のうちエピトープが異
なる2種類のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ
ELISA法、126I等の放射性同位体で標識した本
発明の蛋白質と本発明の蛋白質を認識する抗体とを用い
るラジオイムノアッセイ法等を挙げることができる。従
って、抗体を用いた診断の場合には、本発明の抗体の他
に、標準抗原として本発明のポリペプチドが含まれる。
さらにキット中には標準曲線が含まれていてもよい。
【0196】(20)分子生物学的定量方法に基づくス
クリーニング用キット 本発明のポリヌクレオチドあるいは本発明のDNAより
調製した上記オリゴヌクレオチドを用い、ノーザンハイ
ブリダイゼーション法またはPCR法により、本発明の
ポリペプチドをコードするDNAの発現量をmRNAレ
ベルで定量することができる。
【0197】具体的には、(i)正常あるいは疾患モデ
ル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て、薬剤(例えば、抗癌剤など)などを与え、一定時間
経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、
脳、胃、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あ
るいは細胞を得る。得られた細胞に含まれる本発明のポ
リペプチドまたはその部分ペプチドのmRNAは、例え
ば、通常の方法により細胞等からmRNAを抽出し、例
えばTaqManPCRなどの手法を用いることにより
定量することができ、自体公知の手段によりノザンブロ
ットを行うことにより解析することもできる。
【0198】または、(ii)本発明のポリペプチドも
しくはその部分ペプチドを発現する形質転換体を前述の
方法に従い作製し、本発明の形質転換体に含まれる本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドのmRNAを
同様にして定量、解析することができる。さらに、本発
明のポリヌクレオチドをプローブとして、公知の方法
[東京大学医科学研究所制癌研究部編、新細胞工学実験
プロトコール、秀潤社(1993年)]を用いて、本発
明の遺伝子のプロモーター領域を取得することが可能で
ある。本発明の抗体を用いて免疫学的手法によって本発
明のポリペプチドの発現量の定量を行なうことができ
る。また、本発明のポリヌクレオチドは、ノーザンハイ
ブリダイゼーション法またはPCR法を用い、本発明の
ポリペプチドのmRNAの発現量の定量を行なうことが
できる。また、ポリヌクレオチドを用いた診断の場合に
は、キット中には標識された本発明のポリヌクレオチド
が含まれる。
【0199】(i)スクリーニング用試薬 (a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液:Hanks’
Balanced Salt Solution(イ
ンビトロジェン製)に、0.05%のウシ血清アルブミ
ン(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.45μmのフ
ィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用
時調製しても良い。 (b)ポリペプチド標品:本発明のポリペプチドを発現
させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/
穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日
間培養したもの。 (c)標識結合物質:市販の[3H]、[125I]、[14
C]、[35S]などで標識した結合物質 の水溶液の状
態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測
定用緩衝液にて1μMに希釈する。 (d)結合物質:標準液結合物質を0.1%ウシ血清ア
ルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるよ
うに溶解し、−20℃で保存する。
【0200】(ii)測定法 (a)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の
ポリペプチド発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 (b)10-3〜10-10Mの被検物質溶液を5μl加え
た後、標識結合物質を5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには被検物質の代わ
りに10-3Mの結合物質を5μl加えておく。 (c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗
浄する。細胞に結合した標識結合物質を0.2N Na
OH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレータ
ーA(和光純薬製)と混合する。 (d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定し、PMBを求める。
【0201】(21)非ヒトノックアウトおよび非ヒト
トランスジェニック動物の作製 本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを用い、目的
とする非ヒト動物、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、
ウマ、ニワトリ、マウス等の胚性幹細胞(embryo
nic stem cell)において染色体上の本発
明のポリペプチドをコードするDNAを公知の相同組換
えの手法[例えば、Nature,326,6110,
295(1987)、Cell,51,3,503(1
987)等]により不活化または任意の配列と置換した
変異クローンを作成することができる[例えば、Nat
ure,350,6315,243(1991)]。
【0202】このようにして作成した胚性幹細胞クロー
ンを用い、非ヒト動物の受精卵の胚盤胞(blastc
yst)への注入キメラ法または集合キメラ法等の手法
により胚性幹細胞クローンと正常細胞からなるキメラ個
体を作成することができる。本発明のキメラ個体と正常
個体の掛け合わせにより、全身の細胞の染色体上の本発
明のポリペプチドをコードするDNAに任意の変異を有
する個体を得ることができ、さらにその個体の掛け合わ
せにより相同染色体の双方に変異が入った、ホモ個体を
得ることができる。
【0203】このようにして動物個体において、染色体
上の本発明のポリペプチドをコードするDNAの任意の
位置へ変異の導入が可能である。例えば染色体上の本発
明のポリペプチドをコードするDNAの翻訳領域中への
塩基置換、欠失、挿入等の変異を導入することにより、
その産物の活性を変化させることができる。
【0204】またその発現制御領域への同様な変異の導
入により、発現の程度、時期、組織特異性等を改変させ
ることも可能である。さらにCre−loxP系との組
合せにより、より積極的に発現時期、発現部位、発現量
等を制御することも可能である。このような例として、
脳のある特定の領域で発現されるプロモータを利用し
て、その領域でのみ目的遺伝子を欠失させた例[Cel
l,87,7,1317(1996)]またはCreを
発現するアデノウィルスを用いて、目的の時期に、臓器
特異的に目的遺伝子を欠失させた例[Science,
278,5335,(1997)]が知られている。従
って染色体上の本発明のポリペプチドをコードするDN
Aについてもこのように任意の時期または組織で発現を
制御できる、または任意の置換、欠失、挿入、不可をそ
の翻訳領域または発現制御領域に有する非ヒトノックア
ウトまたは非ヒトトランスジェニック動物を作製するこ
とが可能である。
【0205】このようなノックアウトおよびトランスジ
ェニック非ヒト動物は任意の時期、任意の程度または任
意の部位で、本発明のポリペプチドに起因する種々の疾
患の症状を誘導することができる。従って、本発明のノ
ックアウトおよびトランスジェニック非ヒト動物は、本
発明のポリペプチドに起因する種々の疾患の治療または
予防において極めて有用な動物モデルとなる。特にその
治療薬、予防薬等の評価用モデルとして非常に有用であ
る。
【0206】(22)医薬 本発明の抗体、結合物質、結合調節物質、または発現調
節物質を含有する医薬は、治療薬として本発明の物質単
独で投与することも可能ではあるが、通常は薬理学的に
許容される一つあるいはそれ以上の担体と一緒に混合
し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法
により製造した医薬製剤として提供するのが望ましい。
【0207】投与経路は、治療に際して最も効果的なも
のを使用するのが望ましく、経口投与、または口腔内、
気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の非経口
投与を挙げることができる。投与形態としては、噴霧
剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座
剤、注射剤、軟膏、テープ剤等があげられる。
【0208】経口投与に適当な製剤としては、乳剤、シ
ロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等があげら
れる。例えば乳剤およびシロップ剤のような液体調製物
は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール等のグリコー
ル類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒド
ロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフ
レーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加剤と
して用いて製造できる。カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒
剤等は、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール等の賦
形剤、デンプン、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチ
ン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセ
リン等の可塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
【0209】非経口投与に適当な製剤としては、注射
剤、座剤、噴霧剤等があげられる。例えば、注射剤は、
塩溶液、ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる
担体等を用いて調製する。座剤はカカオ脂、水素化脂肪
またはカルボン酸等の担体を用いて調製される。また、
噴霧剤は本発明の物質そのもの、ないしは受容者の口腔
および気道粘膜を刺激せず、かつ本発明の物質を微細な
粒子として分散させ吸収を容易にさせる担体等を用いて
調製する。担体として具体的には乳糖、グリセリン等が
例示される。本発明の物質および用いる担体の性質によ
り、エアロゾル、ドライパウダー等の製剤が可能であ
る。また、これらの非経口剤においても経口剤で添加剤
として例示した成分を添加することもできる。
【0210】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる物質またはその塩
は、結合物質と本発明のポリペプチド等との結合活性を
変化させる作用を有する物質であり、具体的には、
(a)結合物質と本発明のポリペプチドとの結合を介す
る細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜
電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化またはpHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を増強あるいは減少させる物質、(b)結合
物質と本発明のポリペプチドとの結合活性を増強する物
質あるいは減少させる物質である。
【0211】本発明の物質としては、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性物質、合成物質、発酵生産物などが挙
げられ、これら物質は新規な物質であってもよいし、公
知の物質であってもよい。本発明のポリペプチド等に対
するアゴニストは、本発明のポリペプチド等に対する結
合物質が有する生理活性と同様の作用を有しているの
で、本発明の結合物質活性に応じて安全で低毒性な医薬
として有用である。本発明のポリペプチド等に対するア
ンタゴニストは、本発明のポリペプチド等に対する結合
物質が有する生理活性を抑制することができるので、本
発明の結合物質活性を抑制する安全で低毒性な医薬とし
て有用である。結合物質と本発明のポリペプチドとの結
合力を増強する物質は、本発明のポリペプチド等に対す
る結合物質が有する生理活性を増強するための安全で低
毒性な医薬として有用である。結合物質と本発明のポリ
ペプチドとの結合力を減少させる物質は、本発明のポリ
ペプチド等に対する結合物質が有する生理活性を減少さ
せるための安全で低毒性な医薬として有用である。
【0212】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドの発現量を変化させる物質を含有する各種疾病の予
防および/または治療剤本発明のポリペプチドは前述の
とおり、例えば中枢機能など生体内で何らかの重要な役
割を果たしていると考えられる。従って、本発明のポリ
ペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を変化させる
物質は、本発明のポリペプチドの機能不全に関連する疾
患の予防および/または治療剤として用いることができ
る。本発明の物質を本発明のポリペプチドの機能不全に
関連する疾患の予防および/または治療剤として使用す
る場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、本発明の物質は、必要に応じて糖衣を施した錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤な
どとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学
的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明
の物質を生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦
形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに
一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で
混和することによって製造することができる。これら製
剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が
得られるようにするものである。
【0213】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖またはその他の補助薬を含む
等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトー
ル、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解
補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリ
アルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベ
ート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。
【0214】また、上記予防剤および治療剤は、例え
ば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、
塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アル
ブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例え
ば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止
剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適
当なアンプルに充填される。このようにして得られる製
剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳
動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。本発明の物質またはその塩の投与量は、投
与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあ
るが、経口投与の場合、一般的に例えば、高血圧症患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜
100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ま
しくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する
場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、
投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形
では通常例えば、高血圧症患者(60kgとして)にお
いては、一日につき約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。投与量または投与回数は、目
的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等
により異なるが、通常成人1日当たり10μg/kg〜
8mg/kgである。
【0215】
【実施例】以下実施例を示す。遺伝子操作的手法とし
て、特に断らない限りモレキュラー・クローニング第2
版に記載された方法を用いた。以下の実施例は、本発明
の例示の目的でのみ提供され、決して限定を意図しない
ことを付記する。
【0216】(実施例1 ps20と相同性を有する新
規ポリペプチド(14B2)をコードするcDNAのク
ローニング)ラット脳より、GIBCO BRL社製の
TRIzol試薬(商品番号1559−026)を用い
て、その処方に従い全RNAを抽出し、500μgの全
RNAを得た。この全RNAより、アマシャムファルマ
シアバイオテク社製QuickPrep Micro
mRNA Purification Kit(商品番
号27−9255−01)のオリゴ(dT)セルロース
カラムを用いて4μgのポリ(A)+RNAを得た。こ
のポリ(A)+RNA3μgをオリゴ(dT)プライマ
ーおよびSuperScript II MMLV R
Nase H−逆転写酵素(GIBCO BRL社製)
を用いて第一鎖(first strand)DNA
を合成した後、E.coli DNA polymer
aseI、RNase H を用いて第二鎖(seco
nd strand)DNAを合成し、ポリ(A)+R
NAから2本鎖cDNAを得た。この 2本鎖DNAを
T4DNA polymerase(GIBCO BR
L社製)で処理し末端を平滑化した後、EcoRIアダ
プター(GIBCO BRL社製)を付加した。この両
末端にEcoRIアダプターが付加された2本鎖DNA
にT4ポリヌクレオチドキナ−ゼ(GIBCO BRL
社製)を用いてEcoRIアダプターにリン酸基を導入
した。このcDNAを、ゲル濾過によって約400bp
以下のcDNAを除去し、T4DNAリガーゼ(GIB
CO BRL社製)を用いてプラスミドベクターである
pSportI(GIBCO BRL社製)に組み込ん
だ。この組み換え体プラスミドDNAをエタノール沈澱
後、10mM トリス−HCl(pH8.0)および1
mMEDTA(エチレンジアミン4酢酸ナトリウム)か
らなる緩衝液(以下、TE緩衝液と略記する)20μl
に溶解した。その溶解液を用い、エレクトロポーレーシ
ョン法[Nucleic Acids Res.,1
6,6127(1988)]により大腸菌DH10B株
(GIBCO BRL社製)を形質転換し、約100万
個のアンピシリン耐性を有する形質転換体を取得し、c
DNAライブラリー(挿入率 95%)を作製した。こ
のcDNAライブラリーを有する大腸菌DH10B株
を、公知の方法[モレキュラー・クローニング第2版]
に従ってLBプレート上に生育させ、生えてきた約10
00個のコロニーより、キアジェン(Qiagen)社
製のプラスミド調製キットであるQIAprep Sp
in Miniprep Kit(商品番号2710
4)を用いてプラスミドを調製した。
【0217】得られた1000個の上記プラスミドの塩
基配列を解析し、既知のps20のアミノ酸配列とホモ
ロジーを有するが完全には一致しないアミノ酸配列(配
列番号8)をコードするDNA断片(配列番号7)を有
するプラスミドを選択した。サンガー(Sanger)
らのジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,74,5463(1977)]により、
DYEnamic ET dye terminato
r kit(アマシャムファルマシアバイオテク社製)
を用いて、そのプラスミドに挿入されているcDNAの
塩基配列をメガベースDNAシークエンサー(アマシャ
ムファルマシアバイオテク社製)を用いて決定した。p
s20との比較のためのアミノ酸配列の至適アラインメ
ントは、遺伝子情報処理ソフトウェアであるGENET
YX(ソフトウェア株式会社製)を用いて、Lipma
n− Pearson法 Scinence.227:
1435−1441(1985)により実施した。その
プラスミドを制限酵素EcoRI(宝酒造)で消化した
後、キアジェン(Qiagen)社製のDNA調製キッ
トであるQIAquick Gel Extracti
on Kit(商品番号28706)等を用いて挿入さ
れているcDNA断片を得た。
【0218】ヒト胎児脳ポリ(A)+RNA(Clon
tech社)5μg をNotI部位を有するオリゴヌ
クレオチド(GACTAGTTCTAGATCGCGA
GCGGCCGCCC(T)15)(GIBCO BR
L社製)と SuperScript II MMLV
RNase H−逆転写酵素(GIBCO BRL社
製)を用いて第一鎖(first strand)DN
A を合成した後、E.coli DNA polym
erase I、RNase Hを用いて第二鎖(se
cond strand)DNA を合成し、ポリ
(A)+RNAから2本鎖cDNAを得た。この2本鎖
DNAをT4DNA polymerase(GIBC
O BRL社製)で処理し末端を平滑化した後、Sal
I部位を有するアダプター(GIBCO BRL社製)
を付加した。その後、NotI消化し、1%濃度の低融
解アガロース電気泳動により、3kb以上のDNA断片
を精製した。精製cDNA断片を、SalI−NotI
制限酵素処理したpBluescript II SK
+プラスミドとライゲーションした。大腸菌 Elec
troMaxDH10B株(GIBCO BRL社製)
にエレクトロポレーション法を用いてこの組換えプラス
ミドを導入した。次いで、こうして構築したcDNAラ
イブラリーから、約34,000個の組換え体を選択
し、これらクローンの両末端DNA配列を決定した。
【0219】得られた個々のそのプラスミドの塩基配列
を解析し、ps20のアミノ酸配列とホモロジーを有す
るが完全には一致しないアミノ酸配列をコードするラッ
トDNA断片(配列番号7)と強い相同性を有するDN
A断片を持つプラスミドを選択した。サンガー(San
ger)らのジデオキシ法[Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,74,5463(1977)]
により、DYEnamic ET dye termi
nator kit(アマシャムファルマシアバイオテ
ク社製)を用いて、そのプラスミドに挿入されているc
DNAの塩基配列をメガベースDNAシークエンサー
(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて決
定した。ps20との比較のためのアミノ酸配列の至適
アラインメントは、遺伝子情報処理ソフトウェアである
GENETYX(ソフトウェア株式会社製)を用いて、
Lipman− Pearson法 Scinenc
e.227:1435−1441(1985)により実
施した。
【0220】取得されたプラスミドが有するcDNAの
塩基配列は、DYEnamic ET dye ter
minator kit(アマシャムファルマシアバイ
オテク社製)を用いて、MegaBaseDNAシーク
エンサー(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に
より決定した。このcDNA(配列番号1)には576
個のアミノ酸よりなるポリペプチド(以下、14B2と
呼ぶ)がコードされていた(配列番号2)。14B2は
アミノ末端より1位から27位までの領域が、予想され
るシグナルペプチド領域(SP,Signal pep
tide)である。42位から91位にはWAP領域
が、134位から175位にはKazal型セリンプロ
テアーゼインヒビター領域が、224位から289位に
は細胞接着に関与することが知られている免疫グロブリ
ン領域が、328位から378位および386位から4
36位には2つのKunitz型セリンプロテアーゼイ
ンヒビター領域が、さらに455位から562位にはN
TR領域が存在した(図1)。ラットの14B2のcD
NA断片の対応する領域のアミノ酸配列と92%の相同
性を有していることから、ヒト14B2であることが示
された。ヒト14B2のWAP領域はヒトのps20
のWAP領域と26%の相同性を有していた。また、全
体としては、WFIKKNと類似性が最も高く、54%
の相同性を有していた。
【0221】(実施例2 ヒト正常組織における14B
2のmRNAの発現)実施例1に記載のcDNA断片
(配列番号1)より2つのPCR用プライマー(5’−
CAGATTAGACAGGCTTGGGAC−3’
(配列番号9)および、5’−AAGCTGGTGGT
CACGAGTAAC−3’(配列番号10))を設計
した。このプライマーを用いてRT−PCR ELIS
A法(Nagase T,Ishikawa K,Su
yama M,Kikuno R,Miyajima
N,Tanaka A,Kotani H,Nomur
aN,Ohara O,DNA Res.1998
5;277−286)を行い、ヒト組織での発現プロフ
ァイルを解析した。各種ヒト組織由来のポリ(A)+R
NA(Clontech社)より、ランダムプライマー
(TaKaRa)とSuperScript II M
MLV RNase H− 逆転写酵素(GIBCO
BRL社製)を用いて第一鎖(first stran
d)DNAを合成し、RT−PCRの鋳型とした。その
結果、14B2のmRNAは、卵巣で特に強い発現が認
められた。その他、骨格筋、精巣、脊髄、脳では、海馬
において強い発現が認められた。さらに、胎児期には、
脳において強い発現が観察された(図2)。
【0222】(実施例3 ヒト癌組織における14B2
のmRNAの発現)ヒト由来各種臓器の正常組織および
腫瘍組織における当該遺伝子の発現量の違いについて、
Matched Tumor/Normal Expr
ession Array(CLONTECH社)を用
いて解析した。このドット・ブロット膜はヒトのガン患
者由来組織とそれぞれの組織に対応した同一患者の正常
組織から抽出したトータルRNAをナイロン膜にスポッ
トしたものである。このナイロン膜を、0.5M燐酸バ
ッファー(pH7.2)、1%ウシ血清アルブミン、1
mM EDTA、7%SDSからなるハイブリダイゼー
ション・バッファーに浸し、65℃で1時間、予備ハイ
ブリダイゼーションを行った。次に、実施例1に記載の
cDNA断片(配列番号1)50 ngを、[α−
32P] dCTP(6000Ci/mmol,20mC
i/ml)(NEN 社)を用いてRediprime
II DNA Labelling System
(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を使用し
て、その処方に従い32P標識した。32P標識当該遺伝子
cDNA断片をプローブとして同バッファーに加えた液
にナイロン膜を移し、65℃で16時間ハイブリダイゼ
ーションを行った。引続きこのナイロン膜を2xSSC
で室温で5分濯いだ後、1xSSCで50℃で30分、
0.5xSSCで50℃で30分洗浄した。風乾後この
ナイロン膜を富士写真フィルム社のイメージング・プレ
ートに密着させ、同社イメージ・アナライザーFLA3
000で画像解析を行った。各シグナルの強度を解析
し、それらの標準化には、同ナイロン膜をデハイブリダ
イズ後、ヒト・ユビキチン遺伝子をプローブとして同様
にハイブリダイズさせた場合のシグナル強度によって補
正を行った。こうして得られた標準化シグナル強度につ
いて、正常組織に対する癌組織の割合を求め、当該遺伝
子の各種癌組織における発現量の変化を解析した。その
結果、4人の胃癌患者、2人の子宮癌患者、2人の乳癌
患者で、正常組織と比較して癌組織における14B2遺
伝子の発現の増加が観察された(図3)。
【0223】(実施例4 ラット組織における14B2
のmRNAの発現)ラット各組織より、GIBCO B
RL社製のTRIzol試薬(商品番号1559−02
6)を用いて、その処方に従い全RNAを抽出し、50
μgの全RNAを得た。このRNA1μgを用いて、C
lontech社製のAdvantage RT fo
r PCR kit(商品番号K1402−2)を用い
てcDNAを合成した。次に、実施例1に記載のcDN
A断片(配列番号7)を基に、TaqMan用のプライ
マーおよびプローブ検索ソフトPrimer Expr
ess(ABI社製)によりプライマーとプローブを選
択した。プローブとプライマーはABI社に合成を依頼
した。このプライマーおよびプローブを用いて、合成し
たcDNAを鋳型としてTaqMan反応を行い、mR
NA量を定量した。反応試薬としてはGIBCO BR
L社製のPlatinum Quantitative
PCR SuperMix−UDG(商品番号 11
730−025)を用いて、50℃で2分、95℃で2
分反応した後、95℃で2分および60℃で1分の反応
を40回行って提唱した。その結果14B2のはラット
においては、脳、骨格筋、精巣、胸腺で強く発現してい
た。(図4)。
【0224】(実施例5 ラット脳虚血における14B
2のmRNAの発現)ラット中大動脈閉塞(middl
e cerebral artery occlusi
on:MCAO)再灌流モデルの作製は、小泉[脳卒
中,8,1(1986)]およびNagasawa[S
troke,20,1037(1989)]らの方法に
従い行った。雄性Wistarラット(10週齢、日本
エスエルシー社)を吸入麻酔機(小動物用麻酔機、MO
DEL TK−4、バイオマシナリー社製)を用いて4
%(2L/分)ハロタン(FLUOTHANE、武田薬
品工業株式会社製)で麻酔を導入し、銅板上に背位に固
定後、麻酔状態は2%ハロタンで維持した。動物の頸部
を脱毛消毒し正中線に沿って皮膚を切開、左側頸動脈を
露出し、迷走神経を傷つけないように剥離を行った。外
頸動脈を止血切除後、頸動脈の一部を切開し、内頸動脈
内へ栓子[長さ22mmの歯科用ナイロン糸(No.4
−0)の約半分に、歯科用精密印象材XANTOPRE
N M(Bayer Dental)を塗布し、室温乾
燥する。実験には直径0.35−0.45mmのものを
用いる]を挿入し、糸で頸動脈とともに結紮後、皮膚を
ミッヘル針で仮縫合した。手術は麻酔による体温の低下
を防ぐため、37℃のホットプレート上で行った。動物
は麻酔から醒めるまでホットプレート上に置き、覚醒後
ホームケージに戻した。閉塞20分後にラットの尾を持
ち上げ、右前肢で胸部をつかむ動物だけを用いた。1時
間閉塞後、再びハロタン麻酔下でミッヘル針を取り除
き、栓子を引き抜き再灌流を行い、内頸動脈からの止血
を施し、ミッヘル針で縫合後、ホームケージに戻した。
再灌流4時間後にラットを断頭し、速やかに脳を摘出
し、線条体の分画を行なった。ラット線条体より、GI
BCO BRL社製のTRIzol試薬(商品番号15
59−026)を用いて、その処方に従い全RNAを抽
出し、30μgの全RNAを得た。このRNA1μgを
用いて、Clontech社製のAdvantage
RT for PCR kit(商品番号K1402−
2)を用いてcDNAを合成した。実施例4に記載した
プライマーおよびプローブを用いて、合成したcDNA
を鋳型としてTaqMan反応を行い、ラット脳虚血に
おける14B2のmRNAの発現量を測定した。その結
果14B2はラット線条体において、脳虚血時に発現が
低下していた(図5)。
【0225】
【発明の効果】本発明により、胃癌マーカーおよび脳梗
塞マーカーであるps20様新規ポリペプチド、本発明
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、本発明
のDNAが組み込まれた組換え体ベクター、本発明の組
換え体ベクターを保有する形質転換体、本発明のポリペ
プチドの製造法、本発明のポリペプチドを認識する抗
体、本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドの定量
方法、本発明のポリペプチドのmRNAの定量方法、本
発明のポリぺプチドに対する結合物質のスクリーニング
方法、本発明のポリぺプチドと結合物質との結合性を変
化させる物質のスクリーニング方法、本発明のポリぺプ
チドの発現を変動させる物質のスクリーニング方法、ノ
ックアウト動物、トランスジェニック動物、癌診断用キ
ットおよび本発明の抗体、結合物質、結合物質との結合
性を変化させる物質、または発現を変動させる物質を含
有する医薬が提供される。
【0226】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Shionogi <120> The novel protease inhibito rprotein and DNA thereof <130> J1-01137397 <140> none <141> 2001-09-26 <160> 10 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 3251 <212> DNA <213> Rattus sp. <220> <221> CDS <222> (194)..(1921) <400> 1 aagccgcaca gcccggcagg ctgtgctgac ttggtggagg cagcagcggc agagcagcct 60 gagcagcagc ctgagcagga aacctgctgg ggtggggagg gcaggtgtct gcagcccctg 120 agaagaaggc cctggtgggc cccagaccct ggcatcgttt caggggaggt ctctagccgc 180 cccagcctgc acc atg tgg gcc cca agg tgt cgc cgg ttc tgg tct cgc 229 Met Trp Ala Pro Arg Cys Arg Arg Phe Trp Ser Arg 1 5 10 tgg gag cag gtg gca gcg ctg ctg ctg ctg ctg cta ctg ctc ggg gtg 277 Trp Glu Gln Val Ala Ala Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Gly Val 15 20 25 ccc ccg cga agc ctg gcg ctg ccg ccc atc cgc tat tcc cac gcc ggc 325 Pro Pro Arg Ser Leu Ala Leu Pro Pro Ile Arg Tyr Ser His Ala Gly 30 35 40 atc tgc ccc aac gac atg aat ccc aac ctc tgg gtg gac gca cag agc 373 Ile Cys Pro Asn Asp Met Asn Pro Asn Leu Trp Val Asp Ala Gln Ser 45 50 55 60 acc tgc agg cgg gag tgt gag acg gac cag gag tgt gag acc tat gag 421 Thr Cys Arg Arg Glu Cys Glu Thr Asp Gln Glu Cys Glu Thr Tyr Glu 65 70 75 aag tgc tgc ccc aac gta tgt ggg acc aag agc tgc gtg gcg gcc cgc 469 Lys Cys Cys Pro Asn Val Cys Gly Thr Lys Ser Cys Val Ala Ala Arg 80 85 90 tac atg gac gtg aaa ggg aag aag ggc cca gtg ggc atg ccc aag gag 517 Tyr Met Asp Val Lys Gly Lys Lys Gly Pro Val Gly Met Pro Lys Glu 95 100 105 gcc aca tgt gac cac ttc atg tgt ctg cag cag ggc tct gag tgt gac 565 Ala Thr Cys Asp His Phe Met Cys Leu Gln Gln Gly Ser Glu Cys Asp 110 115 120 atc tgg gat ggc cag ccc gtg tgt aag tgc aaa gac cgc tgt gag aag 613 Ile Trp Asp Gly Gln Pro Val Cys Lys Cys Lys Asp Arg Cys Glu Lys 125 130 135 140 gag ccc agc ttt acc tgc gcc tcg gac ggc ctc acc tac tat aac cgc 661 Glu Pro Ser Phe Thr Cys Ala Ser Asp Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn Arg 145 150 155 tgc tac atg gat gcc gag gcc tgc tcc aaa ggc atc aca ctg gcc gtt 709 Cys Tyr Met Asp Ala Glu Ala Cys Ser Lys Gly Ile Thr Leu Ala Val 160 165 170 gta acc tgc cgc tat cac ttc acc tgg ccc aac acc agc ccc cca cca 757 Val Thr Cys Arg Tyr His Phe Thr Trp Pro Asn Thr Ser Pro Pro Pro 175 180 185 cct gag acc acc atg cac ccc acc aca gcc tcc cca gag acc cct gag 805 Pro Glu Thr Thr Met His Pro Thr Thr Ala Ser Pro Glu Thr Pro Glu 190 195 200 ctg gac atg gcg gcc cct gcg ctg ctc aac aac cct gtg cac cag tcg 853 Leu Asp Met Ala Ala Pro Ala Leu Leu Asn Asn Pro Val His Gln Ser 205 210 215 220 gtc acc atg ggt gag aca gtg agt ttc ctc tgt gat gtg gtg ggc cgg 901 Val Thr Met Gly Glu Thr Val Ser Phe Leu Cys Asp Val Val Gly Arg 225 230 235 ccc cgg cct gag atc acc tgg gag aag cag ttg gag gat cgg gag aat 949 Pro Arg Pro Glu Ile Thr Trp Glu Lys Gln Leu Glu Asp Arg Glu Asn 240 245 250 gtg gtc atg cgg ccc aac cat gtg cgt ggc aac gtg gtg gtc acc aac 997 Val Val Met Arg Pro Asn His Val Arg Gly Asn Val Val Val Thr Asn 255 260 265 att gcc cag ctg gtc atc tat aac gcc cag ctg cag gat gct ggg atc 1045 Ile Ala Gln Leu Val Ile Tyr Asn Ala Gln Leu Gln Asp Ala Gly Ile 270 275 280 tac acc tgc acg gcc cgg aac gtg gct ggg gtc ctg agg gct gat ttc 1093 Tyr Thr Cys Thr Ala Arg Asn Val Ala Gly Val Leu Arg Ala Asp Phe 285 290 295 300 ccg ctg tcg gtg gtc agg ggt cat cag gct gca gcc acc tca gag agc 1141 Pro Leu Ser Val Val Arg Gly His Gln Ala Ala Ala Thr Ser Glu Ser 305 310 315 agc ccc aat ggc acg gct ttc ccg gcg gcc gag tgc ctg aag ccc cca 1189 Ser Pro Asn Gly Thr Ala Phe Pro Ala Ala Glu Cys Leu Lys Pro Pro 320 325 330 gac agt gag gac tgt ggc gaa gag cag acc cgc tgg cac ttc gat gcc 1237 Asp Ser Glu Asp Cys Gly Glu Glu Gln Thr Arg Trp His Phe Asp Ala 335 340 345 cag gcc aac aac tgc ctg acc ttc acc ttc ggc cac tgc cac cgt aac 1285 Gln Ala Asn Asn Cys Leu Thr Phe Thr Phe Gly His Cys His Arg Asn 350 355 360 ctc aac cac ttt gag acc tat gag gcc tgc atg ctg gcc tgc atg agc 1333 Leu Asn His Phe Glu Thr Tyr Glu Ala Cys Met Leu Ala Cys Met Ser 365 370 375 380 ggg ccg ctg gcc gcg tgc agc ctg ccc gcc ctg cag ggg ccc tgc aaa 1381 Gly Pro Leu Ala Ala Cys Ser Leu Pro Ala Leu Gln Gly Pro Cys Lys 385 390 395 gcc tac gcg cct cgc tgg gct tac aac agc cag acg ggc cag tgc cag 1429 Ala Tyr Ala Pro Arg Trp Ala Tyr Asn Ser Gln Thr Gly Gln Cys Gln 400 405 410 tcc ttt gtc tat ggt ggc tgc gag ggc aat ggc aac aac ttt gag agc 1477 Ser Phe Val Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gly Asn Asn Phe Glu Ser 415 420 425 cgt gag gcc tgt gag gag tcg tgc ccc ttc ccc agg ggg aac cag cgc 1525 Arg Glu Ala Cys Glu Glu Ser Cys Pro Phe Pro Arg Gly Asn Gln Arg 430 435 440 tgt cgg gcc tgc aag cct cgg cag aag ctc gtt acc agc ttc tgt cgc 1573 Cys Arg Ala Cys Lys Pro Arg Gln Lys Leu Val Thr Ser Phe Cys Arg 445 450 455 460 agc gac ttt gtc atc ctg ggc cga gtc tct gag ctg acc gag gag cct 1621 Ser Asp Phe Val Ile Leu Gly Arg Val Ser Glu Leu Thr Glu Glu Pro 465 470 475 gac tcg ggc cgc gcc ctg gtg act gtg gat gag gtc cta aag gat gag 1669 Asp Ser Gly Arg Ala Leu Val Thr Val Asp Glu Val Leu Lys Asp Glu 480 485 490 aaa atg ggc ctc aag ttc ctg ggc cag gag cca ttg gag gtc act ctg 1717 Lys Met Gly Leu Lys Phe Leu Gly Gln Glu Pro Leu Glu Val Thr Leu 495 500 505 ctt cac gtg gac tgg gca tgc ccc tgc ccc aac gtg acc gtg agc gag 1765 Leu His Val Asp Trp Ala Cys Pro Cys Pro Asn Val Thr Val Ser Glu 510 515 520 atg ccg ctc atc atc atg ggg gag gtg gac ggc ggc atg gcc atg ctg 1813 Met Pro Leu Ile Ile Met Gly Glu Val Asp Gly Gly Met Ala Met Leu 525 530 535 540 cgc ccc gat agc ttt gtg ggc gca tcg agt gcc cgc cgg gtc agg aag 1861 Arg Pro Asp Ser Phe Val Gly Ala Ser Ser Ala Arg Arg Val Arg Lys 545 550 555 ctt cgt gag gtc atg cac aag aag acc tgt gac gtc ctc aag gag ttt 1909 Leu Arg Glu Val Met His Lys Lys Thr Cys Asp Val Leu Lys Glu Phe 560 565 570 ctt ggc ttg cac tgaagccccc cacccctccc tgccccctcc ctggccttct 1961 Leu Gly Leu His 575 tccacctatc caccccaatg cctctcagca aactgggcga ggtcagatta gacaggcttg 2021 ggacagcagg gaaacatcaa ccgacgtgtc acagaaaaag ccacagaagg tctcagatca 2081 gcatctattc tttgggttca ataaggggtt catatctttt ttagctgagg gggacaagag 2141 gagaagtcag tggacacatg gaagttactc gtgaccacca gcttgctcag atattctcct 2201 cctcccctca ctggccccac acccctggct ctcccagtca ccctccccta gccagtctcc 2261 cagcaagggt ttaagagatg gccgctgtgt gctggtcaca ggaagtgttg aatggattgg 2321 cttgcaaagg gggtaggtgg ggagagatag gagggcccag ggactcatgg gacacctttc 2381 ccacagcctc ctcgattgct gtgagcagag gccactcgga gttaggggca tgggcaatag 2441 caagctggcg gcagagtcca gcccagcata tgacttgccc tgaatggaag ctgctgaaac 2501 gggtgccttt gggtggtggt cggcttgcct ctgaggccac cacggcacca gcagaatacg 2561 tatttcttct ccttggctgc attggtttgt cgatctagtt cagttcaact cagtggatgt 2621 tctctgaatg cttactgggt gccaggacca cagagagatg ttagtcactg cccagttctt 2681 agagccccaa cacagatacc ctcatcccag ggcccccaga cacacccctc cgctggactc 2741 acaactgtct ggagtttctg tctgatggat ggtgtgcttt catatgccac tggcttcctt 2801 ggacatagat cagacaaaag ccccgggatc tgtttggtag caggagaaat gaaggaagat 2861 gaaaaagcag gcagggaagg gggtagtaaa ggactgagag aggagggagg tggctggaga 2921 aggaaaagga acattgctcg atgctcccat ctggtggcgg cctcaggaac ccacgggaac 2981 ctggaaggag gctctttgtg agacctgggc aaaggatggg gcagctcgtc gatgattttt 3041 ttgtgtttcc aggcttcctg tgtgatcctg gccctccggc cgctagagag aggattggga 3101 aaccccactg tcagctctgc atctgccccc actaccctcc tctgccctat tctgtccctg 3161 cccctccaag ctgaagaagg tccttgtggg gcgtcctcat ttcttcctca aatataagga 3221 ggaagatacc aattaaaagc tcatagtatc 3251 <210> 2 <211> 576 <212> PRT <213> Rattus sp. <400> 2 Met Trp Ala Pro Arg Cys Arg Arg Phe Trp Ser Arg Trp Glu Gln Val 1 5 10 15 Ala Ala Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Gly Val Pro Pro Arg Ser 20 25 30 Leu Ala Leu Pro Pro Ile Arg Tyr Ser His Ala Gly Ile Cys Pro Asn 35 40 45 Asp Met Asn Pro Asn Leu Trp Val Asp Ala Gln Ser Thr Cys Arg Arg 50 55 60 Glu Cys Glu Thr Asp Gln Glu Cys Glu Thr Tyr Glu Lys Cys Cys Pro 65 70 75 80 Asn Val Cys Gly Thr Lys Ser Cys Val Ala Ala Arg Tyr Met Asp Val 85 90 95 Lys Gly Lys Lys Gly Pro Val Gly Met Pro Lys Glu Ala Thr Cys Asp 100 105 110 His Phe Met Cys Leu Gln Gln Gly Ser Glu Cys Asp Ile Trp Asp Gly 115 120 125 Gln Pro Val Cys Lys Cys Lys Asp Arg Cys Glu Lys Glu Pro Ser Phe 130 135 140 Thr Cys Ala Ser Asp Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn Arg Cys Tyr Met Asp 145 150 155 160 Ala Glu Ala Cys Ser Lys Gly Ile Thr Leu Ala Val Val Thr Cys Arg 165 170 175 Tyr His Phe Thr Trp Pro Asn Thr Ser Pro Pro Pro Pro Glu Thr Thr 180 185 190 Met His Pro Thr Thr Ala Ser Pro Glu Thr Pro Glu Leu Asp Met Ala 195 200 205 Ala Pro Ala Leu Leu Asn Asn Pro Val His Gln Ser Val Thr Met Gly 210 215 220 Glu Thr Val Ser Phe Leu Cys Asp Val Val Gly Arg Pro Arg Pro Glu 225 230 235 240 Ile Thr Trp Glu Lys Gln Leu Glu Asp Arg Glu Asn Val Val Met Arg 245 250 255 Pro Asn His Val Arg Gly Asn Val Val Val Thr Asn Ile Ala Gln Leu 260 265 270 Val Ile Tyr Asn Ala Gln Leu Gln Asp Ala Gly Ile Tyr Thr Cys Thr 275 280 285 Ala Arg Asn Val Ala Gly Val Leu Arg Ala Asp Phe Pro Leu Ser Val 290 295 300 Val Arg Gly His Gln Ala Ala Ala Thr Ser Glu Ser Ser Pro Asn Gly 305 310 315 320 Thr Ala Phe Pro Ala Ala Glu Cys Leu Lys Pro Pro Asp Ser Glu Asp 325 330 335 Cys Gly Glu Glu Gln Thr Arg Trp His Phe Asp Ala Gln Ala Asn Asn 340 345 350 Cys Leu Thr Phe Thr Phe Gly His Cys His Arg Asn Leu Asn His Phe 355 360 365 Glu Thr Tyr Glu Ala Cys Met Leu Ala Cys Met Ser Gly Pro Leu Ala 370 375 380 Ala Cys Ser Leu Pro Ala Leu Gln Gly Pro Cys Lys Ala Tyr Ala Pro 385 390 395 400 Arg Trp Ala Tyr Asn Ser Gln Thr Gly Gln Cys Gln Ser Phe Val Tyr 405 410 415 Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gly Asn Asn Phe Glu Ser Arg Glu Ala Cys 420 425 430 Glu Glu Ser Cys Pro Phe Pro Arg Gly Asn Gln Arg Cys Arg Ala Cys 435 440 445 Lys Pro Arg Gln Lys Leu Val Thr Ser Phe Cys Arg Ser Asp Phe Val 450 455 460 Ile Leu Gly Arg Val Ser Glu Leu Thr Glu Glu Pro Asp Ser Gly Arg 465 470 475 480 Ala Leu Val Thr Val Asp Glu Val Leu Lys Asp Glu Lys Met Gly Leu 485 490 495 Lys Phe Leu Gly Gln Glu Pro Leu Glu Val Thr Leu Leu His Val Asp 500 505 510 Trp Ala Cys Pro Cys Pro Asn Val Thr Val Ser Glu Met Pro Leu Ile 515 520 525 Ile Met Gly Glu Val Asp Gly Gly Met Ala Met Leu Arg Pro Asp Ser 530 535 540 Phe Val Gly Ala Ser Ser Ala Arg Arg Val Arg Lys Leu Arg Glu Val 545 550 555 560 Met His Lys Lys Thr Cys Asp Val Leu Lys Glu Phe Leu Gly Leu His 565 570 575 <210> 3 <211> 1728 <212> DNA <213> Rattus sp. <220> <221> CDS <222> (1)..(1728) <400> 3 atg tgg gcc cca agg tgt cgc cgg ttc tgg tct cgc tgg gag cag gtg 48 Met Trp Ala Pro Arg Cys Arg Arg Phe Trp Ser Arg Trp Glu Gln Val 1 5 10 15 gca gcg ctg ctg ctg ctg ctg cta ctg ctc ggg gtg ccc ccg cga agc 96 Ala Ala Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Gly Val Pro Pro Arg Ser 20 25 30 ctg gcg ctg ccg ccc atc cgc tat tcc cac gcc ggc atc tgc ccc aac 144 Leu Ala Leu Pro Pro Ile Arg Tyr Ser His Ala Gly Ile Cys Pro Asn 35 40 45 gac atg aat ccc aac ctc tgg gtg gac gca cag agc acc tgc agg cgg 192 Asp Met Asn Pro Asn Leu Trp Val Asp Ala Gln Ser Thr Cys Arg Arg 50 55 60 gag tgt gag acg gac cag gag tgt gag acc tat gag aag tgc tgc ccc 240 Glu Cys Glu Thr Asp Gln Glu Cys Glu Thr Tyr Glu Lys Cys Cys Pro 65 70 75 80 aac gta tgt ggg acc aag agc tgc gtg gcg gcc cgc tac atg gac gtg 288 Asn Val Cys Gly Thr Lys Ser Cys Val Ala Ala Arg Tyr Met Asp Val 85 90 95 aaa ggg aag aag ggc cca gtg ggc atg ccc aag gag gcc aca tgt gac 336 Lys Gly Lys Lys Gly Pro Val Gly Met Pro Lys Glu Ala Thr Cys Asp 100 105 110 cac ttc atg tgt ctg cag cag ggc tct gag tgt gac atc tgg gat ggc 384 His Phe Met Cys Leu Gln Gln Gly Ser Glu Cys Asp Ile Trp Asp Gly 115 120 125 cag ccc gtg tgt aag tgc aaa gac cgc tgt gag aag gag ccc agc ttt 432 Gln Pro Val Cys Lys Cys Lys Asp Arg Cys Glu Lys Glu Pro Ser Phe 130 135 140 acc tgc gcc tcg gac ggc ctc acc tac tat aac cgc tgc tac atg gat 480 Thr Cys Ala Ser Asp Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn Arg Cys Tyr Met Asp 145 150 155 160 gcc gag gcc tgc tcc aaa ggc atc aca ctg gcc gtt gta acc tgc cgc 528 Ala Glu Ala Cys Ser Lys Gly Ile Thr Leu Ala Val Val Thr Cys Arg 165 170 175 tat cac ttc acc tgg ccc aac acc agc ccc cca cca cct gag acc acc 576 Tyr His Phe Thr Trp Pro Asn Thr Ser Pro Pro Pro Pro Glu Thr Thr 180 185 190 atg cac ccc acc aca gcc tcc cca gag acc cct gag ctg gac atg gcg 624 Met His Pro Thr Thr Ala Ser Pro Glu Thr Pro Glu Leu Asp Met Ala 195 200 205 gcc cct gcg ctg ctc aac aac cct gtg cac cag tcg gtc acc atg ggt 672 Ala Pro Ala Leu Leu Asn Asn Pro Val His Gln Ser Val Thr Met Gly 210 215 220 gag aca gtg agt ttc ctc tgt gat gtg gtg ggc cgg ccc cgg cct gag 720 Glu Thr Val Ser Phe Leu Cys Asp Val Val Gly Arg Pro Arg Pro Glu 225 230 235 240 atc acc tgg gag aag cag ttg gag gat cgg gag aat gtg gtc atg cgg 768 Ile Thr Trp Glu Lys Gln Leu Glu Asp Arg Glu Asn Val Val Met Arg 245 250 255 ccc aac cat gtg cgt ggc aac gtg gtg gtc acc aac att gcc cag ctg 816 Pro Asn His Val Arg Gly Asn Val Val Val Thr Asn Ile Ala Gln Leu 260 265 270 gtc atc tat aac gcc cag ctg cag gat gct ggg atc tac acc tgc acg 864 Val Ile Tyr Asn Ala Gln Leu Gln Asp Ala Gly Ile Tyr Thr Cys Thr 275 280 285 gcc cgg aac gtg gct ggg gtc ctg agg gct gat ttc ccg ctg tcg gtg 912 Ala Arg Asn Val Ala Gly Val Leu Arg Ala Asp Phe Pro Leu Ser Val 290 295 300 gtc agg ggt cat cag gct gca gcc acc tca gag agc agc ccc aat ggc 960 Val Arg Gly His Gln Ala Ala Ala Thr Ser Glu Ser Ser Pro Asn Gly 305 310 315 320 acg gct ttc ccg gcg gcc gag tgc ctg aag ccc cca gac agt gag gac 1008 Thr Ala Phe Pro Ala Ala Glu Cys Leu Lys Pro Pro Asp Ser Glu Asp 325 330 335 tgt ggc gaa gag cag acc cgc tgg cac ttc gat gcc cag gcc aac aac 1056 Cys Gly Glu Glu Gln Thr Arg Trp His Phe Asp Ala Gln Ala Asn Asn 340 345 350 tgc ctg acc ttc acc ttc ggc cac tgc cac cgt aac ctc aac cac ttt 1104 Cys Leu Thr Phe Thr Phe Gly His Cys His Arg Asn Leu Asn His Phe 355 360 365 gag acc tat gag gcc tgc atg ctg gcc tgc atg agc ggg ccg ctg gcc 1152 Glu Thr Tyr Glu Ala Cys Met Leu Ala Cys Met Ser Gly Pro Leu Ala 370 375 380 gcg tgc agc ctg ccc gcc ctg cag ggg ccc tgc aaa gcc tac gcg cct 1200 Ala Cys Ser Leu Pro Ala Leu Gln Gly Pro Cys Lys Ala Tyr Ala Pro 385 390 395 400 cgc tgg gct tac aac agc cag acg ggc cag tgc cag tcc ttt gtc tat 1248 Arg Trp Ala Tyr Asn Ser Gln Thr Gly Gln Cys Gln Ser Phe Val Tyr 405 410 415 ggt ggc tgc gag ggc aat ggc aac aac ttt gag agc cgt gag gcc tgt 1296 Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gly Asn Asn Phe Glu Ser Arg Glu Ala Cys 420 425 430 gag gag tcg tgc ccc ttc ccc agg ggg aac cag cgc tgt cgg gcc tgc 1344 Glu Glu Ser Cys Pro Phe Pro Arg Gly Asn Gln Arg Cys Arg Ala Cys 435 440 445 aag cct cgg cag aag ctc gtt acc agc ttc tgt cgc agc gac ttt gtc 1392 Lys Pro Arg Gln Lys Leu Val Thr Ser Phe Cys Arg Ser Asp Phe Val 450 455 460 atc ctg ggc cga gtc tct gag ctg acc gag gag cct gac tcg ggc cgc 1440 Ile Leu Gly Arg Val Ser Glu Leu Thr Glu Glu Pro Asp Ser Gly Arg 465 470 475 480 gcc ctg gtg act gtg gat gag gtc cta aag gat gag aaa atg ggc ctc 1488 Ala Leu Val Thr Val Asp Glu Val Leu Lys Asp Glu Lys Met Gly Leu 485 490 495 aag ttc ctg ggc cag gag cca ttg gag gtc act ctg ctt cac gtg gac 1536 Lys Phe Leu Gly Gln Glu Pro Leu Glu Val Thr Leu Leu His Val Asp 500 505 510 tgg gca tgc ccc tgc ccc aac gtg acc gtg agc gag atg ccg ctc atc 1584 Trp Ala Cys Pro Cys Pro Asn Val Thr Val Ser Glu Met Pro Leu Ile 515 520 525 atc atg ggg gag gtg gac ggc ggc atg gcc atg ctg cgc ccc gat agc 1632 Ile Met Gly Glu Val Asp Gly Gly Met Ala Met Leu Arg Pro Asp Ser 530 535 540 ttt gtg ggc gca tcg agt gcc cgc cgg gtc agg aag ctt cgt gag gtc 1680 Phe Val Gly Ala Ser Ser Ala Arg Arg Val Arg Lys Leu Arg Glu Val 545 550 555 560 atg cac aag aag acc tgt gac gtc ctc aag gag ttt ctt ggc ttg cac 1728 Met His Lys Lys Thr Cys Asp Val Leu Lys Glu Phe Leu Gly Leu His 565 570 575 <210> 4 <211> 576 <212> PRT <213> Rattus sp. <400> 4 Met Trp Ala Pro Arg Cys Arg Arg Phe Trp Ser Arg Trp Glu Gln Val 1 5 10 15 Ala Ala Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Gly Val Pro Pro Arg Ser 20 25 30 Leu Ala Leu Pro Pro Ile Arg Tyr Ser His Ala Gly Ile Cys Pro Asn 35 40 45 Asp Met Asn Pro Asn Leu Trp Val Asp Ala Gln Ser Thr Cys Arg Arg 50 55 60 Glu Cys Glu Thr Asp Gln Glu Cys Glu Thr Tyr Glu Lys Cys Cys Pro 65 70 75 80 Asn Val Cys Gly Thr Lys Ser Cys Val Ala Ala Arg Tyr Met Asp Val 85 90 95 Lys Gly Lys Lys Gly Pro Val Gly Met Pro Lys Glu Ala Thr Cys Asp 100 105 110 His Phe Met Cys Leu Gln Gln Gly Ser Glu Cys Asp Ile Trp Asp Gly 115 120 125 Gln Pro Val Cys Lys Cys Lys Asp Arg Cys Glu Lys Glu Pro Ser Phe 130 135 140 Thr Cys Ala Ser Asp Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn Arg Cys Tyr Met Asp 145 150 155 160 Ala Glu Ala Cys Ser Lys Gly Ile Thr Leu Ala Val Val Thr Cys Arg 165 170 175 Tyr His Phe Thr Trp Pro Asn Thr Ser Pro Pro Pro Pro Glu Thr Thr 180 185 190 Met His Pro Thr Thr Ala Ser Pro Glu Thr Pro Glu Leu Asp Met Ala 195 200 205 Ala Pro Ala Leu Leu Asn Asn Pro Val His Gln Ser Val Thr Met Gly 210 215 220 Glu Thr Val Ser Phe Leu Cys Asp Val Val Gly Arg Pro Arg Pro Glu 225 230 235 240 Ile Thr Trp Glu Lys Gln Leu Glu Asp Arg Glu Asn Val Val Met Arg 245 250 255 Pro Asn His Val Arg Gly Asn Val Val Val Thr Asn Ile Ala Gln Leu 260 265 270 Val Ile Tyr Asn Ala Gln Leu Gln Asp Ala Gly Ile Tyr Thr Cys Thr 275 280 285 Ala Arg Asn Val Ala Gly Val Leu Arg Ala Asp Phe Pro Leu Ser Val 290 295 300 Val Arg Gly His Gln Ala Ala Ala Thr Ser Glu Ser Ser Pro Asn Gly 305 310 315 320 Thr Ala Phe Pro Ala Ala Glu Cys Leu Lys Pro Pro Asp Ser Glu Asp 325 330 335 Cys Gly Glu Glu Gln Thr Arg Trp His Phe Asp Ala Gln Ala Asn Asn 340 345 350 Cys Leu Thr Phe Thr Phe Gly His Cys His Arg Asn Leu Asn His Phe 355 360 365 Glu Thr Tyr Glu Ala Cys Met Leu Ala Cys Met Ser Gly Pro Leu Ala 370 375 380 Ala Cys Ser Leu Pro Ala Leu Gln Gly Pro Cys Lys Ala Tyr Ala Pro 385 390 395 400 Arg Trp Ala Tyr Asn Ser Gln Thr Gly Gln Cys Gln Ser Phe Val Tyr 405 410 415 Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gly Asn Asn Phe Glu Ser Arg Glu Ala Cys 420 425 430 Glu Glu Ser Cys Pro Phe Pro Arg Gly Asn Gln Arg Cys Arg Ala Cys 435 440 445 Lys Pro Arg Gln Lys Leu Val Thr Ser Phe Cys Arg Ser Asp Phe Val 450 455 460 Ile Leu Gly Arg Val Ser Glu Leu Thr Glu Glu Pro Asp Ser Gly Arg 465 470 475 480 Ala Leu Val Thr Val Asp Glu Val Leu Lys Asp Glu Lys Met Gly Leu 485 490 495 Lys Phe Leu Gly Gln Glu Pro Leu Glu Val Thr Leu Leu His Val Asp 500 505 510 Trp Ala Cys Pro Cys Pro Asn Val Thr Val Ser Glu Met Pro Leu Ile 515 520 525 Ile Met Gly Glu Val Asp Gly Gly Met Ala Met Leu Arg Pro Asp Ser 530 535 540 Phe Val Gly Ala Ser Ser Ala Arg Arg Val Arg Lys Leu Arg Glu Val 545 550 555 560 Met His Lys Lys Thr Cys Asp Val Leu Lys Glu Phe Leu Gly Leu His 565 570 575 <210> 5 <211> 1647 <212> DNA <213> Rattus sp. <400> 5 gtgcccccgc gaagcctggc gctgccgccc atccgctatt cccacgccgg catctgcccc 60 aacgacatga atcccaacct ctgggtggac gcacagagca cctgcaggcg ggagtgtgag 120 acggaccagg agtgtgagac ctatgagaag tgctgcccca acgtatgtgg gaccaagagc 180 tgcgtggcgg cccgctacat ggacgtgaaa gggaagaagg gcccagtggg catgcccaag 240 gaggccacat gtgaccactt catgtgtctg cagcagggct ctgagtgtga catctgggat 300 ggccagcccg tgtgtaagtg caaagaccgc tgtgagaagg agcccagctt tacctgcgcc 360 tcggacggcc tcacctacta taaccgctgc tacatggatg ccgaggcctg ctccaaaggc 420 atcacactgg ccgttgtaac ctgccgctat cacttcacct ggcccaacac cagcccccca 480 ccacctgaga ccaccatgca ccccaccaca gcctccccag agacccctga gctggacatg 540 gcggcccctg cgctgctcaa caaccctgtg caccagtcgg tcaccatggg tgagacagtg 600 agtttcctct gtgatgtggt gggccggccc cggcctgaga tcacctggga gaagcagttg 660 gaggatcggg agaatgtggt catgcggccc aaccatgtgc gtggcaacgt ggtggtcacc 720 aacattgccc agctggtcat ctataacgcc cagctgcagg atgctgggat ctacacctgc 780 acggcccgga acgtggctgg ggtcctgagg gctgatttcc cgctgtcggt ggtcaggggt 840 catcaggctg cagccacctc agagagcagc cccaatggca cggctttccc ggcggccgag 900 tgcctgaagc ccccagacag tgaggactgt ggcgaagagc agacccgctg gcacttcgat 960 gcccaggcca acaactgcct gaccttcacc ttcggccact gccaccgtaa cctcaaccac 1020 tttgagacct atgaggcctg catgctggcc tgcatgagcg ggccgctggc cgcgtgcagc 1080 ctgcccgccc tgcaggggcc ctgcaaagcc tacgcgcctc gctgggctta caacagccag 1140 acgggccagt gccagtcctt tgtctatggt ggctgcgagg gcaatggcaa caactttgag 1200 agccgtgagg cctgtgagga gtcgtgcccc ttccccaggg ggaaccagcg ctgtcgggcc 1260 tgcaagcctc ggcagaagct cgttaccagc ttctgtcgca gcgactttgt catcctgggc 1320 cgagtctctg agctgaccga ggagcctgac tcgggccgcg ccctggtgac tgtggatgag 1380 gtcctaaagg atgagaaaat gggcctcaag ttcctgggcc aggagccatt ggaggtcact 1440 ctgcttcacg tggactgggc atgcccctgc cccaacgtga ccgtgagcga gatgccgctc 1500 atcatcatgg gggaggtgga cggcggcatg gccatgctgc gccccgatag ctttgtgggc 1560 gcatcgagtg cccgccgggt caggaagctt cgtgaggtca tgcacaagaa gacctgtgac 1620 gtcctcaagg agtttcttgg cttgcac 1647 <210> 6 <211> 549 <212> PRT <213> Rattus sp. <400> 6 Val Pro Pro Arg Ser Leu Ala Leu Pro Pro Ile Arg Tyr Ser His Ala 1 5 10 15 Gly Ile Cys Pro Asn Asp Met Asn Pro Asn Leu Trp Val Asp Ala Gln 20 25 30 Ser Thr Cys Arg Arg Glu Cys Glu Thr Asp Gln Glu Cys Glu Thr Tyr 35 40 45 Glu Lys Cys Cys Pro Asn Val Cys Gly Thr Lys Ser Cys Val Ala Ala 50 55 60 Arg Tyr Met Asp Val Lys Gly Lys Lys Gly Pro Val Gly Met Pro Lys 65 70 75 80 Glu Ala Thr Cys Asp His Phe Met Cys Leu Gln Gln Gly Ser Glu Cys 85 90 95 Asp Ile Trp Asp Gly Gln Pro Val Cys Lys Cys Lys Asp Arg Cys Glu 100 105 110 Lys Glu Pro Ser Phe Thr Cys Ala Ser Asp Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn 115 120 125 Arg Cys Tyr Met Asp Ala Glu Ala Cys Ser Lys Gly Ile Thr Leu Ala 130 135 140 Val Val Thr Cys Arg Tyr His Phe Thr Trp Pro Asn Thr Ser Pro Pro 145 150 155 160 Pro Pro Glu Thr Thr Met His Pro Thr Thr Ala Ser Pro Glu Thr Pro 165 170 175 Glu Leu Asp Met Ala Ala Pro Ala Leu Leu Asn Asn Pro Val His Gln 180 185 190 Ser Val Thr Met Gly Glu Thr Val Ser Phe Leu Cys Asp Val Val Gly 195 200 205 Arg Pro Arg Pro Glu Ile Thr Trp Glu Lys Gln Leu Glu Asp Arg Glu 210 215 220 Asn Val Val Met Arg Pro Asn His Val Arg Gly Asn Val Val Val Thr 225 230 235 240 Asn Ile Ala Gln Leu Val Ile Tyr Asn Ala Gln Leu Gln Asp Ala Gly 245 250 255 Ile Tyr Thr Cys Thr Ala Arg Asn Val Ala Gly Val Leu Arg Ala Asp 260 265 270 Phe Pro Leu Ser Val Val Arg Gly His Gln Ala Ala Ala Thr Ser Glu 275 280 285 Ser Ser Pro Asn Gly Thr Ala Phe Pro Ala Ala Glu Cys Leu Lys Pro 290 295 300 Pro Asp Ser Glu Asp Cys Gly Glu Glu Gln Thr Arg Trp His Phe Asp 305 310 315 320 Ala Gln Ala Asn Asn Cys Leu Thr Phe Thr Phe Gly His Cys His Arg 325 330 335 Asn Leu Asn His Phe Glu Thr Tyr Glu Ala Cys Met Leu Ala Cys Met 340 345 350 Ser Gly Pro Leu Ala Ala Cys Ser Leu Pro Ala Leu Gln Gly Pro Cys 355 360 365 Lys Ala Tyr Ala Pro Arg Trp Ala Tyr Asn Ser Gln Thr Gly Gln Cys 370 375 380 Gln Ser Phe Val Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gly Asn Asn Phe Glu 385 390 395 400 Ser Arg Glu Ala Cys Glu Glu Ser Cys Pro Phe Pro Arg Gly Asn Gln 405 410 415 Arg Cys Arg Ala Cys Lys Pro Arg Gln Lys Leu Val Thr Ser Phe Cys 420 425 430 Arg Ser Asp Phe Val Ile Leu Gly Arg Val Ser Glu Leu Thr Glu Glu 435 440 445 Pro Asp Ser Gly Arg Ala Leu Val Thr Val Asp Glu Val Leu Lys Asp 450 455 460 Glu Lys Met Gly Leu Lys Phe Leu Gly Gln Glu Pro Leu Glu Val Thr 465 470 475 480 Leu Leu His Val Asp Trp Ala Cys Pro Cys Pro Asn Val Thr Val Ser 485 490 495 Glu Met Pro Leu Ile Ile Met Gly Glu Val Asp Gly Gly Met Ala Met 500 505 510 Leu Arg Pro Asp Ser Phe Val Gly Ala Ser Ser Ala Arg Arg Val Arg 515 520 525 Lys Leu Arg Glu Val Met His Lys Lys Thr Cys Asp Val Leu Lys Glu 530 535 540 Phe Leu Gly Leu His 545 <210> 7 <211> 1024 <212> DNA <213> Rattus sp. <400> 7 ccagtgtgct ggaagacttg gcggaccagt ccagcagccg aaagccagca agcagcctca 60 gcgaggagac ttgctggggt gaggagggca ggtgttgcca gccctggaga agaagggcct 120 ggtggccctc agcccttggt gtcatcacag gggaaccctc tggctactgc agacagcacc 180 atgtgggccc cagggcatca tcggttctgg ttccactggg ggctgctttt gctgctgctc 240 ctcggggctc cccttcgagg cctagcgctg ccacacatcc gatactccca tgcaggcatc 300 tgccccaacg acatgaaccc caacctctgg gtggatgccc agagcacctg caagcgagag 360 tgtgaaacag accaggaatg tgagacctat gagaagtgct gccccaatgt gtgtgggacc 420 aagagctgcg tagcagcccg ctacatggat gtgaaaggga agaagggccc tgtgggcatg 480 cccaaggagg ccacgtgtga ccatttcatg tgtctgcagc agggctccga gtgtgacatc 540 tgggacggcc agcctgtgtg taagtgtaaa gaccgctgtg agaaggagcc cagcttcacc 600 tgtgcctctg acggccttac ctactacaac cgttgttaca tggacgccga ggcctgctcc 660 aagggcgtca cactgtctgt ggtcacctgc cgctatcact tcacctggcc caacaccagc 720 cctcctccgc ccgagaccac tgtacaccct accaccgcct ctccagagac tctcgggctg 780 gacatggccg ccccggccct gctcaaccac cccgtccatc agtcagtcac tgtgggtgag 840 actgtgagtt tcctctgtga cgtagtaggc aggcctaggc cagagctcac ttgggagaaa 900 cagctggagg atcgagagaa tgtggtcatg agacccaacc acgtgcgtgg taatgtggtg 960 gtcaccaaca tcgcccagct ggtcatctac aatgcgcagc cccaggatgc aggtatatac 1020 acct 1024 <210> 8 <211> 281 <212> PRT <213> Rattus sp. <400> 8 Met Trp Ala Pro Gly His His Arg Phe Trp Phe His Trp Gly Leu Leu 1 5 10 15 Leu Leu Leu Leu Leu Gly Ala Pro Leu Arg Gly Leu Ala Leu Pro His 20 25 30 Ile Arg Tyr Ser His Ala Gly Ile Cys Pro Asn Asp Met Asn Pro Asn 35 40 45 Leu Trp Val Asp Ala Gln Ser Thr Cys Lys Arg Glu Cys Glu Thr Asp 50 55 60 Gln Glu Cys Glu Thr Tyr Glu Lys Cys Cys Pro Asn Val Cys Gly Thr 65 70 75 80 Lys Ser Cys Val Ala Ala Arg Tyr Met Asp Val Lys Gly Lys Lys Gly 85 90 95 Pro Val Gly Met Pro Lys Glu Ala Thr Cys Asp His Phe Met Cys Leu 100 105 110 Gln Gln Gly Ser Glu Cys Asp Ile Trp Asp Gly Gln Pro Val Cys Lys 115 120 125 Cys Lys Asp Arg Cys Glu Lys Glu Pro Ser Phe Thr Cys Ala Ser Asp 130 135 140 Gly Leu Thr Tyr Tyr Asn Arg Cys Tyr Met Asp Ala Glu Ala Cys Ser 145 150 155 160 Lys Gly Val Thr Leu Ser Val Val Thr Cys Arg Tyr His Phe Thr Trp 165 170 175 Pro Asn Thr Ser Pro Pro Pro Pro Glu Thr Thr Val His Pro Thr Thr 180 185 190 Ala Ser Pro Glu Thr Leu Gly Leu Asp Met Ala Ala Pro Ala Leu Leu 195 200 205 Asn His Pro Val His Gln Ser Val Thr Val Gly Glu Thr Val Ser Phe 210 215 220 Leu Cys Asp Val Val Gly Arg Pro Arg Pro Glu Leu Thr Trp Glu Lys 225 230 235 240 Gln Leu Glu Asp Arg Glu Asn Val Val Met Arg Pro Asn His Val Arg 245 250 255 Gly Asn Val Val Val Thr Asn Ile Ala Gln Leu Val Ile Tyr Asn Ala 260 265 270 Gln Pro Gln Asp Ala Gly Ile Tyr Thr 275 280 <210> 9 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer <400> 9 cagattagac aggcttggga c 21 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer <400> 10 aagctggtgg tcacgagtaa c 21
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、14B2ポリペプチドの概略図であ
る。14ポリペプチドは576個のアミノ酸よりなる分
泌蛋白質である。アミノ末端より1位から27位までの
領域が、予想されるシグナルペプチド領域(SP,Si
gnal peptide)である。42位から91位
にはWAP領域が、134位から175位にはKaza
l型セリンプロテアーゼインヒビター領域が、224位
から289位には細胞接着に関与することが知られてい
る免疫グロブリン 領域が、328位から378位およ
び386位から436位には2つのKunitz型セリ
ンプロテアーゼインヒビター領域が、さらに455位か
ら562位にはNTR領域が存在する。
【図2】図2は、ヒト正常組織における14B2 mR
NAの発現である。
【図3】図3は、ヒト癌組織における14B2 mRN
Aの発現である。
【図4】図4は、ラット正常組織における14B2 m
RNAの発現である。
【図5】図5は、ラット脳虚血における14B2 mR
NAの発現である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 43/00 111 4C085 35/04 C07K 14/47 4H045 43/00 111 16/18 C07K 14/47 C12N 1/21 16/18 9/99 C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/15 Z 9/99 33/50 Z C12P 21/02 C12R 1:19 G01N 33/15 1:91 33/50 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 1/21 5/00 B C12R 1:19) A61K 37/64 (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/99 C12R 1:19) (C12N 9/99 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 長瀬 隆弘 千葉県木更津市矢那1532番3号 財団法人 かずさディー・エヌ・エー研究所内 (72)発明者 菊野 玲子 千葉県木更津市矢那1532番3号 財団法人 かずさディー・エヌ・エー研究所内 (72)発明者 織田 聡 大阪府大阪市福島区鷺洲5丁目12番4号 塩野義製薬株式会社内 (72)発明者 阪口 岳 滋賀県甲賀郡甲賀町五反田1405番地 塩野 義製薬株式会社内 (72)発明者 島崎 淳行 大阪府大阪市福島区鷺洲5丁目12番4号 塩野義製薬株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 4B024 AA01 AA11 BA19 CA04 CA06 DA02 DA06 EA02 EA04 GA11 HA15 4B064 AG23 CA02 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA90X AA90Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA14 AA17 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA18 DC32 NA14 ZB261 ZC202 4C085 AA13 AA14 BB01 BB22 CC03 DD62 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA45 DA75 EA21 EA28 EA50 EA51 FA72 FA74

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列番号3に記載の塩基配列または
    そのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド; (b)配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
    プチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレ
    オチド; (c)配列番号4に記載のアミノ酸配列において、1も
    しくは数個のアミノ酸が、置換、付加および欠失からな
    る群より選択される少なくとも1つの変異を有する改変
    体ポリペプチドであって、生物学的活性を有する改変体
    ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (d)配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAの対
    立遺伝子変異体である、ポリヌクレオチド; (e)配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
    プチドの種相同体をコードする、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
    生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70
    %である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有する
    ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、を含む、
    核酸分子。
  2. 【請求項2】(a)配列番号5に記載の塩基配列または
    そのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド; (b)配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
    プチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレ
    オチド; (c)配列番号5に記載のアミノ酸配列において、1も
    しくは数個のアミノ酸が、置換、付加および欠失からな
    る群より選択される少なくとも1つの変異を有し、か
    つ、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコード
    する、ポリヌクレオチド; (d)配列番号5に記載の塩基配列からなるDNAの対
    立遺伝子変異体である、ポリヌクレオチド; (e)配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペ
    プチドの種相同体をコードする、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
    生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70
    %である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有する
    ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、を含む、
    核酸分子。
  3. 【請求項3】(a)配列番号1に記載の塩基配列のう
    ち、194〜274、317〜466、593〜71
    8、863〜1060、1175〜1327、1349
    〜1501および1556〜1879からなる群より選
    択される少なくとも1つのドメインを含むポリヌクレオ
    チド; (b)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
    7、42〜91、134〜175、224〜289、3
    28〜378、386〜436および455〜562か
    らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
    むポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (c)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
    7、42〜91、134〜175、224〜289、3
    28〜378、386〜436および455〜562か
    らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
    むポリペプチドにおいて、1または数個のアミノ酸が置
    換、付加および欠失からなる群より選択される少なくと
    も1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有するポリ
    ペプチドをコードする、ポリヌクレオチド; (d)(a)において、配列番号1の対立遺伝子変異体
    に由来する配列を含む、ポリヌクレオチド; (e)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち、1〜2
    7、42〜91、134〜175、224〜289、3
    28〜378、386〜436および455〜562か
    らなる群より選択される少なくとも1つのドメインを含
    むポリペプチドにおいて、配列番号1の種相同体に由来
    する配列を含む、ポリヌクレオチド; (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ
    生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、ポリ
    ヌクレオチド;または (g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチ
    ドの相補配列に対する同一性が少なくとも70%である
    塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペ
    プチドをコードする、ポリヌクレオチド、を含む、核酸
    分子。
  4. 【請求項4】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号1に記載の塩基配列のうち、少なくとも
    8個の連続したフラグメント配列を有するポリヌクレオ
    チド; (b)(a)に対する同一性が少なくとも70%であ
    る、ポリヌクレオチド; (c)(a)または(b)と相補的な塩基配列を有する
    ポリヌクレオチド;および (d)(a)または(b)において誘導体ヌクレオチド
    を含むポリヌクレオチド、からなる群より選択される、
    ポリヌクレオチドを含む、核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記同一性が少なくとも80%であり、
    かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードす
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の核
    酸分子がコードする、ポリペプチド。
  7. 【請求項7】(a)配列番号4に記載のアミノ酸配列ま
    たはそのフラグメントからなる、ポリペプチド; (b)配列番号4に記載のアミノ酸配列において、1ま
    たは数個のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群
    より選択される少なくとも1つの変異を有し、かつ、生
    物学的活性を有する、ポリペプチド; (c)配列番号3に記載の塩基配列の対立遺伝子変異体
    によってコードされる、ポリペプチド; (d)配列番号4に記載のアミノ酸配列の種相同体であ
    る、ポリペプチド;または (e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに
    対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
    有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
    含む、ポリペプチド。
  8. 【請求項8】(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列ま
    たはそのフラグメントからなる、ポリペプチド; (b)配列番号6に記載のアミノ酸配列において、1ま
    たは数個のアミノ酸配列が置換、付加および欠失からな
    る群より選択される変異を有し、かつ、生物学的活性を
    有する、ポリペプチド; (c)配列番号5に記載の塩基配列の対立遺伝子変異体
    によってコードされる、ポリペプチド; (d)配列番号6に記載のアミノ酸配列の種相同体であ
    る、ポリペプチド;または (e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに
    対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
    有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
    含む、ポリペプチド。
  9. 【請求項9】(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列の
    うち、1〜27、42〜91、134〜175、224
    〜289、328〜378、386〜436および45
    5〜562からなる群より選択される少なくとも1つの
    ドメイン配列を含む、ポリペプチド; (b)配列番号2のアミノ酸配列ドメイン1〜27、4
    2〜91、134〜175、224〜289、328〜
    378、386〜436および455〜562からなる
    群より選択される少なくとも1つのドメイン配列を含
    み、1または数個のアミノ酸が置換、付加および欠失か
    らなる群より選択される少なくとも1つの変異を有し、
    かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド; (c)(a)において、配列番号1の対立遺伝子変異体
    に由来する配列を含む、ポリペプチド; (e)(a)において、配列番号1の種相同体に由来す
    る配列を含む、ポリペプチド;または (f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリペプチドに
    対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を
    有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、を
    含む、ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、生物学的活
    性を有し、該生物学的活性は、癌および神経疾患からな
    る群より選択される疾患の少なくとも1つの指標となる
    活性を含む、ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 前記同一性が少なくとも80%であ
    り、かつ、生物学的活性を有する、請求項7〜9のいず
    れか1項に記載のポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号2に記載のアミノ酸配列のう
    ち、少なくとも5個の連続したアミノ酸配列を含む、ポ
    リペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項7〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 請求項1〜5および13のいずれか1
    項に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクタ
    ー。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の組換えベクターで
    形質転換させた形質転換体。
  16. 【請求項16】 前記形質転換体が哺乳動物細胞株また
    は大腸菌株である、請求項15に記載の形質転換体。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の形質転
    換体を培養する工程、および生産された組換えタンパク
    質を培養培地から回収する工程を包含する、請求項7〜
    12のいずれか1項に記載のポリペプチドまたはその塩
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項7〜12のいずれかに記載のポ
    リペプチドを特異的に認識する抗体。
  19. 【請求項19】 下記の工程:(a)ポリペプチドと請
    求項18に記載の抗体とを接触させる工程、および
    (b)該ポリペプチドと該抗体との結合を検出する工
    程、を包含する、請求項7〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドの検出または定量方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法を用いること
    を特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドが関連する疾患の検出方法。
  21. 【請求項21】 前記疾患が癌または癌転移である、請
    求項19に記載の検出方法。
  22. 【請求項22】 前記疾患が神経病態である、請求項2
    1に記載の検出方法。
  23. 【請求項23】 請求項18に記載の抗体を含むことを
    特徴とする、疾患検出用キット。
  24. 【請求項24】 前記疾患が癌または癌転移である、請
    求項23に記載の疾患検出用キット。
  25. 【請求項25】 前記疾患が神経病態である、請求項2
    3に記載の疾患検出用キット。
  26. 【請求項26】 下記の工程:(a)請求項6〜12の
    いずれか1項に記載のポリペプチドと被検物質とを接触
    させる工程、および(b)該ポリペプチドと被検物質と
    の結合を検出する工程、を包含する、請求項6〜12の
    いずれか1項に記載のポリペプチドの結合物質のスクリ
    ーニング方法。
  27. 【請求項27】 請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドを含む、請求項6〜12のいずれか1項
    に記載のポリペプチドの結合物質のスクリーニング用キ
    ット。
  28. 【請求項28】 請求項26に記載のスクリーニング方
    法より得られる、請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドの、結合物質。
  29. 【請求項29】 下記の工程:(a)被検物質の存在下
    または非存在下、請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドと請求項28に記載の結合物質を接触さ
    せる工程、および(b)該ポリペプチドと該結合物質と
    の結合活性を、該被検物質の存在下と非存在下で比較す
    る工程、を包含する、請求項28に記載の結合物質と請
    求項6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチドとの
    結合活性調節物質のスクリーニング方法。
  30. 【請求項30】 請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドおよび請求項28に記載の結合物質を含
    む、請求項6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ドの結合活性調節物質のスクリーニング用キット。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載のスクリーニング方
    法より得られる、請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドの、結合活性調節物質。
  32. 【請求項32】 下記の工程;(a)請求項6〜12の
    いずれか1項に記載のポリペプチドを発現し得る細胞と
    被検物質とを接触させる工程、および(b)該ポリペプ
    チドの発現量または活性を検出する工程、を包含する、
    請求項6〜12のいずれか1項に記載のポリペプチドの
    発現調節物質のスクリーニング方法。
  33. 【請求項33】 請求項19に記載の方法を用いる工程
    を包含する、請求項32に記載のスクリーニング方法。
  34. 【請求項34】 請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドを発現し得る細胞を含む、請求項6〜1
    2のいずれか1項に記載のポリペプチドの発現調節物質
    のスクリーニング用キット。
  35. 【請求項35】 請求項32または33に記載のスクリ
    ーニング方法より得られる、請求項6〜12のいずれか
    1項に記載のポリペプチドの発現調節物質。
  36. 【請求項36】 請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドをコードするDNAを欠損または変異さ
    せた非ヒトノックアウト動物。
  37. 【請求項37】 請求項6〜12のいずれか1項に記載
    のポリペプチドをコードするDNAを発現させた非ヒト
    トランスジェニック動物。
  38. 【請求項38】 請求項1〜5および13に記載のポリ
    ヌクレオチド、請求項6〜12に記載のポリペプチド、
    請求項18に記載の抗体、請求項28に記載の結合物
    質、請求項31に記載の結合活性調節物質および請求項
    35に記載の発現調節物質からなる群より選択される少
    なくとも1つの物質を含む、医薬。
JP2001294913A 2001-09-26 2001-09-26 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna Withdrawn JP2003093072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294913A JP2003093072A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294913A JP2003093072A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003093072A true JP2003093072A (ja) 2003-04-02

Family

ID=19116429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001294913A Withdrawn JP2003093072A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003093072A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4112627B2 (ja) 新規ポリペプチド、新規dnaおよび新規抗体
EP1225224A1 (en) Shear stress-response dna
JP4112374B2 (ja) 血管新生マーカーとなるポリペプチドおよびそのdna
EP1323732B1 (en) Beta-catenin nuclear localizing protein
JP4086492B2 (ja) 糖尿病治療用医薬
JP2001231578A (ja) Il−1ファミリーに属する蛋白質
US20090270314A1 (en) Polypeptide having anti-angiogenic activity
US6673535B1 (en) Methods of detecting spinocerebellar Ataxia-2 nucleic acids
JP4651893B2 (ja) 新規ポリペプチド、新規dna、新規抗体および新規遺伝子改変動物
JP3910536B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびそのdna
US20080044425A1 (en) Polypeptides having phospholipase a2 activity
JP2003093072A (ja) 新規プロテアーゼインヒビター様ポリぺプチドおよびそのdna
JP2001211885A (ja) 新規ポリペプチド
EP1180525B1 (en) Transcriptional activation inhibitory protein
JPWO2004005510A1 (ja) 新規Nogo受容体様ポリペプチドおよびそのDNA
JP2005229806A (ja) ホスホジエステラーゼ活性を有するポリペプチド
EP1266961A1 (en) Kidney repairing factor
JP3929744B2 (ja) 新規ポリぺプチド、新規dna、新規抗体および新規遺伝子改変動物
WO2001083705A1 (fr) Genes associes a la proliferation de cellules myocardiques
JP2002272478A (ja) 新規ポリペプチド
JP2003164288A (ja) 新規ATPase様ポリぺプチドおよびそのDNA
US20070128186A1 (en) Proliferative glomerulonephritis-related gene
JPWO2002064769A1 (ja) 新規疾患マーカー
JP2001352986A (ja) 新規ポリペプチド
WO2000040609A1 (fr) Nouvelle proteine

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202