JP2003092869A - 偏平多相永久磁石形ステッピングモータとその励磁回路 - Google Patents

偏平多相永久磁石形ステッピングモータとその励磁回路

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JP2003092869A
JP2003092869A JP2001282725A JP2001282725A JP2003092869A JP 2003092869 A JP2003092869 A JP 2003092869A JP 2001282725 A JP2001282725 A JP 2001282725A JP 2001282725 A JP2001282725 A JP 2001282725A JP 2003092869 A JP2003092869 A JP 2003092869A
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coil
stator
motor
permanent magnet
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Koki Isozaki
弘毅 礒崎
Shoji Oiwa
昭二 大岩
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Japan Servo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直径を増大することなく、高分解能で高精度
を得ることができる偏平形状のステッピングモータを提
供する。 【課題を解決する手段】 電気的に絶縁した磁性体円板
上に放射状に、所定数の極歯Saを設け固定子コイル2
を嵌合した所定数の磁極を配設した第1の単位固定子S
11の、上記磁極表面に対して所定間隙を介してN極、
S極交互に永久磁石4を配設した磁性体円板を回転自在
に支承した第1の単位回転子R11よりなる第1の単位
モータと、この第1の単位モータの構造を反転し、第1
の単位固定子に対して非磁性体を介して第2の単位固定
子を背中合わせにして同軸に構成した第2の単位固定子
S12と単位回転子R12とより成る第2の単位モータ
によって構成した。この場合、各単位固定子S11、S
12に形成する磁極の形成位置を1/2ピッチ角偏位さ
せ、各単位回転子R11、R12に形成する磁極形成位
置を1/4ピッチ角偏位させ、さらに、各コイルをスタ
ー接続し、複数相励磁を可能にするのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏平多相永久磁石
形ステッピングモータ及びその励磁回路に係り、特にプ
リンタ、FAX、PPC用複写機等の高速運転で精密な
位置決め機能等を必要とするOA機器に最適な、高精
度、高分解能の偏平多相永久磁石形ステッピングモータ
及びその励磁回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の扁平多相永久磁石形ステッピング
モータ(以下モータと略称する)の縦断面図を図19に
示す。同図において、101は固定子、102は放射状
に形成された空芯のコイル、3は永久磁石4を装着した
磁性体円板である。磁性体円板3は回転軸8に固定さ
れ、固定子1はブラケット1Bを介して軸受7によって
支承されている。図20は、図19のXーX線から見た
6相モータの場合のコイル102の配置状況を示した要
部正面図である。永久磁石4は、このコイル102の配
置ピッチに対応して装着されている。図21は、コイル
数が24で6相の場合の接続図、図22は、図21の励
磁回路を示している。図21において、Φ1乃至Φ24
は各コイルを示し、A乃至Fは上記コイルを各相ごとに
直列に接続した一方の端子を、A′乃至F′は各直列に
接続されたコイル群の他方の端子を示している。図22
において、T1乃至T24は各コイルを励磁するための
スイッチングトランジスタ等のスイッチング素子、ΦA
A′乃至ΦFF′は図21に示したように各相ごとに直
列接続したコイル群を示している。なお、Vは電源であ
る。各相ごとに上記各スイッチング素子4個をブリッジ
接続して、その中間部に各直列接続された各コイル群を
接続している。即ち、図22において、第1のスイッチ
ング素子T1と第2のスイッチング素子T13及び第3
のスイッチング素子T2と第4のスイッチング素子T1
4が夫々直列に接続され、夫々の接続点の間に図21に
示す第1相のコイル群の端子A及びA′が接続されてい
る。この接続において、第1のスイッチング素子T1と
第4のスイッチング素子T14を導通し、の方向に電
流が流れると、第1相のコイル群の端子AからA′の方
向に電流が流れる。このように、夫々のスイッチング素
子を順次導通させて、各相に励磁することによってモー
タが回転する。
【0003】図23は、コイル数が40で10相の場合
のコイル結線図を、図24は、図23の励磁回路例を略
記している。図23において、Φ1乃至Φ40は各コイ
ルを示し、A乃至Tは上記コイルを各相ごとに直列に接
続した一方の端子を、A′乃至T′は各直列に接続され
たコイル群の他方の端子を示している。図24におい
て、T1乃至T40は各コイルを励磁するためのスイッ
チングトランジスタ等のスイッチング素子、ΦAA′乃
至ΦTT′は図23に示したように各相ごとに直列に接
続したコイル群を示している。なお、Vは電源である。
各相ごとに上記各スイッチング素子4個をブリッジ接続
して、その中間部に各直列接続された各コイル群を接続
している。即ち、図24において、第1のスイッチング
素子T1と第2のスイッチング素子T21及び第3のス
イッチング素子T2と第4のスイッチング素子T22が
夫々直列に接続され、夫々の接続点の間に、図23に示
す第1相のコイル群の端子A及びA′が接続されてい
る。この接続において、例えば、第1のスイッチング素
子T1と第4のスイッチング素子T22を導通し、の
方向に電流が流れると、第1相のコイル群の端子Aから
A′の方向に電流が流れる。このように、夫々のスイッ
チング素子を順次導通させて、各相に励磁することによ
ってモータが回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな構造の、従来の永久磁石形の扁平ステッピングモー
タ構造によると、次のような問題点があった。 多相にするためには、固定子のコイルを多く配置させ
ねばならないが、コイルには少なくとも所定値以上のコ
イル幅が必要だから、限られた円周長上では、コイルの
数を余り多くとることはできず、そのため最小ステップ
角に限度がある。例えば、6相モータの場合、固定子に
構成される磁極用コイルは各相2個ずつの計12個でも
原理的には動作するが磁気モーメントが働くため、24
個以上のコイルが必要である。10相の場合は同様に4
0個のコイルが必要になる。
【0005】相数を多くせずにステップ角を小さくし
ようとすれば、モータのステップ角(分解能)はθ=3
60°/mPrの式であらわされるので、固定子の相数
(m)、回転子の磁極数(Pr)で決まってしまい、回
転子の磁極数を多くしなければならない。例えば、2相
ステッピングモータで回転子の磁極数を100とした場
合、ステップ角θ=360°/(2×100)=1.8°
が得られる。また、3相で回転子の磁極数を100とし
た場合には、ステップ角は同様にして1.2°が得られ
る。回転子の磁極数は着磁器の精度能力によって決ま
り、無制限に磁極数を多くとることができず100極前
後が限界である。また、固定子の巻線に流す電流を階段
状に変化させるマイクロステップ駆動もある。しかし、
この方法では、回転子の静止位置は、各相に流れる電流
の相対値で決められるため、流す電流値のバラツキ、ス
イッチング素子のバラツキで、精度のよい分解能を得る
ことは困難であった。
【0006】従来構造では、コイルを励磁するために
は、図22、図24に示すように、各相4個のスイッチ
ング素子が必要となる。従って、6相の場合に24個、
10相の場合には40個のスイッチング素子が必要であ
る。そのため、励磁回路が複雑になると共に、コストが
アップするという問題があった。 上記のため、偏平タイプのモータは使用設備の条件と
の対応で適切な形状である場合も多いが、現実的には、
空芯コイル扁平タイプの多相ステッピングモータは殆ど
市場にでまわっていないのが実情である。本発明は、上
記の問題を解決して固定子及び回転子を縦列構造にし、
多相化を図り、扁平形の高分解能、高精度のモータを得
ると同時にでドライブ回路の低コスト化を図れるように
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に基づく偏平多相ステッピングモータにおいて
は、請求項1に記載のものでは、電気的に絶縁した磁性
体円板上に放射状に所定数の夫々の周囲にコイルを配設
し、当該磁極の先端に極歯を形成した磁極を設けた第1
の単位固定子と、該第1の単位固定子の上記磁極表面に
対して所定間隙を介して、該磁極に形成する極歯の寸法
とピッチに対応したピッチでN極、S極交互に着磁した
永久磁石を配設した磁性体円板を回転自在に支承した第
1の単位回転子とよりなる第1の単位モータと、当該第
1の単位モータの構造を反転し、第1の単位固定子に対
し非磁性体を介して背中合わせにして同軸に構成した第
2の単位固定子及び第2の単位回転子とよりなる第2の
モータによって構成し、上記各極歯群は断面ほぼ方形の
突起を所定数、所定ピッチで放射状に形成するように構
成した。この場合、請求項2に記載のように、上記第1
の単位固定子に形成する磁極と第2の単位固定子に形成
する磁極との相互の磁極形成位置を当該磁極形成ピッチ
角の1/2ピッチ偏位させ、上記第1の単位回転子に形
成する磁極と第2の単位回転子に形成する磁極との相互
の形成位置を当該同一磁性極形成ピッチ角の1/4ピッ
チ偏位させるようにすることが望ましい。また、請求項
3に記載のように、上記単位回転子の磁極数Prを次式
を満足するように形成するのが望ましい。 Pr=m(4n+1)±2 但し、mは当該偏平多相永久磁石形ステッピングモータ
の相数であってm≧6の整数、n≧1の整数とする。ま
た、上記の偏平多相永久磁石形ステッピングモータは、
請求項4又は5に記載のように、第1及び第2の単位モ
ータを6極の6相モータ又は10極の10相モータとす
るのが望ましい。
【0008】また、請求項1乃至5のいずれかに記載の
偏平多相永久磁石形ステッピングモータの励磁回路は、
請求項6に記載のように各単位モータにおける相対向す
る固定子磁極に嵌合するコイル同士を直列にした複数組
のコイルの端部を夫々一点に接続するか、又は請求項7
に記載のように当該第1及び第2の単位モータごとに一
点に接続したコイル組の接続点を相互に接続して、複数
相励磁を行うようにするのが望ましい。さらに、複数相
励磁するには、上記励磁回路は請求項8に記載のように
各コイルの1点に接続した反対端子を夫々直列に接続し
たスイッチング素子の接続点に接続して複数相励磁を行
うようにするのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明に基づく偏平多相永久
磁石形ステッピングモータ(以下モータと略称する)の
構造とその励磁回路、及び、それらを駆動する励磁ステ
ップ例について、図1乃至図18を参照して詳細に説明
する。各図において、従来の技術で説明した要素に相当
する機能を備えた要素は従来のものと同一の符号を使用
して詳細な説明は省略する。
【0010】第1の実施の形態:まず、第1の実施の形
態として2個の単位固定子の磁極が夫々6個で6コイル
3相、従ってダブル3相である6相モータの場合につい
て、本発明を説明する。図1は本発明に基づく6相モー
タの概略構成を示す縦断側面図である。同図において、
1は当該モータの回転構造を保護し固定するケース、6
はケース1と共にモータの回転構造を保護し固定するカ
バーである。また、S11は第1の単位固定子、R11
は第1の単位回転子、S12は第2の単位固定子、R1
2は第2の単位回転子である。第1の単位回転子R11
と、第2の単位回転子R12とは、夫々が、第1の単位
固定子S11と第2の単位固定子S12夫々との間に所
定間隙を設けて対面している。第1の単位固定子S11
と第1の単位回転子R11とで第1の単位モータ、第2
の単位固定子S12と第2の単位回転子R12とで第2
の単位モータを夫々構成している。第1の単位モータと
第2の単位モータとは、非磁性体板5を介して単位固定
子同士を背中合わせにして同一軸に構成されている。な
お、第1の単位固定子S11と第2の単位固定子S12
は夫々の表面を電気的に絶縁された円形状の固定子用鉄
板1Tにより構成されている。なお、Saは、鉄板1T
の表面に詳細を後述するように形成された、同一ピッチ
で放射状に形成した磁極に、同一ピッチで形成した所定
数の断面ほぼ方形の極歯、2は、各磁極の周囲に配設さ
れ放射状に形成された固定子コイルである。第1の単位
回転子R11及び第2の単位回転子R12において、夫
々の磁性体円板3の表面には、前記各単位固定子に配設
された固定子コイル2のピッチに対応したピッチで、こ
のコイルの形状寸法に対応した形状寸法の永久磁石4が
N極とS極を交互に配設されて夫々が磁極を形成してお
り、各単位回転子夫々の磁性体円板3は、中央部でロー
タブッシュ9を挟んで回転軸8に固定されている。回転
軸8は、軸受7により回転自在に支承されている。軸受
7は前述したケース1とカバー6によって固定されてい
る。上記の主要構造において、第1の単位固定子S11
と第2の単位固定子S12夫々の円形状に形成した固定
子用鉄板1Tの外周端はケース1によって固定され、中
心部に設けた開口部を回転軸8及びロータブッシュ9が
貫通している。
【0011】図2は、第1の単位固定子S11と第2の
単位固定子S12の夫々に形成した磁極、即ち、固定子
コイル2の位置関係を説明する図であって、各単位固定
子に形成されるコイル数が6個の場合を例示し、極歯の
図示は省略している。同図において、実線で示すのが第
1の単位固定子S11に形成されるコイルであって、6
個のコイルを符号2A1乃至2A6で示しており、第2
の単位固定子S12に形成される6個のコイルを破線で
2B1乃至2B6で示している。各コイル2A1乃至2
A6及び2B1乃至2B6はいずれも同一形状、同一巻
数のコイルであるが、同図に例示するように、コイル間
のピッチ角をθPとすると、第1の単位固定子S11に
形成されるコイルと、第2の単位固定子S12に形成さ
れるコイルとの偏位θdは、(1/2)θPに形成され
ている。
【0012】図3は、図2の一部を展開して各単位回転
子夫々に形成される磁極及び極歯とコイルとの関係を示
す図である。図3において、SA1、SA2、SA3は
第1の固定子S11に形成された磁極、SB1、SB
2、SB3は第2の固定子S12に形成された磁極であ
って、その他の磁極は図示を省略するが、この順番で並
んでいるものとする。各磁極の表面には、断面ほぼ方形
の極歯Saが所定数、本図では3個形成され、各磁極に
はコイル2A1、2A2、2A3及び2B1、2B2、
2B3が夫々嵌合している。また、前述したように、第
1の固定子S11のコイルの形成ピッチ角はθP、第1
の固定子S11の任意のコイル(例えば符号2A1)と
第2の固定子S12の対応するコイルとの偏差角θdは
θd=(1/2)θPである。
【0013】図4は、図2、図3に示した固定子構造に
対応させた回転子の永久磁石構成例を示すもので、同図
(A)は、各単位回転子の永久磁石N極とS極の配置構
造を、同図(B)は第1の単位回転子R11の磁極と第
2の単位回転子R12の磁極の相互関連を示す立体構成
を、同図(C)に各単位回転子の磁極の関係位置の展開
図を夫々示している。即ち、第1の単位回転子R11に
形成する磁極と第2の単位回転子R12に形成する磁極
とは、各対向する単位固定子の磁極の表面形状と形成ピ
ッチに対応させて、円形放射状に配設し、同一磁性極の
構成ピッチ角τRの(1/4)ピッチ偏位させている。
また、各単位回転子上のN、S両磁極の総数(磁極数)
をPrとすると、磁極数Prは下記(1)式を満足する
ように形成している。 Pr=m(4n+1)±2・・・・・・・・(1) 但し、mは当該モータの相数であり、nは1より大なる
整数である。即ち、m≧6、n≧1で表される。即ち、
本実施の形態では6相の場合を例示しているので、m=
6である。従って、Pr=6(4n+1)±2からPr
=24n+4又は、Pr=24n+8が得られる。
【0014】モータの展開を示す図5において、前述し
たように、S11は第1の単位固定子、S12は第2の
単位固定子、R11は第1の単位回転子、R12は第2
の単位回転子である。SA1、SA2は夫々第1の単位
固定子S11に構成された所定の磁極であって、周囲に
は夫々コイル2A1、2A2(本図には図示せず)が嵌
合されていて、各磁極の先端部には断面ほぼ方形の極歯
Saが所定ピッチで所定数形成されている。本図には各
磁極に3個ずつの極歯Saを形成して図示している。な
お、簡単のため、上記以外の磁極及びコイルの図示は省
略している。SB1は第2の単位固定子S12に配設さ
れたコイル2B1(本図には図示せず)を周囲に嵌合し
た所定の磁極であり、その先端部には第1の単位固定子
S11と同一形状の極歯Saが同一ピッチで所定数形成
されている。本図には各磁極に3個ずつの極歯Saを形
成して図示している。本実施の形態では、6相で、固定
子磁極、即ちコイル6の場合を例示しているので、同一
単位固定子における各磁極(コイル)間のピッチ角θs
は360゜/6=60゜であり、第1の単位固定子S1
1の磁極(コイル)と、対応する第2の単位固定子S1
2の磁極(コイル)との間の偏位角θdは360゜/1
2=30゜である。
【0015】次に、図5を参照して前記(1)式が成立
する根拠を説明する。図5から明らかなように、偏位角
θdは下記(2)式で示される。 θd=(1/4)τR+nτR±α・・・・・・・・(2) 上記でαは、回転子の磁極ピッチと固定子磁極の構成ピ
ッチの差異によって定まる偏差角である。また、nは、
モータの構造で定まる1以上の整数である。上式で、前
述したように、τRは同一単位回転子における同一磁性
極間のピッチ角である。従って、同一単位回転子の異極
間のピッチ角をτPrとすると, τR=2τPr・・・・・・・・・・・・・・・・(3) τPr=2π/Pr・・・・・・・・・・・・・・(4) である。上式でPrは各回転子に形成されるN極、S極
合計の磁極数である。
【0016】当該モータの相数をmで示し、m≧6の整
数、即ち、6相以上のモータとすると、詳細を後述する
ように2mステップで回転子磁極が1ピッチ移動(回
転)するので、 α=(1/2m)τR・・・・・・・・・・・・・・・・(5) である。また、 θd=(2π/2m)・・・・・・・・・・・・・・・・(6) であるから(2)式は下記(7)式のよう変形される。 (2π/2m)=(1/4)τR+nτR±(1/2m)τR・・・(7) (3)式、(4)式からτR=2τPr=4π/Prで
あるから、この条件を(7)式に代入して整理すると、
回転子磁極と相数との関係を示す、前述した(1)式が
得られる。 Pr=m(4n+1)±2・・・・・・・・・・・・・・(1) この場合、前述のようにn≧1の整数、m≧6の整数で
ある。従って、本実施の形態では6相の場合について説
明しているので、m=6を上記(1)式に代入すること
により Pr=24n+8・・・・・・・・(8) Pr=24n+4・・・・・・・・(9) という6相モータについての一般式が得られる。
【0017】また、(5)式に示すように、α=(1/
2m)τR、(6)式に示すように、θd=(2π/2
m)であるから、6相の場合には、 θd=2π/12=360゜/12・・・・・・・・(10) α=(1/12)τR・・・・・・・・・・・・・・(11) となる。また、図5において、第1の単位固定子S11
の任意の磁極と隣接する磁極との偏位角は、図5ではS
A1と隣接する磁極SA2との偏位角は、2θdである
から、 2θd=(1/2)τR+2nτR±2α・・・・・(12) となり、図5の磁極SA2のように示すことができる。
同様に、磁極SA1を基準にすると、磁極SA1と磁極
SB2(図示せず)との間の偏位角は 3θd=(3/4)τR+3nτR±3α・・・・・(13) (12)式、(13)式のように、隣接(対向を含む)
単位固定子間の回転子磁極のピッチ角度との偏差角はα
の倍数で増大している。即ち、図9に示すように増大し
ている。
【0018】次に、上記構成の6相モータのコイル結線
を図2も参照して図6によって説明する。図6におい
て、実線で示す6角形は第1の単位固定子S11に形成
されるコイル2A1乃至2A6を、破線で示す6角形は
第2の単位固定子S12に形成されるコイル2B1乃至
2B6を、夫々示している。同図において、第1の単位
固定子S11のコイルは、端子Aからは、コイル2A1
とコイル2A4を同一巻方向に直列に接続して端子A′
に接続される。同様に端子Bからは、コイル2A2とコ
イル2A5を同一巻方向に直列に接続して端子B′に接
続され、端子Cからは、コイル2A3とコイル2A6を
同一巻方向に直列に接続して端子C′に接続される。ま
た、第2の単位固定子S12のコイルは、端子Dから
は、コイル2B1とコイル2B4を同一巻方向に直列に
接続して端子D′に接続される。同様に端子Eからは、
コイル2B2とコイル2B5を同一巻方向に直列に接続
して端子E′に接続され、端子Fからは、コイル2B3
とコイル2B6を同一巻方向に直列に接続して端子F′
に接続される。
【0019】次に、図6に示したコイル構成における励
磁回路を図7によって説明する。図7の励磁回路は、図
6に示す各端子を直列接続したスイッチング素子の接続
点に接続する。即ち、図7において、T1乃至T24は
各コイルを励磁するためのスイッチングトランジスタ等
のスイッチング素子であって、Vは電源である。なお、
各スイッチング素子の制御回路の図示は省略している。
スイッチング素子T1とT13は直列に接続してその接
続点に、第1の固定子のコイル2A1と2A4を直列に
接続した一方の端子Aを接続し、他方の端子A′は、ス
イッチング素子T2とT14の接続点に接続する。ま
た、スイッチング素子T3とT15は直列に接続し、そ
の接続点に第1の固定子のコイル2A2と2A5を直列
に接続した一方の端子Bに接続し、他方の端子B′は、
スイッチング素子T4とT16の接続点に接続し、以下
説明は省略するが、同様に、ブリッジ接続した4個のス
イッチング素子の接続点に、夫々を同一巻方向に直列に
接続したコイルの端子を接続している。
【0020】次に、図7に示した励磁回路による励磁シ
ーケンスを図8によって説明する。図8は励磁シーケン
スにおける第1ステップから第15ステップまでの時間
推移を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイ
ルの端子名を記している。各端子名から横方向に引かれ
た線で上側の矩形は、例えば、A−A′においては、端
子AからA′方向への電流供給(以下、正方向と称
す)、逆に下側の矩形は、端子A′からA方向への電流
供給(以下、逆方向と称す)を示している。
【0021】次に、図7に示した励磁回路で励磁した場
合の単相励磁のフローを図3も参照し、図8によって説
明する。即ち、図8において、ステップ1には、端子A
からA′方向(正方向)への電流を供給する。即ち、図
7に示す、スイッチング素子T1とT14を導通して、
第1の単位固定子S11のコイル2A1とコイル2A4
に正方向に電流を流して、このコイルを嵌合した磁極S
A1とSA4(図3のSA3の右隣)を所定極性(正極
性と称す)に励磁し、ステップ2には、端子DからD′
方向(正方向)への電流を供給する。即ち、スイッチン
グ素子T7とT20を導通して、第2の単位固定子S1
2のコイル2B1とコイル2B4に正方向に電流を流し
て、このコイルを嵌合した磁極SB1とSB4(図3の
SB3の右隣)を正極性に励磁し、ステップ3には、端
子B′からB方向(逆方向)への電流を供給する。即
ち、スイッチング素子T4とT15を導通して、第1の
単位固定子S11のコイル2A2とコイル2A5に逆方
向に電流を流して、このコイルを嵌合した磁極SA2と
SA5(図3のSA3の2つ右隣)を前記とは逆極性に
励磁する。以下図7、図8に示すように、各導通スイッ
チング素子を切り替えて励磁を継続し、ステップ13以
降はステップ1に戻って同様の励磁を繰り返す。
【0022】次に、図9によって、上記励磁ステップに
よって、モータが回転する状況を詳細に説明する。図9
は、横方向には、図5に示したモータの展開を示し、縦
方向には、同展開図が、図8に示した励磁ステップ1〜
4によって変化する状況を示している。即ち、最上部に
は、図8に示したステップ1における各単位固定子の磁
極と各単位回転子の磁極との位置関係を示している。た
だし、磁極のSA5、SB4以降の図示は省略してい
る。図9に示す各符号は図5等で説明しているので、再
度の説明は省略する。図9において、各ステップにおけ
る第1の単位回転子R11のN極の下に付した黒丸印
は、黒丸印の上のN極が励磁ステップによって、移動
(回転)する状況を示すために付したものである。
【0023】図9において、ステップ1においては、第
1の単位固定子S11のコイル2A1と2A4に正方向
に電流を流して励磁し、このコイルを嵌合した磁極SA
1とSA4がS極に励磁されていると(図8に示した正
極性をS極とする)、第1の単位回転子R11のN極が
吸引されて夫々の対向位置にくる。第2ステップにおい
て、第2の単位固定子S12のコイル2B1と2B4
(図示せず)に正方向に電流を流して励磁しているの
で、このコイルを嵌合した磁極SB1とSB4(図示せ
ず)がS極に励磁され、第2の単位回転子R12のN極
が吸引されて夫々の対向位置にくる。従って、回転子は
α移動(回転)する。ステップ3においては、第1の単
位固定子S11のコイル2A2と2A5(図示せず)に
逆方向に電流を流して励磁しているので、このコイルを
嵌合した磁極SA2とSA5(図示せず)が前記とは逆
極性のN極に励磁され、第1の単位回転子R11のS極
が吸引されて対向位置にくる。従って、回転子はα移動
(回転)する。第4ステップにおいて、第2の単位固定
子S12のコイル2B2と2B5(図示せず)に逆方向
に電流を流して励磁しているので、このコイルを嵌合し
た磁極SB2とSB5(図示せず)はN極に励磁され、
第2の単位回転子R12のS極が吸引されて対向位置に
くる。従って、回転子はα移動(回転)する。以降、上
記励磁がステップ毎に繰り返されるので、モータは励磁
ステップごとにα、本実施の形態では、前述したように
π/24ずつ回転する。
【0024】第2の実施の形態:次に、図10乃至図1
2によって、第2の実施の形態に示す6相モータのコイ
ル接続の複数相励磁を図3、図6も参照して説明する。 (2−1)第1のコイル接続例 図10において、AA′、BB′、CC′、DD′、E
E′、FF′は、夫々図6によって説明したコイル結線
と同一の符号である。まず、第1の単位固定子S11
の、コイル2A1とコイル2A4を直列に接続した端子
Aを直列に接続したスイッチング素子T1とT4の接続
点に接続する。次に、コイル2A2とコイル2A5を直
列に接続した端子Bを直列に接続したスイッチング素子
T2とT5の接続点に接続する。また、コイル2A3と
コイル2A6を直列に接続した端子Cを直列に接続した
スイッチング素子T3とT6の接続点に接続する。これ
らのコイルの反対側の端子A′、B′、C′を一点に集
めて接続している。即ち、第1の単位固定子S11の3
個のコイル群をスター状に接続している。
【0025】同様に、第2の単位固定子S12の、コイ
ル2B1とコイル2B4を直列に接続した端子Dは直列
に接続したスイッチング素子T9とT12の接続点に接
続する。また、コイル2B2とコイル2B5を直列に接
続した端子Eは直列に接続したスイッチング素子T8と
T11の接続点に接続する。また、コイル2B3とコイ
ル2B6を直列に接続した端子Fは直列に接続したスイ
ッチング素子T7とT10の接続点に接続する。これら
のコイルの反対側の端子D′、E′、F′を一点に集め
て接続している。即ち、第1の単位固定子のコイルの接
続同様、3個のコイル群をスター状に接続している。な
お、Vは電源であって、各スイッチング素子の制御回路
は図示を省略している。
【0026】(2−2)第2のコイル接続例 図11により第2のコイル接続例を説明する。図11
は、図10に示した第1の単位固定子のコイルを一点に
集めて接続した点と、第2の単位固定子のコイルを一点
に集めて接続した点とを、さらに、一点にして接続した
ものである。即ち、第1、第2の単位固定子の6個のコ
イル群をスター状に接続している。なお、Vは電源であ
って、スイッチング素子の制御回路は図示を省略してい
る。
【0027】(2−3)複数相励磁例 次に、図10又は図11に示した接続例における4相励
磁を図12によって説明する。図12は、励磁シーケン
スにおける第1ステップから第16ステップまでの時間
推移を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイ
ルの端子名を記している。各端子名から横方向に引かれ
た線で上側の矩形は、例えば、A−A′においては、端
子AからA′方向への電流供給(正方向と称す)、逆に
下側の矩形は端子A′からA方向への電流供給(逆方向
と称す)を示している。即ち、同図において、ステップ
1には、スイッチング素子T2とスイッチング素子T6
を導通して、電源Vからスイッチング素子T2を経て端
子Bから端子B′へ正方向への電流を供給し、この電流
を端子C′から端子Cに逆方向に流してスイッチング素
子T6を経て電源Vに戻る回路を形成して励磁する。一
方、スイッチング素子T8とスイッチング素子T10を
導通して、スイッチング素子T8を経て端子Eから端子
E′へ正方向への電流を供給し、この電流を端子F′か
ら端子Fに逆方向に流し、スイッチング素子T10を経
て電源Vに戻る回路を形成して励磁する。即ち、第1の
単位固定子S11のコイル2A2と2A5及び第2の単
位固定子S12のコイル2B2と2B5に正方向に電流
が流れて、第1の単位固定子S11の磁極SA2とSA
5及び第2の単位固定子S12の磁極SB2とSB5が
所定極性、例えばS極に励磁されると共に、第1の単位
固定子S11のコイル2A3と2A6及び第2の単位固
定子S12のコイル2B3と2B6に逆方向に電流が流
れて、第1の単位固定子S11の磁極SA3とSA6及
び第2の単位固定子S12の磁極SB3とSB6が前記
とは逆極性、例えば、N極に励磁される。
【0028】以下、簡略に述べるが、ステップ2には、
スイッチング素子T1とスイッチング素子T6を導通し
て、端子Aから端子A′に正方向への電流を供給し、こ
の電流を端子C′から端子Cに逆方向に流すと共に、ス
イッチング素子T8とスイッチング素子T10をステッ
プ1から継続導通して、端子Eから端子E′へ正方向へ
の電流を供給し、この電流を端子F′から端子Fに逆方
向に流す。即ち、第1の単位固定子S11のコイル2A
2と2A5に流れる電流が切られて、コイル2A1と2
A4に正方向に電流が流され、その他のコイルの電流
は、前のステップ1から継続して流される。従って、第
1の単位固定子S11の磁極SA1とSA4及び第2の
単位固定子S12の磁極SB2とSB5が所定極性、例
えばS極に励磁されると共に、第1の単位固定子S11
の磁極SA3とSA6及び第2の固定子S12の磁極S
B3とSB6が逆の極性、例えば、N極で継続励磁され
る。
【0029】ステップ3には、スイッチング素子T1と
スイッチング素子T6をステップ2から継続導通して、
端子Aから端子A′へ正方向への電流を供給し、この電
流を端子C′から端子Cに逆方向に流すと共に、スイッ
チング素子T9とスイッチング素子T10を導通して、
端子Dから端子D′へ正方向への電流を供給し、この電
流を端子F′から端子Fに逆方向に流す。即ち、第2の
単位固定子S12のコイル2B2と2B5に流れる電流
が切られて、コイル2B1と2B4に正方向に電流が流
され、その他のコイルの電流は、前のステップ2から継
続して流される。従って、第1の単位固定子S11の磁
極SA1とSA4及び第2の単位固定子S12の磁極S
B1とSB4が所定極性、例えばS極に励磁されると共
に、第1の単位固定子S11の磁極SA3とSA6及び
第2の固定子S12の磁極SB3とSB6が逆の極性、
例えば、N極で継続励磁される。以下、上記各図に示す
ように、各導通スイッチング素子を切り替えて励磁を継
続し、ステップ13以降はステップ1に戻って同様の励
磁を繰り返す。よって、モータ(図示せず)は回転す
る。
【0030】第3の実施の形態:次に、図13乃至図1
5によって、各単位固定子が10磁極の5相、従ってダ
ブル5相である10相モータの場合についての実施の形
態を説明する。但し、固定子の構造と各磁極構成は、図
3等を用いて説明した第1の実施の形態のものと同様で
あって、各単位固定子の円周上に配設される磁極、従っ
てコイルの数を増加させれば良く、各単位固定子の各磁
極は、夫々コイルと対応している。即ち、図13におい
て、第1の単位固定子S21(図3の第1の単位固定子
S11に対応する。以下単に対応関係のみ示す。)に設
けられた図示しないコイルを2C1、2C2(図3の2
A1、2A2に対応)等、これらコイルを嵌合する磁極
をSC1、SC2(図3のSA1、SA2に対応)等と
呼称し、第2の単位固定子S22(図3のS12に対
応)に設けられたコイルを2D1、2D2(図3の2B
1、2B2に対応)等、これらコイルを嵌合する磁極を
SD1、SD2(図3のSB1、SB2に対応)等と呼
称して、図面による詳細構造の説明は省略する。本実施
の形態では10相の場合を例示しているので、前記
(1)式において、m=10であるから、 Pr=40n+12・・・・・・・・(14) Pr=40n+8・・・・・・・・・(15) という10相について一般式が得られる。
【0031】また、(5)式に示すように、α=(1/
2m)τR、(6)式に示すように、θd=(2π/2
m)であるから θd=2π/20=360゜/20・・・・・・・・(10) α=(1/20)τR・・・・・・・・・・・・・・(11) となる。モータの主要構造は、第1の実施の形態で説明
した6相と類似しているので、コイルの接続と、励磁ス
テップについて記し、詳細の説明は省略する。また、θ
sは、360/10になるから、6相モータの説明で図
5に記した展開図は、図13のように示される。
【0032】次に、図14によって各コイルの結線例を
示す。図14において、実線で示す6角形は第1の単位
固定子S21(図示せず)に形成されるコイル2C1乃
至2C10を、破線で示す6角形は第2の単位固定子S
22(図示せず)に形成されるコイル2D1乃至2D1
0を、夫々示している。同図において、第1の単位固定
子S21のコイルは、端子Aからは、コイル2C1とコ
イル2C6を同一巻方向に直列に接続して端子A′に接
続される。同様に端子Bからは、コイル2C2とコイル
2C7を同一巻方向に直列に接続して端子B′に接続さ
れ、端子Cからは、コイル2C3とコイル2C8を同一
巻方向に直列に接続して端子C′に接続される。以下同
様に、端子DからD′、端子EからE′に夫々各コイル
を直列に接続している。また、第2の単位固定子S22
(図示せず)のコイルは、端子Fからは、コイル2D1
とコイル2D6を同一巻方向に直列に接続して端子F′
に接続される。同様に、端子Gからは、コイル2D2と
コイル2D7を同一巻方向に直列に接続して端子G′に
接続され、端子Hからは、コイル2D3とコイル2D8
を同一巻方向に直列に接続して端子H′に接続される。
以下同様に、端子IからI′、端子JからJ′に夫々各
コイルを直列に接続している。
【0033】次に、図15によって単相励磁の場合の励
磁ステップについて説明する。励磁回路は、従来の技術
及び6相モータの場合と同様、ブリッジ接続した4個の
スイッチング素子の中間接続部に夫々のコイルの各端子
を接続すれば良いので、図示、説明は省略する。図15
は第3の実施の形態の励磁シーケンスにおける第1ステ
ップから第22ステップまでの時間推移を横軸に示し、
縦軸に、励磁電流を供給する各端子名を記している。な
お、電流供給方向は、これまでのものと同様に正方向、
逆方向を上下の矩形で表示している。即ち、図15にお
いて、ステップ1には、端子AからA′方向、即ち、正
方向の電流を供給する。よって、第1の単位固定子S2
1のコイル2C1とコイル2C6に正方向に電流が流れ
て、磁極SC1とSC6(図示せず)が所定方向の極性
(以降、正方向と称す)で励磁される。ステップ2に
は、端子FからF′方向(正方向)へ電流を供給する。
即ち、第2の単位固定子S22のコイル2D1とコイル
2D6に正方向に電流が流れて、磁極SD1とSD6
(図示せず)が正方向の極性で励磁される。ステップ3
には、端子B′からB方向(逆方向)へ電流を供給す
る。即ち、第2の単位固定子S21のコイル2C2とコ
イル2C7に逆方向に電流が流れて、磁極SC2とSC
7(図示せず)が逆方向の極性で励磁される。以下同様
に、図15に示すように、ステップをおって、各端子に
正又は逆方向に電流を供給して各固定子の磁極を励磁
し、ステップ21以降はステップ1に戻って同様の励磁
を繰り返す。よってモータ(図示せず)は回転する。
【0034】第4の実施の形態:次に、図16乃至図1
8によって、第4の実施の形態に示す10相モータのコ
イル接続の複数相励磁のための励磁回路を説明する。 (4−1)第1のコイル接続例 図16によって、第4の実施の形態である10相モータ
の第1の励磁回路接続例を説明する。図16において、
AA′、BB′、CC′、DD′、EE′、FF′、G
G′、HH′、II′.JJ`は、夫々図14によって
説明したコイル接続と同一の符号である。即ち、第1の
単位固定子S21(図示せず)の、コイル2C1とコイ
ル2C6を直列に接続した端子Aを直列に接続したスイ
ッチング素子T1とT6の接続点に接続する。また、コ
イル2C2とコイル2C7を直列に接続した端子Bを直
列に接続したスイッチング素子T2とT7の接続点に接
続する。また、コイル2C3とコイル2C8を直列に接
続した端子Cを直列に接続したスイッチング素子T3と
T8の接続点に接続する。さらに、コイル2C4とコイ
ル2C9を直列に接続した端子Dを直列に接続したスイ
ッチング素子T4とT9の接続点に接続し、コイル2C
5とコイル2C10を直列に接続した端子Eを直列に接
続したスイッチング素子T5とT10の接続点に接続し
て、夫々のコイルの反対側の端子A′、B′、C′、
D′、E′を一点に集めて接続している。即ち、第1の
単位固定子の5個のコイル群をスター状に接続してい
る。
【0035】第2の単位固定子S22(図示せず)の、
コイル2D1とコイル2D6を直列に接続した端子Fを
直列に接続したスイッチング素子T15とT20の接続
点に接続する。また、コイル2D2とコイル2D7を直
列に接続した端子Gを直列に接続したスイッチング素子
T14とT19の接続点に接続する。また、コイル2D
3とコイル2D8を直列に接続した端子Hを直列に接続
したスイッチング素子T13とT18の接続点に接続す
る。さらに、コイル2D4とコイル2D9を直列に接続
した端子Iを直列に接続したスイッチング素子T12と
T17の接続点に接続し、コイル2D5とコイル2D1
0を直列に接続した端子Jを直列接続したスイッチング
素子T11とT16の接続点に接続して、夫々のコイル
の反対側の端子F′、G′、H′、I′、J′を一点に
集めて接続している。即ち、第1の単位固定子のコイル
接続同様、第2の固定子の5個のコイル群をスター状に
接続している。同図において、Vは電源を示し、各スイ
ッチング素子の制御回路は、以下の説明に対応して適宜
構成できるので図示は省略している。
【0036】(4−2)第2のコイル接続例 図17により第2のコイル接続例を説明する。図17
は、図16に示した第1の単位固定子のコイルを一点に
集めて接続した点と、第2の単位固定子のコイルを一点
に集めて接続した点とを、さらに一点にして接続したも
のである。即ち、第1、第2の単位固定子の10個のコ
イル群をスター状に接続している。同図においてVは電
源を示し、各スイッチング素子の制御回路の図示は省略
している。
【0037】(4−3)複数相励磁例 上記図16、図17に示した接続例における8相励磁を
図18によって説明する。図18は、励磁シーケンスに
おける第1ステップから第23ステップまでの時間推移
を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイルの
端子名を記している。なお、電流供給方向は、これまで
のものと同様に正方向、逆方向を上下の矩形で表示して
いる。即ち、図18において、ステップ1には、スイッ
チング素子T1とT4及びスイッチング素子T8とT1
0を導通して、端子A及び端子Dから正方向への電流を
供給し、これらの電流を端子C′及び端子E′に逆方向
に流す。一方、スイッチング素子T12とT14及びス
イッチング素子T16とT18を導通して、端子G及び
端子Iから正方向への電流を供給し、これらの電流を端
子H′及び端子J′に逆方向に流す。従って、第1の単
位固定子S21の各磁極SC1、SC4、SC6、SC
9(いずれも図示せず)を所定方向の極性(正極性と称
す)に励磁して、各磁極SC3、SC5、SC8、SC
10(いずれも図示せず)を上記とは逆方向の極性(逆
極性と称す)に励磁する。また、第2の単位固定子S2
2の各磁極SD2、SD4、SD7、SD9(いずれも
図示せず)を正極性に励磁して、各磁極SD3、SD
5、SD8、SD10(いずれも図示せず)を逆極性に
励磁する。
【0038】ステップ2には、スイッチング素子T1と
T4及びスイッチング素子T8とT10を継続して導通
して端子A及び端子Dから正方向への電流を継続供給
し、これらの電流を端子C′及び端子E′に逆方向に継
続して流すが、スイッチング素子T14の導通を切っ
て、かわりに、スイッチング素子T15を導通する。ス
イッチング素子T12及びスイッチング素子T16とT
18は継続して導通する。従って、端子F及び端子Iか
ら正方向への電流を供給し、これらの電流を端子H′及
び端子J′に逆方向に流す。従って、第1の回転子S1
2の各磁極、SC1、SC4、SC6、SC9、及び、
SC3、SC5、SC8、SC10をステップ1に継続
して励磁する。第2の回転子S22の磁極、SD2、S
D7は励磁を停止して、替わりに、SD1、SD6(図
示せず)を同一方向、即ち正方向の極性で励磁し、SD
4、SD9及びSD3、SD5、SD8、SD10の励
磁をステップ1に継続する。以降の説明は省略するが、
同図に明らかなように、順次各スイッチング素子を切り
替え導通させてステップを追って、夫々の磁極を励磁
し、ステップ21以降はステップ1に戻って同様の励磁
を繰り返す。よってモータ(図示せず)は回転する。
【0039】上記の各実施の形態の説明は、本発明に基
づくモータの基本的構造とその励磁回路を説明したもの
であって、その使用目的と条件に対応して適宜改変して
も良いし、可能なことは当然である。例えば、上記の実
施の形態では、本発明の実施態様の内、最も実用性の高
いと思われる6相、10相のものについての本発明の実
施の形態を説明したが、6相の整数倍、10相の整数倍
の相数のものにも本発明が適用可能であることは勿論で
ある。請求項3で、一般式を挙げて相数と極数を限定し
てないのは、この理由による。即ち、6相、10相の整
数倍の相数のものに本発明を適用する場合には、(1)
式のPr=m(4n+1)±2に基づいて磁極数を設定
し、その磁極数に対応して定められる単位固定子のコイ
ル数と、この単位固定子の所定コイルに単位回転子の所
定磁極を対向させた場合、他の単位モータを構成する単
位固定子における前記コイルに対して1/2ピッチ偏位
したコイルと対向する単位回転子の前記コイルとの偏位
角度を単位回転子に構成する同一磁性極ピッチ角を6相
の場合が1/12、10相の場合が1/20である例に
準じて設定すればよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステ
ッピングモータとその励磁回路は上記のように構成した
ので、次のような優れた効果を有する。 (1)請求項1に記載の本発明の基本構成によると、次
のような優れた効果を有する。 固定子、回転子との磁気結合はアキシャル方向であ
り、鉄心を積層したハイブリットのモータに対し大幅に
薄くすることができる。 固定子の磁極に極歯を設けて更に多相にしているので
偏平モータでありながら微小のステップ角が得られる。 本発明では偏平多相形永久磁石形モータを上記のよう
に第1、第2の2つの単位モータで構成するようにした
ので、これらの第1及び第2の単位モータごとにスター
状に接続するか、共通のスター状に接続することで、励
磁用のスイッチング素子の数を減らせるので、励磁回路
の簡略化もでき、駆動コストの低減が図れる。 この結果、本発明構造により多相にした場合、励磁回
路を形成するスイッチング素子の数を半分に減らすこと
ができる。例えば、6相の場合は12個、10相の場合
は20個にすることができて、大幅にコストを低減する
ことができる。 低コストの複数相励磁を可能にすることによって、振
動を低減しながら、出力トルクの増大が図れる。 励磁回路を上記のように構成できるので、ブラシレス
モータの駆動回路と共用でき、生産数の面からも、コス
トダウンが図れる。 上記の結果、本発明の扁平永久磁石形ステッピングモ
ータは高速FAX、プリンタ、PPC複写機などの高速
で低振動、低騒音を要する各種OA機器用の薄型を要求
されるモータに適切に活用できる。
【0041】(2)請求項2に記載のように第1の単位
モータの第1の単位固定子に形成する磁極と第2の単位
モータの第2の単位固定子に形成する磁極との相互の磁
極形成位置と第1及び第2の単位モータの第1及び第2
の単位回転子に形成する磁極形成ピッチを選択すると、
前項(1)〜の機能を有する本発明の偏平多相永久
磁石形ステッピングモータを適正に構成することができ
る。
【0042】(3)請求項3に記載のように回転子の磁
極数をPr=m(4n+1)±2に設定することによ
り、上記(1)〜の機能を有する本発明の偏平多相
永久磁石形ステッピングモータの磁極数を適正なものと
することができる。
【0043】(4)請求項4に記載のように6相モータ
を構成した場合も、上記(1)に記載したように駆動
回路を構成するスイッチング素子を12個で構成でき
る。
【0044】(5)請求項5に記載のように10相モー
タを構成した場合も、上記(1)に記載したように駆
動回路を構成するスイッチング素子を20個で構成でき
る。
【0045】(6)請求項6乃至8に記載のように形成
し複数励磁を行える励磁回路を構成すると、励磁用のス
イッチング素子の数を減らせるので、励磁回路の簡略化
もでき、駆動コストの低減が図れる。また、駆動回路を
上記のように構成できるので、ブラシレスモータの駆動
回路と共用でき、生産数の面からも、コストダウンが図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの概略構造を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する6
相モータの2個の単位固定子の重なり状況を示す固定子
の正面図である。
【図3】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイル部の構造と第1の単位固定子と
第2の単位固定子との位置関係を説明する固定子展開図
である。
【図4】図2、図3に示す固定子に対応する単位回転子
の永久磁石の磁極構成を説明する、永久磁石の配置図で
あって、同図(A)は第1の単位回転子の正面図、同図
(B)は第1の単位回転子と第2の単位回転子の位置関
係を説明する斜視図、同図(C)は第1の単位回転子の
磁極と第2の単位回転子の磁極の位置関係を説明する展
開図である。
【図5】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する各
単位固定子と、単位回転子の展開図である。
【図6】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する6
相モータの場合のコイルの結線図である。
【図7】本発明に基づく第1の実施の形態の働きを説明
する図6に示すコイル結線における励磁回路図である。
【図8】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する図
7に示した励磁回路における励磁フロー図である。
【図9】本発明に基づく第1の実施の形態における図8
に示したフローに従った図5に示した展開図によって駆
動原理を説明する励磁フロー図である。
【図10】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第1の接続図であ
る。
【図11】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第2の接続図であ
る。
【図12】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
図10又は図11に示す励磁回路の接続で実現できる4
相励磁のフロー図である。
【図13】本発明に基づく第3の実施の形態を説明する
各単位固定子と単位回転子の位置関係を示す展開図であ
る。
【図14】本発明に基づく第3の実施の形態を説明する
10相モータのコイル結線図である。
【図15】本発明に基づく第3の実施の形態の働きを説
明する図14に示すコイル結線の場合の単相励磁フロー
図である。
【図16】本発明に基づく第4の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第1の接続図であ
る。
【図17】本発明に基づく第4の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第2の接続図であ
る。
【図18】本発明に基づく第4の実施の形態を説明す
る、図16又は図17に示す励磁回路の接続で実現でき
る8相励磁のフロー図である。
【図19】従来の偏平多相永久磁石形ステッピングモー
タの概略構造を示す縦断側面図である。
【図20】従来の偏平多相永久磁石形ステッピングモー
タの固定子コイルの配置を説明する図19のX−X線方
向から見た正面図である。
【図21】従来の偏平多相永久磁石形6相ステッピング
モータの固定子コイルの結線図である。
【図22】図19に示す偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイルの励磁回路図である。
【図23】従来の偏平多相永久磁石形20相ステッピン
グモータの固定子コイルの結線図である。
【図24】図21に示す偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイルの励磁回路図である。
【符号の説明】
1:ケース 1T:固定子用鉄板 2:固定子コイル 2A1〜2A6、2B1〜2B6、2C1〜2C10、
2D1〜2D10:固定子コイル 3:回転子の磁性体円板 4:永久磁石 5:非磁性体板 6:カバー 7:軸受 8:回転軸 9:ロータブッシュ S11、S12:単位固定子 Sa:固定子の極歯 R11、R12:単位回転子 SA1〜SA5、SB1〜SB6、SC1〜SC10、
SD1〜SD10:固定子の磁極 T1〜T24:スイッチング素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月30日(2001.11.
30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 偏平多相永久磁石形ステッピングモー
タとその励磁回路
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏平多相永久磁石
形ステッピングモータ及びその励磁回路に係り、特にプ
リンタ、FAX、PPC用複写機等の高速運転で精密な
位置決め機能等を必要とするOA機器に最適な、高精
度、高分解能の偏平多相永久磁石形ステッピングモータ
及びその励磁回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の扁平多相永久磁石形ステッピング
モータ(以下モータと略称する)の縦断面図を図19に
示す。同図において、101は固定子、102は放射状
に形成された空芯のコイル、3は永久磁石4を装着した
磁性体円板である。磁性体円板3は回転軸8に固定さ
れ、固定子1はブラケット1Bを介して軸受7によって
支承されている。図20は、図19のXーX線から見た
6相モータの場合のコイル102の配置状況を示した要
部正面図である。永久磁石4は、このコイル102の配
置ピッチに対応して装着されている。図21は、コイル
数が24で6相の場合の接続図、図22は、図21の励
磁回路を示している。図21において、Φ1乃至Φ24
は各コイルを示し、A乃至Fは上記コイルを各相ごとに
直列に接続した一方の端子を、A′乃至F′は各直列に
接続されたコイル群の他方の端子を示している。図22
において、T1乃至T24は各コイルを励磁するための
スイッチングトランジスタ等のスイッチング素子、ΦA
A′乃至ΦFF′は図21に示したように各相ごとに直
列接続したコイル群を示している。なお、Vは電源であ
る。各相ごとに上記各スイッチング素子4個をブリッジ
接続して、その中間部に各直列接続された各コイル群を
接続している。即ち、図22において、第1のスイッチ
ング素子T1と第2のスイッチング素子T13及び第3
のスイッチング素子T2と第4のスイッチング素子T1
4が夫々直列に接続され、夫々の接続点の間に図21に
示す第1相のコイル群の端子A及びA′が接続されてい
る。この接続において、第1のスイッチング素子T1と
第4のスイッチング素子T14を導通し、の方向に電
流が流れると、第1相のコイル群の端子AからA′の方
向に電流が流れる。このように、夫々のスイッチング素
子を順次導通させて、各相に励磁することによってモー
タが回転する。
【0003】図23は、コイル数が40で10相の場合
のコイル結線図を、図24は、図23の励磁回路例を略
記している。図23において、Φ1乃至Φ40は各コイ
ルを示し、A乃至Tは上記コイルを各相ごとに直列に接
続した一方の端子を、A′乃至T′は各直列に接続され
たコイル群の他方の端子を示している。図24におい
て、T1乃至T40は各コイルを励磁するためのスイッ
チングトランジスタ等のスイッチング素子、ΦAA′乃
至ΦTT′は図23に示したように各相ごとに直列に接
続したコイル群を示している。なお、Vは電源である。
各相ごとに上記各スイッチング素子4個をブリッジ接続
して、その中間部に各直列接続された各コイル群を接続
している。即ち、図24において、第1のスイッチング
素子T1と第2のスイッチング素子T21及び第3のス
イッチング素子T2と第4のスイッチング素子T22が
夫々直列に接続され、夫々の接続点の間に、図23に示
す第1相のコイル群の端子A及びA′が接続されてい
る。この接続において、例えば、第1のスイッチング素
子T1と第4のスイッチング素子T22を導通し、の
方向に電流が流れると、第1相のコイル群の端子Aから
A′の方向に電流が流れる。このように、夫々のスイッ
チング素子を順次導通させて、各相に励磁することによ
ってモータが回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな構造の、従来の永久磁石形の扁平ステッピングモー
タ構造によると、次のような問題点があった。 多相にするためには、固定子のコイルを多く配置させ
ねばならないが、コイルには少なくとも所定値以上のコ
イル幅が必要だから、限られた円周長上では、コイルの
数を余り多くとることはできず、そのため最小ステップ
角に限度がある。例えば、6相モータの場合、固定子に
構成される磁極用コイルは各相2個ずつの計12個でも
原理的には動作するが磁気モーメントが働くため、24
個以上のコイルが必要である。10相の場合は同様に4
0個のコイルが必要になる。
【0005】相数を多くせずにステップ角を小さくし
ようとすれば、モータのステップ角(分解能)はθ=3
60°/mPrの式であらわされるので、固定子の相数
(m)、回転子の磁極数(Pr)で決まってしまい、回
転子の磁極数を多くしなければならない。例えば、2相
ステッピングモータで回転子の磁極数を100とした場
合、ステップ角θ=360°/(2×100)=1.8°
が得られる。また、3相で回転子の磁極数を100とし
た場合には、ステップ角は同様にして1.2°が得られ
る。回転子の磁極数は着磁器の精度能力によって決ま
り、無制限に磁極数を多くとることができず100極前
後が限界である。また、固定子の巻線に流す電流を階段
状に変化させるマイクロステップ駆動もある。しかし、
この方法では、回転子の静止位置は、各相に流れる電流
の相対値で決められるため、流す電流値のバラツキ、ス
イッチング素子のバラツキで、精度のよい分解能を得る
ことは困難であった。
【0006】 従来構造では、コイルを励磁するために
は、図22、図24に示すように、各相4個のスイッチ
ング素子が必要となる。従って、6相の場合に24個、
10相の場合には40個のスイッチング素子が必要であ
る。そのため、励磁回路が複雑になると共に、コストが
アップするという問題があった。 上記のため、偏平タイプのモータは使用設備の条件と
の対応で適切な形状である場合も多いが、現実的には、
空芯コイル扁平タイプの多相ステッピングモータは殆ど
市場にでまわっていないのが実情である。本発明は、上
記の問題を解決して固定子及び回転子を縦列構造にし、
多相化を図り、扁平形の高分解能、高精度のモータを得
ると同時にでドライブ回路の低コスト化を図れるように
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に基づく偏平多相ステッピングモータにおいて
は、請求項1に記載のものでは、電気的に絶縁した磁性
体円板上に放射状に所定数の夫々の周囲にコイルを配設
し、当該磁極の先端に極歯を形成した磁極を設けた第1
の単位固定子と、該第1の単位固定子の上記磁極表面に
対して所定間隙を介して、該磁極に形成する極歯の寸法
とピッチに対応したピッチでN極、S極交互に着磁した
永久磁石を配設した磁性体円板を回転自在に支承した第
1の単位回転子とよりなる第1の単位モータと、当該第
1の単位モータの構造を反転し、第1の単位固定子に対
し非磁性体を介して背中合わせにして同軸に構成した第
2の単位固定子及び第2の単位回転子とよりなる第2の
モータによって構成し、上記各極歯群は断面ほぼ方形の
突起を所定数、所定ピッチで放射状に形成するように構
成した。この場合、請求項2に記載のように、上記第1
の単位固定子に形成する磁極と第2の単位固定子に形成
する磁極との相互の磁極形成位置を当該磁極形成ピッチ
角の1/2ピッチ偏位させ、上記第1の単位回転子に形
成する磁極と第2の単位回転子に形成する磁極との相互
の形成位置を当該同一磁性極形成ピッチ角の1/4ピッ
チ偏位させるようにすることが望ましい。また、請求項
3に記載のように、上記単位回転子の磁極数Prを次式
を満足するように形成するのが望ましい。 Pr=m(4n+1)±2 但し、mは当該偏平多相永久磁石形ステッピングモータ
の相数であってm≧6の整数、n≧1の整数とする。ま
た、上記の偏平多相永久磁石形ステッピングモータは、
請求項4又は5に記載のように、第1及び第2の単位モ
ータを6極の6相モータ又は10極の10相モータとす
るのが望ましい。
【0008】 また、請求項1乃至5のいずれかに記載の
偏平多相永久磁石形ステッピングモータの励磁回路は、
請求項6に記載のように各単位モータにおける相対向す
る固定子磁極に嵌合するコイル同士を直列にした複数組
のコイルの端部を夫々一点に接続するか、又は請求項7
に記載のように当該第1及び第2の単位モータごとに一
点に接続したコイル組の接続点を相互に接続して、複数
相励磁を行うようにするのが望ましい。さらに、複数相
励磁するには、上記励磁回路は請求項8に記載のように
各コイルの1点に接続した反対端子を夫々直列に接続し
たスイッチング素子の接続点に接続して複数相励磁を行
うようにするのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明に基づく偏平多相永久
磁石形ステッピングモータ(以下モータと略称する)の
構造とその励磁回路、及び、それらを駆動する励磁ステ
ップ例について、図1乃至図18を参照して詳細に説明
する。各図において、従来の技術で説明した要素に相当
する機能を備えた要素は従来のものと同一の符号を使用
して詳細な説明は省略する。
【0010】第1の実施の形態:まず、第1の実施の形
態として2個の単位固定子の磁極が夫々6個で6コイル
3相、従ってダブル3相である6相モータの場合につい
て、本発明を説明する。図1は本発明に基づく6相モー
タの概略構成を示す縦断側面図である。同図において、
1は当該モータの回転構造を保護し固定するケース、6
はケース1と共にモータの回転構造を保護し固定するカ
バーである。また、S11は第1の単位固定子、R11
は第1の単位回転子、S12は第2の単位固定子、R1
2は第2の単位回転子である。第1の単位回転子R11
と、第2の単位回転子R12とは、夫々が、第1の単位
固定子S11と第2の単位固定子S12夫々との間に所
定間隙を設けて対面している。第1の単位固定子S11
と第1の単位回転子R11とで第1の単位モータ、第2
の単位固定子S12と第2の単位回転子R12とで第2
の単位モータを夫々構成している。第1の単位モータと
第2の単位モータとは、非磁性体板5を介して単位固定
子同士を背中合わせにして同一軸に構成されている。な
お、第1の単位固定子S11と第2の単位固定子S12
は夫々の表面を電気的に絶縁された円形状の固定子用鉄
板1Tにより構成されている。なお、Saは、鉄板1T
の表面に詳細を後述するように形成された、同一ピッチ
で放射状に形成した磁極に、同一ピッチで形成した所定
数の断面ほぼ方形の極歯、2は、各磁極の周囲に配設さ
れ放射状に形成された固定子コイルである。第1の単位
回転子R11及び第2の単位回転子R12において、夫
々の磁性体円板3の表面には、前記各単位固定子に配設
された固定子コイル2のピッチに対応したピッチで、こ
のコイルの形状寸法に対応した形状寸法の永久磁石4が
N極とS極を交互に配設されて夫々が磁極を形成してお
り、各単位回転子夫々の磁性体円板3は、中央部でロー
タブッシュ9を挟んで回転軸8に固定されている。回転
軸8は、軸受7により回転自在に支承されている。軸受
7は前述したケース1とカバー6によって固定されてい
る。上記の主要構造において、第1の単位固定子S11
と第2の単位固定子S12夫々の円形状に形成した固定
子用鉄板1Tの外周端はケース1によって固定され、中
心部に設けた開口部を回転軸8及びロータブッシュ9が
貫通している。
【0011】図2は、第1の単位固定子S11と第2の
単位固定子S12の夫々に形成した磁極、即ち、固定子
コイル2の位置関係を説明する図であって、各単位固定
子に形成されるコイル数が6個の場合を例示し、極歯の
図示は省略している。同図において、実線で示すのが第
1の単位固定子S11に形成されるコイルであって、6
個のコイルを符号2A1乃至2A6で示しており、第2
の単位固定子S12に形成される6個のコイルを破線で
2B1乃至2B6で示している。各コイル2A1乃至2
A6及び2B1乃至2B6はいずれも同一形状、同一巻
数のコイルであるが、同図に例示するように、コイル間
のピッチ角をθPとすると、第1の単位固定子S11に
形成されるコイルと、第2の単位固定子S12に形成さ
れるコイルとの偏位θdは、(1/2)θPに形成され
ている。
【0012】図3は、図2の一部を展開して各単位回転
子夫々に形成される磁極及び極歯とコイルとの関係を示
す図である。図3において、SA1、SA2、SA3は
第1の固定子S11に形成された磁極、SB1、SB
2、SB3は第2の固定子S12に形成された磁極であ
って、その他の磁極は図示を省略するが、この順番で並
んでいるものとする。各磁極の表面には、断面ほぼ方形
の極歯Saが所定数、本図では3個形成され、各磁極に
はコイル2A1、2A2、2A3及び2B1、2B2、
2B3が夫々嵌合している。また、前述したように、第
1の固定子S11のコイルの形成ピッチ角はθP、第1
の固定子S11の任意のコイル(例えば符号2A1)と
第2の固定子S12の対応するコイルとの偏差角θdは
θd=(1/2)θPである。
【0013】図4は、図2、図3に示した固定子構造に
対応させた回転子の永久磁石構成例を示すもので、同図
(A)は、各単位回転子の永久磁石N極とS極の配置構
造を、同図(B)は第1の単位回転子R11の磁極と第
2の単位回転子R12の磁極の相互関連を示す立体構成
を、同図(C)に各単位回転子の磁極の関係位置の展開
図を夫々示している。即ち、第1の単位回転子R11に
形成する磁極と第2の単位回転子R12に形成する磁極
とは、各対向する単位固定子の磁極の表面形状と形成ピ
ッチに対応させて、円形放射状に配設し、同一磁性極の
構成ピッチ角τRの(1/4)ピッチ偏位させている。
また、各単位回転子上のN、S両磁極の総数(磁極数)
をPrとすると、磁極数Prは下記(1)式を満足する
ように形成している。 Pr=m(4n+1)±2・・・・・・・・(1) 但し、mは当該モータの相数であり、nは1より大なる
整数である。即ち、m≧6、n≧1で表される。即ち、
本実施の形態では6相の場合を例示しているので、m=
6である。従って、Pr=6(4n+1)±2からPr
=24n+4又は、Pr=24n+8が得られる。
【0014】モータの展開を示す図5において、前述し
たように、S11は第1の単位固定子、S12は第2の
単位固定子、R11は第1の単位回転子、R12は第2
の単位回転子である。SA1、SA2は夫々第1の単位
固定子S11に構成された所定の磁極であって、周囲に
は夫々コイル2A1、2A2(本図には図示せず)が嵌
合されていて、各磁極の先端部には断面ほぼ方形の極歯
Saが所定ピッチで所定数形成されている。本図には各
磁極に3個ずつの極歯Saを形成して図示している。な
お、簡単のため、上記以外の磁極及びコイルの図示は省
略している。SB1は第2の単位固定子S12に配設さ
れたコイル2B1(本図には図示せず)を周囲に嵌合し
た所定の磁極であり、その先端部には第1の単位固定子
S11と同一形状の極歯Saが同一ピッチで所定数形成
されている。本図には各磁極に3個ずつの極歯Saを形
成して図示している。本実施の形態では、6相で、固定
子磁極、即ちコイル6の場合を例示しているので、同一
単位固定子における各磁極(コイル)間のピッチ角θs
は360゜/6=60゜であり、第1の単位固定子S1
1の磁極(コイル)と、対応する第2の単位固定子S1
2の磁極(コイル)との間の偏位角θdは360゜/1
2=30゜である。
【0015】次に、図5を参照して前記(1)式が成立
する根拠を説明する。図5から明らかなように、偏位角
θdは下記(2)式で示される。 θd=(1/4)τR+nτR±α・・・・・・・・(2) 上記でαは、回転子の磁極ピッチと固定子磁極の構成ピ
ッチの差異によって定まる偏差角である。また、nは、
モータの構造で定まる1以上の整数である。上式で、前
述したように、τRは同一単位回転子における同一磁性
極間のピッチ角である。従って、同一単位回転子の異極
間のピッチ角をτPrとすると, τR=2τPr・・・・・・・・・・・・・・・・(3) τPr=2π/Pr・・・・・・・・・・・・・・(4) である。上式でPrは各回転子に形成されるN極、S極
合計の磁極数である。
【0016】当該モータの相数をmで示し、m≧6の整
数、即ち、6相以上のモータとすると、詳細を後述する
ように2mステップで回転子磁極が1ピッチ移動(回
転)するので、 α=(1/2m)τR・・・・・・・・・・・・・・・・(5) である。また、 θd=(2π/2m)・・・・・・・・・・・・・・・・(6) であるから(2)式は下記(7)式のよう変形される。 (2π/2m)=(1/4)τR+nτR±(1/2m)τR・・・(7) (3)式、(4)式からτR=2τPr=4π/Prで
あるから、この条件を(7)式に代入して整理すると、
回転子磁極と相数との関係を示す、前述した(1)式が
得られる。 Pr=m(4n+1)±2・・・・・・・・・・・・・・(1) この場合、前述のようにn≧1の整数、m≧6の整数で
ある。従って、本実施の形態では6相の場合について説
明しているので、m=6を上記(1)式に代入すること
により Pr=24n+8・・・・・・・・(8) Pr=24n+4・・・・・・・・(9) という6相モータについての一般式が得られる。
【0017】また、(5)式に示すように、α=(1/
2m)τR、(6)式に示すように、θd=(2π/2
m)であるから、6相の場合には、 θd=2π/12=360゜/12・・・・・・・・(10) α=(1/12)τR・・・・・・・・・・・・・・(11) となる。また、図5において、第1の単位固定子S11
の任意の磁極と隣接する磁極との偏位角は、図5ではS
A1と隣接する磁極SA2との偏位角は、2θdである
から、 2θd=(1/2)τR+2nτR±2α・・・・・(12) となり、図5の磁極SA2のように示すことができる。
同様に、磁極SA1を基準にすると、磁極SA1と磁極
SB2(図示せず)との間の偏位角は 3θd=(3/4)τR+3nτR±3α・・・・・(13) (12)式、(13)式のように、隣接(対向を含む)
単位固定子間の回転子磁極のピッチ角度との偏差角はα
の倍数で増大している。即ち、図9に示すように増大し
ている。
【0018】次に、上記構成の6相モータのコイル結線
を図2も参照して図6によって説明する。図6におい
て、実線で示す6角形は第1の単位固定子S11に形成
されるコイル2A1乃至2A6を、破線で示す6角形は
第2の単位固定子S12に形成されるコイル2B1乃至
2B6を、夫々示している。同図において、第1の単位
固定子S11のコイルは、端子Aからは、コイル2A1
とコイル2A4を同一巻方向に直列に接続して端子A′
に接続される。同様に端子Bからは、コイル2A2とコ
イル2A5を同一巻方向に直列に接続して端子B′に接
続され、端子Cからは、コイル2A3とコイル2A6を
同一巻方向に直列に接続して端子C′に接続される。ま
た、第2の単位固定子S12のコイルは、端子Dから
は、コイル2B1とコイル2B4を同一巻方向に直列に
接続して端子D′に接続される。同様に端子Eからは、
コイル2B2とコイル2B5を同一巻方向に直列に接続
して端子E′に接続され、端子Fからは、コイル2B3
とコイル2B6を同一巻方向に直列に接続して端子F′
に接続される。
【0019】次に、図6に示したコイル構成における励
磁回路を図7によって説明する。図7の励磁回路は、図
6に示す各端子を直列接続したスイッチング素子の接続
点に接続する。即ち、図7において、T1乃至T24は
各コイルを励磁するためのスイッチングトランジスタ等
のスイッチング素子であって、Vは電源である。なお、
各スイッチング素子の制御回路の図示は省略している。
スイッチング素子T1とT13は直列に接続してその接
続点に、第1の固定子のコイル2A1と2A4を直列に
接続した一方の端子Aを接続し、他方の端子A′は、ス
イッチング素子T2とT14の接続点に接続する。ま
た、スイッチング素子T3とT15は直列に接続し、そ
の接続点に第1の固定子のコイル2A2と2A5を直列
に接続した一方の端子Bに接続し、他方の端子B′は、
スイッチング素子T4とT16の接続点に接続し、以下
説明は省略するが、同様に、ブリッジ接続した4個のス
イッチング素子の接続点に、夫々を同一巻方向に直列に
接続したコイルの端子を接続している。
【0020】次に、図7に示した励磁回路による励磁シ
ーケンスを図8によって説明する。図8は励磁シーケン
スにおける第1ステップから第15ステップまでの時間
推移を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイ
ルの端子名を記している。各端子名から横方向に引かれ
た線で上側の矩形は、例えば、A−A′においては、端
子AからA′方向への電流供給(以下、正方向と称
す)、逆に下側の矩形は、端子A′からA方向への電流
供給(以下、逆方向と称す)を示している。
【0021】次に、図7に示した励磁回路で励磁した場
合の単相励磁のフローを図2及び図3も参照し、図8に
よって説明する。即ち、図8において、ステップ1に
は、端子AからA′方向(正方向)への電流を供給す
る。即ち、図7に示す、スイッチング素子T1とT14
を導通して、第1の単位固定子S11のコイル2A1と
コイル2A4に正方向に電流を流して、このコイルを嵌
合した磁極SA1とSA4(図3のSA3の右隣)を所
定極性(正極性と称す)に励磁し、ステップ2には、端
子DからD′方向(正方向)への電流を供給する。即
ち、スイッチング素子T7とT20を導通して、第2の
単位固定子S12のコイル2B1とコイル2B4に正方
向に電流を流して、このコイルを嵌合した磁極SB1と
SB4(図3のSB3の右隣)を正極性に励磁し、ステ
ップ3には、端子B′からB方向(逆方向)への電流を
供給する。即ち、スイッチング素子T4とT15を導通
して、第1の単位固定子S11のコイル2A2とコイル
2A5に逆方向に電流を流して、このコイルを嵌合した
磁極SA2とSA5(図3のSA3の2つ右隣)を前記
とは逆極性に励磁する。以下図7、図8に示すように、
各導通スイッチング素子を切り替えて励磁を継続し、ス
テップ13以降はステップ1に戻って同様の励磁を繰り
返す。
【0022】次に、図9によって、上記励磁ステップに
よって、モータが回転する状況を詳細に説明する。図9
は、横方向には、図5に示したモータの展開を示し、縦
方向には、同展開図が、図8に示した励磁ステップ1〜
4によって変化する状況を示している。即ち、最上部に
は、図8に示したステップ1における各単位固定子の磁
極と各単位回転子の磁極との位置関係を示している。た
だし、磁極のSA5、SB4以降の図示は省略してい
る。図9に示す各符号は図5等で説明しているので、再
度の説明は省略する。図9において、各ステップにおけ
る第1の単位回転子R11のN極の下に付した黒丸印
(図面では黒丸印が判別困難のため、Nを白丸で囲む表
示で表している)は、この白丸印が付されたN極が励磁
ステップによって、移動(回転)する状況を示すために
付したものである。
【0023】図9において、ステップ1においては、第
1の単位固定子S11のコイル2A1と2A4に正方向
に電流を流して励磁し、このコイルを嵌合した磁極SA
1とSA4がS極に励磁されていると(図8に示した正
極性をS極とする)、第1の単位回転子R11のN極が
吸引されて夫々の対向位置にくる。第2ステップにおい
て、第2の単位固定子S12のコイル2B1と2B4
(図示せず)に正方向に電流を流して励磁しているの
で、このコイルを嵌合した磁極SB1とSB4(図示せ
ず)がS極に励磁され、第2の単位回転子R12のN極
が吸引されて夫々の対向位置にくる。従って、回転子は
α移動(回転)する。ステップ3においては、第1の単
位固定子S11のコイル2A2と2A5(図示せず)に
逆方向に電流を流して励磁しているので、このコイルを
嵌合した磁極SA2とSA5(図示せず)が前記とは逆
極性のN極に励磁され、第1の単位回転子R11のS極
が吸引されて対向位置にくる。従って、回転子はα移動
(回転)する。第4ステップにおいて、第2の単位固定
子S12のコイル2B2と2B5(図示せず)に逆方向
に電流を流して励磁しているので、このコイルを嵌合し
た磁極SB2とSB5(図示せず)はN極に励磁され、
第2の単位回転子R12のS極が吸引されて対向位置に
くる。従って、回転子はα移動(回転)する。以降、上
記励磁がステップ毎に繰り返されるので、モータは励磁
ステップごとにα、本実施の形態では、前述したように
π/24ずつ回転する。
【0024】第2の実施の形態:次に、図10乃至図1
2によって、第2の実施の形態に示す6相モータのコイ
ル接続の複数相励磁を図3、図6も参照して説明する。 (2−1)第1のコイル接続例 図10において、AA′、BB′、CC′、DD′、E
E′、FF′は、夫々図6によって説明したコイル結線
と同一の符号である。まず、第1の単位固定子S11
の、コイル2A1とコイル2A4を直列に接続した端子
Aを直列に接続したスイッチング素子T1とT4の接続
点に接続する。次に、コイル2A2とコイル2A5を直
列に接続した端子Bを直列に接続したスイッチング素子
T2とT5の接続点に接続する。また、コイル2A3と
コイル2A6を直列に接続した端子Cを直列に接続した
スイッチング素子T3とT6の接続点に接続する。これ
らのコイルの反対側の端子A′、B′、C′を一点に集
めて接続している。即ち、第1の単位固定子S11の3
個のコイル群をスター状に接続している。
【0025】同様に、第2の単位固定子S12の、コイ
ル2B1とコイル2B4を直列に接続した端子Dは直列
に接続したスイッチング素子T9とT12の接続点に接
続する。また、コイル2B2とコイル2B5を直列に接
続した端子Eは直列に接続したスイッチング素子T8と
T11の接続点に接続する。また、コイル2B3とコイ
ル2B6を直列に接続した端子Fは直列に接続したスイ
ッチング素子T7とT10の接続点に接続する。これら
のコイルの反対側の端子D′、E′、F′を一点に集め
て接続している。即ち、第1の単位固定子のコイルの接
続同様、3個のコイル群をスター状に接続している。な
お、Vは電源であって、各スイッチング素子の制御回路
は図示を省略している。
【0026】(2−2)第2のコイル接続例 図11により第2のコイル接続例を説明する。図11
は、図10に示した第1の単位固定子のコイルを一点に
集めて接続した点と、第2の単位固定子のコイルを一点
に集めて接続した点とを、さらに、一点にして接続した
ものである。即ち、第1、第2の単位固定子の6個のコ
イル群をスター状に接続している。なお、Vは電源であ
って、スイッチング素子の制御回路は図示を省略してい
る。
【0027】(2−3)複数相励磁例 次に、図10又は図11に示した接続例における4相励
磁を図12によって説明する。図12は、励磁シーケン
スにおける第1ステップから第16ステップまでの時間
推移を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイ
ルの端子名を記している。各端子名から横方向に引かれ
た線で上側の矩形は、例えば、A−A′においては、端
子AからA′方向への電流供給(正方向と称す)、逆に
下側の矩形は端子A′からA方向への電流供給(逆方向
と称す)を示している。即ち、同図において、ステップ
1には、スイッチング素子T2とスイッチング素子T6
を導通して、電源Vからスイッチング素子T2を経て端
子Bから端子B′へ正方向への電流を供給し、この電流
を端子C′から端子Cに逆方向に流してスイッチング素
子T6を経て電源Vに戻る回路を形成して励磁する。一
方、スイッチング素子T8とスイッチング素子T10を
導通して、スイッチング素子T8を経て端子Eから端子
E′へ正方向への電流を供給し、この電流を端子F′か
ら端子Fに逆方向に流し、スイッチング素子T10を経
て電源Vに戻る回路を形成して励磁する。即ち、第1の
単位固定子S11のコイル2A2と2A5及び第2の単
位固定子S12のコイル2B2と2B5に正方向に電流
が流れて、第1の単位固定子S11の磁極SA2とSA
5及び第2の単位固定子S12の磁極SB2とSB5が
所定極性、例えばS極に励磁されると共に、第1の単位
固定子S11のコイル2A3と2A6及び第2の単位固
定子S12のコイル2B3と2B6に逆方向に電流が流
れて、第1の単位固定子S11の磁極SA3とSA6及
び第2の単位固定子S12の磁極SB3とSB6が前記
とは逆極性、例えば、N極に励磁される。
【0028】以下、簡略に述べるが、ステップ2には、
スイッチング素子T1とスイッチング素子T6を導通し
て、端子Aから端子A′に正方向への電流を供給し、こ
の電流を端子C′から端子Cに逆方向に流すと共に、ス
イッチング素子T8とスイッチング素子T10をステッ
プ1から継続導通して、端子Eから端子E′へ正方向へ
の電流を供給し、この電流を端子F′から端子Fに逆方
向に流す。即ち、第1の単位固定子S11のコイル2A
2と2A5に流れる電流が切られて、コイル2A1と2
A4に正方向に電流が流され、その他のコイルの電流
は、前のステップ1から継続して流される。従って、第
1の単位固定子S11の磁極SA1とSA4及び第2の
単位固定子S12の磁極SB2とSB5が所定極性、例
えばS極に励磁されると共に、第1の単位固定子S11
の磁極SA3とSA6及び第2の固定子S12の磁極S
B3とSB6が逆の極性、例えば、N極で継続励磁され
る。
【0029】ステップ3には、スイッチング素子T1と
スイッチング素子T6をステップ2から継続導通して、
端子Aから端子A′へ正方向への電流を供給し、この電
流を端子C′から端子Cに逆方向に流すと共に、スイッ
チング素子T9とスイッチング素子T10を導通して、
端子Dから端子D′へ正方向への電流を供給し、この電
流を端子F′から端子Fに逆方向に流す。即ち、第2の
単位固定子S12のコイル2B2と2B5に流れる電流
が切られて、コイル2B1と2B4に正方向に電流が流
され、その他のコイルの電流は、前のステップ2から継
続して流される。従って、第1の単位固定子S11の磁
極SA1とSA4及び第2の単位固定子S12の磁極S
B1とSB4が所定極性、例えばS極に励磁されると共
に、第1の単位固定子S11の磁極SA3とSA6及び
第2の固定子S12の磁極SB3とSB6が逆の極性、
例えば、N極で継続励磁される。以下、上記各図に示す
ように、各導通スイッチング素子を切り替えて励磁を継
続し、ステップ13以降はステップ1に戻って同様の励
磁を繰り返す。よって、モータ(図示せず)は回転す
る。
【0030】第3の実施の形態:次に、図13乃至図1
5によって、各単位固定子が10磁極の5相、従ってダ
ブル5相である10相モータの場合についての実施の形
態を説明する。但し、固定子の構造と各磁極構成は、図
3等を用いて説明した第1の実施の形態のものと同様で
あって、各単位固定子の円周上に配設される磁極、従っ
てコイルの数を増加させれば良く、各単位固定子の各磁
極は、夫々コイルと対応している。即ち、図13におい
て、第1の単位固定子S21(図3の第1の単位固定子
S11に対応する。以下単に対応関係のみ示す。)に設
けられた図示しないコイルを2C1、2C2(図3の2
A1、2A2に対応)等、これらコイルを嵌合する磁極
をSC1、SC2(図3のSA1、SA2に対応)等と
呼称し、第2の単位固定子S22(図3のS12に対
応)に設けられたコイルを2D1、2D2(図3の2B
1、2B2に対応)等、これらコイルを嵌合する磁極を
SD1、SD2(図3のSB1、SB2に対応)等と呼
称して、図面による詳細構造の説明は省略する。本実施
の形態では10相の場合を例示しているので、前記
(1)式において、m=10であるから、 Pr=40n+12・・・・・・・・(14) Pr=40n+8・・・・・・・・・(15) という10相について一般式が得られる。
【0031】また、(5)式に示すように、α=(1/
2m)τR、(6)式に示すように、θd=(2π/2
m)であるから θd=2π/20=360゜/20・・・・・・・・(10) α=(1/20)τR・・・・・・・・・・・・・・(11) となる。モータの主要構造は、第1の実施の形態で説明
した6相と類似しているので、コイルの接続と、励磁ス
テップについて記し、詳細の説明は省略する。また、θ
sは、360/10になるから、6相モータの説明で図
5に記した展開図は、図13のように示される。
【0032】次に、図14によって各コイルの結線例を
示す。図14において、実線で示す6角形は第1の単位
固定子S21(図示せず)に形成されるコイル2C1乃
至2C10を、破線で示す6角形は第2の単位固定子S
22(図示せず)に形成されるコイル2D1乃至2D1
0を、夫々示している。同図において、第1の単位固定
子S21のコイルは、端子Aからは、コイル2C1とコ
イル2C6を同一巻方向に直列に接続して端子A′に接
続される。同様に端子Bからは、コイル2C2とコイル
2C7を同一巻方向に直列に接続して端子B′に接続さ
れ、端子Cからは、コイル2C3とコイル2C8を同一
巻方向に直列に接続して端子C′に接続される。以下同
様に、端子DからD′、端子EからE′に夫々各コイル
を直列に接続している。また、第2の単位固定子S22
(図示せず)のコイルは、端子Fからは、コイル2D1
とコイル2D6を同一巻方向に直列に接続して端子F′
に接続される。同様に、端子Gからは、コイル2D2と
コイル2D7を同一巻方向に直列に接続して端子G′に
接続され、端子Hからは、コイル2D3とコイル2D8
を同一巻方向に直列に接続して端子H′に接続される。
以下同様に、端子IからI′、端子JからJ′に夫々各
コイルを直列に接続している。
【0033】次に、図15によって単相励磁の場合の励
磁ステップについて説明する。励磁回路は、従来の技術
及び6相モータの場合と同様、ブリッジ接続した4個の
スイッチング素子の中間接続部に夫々のコイルの各端子
を接続すれば良いので、図示、説明は省略する。図15
は第3の実施の形態の励磁シーケンスにおける第1ステ
ップから第22ステップまでの時間推移を横軸に示し、
縦軸に、励磁電流を供給する各端子名を記している。な
お、電流供給方向は、これまでのものと同様に正方向、
逆方向を上下の矩形で表示している。即ち、図15にお
いて、ステップ1には、端子AからA′方向、即ち、正
方向の電流を供給する。よって、第1の単位固定子S2
1のコイル2C1とコイル2C6に正方向に電流が流れ
て、磁極SC1とSC6(図示せず)が所定方向の極性
(以降、正方向と称す)で励磁される。ステップ2に
は、端子FからF′方向(正方向)へ電流を供給する。
即ち、第2の単位固定子S22のコイル2D1とコイル
2D6に正方向に電流が流れて、磁極SD1とSD6
(図示せず)が正方向の極性で励磁される。ステップ3
には、端子B′からB方向(逆方向)へ電流を供給す
る。即ち、第2の単位固定子S21のコイル2C2とコ
イル2C7に逆方向に電流が流れて、磁極SC2とSC
7(図示せず)が逆方向の極性で励磁される。以下同様
に、図15に示すように、ステップをおって、各端子に
正又は逆方向に電流を供給して各固定子の磁極を励磁
し、ステップ21以降はステップ1に戻って同様の励磁
を繰り返す。よってモータ(図示せず)は回転する。
【0034】第4の実施の形態:次に、図16乃至図1
8によって、第4の実施の形態に示す10相モータのコ
イル接続の複数相励磁のための励磁回路を説明する。 (4−1)第1のコイル接続例 図16によって、第4の実施の形態である10相モータ
の第1の励磁回路接続例を説明する。図16において、
AA′、BB′、CC′、DD′、EE′、FF′、G
G′、HH′、II′.JJ`は、夫々図14によって
説明したコイル接続と同一の符号である。即ち、第1の
単位固定子S21(図示せず)の、コイル2C1とコイ
ル2C6を直列に接続した端子Aを直列に接続したスイ
ッチング素子T1とT6の接続点に接続する。また、コ
イル2C2とコイル2C7を直列に接続した端子Bを直
列に接続したスイッチング素子T2とT7の接続点に接
続する。また、コイル2C3とコイル2C8を直列に接
続した端子Cを直列に接続したスイッチング素子T3と
T8の接続点に接続する。さらに、コイル2C4とコイ
ル2C9を直列に接続した端子Dを直列に接続したスイ
ッチング素子T4とT9の接続点に接続し、コイル2C
5とコイル2C10を直列に接続した端子Eを直列に接
続したスイッチング素子T5とT10の接続点に接続し
て、夫々のコイルの反対側の端子A′、B′、C′、
D′、E′を一点に集めて接続している。即ち、第1の
単位固定子の5個のコイル群をスター状に接続してい
る。
【0035】第2の単位固定子S22(図示せず)の、
コイル2D1とコイル2D6を直列に接続した端子Fを
直列に接続したスイッチング素子T15とT20の接続
点に接続する。また、コイル2D2とコイル2D7を直
列に接続した端子Gを直列に接続したスイッチング素子
T14とT19の接続点に接続する。また、コイル2D
3とコイル2D8を直列に接続した端子Hを直列に接続
したスイッチング素子T13とT18の接続点に接続す
る。さらに、コイル2D4とコイル2D9を直列に接続
した端子Iを直列に接続したスイッチング素子T12と
T17の接続点に接続し、コイル2D5とコイル2D1
0を直列に接続した端子Jを直列接続したスイッチング
素子T11とT16の接続点に接続して、夫々のコイル
の反対側の端子F′、G′、H′、I′、J′を一点に
集めて接続している。即ち、第1の単位固定子のコイル
接続同様、第2の固定子の5個のコイル群をスター状に
接続している。同図において、Vは電源を示し、各スイ
ッチング素子の制御回路は、以下の説明に対応して適宜
構成できるので図示は省略している。
【0036】(4−2)第2のコイル接続例 図17により第2のコイル接続例を説明する。図17
は、図16に示した第1の単位固定子のコイルを一点に
集めて接続した点と、第2の単位固定子のコイルを一点
に集めて接続した点とを、さらに一点にして接続したも
のである。即ち、第1、第2の単位固定子の10個のコ
イル群をスター状に接続している。同図においてVは電
源を示し、各スイッチング素子の制御回路の図示は省略
している。
【0037】(4−3)複数相励磁例 上記図16、図17に示した接続例における8相励磁を
図18によって説明する。図18は、励磁シーケンスに
おける第1ステップから第23ステップまでの時間推移
を横軸に示し、縦軸に、励磁電流を供給する各コイルの
端子名を記している。なお、電流供給方向は、これまで
のものと同様に正方向、逆方向を上下の矩形で表示して
いる。即ち、図18において、ステップ1には、スイッ
チング素子T1とT4及びスイッチング素子T8とT1
0を導通して、端子A及び端子Dから正方向への電流を
供給し、これらの電流を端子C′及び端子E′に逆方向
に流す。一方、スイッチング素子T12とT14及びス
イッチング素子T16とT18を導通して、端子G及び
端子Iから正方向への電流を供給し、これらの電流を端
子H′及び端子J′に逆方向に流す。従って、第1の単
位固定子S21の各磁極SC1、SC4、SC6、SC
9(いずれも図示せず)を所定方向の極性(正極性と称
す)に励磁して、各磁極SC3、SC5、SC8、SC
10(いずれも図示せず)を上記とは逆方向の極性(逆
極性と称す)に励磁する。また、第2の単位固定子S2
2の各磁極SD2、SD4、SD7、SD9(いずれも
図示せず)を正極性に励磁して、各磁極SD3、SD
5、SD8、SD10(いずれも図示せず)を逆極性に
励磁する。
【0038】ステップ2には、スイッチング素子T1と
T4及びスイッチング素子T8とT10を継続して導通
して端子A及び端子Dから正方向への電流を継続供給
し、これらの電流を端子C′及び端子E′に逆方向に継
続して流すが、スイッチング素子T14の導通を切っ
て、かわりに、スイッチング素子T15を導通する。ス
イッチング素子T12及びスイッチング素子T16とT
18は継続して導通する。従って、端子F及び端子Iか
ら正方向への電流を供給し、これらの電流を端子H′及
び端子J′に逆方向に流す。従って、第1の回転子S1
2の各磁極、SC1、SC4、SC6、SC9、及び、
SC3、SC5、SC8、SC10をステップ1に継続
して励磁する。第2の回転子S22の磁極、SD2、S
D7は励磁を停止して、替わりに、SD1、SD6(図
示せず)を同一方向、即ち正方向の極性で励磁し、SD
4、SD9及びSD3、SD5、SD8、SD10の励
磁をステップ1に継続する。以降の説明は省略するが、
同図に明らかなように、順次各スイッチング素子を切り
替え導通させてステップを追って、夫々の磁極を励磁
し、ステップ21以降はステップ1に戻って同様の励磁
を繰り返す。よってモータ(図示せず)は回転する。
【0039】上記の各実施の形態の説明は、本発明に基
づくモータの基本的構造とその励磁回路を説明したもの
であって、その使用目的と条件に対応して適宜改変して
も良いし、可能なことは当然である。例えば、上記の実
施の形態では、本発明の実施態様の内、最も実用性の高
いと思われる6相、10相のものについての本発明の実
施の形態を説明したが、6相の整数倍、10相の整数倍
の相数のものにも本発明が適用可能であることは勿論で
ある。請求項3で、一般式を挙げて相数と極数を限定し
てないのは、この理由による。即ち、6相、10相の整
数倍の相数のものに本発明を適用する場合には、(1)
式のPr=m(4n+1)±2に基づいて磁極数を設定
し、その磁極数に対応して定められる単位固定子のコイ
ル数と、この単位固定子の所定コイルに単位回転子の所
定磁極を対向させた場合、他の単位モータを構成する単
位固定子における前記コイルに対して1/2ピッチ偏位
したコイルと対向する単位回転子の前記コイルとの偏位
角度を単位回転子に構成する同一磁性極ピッチ角を6相
の場合が1/12、10相の場合が1/20である例に
準じて設定すればよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステ
ッピングモータとその励磁回路は上記のように構成した
ので、次のような優れた効果を有する。 (1)請求項1に記載の本発明の基本構成によると、次
のような優れた効果を有する。 固定子、回転子との磁気結合はアキシャル方向であ
り、鉄心を積層したハイブリットのモータに対し大幅に
薄くすることができる。 固定子の磁極に極歯を設けて更に多相にしているので
偏平モータでありながら微小のステップ角が得られる。 本発明では偏平多相形永久磁石形モータを上記のよう
に第1、第2の2つの単位モータで構成するようにした
ので、これらの第1及び第2の単位モータごとにスター
状に接続するか、共通のスター状に接続することで、励
磁用のスイッチング素子の数を減らせるので、励磁回路
の簡略化もでき、駆動コストの低減が図れる。 この結果、本発明構造により多相にした場合、励磁回
路を形成するスイッチング素子の数を半分に減らすこと
ができる。例えば、6相の場合は12個、10相の場合
は20個にすることができて、大幅にコストを低減する
ことができる。 低コストの複数相励磁を可能にすることによって、振
動を低減しながら、出力トルクの増大が図れる。 励磁回路を上記のように構成できるので、ブラシレス
モータの駆動回路と共用でき、生産数の面からも、コス
トダウンが図れる。 上記の結果、本発明の扁平永久磁石形ステッピングモ
ータは高速FAX、プリンタ、PPC複写機などの高速
で低振動、低騒音を要する各種OA機器用の薄型を要求
されるモータに適切に活用できる。
【0041】(2)請求項2に記載のように第1の単位
モータの第1の単位固定子に形成する磁極と第2の単位
モータの第2の単位固定子に形成する磁極との相互の磁
極形成位置と第1及び第2の単位モータの第1及び第2
の単位回転子に形成する磁極形成ピッチを選択すると、
前項(1)〜の機能を有する本発明の偏平多相永久
磁石形ステッピングモータを適正に構成することができ
る。
【0042】(3)請求項3に記載のように回転子の磁
極数をPr=m(4n+1)±2に設定することによ
り、上記(1)〜の機能を有する本発明の偏平多相
永久磁石形ステッピングモータの磁極数を適正なものと
することができる。
【0043】(4)請求項4に記載のように6相モータ
を構成した場合も、上記(1)に記載したように駆動
回路を構成するスイッチング素子を12個で構成でき
る。
【0044】(5)請求項5に記載のように10相モー
タを構成した場合も、上記(1)に記載したように駆
動回路を構成するスイッチング素子を20個で構成でき
る。
【0045】(6)請求項6乃至8に記載のように形成
し複数励磁を行える励磁回路を構成すると、励磁用のス
イッチング素子の数を減らせるので、励磁回路の簡略化
もでき、駆動コストの低減が図れる。また、駆動回路を
上記のように構成できるので、ブラシレスモータの駆動
回路と共用でき、生産数の面からも、コストダウンが図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの概略構造を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する6
相モータの2個の単位固定子の重なり状況を示す固定子
の正面図である。
【図3】本発明に基づく偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイル部の構造と第1の単位固定子と
第2の単位固定子との位置関係を説明する固定子展開図
である。
【図4】図2、図3に示す固定子に対応する単位回転子
の永久磁石の磁極構成を説明する、永久磁石の配置図で
あって、同図(A)は第1の単位回転子の正面図、同図
(B)は第1の単位回転子と第2の単位回転子の位置関
係を説明する斜視図、同図(C)は第1の単位回転子の
磁極と第2の単位回転子の磁極の位置関係を説明する展
開図である。
【図5】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する各
単位固定子と、単位回転子の展開図である。
【図6】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する6
相モータの場合のコイルの結線図である。
【図7】本発明に基づく第1の実施の形態の働きを説明
する図6に示すコイル結線における励磁回路図である。
【図8】本発明に基づく第1の実施の形態を説明する図
7に示した励磁回路における励磁フロー図である。
【図9】本発明に基づく第1の実施の形態における図8
に示したフローに従った図5に示した展開図によって駆
動原理を説明する励磁フロー図である。
【図10】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第1の接続図であ
る。
【図11】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第2の接続図であ
る。
【図12】本発明に基づく第2の実施の形態を説明する
図10又は図11に示す励磁回路の接続で実現できる4
相励磁のフロー図である。
【図13】本発明に基づく第3の実施の形態を説明する
各単位固定子と単位回転子の位置関係を示す展開図であ
る。
【図14】本発明に基づく第3の実施の形態を説明する
10相モータのコイル結線図である。
【図15】本発明に基づく第3の実施の形態の働きを説
明する図14に示すコイル結線の場合の単相励磁フロー
図である。
【図16】本発明に基づく第4の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第1の接続図であ
る。
【図17】本発明に基づく第4の実施の形態を説明する
複数相励磁を可能にする励磁回路の第2の接続図であ
る。
【図18】本発明に基づく第4の実施の形態を説明す
る、図16又は図17に示す励磁回路の接続で実現でき
る8相励磁のフロー図である。
【図19】従来の偏平多相永久磁石形ステッピングモー
タの概略構造を示す縦断側面図である。
【図20】従来の偏平多相永久磁石形ステッピングモー
タの固定子コイルの配置を説明する図19のX−X線方
向から見た正面図である。
【図21】従来の偏平多相永久磁石形6相ステッピング
モータの固定子コイルの結線図である。
【図22】図19に示す偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイルの励磁回路図である。
【図23】従来の偏平多相永久磁石形20相ステッピン
グモータの固定子コイルの結線図である。
【図24】図21に示す偏平多相永久磁石形ステッピン
グモータの固定子コイルの励磁回路図である。
【符号の説明】 1:ケース 1T:固定子用鉄板 2:固定子コイル 2A1〜2A6、2B1〜2B6、2C1〜2C10、
2D1〜2D10:固定子コイル 3:回転子の磁性体円板 4:永久磁石 5:非磁性体板 6:カバー 7:軸受 8:回転軸 9:ロータブッシュ S11、S12:単位固定子 Sa:固定子の極歯 R11、R12:単位回転子 SA1〜SA5、SB1〜SB6、SC1〜SC10、
SD1〜SD10:固定子の磁極 T1〜T24:スイッチング素子
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月3日(2001.12.
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来の扁平多相永久磁石形ステッピング
モータ(以下モータと略称する)の縦断面図を図19に
示す。同図において、101は固定子、102は放射状
に形成された空芯のコイル、3は永久磁石4を装着した
磁性体円板である。磁性体円板3は回転軸8に固定さ
れ、固定子101はブラケット1Bを介して軸受7によ
って支承されている。図20は、図19のXーX線から
見た6相モータの場合のコイル102の配置状況を示し
た要部正面図である。永久磁石4は、このコイル102
の配置ピッチに対応して装着されている。図21は、コ
イル数が24で6相の場合の接続図、図22は、図21
の励磁回路を示している。図21において、Φ1乃至Φ
24は各コイルを示し、A乃至Fは上記コイルを各相ご
とに直列に接続した一方の端子を、A′乃至F′は各直
列に接続されたコイル群の他方の端子を示している。図
22において、T1乃至T24は各コイルを励磁するた
めのスイッチングトランジスタ等のスイッチング素子、
ΦAA′乃至ΦFF′は図21に示したように各相ごと
に直列接続したコイル群を示している。なお、Vは電源
である。各相ごとに上記各スイッチング素子4個をブリ
ッジ接続して、その中間部に各直列接続された各コイル
群を接続している。即ち、図22において、第1のスイ
ッチング素子T1と第2のスイッチング素子T13及び
第3のスイッチング素子T2と第4のスイッチング素子
T14が夫々直列に接続され、夫々の接続点の間に図2
1に示す第1相のコイル群の端子A及びA′が接続され
ている。この接続において、第1のスイッチング素子T
1と第4のスイッチング素子T14を導通し、の方向
に電流が流れると、第1相のコイル群の端子AからA′
の方向に電流が流れる。このように、夫々のスイッチン
グ素子を順次導通させて、各相に励磁することによって
モータが回転する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に絶縁した磁性体円板上に放射状
    に所定数の夫々の周囲にコイルを配設し当該磁極の先端
    に極歯を形成した磁極を設けた第1の単位固定子と、該
    第1の単位固定子の上記磁極表面に対して所定間隙を介
    して、該磁極に形成する極歯の寸法とピッチに対応した
    ピッチでN極、S極交互に着磁した永久磁石を配設した
    磁性体円板を回転自在に支承した第1の単位回転子とよ
    りなる第1の単位モータと、当該第1の単位モータの構
    造を反転し、第1の単位固定子に対し非磁性体を介して
    背中合わせにして同軸に構成した第2の単位固定子及び
    第2の単位回転子とよりなる第2のモータによって構成
    し、 上記各極歯群は断面ほぼ方形の突起を所定数、所定ピッ
    チで放射状に形成したことを特徴とする偏平多相永久磁
    石形ステッピングモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の偏平多相永久磁石形ス
    テッピングモータにおいて、 上記第1の単位モータを構成する第1の単位固定子に形
    成する磁極と第2の単位モータを構成する第2の単位固
    定子に形成する磁極との相互の磁極形成位置を当該磁極
    形成ピッチ角の1/2ピッチ偏位させ、上記第1の単位
    モータを構成する第1の単位回転子に形成する磁極と第
    2の単位モータを構成する第2の単位回転子に形成する
    磁極との相互の形成位置を当該同一磁性極形成ピッチ角
    の1/4ピッチ偏位させるようにしたことを特徴とする
    偏平多相永久磁石形ステッピングモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の偏平多相永久磁
    石形ステッピングモータにおいて、 上記各単位モータを構成する各単位回転子の磁極数Pr
    を次式を満足するように形成した偏平多相永久磁石形ス
    テッピングモータ。 Pr=m(4n+1)±2 但し、mは当該偏平多相永久磁石形ステッピングモータ
    の相数であってm≧6の整数、n≧1の整数とする。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の偏平
    多相永久磁石形ステッピングモータにおいて、 第1及び第2の単位モータを夫々6極の6相モータとし
    たことを特徴とする偏平多相永久磁石形ステッピングモ
    ータ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の偏平
    多相永久磁石形ステッピングモータにおいて、 第1及び第2の単位モータを夫々10極の10相モータ
    としたことを特徴とする偏平多相永久磁石形ステッピン
    グモータ。
  6. 【請求項6】 各単位モータにおける相対向する固定子
    磁極に嵌合するコイル同士を直列にした複数組のコイル
    の端部を夫々一点に接続し、複数相励磁を行うようにし
    たことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の
    偏平多相永久磁石形ステッピングモータの励磁回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の偏平多相永久磁石形ス
    テッピングモータの励磁回路において、 第1及び第2の単位モータごとに1点に接続した接続点
    を相互に接続したことを特徴とする偏平多相永久磁石形
    ステッピングモータの励磁回路。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の偏平多相永久磁
    石形ステッピングモータの励磁回路において、 各コイルの1点に接続した反対端子を夫々直列に接続し
    たスイッチング素子の接続点に接続して複数相励磁を行
    うようにしたことを特徴とする偏平多相永久磁石形ステ
    ッピングモータの励磁回路。
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