JP2003090836A - 窒素化合物測定方法および窒素化合物測定装置 - Google Patents

窒素化合物測定方法および窒素化合物測定装置

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JP2003090836A JP2001284474A JP2001284474A JP2003090836A JP 2003090836 A JP2003090836 A JP 2003090836A JP 2001284474 A JP2001284474 A JP 2001284474A JP 2001284474 A JP2001284474 A JP 2001284474A JP 2003090836 A JP2003090836 A JP 2003090836A
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ammonia
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Yoshikazu Iwamoto
恵和 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水質汚濁の指標である水中に含まれるア
ンモニウムイオン、硝酸イオンおよび亜硝酸イオンなど
の窒素化合物の全量を容易かつ迅速に測定することがで
きる窒素化合物測定方法および窒素化合物測定装置を提
供する。 【解決手段】 アルカリ性としたサンプル液Sa、加熱
されたデバルダ合金3に接触させることによって、サン
プル液Sa中に含まれる窒素化合物からアンモニアを発
生させ、このアンモニアの濃度をアンモニアセンサ5で
測定することにより、サンプル液Sに含まれる窒素化合
物の全量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境中、例えば酸
性雨、海や河川水中などに存在するアンモニウムイオ
ン、硝酸イオンおよび亜硝酸イオンなどの窒素化合物の
濃度を測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水質環境状態を把握するために全
窒素化合物の濃度を測定することが行われており、地球
環境を維持するために、水に含まれるアンモニウムイオ
ン、硝酸イオンおよび亜硝酸イオンなどの全窒素化合物
の濃度に規制を加えることが考えられている。ところ
が、従来より、アンモニウムイオン、硝酸イオンおよび
亜硝酸イオンなどの窒素化合物を測定することは困難で
あり、各イオン濃度をそれぞれ個々のセンサによって別
々の方法で測定していた。
【0003】図6は従来より考えられている硝酸イオン
センサ、アンモニウムイオンセンサおよび亜硝酸センサ
の例および窒素化合物の測定方法の一例を示している。
図6において、31,32,33はそれぞれ硝酸イオ
ン,亜硝酸イオン,アンモニウムイオンの測定用の容
器、S1 ,S2 ,S3 は各容器31,32,33に収容
された測定対象サンプル液Sを測定に適切なイオン強度
やpHになるように調整した溶液、34,35,36は
各溶液S1 ,S2 ,S3 に浸漬した電極でありそれぞれ
液膜式硝酸イオン電極,隔膜式亜硝酸イオン電極,隔膜
式アンモニウムイオン電極、37は各イオン電極34〜
36に接続されて全窒素化合物の濃度を算出する演算処
理部である。
【0004】溶液S1 はサンプル液Sに支持塩として硫
酸ナトリウムを添加してなり、溶液S2 はサンプル液S
を酸性とするための硫酸などの強酸を添加してなり、溶
液S 3 はサンプル液Sをアルカリ性とするための強アル
カリを添加してなる。つまり、従来は3つの容器31,
32,33に浸漬した3つのイオン電極34,35,3
6により、それぞれ硝酸イオン,亜硝酸イオンおよびア
ンモニウムイオンを測定していた。
【0005】また、各イオン電極34〜36を用いて測
定された硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオ
ンの濃度は、演算処理部37によって求められると共
に、その合計からサンプル液Sに含まれる全窒素化合物
の濃度が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では、サンプル液Sに含まれる全窒素化合物の測定
を行なうための前に、サンプル液Sを3つに分けたり、
強酸と強アルカリによる前処理を行なう必要があるの
で、測定に先立つ前処理に手間がかかることは避けられ
なかった。また、各成分の濃度を分析する三種類のイオ
ン電極34〜36が必要であり、測定操作が煩雑になる
ことは避けられなかった。加えて、上記各イオン電極3
4〜36による測定は、塩化物イオンの影響が大きい海
水中においては不可能であった。
【0007】さらに、全窒素化合物の濃度測定のために
は複数種の薬剤を常に確保する必要があるので、ランニ
ングコストの引き上げやメンテナンスにかかるコストが
増大する原因となっていた。また、測定後の溶液S1
3 を排出する際には各々の溶液S1 〜S3 を中和する
など何らかの廃棄処理を施す必要があり、これが測定手
順のさらなる煩雑化を招いていた。
【0008】一方、全窒素化合物を測定するための別の
分析法としては、イオン電極法吸光光度法や簡易比色法
などがあるが、これは発色の際に有害物質を含有させる
必要があり、廃液処理等を必要とし、煩雑化を招くおそ
れがあった。
【0009】例えば、カドミウム還元ゲンチシン法、銅
−カドミウム還元ナフチルエチレンジアミン法などによ
って硝酸イオンを測定する方法や、ナフチルアミン法、
ジアゾ化法、ナフチルエチレンジアミン法などによって
亜硝酸イオンを測定する方法、さらに、インドフェニー
ル青法、サリチル酸法などによってアンモニウムイオン
を測定する方法がある。しかしながら、前記何れの場合
にも測定後の溶液は、環境汚染の観点から見てこれを簡
単に処理して破棄することができなかった。このため、
測定後の溶液は適切な無害化処理を施した後に、これを
排出する必要があり、測定後の後処理に多大の手間をか
ける必要があった。
【0010】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的は、水質汚濁の指標である水中に含ま
れるアンモニウムイオン、硝酸イオンおよび亜硝酸イオ
ンなどの窒素化合物の全量を容易かつ迅速に測定するこ
とができる窒素化合物測定方法および窒素化合物測定装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の窒素化合物測定
方法は、アルカリ性としたサンプル液を、加熱された窒
素化合物還元性金属に接触させることによって、サンプ
ル液中に含まれる窒素化合物からアンモニアを発生さ
せ、このアンモニアの濃度をアンモニアセンサで測定す
ることにより、サンプル液に含まれる窒素化合物の全量
を算出することを特徴としている。
【0012】本発明の窒素化合物測定方法で用いる窒素
化合物還元性金属としては、一種類の金属のみならず、
複数種類の金属を混合してなる合金が考えられる。そし
て、窒素化合物還元性合金として、好ましいものとして
例えばデバルダ合金がある。このデバルダ合金は、Cu
50%、Zn5%、Al45%からなり、塩基性雰囲気
において強い還元性を有する。そのときの反応式は下記
の通りである。 NO3 - +4Zn+7OH- →4ZnO2 2-+2H2 O+NH3 … 式(1) NO2 - +3Zn+5OH- →3ZnO2 2-+H2 O+NH3 … 式(2) NH4 - +OH- →H2 O+NH3 … 式(3)
【0013】上記反応式に示すように、デバルダ合金を
用いることにより亜硝酸イオン(NO3 - )やアンモニ
ウムイオン(NH4 - )に加えて、酸化状態において最
も安定な硝酸イオン(NO3 - )もアンモニアガス(N
3 )の状態にまで還元することができる。
【0014】したがって、アルカリ性としたサンプル液
が、窒素化合物還元性金属と接触することにより、サン
プル液中に含まれるアンモニウムイオン、硝酸イオンお
よび亜硝酸イオンといった窒素化合物がアンモニアに変
化し、このアンモニアをアンモニアセンサによって測定
することにより、サンプル液中に含まれる全窒素化合物
を一挙に測定することができる。
【0015】とりわけ、本発明は窒素化合物還元性金属
を加熱することにより、反応速度を早めており、簡便な
装置で試料を強力かつ迅速に還元できることから、簡単
に水質汚濁の指標となっている窒素化合物の全量を測定
することが可能となる。窒素化合物還元性金属の加熱温
度は、サンプル液の水分が蒸発しない程度に高温である
ことが望ましく、例えば80〜120℃の範囲で温調さ
れることにより、反応時間を待つ必要なく全窒素化合物
をアンモニアに変換して全窒素化合物の濃度を測定でき
る。
【0016】つまり、従来のようにサンプル液を3つに
分ける必要も、3種のイオン電極を用いる必要も、全窒
素化合物測定の前処理として複数種の薬剤を確保する必
要も、大がかりな廃液処理を施す必要もないので、それ
だけ測定にかかる手間を抑えると共にコストダウンを図
ることができ、環境に優しい分析を行うことができる。
【0017】前記窒素化合物還元性金属を傾斜した状態
に配置し、その上端部分からサンプル液を滴下すること
により、窒素化合物還元性金属によるサンプル液の還元
効率を向上する場合には、サンプル液をより十分に窒素
化合物還元性金属に接触させることができ、それだけ迅
速に還元を行うことができる。
【0018】本発明の窒素化合物測定装置は、サンプル
液をアルカリ性とするpH調整部と、アルカリ性にした
サンプル液を接触させることにより還元反応を起こして
アンモニアを発生する窒素化合物還元性金属と、この窒
素化合物還元性金属を加熱するヒータと、生成したアン
モニアを測定するアンモニアセンサと、このアンモニア
センサによる測定値を基に、サンプル液に含まれる窒素
化合物イオンの全量を算出する処理部を有することを特
徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の窒素化合物測定装
置1の一例を示し、窒素化合物測定方法を説明する図で
ある。図1において、2はサンプル液Sをアルカリ性の
サンプル液SaとするpH調整部、3はアルカリ性にし
たサンプル液Saを接触させることにより還元反応を起
こしてアンモニア(NH3 )を発生する窒素化合物還元
性金属の一例であるデバルダ合金、4はこのデバルダ合
金3を加熱するヒータ、5は生成したアンモニア(NH
3 )を測定するアンモニアセンサ、6はこのアンモニア
センサ5による測定値を基に、サンプル液Sに含まれる
窒素化合物の全量を算出する処理部である。
【0020】前記pH調整部2はサンプル液Sをアルカ
リ性とするためのアルカリ溶液ALとして例えば水酸化
ナトリウム(NaOH)をサンプル液Sに添加する部分
であり、この水酸化ナトリウム(NaOH)を蓄積する
タンク7と、電磁弁8とを有している。このpH調整部
2によって所定のpHに調整されたサンプル液Saを生
成する。
【0021】なお、pH調整部2の構成は水酸化ナトリ
ウムを添加する構成に限定されるものではなく、その他
のアルカリ溶液として、例えばトリスバッファや水酸化
カリウム(KOH)などの適宜濃度の溶液を添加する構
成にしてもよい。さらに、電気分解などの別の方法でサ
ンプル液SaのpHを調整することが可能である。
【0022】前記デバルダ合金3はCu50%、Zn5
%、Al45%からなり、このデバルダ合金3は、塩基
性雰囲気において強い還元性を有し、このデバルダ合金
3に接触するアルカリ性のサンプル液Saは既に詳述し
た式(1)〜(3)に示す還元反応を起こす合金であ
る。
【0023】また、デバルダ合金3の形状は板状(以
下、デバルダ合金板3ともいう)であり、かつ、斜めに
傾斜した状態に配置されている。そして、斜めに配置さ
れたデバルダ合金板3の上端部分に、前記サンプル液S
aが滴下されることによって、サンプル液Saがデバル
ダ合金板3の表面側3aに接触しながら流れるように構
成されている。
【0024】加えて、デバルダ合金板3の表面側3aは
サンディングによって凹凸が形成されている。これによ
って、デバルダ合金板3の表面側3aをアルカリ性のサ
ンプル液Saが流れるときに、デバルダ合金板3の表面
側3aに形成された凹凸面によって表面を流れるサンプ
ル液Saとの接触面積が大となり、また、抵抗が大きく
なって流れを適宜に制御でき、接触時間を長くすること
ができる。すなわち、窒素化合物還元性合金3によるサ
ンプル液Saの還元効率を向上している。また、デバル
ダ合金3を板状に形成することにより、一般的な板状の
電熱ヒータ4を容易に沿わせることができ、加熱効率を
向上できる。
【0025】前記ヒータ4はデバルダ合金板3の裏面側
3bに沿うように取り付けられた電熱ヒータであり、例
えばシリコンゴムによって絶縁膜が形成されている。ヒ
ータ4による加熱によってデバルダ合金3による還元効
率は飛躍的に向上し、サンプル液Saがデバルダ合金板
3の表面側3aを流れる間に、これに含まれる窒素化合
物の全量がアンモニアガスに変換される。なお、本例で
はヒータ4の一例として、その構成が簡素である電熱ヒ
ータを例示しているが、本発明はこの点を限定するもの
ではなく、電磁加熱ヒータであってもよい。また、その
取付け位置もデバルダ合金3に沿わせることに限定する
ものではない。
【0026】アンモニアガスセンサ5は隔膜式アンモニ
ア電極であって、デバルダ合金3によって変換されたア
ンモニアガスの濃度を検出するものであり、9はこのア
ンモニアガスセンサ5とデバルダ合金3を封入する部屋
である。つまり、部屋9内におけるアンモニアガスの濃
度を検出することにより、サンプル液Saに含まれる窒
素化合物の全量を測定することができる。
【0027】処理部6は例えば中心的な演算処理を行な
うCPU10と、前記アンモニアガスセンサ5からの測
定信号を増幅するアンプ11と、前記ヒータ4に電力を
供給するヒータ電源部12と、処理部6によって測定さ
れた全窒素化合物の濃度などを表示する表示部13とを
有している。この他にも処理部6によって前記pH調整
部2によるサンプル液SのpH調整が制御されている。
【0028】上記構成の窒素化合物測定装置1は、サン
プル液SのpHをpH調整部2によって調整してアルカ
リ溶液のサンプル液Saとする一方、このサンプル液S
aを、ヒータ4による加熱によって例えば80〜120
℃に温調したデバルダ合金板3に接触させることによ
り、サンプル液Sa中に含まれる窒素化合物からアンモ
ニアガスを発生させることができる。次いで、発生した
アンモニアガスの濃度をアンモニアセンサ5で測定する
ことにより、処理部6はサンプル液Sに含まれる窒素化
合物の全量を算出することができる。そして、測定され
た窒素化合物の濃度は、表示部13に表示される。
【0029】なお、測定後のサンプル液Sbは、前記部
屋9の下端部に形成された廃液部9aから排出される
が、排出されるサンプル液Sbには地球環境に悪影響を
与えるような物質が含まれていないので、これを適度に
中和処理して、排出することができる。
【0030】すなわち、本発明の窒素化合物測定装置1
を用いることにより、サンプル液Sに含まれる全窒素化
合物の量を容易に測定することができ、従来のようにサ
ンプル液Sを3つに分ける処理や、複数の薬剤を用いて
それぞれpHの異なる複数の溶液を生成する処理などを
必要としていない。また、水質汚染の判断基準となる全
窒素化合物の量が一つのアンモニアガスセンサ5によっ
て測定可能である。
【0031】したがって、全窒素化合物の測定のために
従来のように3種類の電極を用いる必要はなく、それだ
け製造コストおよびランニングコストを引き下げること
ができる。また、廃液に有害物質が含まれていないの
で、環境にやさしい分析を行うことができる。
【0032】本発明の窒素化合物測定装置1において、
特に重要な点はデバルダ合金3の形状である。したがっ
て、以下、デバルダ合金板3の形状として好適な例を説
明する。
【0033】図2(A)は図1に示したデバルダ合金板
3の平面形状の一例を示す図であり、図2(B)は図2
(A)におけるI−I断面図である。図2において、1
4はデバルダ合金によって形成された平面形状が扇形の
デバルダ合金板であって、サンプル液Saを滴下する点
14aからほゞ90度の範囲に広がりながら流れるよう
に、点14aから末広がりとなる傾斜面の表面14bを
形成している。
【0034】また、前記表面14bの傾斜方向から見て
左右両端および上端部分には、サンプル液Saが確実に
表面14b上を流れるようにするためのガイド14cが
形成されており、表面14bには円周方向Rに沿うよう
に、粗面処理が施されて、多数の凹凸(荒研磨面)を形
成している。
【0035】デバルダ合金板14は本例のように構成さ
れることにより、サンプル液Saを効率よくデバルダ合
金14に接触させることが可能であるから、サンプル液
Saをより確実にデバルダ合金14に接触させて、これ
に含まれる窒素化合物を効率よくアンモニアガスに変換
することができる。つまり、サンプル液Saに含まれる
窒素化合物の全量をより迅速に測定することができる。
【0036】図3は図1に示したデバルダ合金板3の変
形例を示す図であって、図3(A)はその平面形状、図
3(B)はII−II断面図である。図3(A)において、
15はデバルダ合金によって形成された平面視円形のデ
バルダ合金板である。
【0037】本例のデバルダ合金板15において、15
aはサンプル液Saを滴下する中心点であり、この中心
点15aはデバルダ合金板15のほゞ中心となってい
る。また、デバルダ合金板15は全体として中心点15
aが最も高くなるように緩やかな傾斜面を形成する円錐
形状である。15bは中心点15aの近傍から螺旋状に
立設するガイド板であり、このガイド板15bによって
サンプル液Saが螺旋を描いてデバルダ合金板15の表
面15cに接するように流れる。また、この表面15c
には、粗面処理を施して多数の凹凸を形成することが望
ましい。
【0038】したがって、中心点15aに滴下されたサ
ンプル液Saはガイド板15bによって形成された螺旋
状の流路に沿ってデバルダ合金板15の表面15cに接
するので、このサンプル液Saに含まれる窒素化合物は
確実にアンモニアガスに変換される。つまり、本発明の
窒素化合物測定装置1の分析精度をできるだけ高めるこ
とができる。
【0039】なお、ガイド板15bによるサンプル液S
aの流路形成は螺旋状に限定されるものではないことは
いうまでもない。例えば、図2に示したような扇形のデ
バルダ合金板14にガイド板を形成する場合には、例え
ば略己字状の流路を形成するように、ガイド板を形成す
ることが可能である。つまり、ガイド板は傾斜したデバ
ルダ合金板の上で緩やかに傾斜する流路を形成し、デバ
ルダ合金板上を流れるサンプル液Saがデバルダ合金の
表面に接する時間を長くするように、設けられるもので
あればよい。
【0040】また、前記デバルダ合金は板状に形成され
るものだけに限られるものではない。すなわち、図4に
示すように粒状のデバルダ合金を傾斜した状態に配置す
ることも考えられる。
【0041】図4において、16は傾斜した板状のヒー
タ4の表面に傾斜方向に対して直角に形成された網状の
仕切り、17はこの仕切り16によって仕切られた枠内
に充填される粒状のデバルダ合金である。本例のように
傾斜した面の上に配置されたデバルダ合金17に対し
て、その上端部にサンプル液Saを滴下すると、このサ
ンプル液Saは各デバルダ合金17の粒の間と通るよう
にして、デバルダ合金17の粒の表面に接触する。ま
た、各デバルダ合金17はヒータ4によって加熱されて
いるので、デバルダ合金17の粒の間を通るサンプル液
Saに含まれる窒素化合物は、デバルダ合金17によっ
て確実にアンモニアガスに変換される。
【0042】本例のように粒状のデバルダ合金17を用
いた場合には、デバルダ合金17を特殊な形に形成する
ことなく、サンプル液Saの自由な流路を形成できると
共に、デバルダ合金17の接触面積を広くして還元反応
の速度を速めることができる。また、還元反応によって
僅かに小さくなるデバルダ合金17を容易に補充するこ
とができる。なお、粒状のデバルダ合金17は焼結によ
って板状に連結されていてもよい。
【0043】図5は本発明の窒素化合物測定装置1’の
別の実施例を示す図である。図5において、図1〜4と
同じ符号を付した部材は同一または同等の部材であるか
ら、その詳細な説明を省略する。
【0044】図5において、18は、支持塩Nとして硫
酸ナトリウム(Na2 SO4 )を混合することによって
サンプル液Sのイオン活量を調整するイオン活量調整
部、19はイオン活量が調整されたサンプル液Scを電
気分解するpH分離部であり、これら18,19は本例
のpH調整部20となる。
【0045】21はpH分離部19を2つに分ける隔膜
による壁面、22,23はこの壁面21の両側に形成さ
れた例えばチタンなどの金属からなる電極、24は両電
極22,23間に例えば2Vなどの所定の電圧を印加す
る電源、25,26は電気分解されたサンプル液Sa,
Sdをそれぞれ排出する電磁弁である。
【0046】したがって、前記支持塩Nが添加されたサ
ンプル液ScをpH分離部19によって電気分解するこ
とにより、アルカリ溶液としたサンプル液Saをデバル
ダ合金板3に滴下することが可能となる。また、廃液部
9aから排出されるサンプル液Sbを前記pH分離部1
9によって分離したもう一方のサンプル液Sdと混合す
ることによって、ほゞ元のサンプル液Sと同じpHのサ
ンプル液S’とすることができ、廃液処理を極めて簡単
に行うことが出来る。
【0047】一方、デバルダ合金板3によって生成され
たアンモニアガスは、部屋9の上端に形成された連通路
9bを介して連通連結された測定部9c内のアンモニア
ガスセンサ5によってその濃度が測定される。そして、
処理部6はアンモニアガスセンサ5の出力から求めたア
ンモニアガスの濃度にしたがって、サンプル液Sに含ま
れる窒素化合物の濃度を算出し、これを表示部13に表
示する。
【0048】本例のように構成された窒素化合物測定装
置1’はpH調整部20によるpHの調整に強アルカリ
性を有するアルカリ溶液を用いる必要がなく、廃液S’
はほゞ元のサンプル液Sと同程度のpHであるから、廃
液S’の処理を更に簡単に行うことができる。つまり、
さらに環境に優しい窒素化合物測定装置1’である。
【0049】なお、上述した各例では、窒素化合物をデ
バルダ合金3,14,15,17によって還元して生成
したアンモニアをガスの状態で測定する例を示している
が、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、
生成されたアンモニアガス8NH3 )は、下記の式
(4)に示すように、水(H2 O)の存在下で、下記の
ように反応するので、このアンモニウムイオン(NH4
+ )をアンモニウムイオンセンサによって検出すること
も可能である。 NH3 +H2 O→NH4 + +OH- … 式(4)
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水質汚濁の指標である水中に含まれるアンモニウムイオ
ン、硝酸イオンおよび亜硝酸イオンなどの窒素化合物の
全量を簡便かつ迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒素化合物分析装置の全体構成を示す
図である。
【図2】前記窒素化合物分析装置の要部の構成を示す図
である。
【図3】前記窒素化合物測定装置の要部変形例を示す図
である。
【図4】前記窒素化合物分析装置の別の変形例を示す図
である。
【図5】本発明の別実施例である窒素化合物測定装置の
全体構成を示す図である。
【図6】従来の窒素化合物測定方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1,1’…窒素化合物測定装置、2,20…pH調整
部、3,14,15,17…デバルダ合金(デバルダ合
金板)、4…ヒータ、5…アンモニアセンサ、6…処理
部、AL…アルカリ溶液、S…サンプル液、Sa…アル
カリ性としたサンプル液。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性としたサンプル液を、加熱さ
    れた窒素化合物還元性金属に接触させることによって、
    サンプル液中に含まれる窒素化合物からアンモニアを発
    生させ、このアンモニアの濃度をアンモニアセンサで測
    定することにより、サンプル液に含まれる窒素化合物の
    全量を算出することを特徴とする窒素化合物測定方法。
  2. 【請求項2】 前記窒素化合物還元性金属を傾斜した状
    態に配置し、その上端部分からサンプル液を滴下するこ
    とにより、窒素化合物還元性金属によるサンプル液の還
    元効率を向上する請求項1に記載の窒素化合物測定方
    法。
  3. 【請求項3】 サンプル液をアルカリ性とするpH調整
    部と、アルカリ性にしたサンプル液を接触させることに
    より還元反応を起こしてアンモニアを発生する窒素化合
    物還元性金属と、この窒素化合物還元性金属を加熱する
    ヒータと、生成したアンモニアを測定するアンモニアセ
    ンサと、このアンモニアセンサによる測定値を基に、サ
    ンプル液に含まれる窒素化合物の全量を算出する処理部
    を有することを特徴とする窒素化合物測定装置。
  4. 【請求項4】 前記窒素化合物還元性金属が傾斜した状
    態に配置されている請求項3に記載の窒素化合物測定装
    置。
JP2001284474A 2001-09-19 2001-09-19 窒素化合物測定方法および窒素化合物測定装置 Pending JP2003090836A (ja)

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