JP2003089713A - ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents
ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法Info
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Abstract
のコンタクト接着性、初期及び最終接着強度に優れ、更
に微粒子化することによる分散体粒子の沈降安定性と基
材に対する塗布適性に優れるポリウレタン樹脂水性分散
体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリイソシアネート(A)、ポリオール
(B)、及び有機溶剤(C)を反応させて得られたプレ
ポリマー(D)と、界面活性剤(E)を含有する水溶液
(F)を、該プレポリマー(D)中に滴下又は分割投入
することで転相乳化を行い得られた水性分散体(G)
に、ポリアミン(H)を、プレポリマー(D)に存在す
るイソシアネート基に対して、当量比以で混合し鎖伸長
反応させてポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法
であって、ポリオール(B)及びポリアミン(H)の内
の少なくとも1つがカルボキシレート基及び/又はスル
ホネート基を含有することを特徴とする。
Description
ベース樹脂として使用した場合に優れた性能を発揮し得
るポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法に関するもの
である。更に詳しくは、貼り合わせ直後のコンタクト接
着性に優れ、しかも初期及び最終接着強度、耐久性等に
も優れ、分散体粒子の沈降安定性、及び良好な塗布性を
有するポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法に関する
ものである。
ニル(PVC)等のプラスチック、発泡体等の各種基材を
ポリウレタン系水性溶液、分散液、及びこれらを用いて
得られる接着剤を使用して接着する場合、最終接着強度
(即ち、養生・硬化後の接着強度であり、貼り合わせ1
日後の接着強度を云う)、耐久性、貼り合わせ直後およ
び数時間内の接着強度、接着剤の塗布適性などが非常に
重要である。特に種々の形状の基材に刷毛等を使用して
接着剤を塗布する靴等の用途においては、接着剤の刷毛
塗り性、レベリング性(均一塗布性)の他に、2つの基
材に各々接着剤を塗布した面同士のコンタクト接着性に
優れることが重要となる。
布した基材を貼り合わせる方法としては、刷毛等を用い
て接着剤を2つの基材に各々塗布した後、水分を除去し
て接着性能を発現させるために、例えば、50〜60℃
などの適当な温度で乾燥する再活性工程を行った後に、
接着剤を塗布した基材同士を貼り合わせる方法が行われ
ている。
チレン−酢ビ系(EVA系)基材、ゴム、天皮、PVC
等の基材は種々の形状を呈しているために、接着剤塗布
面同士を貼り合わせた時のコンタクト接着強度が低い場
合には、基材の変形の応力に負けて接着剤との界面もし
くは接着剤の凝集破壊により基材の浮き、剥離等の問題
が発生していた。このため、接着剤塗布面同士を貼り合
わせるコンタクト接着を行う靴等をはじめとする分野で
は、コンタクト接着性や塗布適性、耐久性等に優れ、且
つポリウレタン樹脂水性分散体粒子の沈降安定性に優れ
る接着剤が強く要望されていた。
てきたが、何れも上記要求を充分に満足するものではな
かった。例えば、特開平9−71720号公報では、ポ
リイソシアネートにノニオン性親水基含有化合物とイオ
ン性界面活性剤を混合させることにより得られる自己乳
化性ポリイソシアネート組成物と水性エマルジョンを用
いて得られる水系コーティング組成物が記載されている
が、コーティング剤としての使用を目的とした発明であ
り、コンタクト接着性、塗布適性、接着強度において十
分な性能を有するものではなかった。更に、特許第28
94494号公報では、親水基としてカルボキシレート
基及び/又はスルホネート基を含有するポリイソシアネ
ート重付加物の水性溶液又は分散液の製造法が記載され
ているが、レベリング性及び基材への浸透性等の塗布適
性において満足出来るものではなかった。
は、接着剤として用いた場合に、貼り合わせ直後のコン
タクト接着性、初期及び最終接着強度に優れ、更に微粒
子化することによる分散体粒子の沈降安定性と基材に対
する塗布適性に優れるポリウレタン樹脂水性分散体の製
造方法を提供することにある。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す特定の
製造方法にて得られるポリウレタン樹脂水性分散体を接
着剤として用いた場合に、塗布適性、貼り合わせ直後の
コンタクト接着性、初期および最終接着強度、沈降安定
性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
(A)、水酸基価(以下、単位mgKOH/gを略す)
が10〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤
(C)をイソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.
01):1.00なる当量比の範囲で反応させて得られ
たプレポリマー(D)と、ジアルキルスルホコハク酸型
金属塩、ジアルキルスルホコハク酸型有機塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸型金属塩、及びアルキルベンゼンス
ルホン酸型有機塩からなる群から選ばれる少なくとも1
種の界面活性剤(E)を含有する水溶液(F)を、該プ
レポリマー(D)中に滴下又は分割投入することで転相
乳化を行い得られた水性分散体(G)に、分子量300
以下で官能基数が2以上であるポリアミン(H)を、プ
レポリマー(D)に存在するイソシアネート基に対し
て、アミン基/イソシアネート基=1.9当量比以上で
混合し鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂水性分散体を
製造する方法であって、ポリオール(B)及びポリアミ
ン(H)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及
び/又はスルホネート基を含有することを特徴とするポ
リウレタン樹脂水性分散体の製造方法であり、
(A)、水酸基価が10〜350のポリオール(B)、
及び有機溶剤(C)をイソシアネート基:水酸基=
(2.00〜1.01):1.00なる当量比の範囲で
反応させて得られたプレポリマー(D)に、分子量30
0以下で官能基数が2以上であるポリアミン(H)を、
プレポリマー(D)に存在するイソシアネート基に対し
て、アミン基/イソシアネート基=1.9当量比以上で
混合し鎖伸長反応させた後、ジアルキルスルホコハク酸
型金属塩、ジアルキルスルホコハク酸型有機塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸型金属塩、及びアルキルベンゼン
スルホン酸型有機塩からなる群から選ばれる少なくとも
1種の界面活性剤(E)を含有する水溶液(F)を滴下
又は分割投入することで転相乳化を行いポリウレタン樹
脂水性分散体を製造する方法であり、ポリオール(B)
及びポリアミン(H)の内の少なくとも1つがカルボキ
シレート基及び/又はスルホネート基を含有することを
特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法に関
する。
り、必要な事項を具体的に以下に述べる。
散体を製造するに際して使用するポリイソシアネート
(A)とは、下記一般式[1]で表される化合物であ
る。
機基を表すものとし、nは2以上を表すものとする。)
(A)は従来より公知のものが何れも使用出来るが、そ
の中で特に代表的なものを例示すると、1,4−テトラ
メチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシア
ネート、シクロヘキサン−1,3−ないしは1,4−ジ
イソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナト
メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名
イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ビス−(4
−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(別名水添MD
I)、2−ないしは4−イソシアナトシクロヘキシル−
2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−な
いしは1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロ
ヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ないしは1,4−α,
α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、2,4−ないしは2,6−ジイソシアナトトルエ
ン、2,2’−、2,4’−ないしは4,4’−ジイソ
シアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、p−ないしはm−フェニレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはジ
フェニル−4,4’−ジイソシアネート等である。これ
らの内でも、とりわけ機械的強度などの点からは芳香族
ジイソシアネート化合物の使用が望ましく、また、とり
わけ耐久性、耐光性などの点からは脂肪族ないしは脂環
族ジイソシアネート化合物の使用が望ましい。また、接
着性を阻害しない範囲で2官能を越えるポリイソシアネ
ート化合物を併用しても構わない。
に対するイソシアネート含有率は、8〜25重量%の範
囲が好ましい。この範囲内であれば、ウレタン分子の凝
集力が好適となり、高い接着強度の発現が可能となる。
のポリオール(B)は、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールを単
独あるいは混合物、共重合物でも使用出来るが、特に、
幅広い基材に対する接着性から、ポリエステルポリオー
ルが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、公知
慣用の種々のポリカルボン酸類と或いはそれらの諸反応
性誘導体と公知慣用の種々の分子量300以下のポリオ
ール化合物を公知慣用の種々の方法で反応させることに
より調製され、特に限定はされない。
するポリカルボン酸類としては、脂肪族の中で特に代表
的なものを例示すると、例えば、コハク酸、無水コハク
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪(脂環)族ジカル
ボン酸、多官能成分としてトリメリット酸、ピロメリッ
ト酸シクロヘキサントリカルボン酸等のポリカルボン酸
およびそれらの無水物或いはエステル形成性誘導体、ま
た、芳香族の中で特に代表的なものを例示すると、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、
ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)
エタン−p,p’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸およびそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導
体、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体等が挙げら
れる。
ては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクト
ン等が挙げられる。
に使用する分子量300以下のポリオール化合物として
特に代表的なものを例示すると、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロ
パンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、ビスフ
ェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシ
ベンゼンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体のポ
リオール、また多官能成分としてグリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール
等が挙げられる。
散性(親水性)を付与する目的で、カルボキシレート基
を含有するポリオール化合物を使用してもよく、例え
ば、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−
ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、
2,2’−ジメチロール吉草酸等が挙げられ、これらを
ポリエステルを合成する際のポリオール成分として用い
て得られるカルボキシレート基含有ポリエステルポリオ
ールであっても構わない。
体において、芳香族スルホン酸基を含有するポリエステ
ルポリオールをポリウレタン樹脂中に水分散性(親水
性)を付与する目的で導入することが出来る。前記のカ
ルボキシレート基と比較し、スルホン酸基は親水性がよ
り強く、少量の親水基量で耐加水分解性や耐熱性を損な
わずに安定な水分散性を付与出来るので好ましい。本発
明者等の知見によれば、特に芳香族スルホン酸基が上記
特性を発現する上でより好ましい。該芳香族スルホン酸
基を含有するポリエステルポリオールの調製方法は公知
慣用の種々の方法により反応させることが出来、特に限
定はされないが下記の方法が例示出来る。
を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、芳香族
スルホン酸基を含有するジカルボン酸もしくはそのエス
テル誘導体(B−1)と分子量300以下のポリオール
(B−2)、及びジブチル錫オキサイドを水酸基過剰モ
ル比で仕込み、反応温度を180〜240℃の範囲で酸
価(以下、単位mgKOH/gを略す)が1以下になる
まで脱水あるいはエステル交換反応を行い、水酸基末端
の芳香族スルホン酸基を含有するポリエステルポリオー
ルを得ることが出来る。
有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体(B−
1)とは、例えば、スルホン酸基の中にカチオン種とし
てプロトン、NaやK、Li、Ca等の金属イオン、ア
ンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の有機
アミンを含む5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタ
ル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキ
シ]イソフタル酸の如きジカルボン酸もしくはそのエス
テル誘導体の塩等が挙げられる。
のポリオール(B−2)、及びスルホン酸基を含有しな
いポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び/
又は環状エステル(B−3)としては、前述のポリオー
ル(B)の具体例で記載したものと同様のものが使用出
来る。
(B−1)芳香族スルホン酸基を含有するジカルボン酸
もしくはそのエステル誘導体、(B−2)分子量300
以下のポリオール、及び(B−3)前記(B−1)以外
のポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体及び環状
エステルを用いて得られるポリエステルポリオールを含
有したポリオールを含む場合、主鎖に芳香環を有するた
め、ポリウレタン分子に剛直性を付与するのと同時に立
体構造からウレタン分子鎖間の凝集力を一部抑制する性
質がある。このため該芳香族スルホン酸基を含有するポ
リエステルポリオールをポリウレタン分子内に導入する
ことにより、接着剤としてのタックフリータイム(オー
プンタイム)を長くするだけでなく、同時に凝集力と剛
直性を付与することが実現出来る。
リエステルポリオールは、芳香族酸のエステルであるた
め耐加水分解性にも優れ、従来から水性ウレタン樹脂と
して問題になっていた貯蔵安定性及び耐久性の改善にも
効果がある。また、低分子ポリオールを任意に選定し、
更に耐水性の良好なラクトンモノマーを該芳香族スルホ
ン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール中に導
入することにより、該ポリウレタン樹脂水性分散体の耐
水性、耐熱性、及び凝集力等を任意に調整することが可
能である。
水性)を付与するための親水基としては、カルボキシレ
ート基及び/又はスルホネート基が、水に対する親和性
が強く親水基として好ましい。該親水基のポリウレタン
樹脂固形分中の含有量は、ポリウレタン樹脂を水分散体
にしたときの粒子径と相関性が強く、カルボキシレート
基及び/又はスルホネート基の親水基量としては、ポリ
ウレタン樹脂固形分に対して70〜250mmol/k
gとなるように調製することが好ましい。
キシレート基及び/又はスルホネート基を中和するの
に、例えば、アンモニア、トリエチルアミン等のアルキ
ルアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミ
ン、ピリジン、モルホリン、Na、K、Li、Ca等の
金属塩基から選ばれる少なくとも1種の中和剤を使用す
ることができる。
ルとして特に代表的なものを例示すると、例えば、活性
水素原子(反応性水素原子)を有する化合物の存在下に
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン
又はエピクロルヒドリンなどのような種々の三員環もし
くは四員環のエーテル化合物の単独或いは2種以上の混
合物を開環重合して得られる重合体であり、例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまた
はポリテトラメチレングリコール等がある。また、一部
メタノール、ブタノール等のモノアルコールにてブロッ
ク化されたポリエーテルモノオールについては、高分子
量化を阻害しない範囲で使用しても構わない。
トポリオールとして特に代表的なものを例示すると、例
えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル又はポリテトラメチレングリコール(PTMG)等の
ようなジオール類と、ジメチルカーボネート等によって
代表されるようなジアルキルカーボネート或いはエチレ
ンカーボネート等によって代表されるような環式カーボ
ネートとの反応生成物などである。
のポリオール(B)の含有量は、ポリウレタン樹脂水性
分散体に凝集性と柔軟性等を付与する目的からポリウレ
タン樹脂固形分中に好ましくは55重量%以上、より好
ましくは55〜90重量%の範囲である。
特に代表的なものを例示するにとどめると、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢
酸メチル、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2
−トリクロルエタン、テトラクロルエチレン、又は、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、
これらの単独又は混合溶媒も使用出来る。この中でポリ
ウレタン樹脂の溶解性の高い溶媒として特に、アセト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエンを単独
あるいは混合溶剤として用いることが好適である。
造する際に、ポリウレタン樹脂の凝集力を高めるために
分子量300以下のポリオール(I)を、ポリイソシア
ネート(A)、水酸基価が10〜350のポリオール
(B)、有機溶媒(C)と共にプレポリマー(D)の原
料として使用してもよい。分子量300以下のポリオー
ル(I)としては、ポリオール(B)の具体例で前記し
たものと同様のものが使用出来、特に限定はしない。
水酸基を含有する官能基数が合計2以上のアミノアルコ
ール類も使用出来、例えば、エタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メ
チルジイソプロパノールアミン、N−エチルジエチレン
アミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノ
エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げ
られる。
一般的には洗浄剤、乳化剤、分散剤、浸透剤、可溶化
剤、起泡剤等として用いられ、希薄溶液の状態でその溶
媒の表面張力や界面張力を著しく低下させるものをい
う。
水性の部分と親水性の部分を持ち、両部分が適度のバラ
ンスを持っているものである。疎水性の部分には鎖状炭
化水素基もしくはこれに環状炭化水素基、炭素数4〜2
0のフッ素化アルキル基を含有したものが挙げられ、親
水性の部分には非イオン性の極性基もしくはアニオン、
カチオン、ベタイン等のイオン性のそれが挙げられる。
通常界面活性剤は、極性の部分の種類により極性部分と
してカルボン酸基、硫酸エステル基、アリルスルホン酸
基に代表されるように水中で分子が陰イオン化するアニ
オン型活性剤、極性部がアミン塩もしくは第四級アンモ
ニウム塩等からなる分子が陽イオン化するカチオン型活
性剤、極性部分が水酸基、エーテル基、エステル基等に
代表されるように分子全体が非イオン性の非イオン型活
性剤、一つの分子中にアニオンとカチオンの両方の極性
基を含有している両性型活性剤がある。
ルキルスルホコハク酸型金属塩もしくは有機塩、及びア
ルキルベンゼンスルホン酸型金属塩もしくは有機塩が優
れた界面活性力(乳化力)を持ち、併せて水溶液の表面
張力を顕著に低下させる特徴があるため、塗布する基材
へのレベリング性及び浸透力を高める働きがある。通常
この様な界面活性剤は、水性製品として市販されている
水性樹脂の中に後添加する方式で使用されていたが、
発泡性高いために過剰の消泡剤を投入しなければならず
基材へのハジキが生じること、分散が不均一になるこ
と、等の問題が生じる可能性があった。
からなるポリウレタン溶液にジアルキルスルホコハク酸
型金属塩もしくは有機塩及びアルキルベンゼンスルホン
酸型金属塩もしくは有機塩の界面活性剤水溶液を投入
し、ポリウレタン樹脂を乳化分散するため均一に水性ポ
リウレタン樹脂の粒子界面に該界面活性剤が配向するた
め、該界面活性剤からなるミセル等が最小限に抑制さ
れ、結果として発泡性が低下できる特徴を見出した。
工程は、2つの基材の各々に接着剤を塗布し、接着剤塗
布面同士を貼り合わせる。このため両方の接着剤塗布面
が接触した際に接着剤の分子が動き易い状態であり、良
く馴染むことが重要となる。最終的には両方の接着剤が
一体化したような状態になることにより剥離抵抗の大き
い、引いては接着強度の大きい接着面が得られることに
なる。従来の該界面活性剤を後添加する場合と比較して
も、本発明の製造法にて製造したポリウレタン樹脂水性
分散体を使用した水性接着剤は、均一に水性ポリウレタ
ン樹脂の粒子界面に該界面活性剤が配向するため、従来
にない接着強度と耐久性に優れる接着性能を実現出来
る。また、該界面活性剤を添加することによる表面張力
の低下により、刷毛塗り性、レベリング性、浸透性等に
優れた塗布適性も実現出来る。
量は、ポリウレタン樹脂固形分に対して、好ましくは
0.05〜5.0重量%の範囲であり、より好ましくは
0.1〜3重量の範囲である。かかる範囲の含有量で界
面活性剤(E)を使用することにより、良好なコンタク
ト接着性、初期接着強度を得ることが出来る。
基数が2以上であるポリアミン(H)は、プレポリマー
の高分子量化、耐久性(耐熱性等)の付与、ポリウレタ
ン樹脂中への親水基の導入などの目的で使用され、ポリ
アミン(H)として特に代表的なものを例示すると、例
えば、1,2−ジアミノエタン、1,2−ないしは1,
3−ジアミノプロパン、1,2−ないしは1,3−ない
しは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタ
ン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’
−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−
3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシ
クロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−ないしは
1,4−ジアミノシクロヘキサンまたは1,3−ジアミ
ノプロパン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等のポリアミン、更にはヒドラジ
ンまたはアジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘導
体、カナダ国特許第928,323号、特公昭49−3
6693に記載されているジアミノスルホネート等を使
用することが出来る。
上のポリアミン(H)の使用量は、プレポリマー(D)
中に存在するイソシアネート基に対して、アミン基/イ
ソシアネート基の当量比で、好ましくは1.9当量比以
下であり、より好ましくは0.6〜1.0当量比の範囲
である。ポリアミン(H)を用いない場合は水、ポリオ
ールなどが鎖伸長反応に関与し、ポリアミン(H)を用
いる場合は水、ポリアミン、ポリオールなどが鎖伸長反
応に関与する。ポリアミン(H)をかかる範囲で混合し
鎖伸長反応させれば、高分子量化が可能となり、耐久性
及び耐光性に優れた性能を発現出来る。
散体を調製する際に公知公用の乳化剤を併用することも
出来る。その中でもノニオン系乳化剤、及び/又はアニ
オン系乳化剤が好適であり、添加量としてはポリウレタ
ン樹脂固形分に対して、5重量%以下である。この様な
乳化剤を使用する場合、添加時期については特に制限は
なく、乳化分散工程前のポリウレタン樹脂溶液、あるい
はイソシアネート基が残存するプレポリマーに添加した
後、乳化分散することが望ましいが、乳化分散工程終了
後に添加しても構わない。
散体を調製する際に必要ならばウレタン化触媒を使用す
ることが出来る。ウレタン化触媒として代表的なものを
例示すると、例えば、トリエチルアミン、トリエチレン
ジアミン、又はN−メチルモルホリン等の種々の含窒素
化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、又はオクチ
ル酸錫等の種々の金属塩、ジブチルチンジラウレート等
の種々の有機金属化合物などである。
水性分散体を含む水性接着剤としては、該ポリウレタン
樹脂単独でも構わないが、SBRラテックス樹脂やアク
リルエマルジョンに代表されるポリウレタン樹脂以外の
水性分散体を、全固形分に占めるポリウレタン樹脂固形
分の割合、即ち、〔ポリウレタン樹脂固形分重量÷全固
形分重量〕×100(%)で表した場合に、好ましくは
1重量%以上、より好ましくは10重量%以上で併用し
ても構わない。
ン樹脂水性分散体を用いた接着剤の凝集性を阻害しない
範囲で通常の接着剤に使用される副資材および添加剤、
例えば、可塑剤、粘着付与剤(ロジン樹脂、ロジンエス
テル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂石油
樹脂、クマロン樹脂等)、充填剤、顔料、増粘剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防腐剤等を使用するこ
とも可能であり、特に制限はしない。
樹脂水性分散体はこのもの単独でも使用出来るが、更に
耐久性を向上させる目的で、例えば、アミノ化合物、エ
ポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合
物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物の
ような2官能以上の化合物を架橋剤として使用すること
も出来る。その中でもポリイソシアネート化合物が好ま
しく、ポリウレタン樹脂固形分に対して、50重量%以
下で使用出来る。
のポリイソシアネート化合物の代表的なものを例示する
と、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソ
シアナトジフェニルメタン(MDI)、キシリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の3量体
からなるポリイソシアネート化合物、または該ポリイソ
シアネート化合物とエチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリオ
キシエチレングリコール、長鎖高級アルコール等の低分
子活性水素化合物等からなるイソシアネート基末端の化
合物が挙げられる。
体の調製方法は特に限定されず、下記のような方法が例
示出来る。
(C)中で、特に限定はしないが、通常、好ましくは3
0〜150℃の範囲で、より好ましくは50〜120℃
の範囲の温度条件下で、ポリイソシアネート(A)とポ
リオール(B)及び分子量300以下のポリオール
(I)をイソシアネート基(以下、NCO基と略記)と
水酸基(以下、OH基と略記)との当量比が、通常NC
O基:OH基=(2.00〜1.01):1、好ましく
は(1.80〜1.10):1の範囲でワンショット法
或いは多段法により、プレポリマー反応(即ち、NCO
基がOH基に対し過剰の反応)を行い、NCO基が残存
するプレポリマー(D)とし、該プレポリマー(D)を
中和後、または中和しながら(E)ジアルキルスルホコ
ハク酸型金属塩もしくは有機塩およびアルキルベンゼン
スルホン酸型金属塩もしくは有機塩から選ばれる少なく
とも1種の界面活性剤をポリウレタン樹脂固形分に対し
0.05〜5.0重量%の範囲で含む水溶液(F)を、
該プレポリマー(D)中に滴下又は分割投入することで
転相乳化を行う。該界面活性剤(E)を含む水溶液
(F)は該プレポリマー(D)の重量に対し、40〜2
00%の範囲で混合し乳化分散することが好ましい。乳
化分散終了後、分子量300以下の官能基数が2以上の
ポリアミン(H)を5〜100%の濃度になるよう希釈
した水溶液を、該乳化分散液に存在するNCO基に対し
て、好ましくはアミン基/NCO基=1.9当量比以
下、より好ましくは0.6〜1.0当量比の割合で投入
し鎖伸長反応を行い、必要により有機溶剤を溜去する方
法、
マー(D)を作製した後、前記分子量300以下の官能
基数が2以上のポリアミン(H)を該プレポリマー
(D)中に投入し鎖伸長反応を行い、ポリウレタン樹脂
溶液とし、次いで該界面活性剤(E)を含む水溶液
(F)を該ポリウレタン樹脂溶液中に混合し、中和後、
又は中和しながら該ポリウレタン樹脂溶液の重量に対し
て、好ましくは40〜500%の範囲で、滴下又は分割
投入することで転相乳化を行い、必要により有機溶剤を
溜去する方法、等が例示出来る。
造方法とは、ポリイソシアネート(A)、水酸基価が
10〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤(C)
をイソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.0
1):1.00なる当量比の範囲で反応させて得られた
プレポリマー(D)と、ジアルキルスルホコハク酸型金
属塩、ジアルキルスルホコハク酸型有機塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸型金属塩、及びアルキルベンゼンスル
ホン酸型有機塩からなる群から選ばれる少なくとも1種
の界面活性剤(E)を含有する水溶液(F)を、該プレ
ポリマー(D)中に滴下又は分割投入することで転相乳
化を行い得られた水性分散体(G)に、分子量300以
下で官能基数が2以上であるポリアミン(H)を、プレ
ポリマー(D)に存在するイソシアネート基に対して、
アミン基/イソシアネート基=1.9当量比以下で混合
し鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂水性分散体を製造
する方法であって、ポリオール(B)及びポリアミン
(H)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び
/又はスルホネート基を含有することを特徴とし、プ
レポリマー(D)が、ポリイソシアネート(A)、水酸
基価が10〜350のポリオール(B)、分子量300
以下のポリオール(I)及び有機溶剤(C)をイソシア
ネート基:水酸基=(2.00〜1.01):1.00
なる当量比の範囲で反応させて得られたものであり、且
つポリオール(B)、ポリアミン(H)及びポリオール
(I)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び
/又はスルホネート基を含有し、プレポリマー(D)
中のポリウレタン樹脂固形分に対する界面活性剤(E)
の混合比率が0.05〜5.0重量%の範囲であり、
ポリオール(B)が(B−1)芳香族スルホン酸基を含
有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、(B
−2)分子量300以下のポリオール、及び(B−3)
スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはその
エステル誘導体、及び/又は環状エステルを用いて得ら
れる芳香族スルホン酸基を含有するポリエステルポリオ
ールと、芳香族スルホン酸基を含有しない水酸基価が1
0〜350のポリオールとの混合物であり、ポリオー
ル(B)をプレポリマー(D)中のポリウレタン樹脂固
形分中に55重量%以上含有するポリウレタン樹脂水性
分散体の製造方法であり、
体の製造方法とは、ポリイソシアネート(A)、水酸
基価が10〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤
(C)をイソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.
01):1.00なる当量比の範囲で反応させて得られ
たプレポリマー(D)に、分子量300以下で官能基数
が2以上であるポリアミン(H)を、プレポリマー
(D)に存在するイソシアネート基に対して、アミン基
/イソシアネート基=1.9当量比以下で混合し鎖伸長
反応させた後、ジアルキルスルホコハク酸型金属塩、ジ
アルキルスルホコハク酸型有機塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸型金属塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸型
有機塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活
性剤(E)を含有する水溶液(F)を滴下又は分割投入
することで転相乳化を行いポリウレタン樹脂水性分散体
を製造する方法であり、ポリオール(B)及びポリアミ
ン(H)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及
び/又はスルホネート基を含有することを特徴とし、
プレポリマー(D)が、ポリイソシアネート(A)、水
酸基価が10〜350のポリオール(B)、分子量30
0以下のポリオール(I)及び有機溶剤(C)をイソシ
アネート基:水酸基=(2.00〜1.01):1.0
0なる当量比の範囲で反応させて得られたものであり、
且つポリオール(B)、ポリアミン(H)及びポリオー
ル(I)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及
び/又はスルホネート基を含有し、プレポリマー
(D)中のポリウレタン樹脂固形分に対する界面活性剤
(E)の混合比率が0.05〜5.0重量%の範囲であ
り、ポリオール(B)が(B−1)芳香族スルホン酸
基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導
体、(B−2)分子量300以下のポリオール、及び
(B−3)スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸も
しくはそのエステル誘導体、及び/又は環状エステルを
用いて得られる芳香族スルホン酸基を含有するポリエス
テルポリオールと、芳香族スルホン酸基を含有しない水
酸基価が10〜350のポリオールとの混合物であり、
ポリオール(B)をプレポリマー(D)中のポリウレ
タン樹脂固形分中に55重量%以上含有するポリウレタ
ン樹脂水性分散体の製造方法である。
は、有機溶剤中で反応して得られたポリマーを中和後又
は中和しながら水をポリマー溶液中に少量づつ撹拌しな
がら混合させることで、オイル相からオイル相/水相遷
移領域を経て乳化分散体を形成させる乳化方式を云う。
転相乳化法の特徴としては、投入する水量を最適化する
ことで、温和な状態でオイル相/水相遷移領域を経て相
転換が出来るため、微粒子化が可能であることが挙げら
れる。また、水の中に乳化剤としての作用を持つ界面活
性剤を使用することで、更なる微粒子化による保存安定
性(粒子沈降安定性)と併せて界面活性剤が持つ表面張
力や界面張力の低下による接着性能の向上が可能とな
る。
層、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。以下において、部及び%は、特にことわ
りのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、本
発明のポリウレタン樹脂水性分散体の諸特性は、以下に
概略を示した評価方法にて測定した。
評価方法]ポリウレタン樹脂水性分散体の粒子径はレー
ザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製
作所製)を使用して測定し、粒子径基準は面積のメジア
ン径の値での比較を行った。
脂水性分散体を100mLのサンプル瓶に入れて、静置
状態で1ヶ月間保管後の粒子の沈降状態を目視観察し、
良否にて評価した。
タン樹脂水性分散体の接着剤を塗布したポリ塩化ビニル
(PVC)製シート同士を貼り合わせた後、1分後に手
で接着面を剥離し接着剤の凝集破壊の程度を目視観察
し、接着剤同士の食い込み状態からコンタクト性の良否
を評価した。
樹脂水性分散体の接着剤を刷毛を用いてPVC製シート
に塗布した後、目視観察し接着剤の液面の均一塗布性の
良否を評価した。
脂水性分散体の接着剤を刷毛を用いてPVC製シートに
塗布した際の接着剤の展延性の良否を評価した。
製シートに各接着剤を100g/m2ずつ塗布し、50
℃にて6分間熱風循環乾燥機に入れ再活性する。乾燥機
より取り出したPVC基材の接着面同士をゴムローラー
で加圧して貼り合わせて、貼り合わせしてから2分後の
剥離強度をデジタルゲージにて測定した。
の評価方法の場合と同様にして作製した貼り合わせ試験
片について、貼り合わせ2時間後、及び貼り合わせ1日
後の剥離強度を引張試験機で測定し、引張速度100m
m/分で180度剥離の強度を求めた。
有ポリエステルポリオール1の調製 温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で
窒素ガスを導入しながら、5−スルホソジウムイソフタ
ル酸ジメチル(DMS)1480部と1,6−ヘキサン
ジオール1240部、及びジブチル錫オキサイド0.5
部を仕込み、塔頂温度が60〜70℃になるように反応
容器内温度を180〜190℃で反応物の酸価が1mg
KOH/g以下になるまでエステル交換反応を行い、次
に210℃で2時間反応させる。次いで、100℃まで
冷却した後、ε−カプロラクトン2280部を仕込み、
180℃で3時間開環重合反応することにより、表1に
示すように水酸基価120で、酸価0.3のポリエステ
ルポリオール1を得た。
の芳香族スルホン酸金属塩基含有ポリエステルポリオー
ル1を30部に、メチルエチルケトン60部を加え十分
撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート34部及びヘ
キサメチレンジイソシアネート4部を加えて80℃で3
時間反応させた。次いでメチルエチルケトン95部を投
入し60℃まで冷却後、1,4−ブチレングリコール5
部と、1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成
るポリエステル(水酸基価=37)160部を加え80
℃にて反応を行った。イソシアネート値が0.79%以
下になったら、40℃まで冷却し、ネオコール YSK
(ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩有効
成分70%:第一工業製薬(株)製)を1.7部に水28
0部を加え混合した水溶液にて転相乳化した後、10%
ピペラジン水溶液29.7部(存在するイソシアネート
基に対してアミン基として95当量%)を加えて乳化分
散した。得られた乳化液を脱溶剤することによって不揮
発分50%の水分散体を得た。
シックナー A−812(サンノプコ(株)社製)を1
部添加して増粘した後、水に分散し得るイソシアネート
架橋剤CR−60N(大日本インキ化学工業(株)製)
を3部加えることにより接着剤を調整した。次に、調整
した接着剤を2枚のPVCシートに刷毛で各々100g
/m2ずつ塗布した後、接着面同士を貼り合わせ、各接
着性能の評価を行った。本発明の製造方法によるポリウ
レタン樹脂水性分散体を用いた接着剤の性能は、表3に
示す通りであり、刷毛塗り後の接着剤は均一な膜厚を示
し、貼り合わせた基材は、塗布適性、コンタクト接着
性、接着強度に優れるものであった。
ネオコール YSKをネオペレックス F−25(組
成;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 有効成分
25%:花王(株)製)に換えて、添加量を4.7部に変
更した以外は実施例1と同様の操作にて合成を行い、不
揮発分50%の水分散体を得た。得られた該水分散体を
実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士
を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。本発明の製
造方法によるポリウレタン樹脂水性分散体を用いた接着
剤の性能は、表3に示す通りであり、刷毛塗り時の展延
性、コンタクト接着性、接着強度に優れるものであっ
た。
ネオコール YSKを添加しないことと転相乳化を機械
乳化で行った以外は実施例1と同様の操作にて合成を行
い、不揮発分50%の水分散体を得た。得られた該水分
散体を実施例1と同様にして接着剤を調製した後、接着
面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。その
結果を表3に示したが、塗布性、コンタクト性、初期接
着強度に劣るものであった。
にネオコール YSKの添加をポリウレタン樹脂水性分
散体を製造してから後添加で混合した以外は比較例1と
同様の操作にて合成を行い、不揮発分50%の水分散体
を得た。得られた該水分散体を実施例1と同様にして接
着剤を調製した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性
能の評価を行った。その結果を表3に示したが、塗布適
性、保存安定性は実施例1と比較し劣るものであった。
分散体において問題であったコンタクト接着性、基材へ
の塗布適性を解決するものであり、貼り合わせ直後のコ
ンタクト接着性に優れ、しかも初期および最終接着強
度、耐久性にも優れ、更に保存安定性(即ち、沈降安定
性)、基材への塗布適性に優れるポリウレタン樹脂水性
分散体の製造方法を提供するものであり、ゴム、皮革、
金属、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック、発泡
体等の各種基材の接着に好適であり、特に靴用接着剤と
して有用な接着剤の提供が可能となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリイソシアネート(A)、水酸基価
(以下、単位mgKOH/gを略す)が10〜350の
ポリオール(B)、及び有機溶剤(C)をイソシアネー
ト基:水酸基=(2.00〜1.01):1.00なる
当量比の範囲で反応させて得られたプレポリマー(D)
と、ジアルキルスルホコハク酸型金属塩、ジアルキルス
ルホコハク酸型有機塩、アルキルベンゼンスルホン酸型
金属塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸型有機塩から
なる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(E)
を含有する水溶液(F)を、該プレポリマー(D)中に
滴下又は分割投入することで転相乳化を行い得られた水
性分散体(G)に、分子量300以下で官能基数が2以
上であるポリアミン(H)を、プレポリマー(D)に存
在するイソシアネート基に対して、アミン基/イソシア
ネート基=1.9当量比以下で混合し鎖伸長反応させて
ポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方法であって、
ポリオール(B)及びポリアミン(H)の内の少なくと
も1つがカルボキシレート基及び/又はスルホネート基
を含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散
体の製造方法。 - 【請求項2】 ポリイソシアネート(A)、水酸基価が
10〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤(C)
をイソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.0
1):1.00なる当量比の範囲で反応させて得られた
プレポリマー(D)に、分子量300以下で官能基数が
2以上であるポリアミン(H)を、プレポリマー(D)
に存在するイソシアネート基に対して、アミン基/イソ
シアネート基=1.9当量比以下で混合し鎖伸長反応さ
せた後、ジアルキルスルホコハク酸型金属塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸型有機塩、アルキルベンゼンスルホン
酸型金属塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸型有機塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤
(E)を含有する水溶液(F)を滴下又は分割投入する
ことで転相乳化を行いポリウレタン樹脂水性分散体を製
造する方法であり、ポリオール(B)及びポリアミン
(H)の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び
/又はスルホネート基を含有することを特徴とするポリ
ウレタン樹脂水性分散体の製造方法。 - 【請求項3】 プレポリマー(D)が、ポリイソシアネ
ート(A)、水酸基価が10〜350のポリオール
(B)、分子量300以下のポリオール(I)及び有機
溶剤(C)をイソシアネート基:水酸基=(2.00〜
1.01):1.00なる当量比の範囲で反応させて得
られたものであり、且つポリオール(B)、ポリアミン
(H)及びポリオール(I)の内の少なくとも1つがカ
ルボキシレート基及び/又はスルホネート基を含有する
請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂水性分散体の
製造方法。 - 【請求項4】 プレポリマー(D)中のポリウレタン樹
脂固形分に対する界面活性剤(E)の混合比率が、0.
05〜5.0重量%の範囲である請求項1又は2記載の
ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。 - 【請求項5】 ポリオール(B)が、(B−1)芳香族
スルホン酸基を含有するジカルボン酸もしくはそのエス
テル誘導体、(B−2)分子量300以下のポリオー
ル、及び(B−3)スルホン酸基を含有しないポリカル
ボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び/又は環状エ
ステルを用いて得られる芳香族スルホン酸基を含有する
ポリエステルポリオールと、芳香族スルホン酸基を含有
しない水酸基価が10〜350のポリオールとの混合物
である請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂水性分散
体の製造方法。 - 【請求項6】 ポリオール(B)をプレポリマー(D)
中のポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有す
る請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂水性分散体の
製造方法。 - 【請求項7】 ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法
において、ポリイソシアネート(A)、水酸基価が1
0〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤(C)を
イソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.01):
1.00なる当量比の範囲で反応させて得られたプレポ
リマー(D)と、ジアルキルスルホコハク酸型金属塩、
ジアルキルスルホコハク酸型有機塩、アルキルベンゼン
スルホン酸型金属塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸
型有機塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面
活性剤(E)を含有する水溶液(F)を、該プレポリマ
ー(D)中に滴下又は分割投入することで転相乳化を行
い得られた水性分散体(G)に、分子量300以下で官
能基数が2以上であるポリアミン(H)を、プレポリマ
ー(D)に存在するイソシアネート基に対して、アミン
基/イソシアネート基=1.9当量比以下で混合し鎖伸
長反応させてポリウレタン樹脂水性分散体を製造する方
法であって、ポリオール(B)及びポリアミン(H)の
内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び/又はス
ルホネート基を含有することを特徴とし、プレポリマ
ー(D)が、ポリイソシアネート(A)、水酸基価が1
0〜350のポリオール(B)、分子量300以下のポ
リオール(I)及び有機溶剤(C)をイソシアネート
基:水酸基=(2.00〜1.01):1.00なる当
量比の範囲で反応させて得られたものであり、且つポリ
オール(B)、ポリアミン(H)及びポリオール(I)
の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び/又は
スルホネート基を含有し、プレポリマー(D)中のポ
リウレタン樹脂固形分に対する界面活性剤(E)の混合
比率が0.05〜5.0重量%の範囲であり、ポリオ
ール(B)が(B−1)芳香族スルホン酸基を含有する
ジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、(B−2)
分子量300以下のポリオール、及び(B−3)スルホ
ン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステ
ル誘導体、及び/又は環状エステルを用いて得られる芳
香族スルホン酸基を含有するポリエステルポリオール
と、芳香族スルホン酸基を含有しない水酸基価が10〜
350のポリオールとの混合物であり、ポリオール
(B)をプレポリマー(D)中のポリウレタン樹脂固形
分中に55重量%以上含有するポリウレタン樹脂水性分
散体の製造方法。 - 【請求項8】 ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法
において、ポリイソシアネート(A)、水酸基価が1
0〜350のポリオール(B)、及び有機溶剤(C)を
イソシアネート基:水酸基=(2.00〜1.01):
1.00なる当量比の範囲で反応させて得られたプレポ
リマー(D)に、分子量300以下で官能基数が2以上
であるポリアミン(H)を、プレポリマー(D)に存在
するイソシアネート基に対して、アミン基/イソシアネ
ート基=1.9当量比以下で混合し鎖伸長反応させた
後、ジアルキルスルホコハク酸型金属塩、ジアルキルス
ルホコハク酸型有機塩、アルキルベンゼンスルホン酸型
金属塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸型有機塩から
なる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(E)
を含有する水溶液(F)を滴下又は分割投入することで
転相乳化を行いポリウレタン樹脂水性分散体を製造する
方法であり、ポリオール(B)及びポリアミン(H)の
内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び/又はス
ルホネート基を含有することを特徴とし、プレポリマ
ー(D)が、ポリイソシアネート(A)、水酸基価が1
0〜350のポリオール(B)、分子量300以下のポ
リオール(I)及び有機溶剤(C)をイソシアネート
基:水酸基=(2.00〜1.01):1.00なる当
量比の範囲で反応させて得られたものであり、且つポリ
オール(B)、ポリアミン(H)及びポリオール(I)
の内の少なくとも1つがカルボキシレート基及び/又は
スルホネート基を含有し、プレポリマー(D)中のポ
リウレタン樹脂固形分に対する界面活性剤(E)の混合
比率が0.05〜5.0重量%の範囲であり、ポリオ
ール(B)が(B−1)芳香族スルホン酸基を含有する
ジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、(B−2)
分子量300以下のポリオール、及び(B−3)スルホ
ン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステ
ル誘導体、及び/又は環状エステルを用いて得られる芳
香族スルホン酸基を含有するポリエステルポリオール
と、芳香族スルホン酸基を含有しない水酸基価が10〜
350のポリオールとの混合物であり、ポリオール
(B)をプレポリマー(D)中のポリウレタン樹脂固形
分中に55重量%以上含有するポリウレタン樹脂水性分
散体の製造方法。
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