JP2003089655A - 抗パラミクソウイルス剤 - Google Patents

抗パラミクソウイルス剤

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JP2003089655A JP2001284786A JP2001284786A JP2003089655A JP 2003089655 A JP2003089655 A JP 2003089655A JP 2001284786 A JP2001284786 A JP 2001284786A JP 2001284786 A JP2001284786 A JP 2001284786A JP 2003089655 A JP2003089655 A JP 2003089655A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラミクソウイルスに対する抗ウイルス剤を
提供すること。 【解決手段】 パラミクソウイルスP遺伝子から発現す
るC蛋白質、その変異体またはそれらの一部を有効成分
として含む、抗パラミクソウイルス剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗パラミクソウイ
ルス剤に関する。より詳細には、本発明は、パラミクソ
ウイルスの増殖を制御する蛋白質の作用機構を利用した
抗ウイルス効果を有する抗パラミクソウイルス剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、細菌によって引き起される疾病
は、ペニシリンを始めとする多くの抗生物質を用いて選
択的に細菌の増殖を抑制することにより治療され、絶大
な効果をあげてきた。ところが、ウイルスによって引き
起こされる疾病は、ウイルスが感染した細胞内に本来備
わっている生理機能を利用して増殖するという寄生的性
質を強く持つが故に、ウイルスだけに特異性をもった抗
生物質を開発することが困難であり、その根本的な治療
は困難になっている。このような背景から、従来から、
ウイルス性疾患に対しては予防に力点が置かれ、不幸に
して感染した際には生体の自然治癒力を助けて回復させ
る等の対症療法が行われてきた。
【0003】しかしながら、後天性免疫不全症候群(AID
S)に対しては、エイズウイルス逆転写酵素やプロテアー
ゼの阻害剤が治療効果を示し、またインフルエンザウイ
ルスに対しては、ウイルスM蛋白質やノイラミニダーゼ
に対する阻害剤が治療効果を示している。このように、
巧妙に設計された医薬品ならば抗ウイルス剤として利用
可能であることが示されている。このような抗ウイルス
剤の開発が進む一方で、ヒト麻疹ウイルス、ヒトパライ
ンフルエンザウイルスなどは小児の重要な感染症である
にもかかわらず有効な治療方法はない。ヒトパラインフ
ルエンザウイルスにおいては、ワクチンさえ開発されて
いない。またその一方で、イヌジステンパーウイルス、
ウシリンダーペストウイルスの発生は、ペット産業、畜
産業に大きな打撃を与えている。これらのウイルスは、
いずれもパラミクソウイルスに属し、発生頻度の点でウ
イルス感染症のなかでとても大きな割合を占める。ヌク
レオチドの誘導体であるリバビリン(Ribavirin)(Conner
C. S.,Drug Intell. Clin. Pharm. 18, 137-138 (198
4) )に効果があるという報告もあるが、未だ実用化には
至っていない。
【0004】この一方でパラミクソウイルスをウイルス
ベクターとして用いる研究(Hasan M.K. et al., J. Ge
n. Virol. 78, 2813-2820(1997))も始まり、組換えワク
チン(Durbin A.P. et. al., J. Virol. 74, 6821-6831
(2000))あるいは、遺伝子治療用ベクター(Li H.O. et.
al., J. Virol. 74, 6564-6569 (2000))として使用する
ことが提案されている。これら生体に用いられるウイル
スベクターは本来備わっているウイルスの病原性を低下
せしめたものではあるが、ある程度長い期間生体内に留
まることを前提にしている以上、不測の事態に備えて抗
血清、あるいは抗ウイルス剤が準備されていることが望
ましい。
【0005】パラミクソウイルスゲノムの上流から2番
目の位置にあるP遺伝子にコードされているC蛋白質の機
能についてこれまであまり多くのことがわかっていなか
った。そもそもC蛋白質はパラミクソウイルスのプロト
タイプと言われるマウスパラインフルエンザウイルス1
型(以下センダイウイルスと呼ぶ)のゲノムの塩基配列を
決定した段階で存在が想定された蛋白質であった。その
後、予想されるアミノ酸配列を基に抗体を作製し、その
抗体を用いてC蛋白質はウイルス粒子構造の維持にはか
かわらないが感染細胞内に多量に存在する実在の蛋白質
であることが証明された(Portner A. et. al.,Virus Re
s. 6, 109-121 (1986))。 その後、細胞を用いた人工的
なウイルス遺伝子の増幅系を用いて、C蛋白質を発現す
るプラスミド量を増やすに従ってウイルス遺伝子の発現
が抑制されることが報告され (Curran J. et. al., Vir
ology 189, 647-656(1992))、抑制作用が発揮されるに
はウイルスゲノムの末端構造が重要であることが明らか
にされた(Cadd T. et. al., J. Virol 70, 5067-5074
(1996))。これらの知見から、C蛋白質はゲノムRNAの末
端からRNA合成を開始する際に、どちらの末端から開始
するかを選択させるために機能し(Tapparel C. et. a
l., J. Virol. 71, 9588-9599 (1997))、実際のウイル
ス感染においてはウイルスRNA合成を調節するためにC蛋
白質が働いている可能性が示唆された。
【0006】その後、C蛋白質を欠失したセンダイウイ
ルスと麻疹ウイルスが人工的に作られるに及んで、C蛋
白質はウイルスにとって必須な蛋白質ではないことが明
らかにされた(Kurotani A. et. al., Genes Cells 2, 1
11-124 (1998), Radecke F.,and Billeter M. A., Viro
logy 217, 418-421(1996))。欠損麻疹ウイルスは、基に
なった親ウイルスと培養細胞レベルでは増殖速度に大き
な変化が認められなかったが、欠損センダイウイルスの
場合には、用いたすべての条件で親ウイルスに比べて著
しく増殖速度が低下していた。ただ、欠損のさせ方によ
っては、C蛋白質欠損の影響が顕著には認められない例
も報告された(Latorre P. et. al., JVirol. 72, 5984-
5993 (1998))。その後、麻疹ウイルスでも株化されてい
ないヒト細胞あるいは組織を用いると、センダイウイル
スに見られたのと同様に、欠損株の増殖が低下するとい
う知見が得られ(Escoffier C, et. al., J. Virol. 73,
1695-1698 (1999))、C蛋白質にはウイルス増殖を最適
化する機能の存在が予見された。その一つとしてインタ
ーフェロンの抗ウイルス作用を感染細胞内で発動させな
いようにする作用が示されている(Garcin, D. et. al.,
J. Virol. 73,6559-6565 (1999), Gotoh B. et. al.,
FEBS Lett. 459, 205-210 (1999))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パラミクソ
ウイルスに対する抗ウイルス剤を提供することを解決す
べき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パラミク
ソウイルスのP遺伝子にコードされているC蛋白質のウイ
ルス増殖における役割を探る目的で、センダイウイルス
のC蛋白質あるいは麻疹ウイルスのC蛋白質を恒常的に発
現するHeLa細胞株を樹立した。さらに本発明者らは、得
られた細胞株に各種のウイルスを感染させ、その増殖の
程度を比較検討した。その結果、センダイウイルスのC
蛋白質を発現している細胞株では、センダイウイルスと
その最も近縁なヒトパラインフルエンザウイルス1型の
増殖が著しく抑制されることを発見した。一方、麻疹ウ
イルスのC蛋白質を発現している細胞株では、麻疹ウイ
ルスの増殖が抑制された。どちらも調べた限りではその
他のウイルスの増殖の低下は見られず、C蛋白質と増殖
が抑制されるウイルスの関係は極めて限られたものであ
った。
【0009】センダイウイルスと麻疹ウイルスはどちら
もパラミクソウイルス科パラミクソウイルス亜科に分類
されるウイルスであり、遺伝子構造が互いによく似てい
る。しかし互いの塩基配列及びアミノ酸配列はあまり似
ておらず、センダイウイルスはレスピロウイルス属に属
する一方、麻疹ウイルスはモービリウイルス属に属して
いる。互いに分類学上距離を置くセンダイウイルスと麻
疹ウイルスのC蛋白質の細胞内発現が、前者ではセンダ
イウイルスとヒトパラインフルエンザ1型の増殖を抑制
し、後者では麻疹ウイルスの増殖を抑制するという知見
は、たまたまこの二種類のウイルスで観察される現象で
はなく、広くパラミクソウイルスのC蛋白質には元来的
にパラミクソウイルスの増殖を特異的に抑制する能力あ
ると一般化するものである。
【0010】これらの結果は、C蛋白質を用いてパラミ
クソウイルスの増殖を抑えることが可能であり、今まで
にない抗ウイルス剤の開発の方向性を示したものであ
る。従来、パラミクソウイルスによる疾病は、ワクチン
による予防が主体であり、治療は対症療法に限られてい
た。核酸の誘導体であるリバビリンを用いる試みが、実
験室内的あるいは臨床的に移植手術後の患者に用いて行
われているものの、その成績は、必ずしも満足できるも
のではない。その点でC蛋白質による治療は、ウイルス
特異的で選択毒性が極めて高いと考えられるため、治療
薬としては優れたものになるはずである。実際、C蛋白
質を恒常的に発現する細胞は、特定のウイルスの増殖を
極めて低下せしめるものの細胞自身は遺伝子を導入して
いない通常細胞と外見上もなんの異常も認められず、細
胞の増殖速度も変化しないことが判明している。
【0011】即ち、本発明によれば、以下の発明が提供
される。 (1) パラミクソウイルスP遺伝子から発現するC蛋白
質、その変異体またはそれらの一部を有効成分として含
む、抗パラミクソウイルス剤。
【0012】(2) 下記の何れかのアミノ酸配列を有
する蛋白質を有効成分として含む抗パラミクソウイルス
剤。 (a)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列を有する蛋白質; (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
又は付加を有するアミノ酸配列を有し、C蛋白質と同等
以上のウイルスRNA合成阻害作用を示す蛋白質;
【0013】(3) パラミクソウイルスP遺伝子から
発現するC蛋白質、その変異体またはそれらの一部を発
現できるDNA又はRNAを有効成分として含む、抗パ
ラミクソウイルス剤。
【0014】(4) 下記の何れかの塩基配列を有する
DNAまたはRNAを有効成分として含む、抗パラミク
ソウイルス剤。 (a)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列をコードする塩基配列;又は、 (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
又は付加を有するアミノ酸配列であって、C蛋白質と同
等以上のウイルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列
をコードする塩基配列; (c)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配
列;又は、 (d)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配列
において1から複数個の塩基の欠失、置換及び/又は付
加を有する塩基配列を有し、C蛋白質と同等以上のウイ
ルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列をコードする
塩基配列;
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の抗パラミクソウイルス剤
は、パラミクソウイルスP遺伝子から発現するC蛋白質、
その変異体またはそれらの一部を有効成分として含む。
本発明で用いるC蛋白質、その変異体またはそれらの一
部は単独で使用してもよいし、別の異なる蛋白質と結合
または混合して用いてもよい。
【0016】パラミクソウイルスP遺伝子から発現するC
蛋白質のアミノ酸配列の具体例を配列表の配列番号5か
ら14に記載する。 配列番号5:センダイウイル 配列番号6:麻疹ウイルス 配列番号7:ヒトパラインフルエンザ1型 配列番号8:ヒトパラインフルエンザ3型 配列番号9:ウシパラインフルエンザ3型 配列番号10:イヌジステンパーウイルス 配列番号11:アザラシジステンパーウイルス 配列番号12:リンダーペストウイルス 配列番号13: ヘンドラウイルス 配列番号14:ニパウイルス
【0017】本発明では、パラミクソウイルスP遺伝子
から発現するC蛋白質の変異体またはそれらの一部を有
効成分として使用してもよい。このようなC蛋白質の変
異体またはそれらの一部としては、C蛋白質と同等以上
のウイルスRNA合成阻害作用を示すものが好ましい。
【0018】C蛋白質の変異体の具体例としては、配列
表の配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配列
において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又
は付加を有するアミノ酸配列を有し、C蛋白質と同等以
上のウイルスRNA合成阻害作用を示す蛋白質が挙げられ
る。
【0019】即ち、本発明の抗パラミクソウイルス剤に
おいては、下記の何れかのアミノ酸配列を有する蛋白質
を有効成分として使用することができる。 (a)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列を有する蛋白質; (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
又は付加を有するアミノ酸配列を有し、C蛋白質と同等
以上のウイルスRNA合成阻害作用を示す蛋白質;
【0020】本明細書で言う「1から複数個のアミノ酸
の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」に
おける「1から複数個」の範囲は特には限定されない
が、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、
より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5
個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0021】本発明で用いる蛋白質の取得方法について
は特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でも
よいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋
白質でもよい。組み換え蛋白質を作製する場合には、先
ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要
である。本明細書の配列表の配列番号5から14に記載
したアミノ酸配列並びに配列番号15から24に記載し
た塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマ
ーを設計し、それらを用いて公知のウイルス全長ゲノム
又はcDNAクローンなどを鋳型にしてPCRを行うこ
とにより、本発明で用いるC蛋白質をコードするDNA
を取得することができる。C蛋白質をコードするDNA
の一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作
製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連
結することにより、所望のC蛋白質をコードするDNA
を得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入
することにより、C蛋白質を産生することができる。発
現系でのC蛋白質の産生については後述する。
【0022】本発明の抗パラミクソウイルス剤において
は、C蛋白質、その変異体またはそれらの一部を発現す
るように設計したDNAあるいはRNAを有効成分とし
て用いることもできる。
【0023】本発明で用いることができるC蛋白質をコ
ードするDNAの塩基配列の具体例を配列表の配列番号
15から24に記載する。 配列番号15:センダイウイル 配列番号16:麻疹ウイルス 配列番号17:ヒトパラインフルエンザ1型 配列番号18:ヒトパラインフルエンザ3型 配列番号19:ウシパラインフルエンザ3型 配列番号20:イヌジステンパーウイルス 配列番号21:アザラシジステンパーウイルス 配列番号22:リンダーペストウイルス 配列番号23: ヘンドラウイルス 配列番号24:ニパウイルス
【0024】本発明の抗パラミクソウイルス剤において
は、下記の何れかの塩基配列を有するDNAまたはRN
Aを有効成分として使用することができる。 (a)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列をコードする塩基配列;又は、 (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
又は付加を有するアミノ酸配列であって、C蛋白質と同
等以上のウイルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列
をコードする塩基配列; (c)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配
列;又は、 (d)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配列
において1から複数個の塩基の欠失、置換及び/又は付
加を有する塩基配列を有し、C蛋白質と同等以上のウイ
ルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列をコードする
塩基配列;
【0025】さらに本発明の抗パラミクソウイルス剤に
おいては、上記のDNAに対応する塩基配列を有するR
NAを有効成分として使用してもよい。
【0026】本発明で用いるDNA又はRNAは、例え
ばホスホアミダイト法などにより合成することができる
し、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)によって製造することもできる。本発明のD
NA又はその断片の作製方法については、本明細書中上
述した通りである。
【0027】また、所定の核酸配列に所望の変異を導入
する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変
異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核
酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知
の技術を適宜使用することによって、変異を有するDN
Aを構築することができる。このような公知の技術は、
例えば、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2
nd Ed., Cold SpringHarbor Laboratory, Cold Spring
Harbor, NY.,1989、並びにCurrent Protocolsin Molecu
lar Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons
(1987-1997)に記載されている。
【0028】上記したDNAは適当な発現ベクターに挿
入して蛋白質を発現させることができる。発現ベクター
においては、DNAは、転写に必要な要素(例えば、プ
ロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータ
は宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、
宿主の種類に応じて適宜することができる。
【0029】細菌細胞で作動可能なプロモータとして
は、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニ
ック・アミラーゼ遺伝子(Bacillusstearothermophilus
maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミス
αアミラーゼ遺伝子(Bacilluslicheniformis alpha-amy
lase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BAN
アミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN am
ylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテ
アーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease
gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺
伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモー
タ、またはファージ・ラムダのPR若しくはP Lプロモー
タ、大腸菌の lac、trp若しくはtacプロモータなどが挙
げられる。
【0030】哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例
としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオ
ネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主
後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロ
モータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10
プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘド
ロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス
即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイ
ルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母
宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解
糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナ
ーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2-
4cプロモータなどが挙げられる。糸状菌細胞で作動可能
なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたは
tpiAプロモータなどがある。
【0031】組み換えベクターは更に、ポリアデニレー
ションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス
5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例え
ばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例
えばアデノウイルス VA RNA をコードするもの)
のような要素を有していてもよい。組み換えベクターは
更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能に
するDNA配列を具備してもよく、その一例としてはS
V40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げ
られる。
【0032】組み換えベクターはさらに選択マーカーを
含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒ
ドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロ
マイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿
主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリ
ン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニ
コール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような
薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。上記したDNA
又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによ
って形質転換体を作製することができる。DNAまたは
組み換えベクターを導入される宿主細胞は、DNA構築
物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌
および高等真核細胞等が挙げられる。
【0033】細菌細胞の例としては、バチルスまたはス
トレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラ
ム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロ
トプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を
用いることにより行なえばよい。哺乳類細胞の例として
は、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、B
HK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられ
る。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDN
A配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレク
トロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェ
クション法等を用いることができる。
【0034】酵母細胞の例としては、サッカロマイセス
またはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、
例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Sa
ccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への
組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレク
トロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウ
ム法等を挙げることができる。
【0035】他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアス
ペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリ
コデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を
用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組
換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことがで
きる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知
の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えによ
り行うことができる。
【0036】昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組
換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫
細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルス
を得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染さ
せ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculo
virus Expression Vectors, A Laboratory Manua1;及
びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バ
イオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に記
載)。
【0037】バキュロウイルスとしては、例えば、ヨト
ウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・
カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイル
ス(Autographa californica nuclear polyhedrosis vir
us)等を用いることができる。昆虫細胞としては、Spodo
ptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21
〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクター
ズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイ
チ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman a
nd Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Tri
choplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビト
ロジェン社製)等を用いることができる。組換えウイル
スを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベ
クターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、
例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等
を挙げることができる。
【0038】上記の形質転換体は、導入されたDNA構
築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培
養する。形質転換体の培養物から、本発明で用いるC蛋
白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法
を用いればよい。
【0039】例えば、C蛋白質が、細胞内に溶解状態で
発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により
回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞
を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心
分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の
単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、
脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル
(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換ク
ロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社
製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィ
ー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等の
レジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を
用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一
法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電
気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精
製標品を得ることができる。
【0040】C蛋白質、その変異体またはそれらの一部
を有効成分として用いる場合、これらの物質の細胞内濃
度を上昇させ、ウイルスゲノムのRNA合成を低下させ
ることが目的であるため、細胞内に取り込まれやすいよ
うに加工するか、あるいは添加物を加えることが好まし
い。
【0041】本発明において、C蛋白質あるいはC蛋白質
の一部を発現されるように設計されたDNAあるいはRNAの
場合には、周知のトランスフェクション法、例えば、
目的の細胞が取りこめるようなDNAあるいはRNAの沈殿物
を作る方法、目的の細胞による取り込みに適し、かつ
細胞毒性の少ない陽電荷特性をもつ複合体をDNAあるい
はRNAと作る方法、目的の細胞膜に、DNAあるいはRNA
が通り抜けられるだけに十分な穴を電気パルスによって
瞬間的に開ける方法などがある。
【0042】としては、たとえばリン酸カルシウムを
用いたトランスフェクション法が挙げられる。の方法
は、古くはDEAE-デキストランをDNAあるいはRNAと混合
して使う方法が知られている。近年は種々のトランスフ
ェクション試薬、例えばSuperfect (QIAGEN)、DOTAP、D
OSPER (以上Roche Diagnostic)、リポフェクトアミン(I
nvitorogen)が利用てきる。の方法はエレクトロポレ
ーション法と呼ばれる方法で、細胞による差が少ない特
徴をもつ。
【0043】トランスフェクション法以外にも金コロイ
ドの粒子上にDNAあるいはRNAを吸着させ、ジーンガンと
呼ばれる器具を用いて超高速で細胞内に打ち込む投与法
がある。またC蛋白質あるいはC蛋白質の一部を発現され
るように設計されたDNAをウイルスベクターに組み込
み、ウイルスベクターを感染させることにより発現させ
ることが考えられる。
【0044】投与する物質はC蛋白質あるいは、C蛋白質
を発現するように設計されたDNA、RNAに限らずC蛋白質
の作用機構、あるいは構造を模倣した低分子構造体でも
可能である。低分子構造体の場合には、浸透や拡散によ
り自然に細胞内に入りうるので、鼻腔あるいは口腔内噴
霧、点鼻薬、点眼薬、飲み薬、塗り薬、静脈内注射とい
った公知の投薬方法が使える。
【0045】本発明で有効成分として用いる、(1)パ
ラミクソウイルスP遺伝子から発現するC蛋白質、その変
異体またはそれらの一部、(2)パラミクソウイルスP
遺伝子から発現するC蛋白質、その変異体またはそれら
の一部を発現できるDNA、又は(3)パラミクソウイ
ルスP遺伝子から発現するC蛋白質、その変異体またはそ
れらの一部を発現できるRNAはそのままの形態でヒト
などの投与対象者に投与することもできるが、好ましく
は医薬組成物の形態で投与することもできる。
【0046】そのような医薬組成物の形態は特に限定さ
れず、経口投与又は非経口投与用の製剤形態の中から治
療や予防の目的に最も適した適宜の形態のものを選択す
ることが可能である。経口投与に適した製剤形態として
は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒
剤、シロップ剤、溶液剤、乳剤、懸濁剤、チュアブル剤
などを挙げることができ、非経口投与に適する製剤形態
としては、例えば、注射剤(皮下注射、筋肉内注射、又
は静脈内注射など)、点滴剤、吸入剤、噴霧剤、坐剤、
ゲル剤若しくは軟膏剤などの形態の経皮吸収剤、経粘膜
吸収剤、貼付剤若しくはテープ剤などの形態の経皮吸収
剤などを挙げることができるが、これらに限定されるこ
とはない。
【0047】経口投与に適当な液体製剤、例えば、溶液
剤、乳剤、又はシロップ剤などは、水、ショ糖、ソルビ
ット、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリー
ブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エス
テル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパー
ミントなどのフレーバー類などを用いて製造することが
できる。また、カプセル剤、錠剤、散剤、又は顆粒剤な
どの固体製剤の製造には、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マン
ニットなどの賦形剤、澱粉、アルギン酸ソーダなどの崩
壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢
剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの
界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いること
ができる。
【0048】非経口投与に適当な注射用又は点滴用の製
剤は、好ましくは、受容者の血液と等張な滅菌水性媒体
に有効成分である上記の物質を溶解又は懸濁状態で含ん
でいる。例えば、注射剤の場合、塩溶液、ブドウ糖溶
液、又は塩水とブドウ糖溶液との混合物からなる水性媒
体などを用いて溶液を調製することができる。腸内投与
のための製剤は、例えば、カカオ脂、水素化脂肪、又は
水素化カルボン酸などの担体を用いて調製することがで
き、座剤として提供される。また、噴霧剤の製造には、
有効成分である上記の物質を微細な粒子として分散させ
ることができ、受容者の口腔および気道粘膜を刺激せ
ず、かつ有効成分の吸収を容易ならしめる担体を用いる
ことができる。担体としては、具体的には、乳糖又はグ
リセリンなどが例示される。有効成分である物質及び使
用する担体の性質に応じて、エアロゾル又はドライパウ
ダーなどの形態の製剤が調製可能である。これらの非経
口投与用製剤には、グリコール類、油類、フレーバー
類、防腐剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活
性剤、可塑剤などから選択される1種又は2種以上の補
助成分を添加することもできる。
【0049】本発明の薬剤の投与量及び投与回数は、疾
患の種類や重篤度、投与形態、患者の年齢や体重などの
条件などの種々の要因により適宜設定することができる
が、一般的には、有効成分の投与量として一日当り10
μg/kg〜10mg/kg、好ましくは10μg/k
g〜1mg/kg程度である。上記投与量の製剤を一日
1〜4回程度、好ましくは2〜4回程度に分けて投与す
ることが好ましい。本発明の製剤は、ヒトを含む任意の
哺乳動物に投与することができるが、好ましくはヒトに
投与される。以下の実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。
【0050】
【実施例】[実施例1]センダイウイルスC蛋白質発現
細胞におけるウイルス増殖 センダイウイルス(SeV)全長ゲノムcDNA 、pSeV(+)(Kat
o, A. et al., Genes to Cells 1:569-579, 1996)を鋳
型として二つのプライマーCF(5'-gaattcaagcttgccatgcc
ttcattcttaaag -3')(配列番号1)とCR(5'-gaattcggat
ccctattactcttgcactatgtg -3')(配列番号2)を用いて
常法に従いポリメラーゼ連鎖反応より630塩基対のセン
ダイウイルスC蛋白質(204アミノ酸)をコードするcDNA鎖
を増幅し、プラスミドベクター(pEF-BOS (Mizushima,
S., and S. Nagata. 1990. Nucleic.Acids Res. 18, 53
22 (1990)由来のpKS336)にクローン化した後、そのプラ
スミドをリン酸カルシウム法でヒト由来HeLa細胞にトラ
ンスフェクトし、ブラストサイジン耐性の染色体にプラ
スミドが組み込まれた細胞(C+)を選択した(Kato, A.et
al., J.Virol. 75:3802-3810,2001)。
【0051】このようにして選択したHeLa細胞は、セン
ダイウイルスC蛋白質を発現している特徴を除いては、
未発現のHeLa細胞に比べて明らかな形態的あるいは、細
胞増殖速度の変化は見られなかった。また、二つのRNA
ウイルス、水疱性口内炎ウイルスとシンドビスウイルス
に対する感受性についても検討したが、普通のHeLa細胞
で増殖するのと同様にセンダイウイルスC発現HeLa細胞
でも増殖した。ところが、C蛋白質が由来するセンダイ
ウイルスを感染価5で両方の細胞に感染させ、継時的に
培養上清を採取し、そこに含まれるウイルス量を比較し
たところ、C蛋白質を発現していない通常のHeLa細胞に
比べてC蛋白質を発現するHeLa細胞では1/100の量とな
り、センダイウイルス産生量はC蛋白質発現による大き
く損なわれていた(図1)(Kato, A. et al., J. Virol.
75:3802-3810, 2001)。
【0052】[実施例2]C蛋白質発現細胞におけるパ
ラミクソウイルスの増殖 センダイウイルスC蛋白質の細胞内発現が増殖を抑制す
るウイルスの範囲を知るために、近縁ウイルスを実施例
1同様に二つの細胞にそれぞれ感染させ、培養上清中の
ウイルス量の測定を行った。パラミクソウイルス亜科に
属するセンダイウイルスの近縁ウイルスとして同じパラ
ミクソウイルス亜科に属する、モービリウイルス属、ル
ブラウイルス属、レスピロウイルス属の代表として麻疹
ウイルス(エドモンストン株)、ムンプスウイルス(トリ
イ株)とヒトパラインフルエンザ3型ウイルス(コウベ3
株)を用いた。どのウイルスも通常HeLa細胞で増えるの
とセンダイウイルスC蛋白質発現細胞で増殖するのとで
大差はなかった。すなわち、センダイウイルスC蛋白質
発現によりウイルス増殖が著しく抑制されるという現象
は認められず、パラミクソウイルスであるからと言って
必ずしもセンダイウイルスC発現細胞で増殖が悪いわけ
ではないことが判明した(図2)。ところが、センダイウ
イルスと最も近縁なレスピロウイルス属のヒトパライン
フルエンザウイルス1型(コウベ1株)では、センダイウ
イルス同様に著しいウイルス増殖の抑制が観察された
(図2)。センダイウイルスC蛋白質のウイルス増殖抑制
は、極めて狭い範囲のウイルスについてのみ起こる特異
性の高い阻害反応であることが示された。
【0053】[実施例3]麻疹ウイルスC蛋白質発現細
胞におけるウイルス増殖 C蛋白質のウイルス増殖抑制は、センダイウイルスC蛋白
質に限った現象かどうかを確かめるために、センダイウ
イルスが属するレスピロウイルス属とは、異なるモービ
リウイルス属の麻疹ウイルスC蛋白質を使って、ウイル
ス増殖抑制能があるか否かを検討した。麻疹ウイルス全
長ゲノムcDNA (Takeuchi, K. et al., Virus Genes 20:
253-257, 2000)を鋳型として二つのプライマーCBam1
(5'-gcggatccggcacgccatgtcaaaaacg-3')(配列番号3)
とCBam2 (5'-gcggatcctcaggagctcgtggatctcc-3')(配列
番号4)を用いて常法に従いポリメラーゼ連鎖反応より
561塩基対の麻疹ウイルスC蛋白質(186アミノ酸)をコー
ドするcDNA鎖を増幅し、実施例1と同様にプラスミドベ
クター(pKS336)にクローン化した。その後、プラスミド
をリン酸カルシウム法でHeLa細胞にトランスフェクト
し、ブラストサイジン耐性の染色体にプラスミドが組み
込まれた細胞(MevC+)を選択した。
【0054】このようにして選択したHeLa細胞を、麻疹
ウイルスのC蛋白質に対する抗体で、イムノブロットを
行うと、通常HeLa細胞には見られない予想通りのサイズ
の麻疹ウイルスC蛋白質(MevC)が発現していることが確
認された(図3)。この細胞の形態は、通常のHeLa細胞と
変わらず、麻疹ウイルスのC蛋白質発現が細胞に悪影響
を及ぼしているような様子は認められなかった。この細
胞に水疱性口内炎ウイルスを感染させたところ、ウイル
スは普通のHeLa細胞で増殖すると同様に麻疹ウイルスC
発現HeLa細胞でも増殖し、ウイルス感受性に差は認めら
れなかった。そこで次に、センダイウイルスをこの細胞
に感染させたところ、通常のHeLa細胞と同等のウイルス
増殖が麻疹ウイルスC発現細胞でも観察され、実施例1で
示されたようなセンダイウイルスの増殖阻害は認められ
なかった。また、この結果により、細胞に導入されたプ
ラスミドの自身が、抗センダイウイルスの効果を発揮し
ていたのではないことも明らかになった。ところが、こ
の細胞にC蛋白質が由来する麻疹ウイルスEdmonston株を
感染価0.5で感染させたところ、親株HeLa細胞に比べ
て、麻疹ウイルスC発現細胞では1/20以下のウイルス増
殖しか認められなかった(図3)。このことからパラミク
ソウイルスのC蛋白質には、その蛋白質の由来するウイ
ルスと限られた近縁のウイルスの増殖を抑制する活性が
あることが示された。
【0055】[実施例4]C蛋白質によるウイルス増殖
の抑制機構 既に述べたように、最初に明らかにされたセンダイウイ
ルスC蛋白質の機能は人工ウイルス遺伝子の増幅抑制(Cu
rran J. et. al., Virology 189, 647-656(1992))であ
った。このことは、ウイルスRNAの合成段階の抑制がC蛋
白質の作用部位の一つであることを示唆している。実
際、C蛋白質の発現を人工的に無くしたセンダイウイル
スを感染させた細胞では、感染後期になると親株センダ
イウイルスを感染させた細胞よりウイルスのmRNAが多量
に産生され、蛋白合成が活発になる(Hasan MK. J.Viro
l. 74:5619-5628(1999)) という事実とも合致する。ま
た更には、C蛋白質発現細胞では感染させたセンダイウ
イルスmRNAの合成が抑制されているという知見とも一致
する(Kato, A. et al., J.Virol. 75:3802-3810, 200
1))。
【0056】このことを再確認する目的で、レポーター
遺伝子としてルシフェラーゼを組み込んだ組換えセンダ
イウイルス(Hasan MK.et al. J.Gen.Virol. 78:2813-28
20 (1997))を感染させて6時間後の親株HeLa、センダイ
ウイルスC発現HeLa(C+)あるいは麻疹ウイルスC発現HeLa
(MevC+)細胞の溶解液中のルシフェラーゼ活性で評価し
た(図4)。ウイルスの転写活性が抑制されているとルシ
フェラーゼの値が低くなり、抑制されないと高くなるこ
とを利用したものである。センダイウイルスC発現細胞
(C+)でのルシフェラーゼの活性は、親株HeLa感染細胞に
対して1/10以下に低下していたが、麻疹ウイルスC発現
細胞(MevC+)では、このような低下は認められなかっ
た。このことから、組換えセンダイウイルスにコードさ
れたルシフェラーゼ遺伝子から出るmRNAを用いても、セ
ンダイウイルスC発現細胞で特異的に抑制されているこ
とが確認された。
【0057】ウイルスゲノムに挿入した非ウイルス遺伝
子であるルシフェラーゼの発現をもC蛋白質が阻害する
ことから、阻害の特異性はウイルス遺伝子に各個に作用
するのではなく、おそらくはC蛋白質がウイルスゲノム
両末端と結合するか、あるいはウイルスRNAポリメラー
ゼとの結合することによってRNA合成が抑制されている
のではないかと推測された。実際、ウイルス学的あるい
は生化学的にセンダイウイルスのC蛋白質がウイルスゲ
ノムの末端あるいはRNAポリメラーゼと結合することは
既に示されており(Trapparel C.et al. J. Vriol. 71:9
588-9599 (1997), Horikami, S.M.et al. Virology 23
5:261-270 (1997))、この結合とRNA合成抑制との関わり
が注目される。
【0058】[実施例5]ウイルス増殖阻害を引き起こ
すC蛋白質の機能部位1 センダイウイルスC蛋白質は204アミノ酸からなる、塩基
性蛋白質である。ウイルスのRNA合成を特異的に阻害す
る機能を担う領域を探るためにC蛋白質のアミノ末端か
ら順に削った蛋白質(カッコ内は削ったアミノ酸番号)
を発現する変異遺伝子を作成した。すなわち、181アミ
ノ酸からなるY1(Δ1-23) 、175アミノ酸からなるY2(Δ
1-29)、138アミノ酸からなるY2.5(Δ1-66)、106アミノ
酸からなるY3(Δ1-98)、78アミノ酸からなるY4(Δ1-12
6)を作成し、発現細胞を選択した。それぞれの細胞で正
しく蛋白質の発現が行われていることは、放射性同位元
35Sで標識されたメチオニンをそれぞれの細胞に2時間
取り込ませ、その後、センダイウイルスC蛋白質に対す
る特異抗体を用いた免疫沈降法により確認された(図
5)。
【0059】そこで、[実施例4]と同様の方法でレポ
ーター遺伝子としてルシフェラーゼを発現する組換えセ
ンダイウイルスを各細胞に感染させ、培養6時間後に細
胞内の発現の程度を比較した。C、Y1、Y2、Y2.5、Y3発
現細胞では明らかにルシフェラーゼ活性が抑えられてい
たが、Y4発現細胞では通常の未発現HeLaと同等の活性を
示した(図7)。実際のウイルス産生量を比較するため
に、センダイウイルス感染後24時間目の培養細胞の上清
中に得られたウイルス量を比較したところC、Y1、Y2、Y
2.5発現細胞では未発現HeLa細胞に比べて1/100以下に抑
えられ、Y3発現細胞でも数十分の一になっていたもの
の、Y4発現細胞では増殖抑制は見られなかった(図8)。
このことから、Y3部分の蛋白質には、センダイウイルス
のRNA合成、ウイルス産生を抑制する能力を保持してい
るが、それ以上にアミノ末端を削ったものでは、その能
力を失う。言い換えればC蛋白質の1番目から98番目のア
ミノ酸領域はウイルスの増殖抑制に関与ないことが示さ
れた。
【0060】[実施例6]ウイルス増殖阻害を引き起こ
すC蛋白質の機能部位2 C蛋白質のカルボキシル末端側のウイルスのRNA合成阻害
に及ぼす影響を検討した。十分な阻害活性を示すY2.5蛋
白質を基にカルボキシル末端から順に削った124アミノ
酸からなるY8R(Δ1-66/Δ190-204) (カッコ内は削った
アミノ酸番号)と115アミノ酸からなるY7R(Δ1-66/Δ180
-204)の二つの変異遺伝子を作成した。プラスミドに組
み込んだそれぞれの遺伝子を、HeLa細胞にトランスフェ
クトし、薬剤選択とクローニングの結果、発現細胞を得
た。これら発現細胞が、意図された欠損C蛋白質を発現
しているか否かを確かめるために、[実施例5]と同様
に、発現細胞を放射性同位元素で標識後、C蛋白質に対
する特異抗体を用いて免疫沈降をおこない、それぞれが
正しく発現されていることを確認した(図6)。
【0061】そこで、これら細胞が、センダイウイルス
のRNA合成抑制活性を維持しているかどうかを確かめる
ために、レポーター遺伝子としてルシフェラーゼを発現
する組換えセンダイウイルスを感染させ、6時間後にル
シフェラーゼ活性を測定した。その結果、Y8RとY7R発現
細胞は、どちらも非発現細胞と大差なく、RNA合成の抑
制は認められなかった(図7)。次にウイルス産生能に対
する影響をみるため、それぞれの細胞にセンダイウイル
スを感染させ、24時間後の培養細胞の上清中に得られる
ウイルス量を比較した。その結果、上清中のウイルス量
もまた、非発現細胞とY8R、Y7R発現細胞で大差がなく、
センダイウイルス増殖がこれら蛋白質の発現により妨げ
られていないことが判明した(図8)。
【0062】以上の結果から、C蛋白質のカルボキシル
末端側のアミノ酸はウイルスRNAの合成とウイルスの産
生抑制にとって重要であり、欠失したものは直ちに抑制
機能を失った。すなわち、C蛋白質のアミノ末端から1-9
8アミノ酸は、抑制機能にとって意味を持たない領域で
あり、それ以降99-204アミノ酸の領域が、機能を担う領
域であった。この領域のアミノ酸配列は、それ以外に比
べて、センダイウイルスC発現細胞で増殖阻害が認めら
れたパラインフルエンザウイルス1型のC蛋白質と特に相
同性高いという事実と合致している(図9)。
【0063】
【発明の効果】本発明により、パラミクソウイルス特異
的なウイルス増殖抑制の方法が提供された。本発明によ
り、パラミクソウイルス感染症に対して抗ウイルス剤と
して利用が期待できる。
【0064】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kokuritsu Kansensyo Kenkyusyocho <120> An anti-paramyxovirus agent <130> A11477A <160> 24
【0065】 <210> 1 <211> 33 <212> DNA <213> Synthetic DNA <400> 1 gaattcaagc ttgccatgcc ttcattctta aag 33
【0066】 <210> 2 <211> 33 <212> DNA <213> Synthetic DNA <400> 2 gaattcggat ccctattact cttgcactat gtg 33
【0067】 <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Synthetic DNA <400> 3 gcggatccgg cacgccatgt caaaaacg 28
【0068】 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Synthetic DNA <400> 4 gcggatcctc aggagctcgt ggatctcc 28
【0069】 <210> 5 <211> 204 <212> PRT <213> Sendai virus <400> 5 Met Pro Ser Phe Leu Lys Lys Ile Leu Lys Leu Arg Gly Arg Arg Gln 1 5 10 15 Glu Asp Glu Ser Arg Ser Arg Met Leu Ser Asp Ser Ser Met Leu Ser 20 25 30 Cys Arg Val Asn Gln Leu Thr Ser Glu Gly Thr Glu Ala Gly Ser Thr 35 40 45 Thr Pro Ser Thr Leu Pro Lys Asp Gln Ala Leu Leu Ile Glu Pro Lys 50 55 60 Val Arg Ala Lys Glu Lys Ser Gln His Arg Arg Pro Lys Ile Ile Asp 65 70 75 80 Gln Val Arg Arg Val Glu Ser Leu Gly Glu Gln Ala Ser Gln Arg Gln 85 90 95 Lys His Met Leu Glu Thr Leu Ile Asn Lys Ile Tyr Thr Gly Pro Leu 100 105 110 Gly Glu Glu Leu Val Gln Thr Leu Tyr Leu Arg Ile Trp Ala Met Glu 115 120 125 Glu Thr Pro Glu Ser Leu Lys Ile Leu Gln Met Arg Glu Asp Ile Arg 130 135 140 Asp Gln Val Leu Lys Met Lys Thr Glu Arg Trp Leu Arg Thr Leu Ile 145 150 155 160 Arg Gly Glu Lys Thr Lys Leu Lys Asp Phe Gln Lys Arg Tyr Glu Glu 165 170 175 Val His Pro Tyr Leu Met Lys Glu Lys Val Glu Gln Val Ile Met Glu 180 185 190 Glu Ala Trp Ser Leu Ala Ala His Ile Val Gln Glu 195 200
【0070】 <210> 6 <211> 186 <212> PRT <213> measles virus <400> 6 Met Ser Lys Thr Asp Trp Asn Ala Ser Gly Leu Ser Arg Pro Ser Pro 1 5 10 15 Ser Ala His Trp Pro Ser Arg Lys Pro Trp Gln His Gly Gln Lys Tyr 20 25 30 Gln Thr Thr Gln Asp Arg Thr Glu Pro Pro Ala Arg Lys Arg Arg Gln 35 40 45 Ala Val Arg Val Ser Ala Asn His Ala Ser Gln Gln Leu Asp Gln Leu 50 55 60 Lys Ala Val His Leu Ala Ser Ala Val Arg Asp Leu Glu Lys Ala Met 65 70 75 80 Thr Thr Leu Lys Leu Trp Glu Ser Pro Gln Glu Ile Ser Arg His Gln 85 90 95 Ala Leu Gly Tyr Ser Val Ile Met Phe Met Ile Thr Ala Val Lys Arg 100 105 110 Leu Arg Glu Ser Lys Met Leu Thr Leu Ser Trp Phe Asn Gln Ala Leu 115 120 125 Met Val Ile Ala Pro Ser Gln Glu Glu Thr Met Asn Leu Lys Thr Ala 130 135 140 Met Trp Ile Leu Ala Asn Leu Ile Pro Arg Asp Met Leu Ser Leu Thr 145 150 155 160 Gly Asp Leu Leu Pro Ser Leu Trp Gly Ser Gly Leu Leu Met Leu Lys 165 170 175 Leu Gln Lys Glu Gly Arg Ser Thr Ser Ser 180 185
【0071】 <210> 7 <211> 219 <212> PRT <213> human parainfluenza virus type 1 <400> 7 Xaa Asp Thr Pro Ala Ser Lys Thr Leu Leu Pro Glu Trp Ile Arg Met 1 5 10 15 Pro Ser Phe Leu Arg Gly Ile Leu Arg Pro Lys Glu Arg His His Glu 20 25 30 Asn Lys Asn His Ser Gln Met Ser Ser Asp Ser Leu Thr Ser Ser Tyr 35 40 45 Pro Thr Ser Pro Pro Lys Leu Glu Lys Thr Glu Ala Gly Ser Ile Ile 50 55 60 Ser Ser Thr Thr Gln Lys Lys Thr Ser His His Ala Asn Leu Thr Ile 65 70 75 80 Thr Thr Lys Thr Glu Gln Ser Gln Arg Arg Pro Lys Ile Ile Asp Gln 85 90 95 Val Arg Arg Val Glu Ser Leu Gly Glu Gln Val Ser Gln Lys Gln Arg 100 105 110 His Met Leu Glu Ser Leu Ile Asn Lys Val Tyr Thr Gly Pro Leu Gly 115 120 125 Glu Glu Leu Val Gln Thr Leu Tyr Leu Arg Ile Trp Ala Met Lys Glu 130 135 140 Thr Pro Glu Ser Thr Lys Ile Leu Gln Met Arg Glu Asp Ile Arg Asp 145 150 155 160 Gln Tyr Leu Arg Met Lys Thr Glu Arg Trp Leu Arg Thr Leu Ile Arg 165 170 175 Gly Lys Lys Thr Lys Leu Arg Asp Phe Gln Lys Arg Tyr Glu Glu Val 180 185 190 His Pro Tyr Leu Met Met Glu Arg Val Glu Gln Ile Ile Met Glu Glu 195 200 205 Ala Trp Lys Leu Ala Ala His Ile Val Gln Glu 210 215
【0072】 <210> 8 <211> 199 <212> PRT <213> human parainfluenza virus type 3 <400> 8 Met Leu Lys Thr Ile Lys Ser Trp Ile Leu Gly Lys Arg Asn Gln Glu 1 5 10 15 Ile Asn Gln Leu Ile Ser Pro Arg Pro Ser Thr Ser Leu Asn Ser Tyr 20 25 30 Ser Ala Pro Thr Pro Lys Lys Thr Tyr Arg Lys Thr Thr Gln Ser Thr 35 40 45 Gln Glu Pro Ser Asn Ser Ala Pro Pro Ser Val Asn Gln Lys Ser Asn 50 55 60 Gln Gln Lys Gln Val Lys Lys Leu Val Asp Gln Leu Thr Lys Ile Asp 65 70 75 80 Ser Leu Gly His His Thr Asn Val Gln Gln Lys Gln Lys Ile Glu Ile 85 90 95 Leu Ile Arg Lys Leu Tyr Arg Glu Asp Leu Gly Glu Glu Ala Ala Gln 100 105 110 Ile Val Glu Leu Arg Leu Trp Ser Leu Glu Glu Ser Leu Glu Ala Ser 115 120 125 Gln Ile Leu Lys Met Glu Pro Lys Thr Arg Arg Ile Leu Ile Ser Met 130 135 140 Lys Leu Glu Arg Trp Ile Arg Thr Leu Leu Arg Gly Lys Cys Asp Asn 145 150 155 160 Leu Gln Met Phe Gln Ala Arg Tyr Gln Glu Val Met Ser Tyr Leu Gln 165 170 175 Gln Asn Lys Val Glu Thr Val Ile Met Glu Glu Ala Trp Asn Leu Ser 180 185 190 Val Gln Met Ile Gln Asp Gln 195
【0073】 <210> 9 <211> 201 <212> PRT <213> bovine parainfluenza virus type 3 <400> 9 Met Leu Lys Thr Ile Lys Ser Trp Ile Leu Gly Lys Arg Asp Gln Glu 1 5 10 15 Thr Ser His Leu Thr Ser His Arg Pro Ser Thr Ser Leu Asn Ser Tyr 20 25 30 Ser Ala Pro Thr Pro Lys Arg Thr Arg Gln Thr Ala Met Lys Ser Thr 35 40 45 Gln Gly Thr Arg Asp Ser Ala Arg Gln Ser Thr Asn Leu Asn Pro Lys 50 55 60 Gln Gln Lys Gln Ala Lys Lys Ile Val Asp Gln Leu Thr Lys Ile Asp 65 70 75 80 Ser Leu Gly His His Thr Asn Val Pro Gln Arg Gln Arg Ile Glu Met 85 90 95 Leu Ile Arg Arg Leu Tyr Arg Glu Glu Ile Gly Glu Glu Ala Ala Gln 100 105 110 Ile Val Glu Leu Arg Leu Trp Ser Leu Glu Glu Ser Pro Glu Ala Ala 115 120 125 Gln Ile Leu Thr Met Glu Pro Lys Ser Arg Lys Val Leu Ile Thr Met 130 135 140 Lys Leu Glu Arg Trp Ile Arg Thr Leu Leu Arg Gly Lys Cys Asp Asn 145 150 155 160 Leu Lys Met Phe Gln Ser Arg Tyr Gln Glu Val Met Pro Phe Leu Gln 165 170 175 Gln Asn Lys Met Glu Thr Val Met Met Glu Glu Ala Trp Asn Leu Ser 180 185 190 Val His Leu Ile Gln Asp Ile Pro Ala 195 200
【0074】 <210> 10 <211> 174 <212> PRT <213> canine distemper virus <400> 10 Met Ser Ala Lys Gly Trp Asn Ala Ser Lys Pro Ser Glu Arg Ile Leu 1 5 10 15 Leu Thr Leu Arg Arg Phe Lys Arg Ser Ala Ala Ser Glu Thr Lys Pro 20 25 30 Ala Thr Gln Ala Lys Arg Met Glu Pro Gln Ala Cys Arg Lys Arg Arg 35 40 45 Thr Leu Arg Ile Ser Met Asn His Thr Ser Gln Gln Lys Asp Gln Thr 50 55 60 Met Ser Ala Met Tyr Leu Lys Ile Ile Arg Asp Val Glu Asn Ala Ile 65 70 75 80 Leu Arg Leu Trp Arg Arg Ser Gly Pro Leu Glu Arg Thr Ser Asn Gln 85 90 95 Asp Leu Glu Tyr Asp Val Ile Met Phe Met Ile Thr Ala Val Lys Arg 100 105 110 Leu Arg Glu Ser Lys Met Leu Thr Val Ser Trp Tyr Leu Gln Ala Leu 115 120 125 Ser Val Ile Glu Asp Ser Arg Glu Glu Lys Glu Ala Leu Met Ile Ala 130 135 140 Leu Arg Ile Leu Ala Lys Ile Ile Pro Lys Glu Met Leu His Leu Thr 145 150 155 160 Gly Asp Ile Leu Ser Ala Leu Asn Arg Thr Glu Gln Leu Met 165 170
【0075】 <210> 11 <211> 174 <212> PRT <213> phocine distemper virus <400> 11 Met Ser Val Lys Gly Trp Ser Ala Ser Arg Pro Ser Glu Lys Ile Leu 1 5 10 15 Leu Thr Trp Lys Arg Phe Lys Arg Ser Val Thr Ser Gly Ile Lys Pro 20 25 30 Thr Ser Gln Ala Lys Lys Ala Glu Pro Gln Val Cys Lys Arg Lys Lys 35 40 45 Ser Leu Arg Ile Ser Met Asn His Thr Arg Gln Gln Arg Asp Gln Thr 50 55 60 Val Ser Ala Met Tyr Ser Lys Lys Ile Arg Glu Val Glu Arg Thr Ile 65 70 75 80 Leu His Leu Trp Arg Gln Lys Thr Val Leu Lys Arg Ile Pro Lys Gln 85 90 95 Asp Leu Gln Tyr Asp Val Ile Met Phe Met Ile Thr Ala Val Lys Arg 100 105 110 Leu Arg Glu Ser Lys Met Leu Thr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Ala Leu 115 120 125 Gln Val Ile Gly Asp Ser Lys Glu Glu Arg Glu Ala Leu Met Ile Ala 130 135 140 Leu Lys Ile Leu Ala Lys Ile Ile Pro Lys Glu Met Leu His Leu Thr 145 150 155 160 Gly Asp Ile Leu Leu Ala Leu Thr Gln Thr Glu Gln Leu Met 165 170
【0076】 <210> 12 <211> 177 <212> PRT <213> Rinderpest virus <400> 12 Met Ser Thr Lys Ala Trp Asn Ala Ser Arg Leu Ser Gly Pro Asp Pro 1 5 10 15 Ser Thr Pro Trp Ser Leu Arg Lys Pro Leu Gln His Gly Ser Arg Pro 20 25 30 Pro Lys Gly Lys Arg Leu Thr Val Cys Pro Pro Thr Arg Pro Lys Gln 35 40 45 Thr Ile Arg Ile Ser Ala Ser His Ala Ser Gln Gln Leu Asp Gln Ala 50 55 60 Lys Ala Ala Cys Leu Ala Val Thr Ile Lys Asp Leu Glu Glu Ala Thr 65 70 75 80 Ala Val Met Arg Ser Trp Glu His Ser Leu Val Thr Pro Gln Cys Ile 85 90 95 Ala Pro Arg Tyr Ser Ile Ile Met Phe Met Ile Thr Ala Val Lys Arg 100 105 110 Leu Arg Glu Ser Lys Met Leu Thr Leu Ser Trp Phe Asn Gln Ala Leu 115 120 125 Met Met Val Ser Lys Ser Gly Glu Glu Met Arg Asn Leu Arg Thr Ala 130 135 140 Met Trp Ile Leu Ala Asn Leu Ile Pro Arg Glu Val Leu Pro Leu Thr 145 150 155 160 Gly Asp Leu Leu Pro Ser Leu Gln Gln Gln Glu Pro Pro Met Leu Lys 165 170 175 Gln
【0077】 <210> 13 <211> 166 <212> PRT <213> Hendra virus <400> 13 Met Met Ala Ser Ile Leu Leu Thr Leu Phe Arg Arg Thr Lys Lys Lys 1 5 10 15 Tyr Lys Arg His Thr Asp Asp Gln Ala Ser Asn Asn Gln Val Pro Lys 20 25 30 Thr Gly Gln Glu His Gly Arg Thr Ser Cys Arg Ala Pro Val Glu Asn 35 40 45 Met Asn Arg Leu Arg Gly Glu Cys Leu Arg Met Met Glu Val Leu Lys 50 55 60 Glu Glu Met Trp Arg Ile Tyr Pro Val Leu Leu Pro Gln Met Glu Leu 65 70 75 80 Leu Asp Lys Glu Cys Gln Thr Pro Glu Leu Gly Gln Lys Thr Gln Met 85 90 95 Thr Tyr Asn Trp Thr Gln Trp Leu Gln Thr Leu Tyr Thr Met Ile Met 100 105 110 Glu Glu Asn Val Pro Asp Met Asp Leu Leu Gln Ala Leu Arg Glu Gly 115 120 125 Gly Val Ile Thr Cys Gln Glu His Thr Met Gly Met Tyr Val Leu Tyr 130 135 140 Leu Ile Gln Arg Cys Cys Pro Met Leu Pro Lys Leu Gln Phe Leu Lys 145 150 155 160 Lys Leu Gly Lys Leu Ile 165
【0078】 <210> 14 <211> 166 <212> PRT <213> Nipah virus <400> 14 Met Met Ala Ser Ile Leu Leu Thr Leu Phe Arg Arg Thr Lys Lys Lys 1 5 10 15 Tyr Arg Arg His Thr Asp Asp Gln Val Phe Asn Asn Pro Ala Ser Lys 20 25 30 Ile Lys Gln Lys Pro Gly Lys Ile Phe Cys Ser Ala Pro Val Glu Asn 35 40 45 Leu Asn Lys Leu Arg Gly Glu Cys Leu Arg Met Met Glu Met Leu Lys 50 55 60 Glu Glu Thr Trp Arg Ile Tyr Pro Val Leu Leu Pro Gln Met Glu Leu 65 70 75 80 Leu Glu Arg Glu Cys Arg Thr Pro Val Thr Gly Gln Lys Val Gln Met 85 90 95 Thr Tyr Asn Trp Thr Gln Trp Leu Gln Thr Leu Tyr Thr Met Ile Met 100 105 110 Glu Glu Asn Val Pro Asp Met Asp Leu Leu Gln Ala Leu Arg Glu Gly 115 120 125 Gly Val Ile Thr His Gln Glu Gln Thr Met Gly Met Tyr Val Leu Tyr 130 135 140 Leu Met Gln Arg Cys Cys Pro Met Leu Pro Lys Leu Gln Phe Leu Lys 145 150 155 160 Lys Ile Gly Lys Leu Ile 165
【0079】 <210> 15 <211> 649 <212> DNA <213> Sendai virus <400> 15 acggcttcgg ctacacttac cgcatggatc aagatgcctt cattcttaaa gaagattctg 60 aagttgagag ggaggcgcca ggaggacgag agtcgctctc ggatgttatc ggattcctcg 120 atgctgtcct gtcgagtgaa ccaactgaca tcggagggga cagaagctgg ctccacaaca 180 ccatcaacac tccccaagga ccaggctctg ctcatagagc caaaagtgag ggcgaaggag 240 aagtctcaac accgtcgacc caagataatc gatcaggtga ggagagtaga gtctctggga 300 gaacaagcaa gccagaggca gaagcacatg ctggaaacct tgataaacaa aatatacacc 360 gggcctttgg gggaagaact ggtacaaact ctgtatctca ggatctgggc gatggaggag 420 actccggaat ccttgaaaat cctccaaatg agagaggata tccgagatca ggtattgaag 480 atgaaaacag agagatggct gcgcaccctg ataagagggg agaagaccaa gctgaaggac 540 ttccagaaga ggtacgagga agtacatccc tacctgatga aggagaaggt ggagcaagta 600 ataatggaag aagcatggag cctggcagct cacatagtgc aagagtaac 649
【0080】 <210> 16 <211> 561 <212> DNA <213> measles virus <400> 16 atgtcaaaaa cggactggaa tgcatccggg ctctcaaggc cgagcccatc ggctcactgg 60 ccgtcgagga agccatggca gcatggtcag aaatatcaga caacccagga caggaccgag 120 ccacctgcaa ggaagaggag gcaggcagtt cgggtctcag caaaccatgc ctctcagcaa 180 ttggatcaac tgaaggcggt gcacctcgca tccgcggtca gggatctgga gaaagcgatg 240 acgacgctga aactttggga atcccctcaa gaaatctcca ggcatcaagc actgggttac 300 agtgttatca tgtttatgat cacagcggtg aagcggttaa gggaatccaa gatgctgact 360 ctatcatggt tcaatcaggc cttgatggtg atagcaccct ctcaggagga gacgatgaat 420 ctgaaaacag cgatgtggat attggcgaac ctgataccga gggatatgct atcactgacc 480 ggggatctgc tcccatctct atggggttca gggcttctga tgttgaaact gcagaaggag 540 gggagatcca cgagctcctg a 561
【0081】 <210> 17 <211> 659 <212> DNA <213> human parainfluenza virus type 1 <400> 17 tggatacccc agcatccaaa actctccttc ccgaatggat caggatgcct tcttttttga 60 gagggatcct gaggccgaag gagaggcacc acgaaaacaa gaatcactct cagatgtcat 120 cggactcctt gacgtcgtcc tatcctacaa gcccaccgaa attggagaag acagaagctg 180 gctccataat atcatcgaca acccaaaaga aaacaagtca tcatgcaaat ctgacgataa 240 caacaaagac agagcaatct caacgtcgac ccaagatcat agatcaagtg aggagagtgg 300 aatctctagg agaacaggtg agtcaaaaac agagacacat gctagaatcc ttgatcaaca 360 aggtatacac agggcctcta ggcgaggaac tagtccaaac cctctacctg agaatatggg 420 cgatgaaaga aacaccagaa tcgacgaaga ttctccaaat gagagaagac atcagagatc 480 agtacctacg gatgaagaca gaaagatggc tgagaactct aataagaggg aagaagacca 540 agttgaggga tttccagaag aggtacgagg aagtacatcc ctatctgatg atggagaggg 600 tagaacaaat aataatggaa gaagcatgga aactagcagc acacatagta caagaataa 659
【0082】 <210> 18 <211> 599 <212> DNA <213> human parainfluenza virus type 3 <400> 18 tgctaaaaac tatcaaatca tggattcttg ggaagaggaa ccaagagata aatcaactaa 60 tatctcctcg gccctcaaca tcattgaatt catactcagc accgaccccc aagaagacct 120 atcggaaaac gacacaatca acacaagaac ccagcaactc agcgccacca tctgtcaacc 180 agaaatcaaa ccaacagaaa caagtgaaaa agttagtgga tcaactgaca aaaatagaca 240 gtctgggtca tcacacgaat gtacaacaga agcaaaagat agaaatattg atcaggaaac 300 tgtacaggga ggatctggga gaagaagcag ctcagatagt agagctgaga ctgtggtctc 360 tggaggaatc tctggaagca tcacagattc taaaaatgga acccaaaaca cggagaatat 420 tgatctcaat gaaattagaa agatggataa ggactctatt gagaggaaaa tgcgacaatc 480 tgcagatgtt ccaagcgaga tatcaggaag tgatgtcata tttacaacag aacaaagtag 540 aaacagtgat catggaagaa gcttggaacc tatcagtaca aatgatacaa gatcaatga 599
【0083】 <210> 19 <211> 607 <212> DNA <213> bovine parainfluenza virus type 3 <400> 19 aatgctaaag acaatcaaat catggattct tgggaagagg gatcaggaga caagtcatct 60 gacatctcat cggccctcga catcattgaa ttcatactca gcaccgactc ccaagagaac 120 acggcagaca gcaatgaagt caacacaggg aacaagagac tcagcacgac aatctaccaa 180 cttgaatcca aaacaacaga aacaagcaaa gaaaatagtg gatcagttaa cgaaaatcga 240 cagcttgggg catcacacga acgtgccaca gagacaaaga atagaaatgt taatcaggag 300 actatacagg gaggaaatag gggaagaagc agctcagata gtagagctga gattatggtc 360 actcgaggaa tctccagaag cagcccagat cctaacaatg gaacccaaat ccaggaaagt 420 attgattaca atgaagttgg agagatggat aaggactctg ctaagaggga aatgcgacaa 480 tctaaagatg ttccagtcaa ggtatcaaga agtgatgcca ttcctccaac aaaacaagat 540 ggaaacggtg atgatggaag aagcatggaa tctatcagta catttgattc aggatatacc 600 agcatag 607
【0084】 <210> 20 <211> 525 <212> DNA <213> canine distemper virus <400> 20 atgtcagcaa agggctggaa tgcctcaaag ccctcagaga gaatcctcct gacattgagg 60 agattcaaga ggtcagcagc ctcagagacc aaacctgcaa cccaggccaa gagaatggaa 120 ccacaggcat gcaggaagag gaggactctc agaatctcga tgaatcacac gagccaacaa 180 aaggatcaaa ctatgtcggc catgtacctc aaaataatcc gggatgtgga gaacgcaata 240 ctgcgcttgt ggaggcggag cggcccccta gagaggacat ccaaccagga cctggaatac 300 gatgtgatca tgtttatgat cacagcggtg aagaggttaa gggaatcgaa gatgctgaca 360 gtctcgtggt acctgcaggc actgtcggta atcgaggatt cgagagagga gaaggaagcc 420 ttgatgatag cactgaggat tctggcgaag attattccga aggaaatgct tcatctaact 480 ggggatattc tttcggcctt aaaccggaca gagcagctga tgtga 525
【0085】 <210> 21 <211> 525 <212> DNA <213> phocnic distemper virus <400> 21 atgtcagtaa agggctggag tgcatcaagg ccctcagaga aaatcctcct aacatggaag 60 agattcaaga ggtcagtaac atcagggatc aaacctacaa gtcaagcaaa gaaagcggaa 120 ccacaggtgt gcaagaggaa gaaatcactc agaatatcga tgaatcacac acgccaacaa 180 agagatcaaa cagtgtcagc gatgtactcc aagaagatca gagaggtaga gaggacaata 240 ctgcacctgt ggaggcaaaa gaccgtattg aagaggatac ccaaacagga cctgcagtac 300 gacgttatta tgtttatgat cactgcggtg aaaaggttaa gggaatcgaa gatgctgaca 360 gtctcatggt accagcaggc cctccaagta ataggggatt cgaaggaaga gagggaagcc 420 ttgatgatag cattgaagat tctagcgaag attattccga aggaaatgct tcatctaact 480 ggggatatac ttttggcctt aacccagaca gagcagctga tgtga 525
【0086】 <210> 22 <211> 534 <212> DNA <213> Rinderpest virus <400> 22 atgtcaacaa aggcctggaa tgcatcaagg ctctcagggc ccgacccctc gaccccctgg 60 tcgttgagga agcccttgca gcatgggtcg agacctccga agggcaaacg cttgaccgta 120 tgtcctccga cgaggccgaa gcagaccatc aggatatcag caagccatgc ttcccagcag 180 ctggaccagg caaaagcagc atgtctcgct gtcacgatca aggacttaga ggaagcaaca 240 gctgtgatga ggagctggga gcattcattg gtgactcctc aatgcatagc accgaggtac 300 agcattatca tgtttatgat cacagcggtg aaaaggttga gggagtcgaa gatgctgact 360 ctatcctggt tcaatcaggc gctgatgatg gtgtcgaagt ctggggagga gatgaggaat 420 ctgagaacag cgatgtggat tctggcgaac ctgatcccga gggaagtgct cccgctgact 480 ggggatcttc tcccatctct ccagcaacaa gagcctccga tgttgaaaca gtag 534
【0087】 <210> 23 <211> 501 <212> DNA <213> Hendra virus <400> 23 atgatggcct cgatattatt gactttattc agaagaacca aaaagaaata caaaagacat 60 acggacgatc aagcatccaa caaccaagta ccaaagacag gacaagagca tgggaggact 120 tcttgcagag caccagtgga gaacatgaac aggctgaggg gggaatgcct aagaatgatg 180 gaggtactga aggaagaaat gtggaggatc tatccagtgt tacttcctca gatggaacta 240 ttggacaaag agtgtcaaac acccgagctt gggcagaaga cccagatgac atacaactgg 300 acccaatggt tacagacgtt gtataccatg atcatggagg agaatgtacc ggacatggac 360 cttcttcaag ccctgagaga gggtggagtt atcacatgtc aggaacacac gatgggaatg 420 tacgtgctgt acctgataca aaggtgttgc ccaatgctcc caaaactaca gttcctgaag 480 aagttaggga aattgattta a 501
【0088】 <210> 24 <211> 501 <212> DNA <213> Nipah virus <400> 24 atgatggcct caatattatt gactttattc agaagaacca aaaagaaata cagaagacat 60 acggacgatc aagtattcaa caacccagca tcaaagatca aacaaaagcc tgggaagatt 120 ttctgcagtg caccagtgga gaatctgaac aagttgaggg gggaatgtct aaggatgatg 180 gagatgttga aagaagaaac ttggaggatc tatccagtac ttctcccaca gatggaacta 240 ttggaaagag agtgtcgaac acccgtgact gggcagaagg ttcagatgac atacaactgg 300 acccagtggt tacagacgtt gtataccatg atcatggagg agaatgtacc ggatatggat 360 ttacttcaag ccctgagaga gggtggagtg attacacatc aggagcaaac aatgggaatg 420 tatgtcttgt atctgatgca aagatgctgt cctatgctcc cgaaattgca gtttctaaag 480 aagatcggga aactgatcta g 501
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、センダイウイルスC蛋白質発現細胞に
おけるウイルス増殖を分析した結果を示す。
【図2】図2は、C蛋白質発現細胞におけるパラミクソ
ウイルスの増殖を分析した結果を示す。
【図3】図3は、麻疹ウイルスC蛋白質発現細胞におけ
る麻疹ウイルスC蛋白質(MevC)の発現、及び当該細胞に
おけるウイルス増殖を分析した結果を示す。
【図4】図4は、レポーター遺伝子としてルシフェラー
ゼを組み込んだ組換えセンダイウイルスを感染させて6
時間後の親株HeLa、センダイウイルスC発現HeLa(C+)あ
るいは麻疹ウイルスC発現HeLa(MevC+)細胞の溶解液中の
ルシフェラーゼ活性を評価した結果を示す。
【図5】図5は、ウイルス増殖阻害を引き起こすC蛋白
質の機能部位を解析した結果を示す。
【図6】図6は、ウイルス増殖阻害を引き起こすC蛋白
質の機能部位を解析した結果を示す。
【図7】図7は、レポーター遺伝子としてルシフェラー
ゼを組み込んだ各種の組換えセンダイウイルスを各細胞
に感染させ、培養6時間後に細胞内の発現の程度を比較
した結果を示す。
【図8】図8は、各種の組換えセンダイウイルス感染後
24時間目の培養細胞の上清中に得られたウイルス量を比
較した結果を示す。
【図9】図9は、ヒトパラインフルエンザウイルス3
型、センダイウイルス、及びヒトパラインフルエンザウ
イルス1型のアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 由佳乃 東京都武蔵村山市学園4−7−1 国立感 染症研究所内 (72)発明者 竹内 薫 東京都武蔵村山市学園4−7−1 国立感 染症研究所内 (72)発明者 宮嶋 直子 東京都武蔵村山市学園4−7−1 国立感 染症研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA04 DA02 EA04 GA11 4C084 AA02 AA06 BA01 BA22 CA53 DC50 NA14 ZB332 4C085 AA03 BA57 BB11 BB23 CC08 CC21 DD62

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラミクソウイルスP遺伝子から発現す
    るC蛋白質、その変異体またはそれらの一部を有効成分
    として含む、抗パラミクソウイルス剤。
  2. 【請求項2】 下記の何れかのアミノ酸配列を有する蛋
    白質を有効成分として含む抗パラミクソウイルス剤。 (a)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
    列を有する蛋白質; (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
    列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
    又は付加を有するアミノ酸配列を有し、C蛋白質と同等
    以上のウイルスRNA合成阻害作用を示す蛋白質;
  3. 【請求項3】 パラミクソウイルスP遺伝子から発現す
    るC蛋白質、その変異体またはそれらの一部を発現でき
    るDNA又はRNAを有効成分として含む、抗パラミク
    ソウイルス剤。
  4. 【請求項4】 下記の何れかの塩基配列を有するDNA
    またはRNAを有効成分として含む、抗パラミクソウイ
    ルス剤。 (a)配列番号5から14に記載のアミノ酸配列をコー
    ドする塩基配列;又は、 (b)配列番号5から14の何れかに記載のアミノ酸配
    列において1から複数個のアミノ酸の欠失、置換及び/
    又は付加を有するアミノ酸配列であって、C蛋白質と同
    等以上のウイルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列
    をコードする塩基配列; (c)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配
    列;又は、 (d)配列番号15から24の何れかに記載の塩基配列
    において1から複数個の塩基の欠失、置換及び/又は付
    加を有する塩基配列を有し、C蛋白質と同等以上のウイ
    ルスRNA合成阻害作用を示すアミノ酸配列をコードする
    塩基配列;
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JP2017522051A (ja) * 2014-07-18 2017-08-10 アンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム) ウイルスrnaフリー核タンパク質(n0)に対するウイルスリンタンパク質(p)サブユニットの結合ドメインを含むペプチド

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WO2001003744A2 (en) * 1999-07-09 2001-01-18 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Recombinant parainfluenza virus vaccines attenuated by deletion or ablation of the c, d or v genes

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