JP2003089590A - 固体燃料及びハイブリッド推進薬 - Google Patents

固体燃料及びハイブリッド推進薬

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Fumio Hosoya
文夫 細谷
Yukio Takishita
幸男 滝下
Takuo Kuwabara
卓雄 桑原
Toshio Onda
敏男 恩田
Hidefumi Shibamoto
秀文 芝本
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Hosoya Fireworks Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 必要な酸化剤量が少なく、密度比
推力の大きい、軽量小型のハイリッド推進薬、及びその
ハイリッド推進薬に使用できる固体燃料を提供する。 【解決手段】 アジ化ポリマー及び金属粉末又は
ホウ素粉末を含有して成ることを特徴とする固体燃料
2、及び前記固体燃料と酸化剤3とを有して成ることを
特徴とするハイブリッド推進薬1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体燃料及びハ
イブリッド推進薬に関し、さらに詳しくは、低酸素量で
あっても大きな比推力を発生させることのできる固体燃
料、及びその固体燃料を使用したハイブリッド推進薬に
関する。
【0002】
【従来の技術】飛翔体の推進源に利用される推進薬とし
ては、主として、固体推進薬、液体推進薬、及びハイブ
リッド推進薬がある。
【0003】この中で、固体推進薬は、固体酸化剤と固
体燃料とを使用する推進薬であって、比較的開発が容易
で、制作費を低くすることができること、及び取り扱い
が簡単であることなどの特徴を有していることから、人
工衛星打ち上げ用ブースターや気象観測用ロケットなど
に使用されている。
【0004】液体推進薬は、液体酸化剤と液体燃料とを
使用する推進薬であって、大きな比推力を有するものが
多く、高性能エンジンを得やすいこと、燃焼の中断や再
点火など推力の大きさ及び方向を制御することが容易な
こと、並びに長時間の連続燃焼が可能であることなどの
特徴を有していることから、人工衛星打ち上げ用ブース
ターや姿勢制御用ロケットなどに使用されている。
【0005】ハイブリッド推進薬は、液体酸化剤と固体
燃料とを使用する推進薬である。ハイブリッド推進薬を
使用したエンジンは、一系統の液体関係部品しか使用し
ないことから、液体推進薬を使用したエンジンに比べ
て、ポンプや配管が少ないという利点を有し、また、ハ
イブリッド推進薬を使用したロケットは、固体推進薬を
使用したロケットに比べて、燃焼グレインが強固かつ不
活性なので取り扱いが容易であるという利点を有する。
さらに、ハイブリッド推進薬は、固体推進薬より大きな
比推力が得られ、液体推進薬よりも、さらに大きな密度
比推力が得られるなどの特徴を有する。
【0006】従来、ハイブリッドロケットに使用される
固体燃料には、末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)
が主に用いられていた。
【0007】しかし、HTPBを固体燃料として使用し
たハイブリッド推進薬は、安価で、比較的取り扱いが容
易であるという利点がある一方、分解速度(燃焼速度)
が小さいという欠点があり、また、大きな推力を得るた
めには多量の酸化剤を使用する必要があるので、ハイブ
リッド推進薬の体積及び重量が大きくなるという欠点が
あった。
【0008】したがって、HTPBを使用した従来のハ
イブリッド推進薬は、できるだけコンパクトに設計する
ことが要求されるロケットしては、必ずしも満足するこ
とのできる推進薬ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来のハ
イブリッド推進薬が有する前記欠点を解消することを目
的とする。すなわち、この発明の目的は、必要な酸化剤
量が少なく、密度比推力の大きい、軽量小型のハイブリ
ッド推進薬、及びそのハイブリッド推進薬に使用するこ
とのできる固体燃料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、アジ化ポリマー及び金属粉末又はホウ素
粉末を含有して成ることを特徴とする固体燃料であり、
前記固体燃料の好適な態様として、前記アジ化ポリマー
は、グリシジルアジ化ポリマーであり、前記金属粉末
は、マグネシウム粉末、チタン粉末、ジルコニウム粉
末、又はアルミニウム粉末であり、前記アジ化ポリマー
の含有量と金属粉末又はホウ素の含有量との比は、9
5:5〜60:40であり、また、他の発明は、請求項
1〜4のいずれか1項に記載の固体燃料と酸化剤とを有
して成ることを特徴とするハイブリッド推進薬であり、
前記ハイブリッド推進薬の好適な態様として、前記酸化
剤は、液体酸素、フッ素、四酸化二窒素、酸化二窒素、
過酸化水素、硝酸ヒドロキシルアンモニウム又は硝酸で
あり、前記酸化剤は、その含有量が、前記固体燃料と前
記酸化剤との合計量に対して40〜90重量%である。
【0011】
【発明の実施の形態】1.固体燃料の構成 この発明に係る固体燃料は、推進薬に主として使用され
る固体燃料であり、特にハイブリッド推進薬に好適に使
用される。前記固体燃料は、その燃焼によりロケット等
の推進に必要な燃焼ガスを発生する物質である。前記固
体燃料は、アジ化ポリマー及び金属粉末又はホウ素を含
有する。
【0012】前記アジ化ポリマーは、前記固体燃料の主
成分であり、燃焼により燃焼ガスを発生する物質であ
る。アジ化ポリマーは、金属粉末又はホウ素とともに固
体燃料に使用すると、その固体燃料を用いて比推力の大
きい推進薬を製造することができる。
【0013】前記アジ化ポリマーの種類としては、前記
機能を発揮することができれば特に制限はなく、例え
ば、グリシジルアジ化ポリマー(GAP)、ビスアジド
メチルオキセタン(BAMO)、及びアジドメチルメチ
ルオキセタン(AMMO)を挙げることができる。これ
らのアジ化ポリマーは、前記機能を効果的に発揮するこ
とができる点で好適である。これらの中で、GAPが、
高温の燃焼ガスを発生することができ、大きな推進力が
得られる点で特に好適である。
【0014】前記アジ化ポリマーの分子量としては、そ
のアジ化ポリマーが前記機能を発揮することができれば
特に制限はないが、例えばGAPであれば1〜2kg/
moleを挙げることができ、前記アジ化ポリマーの分
子量が前記範囲内であると、前記機能を効果的に発揮す
ることができる点で好適である。
【0015】前記金属粉末又はホウ素は、燃焼性能の向
上のために添加される物質であって、前記固体燃料を使
用した推進薬を燃焼させたときに、これらが放出される
ことによって、酸化剤と前記アジ化ポリマーとの反応性
を高め、前記推進薬の密度比推力を大きくする機能を有
する。
【0016】前記金属粉末の種類としては、前記機能を
発揮することができれば特に制限はなく、例えば、マグ
ネシウム粉末、チタン粉末、ジルコニウム粉末、及びア
ルミニウム粉末を挙げることができる。これの金属粉末
は、前記機能を効果的に発揮することができる点で好適
である。
【0017】前記金属粉末又はホウ素の中では、マグネ
シウム粉末が、密度比推力を大きくすることができる点
で特に好適である。
【0018】前記固体燃料における、アジ化ポリマーの
含有量と金属粉末又はホウ素の含有量との比は、前記固
体燃料の使用目的等に応じて適宜決定することができる
が、一般には、95:5〜60:40であると、この固
体燃料をハイブリッド推進薬に使用したときに、酸化剤
の使用量を低減させて、密度比推力を大きくすることが
できる点で好適である。
【0019】前記固体燃料は、前記の物質の他、必要に
応じて添加剤、例えば熱安定剤、老化防止剤、可塑剤、
界面活性剤、可撓性賦与剤、及び硬化剤を含有すること
ができる。また、前記固体燃料は、必要に応じて、燃焼
促進剤として前記金属粉末又はホウ素の他に、例えば、
酸化鉄及び二酸化マンガンのような金属酸化物、又はク
ロム酸塩のようなアルカリ触媒を含有することができ
る。
【0020】前記固体燃料は、目的に応じて適宜所定の
形状に成形することができ、例えば、前記固体燃料をハ
イブリッド推進薬に使用する場合には、グレイン形状に
することができる。 2.ハイブリッド推進薬の構成 この発明に係るハイブリッド推進薬は、主としてハイブ
リッドロケットの推進薬に使用される。前記ハイブリッ
ド推進薬は、上述の固体燃料と酸化剤とを有して成る。
【0021】前記酸化剤は、前記固体燃料の酸化を促進
させ、前記固体燃料の燃焼による燃焼ガスの放出の増進
及び維持を実現する物質である。前記ハイブリッド推進
薬においては、その使用時において、前記酸化剤は液体
である。
【0022】前記酸化剤の種類としては、前記機能を効
果的に発揮することができれば特に制限はなく、例え
ば、液体酸素、フッ素、四酸化二窒素、酸化二窒素、過
酸化水素、HAN(硝酸ヒドロキシルアンモニウム)及
び硝酸を挙げることができる。これらの酸化剤は、前記
機能を効果的に発揮することができる点で好適である。
これらの中で、液体酸素が、酸化能力が高いという点で
特に好適である。
【0023】前記酸化剤の含有量は、前記ハイブリッド
推進薬の使用目的等に応じて適宜決定することができる
が、一般には、前記固体燃料の含有量と前記酸化剤の含
有量との合計量に対して40〜90重量%であると、前
記ハイブリッド推進薬の密度比推力を大きくすることが
できる点で好適である。
【0024】前記ハイブリッド推進薬においては、前記
固体燃料と前記酸化剤とは、必ずしも混合されている必
要はなく、これらの相対的な関係は、前記ハイブリッド
推進薬の使用目的等に応じて適宜決定することができ
る。例えば、前記ハイブリッド推進薬をハイブリッドロ
ケットに使用する場合には、一般には、図1に示すよう
に、ハイブリッドロケット内において前記固体燃料と前
記酸化剤とは分離した状態で使用される。図1は、この
発明に係るハイブリッド推進薬であるハイブリッド推進
薬1を構成する固体燃料2と酸化剤3とを収容したハイ
ブリッドロケット4の概略縦断面図である。 3.固体燃料及びハイブリッド推進薬の作用 前記ハイブリッド推進薬をハイブリッドロケットに使用
した場合を例にして、前記固体燃料及び前記ハイブリッ
ド推進薬の作用を、図1を用いて説明する。
【0025】図1は、固体/液体混合方式のハイブリッ
ドロケットであるハイブリッドロケット4を示す。ハイ
ブリッドロケット4は、この発明に係る固体燃料である
固体燃料2及びこの発明に係るハイブリッド推進薬であ
るハイブリッド推進薬1を使用している。ハイブリッド
ロケット4は、酸化剤タンク5、燃料タンク6、及びノ
ズル7により構成され、燃料タンク6の一端部に、コン
トロールバルブ8を介して酸化剤タンク5が接続され、
燃料タンク6の他端部にノズル7が設けられている。
【0026】固体燃料2はグレイン形状に成形されて、
燃料タンク6内に充填されている。酸化剤3は酸化剤タ
ンク5に充填されている。
【0027】ハイブリッドロケット4では、酸化剤タン
ク5内で加圧された液状の酸化剤3は、噴射器(図示せ
ず)によって霧状にされて、コントロールバルブ8を経
て、燃料タンク6内の燃料グレイン孔9内に噴射され
る。燃料グレイン孔9内では、霧状の酸化剤3と、固体
燃料2がガス化して生成されたガス化燃料成分とが、着
火手段(図示せず)の作用により反応して、燃焼ガスを
生成する。この高温の燃焼ガスがノズル7からハイブリ
ッドロケット4外に噴出される。この作用により、ハイ
ブリッドロケット4は推進する。
【0028】この場合、燃料タンク6内では、霧状の酸
化剤5は、固体燃料2の燃料グレイン孔9の内表面上を
流れ、この霧状の酸化剤5の作用によって、固体燃料2
は、燃料グレイン孔9の内表面からガス化し、その生成
されたガス化燃料成分が前記霧状の酸化剤3と混合しな
がら燃焼する。燃料タンク6内の下流側においては、燃
焼ガス流からの熱伝達によって固体燃料2がガス化し、
その生成されたガス化燃料成分が発生して、これが燃焼
する。すなわち、ハイブリッドロケット4における燃焼
は、固体燃料2の表面上の境界層内で行われる。
【0029】固体燃料2は、燃料グレイン孔9の内表面
から燃焼によって消費されるので、燃焼の進行に従っ
て、燃料グレイン孔9の内径が大きくなることから、霧
状の酸化剤3と固体燃料2のガス化燃料成分との混合流
体中における両者の混合比が変化する。さらに、前記混
合流体の流れ方向に沿って前記混合率が変化するので、
固体燃料2の燃焼速度は一定には保たれない。以上の過
程においては、固体燃料2の形状及び霧状の酸化剤3の
流率により固体燃料2のガス化率が決定され、このガス
化率及び固体燃料2の成分等により発生する推力の大き
さが決定される。
【0030】ハイブリッド推進薬1は、これに使用され
る固体燃料2がアジ化ポリマー及び金属粉末又はホウ素
を含有して成るので、末端水酸基ポリブタジエン(HT
PB)を原料として含有する固体燃料を使用した従来の
ハイブリッド推進薬に比較して密度比推力が大きいの
で、一定量の固体燃料をハイブリッドロケットに充填し
た場合に、従来のハイブリッド推進薬に比べて、ハイブ
リッドロケットの推力を大きくすることができる。
【0031】また、ハイブリッド推進薬1においては、
一定の推力を得るのに必要な酸化剤の量が少ないので、
その体積を、従来のハイブリッド推進薬の体積よりも小
さくすることができる。したがって、ハイブリッド推進
薬1を使用したハイブリッドロケット4においては、酸
化剤3を収容する酸化剤タンク5の体積を小さくするこ
とができる。つまり、ハイブリッド推進薬1をハイブリ
ッドロケットに使用すれば、その分だけハイブリッドロ
ケットを小型化することができる。また同様の理由によ
り、ハイブリッド推進薬1を使用したハイブリッドロケ
ット4においては、その重量を、従来のハイブリッド推
進薬の重量よりも、小さくすることができるので、ハイ
ブリッド推進薬1をハイブリッドロケットに使用すれ
ば、その分だけハイブリッドロケットを軽量化すること
ができる。
【0032】この発明に係る固体燃料及びハイブリッド
推進薬は、図1に示した固体/液体混合方式のハイブリ
ッドロケット以外のハイブリッドロケット、例えばガス
ハイブリッドロケットにも使用することが可能である。
図8に、この発明に係る固体燃料である固体燃料22及
びこの発明に係るハイブリッド推進薬であるハイブリッ
ド推進薬21を使用したガスハイブリッドロケット24
を示す。ガスハイブリッドロケット24においては、そ
の先端部側から後端部側に配列された酸化剤タンク2
5、燃料タンク26、二次燃焼室部34及びノズル27
を有する。酸化剤タンク25と二次燃焼室部34との間
には、これらの内部空間を連通させる酸化剤供給管33
が設けられ、酸化剤供給管33にはコントロールバルブ
28が設けられている。燃料タンク26の内部空間は、
流量制御バルブ30を介して二次燃焼室部34の内部空
間と連通している。二次燃焼室部31の後端部にノズル
27が設けられている。燃料タンク26内には、その先
端側に固体燃料22が収容され、その後端側にガスジェ
ネレータ31が形成されている。二次燃焼室部34内に
は二次燃焼室32が形成されている。ガスハイブリッド
ロケット24においては、固体燃料22が一次燃焼室で
あるガスジェネレータ31内で燃焼することにより燃料
ガスが生成し、その燃料ガスが二次燃焼室32に送られ
る。酸化剤タンク25内で加圧された液状の酸化剤23
は、噴射器(図示せず)によって霧状にされて、酸化剤
供給管33を通って、二次燃焼室32に噴射される。二
次燃焼室32内では、前記燃料ガスと霧状の酸化剤23
とが反応し、燃焼ガスを生成する。この高温の燃焼ガス
がノズル27からガスハイブリッドロケット24外に噴
出される。この作用により、ガスハイブリッドロケット
24は推進する。ガスハイブリッドロケット24におい
ては、高温の燃料ガスと霧状の酸化剤23との間で反応
が起こるので、燃焼効率が高く、燃料を完全にガス化さ
せることができるという利点がある。 4.固体燃料及びハイブリッド推進薬の製造方法 前記固体燃料は、燃料成分と金属粉末とを含有する公知
の固体燃料の製造方法と同様の製造方法によって製造す
ることができ、例えば、両者を湿った状態で混和し、硬
化させるという方法により製造することができる。
【0033】ハイブリッド推進薬は、公知のハイブリッ
ド推進薬の製造方法と同様の製造方法によって製造する
ことができ、例えば、固体の酸化剤と燃料とを混和し、
硬化させるという方法により製造することができる。
【0034】
【実施例】以下、この発明に係る固体燃料及びハイブリ
ッド推進薬の有用性を、従来一般的なハイブリッド推進
薬として使用されている、HTPBを用いて製造される
固体燃料を使用したハイブリッド推進薬と、この発明に
係るハイブリッド推進薬との比較において示す。
【0035】(実施例1)GAPを80重量%及びマグ
ネシウム粉末を20重量%を使用し、硬化させることに
より固体燃料を作成した。この固体燃料に、酸化剤とし
て液体酸素を用いた。前記固体燃料に混合する液体酸素
の量は連続的に変化させた。このハイブリッド推進薬の
密度比推力を、理論的に算出することで性能評価を行っ
た。
【0036】(実施例2)酸化剤として四酸化二窒素を
使用した以外は実施例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図3に示した。
【0037】(実施例3)酸化剤として硝酸を使用した
以外は実施例1と同様にして密度比推力を求めた。結果
を図4に示した。
【0038】(実施例4)酸化剤として過酸化水素を使
用した以外は実施例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図5に示した。
【0039】(実施例5)酸化剤として酸化二窒素を使
用した以外は実施例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図6に示した。
【0040】(実施例6)酸化剤としてフッ素を使用し
た以外は実施例1と同様にして密度比推力を求めた。結
果を図7に示した。
【0041】(比較例1)HTPBを使用して固体燃料
を作成した以外は実施例1と同様にして密度比推力を求
めた。結果を図2に示した。
【0042】(比較例2)酸化剤として四酸化二窒素を
使用した以外は比較例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図3に示した。
【0043】(比較例3)酸化剤として硝酸を使用した
以外は比較例1と同様にして密度比推力を求めた。結果
を図4に示した。
【0044】(比較例4)酸化剤として過酸化水素を使
用した以外は比較例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図5に示した。
【0045】(比較例5)酸化剤として酸化二窒素を使
用した以外は比較例1と同様にして密度比推力を求め
た。結果を図6に示した。
【0046】(比較例6)酸化剤としてフッ素を使用し
た以外は比較例1と同様にして密度比推力を求めた。結
果を図7に示した。
【0047】図2〜7に示された結果より、GAP及び
マグネシウム粉末から成る固体燃料を使用したこの発明
に係るハイブリッド推進薬は、従来一般的なハイブリッ
ド推進薬として使用されている、HTPBを用いて製造
される固体燃料を使用したハイブリッド推進薬よりも、
密度比推力が大きく、また、最大の密度比推力を得るの
に要する酸化剤量が少ないことがわかる。
【0048】以上の結果より、この発明に係るハイブリ
ッド推進薬をハイブリッドロケットに使用すると、大き
な推力を得ることができ、また、ハイブリッドロケット
を小型化及び軽量化することができることは明らかであ
る。
【0049】
【発明の効果】この発明に係る固体燃料を使用したハイ
ブリッド推進薬は、従来のハイブリッド推進薬に比較し
て大きな密度比推力を得ることができる。
【0050】この発明に係る固体燃料を使用したハイブ
リッド推進薬は、従来のハイブリッド推進薬に比較し
て、一定の推力を得るのに必要な酸化剤の量が少ないの
で、その体積及び重量を、従来のハイブリッド推進薬の
重量及び体積よりも、小さくすることができる。したが
って、この発明に係るハイブリッド推進薬をハイブリッ
ドロケットに使用すれば、ハイブリッドロケットを小型
化及び軽量化することができる。
【0051】この発明に係る固体燃料及びハイブリッド
推進薬は、簡易な方法により、しかも低コストで製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ハイブリッド推進薬1を構成する固体
燃料2と酸化剤3とを収容したハイブリッドロケット4
の概略縦断面図である。
【図2】図2は、実施例1及び比較例1における密度比
推力の結果を示す図である。
【図3】図3は、実施例2及び比較例2における密度比
推力の結果を示す図である。
【図4】図4は、実施例3及び比較例3における密度比
推力の結果を示す図である。
【図5】図5は、実施例4及び比較例4における密度比
推力の結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例5及び比較例5における密度比
推力の結果を示す図である。
【図7】図7は、実施例6及び比較例6における密度比
推力の結果を示す図である。
【図8】図8は、ハイブリッド推進薬21を構成する固
体燃料22と酸化剤23とを収容したガスハイブリッド
ロケット24の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・ハイブリッド推進薬、2・・固体燃料、3・・酸
化剤、4・・ハイブリッドロケット、5・・酸化剤タン
ク、6・・燃料タンク、7・・ノズル、8・・コントロ
ールバルブ、9・・燃料グレイン孔、21・・ハイブリ
ッド推進薬21、22・・固体燃料、23・・酸化剤、
24・・ガスハイブリッドロケット、25・・酸化剤タ
ンク、26・・燃料タンク、27・・ノズル、28・・
コントロールバルブ、30・・流量制御バルブ、31・
・ガスジェネレータ、32・・二次燃焼室、33・・酸
化剤供給管、34・・二次燃焼室部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 卓雄 東京都あきる野市菅生1847 細谷火工株式 会社内 (72)発明者 恩田 敏男 東京都あきる野市菅生1847 細谷火工株式 会社内 (72)発明者 芝本 秀文 東京都あきる野市菅生1847 細谷火工株式 会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジ化ポリマー及び金属粉末又はホウ素
    粉末を含有して成ることを特徴とする固体燃料。
  2. 【請求項2】 前記アジ化ポリマーは、グリシジルアジ
    化ポリマーである請求項1に記載の固体燃料。
  3. 【請求項3】 前記金属粉末は、マグネシウム粉末、チ
    タン粉末、ジルコニウム粉末、又はアルミニウム粉末で
    ある請求項1又は2に記載の固体燃料。
  4. 【請求項4】 前記アジ化ポリマーの含有量と金属粉末
    又はホウ素の含有量との比は、95:5〜60:40で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体燃料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固
    体燃料と酸化剤とを有して成ることを特徴とするハイブ
    リッド推進薬。
  6. 【請求項6】 前記酸化剤は、液体酸素、フッ素、四酸
    化二窒素、酸化二窒素、過酸化水素、硝酸ヒドロキシル
    アンモニウム又は硝酸である請求項5に記載のハイブリ
    ッド推進薬。
  7. 【請求項7】 前記酸化剤は、その含有量が、前記固体
    燃料と前記酸化剤との合計量に対して40〜90重量%
    である請求項5又は6に記載のハイブリッド推進薬。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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