JP2003089149A - 中空成形容器の製造方法および中空成形容器 - Google Patents

中空成形容器の製造方法および中空成形容器

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JP2003089149A
JP2003089149A JP2001284655A JP2001284655A JP2003089149A JP 2003089149 A JP2003089149 A JP 2003089149A JP 2001284655 A JP2001284655 A JP 2001284655A JP 2001284655 A JP2001284655 A JP 2001284655A JP 2003089149 A JP2003089149 A JP 2003089149A
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JP
Japan
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propylene
parison
resin
weight
molded container
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JP2001284655A
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English (en)
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Seiji Shiromoto
征治 城本
Haruyuki Suzuki
治之 鈴木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロピレン系樹脂からなる軽量性に優れる中空
成形容器の製造方法およびプロピレン系樹脂からなる軽
量性に優れる中空成形容器を提供すること。 【解決手段】プロピレン系樹脂からなる中空成形容器の
製造方法であって、下記工程(1)〜(5)を含む中空
成形容器の製造方法、他。 (1)発泡剤を含有するプロピレン系樹脂を溶融押出し
て、発泡パリソンを成形する工程。 (2)該パリソンを、中空成形機に取り付けられた容器
の形状を有する金型で挟む工程。 (3)該パリソンの外表面および/または内表面へ、圧
力0.02〜0.2MPaの圧縮ガスを吹き付け、該パ
リソンの表面を冷却する工程。 (4)該パリソンの内部へ、圧力0.3〜1MPaの圧
縮ガスを吹き込み、該パリソンの外壁が金型の内壁に接
するまで膨張させるとともに、該パリソンを冷却させる
工程。 (5)プロピレン系樹脂からなる発泡中空成形容器を金
型から取り出す工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】プロピレン系樹脂からなる中
空成形容器の製造方法およびプロピレン系樹脂からなる
中空成形容器に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン系樹脂は、洗剤・薬品・飲料
・食料に例示される物品用の容器に広範に利用されてい
る樹脂の一つである。これらの容器は、熱可塑性樹脂製
容器の製造方法として広く普及している中空成形法、真
空成形法、圧空成形法などにより成形されているが、中
でも工程が単純で効率的な中空成形法が好適に用いられ
ている。
【0003】プロピレン系樹脂からなる中空成形容器
は、耐熱性、剛性、透明性、耐薬品性、水蒸気バリア性
等の多くの特性に優れているものの、プロピレン系樹脂
を中空成形することにより軽量性に優れる中空成形容器
を製造するのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−70974
号公報には容器内壁に凹凸を有し曇りガラス類似の外観
を有する中空容器の製造法が開示されている。しかし、
該製造法で得られている容器の発泡倍率は1.2倍と低
く容器の軽量性に劣る。かかる状況下、本発明の目的
は、プロピレン系樹脂からなる軽量性に優れる中空成形
容器の製造方法およびプロピレン系樹脂からなる軽量性
に優れる中空成形容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、プロピレン系
樹脂からなる中空成形容器の製造方法であって、下記工
程(1)〜(5)を含む中空成形容器の製造方法、およ
び該製造方法により得られる中空成形容器にかかるもの
であり、また、プロピレン系樹脂からなり、容器胴部の
密度が0.3g/cm3 以下である中空成形容器にかか
るものである。 (1)発泡剤を含有するプロピレン系樹脂を溶融押出し
て、発泡パリソンを成形する工程。 (2)該パリソンを、中空成形機に取り付けられた容器
の形状を有する金型で挟む工程。 (3)該パリソンの外表面および/または内表面へ、圧
力0.02〜0.2MPaの圧縮ガスを吹き付け、該パ
リソンの表面を冷却する工程。 (4)該パリソンの内部へ、圧力0.3〜1MPaの圧
縮ガスを吹き込み、該パリソンの外壁が金型の内壁に接
するまで膨張させるとともに、該パリソンを冷却させる
工程。 (5)プロピレン系樹脂からなる発泡中空成形容器を金
型から取り出す工程。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の中空成形容器の製造方法
における工程(1)は通常、プロピレン系樹脂の溶融温
度以上で、あるいは化学発泡剤を用いる場合は化学発泡
剤の分解温度とプロピレン系樹脂の溶融温度のうちのい
ずれか高い方の温度以上で、実施される。該温度が高す
ぎると、得られるパリソンの粘度が低下し、その結果、
後続の工程(4)等において、パリソン中の発泡セルが
ガスの圧力によって破泡しやすくなるので、好ましくな
い。該温度の上限は通常250℃程度であり、該温度と
して好ましくは170〜230℃である。この工程にお
いては、得られるパリソンのドローダウンを防止した
り、また、工程(4)における発泡セルの破泡を防止す
ることを目的として、パリソンの表面に圧縮ガスを吹き
かけたり、内部へガスを吹き込んでもよい。
【0007】上記工程(3)は、後続の工程(4)にお
いてパリソン中の発泡セルが、吹き込まれた圧縮ガスの
圧力により破泡するのを防止するために、パリソンの外
表面および/または内表面へ圧縮ガスを吹き付けること
によって、該表面を冷却する工程である。パリソンは、
その表面の全体が均一に冷却されることが好ましい。パ
リソンが不均一に冷却されると、得られる容器の胴部の
厚みが不均一になるので、好ましくない。吹き付ける圧
縮ガスの圧力は0.02〜0.2MPaであり、好まし
くは0.05〜0.15MPaである。該圧力が低すぎ
ると、パリソンが十分に冷却されないので好ましくな
い。該圧力が高すぎると、過度の冷却によってパリソン
が固化して膨張しなくなったり、パリソンが変形した
り、パリソンの一部が金型の内壁まで膨張して冷却・固
化したり、表面の荒れた容器が得られたりするので、好
ましくない。この工程で用いられる好ましいガスは空
気、窒素または二酸化炭素である。
【0008】上記工程(4)における圧縮ガスの圧力は
0.3〜1MPaであり、好ましくは0.4〜0.8M
Paである。該圧力が低すぎると、パリソンの膨張が不
十分となるため好ましくなく、該圧力が高すぎると、パ
リソン中の発泡セルがガスの圧力により破泡するので好
ましくない。この工程で用いられる好ましいガスは空
気、窒素または二酸化炭素である。
【0009】本発明で用いられるプロピレン系樹脂と
は、プロピレンから誘導される繰り返し単位を50重量
%以上含有する熱可塑性樹脂であり、プロピレンの単独
重合体、プロピレンと炭素原子数2〜10のα−オレフ
ィン(但し、プロピレンは除く)との共重合体、または
プロピレンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合
体が好ましい。該α−オレフィンとしては、エチレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。該他のモ
ノマーとしては、共役ジエン(例えばブタジエンやイソ
プレン)や非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエ
ン)が挙げられる。
【0010】本発明で用いられるプロピレン系樹脂とし
てより好ましくは、190℃におけるメルトテンション
(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MF
R)が下記式(1)を満たすプロピレン重合体樹脂
(A)を含有するプロピレン系樹脂である。 logMT≧−0.9logMFR+0.8 (1)
【0011】前記プロピレン重合体樹脂(A)は、19
0℃におけるメルトテンション(MT)と230℃にお
けるメルトフローレート(MFR)が下記式(1)を満
たすものであり、好ましくは下記式(2)を満たすもの
であり、より好ましくは下記式(3)を満たすものであ
る。プロピレン重合体樹脂(A)のMTとMFRとがか
かる関係式を満たすと、パリソンのドローダウン性、発
泡中空成形性により優れる。 logMT≧−0.9logMFR+0.8 (1) logMT≧−0.9logMFR+0.9 (2) logMT≧−0.9logMFR+1.0 (3)
【0012】前記プロピレン重合体樹脂(A)の230
℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限
はないが、好ましくは、0.1〜30g/10分であ
り、さらに好ましくは0.3〜20g/10分である。
MFRが低すぎると、発泡倍率を上げにくくなる。ま
た、MFRが高すぎると、ドローダウン性や発泡中空成
形性が悪化するため好ましくない。
【0013】前記プロピレン重合体樹脂(A)として
は、公知の種々のプロピレン重合体樹脂を用いることが
でき、例えば伸長粘度が歪み硬化性を有する、非線状の
プロピレン重合体樹脂や、多段重合法により製造された
広分子量分布を有するプロピレン重合体が挙げられる。
前者の伸長粘度が歪み硬化性を有する非線状のプロピレ
ン重合体樹脂は、米国のモンテル社等から市販されてい
る。
【0014】本発明で用いられるプロピレン重合体樹脂
(A)の分子量分布は好ましくは15以下であり、より
好ましくは5〜12であり、さらに好ましくは6以上1
0未満である。この範囲にあると得られる成形品の外観
により優れ、好ましい。なお本発明でいう分子量分布
は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)で評価する。
【0015】前記プロピレン重合体樹脂(A)として好
ましくは、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレ
ン重合体部分(a)を製造する工程および極限粘度が3
dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(b)を製
造する工程を含む重合方法により得られ、樹脂全体に占
める結晶性プロピレン重合体部分(a)の割合が0.0
5〜25重量%であり、樹脂全体の極限粘度が3dl/
g未満のプロピレン重合体樹脂(E)である。その具体
的な製造方法として、第一段階で(a)を重合した後、
引き続いて第二段階で(a)を重合したと同一の重合槽
で(b)を重合する回分式重合法や、2槽以上の重合槽
を直列に配置し、第一段階として(a)を重合後生成物
を次の重合槽へ移送し、その重合槽で第二段階として
(b)を重合する連続式重合法等が挙げられる。なお、
連続式重合法の場合は、第一段階および第二段階それぞ
れの重合槽は1槽でも2槽以上でもよい。なお、極限粘
度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体と極限粘
度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体との単な
る混合物では、溶融張力の改良効果が発現しないか不十
分であり、ドローダウン性、発泡中空成形性に劣る。
【0016】前記結晶性ポリプロピレン重合体部分
(a)の極限粘度は5dl/g以上であり、好ましくは
6dl/g以上である。この範囲にあると、溶融張力は
十分高くなって発泡中空成形性に優れ好ましい。該
(a)の極限粘度は高いほど好ましく特に上限に制限は
ないが、通常は15dl/g未満である。該(a)の極
限粘度としてより好ましくは6〜13dl/gであり、
さらに好ましくは7〜11dl/gである。
【0017】結晶性プロピレン重合体部分(a)のプロ
ピレン重合体樹脂(E)に占める割合は0.05〜25
重量%であり、好ましくは0.3〜20重量%である。
この範囲内にあれば、発泡中空成形性および流動性に優
れ好ましい。
【0018】前記結晶性プロピレン重合体部分(b)の
極限粘度は3dl/g未満であり、好ましくは2dl/
g以下である。この範囲にあると流動性や加工性に優
れ、好ましい。該(b)の極限粘度は低いほど好ましく
特に下限に制限はないが、通常は0.5dl/g以上で
ある。該(b)の極限粘度としてより好ましくは0.8
〜2dl/gであり、さらに好ましくは1〜1.8dl
/gである。
【0019】なお、該(b)の極限粘度は(b)の製造
条件を適宜設定することにより上記範囲内とすることが
できる。通常は極限粘度の加成性が成り立つとして、該
(a)と該(b)とからなるプロピレン重合体樹脂
(E)の場合は、最終的に得られたプロピレン重合体樹
脂(E)の極限粘度[η]E と該(a)の極限粘度
[η] a および該(a)、(b)それぞれの(E)中の
含有割合(重量%)から下記式(4)により該(b)の
極限粘度[η]b を求める。 [η]b = ([η]E ×100−[η]a ×Wa )÷Wb (4) [η]E :プロピレン重合体樹脂(E)の極限粘度(d
l/g) [η]a :結晶性プロピレン重合体部分(a)の極限粘
度(dl/g) Wa :結晶性プロピレン重合体部分(a)の含有割合
(重量%) Wb :結晶性プロピレン重合体部分(b)の含有割合
(重量%)
【0020】前記プロピレン重合体樹脂(E)全体の極
限粘度は3dl/g未満である。この範囲にあるとドロ
ーダウン性や発泡中空成形性に優れ、好ましい。該
(E)の極限粘度は特に下限に制限はないが、通常は1
dl/g以上である。該(E)の極限粘度としてより好
ましくは1dl/g以上3dl/g未満であり、さらに
好ましくは1.2dl/g以上2.8dl/g未満であ
る。
【0021】前記プロピレン重合体樹脂(E)全体の分
子量分布は好ましくは15以下である。この範囲にある
と得られる成形品の外観により優れ、好ましい。該分子
量分布としてより好ましくは5〜12であり、さらに好
ましくは6以上10未満である。なお本発明でいう分子
量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で評価する。
【0022】さらに、プロピレン重合体樹脂(E)の発
泡中空成形性の観点から、該(a)の極限粘度[η]a
(dl/g)および含有割合Wa (重量%)が、下記式
(5)を満たすことがさらに好ましい。 Wa ≧400×EXP(−0.6×[η]a ) (5) Wa が上記式の範囲内であると、発泡中空成形性に優れ
るため好ましい。
【0023】該(a)および該(b)は、それぞれアイ
ソタクチックポリプロピレン結晶構造を有する結晶性プ
ロピレン重合体部分であり、プロピレンの単独重合体、
またはプロピレンと結晶性を失わない程度の量のエチレ
ンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィン
等のコモノマーとの共重合体が好ましい。α−オレフィ
ンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
結晶性を失わない程度の量とはコモノマーの種類により
異なるが、例えばエチレンの場合、共重合体中のエチレ
ンから誘導される繰り返し単位の量は通常10重量%以
下、1−ブテン等の他のα−オレフィンの場合、共重合
体中のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の量
は通常30重量%以下である。
【0024】また該(b)としては上記以外に結晶性の
プロピレン重合体樹脂(A)中に非晶性のエチレン・α
−オレフィン共重合体が分散している重合体も好ましい
ものとして例示することができる。該(a)および該
(b)として特に好ましくは、それぞれ、プロピレンの
単独重合体、エチレンから誘導される繰り返し単位の量
が10重量%以下であるプロピレンとエチレンとのラン
ダム共重合体、α−オレフィンから誘導される繰り返し
単位の量が30重量%以下であるプロピレンと炭素原子
数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、ま
たはエチレンから誘導される繰り返し単位の量が10重
量%以下でありα−オレフィンから誘導される繰り返し
単位の量が30重量%以下であるプロピレンとエチレン
と炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダ
ム共重合体が特に好適に用いられる。なお、これらの場
合のα−オレフィンとして最も好ましくは1−ブテンで
ある。柔軟性や耐衝撃性に関して特に優れた性能を示す
該(a)としては、エチレンから誘導される繰り返し単
位の量が1〜10重量%であるプロピレンとエチレンと
のランダム共重合体が用いられる。
【0025】該(a)と該(b)とは同一組成であって
も異なっていてもよい。また該(a)と該(b)とはブ
ロック的に結合していてもよい。さらには該(a)と該
(b)とがブロック的に結合したものとそれ以外の該
(a)および該(b)とが共存していてもよい。
【0026】上記プロピレン重合体樹脂(E)は、公知
の種々の触媒を使用して製造されるが、かかる触媒とし
てはチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子
を含有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト
触媒、またはメタロセン錯体等を用いて得られるシング
ルサイト触媒等が挙げられる。上記プロピレン重合体樹
脂(E)は好ましくはチタン原子、マグネシウム原子お
よびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得ら
れるマルチサイト触媒を使用して製造され、更に好まし
くは、特開平11−228629号公報記載の方法で製
造される。
【0027】前記プロピレン重合体樹脂(A)を含有す
るプロピレン系樹脂は、樹脂成分として前記プロピレン
重合体樹脂(A)のみからなってもよいし、他の樹脂成
分を含んでいてもよい。好ましくは、プロピレン重合体
樹脂(A)1〜100重量%、該プロピレン重合体樹脂
(A)以外のプロピレン重合体樹脂(B)99〜0重量
%、およびエチレン系樹脂(C)99〜0重量%(但
し、該(A)と該(B)と該(C)との合計を100重
量%とする)からなる樹脂組成物(D)である。
【0028】かかるプロピレン重合体樹脂(B)はプロ
ピレンを重合して得られる樹脂であり、プロピレンの単
独重合体、プロピレンと結晶性を失わない程度の量のエ
チレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフ
ィン等のコモノマーとの共重合体、またはそれらの混合
物が好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン等が挙げられる。共重合は、柔軟性や耐衝撃
性などを制御する目的で行なわれる。結晶性を失わない
程度の量とはコモノマーの種類により異なるが、例えば
エチレンの場合、共重合体中のエチレンから誘導される
繰り返し単位の量は通常10重量%以下、1−ブテン等
の他のα−オレフィンの場合、共重合体中のα−オレフ
ィンから誘導される繰り返し単位の量は通常30重量%
以下である。
【0029】プロピレン重合体樹脂(B)としてさらに
好ましくは、プロピレンの単独重合体、エチレンから誘
導される繰り返し単位の量が10重量%以下であるプロ
ピレンとエチレンとのランダム共重合体、α−オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位の量が30重量%以下で
あるプロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィン
とのランダム共重合体、エチレンから誘導される繰り返
し単位の量が10重量%以下でありα−オレフィンから
誘導される繰り返し単位の量が30重量%以下であるプ
ロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフ
ィンとの3元ランダム共重合体、またはエチレンから誘
導される繰り返し単位の量が1〜10重量%であるプロ
ピレンとエチレンとのブロック共重合体が特に好適に用
いられる。なお、これらの場合のα−オレフィンとして
最も好ましくは1−ブテンである。
【0030】剛性および耐衝撃性に関して特に好ましい
プロピレン重合体樹脂(B)としては、エチレンから誘
導される繰り返し単位の量が1〜10重量%であるプロ
ピレンとエチレンとのブロック共重合体が用いられる。
また、柔軟性および耐衝撃性に関して特に好ましいプロ
ピレン重合体樹脂(B)としては、エチレンから誘導さ
れる繰り返し単位の量が1〜10重量%であるプロピレ
ンとエチレンとのランダム共重合体が用いられる。
【0031】ここでいうプロピレンとエチレンとのブロ
ック共重合体とは、下記の第一工程と第二工程とで得ら
れる共重合体を意味する。第一工程:エチレンから誘導
される繰り返し単位の含有量が0〜2重量%である重合
体部分(c)が全共重合体量の70〜90重量%となる
まで、プロピレンを単独重合、またはプロピレンとエチ
レンとを共重合させる工程。第二工程:第一工程で得ら
れた重合体部分(c)の存在下に、エチレンから誘導さ
れる繰り返し単位の含有量が10〜50重量%である重
合体部分(d)を、プロピレンとエチレンとを共重合さ
せて製造する工程。
【0032】前記プロピレン重合体樹脂(B)の230
℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限
はないが、好ましくは、0.1〜30g/10分であ
り、さらに好ましくは0.3〜20g/10分であり、
特に好ましくは0.5〜10g/10分である。MFR
が低すぎると、発泡倍率を上げにくくなり、軽量で剛性
に優れる中空成形容器が得られにくい。また、MFRが
高すぎると、ドローダウン性や発泡中空成形性が悪化す
るため好ましくない。
【0033】前記プロピレン重合体樹脂(B)として
は、分子量分布(Mw/Mn)が3以上5未満のものが
入手が容易であり、好ましく使用される。
【0034】前記エチレン系樹脂(C)とは、エチレン
から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有す
る、熱可塑性の、エチレンの単独重合体、エチレンと炭
素原子数3〜18のα−オレフィンとの共重合体、また
はエチレンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合
体を意味する。該α−オレフィンとしてプロピレン、1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセンを例示することができる。他
のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジエンやイソ
プレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエ
ン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリ
ル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタク
リル酸エチル)および酢酸ビニルを例示することができ
る。
【0035】エチレン系樹脂(C)として、例えば、低
密度ポリエチレン;超低密度ポリエチレン;中密度ポリ
エチレン;高密度ポリエチレン;エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−
4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘ
キセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エ
チレン−1−デセン共重合体などのエチレンと炭素数3
〜18のα−オレフィンとの共重合体;エチレンと共役
ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)との共重合
体;エチレンと非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジ
エン)との共重合体;エチレンとアクリル酸、メタクリ
ル酸または酢酸ビニルなどとの共重合体;および、これ
らの樹脂を、例えばα,β−不飽和カルボン酸やその誘
導体(例えばアクリル酸やアクリル酸メチル)、または
脂環族カルボン酸やその誘導体(例えば無水マレイン
酸)で変性(例えばグラフト変性)した樹脂を挙げるこ
とができる。
【0036】前記エチレン系樹脂(C)として、好まし
くは高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエ
チレンである。該高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレ
ンを用いると発泡中空成形性がより改良されるため好ま
しい。
【0037】樹脂組成物(D)における各成分の量比と
して、さらに好ましくはプロピレン重合体樹脂(A)1
0〜95重量%、プロピレン重合体樹脂(B)5〜85
重量%、およびエチレン系樹脂(C)0〜50重量%重
量%であり、より好ましくはプロピレン重合体樹脂
(A)20〜85重量%、プロピレン重合体樹脂(B)
10〜70重量%、およびエチレン系樹脂(C)15〜
45重量%であり、特に好ましくはプロピレン重合体樹
脂(A)30〜65重量%、プロピレン重合体樹脂
(B)20〜55重量%、およびエチレン系樹脂(C)
15〜40重量%である。樹脂組成物(D)中のプロピ
レン重合体樹脂(A)が少ないと、発泡中空成形性、ド
ローダウン性に劣るため好ましくない。また、エチレン
系樹脂(C)が少ないと、発泡中空成形性に劣る。な
お、プロピレン重合体樹脂(B)やエチレン系樹脂
(C)が0重量%であるとは、樹脂組成物(D)が当該
成分(B)や成分(C)を含まない場合を表す。
【0038】本発明で用いられる発泡剤としては特に限
定されるものではなく、二酸化炭素などの無機ガス、ブ
タン、ペンタン、代替フロンなどの揮発性溶剤に代表さ
れる物理発泡剤や、重曹、アゾジカルボン酸アミドに代
表される化学発泡剤が挙げられ、これらの併用も可能で
ある。
【0039】化学発泡剤としては、公知の発泡剤を用い
ることができる。例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素
アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム等の無機系発泡剤;アゾジ
カルボンアミド、アゾビスブチルニトリル等のアゾ系発
泡剤;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’
−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等
のニトロ系発泡剤;P−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等のヒドラジン系発泡剤;P,P’−オキシビスベン
ゼンスルホニルセミカルバジッド等のセミカルバジッド
系発泡剤等が挙げられる。これらの中でもアゾジカルボ
ンアミドまたは炭酸水素ナトリウムが好ましい。また、
これらの発泡剤は1種類を単独で用いる他に2種類以上
を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはアゾジカ
ルボンアミド1〜40重量%と炭酸水素ナトリウム60
〜99重量%とからなる発泡剤が特に好ましい。
【0040】用いられる化学発泡剤の量は、プロピレン
系樹脂100重量部に対して通常0.01〜10重量
部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは
0.1〜5重量部が用いられる。化学発泡剤が少なすぎ
ると発泡倍率が低すぎて容器の軽量化が十分とならない
場合が多い。また、多すぎても化学発泡剤の効果が飽和
してしまうことが多く余計なコストが掛かる。
【0041】また、通常は分解温度が140〜180℃
付近である化学発泡剤を用いるのが好ましいが、180
℃を越える分解温度を有する化学発泡剤を使用する場合
には、発泡助剤を併用することにより分解温度を180
℃以下に下げ、使用することが好ましい。発泡助剤とし
ては、酸化亜鉛、硝酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ステアリ
ン酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、尿素、グリセリン等が
挙げられる。発泡助剤の使用量として好ましくは0.1
〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%(但し、
発泡剤と発泡助剤との合計を100重量%とする)であ
る。
【0042】本発明においては、発泡核剤を使用して気
泡の発生点数を増加させ気泡径を小さく制御することも
可能である。発泡核剤として、タルク、シリカ、マイ
カ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、
アルミノシリケート、珪藻土等の無機充填剤;ポリメチ
ルメタアクリレート、ポリスチレンからなる粒径100
μm以下のビーズ;ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩を例示
することができ、これらの二種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0043】上記の発泡核剤は、樹脂100重量部に対
して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましく
は0.1〜8重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量
部用いられる。発泡核剤が少なすぎると、発泡核剤を使
用する場合の十分な効果が得られないことがある。ま
た、多すぎても発泡核剤の効果が飽和してしまうことが
多く余計なコストが掛かる。
【0044】本発明の中空成形容器の製造方法には、公
知の中空成形機を用いることができる。例えば、ダイヘ
ッドからパリソンを連続押出しする部分と、金型へ加圧
ガスを吹き込む部分とを有し、金型が双方を往復移動し
て成形サイクルを成すレシプロ式のブロー成形機を用い
ることができる。また、複数の金型を垂直あるいは水平
方向に配置して連続回転移動させるロータリー式のブロ
ー成形機を用いることもできる。
【0045】以上に述べた中空成形容器の製造方法によ
れば、密度が低く、軽量性に優れる中空成形容器が得ら
れる。中でも、容器胴部の密度が0.3g/cm3 以下
の中空成形容器は、プロピレン系樹脂からなる中空成形
容器として優れた軽量性を実現する中空成形容器であ
る。該密度が低すぎると、中空成形容器の剛性に劣るた
め、該密度として好ましくは0.1〜0.3g/cm3
である。この範囲の該密度を有する中空成形容器は、前
記中空成形容器の製造方法の実施に際して、用いる樹脂
のMFRや、発泡剤および発泡核剤の添加量や、中空成
形における温度、押出量、ダイとコアのギャップ、ブロ
ーエアの圧力を調整することにより得られる。なお、こ
こでいう容器胴部とは、容器の高さ方向中央部付近をい
う。
【0046】本発明の中空成形容器には、光沢や剛性を
改良したり、成形品を得る際の成形サイクルを短縮した
りする効果の観点から、結晶造核剤を含有させてもよ
い。結晶造核剤の使用量は、樹脂100重量%に対し
て、一般に0.01〜0.5重量%であり、多すぎると
前記効果は飽和し、余分なコストがかかる場合がある。
【0047】結晶造核剤として、ソルビトール系造核
剤、有機リン酸塩系造核剤、パラ−ターシャリーブチル
芳香族カルボン酸のアルミニウム塩(例えばパラ−ター
シャリーブチル安息香酸のアルミニウム塩(PTBBA
−Al))で例示される芳香族カルボン酸の金属塩造核
剤、ポリビニルシクロアルカン等のポリマー造核剤、タ
ルク等の無機化合物を例示することができ、これらの二
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】本発明の中空成形容器には、本発明の目的
を損なわない範囲で適宜、中和剤、酸化防止剤、熱安定
剤、耐候剤、結晶核剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、蛍光増白剤等の添加剤;染料、顔料等の着色剤で例
示される他の成分を含有させてもよい。
【0049】本発明において、原料として樹脂組成物を
用いる場合の樹脂組成物の製造方法は特に限定されな
い。該製造方法として、各成分を公知の混練機で溶融混
練して樹脂組成物を製造する方法を例示することができ
る。混練機として、例えば単軸混練押出機、多軸混練押
出機、バンバリーミキサー等が挙げられる。溶融混練条
件は、混練時の剪断、加熱温度、剪断による発熱などに
よって溶融樹脂の劣化が起こらない限り、特に制限され
ない。溶融樹脂の劣化を防止する観点から、加熱温度を
適正に設定したり、酸化防止剤や熱安定剤を添加したり
することは、効果的である。
【0050】また、本発明の中空成形容器には、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷、シュリンクラベル、
ストレッチラベル、インモールドラベルなどで表面修飾
することもできる。例えば、空気吸引等の手段によっ
て、所望の容器形状を有する金型内に予めラベルを装着
しておき、ここに、成形機から発泡パリソンを押出して
金型で挟んだ後、パリソン内部に加圧ガスを吹き込んで
パリソン内表面を冷却し、続いて加圧ガスを吹き込みパ
リソンを金型内面壁まで膨らませ、しかる後、冷却させ
ることにより、インモールドラベル付き中空成形容器を
製造することができる。こうして得られるインモールド
ラベル付き中空成形容器は、ラベル表面と容器表面との
間に段差が無いので、優れた外観を有する特に好ましい
容器である。
【0051】本発明の中空成形容器には、中空成形時に
発生するバリを粉砕したリサイクル材料を混合使用する
こともできる。
【0052】本発明の中空成形容器はキャップを取り付
けることにより容器として使用可能であるが、胴部で切
断することによりカップ、トレーに加工することも可能
である。さらに、カップ、トレーに蓋を取り付けること
により保存容器としても使える。
【0053】本発明の中空成形容器は、洗髪剤、調髪
剤、化粧品、洗剤、殺菌剤、漂白剤などの液体日用品用
の容器;清涼飲料水、水、食用油、調味料などの液体食
品用の容器;冷凍保存食品、インスタント食品、乳製品
等の固形食品;電子レンジ用容器;その他の薬品、農薬
用の容器;工業用の液体用の容器などとして広範囲に使
用できる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではな
い。実施例および比較例で用いた評価方法は以下のとお
りである。
【0055】(1)重合体の極限粘度 ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測
定を行った。なお、結晶性プロピレン重合体部分(b)
の極限粘度は結晶性プロピレン重合体部分(a)および
全体のプロピレン重合体樹脂(A)の極限粘度等より明
細書中に記載の計算式を用いて求めた。(単位:dl/
g)
【0056】(2)メルトフローレート(MFR) JIS K7210の条件14(Condition Number 1
4)の方法に従って230℃で測定した。(単位:g/
10分)
【0057】(3)メルトテンション(MT) 東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D
3型を用いて、サンプル量5g、余熱温度190℃、余
熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8m
m、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出
し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻
取速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルト
テンション(MT)として測定した(単位=cN)。
【0058】(4)分子量分布 G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ)により、下記条件で測定した。なお分子量分布は重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)で評価した。 機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製) カラム:Shodex M/S 80 測定温度:145℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン サンプル濃度:5mg/8mL
【0059】(5)中空成形品の密度 JIS K7112に従って水中置換法による測定方法
を用いて中空成形品の密度を求めた。測定に用いた試料
は、得られた中空成形品の高さ方向中央部を中心に高さ
方向幅約3cm、横方向幅約2cmの大きさに切り取っ
たものである。(単位=g/cm3
【0060】[参考例1](プロピレン重合体樹脂
(A)の製造) [1](固体触媒成分の合成) 攪拌機付きの200リットルSUS製反応容器を窒素で
置換した後、ヘキサン80リットル、テトラブトキシチ
タン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、
およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一
溶液とした。次に濃度2.1モル/リットルのブチルマ
グネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51リ
ットルを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間
かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間
攪拌した後室温で固液分離し、トルエン70リットルで
の洗浄を3回繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.
6kg/リットルになるようにトルエンを加えた後、n
−ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モル
の混合液を加え、さらにフタル酸クロライドを20.8
モル加えて110℃で3時間反応を行った。反応終了
後、95℃でトルエンでの洗浄を2回行った。次いで、
スラリー濃度を0.6kg/リットルに調整した後、フ
タル酸ジイソブチル3.13モル、n−ブチルエーテル
8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、10
5℃で1時間反応を行った。反応終了後同温度で固液分
離した後、95℃でトルエン90リットルでの洗浄を2
回行った。次いで、スラリー濃度を0.6kg/リット
ルに調整した後、n−ブチルエーテル8.9モルおよび
四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を
行った。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトル
エン90リットルでの洗浄を3回行った。次いで、スラ
リー濃度を0.6kg/リットルに調整した後、n−ブ
チルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モル
を加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同
温度で固液分離し同温度でトルエン90リットルでの洗
浄を3回行った後、さらにヘキサン90リットルでの洗
浄を3回した後減圧乾燥して固体触媒成分11.0kg
を得た。固体触媒成分はチタン原子1.9重量%、マグ
ネシウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量
%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重
量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有してい
た。
【0061】[2](固体触媒成分の予備活性化) 内容積3リットルのSUS製、攪拌機付きオートクレー
ブに十分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5リッ
トル、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−
ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモ
ル、上記[1]で得られた固体触媒成分15gを添加
し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15
gを30分かけて連続的に供給して予備活性化を行っ
た。
【0062】[3](結晶性プロピレン重合体部分
(a)の重合) SUS製の内容積300リットルの重合槽において、重
合温度60℃、重合圧力27kg/cm2 Gを保持する
ように液状プロピレンを57kg/hで供給しながら、
トリエチルアルミニウム1.3ミリモル/h、t−ブチ
ル−n−プロピルジメトキシシラン0.13ミリモル/
hおよび予備活性化された固体触媒成分0.51g/h
を連続的に供給し、水素の実質的非存在下でプロピレン
重合を行い、2.0kg/hの重合体が得られた。この
時の重合体生成量は触媒1g当たり3920gであり、
その一部をサンプリングして分析した結果、極限粘度は
7.7dl/gであった。得られた重合体はそのまま第
二槽目に連続的に移送した。
【0063】[4](結晶性プロピレン重合体部分
(b)の重合) 内容積1m3 の攪拌機付き流動床反応器において、重合
温度80℃、重合圧力18kg/cm2 G、気相部の水
素濃度8vol%を保持するようにプロピレンおよび水
素を供給しながら、第一槽目より移送された触媒含有重
合体およびトリエチルアルミニウム60ミリモル/h、
t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル
/hを供給しながらプロピレン重合を連続的に継続する
ことにより18.2kg/hの重合体が得られた。この
重合体の極限粘度は1.9dl/gであった。以上の結
果から(b)の重合時の重合体生成量は触媒1gあたり
31760gであり、第一槽目と第二槽目の重合重量比
は11:89であり、(b)の極限粘度は1.2dl/
gと求められた。
【0064】[5](重合体のペレット化) この重合体粉末100重量%に対して、ステアリン酸カ
ルシウム0.1重量%、商品名イルガノックス1010
(チバガイギー社製)0.05重量%、商品名スミライ
ザーBHT(住友化学工業社製)0.2重量%を加えて
混合し、230℃で溶融混練し、MTが4.6cN、M
FRが12g/10分、Mw/Mnが8.0のペレット
(プロピレン重合体樹脂(A))を得た。式(1)の左
辺は0.66であり、右辺は−0.17であり、該プロ
ピレン重合体樹脂(A)は式(1)の関係を満たす。
【0065】[参考例2](発泡核剤マスターバッチの
製造) プロピレン−エチレンブロック共重合体(住友化学工業
(株)製;商品名 ノーブレンWP575A)30重量
%と、タルク(林化成(株)製;商品名 MWHS−
T)70重量%とを溶融混錬して発泡核剤マスターバッ
チを製造した。なお、ここで用いたプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体は下記第一工程と下記第二工程とで
製造された共重合体(MFR=30g/10分)であ
る。 第一工程:全重合体量の85.5重量%となるまでプロ
ピレン単独重合体を製造する工程。 第二工程:第一工程で得られたプロピレン単独重合体の
存在下に、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有
量が40重量%であるプロピレン−エチレン共重合体を
製造する工程。
【0066】[実施例1]参考例1で得られたプロピレ
ン重合体樹脂(A)50.0重量部、およびプロピレン
−エチレンブロック共重合体(住友化学工業(株)製;
商品名 ノーブレンAD571;MT=6.6cN、M
FR=0.6g/10分、Mw/Mn=3.9)50.
0重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物100.
0重量部に対し、発泡剤(アゾジカルボンアミド30重
量%と炭酸水素ナトリウム70重量%とからなる複合発
泡剤)4.0重量部を添加した樹脂組成物を、スクリュ
ー径50mmの日本製鋼所製中空成形機(NB3B型)
にて、押出量20kg/h、ダイ温度180℃で発泡パ
リソンに押出した。該発泡パリソンを15℃に温度調節
した金型で挟んだ後、これに圧力0.1MPaで供給さ
れた空気を発泡パリソン内部へ5秒間吹き込み、続いて
圧力0.5MPaで供給された空気を発泡パリソン内部
へ20秒間吹き込み金型形状までブローアップし、重量
が23g、側面の厚みが約1.2mm、容量が500m
lの細口円筒形状の発泡中空成形容器を製造した。この
発泡中空成形容器は安定して製造可能であり、また、低
密度で軽量であった。
【0067】[実施例2]実施例1において用いた樹脂
組成物の代りに、参考例1で得られたプロピレン重合体
樹脂(A)50.0重量部、およびプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体(住友化学工業(株)製;商品名
ノーブレンAD571;MT=6.6cN、MFR=
0.6g/10分、Mw/Mn=3.9)50.0重量
部からなるポリプロピレン系樹脂組成物100.0重量
部に対し、参考例2で得られた発泡核剤マスターバッチ
1.0重量部、および発泡剤(アゾジカルボンアミド3
0重量%と炭酸水素ナトリウム70重量%とからなる複
合発泡剤)4.0重量部を添加した樹脂組成物を使用し
た以外は実施例1と同様の方法で発泡中空成形容器を製
造した。中空成形性は良好で、得られた発泡中空成形容
器は低密度で軽量であった。
【0068】[比較例1]実施例1と同じ組成の樹脂組
成物を用いて、実施例1と同様にして発泡パリソンに押
出した。該発泡パリソンを15℃に温度調節した金型で
挟んだ後、続いて圧力0.5MPaで供給された空気を
発泡パリソン内部へ20秒間吹き込み金型形状までブロ
ーアップし、重量が23g、側面の厚みが約0.6m
m、容量が500mlの細口円筒形状の発泡中空成形容
器を製造した。
【0069】以上の実施例および比較例を表1および表
2にまとめた。
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】以上、詳述した通り本発明によれば、プ
ロピレン系樹脂からなり、十分な厚みを持っても軽量性
に優れる中空成形容器の製造方法、およびプロピレン系
樹脂からなり、十分な厚みを持っても軽量性に優れる中
空成形容器が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F208 AA04 AA11 AG07 AH55 AK02 AR02 AR15 AR17 AR18 LA01 LB01 LG22 LH09 LH13 LJ09 LN03 LN14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン系樹脂からなる中空成形容器の
    製造方法であって、下記工程(1)〜(5)を含む中空
    成形容器の製造方法。 (1)発泡剤を含有するプロピレン系樹脂を溶融押出し
    て、発泡パリソンを成形する工程。 (2)該パリソンを、中空成形機に取り付けられた容器
    の形状を有する金型で挟む工程。 (3)該パリソンの外表面および/または内表面へ、圧
    力0.02〜0.2MPaの圧縮ガスを吹き付け、該パ
    リソンの表面を冷却する工程。 (4)該パリソンの内部へ、圧力0.3〜1MPaの圧
    縮ガスを吹き込み、該パリソンの外壁が金型の内壁に接
    するまで膨張させるとともに、該パリソンを冷却させる
    工程。 (5)プロピレン系樹脂からなる発泡中空成形容器を金
    型から取り出す工程。
  2. 【請求項2】プロピレン系樹脂が、190℃におけるメ
    ルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフロ
    ーレート(MFR)が下記式(1)を満たすプロピレン
    重合体樹脂(A)1〜100重量%、該プロピレン重合
    体樹脂(A)以外のプロピレン重合体樹脂(B)99〜
    0重量%、およびエチレン系樹脂(C)99〜0重量%
    (但し、該(A)と該(B)と該(C)との合計を10
    0重量%とする)からなる樹脂組成物(D)である請求
    項1記載の中空成形容器の製造方法。 logMT≧−0.9logMFR+0.8 (1)
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の製造方法により得
    られる中空成形容器。
  4. 【請求項4】プロピレン系樹脂からなり、容器胴部の密
    度が0.3g/cm3 以下である中空成形容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015123603A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 株式会社ジェイエスピー 表皮付き発泡成形体の製造方法

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