JP2003088964A - セラミックス分散鉄基合金の接合構造物とその製造法 - Google Patents

セラミックス分散鉄基合金の接合構造物とその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、セラミックス分散強化型合金
の本来有している優れた高温特性を保持できる摩擦攪拌
接合法によって接合するセラミックス分散強化型合金の
接合構造物とその製造法及びその用途を提供することに
ある。 【解決手段】本発明は、セラミックス粒子分散鉄基合金
同士、又は前記鉄基合金と非セラミックス粒子分散鉄基
合金とが摩擦攪拌接合法によって接合されているセラミ
ックス分散鉄基合金の接合構造物にあり、特に前記接合
が摩擦攪拌接合法によって前記セラミックス粒子分散鉄
基合金の延性が最も大きい温度領域で接合されているこ
とにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスとし
て、特に酸化物を母材の中に微細に分散させた鉄基結晶
体の非溶融接合構造物とその製造法及びその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の金属材料の構造物を組み立てる接
合方法としては、材料を互いに突き合わせた部分を溶融
させる溶接法が一般である。溶接により溶融部の材料の
組織は解消され凝固組織になる。酸化物分散強化型合金
では高温強度の主要構成因子の酸化物集合、粗大化が生
じ、溶融部の高温強度は母材より大幅に低下する。ま
た、その影響をできるだけ少なくする方法として、母材
への溶接入熱を少なくすることができるレーザ溶接(特
開平11−170088)、電子ビーム溶接(特開昭6
2−64486)、マイクロアーク溶接(特開平9−1
92838)、狭開先溶接方法(特開2000−246
438)がある。また互いの被加工物を互いに付き合わ
せ高速回転して摩擦加熱により接合する方法(特開20
00−015462)もあるがこれらのいずれの方法も
母材の溶融現象が生じ、強度の低下は避けられない。
【0003】酸化物分散強化化型鉄基合金では、強度低
下が特に問題なければ、TIG法により溶接が可能であ
り、その場合はFe−Cr−Al系あるいは316ステンレス
鋼系のものを使用する。一般的には、酸化物分散強化型
鉄基合金の接合は多くの場合、銀蝋付けかリベット締め
が主体である。この場合でも接合部の強度低下は避けら
れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、排出炭酸ガスの
抑制あるいは地球資源の有効利用の観点から、天然資源
を利用する各種熱機関はその作用温度(例えば、発電用
ガスタービンでは燃焼ガス温度、蒸気タービンでは蒸気
温度)を上昇させ、熱効率の向上を図る気運が高まって
きている。
【0005】作用温度の上昇により、熱機関に使用され
る耐熱部材には高温強度に優れ、信頼性の高い材料が求
められる。特に、900℃を超える温度領域では耐酸
化、耐食性あるいは高温強度、特に引張及びクリープ特
性に優れた材料の適用が不可欠である。このような高温
環境に耐える材料として母相の中に酸化物を微細に分散
した酸化物分散強化型合金がある。
【0006】本合金の製造プロセスは通常の溶解法では
母相と分散する酸化物の比重及び融点の違いにより、母
相の中に酸化物が均一に分散させることは不可能であ
る。酸化物分散強化型合金の製造は母相を構成する各元
素(例えば、鉄、ニッケル、クロム等)の粉末と酸化物
(例えば、イットリア:Y2O3)の粉末を機械的に合
金化する、いわゆるメカニカルアロイング法による。そ
の後、熱間押し出しあるいはHIP処理を経て熱間ロール
加工、冷間ロール加工が施され、所定の熱処理を行う。
本プロセスで得られる形状は棒状、管、板及び線等であ
る。
【0007】この酸化物が分散した素材を接合して、構
造物を形成させる時、例えば、低入熱溶接法としてレー
ザ溶接、電子ビーム溶接、マイクロアーク溶接あるいは
狭開先溶接法を用いたとしても、溶融現象が生じる接合
法である限り、接合部は融点まで温度が上がり、酸化物
を微細に分散した組織は接合部で壊され、その場所の高
温強度の大幅な低下は避けられない。
【0008】本発明の目的は、セラミックス分散強化型
合金の本来有している優れた高温特性を保持できる摩擦
攪拌接合法によって接合するセラミックス分散強化型合
金の接合構造物とその製造法及びその用途を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
粒子分散鉄基合金同士、又は前記鉄基合金と非セラミッ
クス粒子分散鉄基合金とが摩擦攪拌接合法によって接合
されていることを特徴とするセラミックス分散鉄基合金
の接合構造物にあり、好ましくは前記接合が摩擦攪拌接
合法によって前記セラミックス粒子分散鉄基合金の延
性、好ましくは高温引張試験における伸び率及び絞り率
の少なくとも一方が最も大きい温度領域で接合されてい
ることを特徴とする。
【0010】前記接合時の接合部の温度は、鉄基合金と
してセラミックス粒子分散鉄基合金の延性が最も大きい
温度領域が、好ましくは550〜850℃であり、より
600〜700℃が好ましい。このような温度で接合す
ることにより、セラミックス粒子分散鉄基合金として、
その合金の持つ本来の特性を失わずにその合金同士又は
他の鉄基合金との接合が行われるものである。又、セラ
ミックス粒子の分散状態も維持される。
【0011】即ち、本発明は、セラミックスとして、特
に酸化物を分散させた主成分が鉄基結晶体の接合に関
し、酸化物の平均粒径が300nm以下、その分散距離
が5000nm以下であり、化学成分的又は結晶学的に
同種又は異種の2つの酸化物分散合金を特定の温度領域
での摩擦攪拌接合法によって接合するものである。
【0012】又、本発明は、特にステンレス鋼のオース
テナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト相及び焼戻し
マルテンサイト相を含まないフェライト系ステンレス鋼
及びオーステナイト相及びフェライト相が共存する2相
ステンレス鋼と酸化物の平均粒徑が300nm以下で、
その平均距離が5000nm以下の酸化物分散合金の2
つの鋼が非溶融接合プロセスである摩擦攪拌接合法によ
って接合されることを特徴とする。
【0013】更に、本発明は、セラミックス粒子分散鉄
基合金同士、又は前記鉄基合金と非セラミックス粒子分
散鉄基合金との被接合材を回転ツールの挿入によって摩
擦攪拌接合するセラミックス分散鉄基合金接合構造物の
製造法において、前記接合中の前記回転ツール近傍にお
ける前記被接合材の温度を前記セラミックス粒子分散鉄
基合金の伸び率が最も大きい温度領域で前記摩擦攪拌接
合することを特徴とする。
【0014】又、前記接合の最中に水、オイル及び不活
性ガスのいずれかの冷却剤の中、又は接合部の近傍又は
全体に前述の冷却剤をかけながら接合するのが好まし
い。
【0015】摩擦攪拌接合は、高速回転する耐熱性、難
反応性材料からなる回転ツールを接合しようとする部分
に押し付けることにより発生する摩擦熱で容易に融点以
下の高温となるが、本発明においては回転ツールの回転
速度とその送り速度とを調整することにより回転ツール
近傍の被接合材の温度を好ましい温度に設定することが
出来る。回転ツールの回転とその移動によって金属被加
工物に塑性流動を起こし両者が互いに攪拌接合されるも
のである。さらに回転ツールを接合線に沿って移動する
ことにより直線接合、曲線接合部を含む接合構造物が作
製できる。
【0016】一方、酸化物(例えば、イットリア:Y2O
3)を微細に分散した鉄基材料がメカニカルアロイング
法により製造されている。酸化物を微細に分散した状態
を維持しつつ、高温強度、耐酸化性等の優れた特性を構
造物として活かすとき、従来の溶融を伴う接合方法では
酸化物の分散を維持することができず、非溶接部材とし
ての用途に限定あるいはリベット等による機械的接合に
より構造物を形成している。従来の溶融を伴う接合方法
では、接合部の酸化物微細分散状態に影響を与え、溶接
部の高温強度の大幅な低下は避けられない。
【0017】鉄基材料の摩擦攪拌接合は、高速回転する
回転ツールが被加工物に押し込まれ、回転ツールと被摩
擦加工物との間で生じる発熱で塑性流動し攪拌されると
き、十分に高温に耐える回転ツールの使用、及び攪拌部
内部からの押し上げる圧力に耐えられる剛性をもった装
置で実施できる。一般に摩擦攪拌部の温度は材料の融点
以下でありAl合金を参照すれば(榎本正敏:軽金属溶
接、36(1998)、25や岡村久宜、青田欣也、江
角昌邦:軽金属、50(2000)、166−17
2)、摂氏温度で400℃に相当し、融点が1500℃
付近にある鉄基材料では1000℃ぐらいにあると予想
される。この程度の温度での摩擦攪拌部の組織、つまり
酸化物の分散状態はほとんど変化しない。材料組織は溶
接の場合の溶融後の凝固組織ではなく、また凝固収縮の
発生もなく、変形も少ない。
【0018】これらの効果から従来溶接法に比べて接合
後の材料の品質変化、変形は十分に少ない特徴をもつ。
特に、微細に分散している酸化物が転位の運動を阻止し
て、高温強度を十分確保する。従って、上記の摩擦攪拌
接合は、具体的に、酸化物の平均粒径が300nm以
下、好ましくは最大粒径が100μm以下、より好まし
くは平均粒径又は最大粒径が1〜30nmで、その分散
距離は5000nm以下(好ましくは10〜500n
m)である酸化物分散合金同士及びこの酸化物分散合金
とオーステナイト系、フェライト系、オーステナイト相
及びフェライト相が共存する2相のステンレス鋼に対し
て、最良の効果を発揮する。
【0019】酸化物を微細に分散した鉄基結晶体の優れ
た高温特性をより十分保持でき、接合構造物内の残留応
力をより低減し、また構造物の変形をより低減するため
には、接合時に接合部の冷却速度を促進する水又はオイ
ル又は不活性ガスのいずれかの冷却剤で接合部を冷却す
ることがより一層効果的である。
【0020】本発明における好適な用途は、ガスタービ
ン燃焼器用ライナーである。このガスタービンのタービ
ンへの入口温度として、燃焼温度が1450℃以上の高
温で大きな効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施例1)表1は、本発明に係
る突き合わせ摩擦攪拌接合の試験に供される板状供試材
の主要化学成分(重量%)である。ここでは鉄基酸化物分
散合金(No.1)、No.1と突き合わせ接合されるオース
テナイト系ステンレス鋼(No.2)、フェライト系ステ
ンレス鋼(No.3)及び2相ステンレス鋼(No.4)が示
される。No.1はメカニカルアロイング法により製造さ
れる合金であり、粉末成形後、冷間加工され、その後熱
処理を施された材料である。No.2〜4はいずれもJI
S規格に示される材料であるが、No.2にはSiが1%
以下、Mnが2%以下、No.3にはSi0.75%以
下、Mnが1%以下、No.4にもSi及びMnが同様に
含まれている。
【0022】
【表1】
【0023】図1は、No.1の透過電子顕微鏡による組
織を示す写真である。分散酸化物の平均粒徑は約30n
mである。No.2、No.3及びNo.4はJIS規格による通常
材料であり、これらの材料形状は板状で、板厚はいずれ
も2mmである。突き合わせ接合は表2に示される組み
合わせにより実施される。例えば、表1のNo.1とNo.2
の材料の組み合わせは1+2として表記した。
【0024】本発明の係る鉄基酸化物分散合金同士、鉄
基酸化物分散合金とオーステナイト系、フェライト系、
2相ステンレス鋼の実施例が示される。鉄基酸化物分散
合金と他鋼種、例えば、普通炭素鋼との摩擦攪拌接合は
実施していないが、本実施例より問題無く本法により接
合可能であることは容易に推察される。
【0025】図2は、上述の組み合わせの摩擦攪拌接合
を示す斜視図である。まず、組み合わせ供試材1、2が
剛性を有する定盤上に配置され、突き合わせた後、押さ
え治具3で定盤に固定する。高速回転する棒状のタング
ステン製の回転ツール4を接合部に挿入し、接合線5に
沿って移動させることにより摩擦攪拌接合を実施する。
接合後には接合ビード6が形成される。回転ツール4
は、その先端が小径部(ピン)で、タングステン製の直
径Φ5mmのMネジが切られ、長さ約2mmであり、直
径Φ10mm大径のショルダー部に固定されている。
【0026】小径部は、ショルダー部が被接合物に接す
るまで、被接合材中に挿入される。回転ツール4の回転
数を1300rpm、移動速度を150mm/min.と
した。回転数及び移動速度はそれぞれ可変であるが、本
実施例では上記に固定した。また、供試材を固定してい
る定盤の底部に設置したロードセルにより、接合時の下
向き荷重を測定した結果、回転ツール4への荷重は50
0−1000kgfであった。回転ツール4の回転数、
回転ツール4への荷重及び回転ツール4の移動速度は被
接合材への入熱すなわち温度を決める重要な要因であ
り、これらの摩擦攪拌接合条件は被接合材の接合温度が
その材料の最大伸び、あるいは絞りを示す温度領域に設
定することが望ましい。本実施例では、回転ツール4近
傍の被接合材の接合温度は600−700℃であり、こ
の温度領域で被接合材として特に鉄基酸化物分散合金は
最大の伸び特性を示すものである。
【0027】図3は、代表例として1+1継ぎ手の接合
部の図である。(a)は接合部の上面図、(b)はその
断面図及び(c)は断面の透過電子顕微鏡写真である。
図に示す様に、接合欠陥もなく、良好に接合されてい
る。接合ビード幅は回転ツールショルダー径にほぼ一致
しており、断面形状から判断して、1+1の突き合わせ
面を完全に攪拌したように裏面まで接合されている。接
合後、材料は1300℃の応力除去の熱処理を行った。
図3.(c)に示されたように酸化物の分散状態も接合
前と同等であり、健全な組織である。実施した他の突き
合わせの接合においても酸化物の分散状態に大きな変化
はなく、元の状態が保持されている。
【0028】表2は、実施された突き合わせ接合試験の
接合部の外観上の評価結果を纏めたものである。いずれ
の突き合わせ接合試験においても良好な結果が得られ
た。
【0029】
【表2】
【0030】表3は、鉄基酸化物分散合金同士の突き合
わせ接合供試材の試験温度20℃、400℃、800℃
及び1200℃での機械的性質を示したものである。図
4に示すように接合部をほぼ中央に位置する縦方向に沿
った板状試験片を採集し、特性評価に供した。なお、表
3には比較のため、鉄基酸化物分散合金、すなわち、母
材そのものの各温度における機械的性質も合わせて記載
した。
【0031】
【表3】
【0032】各温度とも、1+1の接合部材の試験片
は、母材の強度に対して温度が高く成る程低くなるが、
500℃以下では母材の99.5%以上の引っ張り強度
及び耐力、更に800℃以下では8%以上の伸び率を有
し、摩擦攪拌接合法により、母材が有する特性を損なう
ことなく接合されることが明らかである。特に伸び率
は、鉄基酸化物分散合金及び接合材共に550〜850
℃で高く、より600〜700℃において最大であった
ことからも明らかな如くその温度での接合は極めて良好
であることが明らかである。
【0033】表4は、試験温度800℃及び1100℃
における鉄基酸化物分散合金同士の接合試験片と鉄基酸
化物分散合金そのもののクリープ破断強度試験結果を示
す。試験片の採集位置は表3の機械的性質の評価と同様
縦方向である。表3に各温度における破断時間10h、
100h及び1000hに相当する応力(MPa)をしめ
すが、母材そのものの強度と突き合わせ接合材のクリー
プ破断強度は10hでは1.6〜2.3%及び1000
hでは0.5〜0.8%母材よりも高い強度を有し、1
00hではやや低い値を示し、摩擦攪拌接合法により強
度の低下が無く良好な接合を得ることができる。更に1
000h以上のより長時間側では母材の1000h強度
における比率よりも高い比率の強度を有するものと考え
られる。又、表2に示される1+2、1+3、1+4の
接合における接合部の特性評価は行っていないが、いず
れも接合欠陥は認められないため、強度は十分保持する
ものと考えられる。
【0034】
【表4】
【0035】(実施例2)図5に示すように一枚の板を
曲げて、筒を製作する接合を実施する。用いた供試材は
表1に示すNo.1材である。厚さ2mm、幅200m
m、長さ200mmの板材を円筒材になるように曲げ変
形させた後、鉄製の受け手板10を突き合わせ線、すな
わち接合線5の真下に来るように挿入する。その開先が
開かないように摩擦攪拌接合で仮付け9処理する。受け
板を固定し、さらに押さえ治具3で円筒を十分固定す
る。
【0036】接合線5に回転ツールを挿入し、接合線5
に沿って移動することでパイプを製作できる。端部の未
接合部は切断除去する。ここでタングステン製の回転ツ
ール4の先端寸法はショルダー徑が8mm、ピン徑が4
mm、その長さは2mm弱とする。回転数1700rp
m、移動速度130mm/minで接合した。接合後、
1300℃の熱処理を行った。強度試験は実施していな
いが、良好な接合状況から判断して、実施例1の1+1
接合試験結果と同様の特性が得られるものと思われる。
【0037】本実施例の円筒体はガスタービン用燃焼器
ライナーに好適で、前述の様に接合部は非接合部とほぼ
同等の高温強度を有するものであり、タービンへの入口
温度として1450℃以上のガスタービンのより高温化
に対応できるものである。このガスタービン用燃焼器ラ
イナーには、空気取り入れ用のルーバ孔が設けられる。
【0038】
【発明の効果】本発明の酸化物を分散した鉄基結晶体の
接合方法によれば、酸化物分散合金が本来有する優れた
高温強度、耐酸化性といった特性を損なうことなく、酸
化物分散合金同士、酸化物分散合金とオーステナイトス
テンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼及び2相ステン
レス鋼との優れた接合構造物を得ることができる。
【0039】又、直線や曲線接合部を含む接合構造物と
して、酸化物分散合金を用いてその優れた高温強度を損
なうことなく得ることができ、ガスタービン用燃焼器ラ
イナーへの適用としてきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鉄基酸化物分散合金の透過電子顕微鏡写真。
【図2】 突き合わせ摩擦攪拌接合構造を示す斜視図。
【図3】 鉄基酸化物分散合金の摩擦攪拌接合部の状況
を示す図。
【図4】 試験片採取位置を示す斜視図。
【図5】 摩擦攪拌接合によってパイプを製作する斜視
図。
【符号の説明】
1、2…組み合わせの供試材、3…押さえ治具、4…回
転ツール、5…接合線、6…接合ビード、7…試験片、
8…円筒材、9…仮付け、10…受け手材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 昌之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 青野 泰久 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 4E067 AA03 AA25 BG00 DC06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス粒子分散鉄基合金同士、又は
    前記鉄基合金と非セラミックス粒子分散鉄基合金とが接
    合されたセラミックス分散鉄基合金の接合構造物におい
    て、前記接合が摩擦攪拌接合法によって行なわれている
    ことを特徴とするセラミックス分散鉄基合金の接合構造
    物。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記接合時の接合部の
    温度が前記セラミックス粒子分散鉄基合金の延性が最も
    大きい温度領域であることを特徴とするセラミックス分
    散鉄基合金の接合構造物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記セラミック
    ス分散鉄基合金の延性は、高温引張特性の伸び率及び絞
    り率の少なくとも一方であることを特徴とするセラミッ
    クス分散鉄基合金の接合構造物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記接
    合時の接合部の温度が550〜850℃であることを特
    徴とするセラミックス分散鉄基合金の接合構造物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記セ
    ラミックス粒子は酸化物であることを特徴とするセラミ
    ックス分散鉄基合金の接合構造物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、前記セ
    ラミックス粒子は平均粒径が300nm以下及びその分
    散距離が5000nm以下であることを特徴とするセラ
    ミックス分散鉄基合金の接合構造物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、前記被
    接合材が、同種又は異種の結晶構造を有する接合構造物
    であることを特徴とするセラミックス分散鉄基合金の接
    合構造物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、前記摩
    擦攪拌接合された後、接合部及びその近傍が応力除去熱
    処理されていることを特徴とするセラミックス分散鉄基
    合金の接合構造物構造物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかにおいて、セラミ
    ックス粒子分散鉄基合金とオーステナイト系ステンレス
    鋼とが接合されていることを特徴とするセラミックス分
    散鉄基合金の接合構造物。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかにおいて、セラ
    ミックス粒子分散鉄基合金と全フェライト相を有するフ
    ェライト系ステンレス鋼とが接合されていることを特徴
    とするセラミックス分散鉄基合金の接合構造物。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかにおいて、セラ
    ミックス粒子分散鉄基合金と、フェライト相及びオース
    テナイト相を有する2相ステンレス鋼とが接合されてい
    ることを特徴とするセラミックス分散鉄基合金の接合構
    造物。
  12. 【請求項12】セラミックス粒子分散鉄基合金同士、又
    は前記鉄基合金と非セラミックス粒子分散鉄基合金との
    被接合材を回転ツールの挿入によって摩擦攪拌接合する
    ことを特徴とするセラミックス分散鉄基合金接合構造物
    の製造法。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記接合中の前記
    回転ツール近傍における前記被接合材の温度を前記セラ
    ミックス粒子分散鉄基合金の延性が最も大きい温度領域
    で前記摩擦攪拌接合することを特徴とするセラミックス
    分散鉄基合金接合構造物の製造法。
  14. 【請求項14】請求項12又は13において、前記温度
    領域が550〜850℃であることを特徴とするセラミ
    ックス分散鉄基合金接合構造物の製造法。
  15. 【請求項15】請求項12〜14のいずれかにおいて、
    前記接合中に前記被接合材を水、オイル及び不活性ガス
    のいずれかの冷却剤中又は少なくとも接合部に前記冷却
    剤をかけながら接合することを特徴するセラミックス分
    散鉄基合金接合構造物の製造法。
  16. 【請求項16】請求項1〜11のいずれかに記載の接合
    構造物、又は請求項12〜15のいずれかに記載の製造
    法によって得られた接合構造物より成ることを特徴とす
    るガスタービン燃焼器用ライナー。
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