JP2003088815A - 熱純水洗浄装置 - Google Patents

熱純水洗浄装置

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JP2003088815A
JP2003088815A JP2001287462A JP2001287462A JP2003088815A JP 2003088815 A JP2003088815 A JP 2003088815A JP 2001287462 A JP2001287462 A JP 2001287462A JP 2001287462 A JP2001287462 A JP 2001287462A JP 2003088815 A JP2003088815 A JP 2003088815A
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hot pure
cleaning
exchange resin
hot
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Application number
JP2001287462A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Keiko Kudo
慶子 工藤
Yoshimune Aosaki
義宗 青嵜
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱純水の精製に必要な構成を簡素化し、熱純
水の精製効率を向上させるとともに、装置の小型化・簡
略化、価格の低減を実現する。 【解決手段】 熱純水を供給する熱純水供給手段2と、
前記熱純水供給手段2により供給される前記熱純水を用
いて対象物を洗浄する洗浄手段3とをそなえるととも
に、前記熱純水供給手段2が、前記洗浄手段3に供給す
べき前記熱純水の温度を調整する温度調整手段22と、
耐熱性イオン交換樹脂を用いて、前記洗浄手段3に供給
すべき前記熱純水中のイオンを除去することにより、前
記熱純水を精製する熱純水精製手段24とからなるよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱純水を用いて対
象物を洗浄する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の工業製品に利用される材料
の中には、ガラス(液晶表示装置用等)や食器、貴金属
・宝飾類のように、透明性や表面の清浄性が要求される
ものが多い。このような、透明性や表面の清浄性が要求
されるガラス(液晶表示装置用等)や食器、貴金属・宝
飾類を、本発明では洗浄対象物、あるいは単に対象物と
呼ぶ。
【0003】例えば、ガラスを液晶表示装置等の基板と
して用いる場合、その製造過程には、アルカリイオン用
パシベーション膜の形成、透明電極の形成、フォトレジ
ストの塗布、配向膜の塗布、液晶の注入等、直前の基板
表面の清浄性を要求する種々の工程が含まれる。また、
ガラスを食器・グラス等に使用する場合には、美観や清
潔さを保つために、やはり透明性や表面の清浄性が要求
される。また、ダイヤモンド,ルビー,水晶等の貴金属
類にも、高い透明性や表面の清浄性が必要とされる。
【0004】こうしたガラスに代表される材料の透明性
や表面の清浄性は、材料の洗浄方法に大きく依存するこ
とから、高い透明性や表面の清浄性を得るために、これ
らの材質の洗浄方法には様々な工夫がなされている。中
でも、洗剤液を用いた汚染物質の除去等の各種工程の後
に、純水を用いて濯ぎを行なう工程を設けることで、ガ
ラス表面に残存するイオン性物質や有機物質等の残滓を
除去し、ガラス表面の清浄度を飛躍的に高めることがで
きる。特に、高温(例えば80〜100℃)の純水(熱
純水)を使用すれば、イオン性物質や有機物質等の溶解
性が向上し、高い洗浄効率を得られるとともに、洗浄後
に表面に残存する純水の蒸発が早まるので、洗浄時間の
短縮にもつながる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱純水
を用いた従来の洗浄装置では、イオン交換樹脂により精
製した純水を加熱して使用するので、イオン交換時に繁
殖した微生物の混入を防ぐために、紫外線照射等の殺菌
処理やフィルタ等による除菌処理が必要となる。また、
純水槽に蓄えられた熱純水を繰り返し洗浄に使用する構
成の場合には、この純水槽の熱純水を精製するために、
熱純水の温度を常温程度まで低下させてからイオン交換
樹脂に導入する必要がある。従って、殺菌処理や熱交換
処理のための構成が必要となり、装置の大型化・複雑
化、価格の増大などの課題を招いていた。
【0006】本発明は、こうした課題に鑑みてなされた
ものである。すなわち、本発明の目的は、洗浄に使用す
る熱純水の精製に必要な構成を簡素化し、熱純水の精製
効率を向上させるとともに、装置の小型化・簡略化、価
格の低減を実現した、熱純水洗浄装置を提供することに
存する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、洗浄に用いる
熱純水の精製に耐熱性イオン交換樹脂を使用し、熱純水
を高温のまま導入してイオン交換することにより、殺菌
処理や熱交換処理の工程を削減することが可能となり、
上記目的が効果的に達せられることを見出して、本発明
を完成した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、熱純水を供給する
熱純水供給手段と、該熱純水供給手段により供給される
前記熱純水を用いて対象物を洗浄する洗浄手段とをそな
えるとともに、該熱純水供給手段が、該洗浄手段に供給
すべき前記熱純水の温度を調整する温度調整手段と、耐
熱性イオン交換樹脂を用いて、該洗浄手段に供給すべき
前記熱純水中のイオンを除去することにより、前記熱純
水を精製する熱純水精製手段とからなることを特徴とす
る、熱純水洗浄装置に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。 〔I〕 熱純水洗浄装置 本発明の熱純水洗浄装置は、熱純水を供給する熱純水供
給手段と、熱純水供給手段により供給される熱純水を用
いて対象物を洗浄する洗浄手段とをそなえる。そして、
熱純水供給手段が、熱純水の温度を調整する温度調整手
段と、耐熱性イオン交換樹脂を用いて熱純水中のイオン
を除去することにより、熱純水を精製する熱純水精製手
段とからなることを特徴としている。
【0010】そして、本発明の実施の形態としては、熱
純水供給手段が、熱純水を貯留する純水槽をそなえると
ともに、この純水槽内に温度調整手段を設け、かつ、こ
の純水槽に循環系として熱純水精製手段を付設する場合
(第1実施形態)と、熱純水供給手段が、洗浄手段に連
通する水供給ラインをそなえるとともに、この水供給ラ
インの上流側から順に、温度調整手段及び熱純水精製手
段を設ける場合(第2実施形態)とが挙げられる。
【0011】なお、本発明の熱純水洗浄装置は、ガラス
や貴金属等、表面に高い清浄性が求められる物質や、透
明性の確保が要求される物質を対象として、その洗浄に
広く用いられるものであるが、以下の実施形態では説明
の簡単のため、本発明をガラス板の洗浄に適用した場合
を中心として説明し、他の物質を洗浄対象とする形態に
ついては別に附言する(第3実施形態)。
【0012】〔I−1〕 第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態にかかる熱純水洗浄装置
の基本的な構成を示す模式図である。図1に示すよう
に、本実施形態の熱純水洗浄装置1は、熱純水供給手段
2及び洗浄手段3をそなえている。
【0013】熱純水供給手段2は、ガラス板Gの洗浄に
使用する熱純水を供給するもので、純水槽21、温度調
整手段22、ポンプ23、耐熱性イオン交換樹脂24、
フィルタ25をそなえている。
【0014】純水槽21は、耐水性及び耐熱性をそなえ
た素材からなる壁部によって構成され、ガラス板Gの洗
浄に使用される熱純水を内部に貯留できるようになって
いる。具体的には、図示しない外部からの給水管と接続
されるとともに、その接続部分には図示しない制御弁が
設けられ、水の通過を制御できるように構成されてい
る。そして、これらの制御弁を制御することにより、装
置の運用開始時等には、外部から給水管を介して供給さ
れた水(精製の有無を問わず、不純物を含んでいても構
わない。以下、これを「原水」と呼ぶ。原水と精製後の
純水とを区別しないときは、単に「水」と呼ぶ。)を洗
浄空間内に貯留するとともに、貯留された原水を後述す
る温度調整手段22を用いて加熱するとともに、後述す
る純水精製系を通じて精製し、熱純水とすることができ
るようになっている。
【0015】温度調整手段22は、純水槽21に付設さ
れ、純水槽21内に貯留された熱純水の温度を調整する
ものである。具体的には、温度調整手段22は、純水槽
21内の水に浸漬するように配置されたヒータ22A、
温度センサ22B及びコントローラ22Cを有し、温度
センサ22Bにて検知された純水槽21内の水の温度に
基づいて、コントローラ22Cが適宜ヒータ22Aを動
作させて純水槽21内の水を加熱することにより、純水
槽21内の水温を所望の温度に調整できるようになって
いる。
【0016】ポンプ23、耐熱性イオン交換樹脂24、
フィルタ25は、上流側からこの順に互いに通水管を介
して接続されるとともに、ポンプ23及びフィルタ25
がそれぞれ通水管を介して純水槽21と接続されること
により、純水槽21内の水が順にポンプ23、耐熱性イ
オン交換樹脂24、フィルタ25を巡って再び純水槽2
1に戻るという、循環系(純水精製系)を形成してい
る。
【0017】ポンプ23は、純水槽21内の水が前記の
純水精製系を循環するように、純水槽21側から耐熱性
イオン交換樹脂24側に向けて(すなわち、図1の半時
計回りの方向に)、純水槽21内の水を駆動あるいは噴
射するものである。このポンプ23としては、流体であ
る水を駆動可能であるとともに、高温の熱水を扱い得る
耐熱性のポンプであれば、種々のものを選択して使用で
きる。
【0018】耐熱性イオン交換樹脂24は、ポンプ23
側から誘導された水に対してイオン交換を行ない、この
水の中に溶解または分散しているイオン等を除去するも
ので、通常、この耐熱性イオン交換樹脂24を公知の耐
熱性カラム等に収納し、この耐熱性カラム内にポンプ2
3からの水を誘導して通過させることにより、イオン交
換を行なう。耐熱性イオン交換樹脂24の詳細について
は、後に章を改めて詳述する。
【0019】フィルタ25は、耐熱性イオン交換樹脂2
4側から誘導された水を濾過することにより、この水の
中に存在する微生物や有機物等の不純物を除去するもの
である。このフィルタ25としては、耐熱性をそなえた
ものであれば、予想される不純物の種類や量を勘案し
て、種々のものを適宜選択して使用できる。また、この
フィルタ25は取り外し可能に構成されており、本装置
の運用に伴ってフィルタ25に不純物が蓄積した場合や
フィルタ25が劣化した場合には、フィルタ25を取り
外して清掃や不純物の除去、再生処理を行なったり、新
たなフィルタ25と交換したりできるようになってい
る。
【0020】洗浄手段3は、熱純水供給手段2により供
給される熱純水を用いてガラスを洗浄するもので、本実
施形態では、洗浄対象のガラスGを浸漬した熱純水を振
動させることにより洗浄を行なう。そして、ポンプ3
1、洗浄槽32、保持手段33、振動手段34をそな
え、ポンプ31、洗浄槽32が通水管を介して互いに接
続されるとともに、ポンプ31、洗浄槽32の各々が通
水管を介して熱純水供給手段2の純水槽21と接続され
ることにより、純水槽21内の熱純水が順にポンプ3
1、洗浄槽32を巡って再び純水槽21に戻るという、
循環系(洗浄系)を形成している。
【0021】ポンプ31は、熱純水が前記の洗浄系を循
環するように、純水槽21側から洗浄槽32側に向けて
(すなわち、図1の半時計回りの方向に)、熱純水を駆
動あるいは噴射するものである。このポンプ31につい
ても、流体である水を駆動可能であるとともに、高温の
熱水を扱い得る耐熱性のポンプであれば、種々のものを
選択して使用できる。
【0022】洗浄槽32は、耐水性及び耐熱性をそなえ
た素材からなる壁部によって構成されるとともに、この
壁部によって取り囲まれた洗浄空間を有している。そし
て、ポンプ31から通じる給水管(通水管)及び熱純水
供給手段2の純水槽21へと通じる排水管(通水管)と
それぞれ接続されるとともに、給水管及び排水管との接
続部分には図示しない制御弁が設けられて、それぞれが
熱純水の通過を制御できるように構成されている。そし
て、これらの制御弁を制御することにより、ガラス板G
の洗浄時には、ポンプ31から給水管を介して供給され
た熱純水を洗浄空間内に貯留するとともに、ガラス板G
の洗浄が終了すると、洗浄空間内に貯留されていた熱純
水を排水管を介して純水槽21へと排出できるようにな
っている。また、ガラスGの洗浄時に熱純水に混入する
塵埃を補足するため、排水管との接続部(排水口)には
図示しないフィルタが設けられている。
【0023】保持手段33は、洗浄対象のガラス板Gの
形状に合わせて形成された一又は複数の保持具をそなえ
ており、洗浄槽32に貯留された熱純水中に洗浄対象の
ガラス板Gを浸漬した状態で、この保持具を用いてガラ
ス板Gを固定できるように構成されている。なお、この
例では、複数のガラス板Gが一定の間隔を空けて保持さ
れるようになっている。
【0024】振動手段34は、洗浄槽32に設けられ、
洗浄槽32に貯留された熱純水を振動させるもので、こ
れによって、洗浄槽32の熱純水中に浸漬された洗浄対
象のガラス板Gを洗浄することができるようになってい
る。この振動手段としては、ガラス板Gの表面に付着し
ている不純物を剥離させ、結果としてガラス版Gを洗浄
できる程度の振動を、流体である純水に加えることがで
きるものであれば、超音波発生手段等の公知の振動手段
を種々選択して使用することができる。
【0025】上記の構成をそなえた本実施形態の熱純水
洗浄装置1では、熱純水供給手段2によって、ガラス板
G(対象物)の洗浄に使用する熱純水が供給される。具
体的には、まず、外部から給水管を介して供給された原
水が、純水槽21内に貯留される。続いて、温度調整手
段22が、この純水槽21内に貯留された原水を加熱し
て所望の温度の熱水とする。また、同時に、ポンプ2
3、耐熱性イオン交換樹脂24、フィルタ25からなる
純水精製系が、加熱されつつある純水槽21の高温の水
を循環させながら精製する。すなわち、ポンプ23が純
水槽21内の水を純水精製系へと誘導し、耐熱性イオン
交換樹脂24がイオン交換を行なうとともに、フィルタ
25が不純物の除去を行なう。こうして、純水槽21内
に貯留された原水は加熱されるとともに精製され、熱純
水となる。
【0026】その後、熱純水供給手段2により供給され
る熱純水を用いて、洗浄手段3により、ガラス板Gが洗
浄される。具体的には、まず、純水槽21内に貯留され
ている熱純水が、ポンプ31により洗浄系へと誘導さ
れ、通水管を通じて洗浄槽32に供給される。洗浄槽3
2に必要量の熱純水が貯留されると、洗浄の対象となる
ガラス板Gが、洗浄槽32に貯留された熱純水中に浸漬
された状態で、保持手段33によって保持される。続い
て、振動手段34によって、ガラス板Gが浸漬された洗
浄槽32の熱純水を振動させることにより、ガラス板G
の洗浄を行なう。ガラス板Gの洗浄が終了すると、洗浄
槽32の洗浄空間内に貯留されていた熱純水は、通水管
を介して排出され、再び純水槽21へと回収される。
【0027】ガラス板Gの洗浄に使用された熱水は、洗
浄対象のガラス板Gの表面や洗浄系の通水管内壁に付着
したイオン類や不純物を溶解または分散するため、その
純度は低下している。そこで、上記のガラス洗浄処理の
最中や合間に、熱純水供給手段2の純水精製系を適宜稼
動させることによって、純水槽21内に貯留されている
熱水を高温のまま精製し、高純度の熱純水として維持す
る。こうして、洗浄に使用された排水が、純水槽21に
戻された後に熱純水として再生され、再びガラス板Gの
洗浄に使用される。
【0028】以上、本発明の第1実施形態の熱純水洗浄
装置1によれば、熱純水の精製に耐熱性イオン交換樹脂
24を使用し、水を高温のまま導入してイオン交換する
ことにより、殺菌処理や熱交換処理の工程を削減するこ
とが可能となるので、洗浄に使用される熱純水の精製に
必要な構成を簡素化でき、装置の小型化・簡略化、価格
の削減を実現できる。また、水が高温の状態のままでイ
オン交換を行なうことができるので、微生物の繁殖を抑
え、熱純水の精製効率を向上させることができる。
【0029】また、洗浄に先立って純水槽21に予め熱
純水を用意しておき、適宜この熱純水を使用しながら、
洗浄手段3によりガラス板G(対象物)の洗浄を行なう
ので、特に大型のガラス板Gや大量のガラス板Gの洗浄
を目的とする大規模な装置の場合でも、洗浄の際に必要
な熱純水を即座に供給することができ、効率よくガラス
板Gの洗浄を行なうことが可能となる。
【0030】さらに、洗浄槽32に貯留された熱純水中
にガラス板Gを浸漬し、振動手段33によって熱純水を
振動させて洗浄を行なうので、特に洗浄対象となるガラ
ス板Gが平板状等の簡素な形状の場合や、一度に洗浄す
るガラス板Gの数が少ない場合には、短時間で確実にガ
ラス板Gを洗浄することができる。
【0031】なお、上記の第1実施形態では、洗浄手段
3が、ポンプ31、洗浄槽32、保持手段33、振動手
段34から構成される場合について説明したが、洗浄対
象となるガラス板Gの形状や一度に洗浄するガラス板G
の数量によっては、洗浄手段3を別の構成とすることも
可能である。
【0032】図2は、本発明の第1実施形態の変形例と
しての熱純水洗浄装置について、基本的な構成を示す模
式図である。なお、図2において、図1と同様の構成要
素については同一の符号を付している。図2に示すよう
に、本実施形態の熱純水洗浄装置1’は、第1実施形態
と同様の熱純水供給手段2に加え、洗浄手段3に代えて
洗浄手段3’を有している。
【0033】洗浄手段3’は、第1実施形態と同じく、
熱純水供給手段2により供給される熱純水を用いてガラ
スを洗浄するものであるが、本変形例では、洗浄対象の
ガラスGに対して熱純水を噴射することにより洗浄を行
なう。そして、第1実施形態と同様のポンプ31に加
え、洗浄槽32’、保持手段33’、噴射手段35をそ
なえている。
【0034】洗浄槽32’は、第1実施形態の洗浄槽3
2と同じく、耐水性及び耐熱性をそなえた素材からなる
壁部によって構成されるとともに、この壁部によって取
り囲まれた洗浄空間を有している。そして、ガラスGの
洗浄時には、後述する噴射手段35により噴射された熱
純水を外部に漏れることのないよう遮蔽するようになっ
ている。また、洗浄に使用された熱純水を集める集水孔
を有するとともに、この集水孔が熱純水供給手段2の純
水槽21へと通じる排水管(通水管)に接続され、ガラ
ス板Gの洗浄の際に、洗浄に使用された熱純水を排水管
を介して純水槽21へと排出できるようになっている。
第1実施形態の洗浄槽32とは異なり、熱純水を貯留す
るわけではないので、洗浄槽32’の壁部は、洗浄時に
熱純水を遮蔽できる程度の強度をそなえていればよい。
なお、ガラスGの洗浄時に熱純水に混入する塵埃を補足
するため、排水管との接続部(排水口)には図示しない
フィルタが設けられている。
【0035】保持手段33’は、洗浄の対象となるガラ
ス板Gを、洗浄槽32’の洗浄空間内に保持するもの
で、洗浄対象のガラス板Gの形状に合わせて形成された
一又は複数の保持具を有し、この保持具を用いてガラス
板Gを固定できるように構成されている。なお、この例
でも、複数のガラス板Gが一定の間隔を空けて保持され
るようになっている。
【0036】噴射手段35は、保持手段33’により保
持されたガラス板Gに対して、熱純水供給手段2から供
給された熱純水を噴射することにより、ガラス板Gを洗
浄するものである。具体的には、噴射手段35は、ポン
プ31から通じる給水管と接続されるとともに、その接
続部分には図示しない制御弁が設けられて、この制御弁
を制御することにより、熱純水の通過を制御できるよう
に構成されている。さらに、噴射手段35は、一又は複
数の熱純水噴射孔を有し、洗浄対象のガラス板Gを万遍
なく洗浄できるよう、保持手段33’により保持される
ガラス板Gの形状、数量、位置関係に応じて、適切な位
置及び方向でガラス板Gに熱純水を噴射できるように構
成されている。
【0037】上記の構成をそなえた、本実施形態の洗浄
手段3’では、まず、保持手段33’によって、洗浄の
対象となるガラス板Gが、洗浄槽32’の洗浄空間内に
保持される。次に、熱純水供給手段2の純水槽21内に
貯留されている熱純水が、ポンプ31により洗浄系へと
誘導され、通水管を通じて噴射手段35に供給される。
続いて、保持手段33’により保持されたガラス板Gに
対して、噴射手段35から熱純水を噴射することによ
り、ガラス板Gの洗浄を行なう。洗浄に使用された熱純
水は、排水管を介して排出され、再び純水槽21へと回
収される。
【0038】以上、本実施形態の熱純水洗浄装置1’に
よれば、保持手段33’により保持されたガラス板G
(対象物)に対して、熱純水供給手段2から供給された
熱純水を噴射手段35から噴射することによりガラス板
Gの洗浄を行なうので、特に洗浄対象となるガラス板G
が複雑な形状を有する場合や、一度に洗浄するガラス板
Gの数が多い場合でも、簡素な構成で効率的にガラス板
Gを洗浄することができる。
【0039】〔I−2〕 第2実施形態 図3は、本発明の第2実施形態としての熱純水洗浄装置
の基本的な構成を示す模式図である。なお、図3におい
て、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付
している。図3に示すように、本実施形態の熱純水洗浄
装置1”は、第1実施形態とほぼ同様の洗浄手段3に加
え、第1実施形態の熱純水供給手段2に代えて熱純水供
給手段2’をそなえている。
【0040】熱純水供給手段2’は、上記の熱純水供給
手段2と同じく、ガラス板Gの洗浄に使用する熱純水を
供給するもので、水供給ライン21’,温度調整手段2
2’,ポンプ23’,耐熱性イオン交換樹脂24’,フ
ィルタ25’をそなえている。
【0041】水供給ライン21’は、洗浄手段3へと連
通するように構成された通水管であって、ガラス板Gの
洗浄に使用される熱純水を洗浄手段3へと供給するもの
である。具体的には、水供給ライン21’は、その一端
が装置外部の図示しない水源(水道、水槽、水タンク
等)に、他端が洗浄手段3の洗浄槽32に、それぞれ接
続されている。そして、外部水源と洗浄槽32との間に
は、上流側から順に、温度調整手段22’,ポンプ2
3’,耐熱性イオン交換樹脂24’,フィルタ25’が
設けられており、外部水源から水供給ライン21’に誘
導され、ポンプ23’により駆動される水は、後述する
ように、温度調整手段23’により加熱されるととも
に、耐熱性イオン交換樹脂24’及びフィルタ25’に
より精製され、熱純水となって洗浄槽32に到達するよ
うになっている。また、洗浄槽32との接続部分には、
図示しない制御弁が設けられ、熱純水の通過を制御でき
るように構成されており、洗浄手段3において洗浄を行
なう際に、熱純水を洗浄槽32に適宜供給できるように
なっている。
【0042】温度調整手段22’は、外部水源から誘導
される水供給ライン21’を通過する水の温度を調整す
るものである。具体的には、温度調整手段23は、水供
給ライン21’内の水に浸漬するように配置されたヒー
タ22’A及び温度センサ22’B、並びにコントロー
ラ22’Cを有し、温度センサ22’Bにて検知された
水供給ライン21’内の水の温度に基づいて、コントロ
ーラ22’Cが適宜ヒータ22’Aを動作させて水供給
ライン21’内の水を加熱することにより、水供給ライ
ン21’内の水の温度を調整できるようになっている。
【0043】ポンプ23’は、外部水源から誘導された
水が水供給ライン21’を通じて洗浄手段3の洗浄槽3
2側へと移動するように、外部水源からの水を駆動ある
いは噴射するもので、第1実施形態におけるポンプ23
やポンプ31と同様に、流体である水を駆動可能である
とともに、高温の熱水を扱い得る耐熱性のポンプであれ
ば、種々のものを選択して使用できる。なお、ポンプ2
3’を温度調整手段22’よりも上流に配置しても良
い。
【0044】耐熱性イオン交換樹脂24’は、ポンプ2
3’側から水供給ライン21’を通過する水に対してイ
オン交換を行ない、この水の中に溶解または分散してい
るイオン等を除去するもので、その基本的な構成は第1
実施形態における耐熱性イオン交換樹脂24と同様であ
る。耐熱性イオン交換樹脂24’の詳細についても、後
に章を改めて詳述する。
【0045】フィルタ25’は、耐熱性イオン交換樹脂
24側から誘導された水を濾過することにより、この水
の中に存在する微生物や有機物等の不純物を除去するも
ので、その基本的な構成は第1実施形態におけるフィル
タ25と同様である。
【0046】また、洗浄手段3は、第1実施形態と同様
の洗浄槽32,振動手段33をそなえるが、ポンプ31
は省かれている。そして、洗浄槽32が、熱純水供給手
段2’の水供給ライン21’の後段側の端部(フィルタ
25’の後段に当たる端部)と接続されるとともに、排
水管(通水管)を介して水供給ライン21’上のポンプ
23’前段に当たる位置に合流するように接続されるこ
とにより、水供給ライン21’後段側から供給された熱
純水が洗浄槽32で使用され、再び水供給ライン21’
前段側に戻って加熱、精製されるという、循環系(洗浄
系)を形成している。なお、洗浄槽32の水供給ライン
21’及び排水管との接続部分には、第1実施形態の場
合と同様の図示しない制御弁が設けられ、さらに、排水
管との接続部分(排水口)には、ガラスGの洗浄時に熱
純水に混入する塵埃を補足するため、図示しないフィル
タが設けられる。
【0047】上記の構成をそなえた本実施形態の熱純水
洗浄装置1’では、熱純水供給手段2’によって、ガラ
ス板Gの洗浄に使用する熱純水が供給される。具体的に
は、外部水源から水供給ライン21’に誘導された水
は、ポンプ23’により駆動されて洗浄手段3側へと進
行していく。その間、この水は温度調整手段22’によ
り加熱されるとともに、耐熱性イオン交換樹脂24’に
よるイオン交換及びフィルタ25’による不純物除去を
通じて精製され、熱純水となって洗浄手段3に到達す
る。
【0048】また、洗浄手段3におけるガラス板Gの洗
浄時には、熱純水供給手段2’から適宜、洗浄槽32へ
と熱純水が供給されて、第1実施形態の洗浄手段3と同
様の手順によって、ガラス板Gの洗浄が行なわれる。ガ
ラス板Gの洗浄が終了すると、洗浄槽32の洗浄空間内
に貯留されていた熱純水は排水管を介して排出され、再
び水供給ライン21’へと誘導される。
【0049】以上、本発明の第2実施形態の熱純水洗浄
装置1’によれば、第1実施形態と同様に、装置の小型
化・簡略化、価格の削減、微生物の繁殖抑制、熱純水の
精製効率の向上等、各種の効果を享受できる。また、水
源から供給された水を適宜、加熱・精製することによ
り、ガラス板Gの洗浄に必要な熱純水を随時作成してい
るので、特に小型のガラス板Gや少数のガラス板Gの洗
浄を目的とする家庭用等の小規模な装置に本発明を適用
する場合には、第1実施形態に比べて装置の構成をさら
に小型化・簡略化することができるとともに、熱純水を
無駄なく供給することができ、装置の価格や運用費を削
減することが可能となる。
【0050】なお、以上の記載においては、第1実施形
態と同様のポンプ31、洗浄槽32、保持手段33、振
動手段34からなる洗浄手段3をそなえる場合について
説明したが、これに代えて、第1実施形態の変形例と同
様のポンプ31、洗浄槽32’、保持手段33、噴射手
段35からなる洗浄手段3’をそなえて構成してもよ
い。これによって、上述の各種効果に加えて、第1実施
形態の変形例と同様の効果も享受することができる。
【0051】〔I−3〕 第3実施形態 また、上述の各実施形態は、本発明をガラス板の洗浄に
適用した場合を中心として説明したが、前述したよう
に、洗浄の対象はこれに限られるものではなく、グラス
やコップ等の他のガラス製品や貴金属、陶磁器など、表
面に高い清浄性が求められる物質や透明性の確保が要求
される物質を広く対象とすることが可能である。この場
合、洗浄手段3を洗浄対象物の形状に応じた構成とする
他は、基本的には上述の各実施形態における機能要素を
そのまま適用すればよい。
【0052】図4に、本発明の第3実施形態として、本
発明をワイングラスや皿等の様々な形状を有する食器類
G’の洗浄に適用した場合の、熱純水洗浄装置に設けら
れる洗浄手段3”の基本的な構成を示す模式図を示す。
なお、図2と同様の構成要素については、同一の符号を
付している。図4の洗浄手段3”は、基本的に前記の第
1実施形態の第1変形例における洗浄手段3’と同様の
構成を採るが、保持手段34”は、第1変形例の保持手
段34’とは異なり、洗浄対象となる各種形状の食器類
G’を保持できるような、汎用的な構成の保持具を有し
ている。また、洗浄槽32’から熱純水供給手段2へと
繋がる排水管の途中、あるいはその排水管と洗浄槽3
2’との接続部分(排水口)には、必要に応じてフィル
タ36が介装され、表面に多量かつ大型の不純物が付着
している食器類G’を洗浄する場合でも、効果的に不純
物を除去できるとともに、熱純水供給手段2にて回収さ
れた排水の精製が容易となるように構成されている。
【0053】こうした洗浄手段3”は、第1実施形態の
熱純水供給手段2および第2実施形態の熱純水供給手段
2’のいずれかと組み合わせて用いてもよい。また、本
実施形態の洗浄手段3”の構成を変形して、第1実施形
態および第2実施形態の洗浄手段3のように、洗浄対象
のガラスGを浸漬した熱純水を振動させることにより洗
浄を行なう構成としてもよい。いずれの場合にも、それ
に伴う効果が享受できる。
【0054】〔I−4〕 その他 本発明の熱純水洗浄装置は、水(特に純水)を高温のま
まイオン交換して精製することを趣旨としているため、
上述の各機能要素にも、その趣旨に応じた程度の耐熱性
が要求される。従って、上記の記載にて「耐熱性」と
は、通常は60℃以上程度、好ましくは80℃以上程
度、特に好ましくは85℃以上程度の温度の水に耐えう
ることを指すものとする。
【0055】なお、上述の各実施形態において示した各
機能要素の組み合わせは、勿論、上述のものに限られる
訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて自
由に、同様の機能を有する他の機能要素と交換したり、
一部の機能要素を削除したり、他の機能要素を追加した
りすることが可能であり、また、各機能要素の接続関係
や順序についても、適宜変更することが可能である。
【0056】さらに、上述の各実施形態の熱純水洗浄装
置1,1’は、それぞれ単独で使用してもよいが、例え
ば薬剤による洗浄や水道水による濯ぎなどの処理の後
に、本装置1,1’を洗浄の仕上げとして使用してもよ
い。こうした洗浄や濯ぎ等の処理を行なうための機構と
しては種々のものが公知であり、これら洗浄や濯ぎ等の
処理のための機構を本装置1,1’とは別の単体の装置
として用意してもよく、こうした洗浄や濯ぎ等の処理を
行なう機構を本装置1,1’に一体として含めるように
構成してもよい。特に後者の場合には、薬剤による洗
浄、水道水による濯ぎ、熱純水による洗浄の全ての処理
において、洗浄槽32,32’を共通として用いるよう
に構成することにより、装置の小型化や構成の簡素化を
図ることが可能である。また、このように本装置1,
1’を洗浄の最終工程として用いる場合には、洗浄時に
熱純水に混入する不純物や塵埃の量は比較的少ないと考
えられるので、本装置1,1’の各部位に設けられるフ
ィルタ等の構成は適宜省略しても良い。
【0057】〔II〕 耐熱性イオン交換樹脂 本発明の熱純水洗浄装置1,1’,1”における、熱純
水供給手段2,2’の耐熱性イオン交換樹脂24,2
4’としては、下記一般式(1)で表される構造単位を
有する強塩基性アニオン交換樹脂を使用することが好ま
しい。
【化3】
【0058】上記一般式(1)において、Aは炭素数3
〜8の直鎖若しくは分岐アルキレン基、又は、メチレン
基においてベンゼン環に結合する炭素数4〜8のアルキ
レンオキシメチレン基を表す。直鎖又は分岐アルキレン
基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、
オクタメチレン基、メチルエチレン基及びエチルエチレ
ン基等が挙げられ、アルキレンオキシメチレン基として
は、テトラメチレンオキシメチレン基、ヘキサメチレン
オキシメチレン基等が挙げられる。Aはベンゼン環の任
意の位置に結合していても良いが、通常はm−位又はp
−位に結合している。Aの炭素数が8を超えると、上記
一般式(1)で表される構造単位の分子量が大きくなる
ため、イオン交換樹脂の交換容量が低下するので、好ま
しくない。置換基R1、R2及びR 3は、それぞれ独立し
て、炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下のヒド
ロキシアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及び
ヘキシル基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基として
は、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒド
ロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基及びヒドロキシ
ヘキシル基が挙げられる。R1、R2及びR3それぞれの
炭素数が6を超えると、樹脂の交換容量が低下すると共
に、樹脂の有機汚染、熱安定性の低下につながるため好
ましくない。−N+123で表される基としては、ト
リメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、
ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基又はジメチル
ヒドロキシプロピルアンモニウム基が好ましく、トリメ
チルアンモニウム基又はジメチルヒドロキシエチルアン
モニウム基が、特に好ましい。
【0059】X-は、第4級アンモニウム基の対イオン
を表し、水酸イオン、Cl-、Br-、I-、炭酸イオ
ン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イ
オン、蟻酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオンが挙げら
れる。対イオンが水酸イオン以外のものである場合に
は、樹脂を水処理に用いる前に予め水酸イオンに転換し
ておくことが必要である。
【0060】本発明で使用する強塩基性アニオン交換樹
脂は、上記一般式(1)で表される構造単位と架橋基と
から構成されている。架橋基としては、ジビニルベンゼ
ン、ポリビニルベンゼン、アルキルビニルベンゼン及び
ジアルキルジビニルベンゼンが挙げられ、好ましくはジ
ビニルベンゼンである。強塩基性アニオン交換樹脂は、
上記一般式(1)の構造単位を1〜99モル%、架橋基
を構成する単位を0.1〜50モル%、好ましくは1〜
20モル%、更に好ましくは2〜10モル%含有してい
る。耐熱性イオン交換樹脂の交換容量を大きくするに
は、上記一般式(1)の構造単位の含有率を高くすれば
よい。強塩基性アニオン交換樹脂の重量当たりの交換容
量(中性塩分解容量)は、通常0.1〜5.0meq/
g(OH形)であり、好ましくは0.7〜5.0meq
/であり、更に好ましくは2.5〜5.0meq/gで
あり、特に好ましくは3.2〜4.5meq/gであ
る。ここで、meq/gとは乾燥樹脂重量当たりの交換
容量を表す。
【0061】強塩基性アニオン交換樹脂の体積当たりの
中性塩分解容量は樹脂の水分含有率により異なるが、通
常0.1〜1.5meq/mL(OH形)であり、好ま
しくは0.5〜1.5meq/mL、更に好ましくは
0.8〜1.5meq/mLである。ここで、meq/
mLとは含水樹脂体積当たりの交換容量を表す。
【0062】上記一般式(1)で表される構造単位を有
する強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば特開平
4−349941号及び特開平7−289921号各公
報に記載されている樹脂が挙げられる。また、特開平1
0−245416号及び特開平10−245417号各
公報には、上記一般式(1)で表される構造単位を有す
る多孔性アニオン交換樹脂が記載されているが、本発明
では、これら多孔性アニオン交換樹脂も用いることがで
きる。
【0063】本発明では、上記一般式(1)で表される
構造単位を有する強塩基性アニオン交換樹脂は、単独で
用いることもでき、また、他のイオン交換樹脂と併用す
ることもできる。併用する樹脂としては、例えば弱塩基
性アニオン交換樹脂が挙げられる。この場合には、上記
一般式(1)で表される構造単位を有する強塩基性アニ
オン交換樹脂は、全体の体積に対して、通常10%以
上、好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上
の割合で使用する。強塩基性アニオン交換樹脂と弱塩基
性アニオン交換樹脂とは、混合床として用いても良く、
弱塩基性アニオン交換樹脂を強塩基性アニオン交換樹脂
の前段に配置しても良い。
【0064】更に、本発明では、上記の種々のアニオン
交換樹脂に加えて、カチオン交換樹脂を併用することも
できる。カチオン交換樹脂としては、下記一般式(2)
で表される構造単位と架橋単位とを有する強酸性カチオ
ン交換樹脂が挙げられる。
【化4】
【0065】上記一般式(2)中、スルホン酸基はベン
ゼン環の任意の位置に結合しても良いが、通常はm−位
又はp−位に結合している。Y+は、スルホン酸基に配
位した対イオンを表し、水素イオン、Liイオン、Na
イオン、Caイオン、Baイオン、アンモニウムイオン
及びトリメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。対
イオンが水素イオン以外のものである場合には、使用前
に予め対イオンを水素イオンに転換する。架橋基単位と
しては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、アル
キルビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベンゼン等が
挙げられ、好ましくはジビニルベンゼンである。カチオ
ン交換樹脂は、上記一般式(2)の構造単位を1〜99
モル%、架橋基単位を0.1〜50モル%、好ましくは
1〜20モル%、更に好ましくは2〜10モル%含有し
ている。イオン交換容量を高くするには、上記一般式
(2)の構造単位の含有率を高くする。
【0066】また、本発明では、上記の強酸性カチオン
交換樹脂に代えて、又はこれと共に、カルボキシル基を
有する弱酸性カチオン交換樹脂を使用することもでき
る。強酸性カチオン交換樹脂と弱酸性カチオン交換樹脂
とを併用する場合には、強酸性カチオン交換樹脂は、両
者の合計体積に対して、通常20%以上、好ましくは5
0%以上、更に好ましくは70%以上の割合で使用す
る。強酸性カチオン交換樹脂と弱酸性カチオン交換樹脂
とは、混合床として用いても良く、弱酸性カチオン交換
樹脂を強酸性カチオン交換樹脂の前段に配置しても良
い。
【0067】なお、本発明で使用するイオン交換樹脂
は、そのイオン交換基の如何を問わず、約0.3〜1.
0mmの平均粒子径を有する球状粒子であることが好ま
しい。また、樹脂はゲル型及びホーラス型のいずれので
あっても良い。本発明においてアニオン交換樹脂とカチ
オン交換樹脂とを併用する場合には、両者はそれぞれ単
独床として用いても良く、また混合床として用いていも
良い。
【0068】混合床で使用するときのアニオン交換樹脂
とカチオン交換樹脂との混合比は、各イオン交換樹脂の
交換容量等により異なるが、アニオン交換樹脂/カチオ
ン交換樹脂の交換容量比が、0.1〜10の範囲、特に
0.3〜3の範囲であることが好ましい。本発明では、
水又は熱純水をイオン交換樹脂床へ通過させる速度は、
処理すべき熱純水に溶出する不純物の組成、イオン交換
樹脂の粒径、熱純水の温度等により異なるが、通常はS
V1〜1000である。
【0069】以上、本発明につき実施形態を挙げて具体
的に説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、その要旨を越えない限りにおい
て、種々の形態で実施することが可能である。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、熱純水の精製に耐熱性
イオン交換樹脂を使用し、熱水を高温のまま導入してイ
オン交換することにより、殺菌処理や熱交換処理の工程
を削減することが可能となるので、洗浄に使用する熱純
水の精製に必要な構成を簡素化でき、装置の小型化・簡
略化、価格の削減を実現できる。また、高温の状態のま
まイオン交換を行なうので、微生物の繁殖を抑え、純水
の精製効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての熱純水洗浄装置
の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態の一変形例としての熱純
水洗浄装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての熱純水洗浄装置
の基本的な構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第3実施形態としての熱純水洗浄装置
に設けられる洗浄手段の基本的な構成を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1,1’,1” 熱純水洗浄装置 2,2’ 熱純水供給手段 21 純水槽 21’ 水供給ライン 22,22’ 温度調整手段 22A,22’A ヒータ 22B,22’B 温度センサ 22C,22’C コントローラ 23,23’ ポンプ 24,24’ 耐熱性イオン交換樹脂 25,25’ フィルタ 3,3’,3” 洗浄手段 31 ポンプ 32,32’ 洗浄槽 33,33’,33” 保持手段 34 振動手段 35 噴射手段 36 フィルタ G ガラス板(洗浄対象物) G’ 食器(洗浄対象物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 47/04 B01J 47/04 B B08B 3/02 B08B 3/02 A 3/10 3/10 A Z C02F 1/42 C02F 1/42 A G02F 1/13 101 G02F 1/13 101 1/1333 500 1/1333 500 (72)発明者 青嵜 義宗 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA21 HA01 MA16 MA20 2H090 JB02 JC19 3B082 BD01 3B201 AA21 AA46 BB01 BB21 BB82 BB93 BC05 CD22 CD43 4D025 AA01 AB02 BA09 BA10 BA14 BA15 BA22 BB04 CA08 DA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱純水を供給する熱純水供給手段と、 該熱純水供給手段により供給される前記熱純水を用いて
    対象物を洗浄する洗浄手段とをそなえるとともに、 該熱純水供給手段が、 該洗浄手段に供給すべき前記熱純水の温度を調整する温
    度調整手段と、 耐熱性イオン交換樹脂を用いて、該洗浄手段に供給すべ
    き前記熱純水中のイオンを除去することにより、前記熱
    純水を精製する熱純水精製手段とからなることを特徴と
    する、熱純水洗浄装置。
  2. 【請求項2】 該熱純水供給手段が、前記熱純水を貯留
    する純水槽をそなえるとともに、該温度調整手段が該純
    水槽内に設けられ、該熱純水精製手段が該純水槽に熱純
    水精製系として付設されていることを特徴とする、請求
    項1記載の熱純水洗浄装置。
  3. 【請求項3】 該熱純水供給手段が、該洗浄手段に連通
    する水供給ラインをそなえるとともに、該水供給ライン
    に、上流側から順に該温度調整手段及び該熱純水精製手
    段が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の
    熱純水洗浄装置。
  4. 【請求項4】 該洗浄手段が、 該熱純水供給手段から供給された前記熱純水を貯留する
    洗浄槽と、 該洗浄槽に貯留された前記熱純水中に前記対象物を浸漬
    した状態で、前記熱純水を振動させることにより前記対
    象物の洗浄を行なう振動手段とからなることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱純水洗浄装
    置。
  5. 【請求項5】 該洗浄手段が、 前記対象物を保持する保持手段と、 該保持手段により保持された前記対象物に、該熱純水供
    給手段から供給された前記熱純水を噴射することによ
    り、前記対象物の洗浄を行なう噴射手段とからなること
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    純水洗浄装置。
  6. 【請求項6】 該耐熱性イオン交換樹脂として、下記一
    般式(1) 【化1】 (上記一般式(1)中、Aは、炭素数3〜8の直鎖もし
    くは分岐アルキレン基、又は、メチレン基にてベンゼン
    環に結合する炭素数4〜8のアルキレンオキシメチレン
    基を表し、R1、R2及びR3は各々独立に、炭素数6以
    下のアルキル基又は炭素数6以下のヒドロキシアルキル
    基を表し、X-は対イオンを表す。)で表される構造単
    位を有する強塩基性アニオン交換樹脂を使用することを
    特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱純
    水洗浄装置。
  7. 【請求項7】 該耐熱性イオン交換樹脂の交換容量が、
    OH形で0.7meq/mL以上であることを特徴とす
    る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱純水洗浄装
    置。
  8. 【請求項8】 該耐熱性イオン交換樹脂として、該強塩
    基性アニオン交換樹脂に加えて弱塩基性アニオン交換樹
    脂を使用することを特徴とする、請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の熱純水洗浄装置。
  9. 【請求項9】 該耐熱性イオン交換樹脂として、該強塩
    基性アニオン交換樹脂に加えてカチオン交換樹脂を使用
    することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の熱純水洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記熱純水を、まず該強塩基性アニオ
    ン交換樹脂で処理した後、該カチオン交換樹脂で処理す
    るように構成されたことを特徴とする、請求項9記載の
    熱純水洗浄装置。
  11. 【請求項11】 前記熱純水を、該強塩基性アニオン交
    換樹脂と該カチオン交換樹脂との混合系で処理するよう
    に構成されたことを特徴とする、請求項9記載の熱純水
    洗浄装置。
  12. 【請求項12】 該強塩基性アニオン交換樹脂と該カチ
    オン交換樹脂とが、交換容量比0.1〜10の割合で混
    合されていることを特徴とする、請求項11記載の熱純
    水洗浄装置。
  13. 【請求項13】 該カチオン交換樹脂として、一般式
    (2) 【化2】 (上記一般式(2)中、Y+は対イオンを表す。)で表
    される構造単位を有する強酸性カチオン交換樹脂を使用
    することを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項
    に記載の熱純水洗浄装置。
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