JP2003088750A - 無機材料の製造方法 - Google Patents
無機材料の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】多数の無機材料を短時間で効率よく合成でき、
しかも、合成に要する原料、エネルギー等の消費量が非
常に少なく、特に、新規な機能性材料の探索のために多
数の無機材料を製造する方法として適する無機材料の製
造方法を提供する。 【解決手段】下記の工程からなる無機材料の製造方法: (i)原料として金属成分を含有する溶液を2種類以上
用い、各原料溶液ごとに溶液を採取し、複数の試料容器
中に、各容器に対して予め決めた量の溶液を順次注入
し、複数の異なる組成の試料溶液を調製する工程、(i
i)上記(i)工程で調製された試料溶液を試料容器か
ら採取し、試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置
に塗布する工程、(iii)複数の試料溶液が塗布された
基板を加熱して、該基板上で複数の無機材料を合成する
工程。
しかも、合成に要する原料、エネルギー等の消費量が非
常に少なく、特に、新規な機能性材料の探索のために多
数の無機材料を製造する方法として適する無機材料の製
造方法を提供する。 【解決手段】下記の工程からなる無機材料の製造方法: (i)原料として金属成分を含有する溶液を2種類以上
用い、各原料溶液ごとに溶液を採取し、複数の試料容器
中に、各容器に対して予め決めた量の溶液を順次注入
し、複数の異なる組成の試料溶液を調製する工程、(i
i)上記(i)工程で調製された試料溶液を試料容器か
ら採取し、試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置
に塗布する工程、(iii)複数の試料溶液が塗布された
基板を加熱して、該基板上で複数の無機材料を合成する
工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機材料の製造方
法、及び該方法での使用に適した無機材料製造装置に関
する。
法、及び該方法での使用に適した無機材料製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、新規な組成の無機材料の合成方法
としては、原料粉末を混合し、加圧成型後焼成する方法
が一般的な方法である。しかしながら、この方法では、
原料混合に手間と時間がかかり、焼成も一度ならず、焼
成後粉砕、加圧成型をした後再度熱処理を行う場合もあ
る。このため、各種組成の無機材料を合成し、それぞれ
の特性を測定するためには、非常に長時間が必要であ
る。
としては、原料粉末を混合し、加圧成型後焼成する方法
が一般的な方法である。しかしながら、この方法では、
原料混合に手間と時間がかかり、焼成も一度ならず、焼
成後粉砕、加圧成型をした後再度熱処理を行う場合もあ
る。このため、各種組成の無機材料を合成し、それぞれ
の特性を測定するためには、非常に長時間が必要であ
る。
【0003】現在、各種の用途に用いられる無機材料に
求められる性能はますます高機能化、複雑化している。
しかしながら、上記した無機材料の合成方法は非常に効
率が悪く、この様な方法では、周期律表の全てが構成元
素となりうる無機材料の中から優れた機能を有する機能
性材料を見出すことは極めて困難であり、新たな機能材
料の発見は、偶然的な要素が多いという側面がある。
求められる性能はますます高機能化、複雑化している。
しかしながら、上記した無機材料の合成方法は非常に効
率が悪く、この様な方法では、周期律表の全てが構成元
素となりうる無機材料の中から優れた機能を有する機能
性材料を見出すことは極めて困難であり、新たな機能材
料の発見は、偶然的な要素が多いという側面がある。
【0004】しかも、一試料あたりに必要とされる原料
重量は数グラムオーダーであり、新規な無機材料の探索
過程で消費される地下資源やエネルギーは膨大なものと
なる。
重量は数グラムオーダーであり、新規な無機材料の探索
過程で消費される地下資源やエネルギーは膨大なものと
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
多数の無機材料を短時間で効率よく合成でき、しかも、
合成に要する原料、エネルギー等の消費量が非常に少な
く、特に、新規な機能性材料の探索のために多数の無機
材料を製造する方法として適する製造方法を提供するこ
とである。
多数の無機材料を短時間で効率よく合成でき、しかも、
合成に要する原料、エネルギー等の消費量が非常に少な
く、特に、新規な機能性材料の探索のために多数の無機
材料を製造する方法として適する製造方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、原料
として金属成分を含有する溶液を用い、分注器等を用い
て複数の試料容器中に異なる量の原料溶液を注入し、2
種類以上の金属成分含有溶液について、この操作を繰り
返し行って、異なる組成の複数の試料溶液を作製し、次
いで、これらの試料溶液を基板上に特性測定に適した形
状で塗布した後、焼成する方法によれば、組成の異なる
多数の無機材料を、非常に短時間で、しかも非常に少な
い原料の使用量で合成することができ、新規な機能性無
機材料の探索が非常に高効率化されることを見出し、こ
こに本発明を完成するに至った。
的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、原料
として金属成分を含有する溶液を用い、分注器等を用い
て複数の試料容器中に異なる量の原料溶液を注入し、2
種類以上の金属成分含有溶液について、この操作を繰り
返し行って、異なる組成の複数の試料溶液を作製し、次
いで、これらの試料溶液を基板上に特性測定に適した形
状で塗布した後、焼成する方法によれば、組成の異なる
多数の無機材料を、非常に短時間で、しかも非常に少な
い原料の使用量で合成することができ、新規な機能性無
機材料の探索が非常に高効率化されることを見出し、こ
こに本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、下記の無機材料の製造方法、及び無
機材料製造装置を提供するものである。 1. 下記の工程からなる無機材料の製造方法: (i)原料として金属成分を含有する溶液を2種類以上
用い、各原料溶液ごとに溶液を採取し、複数の試料容器
中に、各容器に対して予め決めた量の溶液を順次注入
し、複数の異なる組成の試料溶液を調製する工程、(i
i)上記(i)工程で調製された試料溶液を試料容器か
ら採取し、試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置
に塗布する工程、(iii)複数の試料溶液が塗布された
基板を加熱して、該基板上で複数の無機材料を合成する
工程。 2. (i)2個以上の原料溶液用容器、(ii)吸引・
排出ノズルを有し、且つ該ノズルの吸引位置と排出位置
を制御する機構と、溶液の採取量及び排出量を制御する
機構を備えた分注装置、(iii)複数の試料容器、並び
に(iv)試料溶液塗布用の基板の設置部、を有する無機
材料製造装置。 3. 分注装置が、更に、吸引・排出ノズルを試料溶液
塗布用の基板面上を該基板面と平行方向に移動できる機
構を有するものである上記項2に記載の無機材料製造装
置。
機材料製造装置を提供するものである。 1. 下記の工程からなる無機材料の製造方法: (i)原料として金属成分を含有する溶液を2種類以上
用い、各原料溶液ごとに溶液を採取し、複数の試料容器
中に、各容器に対して予め決めた量の溶液を順次注入
し、複数の異なる組成の試料溶液を調製する工程、(i
i)上記(i)工程で調製された試料溶液を試料容器か
ら採取し、試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置
に塗布する工程、(iii)複数の試料溶液が塗布された
基板を加熱して、該基板上で複数の無機材料を合成する
工程。 2. (i)2個以上の原料溶液用容器、(ii)吸引・
排出ノズルを有し、且つ該ノズルの吸引位置と排出位置
を制御する機構と、溶液の採取量及び排出量を制御する
機構を備えた分注装置、(iii)複数の試料容器、並び
に(iv)試料溶液塗布用の基板の設置部、を有する無機
材料製造装置。 3. 分注装置が、更に、吸引・排出ノズルを試料溶液
塗布用の基板面上を該基板面と平行方向に移動できる機
構を有するものである上記項2に記載の無機材料製造装
置。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無機材料の製造方
法について図1及び図2を参照しつつ説明する。
法について図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0009】図1は、本発明方法において、原料の採取
及び試料溶液の調製に用いる装置を模式的に示す図面で
ある。
及び試料溶液の調製に用いる装置を模式的に示す図面で
ある。
【0010】本発明方法では、原料としては、金属成分
を含有する溶液を用いる。この溶液は、金属成分の種類
毎に異なる溶液として用いるために、2種類以上の金属
成分を含む新規な無機材料を合成するためには、2種類
以上の原料溶液を用いることが必要である。
を含有する溶液を用いる。この溶液は、金属成分の種類
毎に異なる溶液として用いるために、2種類以上の金属
成分を含む新規な無機材料を合成するためには、2種類
以上の原料溶液を用いることが必要である。
【0011】金属成分を含有する化合物の種類について
は、特に限定はなく、使用する溶媒に可溶であって、後
述する熱処理工程において分解して目的とする無機材料
を合成できる化合物であればよい。また、溶媒の種類に
ついても、限定はなく、金属成分を含有する化合物を溶
解できる溶媒であればよいが、後述する工程で溶液試料
を基板に塗布した際に、容易に乾燥できる点から、低沸
点又は高揮発性の有機溶媒が好ましい。
は、特に限定はなく、使用する溶媒に可溶であって、後
述する熱処理工程において分解して目的とする無機材料
を合成できる化合物であればよい。また、溶媒の種類に
ついても、限定はなく、金属成分を含有する化合物を溶
解できる溶媒であればよいが、後述する工程で溶液試料
を基板に塗布した際に、容易に乾燥できる点から、低沸
点又は高揮発性の有機溶媒が好ましい。
【0012】溶液の濃度についても限定はないが、溶液
の採取及び注入の容易さを考慮して、高粘度とならない
ような適当な濃度に調節することが好ましい。
の採取及び注入の容易さを考慮して、高粘度とならない
ような適当な濃度に調節することが好ましい。
【0013】金属成分を含有する溶液は、溶液の種類毎
に異なる原料容器1に入れ、採取に適した位置に適宜配
置する。
に異なる原料容器1に入れ、採取に適した位置に適宜配
置する。
【0014】次いで、金属成分を含有する溶液の内の一
種類を原料容器1から採取し、原料溶液とは別の位置に
置かれた複数の試料容器2に順次注入する。原料溶液の
注入量については、目的とする無機材料の組成に対応し
て、試料容器2毎に予め決定しておき、複数の試料容器
2中にそれぞれ定められた量の原料溶液を順次注入す
る。
種類を原料容器1から採取し、原料溶液とは別の位置に
置かれた複数の試料容器2に順次注入する。原料溶液の
注入量については、目的とする無機材料の組成に対応し
て、試料容器2毎に予め決定しておき、複数の試料容器
2中にそれぞれ定められた量の原料溶液を順次注入す
る。
【0015】原料溶液の採取及び注入には、通常、吸引
・排出ノズル3を備えた分注装置4を用いれば良い。分
注装置4としては、ノズル3の吸引位置と排出位置を制
御する機構と、溶液の採取量及び排出量を制御する機構
を備えた装置を用いることが好ましい。これらの機構
は、コンピューターを用いて自動制御することが好まし
い。この様な分注装置としては、例えば、バイオ研究の
分野において、試料を多数容器(ウェル)に分配するた
めに用いられている分注器を利用することができる。
・排出ノズル3を備えた分注装置4を用いれば良い。分
注装置4としては、ノズル3の吸引位置と排出位置を制
御する機構と、溶液の採取量及び排出量を制御する機構
を備えた装置を用いることが好ましい。これらの機構
は、コンピューターを用いて自動制御することが好まし
い。この様な分注装置としては、例えば、バイオ研究の
分野において、試料を多数容器(ウェル)に分配するた
めに用いられている分注器を利用することができる。
【0016】次いで、上記した金属成分を含有する溶液
の採取と注入の操作を、全ての原料溶液について、溶液
毎に同様にして繰り返し、複数の試料容器2中で目的と
する無機材料に応じた組成の複数の試料溶液を作製す
る。
の採取と注入の操作を、全ての原料溶液について、溶液
毎に同様にして繰り返し、複数の試料容器2中で目的と
する無機材料に応じた組成の複数の試料溶液を作製す
る。
【0017】この際、原料溶液の排出量及び排出速度を
調整することによって、注入時に試料容器2中で溶液が
自動的に混合され、試料溶液の攪拌混合操作を省略する
ことができる。尚、分注装置4は、吸引・排出ノズル3
を交換できる構造を有するものとし、採取する溶液の種
類を変更する毎に、ノズル3を交換することによって、
ノズルの洗浄操作を省略することができる。分注装置4
は、ノズル3の取り外し及び取り付けを自動的に行うこ
とができる機構を有することが好ましい。
調整することによって、注入時に試料容器2中で溶液が
自動的に混合され、試料溶液の攪拌混合操作を省略する
ことができる。尚、分注装置4は、吸引・排出ノズル3
を交換できる構造を有するものとし、採取する溶液の種
類を変更する毎に、ノズル3を交換することによって、
ノズルの洗浄操作を省略することができる。分注装置4
は、ノズル3の取り外し及び取り付けを自動的に行うこ
とができる機構を有することが好ましい。
【0018】上記した方法によれば、複数の試料容器2
中で異なる組成の複数の試料溶液を短時間で作製するこ
とができる。
中で異なる組成の複数の試料溶液を短時間で作製するこ
とができる。
【0019】次いで、試料溶液を試料容器から採取し、
試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置に塗布す
る。
試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置に塗布す
る。
【0020】図2は、上記した方法で得られた試料溶液
を基板上に塗布するための装置を模式的に示す図面であ
る。
を基板上に塗布するための装置を模式的に示す図面であ
る。
【0021】この操作も、上記した吸引・排出ノズル3
の採取位置と排出位置を制御する機構と、溶液の採取量
及び排出量を制御する機構を備えた分注装置4を用いて
行うことができる。即ち、まず、試料溶液を含む試料容
器2からノズル3によって所定量の試料溶液を採取し、
予め定められた所定の設置部に配置した基板5上にノズ
ル3を移動させて、基板5上の所定の位置で試料溶液を
排出して、基板5に試料溶液を塗布する。分注装置4
は、基板5の基板面上をノズル3を該基板面と平行方向
に任意の位置に移動できる機構を有することが好まし
い。この様な機構を有する分注装置4を用いる場合に
は、ノズル3から試料溶液を排出する際に、同時に基板
5面上をノズル3を移動させることによって、試料溶液
を任意の形状で基板5上に塗布することができる。この
際、試料溶液の排出量及び基板面上を移動するノズルの
移動速度を制御することによって、試料溶液の種類に応
じて、広がりの少ない適度な塗布量とすることができ
る。基板5上に塗布する試料溶液の量、塗布形状などに
ついては、目的とする特性の測定方法に応じて適宜決め
ればよく、その測定のために必要な最小限の塗布量とす
れば良い。例えば、電気抵抗やゼーベック係数の評価を
目的とする場合には、長さ1cm程度の直線状に塗布す
れば、四探針法による電気電導性の測定が可能となる。
この場合、試料溶液量は、1〜10μl程度という非常
に少量とすることができる。
の採取位置と排出位置を制御する機構と、溶液の採取量
及び排出量を制御する機構を備えた分注装置4を用いて
行うことができる。即ち、まず、試料溶液を含む試料容
器2からノズル3によって所定量の試料溶液を採取し、
予め定められた所定の設置部に配置した基板5上にノズ
ル3を移動させて、基板5上の所定の位置で試料溶液を
排出して、基板5に試料溶液を塗布する。分注装置4
は、基板5の基板面上をノズル3を該基板面と平行方向
に任意の位置に移動できる機構を有することが好まし
い。この様な機構を有する分注装置4を用いる場合に
は、ノズル3から試料溶液を排出する際に、同時に基板
5面上をノズル3を移動させることによって、試料溶液
を任意の形状で基板5上に塗布することができる。この
際、試料溶液の排出量及び基板面上を移動するノズルの
移動速度を制御することによって、試料溶液の種類に応
じて、広がりの少ない適度な塗布量とすることができ
る。基板5上に塗布する試料溶液の量、塗布形状などに
ついては、目的とする特性の測定方法に応じて適宜決め
ればよく、その測定のために必要な最小限の塗布量とす
れば良い。例えば、電気抵抗やゼーベック係数の評価を
目的とする場合には、長さ1cm程度の直線状に塗布す
れば、四探針法による電気電導性の測定が可能となる。
この場合、試料溶液量は、1〜10μl程度という非常
に少量とすることができる。
【0022】次いで、試料容器2中のその他の溶液試料
についても、試料溶液の採取と基板5上への塗布の操作
について、基板上の塗布位置のみを変更して上記方法と
同様にして行う。この様にして、多数の試料溶液を塗布
した基板5を得ることができる。ノズル3は、試料溶液
を変更する毎に交換することによって、ノズルの洗浄を
省略することができる。
についても、試料溶液の採取と基板5上への塗布の操作
について、基板上の塗布位置のみを変更して上記方法と
同様にして行う。この様にして、多数の試料溶液を塗布
した基板5を得ることができる。ノズル3は、試料溶液
を変更する毎に交換することによって、ノズルの洗浄を
省略することができる。
【0023】基板5の種類については、特に限定的では
ないが、熱処理時に変質することがなく、且つ最終的に
得られる無機材料の特性測定に影響を及ぼすことのない
材質のセラミックス材料等を用いればよい。
ないが、熱処理時に変質することがなく、且つ最終的に
得られる無機材料の特性測定に影響を及ぼすことのない
材質のセラミックス材料等を用いればよい。
【0024】次いで、試料溶液を塗布した基板を加熱す
ることによって、目的とする無機材料を合成する。熱処
理の条件については、目的とする無機材料の種類に応じ
て変わり得るが、各種の複合酸化物を合成する場合に
は、例えば、大気雰囲気中で400〜1200℃程度で
1〜8時間程度加熱すればよい。
ることによって、目的とする無機材料を合成する。熱処
理の条件については、目的とする無機材料の種類に応じ
て変わり得るが、各種の複合酸化物を合成する場合に
は、例えば、大気雰囲気中で400〜1200℃程度で
1〜8時間程度加熱すればよい。
【0025】上記した無機材料の製造方法によれば、金
属成分を含有する溶液原料を用いることによって、原料
金属はイオンサイズで混合され、焼成による反応速度も
固体粉末を用いた場合と比べて格段に速くなる。また、
溶液原料は、原料の精密秤量の自動化に適しており、分
注器を用いて所定量の試料を複数の試料容器に精密に分
配することによって、短時間で多数の異なる組成比を有
する混合溶液を調製することが可能となる。
属成分を含有する溶液原料を用いることによって、原料
金属はイオンサイズで混合され、焼成による反応速度も
固体粉末を用いた場合と比べて格段に速くなる。また、
溶液原料は、原料の精密秤量の自動化に適しており、分
注器を用いて所定量の試料を複数の試料容器に精密に分
配することによって、短時間で多数の異なる組成比を有
する混合溶液を調製することが可能となる。
【0026】また、本発明方法による同一基板上に多数
の無機材料を合成する方法では、電気伝導度等の特性値
の測定のために必要となる溶液試料の塗布量は非常に少
量で良く、原料の消費量を大きく低減できる。また、同
一の基板上に塗布した少量の溶液試料を同時に焼成して
目的とする無機材料を製造するので、焼成に要するエネ
ルギー消費も非常に少なくなる。
の無機材料を合成する方法では、電気伝導度等の特性値
の測定のために必要となる溶液試料の塗布量は非常に少
量で良く、原料の消費量を大きく低減できる。また、同
一の基板上に塗布した少量の溶液試料を同時に焼成して
目的とする無機材料を製造するので、焼成に要するエネ
ルギー消費も非常に少なくなる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、原料やエネルギーの消
費が非常に少なく、しかも非常に短時間で多数の無機材
料を合成することができ、しかも、合成後の特性評価に
適当な形状の試料を簡単に作製できる。
費が非常に少なく、しかも非常に短時間で多数の無機材
料を合成することができ、しかも、合成後の特性評価に
適当な形状の試料を簡単に作製できる。
【0028】従って、本発明方法で無機材料を製造する
ことにより、機能性無機材料の探索を非常に高効率化す
ることができる。しかも本発明方法は、地球環境に優し
い斬新な無機材料の製造方法といえる。
ことにより、機能性無機材料の探索を非常に高効率化す
ることができる。しかも本発明方法は、地球環境に優し
い斬新な無機材料の製造方法といえる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0030】実施例1
図1及び図2に模式的に示した装置を用いて下記の方法
で無機材料を製造した。
で無機材料を製造した。
【0031】原料とする金属成分としてCa、Sr、B
i、Co、Mn及びFeを選択し、これらの各金属成分
毎に、それぞれのナフテン酸塩をキシレンに溶解した6
種類の溶液を原料溶液として用いた。
i、Co、Mn及びFeを選択し、これらの各金属成分
毎に、それぞれのナフテン酸塩をキシレンに溶解した6
種類の溶液を原料溶液として用いた。
【0032】これらの原料溶液を原料容器1に入れて所
定の位置に配置し、分注装置4を用いて、上記の各金属
のモル比が0〜3の範囲で、比の重複がないようにコン
ピュータ制御によって精密に原料溶液を採取し、試料容
器2に自動注入した。この際、原料溶液の種類を変更す
る毎に、ノズル3を交換した。この様にして、96種類
の試料溶液を作製した。混合後の一試料の溶液量は20
0μlとした。96種類の試料溶液の作製に要した時間
は15分という短時間であった。
定の位置に配置し、分注装置4を用いて、上記の各金属
のモル比が0〜3の範囲で、比の重複がないようにコン
ピュータ制御によって精密に原料溶液を採取し、試料容
器2に自動注入した。この際、原料溶液の種類を変更す
る毎に、ノズル3を交換した。この様にして、96種類
の試料溶液を作製した。混合後の一試料の溶液量は20
0μlとした。96種類の試料溶液の作製に要した時間
は15分という短時間であった。
【0033】次いで、分注装置4を用いて、これらの試
料容器2から試料溶液を自動精密吸引し、アルミナ基板
5上に線状に塗布した。この際、試料溶液の種類を変更
する毎に、ノズル3を交換した。本実施例では電気特性
測定用試料の合成を目的としているため、一試料あたり
の塗布量を5μlとして、1cmの長さで試料溶液の線
を引いた。この時も、塗布する試料形状、塗布量、塗布
位置はコンピューターにより自動精密制御した。この様
にして、アルミナ基板5上の異なる位置に、96種類の
試料溶液を長さ1cmの線状に塗布した。96種類の試
料溶液の塗布に要した時間は1時間以内であった。
料容器2から試料溶液を自動精密吸引し、アルミナ基板
5上に線状に塗布した。この際、試料溶液の種類を変更
する毎に、ノズル3を交換した。本実施例では電気特性
測定用試料の合成を目的としているため、一試料あたり
の塗布量を5μlとして、1cmの長さで試料溶液の線
を引いた。この時も、塗布する試料形状、塗布量、塗布
位置はコンピューターにより自動精密制御した。この様
にして、アルミナ基板5上の異なる位置に、96種類の
試料溶液を長さ1cmの線状に塗布した。96種類の試
料溶液の塗布に要した時間は1時間以内であった。
【0034】塗布時、試料溶液の広がりを抑えるため、
アルミナ基板を加熱し、塗布後有機溶媒が直ちに蒸発す
るようにした。
アルミナ基板を加熱し、塗布後有機溶媒が直ちに蒸発す
るようにした。
【0035】次いで、アルミナ基板を850℃で5時間
加熱することによって、アルミナ基板上で、96種類の
複合酸化物を合成した。
加熱することによって、アルミナ基板上で、96種類の
複合酸化物を合成した。
【0036】複合酸化物の合成後、四探針法により電気
導電性を測定した。96種類の試料の測定に要した時間
は約5分という短時間であり、精密な抵抗率を得ること
ができた。その結果、五つの導電物質を見出すことがで
き、無機材料の探索が非常に高効率化された。
導電性を測定した。96種類の試料の測定に要した時間
は約5分という短時間であり、精密な抵抗率を得ること
ができた。その結果、五つの導電物質を見出すことがで
き、無機材料の探索が非常に高効率化された。
【図1】原料溶液の採取及び試料溶液の調製に用いる装
置を模式的に示す図面。
置を模式的に示す図面。
【図2】試料溶液を基板上に塗布するための装置を模式
的に示す図面。
的に示す図面。
1 原料容器、 2 試料容器、 3 吸引
・排出ノズル、4 分注装置、 5 基板
・排出ノズル、4 分注装置、 5 基板
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Fターム(参考) 4G042 DA02 DB08 DE02 DE03 DE14
4G075 AA23 AA39 BA10 BB02 BB10
CA02 DA02 EC01
Claims (3)
- 【請求項1】下記の工程からなる無機材料の製造方法: (i)原料として金属成分を含有する溶液を2種類以上
用い、各原料溶液ごとに溶液を採取し、複数の試料容器
中に、各容器に対して予め決めた量の溶液を順次注入
し、複数の異なる組成の試料溶液を調製する工程、(i
i)上記(i)工程で調製された試料溶液を試料容器か
ら採取し、試料溶液の種類ごとに、基板上の異なる位置
に塗布する工程、(iii)複数の試料溶液が塗布された
基板を加熱して、該基板上で複数の無機材料を合成する
工程。 - 【請求項2】(i)2個以上の原料溶液用容器、(ii)
吸引・排出ノズルを有し、且つ該ノズルの吸引位置と排
出位置を制御する機構と、溶液の採取量及び排出量を制
御する機構を備えた分注装置、(iii)複数の試料容
器、並びに(iv)試料溶液塗布用の基板の設置部、を有
する無機材料製造装置。 - 【請求項3】分注装置が、更に、吸引・排出ノズルを試
料溶液塗布用の基板面上を該基板面と平行方向に移動で
きる機構を有するものである請求項2に記載の無機材料
製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001284241A JP2003088750A (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 無機材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001284241A JP2003088750A (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 無機材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003088750A true JP2003088750A (ja) | 2003-03-25 |
Family
ID=19107596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001284241A Pending JP2003088750A (ja) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | 無機材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003088750A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109030079A (zh) * | 2018-09-07 | 2018-12-18 | 长沙矿冶研究院有限责任公司 | 一种多金属结核取样器 |
EP4213154A1 (en) | 2022-01-18 | 2023-07-19 | Fujitsu Limited | Information processing program, information processing method, and information processing apparatus |
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JP2001219052A (ja) * | 2000-02-08 | 2001-08-14 | National Institute For Materials Science | 化学反応処理装置 |
JP2001239197A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-09-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ペースト塗布装置およびペースト塗布方法 |
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2001
- 2001-09-19 JP JP2001284241A patent/JP2003088750A/ja active Pending
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