JP2003085833A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JP2003085833A
JP2003085833A JP2001277665A JP2001277665A JP2003085833A JP 2003085833 A JP2003085833 A JP 2003085833A JP 2001277665 A JP2001277665 A JP 2001277665A JP 2001277665 A JP2001277665 A JP 2001277665A JP 2003085833 A JP2003085833 A JP 2003085833A
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JP2001277665A
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English (en)
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寛史 ▲高▼▲崎▼
Hiroshi Takasaki
Hideki Ishizaki
秀樹 石▲崎▼
Hiroyasu Inoue
弘康 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に、反射層、記録層及び光透過層をこ
の順に形成するタイプの光ディスクの製造方法におい
て、記録層の成膜条件が適切に設定された光ディスクの
製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上に、反射層12、記録層14及び
光透過層16をこの順に形成する光ディスクの製造方法
であって、記録層16の成膜速度を5nm/sec以上
に設定する。これにより、ジッタの低い光ディスクを製
造することが可能となる。特に、記録層14の成膜速度
を50nm/sec以下に設定することが好ましく、反
射層12の成膜速度を15nm/sec以上に設定する
ことがさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの製造
方法に関し、特に、反射膜を形成した後に記録膜を形成
するタイプの光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量のデジタルデータを記録す
るための記録媒体として、CDやDVDに代表される光
ディスクが広く用いられている。一般的な光ディスク
は、光入射面側から、光透過層、記録層、反射層、保護
層の順に各層が積層されてなり、データの読み出しに際
しては、光透過層側からレーザが照射されてその反射光
が検出される。
【0003】図5は、一般的な光ディスクの一種である
DVD−RWの構造を概略的に示す部分断面図である。
【0004】図5に示されるように、DVD−RWは、
厚さが約0.6mmの光透過層1と、厚さが50〜80
nmの第1の誘電体層2と、厚さが約10〜30nmの
記録層3と、厚さが10〜30nmの第2の誘電体層4
と、厚さが約90〜150nmの反射層5と、厚さが約
5μmの保護層6によって構成される。また、ディスク
の中心部分には孔7が設けられている。一般に、光透過
層1はポリカーボネートからなり、第1の誘電体層2は
ZnS−SiOからなり、記録層3はAgInSbT
eGe等の相変化化合物からなり、第2の誘電体層4は
ZnS−SiO からなり、反射層5はアルミニウム合
金からなり、保護層6は紫外線硬化性樹脂からなる。こ
のような構成を有するDVD−RWの作製においては、
まず、スタンパを用いてプリグルーブを有する光透過層
1を射出成形し、次に、光透過層1のうち、プリグルー
ブが形成されている面にスパッタリング法によって第1
の誘電体層2、記録層3、第2の誘電体層4、反射層5
をこの順に成膜する。そして、反射層5の表面に紫外線
硬化性樹脂をスピンコート法により形成することによっ
て、保護層6を形成する。これにより、光透過層1、第
1の誘電体層2、記録層3、第2の誘電体層4、反射層
5及び保護層6からなるDVD−RWが作製される。
【0005】記録層3を構成する相変化化合物は、結晶
相である場合とアモルファス相である場合とで光学定数
が異なっており、これを利用してデジタルデータの記録
を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年における情報技術
の進歩に伴い、記録媒体の一つである光ディスクは高速
化・大容量化の必要に迫られている。光ディスクを高速
化・大容量化するためには、記録・再生レーザの短波長
化や光ディスク用ヘッドの高開口数(Numerica
l Aperture:NA)化を行うことが有効であ
る。
【0007】しかしながら、光ディスク用ヘッドが高N
A化すると、チルトマージンが小さくなるという問題が
生じてしまう。チルトマージンTは、記録・再生レーザ
の波長をλ、記録・再生レーザが入射する光透過層の厚
さをdとすると、次式によって表すことができる。
【0008】
【数1】 式(1)から明らかなように、チルトマージンは光ディ
スク用ヘッドのNAが大きいほど小さくなってしまう。
また、波面収差(コマ収差)が発生する光透過層の屈折
率をn、傾き角をθとすると、波面収差係数Wは、次式
によって表すことができる。
【0009】
【数2】 式(1)及び式(2)から明らかなように、チルトマー
ジンを大きくし、且つ、コマ収差の発生を抑えるために
は、記録・再生レーザが入射する光透過層の厚さdを小
さくすればよい。例えば、CD(NA=0.45)に代
表される従来の光ディスクに使用されている光透過層の
厚みが約1.2mmであるのに対し、DVD(NA=
0.6)においてはこれよりも薄い約0.6mmの厚み
の光透過層を用いるのはこのためである。
【0010】近年、光ディスクの高速化・大容量化を実
現するために、光ディスク用ヘッドのNAを約0.85
程度まで大きくする提案がなされているが、この場合、
チルトマージンを大きくし、且つ、コマ収差の発生を抑
えるためには、透明基体の厚さとしては約0.1mm程
度まで薄くする必要がある。
【0011】ところが、現在光透過層の材料として一般
的に用いられているポリカーボネート等を射出成形法を
用いて、膜厚が0.1mm程度となるように薄く成形す
ると、十分な機械的強度が確保できなくなるという問題
が生じる。
【0012】これを解決するために、ポリカーボネート
等からなる基板上に、反射層、誘電体層、記録層、誘電
体層及び光透過層をこの順に形成することにより、光透
過層が薄膜化された光ディスクが提案されている。この
ようなタイプの光ディスクにおいては、基板の反対側か
ら記録・再生レーザが入射するため、基板の厚みを十分
に厚くすることができる。したがって、このようなタイ
プの光ディスクを用いれば、基板の機械的強度を十分に
確保しつつ、高NAの光ディスク用ヘッドを利用するこ
とが可能となる。高NAの光ディスク用ヘッドを利用す
ると、記録・再生レーザのビームスポットを非常に小さ
く絞ることができるため、光ディスクのトラックピッチ
やグルーブ幅を上述した一般的なDVD−RWに比べて
大幅に狭くすることが可能となる。
【0013】このようなタイプの光ディスクにおいて
も、反射層や誘電体層、記録層等の成膜方法は、基本的
に、従来より用いられているスパッタリング法をそのま
ま用いることが可能であるが、上述した一般的なDVD
−RWとは成膜順序が異なること、並びに、上述した一
般的なDVD−RWよりもトラックピッチやグルーブ幅
がかなり狭いことから、適切な成膜条件は、従来の一般
的なDVD−RWにおける成膜条件と異なるものと考え
られる。
【0014】したがって、本発明の目的は、成膜条件が
適切に設定された光ディスクの製造方法を提供すること
である。
【0015】また、本発明の他の目的は、基板上に、反
射層、記録層及び光透過層をこの順に形成するタイプの
光ディスクの改良された製造方法を提供することであ
る。
【0016】また、本発明のさらに他の目的は、基板上
に、反射層、記録層及び光透過層をこの順に形成するタ
イプの光ディスクの製造方法において、記録層の成膜条
件が適切に設定された光ディスクの製造方法を提供する
ことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
基板上に、反射層、記録層及び光透過層をこの順に形成
する光ディスクの製造方法であって、前記記録層の成膜
速度を5nm/sec以上に設定したことを特徴とする
光ディスクの製造方法によって達成される。
【0018】本発明によれば、記録層の成膜速度が適切
に設定されていることから、ジッタの低い光ディスクを
製造することが可能となる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記記録層の成膜速度が50nm/sec以下に設定され
ている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射層の成膜速度が15nm/sec以上に設
定されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射層及び前記記録層をスパッタリング法によ
り形成し、前記光透過層をスピンコート法により形成す
る。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、スパッタリング法によって前記反射層と前記記録層
との間に第2の誘電体層を形成し、スパッタリング法に
よって前記記録層と前記光透過層との間に第1の誘電体
層を形成する。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記反射層の形成から前記第1の誘電体層の形成ま
での各スパッタリング工程を、減圧状態を維持しながら
連続的に実行する。
【0024】尚、本明細書において「この順に」とは、
「対象となる層についてこの順に」の意であり、対象と
なる各層間におけるその他の層の存在を排除するもので
はない。したがって、対象となる各層の間にその他の層
が介在している場合であっても、対象となる層に関して
当該順序が保たれている限り、「この順に」に含まれ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る方法により製造されるべき光ディスク10の構造を概
略的に示す部分断面図である。
【0027】図1に示されるように、光ディスク10
は、厚さが約1.1mmの基板11と、厚さが約100
nmの反射層12と、厚さが約20nmの第2の誘電体
層13と、厚さが約12nmの記録層14と、厚さが約
135nmの第1の誘電体層15と、厚さが約100μ
mの光透過層16とによって構成される。また、光ディ
スク10の中心部分には孔17が設けられている。基板
11はポリカーボネートやポリオレフィンからなり、反
射層12は銀を主成分とする合金からなり、第2の誘電
体層13はAlからなり、記録層14はAgIn
SbTeGeからなり、第1の誘電体層15はZnS−
SiOからなり、光透過層16は紫外線硬化性樹脂
や、ポリカーボネートやポリオレフィン等の樹脂性シー
トからなる。
【0028】このような構造を有する光ディスク10か
らのデータの読み出しに際しては、光透過層16側から
例えば約405nmの波長を持つ読み出し用レーザが照
射される。照射された読み出し用レーザは、記録層14
を通って反射膜12によって反射し、再び記録層14を
通って光透過層16から戻る。ここで、記録層14を構
成するAgInSbTeGeは相変化化合物であり、結
晶相である場合とアモルファス相である場合とで光学定
数が異なっていることから、読み出し用レーザの反射光
量を検出することにより、読み出し用レーザが照射され
た部分における記録層14が結晶相であるかアモルファ
ス相であるかを判別することができる。記録層14が結
晶相であるかアモルファス相であるかは、記録されてい
るデジタルデータに対応していることから、これを判別
することにより、記録されているデジタルデータを読み
出すことが可能となる。
【0029】一方、光ディスク10へのデータの書き込
みに際しては、光透過層14側から例えば380〜45
0nmの波長を持つ書き込み用レーザが照射され、これ
により当該部分における記録層14の状態が、結晶相及
びアモルファス相のいずれか一方とされる。これによ
り、所望のデジタルデータを記録層14に記録すること
が可能となる。
【0030】また、記録層14を挟むように設けられた
第2の誘電体層13及び第1の誘電体層15は、記録層
14に対する保護膜として機能する。
【0031】次に、光ディスク10の製造方法について
説明する。
【0032】図2は、光ディスク10の製造方法を示す
フローチャートである。上述のとおり、光ディスク10
の光透過層16は厚さが約100μmと非常に薄く、こ
のため、従来の一般的なDVD−RWとは逆の順序で成
膜が行われる。
【0033】まず、スタンパを用いて、グルーブ幅が
0.1〜0.2μm、トラックピッチが約0.3μm、
グルーブの深さが約20nmであるプリグルーブを有す
る厚さが約1.1mmの基板11を射出成形する(ステ
ップS1)。
【0034】次に、基板11のうち、プリグルーブが形
成されている面(情報領域)にスパッタリング法によっ
て、銀を主成分とする合金を成膜することにより、厚さ
が約100nmの反射層12を形成する(ステップS
2)。反射層12の成膜速度としては、15nm/se
c〜150nm/secに設定することが好ましい。
【0035】次に、反射層12の上面にスパッタリング
法によってAlを成膜することにより、厚さが約
20nmの第2の誘電体層13を形成する(ステップS
3)。第2の誘電体層13の成膜速度としては、1nm
/sec〜20nm/secに設定することが好まし
い。
【0036】次に、第2の誘電体層13の上面にスパッ
タリング法によってAgInSbTeGeを成膜するこ
とにより、厚さが約12nmの記録層14を形成する
(ステップS4)。記録層14の形成における好ましい
成膜条件については後述する。
【0037】次に、記録層14の上面にスパッタリング
法によってZnS−SiOを成膜することにより、厚
さが約130nmの第1の誘電体層15を形成する(ス
テップS5)。第1の誘電体層15の成膜速度として
は、1nm/sec〜20nm/secに設定すること
が好ましい。
【0038】そして、第1の誘電体層15の表面に紫外
線硬化性樹脂をスピンコート法により成膜することによ
って、厚さが約100μmの光透過層16を形成する
(ステップS6)。以上により、光ディスク10が作製
される。尚、光透過層16の形成については、あらかじ
め成形されたポリカーボネートやポリオレフィン等の樹
脂性シート材を第1の誘電体層15の表面に接着するこ
とによって行っても構わない。
【0039】このように、反射層12の形成から第1の
誘電体層15の形成までの工程には、全てスパッタリン
グ法が用いられている。このため、反射層12の形成か
ら第1の誘電体層15の形成までの各工程は、マルチチ
ャンバー型のスパッタリング装置を用いることにより、
反射層12の形成から第1の誘電体層15の形成までの
各工程を、減圧状態を維持しながら連続的に実行するこ
とが好ましい。このように、減圧状態を維持しながらこ
れら各スパッタリング工程を連続的に実行すれば、生産
性が向上するとともに、光ディスク10への異物の混入
を抑制することができる。
【0040】次に、記録層14の形成(ステップS4)
における好ましい条件について説明する。
【0041】図3は、記録層14の成膜速度と、作製さ
れた光ディスク10のジッタとの関係を示すグラフであ
る。
【0042】図3に示されるように、作製された光ディ
スク10のジッタは、記録層14の成膜速度が速いほど
低下する傾向にあることが分かる。かかるジッタの低下
は、記録層14の成膜速度が約5nm/sec未満であ
る領域において顕著であり、約5nm/sec以上の領
域においては大きく変化していない。このことから、記
録層14の成膜速度としては、約5nm/sec以上に
設定することが好ましいと言える。
【0043】このように、作製された光ディスク10の
ジッタが記録層14の成膜速度に依存する理由は、反射
層12が形成されている基板11に対して、スパッタリ
ングによる各種成膜を行っていることに起因していると
考えられる。つまり、反射層12の表面に第2の誘電体
層13をスパッタリングにより形成する際、下地となる
反射層12が金属であることから、これが第2の誘電体
層13の膜質に影響を与え、ひいては、その表面に形成
される記録層14の膜質に影響を与えているものと考え
られる。また、光ディスク10においては、従来の一般
的なDVDと比べて狭グルーブ化、狭トラックピッチ化
されていることから、上記影響が顕在化したものである
と考えられる。
【0044】尚、生産性を考慮すれば、記録層14の成
膜速度としては、速ければ速いほど好ましい。かかる観
点より、記録層14の成膜速度としては、約5nm/s
ec以上の領域において、より速く設定することが好ま
しい。記録層14の成膜速度を速くするためには、スパ
ッタリング時に印加する電力を高くしたり、ターゲット
と基板11との距離を狭くすればよい。しかし、スパッ
タリング時の電力を過度に高くしたりターゲットと基板
11との距離を過度に狭くすると、基板11の温度上昇
が著しくなり、基板11の材料として好適に用いること
ができるポリカーボネートが使用できなくなってしま
う。さらに、記録層14の成膜速度を過度に速く設定す
ると、成膜時間が非常に短くなることから膜厚の正確な
制御が困難となってしまう。かかる観点をも考慮すれ
ば、記録層14の成膜速度として、約50nm/sec
を越える速度に設定することは好ましくない。
【0045】以上を総合すれば、記録層14の成膜速度
としては、約5〜50nm/secの範囲に設定するこ
とがより好ましいと言える。
【0046】図4は、反射層12の成膜速度と、作製さ
れた光ディスク10のジッタとの関係を示すグラフであ
る。
【0047】図4に示されるように、作製された光ディ
スク10のジッタは、反射層12の成膜速度が速いほど
低下する傾向にあることが分かる。かかるジッタの低下
は、反射層12の成膜速度が約15nm/sec未満で
ある領域において顕著であり、約15nm/sec以上
の領域においては大きく変化していない。このことか
ら、反射層12の成膜速度としては、約15nm/se
c以上に設定することが好ましいと言える。
【0048】尚、生産性を考慮すれば、反射層12の成
膜速度としては、速ければ速いほど好ましい。かかる観
点より、反射層12の成膜速度としては、約15nm/
sec以上の領域において、より速く設定することが好
ましい。但し、スパッタリングによる成膜速度を過度に
速く設定した場合には、上述した問題が発生することか
ら、反射層12の成膜速度として、約50nm/sec
を越える速度に設定することは好ましくない。
【0049】以上を総合すれば、反射層12の成膜速度
としては、約15〜50nm/secの範囲に設定する
ことがより好ましいと言える。
【0050】このように、本実施態様による光ディスク
の製造方法においては、基板11上に、反射層12、第
2の誘電体層13、記録層14、第1の誘電体層15及
び光透過層16を順次成膜し、記録層14の成膜におい
て、その成膜速度を約5nm/sec以上に設定し、反
射層12の成膜において、その成膜速度を約15nm/
sec以上に設定していることから、ジッタの低い光デ
ィスク10を作製することが可能となる。
【0051】
【実施例】実施例1 まず、スタンパを用いて、グルーブ幅が約0.15μ
m、トラックピッチが約0.3μm、グルーブの深さが
約20nmであるプリグルーブを有する厚さが約1.1
mmの基板11を射出成形した。
【0052】次に、バルザス社製スパッタリング装置
(ビッグスプリンター)の第1のチャンバー内のステー
ジに、プリグルーブが形成されている面が露出するよう
に基板11を載置するとともに、Ag合金のターゲット
をセットし、同チャンバー内のアルゴンガス圧を約0.
5Paに設定した。この状態において、ターゲットに
3.0KWの電力を印加してグロー放電を発生させ、こ
れによって、基板11のうちプリグルーブが形成されて
いる面に、約30nm/secの成膜速度で、銀を主成
分とする合金を成膜させた。かかる成膜は膜厚が約10
0nmになるまで行い、これによって、基板11の表面
に、銀を主成分とする合金からなる反射層12を形成し
た。
【0053】次に、減圧状態を維持しつつ、同スパッタ
リング装置の第2のチャンバーに基板11を移動させ、
同チャンバー内のステージに反射層12が形成されてい
る面が露出するように基板11を載置するとともに、A
のターゲットをセットし、同チャンバー内のア
ルゴンガス圧を約0.6Paに設定した。この状態にお
いて、ターゲットに3.0KWの電力を印加してグロー
放電を発生させ、これによって、反射層12の表面に、
約1.2nm/secの成膜速度で、Al を成膜
させた。かかる成膜は膜厚が約20nmになるまで行
い、これによって、反射層12の表面に、Al
らなる第2の誘電体層13を形成した。
【0054】次に、減圧状態を維持しつつ、同スパッタ
リング装置の第3のチャンバーに基板11を移動させ、
同チャンバー内のステージに第2の誘電体層13が形成
されている面が露出するように基板11を載置するとと
もに、Ag、In、Sb、Te及びGeの混合ターゲッ
トをセットし、同チャンバー内のアルゴンガス圧を約
0.5Paに設定した。この状態において、ターゲット
に0.3KWの電力を印加してグロー放電を発生させ、
これによって、第2の誘電体層13の表面に、約6nm
/secの成膜速度で、AgInSbTeGe膜を成膜
させた。かかる成膜は膜厚が約12nmになるまで行
い、これによって、第2の誘電体層13の表面に、Ag
InSbTeGeからなる記録層14を形成した。
【0055】次に、減圧状態を維持しつつ、同スパッタ
リング装置の第4のチャンバーに基板11を移動させ、
同チャンバー内のステージに記録層14が形成されてい
る面が露出するように基板11を載置するとともに、Z
nS及びSiOの混合ターゲットをセットし、同チャ
ンバー内のアルゴンガス圧を約0.4Paに設定した。
この状態において、ターゲットに4.5KWの電力を印
加してグロー放電を発生させ、これによって、記録層1
4の表面に、約10nm/secの成膜速度で、ZnS
−SiOを成膜させた。かかる成膜は膜厚が約130
nmになるまで行い、これによって、記録層14の表面
に、ZnS−SiOからなる第1の誘電体層15を形
成した。
【0056】次に、同スパッタリング装置から基板11
を取り出し、スピンコート法により第1の誘電体層15
の表面に厚さが約100μmとなるように紫外線硬化性
樹脂を塗布した。次いで、紫外線を照射して紫外線硬化
性樹脂を硬化させ、これにより、厚さが約100μmの
光透過層16を形成した。
【0057】このようにして作製した光ディスク10に
ついてジッタを測定した。ジッタの測定においては、パ
ルステック工業社製光ディスク評価装置(DDU−10
00:λ=405nm、NA=0.85)と横河電機社
製Time Interval Analyzer(T
A−520)を用い、記録/再生時の線速度を5.3m
/secに設定し、ビット長を0.12μm/ビットに
設定した。その結果、ジッタは6.8%であり、良好な
結果が得られた。
【0058】実施例2 記録層14の成膜条件として、アルゴンガス圧を約0.
5Pa、ターゲットへの印加電力を0.6KW、成膜速
度を約11.2nm/secとし、その他の各層の成膜
条件を上記実施例1と同じ条件に設定して光ディスク1
0を作製した。
【0059】このようにして作製した光ディスク10に
ついて、実施例1と同じ条件でジッタを測定した。その
結果、ジッタは6.7%であり、実施例1よりもさらに
良好な結果が得られた。
【0060】実施例3 反射層12の成膜条件として、アルゴンガス圧を約0.
5Pa、ターゲットへの印加電力を1.5KW、成膜速
度を約15nm/secとし、その他の各層の成膜条件
を上記実施例1と同じ条件に設定して光ディスク10を
作製した。
【0061】このようにして作製した光ディスク10に
ついて、実施例1と同じ条件でジッタを測定した。その
結果、ジッタは6.8%であり、実施例1と同じ結果が
得られた。
【0062】実施例4 反射層12の成膜条件として、アルゴンガス圧を約0.
5Pa、ターゲットへの印加電力を4.5KW、成膜速
度を約45nm/secとし、その他の各層の成膜条件
を上記実施例1と同じ条件に設定して光ディスク10を
作製した。
【0063】このようにして作製した光ディスク10に
ついて、実施例1と同じ条件でジッタを測定した。その
結果、ジッタは6.8%であり、実施例1と同じ結果が
得られた。
【0064】比較例1 記録層14の成膜条件として、アルゴンガス圧を約0.
5Pa、ターゲットへの印加電力を0.15KW、成膜
速度を約3nm/secとし、その他の各層の成膜条件
を上記実施例1と同じ条件に設定して光ディスク10を
作製した。
【0065】このようにして作製した光ディスク10に
ついて、実施例1と同じ条件でジッタを測定した。その
結果、ジッタは7.2%であり、各実施例1〜4よりも
高い数値を示した。
【0066】比較例2 記録層14の成膜条件として、アルゴンガス圧を約0.
2Pa、ターゲットへの印加電力を0.1KW、成膜速
度を約0.25nm/secとし、その他の各層の成膜
条件を上記実施例1と同じ条件に設定して光ディスク1
0を作製した。
【0067】このようにして作製した光ディスク10に
ついて、実施例1と同じ条件でジッタを測定した。その
結果、ジッタは7.8%であり、各実施例1〜4よりも
高い数値を示した。
【0068】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0069】また、上記実施態様においては、反射層1
2の材料として銀を主成分とする合金を用いているが、
反射層12の材料としてはこれに限定されず、レーザ光
に対する反射率が十分高ければ、アルミニウムを主成分
とする合金等、他の材料を用いて反射層12を構成して
も構わない。但し、レーザ光に対する反射率、成膜時に
おける平坦性、並びに、熱伝導性を考慮すれば、銀を主
成分とする合金を用いることが最も好ましい。
【0070】さらに、上記実施態様においては、基板1
1の表面に反射層12を直接成膜しているが、これらの
間に誘電体層を介在させても構わない。かかる誘電体層
は、反射層12に対する防湿層として機能するため、作
製される光ディスク10の信頼性を高めることが可能と
なる。このような誘電体層の成膜には、スパッタリング
法を用いることができる。
【0071】また、上記実施態様においては、記録層1
4をAgInSbTeGe膜によって構成しているが、
これ以外の材料(例えば、InSbTeGe膜)によっ
て構成してもよく、また、これを多層構造としても構わ
ない。
【0072】さらに、上記実施態様においては、第1の
誘電体層15をZnS−SiO膜からなる一層構造と
しているが、これを多層構造としても構わない。この場
合、第1の誘電体層15を、ZnSとSiOの比率が
異なる複数のZnS−SiO 膜によって構成しても構
わないし、ZnS−SiO膜とこれ以外の誘電体膜か
らなる多層構造であっても構わない。また、第1の誘電
体層15をZnS−SiO膜以外の誘電体膜からなる
一層構造または多層構造としても構わない。
【0073】同様に、上記実施態様においては、第2の
誘電体層13をAl膜からなる一層構造としてい
るが、これをAl膜とこれ以外の誘電体膜からな
る多層構造としても構わない。また、第2の誘電体層1
3をAl膜以外の誘電体膜からなる一層構造また
は多層構造としても構わない。
【0074】また、本実施態様により成膜される基板1
1、反射層12、第2の誘電体層13、記録層14、第
1の誘電体層15及び光透過層16の上記膜厚は本発明
における一例であり、本発明がこれに限定されるもので
はない。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録膜14の成膜速度を適切に設定していることから、
ジッタの低い光ディスク10を製造することが可能とな
る。特に、本発明による効果は、グルーブ幅、トラック
ピッチ及びグルーブの深さが小さいほど顕著である。し
たがって、本発明は、NA>0.8といった高NAレン
ズ及び波長λ<450nmといった短い波長のレーザビ
ームを用いることによって、ビット長<0.2μm/b
itに設定されたシステムに用いられる光ディスクの製
造に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかる方法により
製造されるべき光ディスク10の構造を概略的に示す部
分断面図である。
【図2】光ディスク10の製造方法を示すフローチャー
トである。
【図3】記録層14の成膜速度と作製された光ディスク
10のジッタとの関係を示すグラフである。
【図4】反射層12の成膜速度と作製された光ディスク
10のジッタとの関係を示すグラフである。
【図5】一般的な光ディスクの一種であるDVD−RW
の構造を概略的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 光透過層 2 第1の誘電体層 3 記録層 4 第2の誘電体層 5 反射層 6 保護層 7 孔 10 光ディスク 11 基板 12 反射層 13 第2の誘電体層 14 記録層 15 第1の誘電体層 16 光透過層 17 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 弘康 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D121 AA01 AA05 EE03 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、反射層、記録層及び光透過層
    をこの順に形成する光ディスクの製造方法であって、前
    記記録層の成膜速度を5nm/sec以上に設定したこ
    とを特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記記録層の成膜速度を50nm/se
    c以下に設定したことを特徴とする請求項1に記載の光
    ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反射層の成膜速度を15nm/se
    c以上に設定したことを特徴とする請求項1または2に
    記載の光ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 スパッタリング法によって前記反射層と
    前記記録層との間に第2の誘電体層を形成し、スパッタ
    リング法によって前記記録層と前記光透過層との間に第
    1の誘電体層を形成することを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項に記載の光ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記反射層の形成から前記第1の誘電体
    層の形成までの各スパッタリング工程を、減圧状態を維
    持しながら連続的に実行することを特徴とする請求項4
    に記載の光ディスクの製造方法。
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