JP2003085699A - 積雪によるilsのグライドパス進入コース予測方法及びその装置 - Google Patents
積雪によるilsのグライドパス進入コース予測方法及びその装置Info
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- JP2003085699A JP2003085699A JP2001271091A JP2001271091A JP2003085699A JP 2003085699 A JP2003085699 A JP 2003085699A JP 2001271091 A JP2001271091 A JP 2001271091A JP 2001271091 A JP2001271091 A JP 2001271091A JP 2003085699 A JP2003085699 A JP 2003085699A
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Abstract
査以外に監視する方法がない。 【解決手段】 積雪の反射面は、階段状積雪構造のGP
反射面と,前方地形反射面とが形成され、階段状積雪形
状データ発生部と、前方地形データ発生部と、積雪の誘
電率測定装置と、誘電率の時の雪深を求める雪深測定装
置と、形状データと前記代表的な誘電率と雪深とから階
段状積雪構造の地面反射係数を求める機能と、この地面
反射係数から受信点における電界強度を求める機能と、
前方地形からの回析波を求める機能と、受信点における
反射波と直接波と回析波のそれぞれ電界強度とからパス
角の変化とパス幅の変化とを求めてGP進入コースを予
測する機能とを有する。 【効果】 積雪の誘電率やGP反射面の地形及びこの前
方に存在する前方地形をデータとしてGP進入コースを
予測することが出来る。
Description
陸装置(以下、ILSと記す)におけるグライドパス
(以下、GPと記す)進入コース予測方法及びその装置
に関し、特に、GP反射面の積雪の誘電率及び雪深によ
るパス角変化を求めてGP進入コースを予測する方法及
びその装置に関するものである。
陸システムであり、垂直方向の進入コース情報を与える
GPと、水平方向の進入コース情報を与えるローカライ
ザと、空港からの距離情報を与える3つのマーカとによ
り構成されている。
地面からの反射波を利用している。従って、地面反射の
反射率が変われば、GPの進入コースも変わることとな
るので、降雪地域にある空港では、GP反射面に積もっ
た雪により、反射率が変動し、それにつれてGP進入コ
ースが変化する。
ース90は、GPアンテナの前方300mまでのフレネ
ル反射面83上に設定された3つの反射点(図示せず)
からの反射波を利用して形成されるが、フレネル反射面
83に雪が積もると反射点が変化するとともに、積雪層
内では透過した電波が多重反射する等の理由により、G
P進入コース90は複雑に変化する。
しては、フィールドモニタ80がある。このフィールド
モニタ80では、GPアンテナ81の前方75mの位置
に、フィールドモニタアンテナ82を設置して、モニタ
信号を受信して、GPのパス角(3度)の変化、変調度
および電界強度を監視している。このように、このフィ
ールドモニタ80では、GP送信装置(図示せず)が故
障していないか否かを監視しているものであり、フレネ
ル反射面83上の雪の影響は考慮されておらず、フレネ
ル反射面83上の積雪によるGP進入コース90の変化
は全く監視されていない。
地面反射係数の季節変動を一定にするため、GPアンテ
ナ81とフィールドモニタアンテナ82間に電波反射用
の金網(図示せず)を敷設するとともに、この金網上に
5cm厚のアスファルト舗装を敷いたモニタ反射板84
を設置している。しかし、このモニタ反射板84上に積
もった雪が融雪するときには、広開口のGPアンテナ8
1とフィールドモニタアンテナ82との近接位相効果に
よる相乗効果により、モニタ指示値にシステム停止に至
る大きな変動が生じるることがある。このためフィール
ドモニタ80ではモニタ反射板84の除雪を頻繁にし、
雪の影響を排除している。88は滑走路中心線である。
進入コースの変化は、飛行検査以外に監視する方法がな
いのが実情であるが、その飛行検査も、冬季の気象条件
では、視界が悪く、有視界飛行で、即ち、目視での飛行
をしなくてはならない飛行検査の実施は、困難であると
いう問題点がある。
して、300mに渡ってフレネル反射面83上の積雪を
圧雪したり、除雪したりして、その雪深が30cm以下
となるようにし、この30cm領域85aの圧雪面85
から傾斜させた傾斜面86から自然積雪面87へと連設
した階段状積雪構造にして、GP進入コースが基準値か
らずれるのを防止するように努めている。しかしなが
ら、冬季の降雪時には、降雪量は時々刻々変化し、その
雪深が変動する。そのため、30cm領域85aの圧雪
や除雪作業に伴う費用や人手がかさみ、又、飛行検査の
結果では、傾斜面76領域においてGP電波が反射し
て、二重反射が発生し、進入コースのパス幅が広がると
いう問題がある。
変化を監視する方法は未だ有効なものは確立されていな
い。さらに、降雪地の空港では、現状のILSを高度運
用するニーズが増大してきている。以上のことを勘案す
れば、積雪によるGP進入コースの予測技術の開発が急
務となっている。
ースの変化を予測する予測システムを提供することを課
題とし、この課題を解決する手段としてフレネル反射面
83等の積雪の誘電率及びその時の雪深によるパス角変
化を求めて高精度のGP進入コースを予測することの出
来る方法及びその装置に関する発明をした。
は、ILSのグライドパス進入コースに影響する積雪の
反射面は、フレネル反射面を形成する一定雪深の圧雪面
から傾斜面を介して自然積雪面へと連設した階段状積雪
構造のGP反射面とこのGP反射面の前方に位置する前
方地形が形成する前方地形反射面とが形成され、前記階
段状積雪構造を表す形状データを求め、前記GP反射面
の前方に位置する前方地形の前方地形データを求め、前
記階段状積雪構造をなす積雪の代表的な誘電率とこの誘
電率の測定時における雪深を求め、前記形状データと前
記代表的な誘電率とこの時の雪深とから前記階段状積雪
構造の地面反射係数を受信点において求めるとともに、
その時の反射波の電界強度を求め、前記前方地形による
電波の回析波を求め、この回析波の受信点における回析
波の電界強度を求め、受信点における直接波の電界強度
を求め、受信点における前記反射波と前記直接波と前記
回析波のそれぞれ電界強度とからパス角の変化とパス幅
の変化とを求めてGP進入コースを予測するようにした
グライドパス進入コース予測方法である。
ドパス進入コースに影響する積雪の反射面は、フレネル
反射面を形成する一定雪深の圧雪面から傾斜面を介して
自然積雪面へと連設した階段状積雪構造のGP反射面と
このGP反射面の前方に位置する前方地形が形成する前
方地形反射面とが形成され、前記階段状積雪構造を表す
形状データを発生する階段状積雪形状データ発生部と、
前記GP反射面の前方に位置する前方地形の前方地形デ
ータを発生する前方地形データ発生部と、前記階段状積
雪構造をなす積雪の代表的な誘電率を測定する誘電率測
定装置と、前記誘電率の時の雪深を求める雪深測定装置
と、前記形状データと前記代表的な誘電率と雪深とから
前記階段状積雪構造の地面反射係数を求める機能と、こ
の地面反射係数から受信点における電界強度を求める機
能と、前記前方地形からの回析波を求める機能と、前記
受信点における前記反射波と前記直接波と前記回析波の
それぞれ電界強度とからパス角の変化とパス幅の変化と
を求めてGP進入コースを予測する機能とを有する予測
計算装置と、を備えたグライドパス進入コース予測装置
である。
定は、地面に設置され、電波が透過可能な透過ボード
と、この透過ボードの上方及び下方(地下)に対向して
配置した送信用及び受信用アンテナと、受信された透過
波の透過特性を測定するネットワークアナライザとを有
し、前記測定した前記透過特性から透過係数を求め、こ
の透過係数から前記積雪の誘電率を求める透過法による
誘電率測定装置を用いたことグライドパス進入コース予
測装置である。
装置は、それぞれ電気的特性及び形状が同一で、前記積
雪に電波を照射する測定用送信アンテナと前記積雪から
の反射波を受信する測定用受信アンテナとからなる測定
用アンテナと、この測定用アンテナとそれぞれ電気的特
性及び形状が同一で、測定機器の校正時に電波を照射す
る校正用送信アンテナとその反射波を受信する校正用受
信アンテナとからなる校正用アンテナと、反射特性を測
定するネットワークアナライザに接続され、校正系及び
測定系同軸ケーブルによりそれぞれ前記校正用アンテナ
と前記測定用アンテナとに接続されているとともに、前
記校正用アンテナと前記校正系同軸ケーブルとを有する
校正系と前記測定用アンテナと前記測定系同軸ケーブル
とを有する測定系とを切り換える手段を有する同軸切換
器と、この同軸切換器を介して前記校正系と前記測定系
とに接続されているとともに、前記校正系からの反射波
と前記測定系からの反射波との反射特性をそれぞれ測定
する前記ネットワークアナライザと、このネットワーク
アナライザでそれぞれ求めた前記校正系からの反射特性
と前記測定系からの反射特性とに基づいて前記積雪の誘
電率を算出する機能を有する反射法による誘電率測定装
置を用いたグライドパス進入コース予測装置である。
形状の等しい測定用送信アンテナと測定用受信アンテナ
とからなる測定用アンテナと、この測定用アンテナを同
軸切換器に接続する同軸ケーブルと前記測定用アンテナ
とを有する測定系が構成され、この測定系の電気的特性
と等しい電気的特性を有し、前記同軸切換器に接続され
たスルーの校正用伝送ケーブルと、ネットワークアナラ
イザに接続され、前記校正用伝送ケーブルと前記測定系
とを切り換える手段を有する前記同軸切換器と、この同
軸切換器を介して前記校正用伝送ケーブルと前記測定系
とに接続されているとともに、前記校正用伝送ケーブル
及び測定系からの校正特性と前記測定系からの反射特性
及びアンテナ間結合特性を測定する前記ネットワークア
ナライザと、前記反射特性、前記校正特性からそれぞれ
校正係数、反射係数を算出する機能と、前記測定機器校
正値の初期値を求める機能と、これらの値を保存する機
能と、測定した前記積雪の反射係数から前記積雪の誘電
率を算出する機能とを有する反射法による誘電率測定装
置とを用いたグライドパス進入コース予測装置である。
定装置は、前記電波の周波数帯において求めた前記積雪
の誘電率を、VHF〜マイクロ波帯において導出されて
いる実験式に基づいて、外挿法により測定に使用した電
波の周波数帯から他の周波数帯に換算する機能を有する
グライドパス進入コース予測装置である。
降雪量の多い青森空港において、積雪がGP進入コース
に与える影響について解析した。一方、積雪がGP進入
コースへ与える影響について飛行検査を行った。この検
査結果によれば、積雪の影響はパス角の変化にみなら
ず、パス幅が広がり偏位感度も低下することが判明し
た。そこで、発明者等はGP進入コースの変化を積雪の
誘電率をもとに数値解析により検討した。以下、これに
ついて説明する。
GPアンテナ81の前方、300m迄フレネル反射面8
3として圧雪、除雪して圧雪面85を形成し、それより
先を除雪しない自然積雪領域とした。青森空港の場合、
この自然積雪領域の雪深は、1〜1.6mにもなる。
に、GP進入コース8に影響を与える地形図の全体の積
雪面1の形状は、図2に示すフレネル反射面2を形成す
る一定雪深の圧雪面3から傾斜面4を介して自然積雪面
5へと連設した階段状積雪構造のGP反射面6と、この
GP反射面6の前方に位置する前方地形7とで形成され
ている。9は航空機、10、11はそれぞれ前方地形7
内に存在する丘と谷である。12は滑走路である。
うに、積雪の誘電率とパス角の変化を解析した。まず、
図3はフレネル反射面2の積雪の雪深をDw=0.15
m、0.25mとして雪質変化による25nm遠方のパ
ス角の変化を示している。この結果から判断すると、D
w=0.25m、誘電率の実数部ε’が1.5から2.
5に変化すると、遠方のGP進入コース8が10μAか
ら50μAに偏位することを示している。又、図4は積
雪の雪深をDw=0〜0.5mにした時のパス角の変化
を示しており、なお、直線は積雪面を地面に置き換えた
場合のパス角の変化を示している。積雪の波状変化は、
誘電率の増加につれて直線的に近似することが判明し
た。このように、その結果は実験データと対称性の良い
ことが確認された。従って、GP反射面上の積雪の誘電
率が測定できれば、GP進入コース8を高精度に予測で
きるとの判断に至った。
行うには、実際の積雪状態における誘電率を精度良く測
定する必要がある。しかしながら、フレネル反射面2に
堆積する積雪は、外気温の変化、降雪量等により積雪の
雪深が変化するとともに、その積雪断面は誘電率の異な
る層構造に堆積する性質があり、既存の方法では、その
ような積雪の誘電率、特に、GP周波数帯(330MH
z帯)の誘電率を精度良く測定する方法はなかった。
に測定することの出来る3種類の誘電率測定装置(それ
ぞれ実施例1〜実施例3として後述する)14(14
a、14b、14c)を用いて、この誘電率測定装置1
4から求めた空港の進入点付近の誘電率を入力データと
して、積雪時におけるGP進入コース8を予測するシス
テムを発明した。そこで、まず、以下にこの発明の各実
施例に共通な事項について詳細に説明する。
示すもので、積雪時のGP進入コース予測装置13を示
すシステム構成図、図6は第1の実施例で、透過法を用
いた誘電率測定装置14aを示し、図7は、この発明の
第2の実施例で、反射法を用いた誘電率測定装置14b
を示し、図8〜図9は、この発明の第3の実施例で、実
施例2と同様に、反射法を用いた誘電率測定装置14c
を示している。図11はこの発明のシステムブロック図
である。
進入コース予測装置で、積雪時における航空機9のGP
進入コース8を予測する。GPアンテナ81近傍のGP
反射面6(フレネル反射面2を含む)の積雪形状を示す
地形断面図6aは、図2に示す地形図と同様に、積雪の
雪深が30cmに圧雪された圧雪面3から傾斜をつけて
傾斜面4を形成し、自然積雪面5へと連設した階段状積
雪構造を表している。わが国で最も積雪量が多い青森空
港を例にとれば、GPアンテナ81までの300mをフ
レネル反射面2とし、このフレネル反射面2を30cm
以下に圧雪するか、又は、除雪して平坦にして圧雪面3
を形成している。それ以上遠方の領域は、経済的な理由
から傾斜をつけて傾斜面4を形成し、圧雪も除雪もしな
い自然の積雪領域に連続させて自然積雪面5としてい
る。この自然積雪領域の雪深は、1〜1.6mにもなる
ため、GP反射面6全体の積雪面の形状は、図2に示す
ように、階段状積雪構造となる。
めるもので、フレネル反射面2とフレネル反射面2に続
く自然積雪領域の積雪の誘電率が自動計測される。な
お、計測された誘電率は後述するデータファイルに誘電
率データとして格納されている。この誘電率測定装置1
4には、実施例1〜実施例3においてそれぞれ詳述する
ように、従来型の透過法を用いる装置14aと、発明者
等が発明(すでに出願した)した反射法を用いる2つの
タイプの装置14b、14cとが用いられる。この発明
の各実施例では、この誘電率測定装置14はフレネル反
射面とその先の自然積雪面5領域に各1台ずつ設置し、
両領域の誘電率を測定している。
形断面図6aから明らかであるように、階段状積雪構造
における各領域の積雪の雪深を測定するもので、各実施
例1〜3では、フレネル反射面2の領域、即ち、圧雪面
3には5台、自然積雪面5の領域には1台設置されてお
り、誘電率発生装置14で自動計測された誘電率の時の
雪深を自動計測している。そして、フレネル反射面2に
設置されている5台の雪深測定装置15からのそれぞれ
測定値は、通常はばらついているので、フレネル反射面
2領域の積雪を平坦と仮定し、5台の雪深測定装置で測
定した各測定値の平均値を求めた。又、自然積雪面5の
領域では、雪深の測量を2〜3点行い、その平均値を自
然積雪面5領域の雪深としている。さらに、傾斜面4の
領域では、一定の傾斜角度となるように、フレネル反射
面の圧雪、除雪時にブルドーザーで、均一にした。数点
の測量を行い、最小自乗法により傾斜面4の傾斜角度を
算出している。これらの雪深データは、誘電率データと
同様に、データファイル60に格納されている。
2に示す階段状積雪構造のGP反射面(フレネル反射面
2を含む)6の積雪形状を示す形状データを発生する。
この発明による実施例では、図2に示す階段状積雪構造
の傾斜面4の領域は、一定角度の斜面となるように、ブ
ルドーザーで圧雪して均一に形成した後、傾斜面4の数
点を測量して、最小自乗法によって傾斜面4の傾斜角度
を算出し、平坦な圧雪面3と傾斜面4の傾斜角度等の値
から図2に示す階段状積雪構造の地形断面図6a全体の
輪郭を示す形状データが作成される。全体の形状データ
が作成され、後述するデータファイル60(図11)に
データ列として格納される。なお、この階段状積雪構造
のGP反射面6が除雪、圧雪、降雪等によりその形状が
変化する毎にこの形状を示す形状データを発生し、その
度にデータファイル60のデータ列は更新される。な
お、いずれの実施例の場合も、形状データのデータ列
は、5m間隔のデータ列として格納されている。
2の前方に位置する丘10や谷11等の存在する前方地
形7の地形データを発生するもので、上記階段状積雪形
状データ発生部16において作成したと同様にして丘1
0や谷11等の地形の輪郭を示すデータ列が作成され、
同様に予測計算装置18のデータファイル60に格納さ
れる。なお、データ列は平坦な面では、荒く読み込んで
も良いが、いずれの実施例も25m間隔の地形の高低を
読み込みんでいる。
積雪時におけるGP進入コース8の変化やパス幅の変化
を算出するもので、詳細は、動作説明の項において詳述
する。
出力画面とが表示され、GP反射面の積雪形状と前方地
形データ等をグラフ表示し、且つ積雪の誘電率と雪深デ
ータをも表示される。又、この実施例の場合には、GP
進入コース8に従って空港へ進入する航空機9迄の距離
を横軸に、DDMを縦軸にして表示されるように構成さ
れている。
14としては、従来用いられていた透過法による積雪の
誘電率測定装置14aを使用した場合の実施例について
説明する。
4aは、図6に示すように、地面20に電波21が透過
可能な透過ボード22が敷設され、この透過ボード22
の下方(地下)には、電波21を透過ボード22面に向
けて照射する送信用ホーンアンテナ23が設置されてい
る。そして、透過ボード22の上方(地上)には、電波
21(透過波)を受信する同様な形状の受信用ホーンア
ンテナ24が、支柱26に支持されて送信用ホーンアン
テナ23に対向配置されている。そして、受信用ホーン
アンテナ24には、透過波の透過特性を測定するネット
ワークアナライザ(図示せず)が接続されている。
雪25に向けて電波21を照射すると、電波21は、積
雪25と透過ボード22とを透過し、受信用ホーンアン
テナ24で受信される。この受信された透過は、その透
過特性がネットワークアナライザ(図示せず)により測
定され、この透過特性から透過係数を算出し、積雪25
の複素誘電率が求められる。
電率は、Cバンドの周波数帯で測定された結果であるの
で、VHF〜マイクロ波帯における特定周波数で測定さ
れ実験的に導出されている下記実験式に基づいて、外挿
法により空港に設置されているグライドパスの周波数帯
に換算した誘電率が算出する。以下、特定周波数(VH
F〜マイクロ波帯)で測定された積雪複素誘電率を任意
周波数における誘電率に換算する換算法について説明す
る。
えられる水の分散特性に対応して表現出来ると仮定し
て、周波数fにおける積雪誘電率虚数部ε"s(f)及び積
雪誘電率実数部ε's(f)の増分Δε's(f)は、それぞれ下
記の式(1)及び式(2)式を用いる。
は積雪水分による積雪誘電率実数部ε'sの増分で、ε's
=ε'd+Δε'sである。(但し、ε'dは水の占有体積を空
気で置き換え乾雪とした時の誘電率実数部)である。
又、f0は純水の誘電緩和周波数で、f0=8.84(GHz)
であり、tan δwは純水の誘電正接(損失係数)で、温
度0℃では、下記式(3)式となる。
実数部及び虚数部の測定値を、それぞれε's(fM)、
ε"s(fM)とすれば、任意の周波数fにおける積雪3の
複素誘電率の虚数部は、式(1)を用いると、下記式
(4)式で表される。
は、上記ε's=ε'd+Δε'sから式(1)、(2)、
(3)式を用いて、下記式(5)式で表される。
イクロ波帯の周波数で報告されているHallikainmenn等
の実験式が、3(GHz)以下の周波数帯に対しても有効で
あると仮定し、0〜5(GHz)の帯域で、体積含水率0〜
12(%)、密度0.25(g/cm3)の積雪の誘電率を計算し
た結果を、図2、図3に実線で示した。このデータで、
f=5(GHz)における複素誘電率を既知の測定値と仮定
し、式(4)、(5)式から新たにf<5(GHz)の周波
数について複素誘電率を算出した結果をマーカプロット
した。この結果から明らかであるように、両者は良く一
致していることが判明した。
4aにより求められた積雪25の誘電率は、GP進入コ
ース予測装置13の予測計算装置18に入力される。以
後詳細は、後述する。
14としては、発明者等が発明し、別件として特許出願
した反射法による積雪の誘電率測定装置14bを使用し
た場合の実施例について説明する。上記実施例1と同様
に、電波21の測定周波数帯域はCバンドで、測定用及
び校正用アンテナとしてはホーンアンテナを用い、測定
系の反射板30上に降り積もった積雪25の誘電率を測
定する。なお、同一のものは、同一番号及びその名称を
用いる。
や同軸ケーブルなどの測定機器を校正するための一対の
校正用アンテナを含む校正系と一対の測定用アンテナを
含む測定系との2系統を構成するとともに、この2系統
はいずれも電気的特性が同一となるように、アンテナ、
同軸ケーブルのケーブル長、損失及びアンテナ高、形状
等すべて等しくなるように構成し、ネットワークアナラ
イザで被測定物の反射特性を測定して、この反射特性か
ら反射係数を算出し被測定物の誘電率εを算出するよう
にした実施例を示すもので、以下、図7に基づいて説明
する。
アンテナ31(31a、31b)は、信号源(図示せ
ず)からの電波21を、地面20(フレネル反射面)に
設置されている金属製の反射板30上の積雪25へ照射
する測定用送信アンテナ31aと積雪25からの反射波
32を受信する測定用受信アンテナ31bとにより構成
されており、この実施例の場合にはホーンアンテナが用
いられている。
アンテナ35(35a、35b)は、測定用アンテナ3
1とも電気的特性及び形状が同一である。この校正用ア
ンテナ35(35a、35b)は、地面20に設置され
ている金属製の反射板38に向けて電波21を照射する
校正用送信アンテナ35aと反射板38からの反射波を
受信する校正用受信アンテナ35bとにより構成されて
いる。
側とも地面20に設置されている。なお、この実施例の
場合には、校正系に設置されている反射板38には、加
熱装置(図示せず)が接続されており、雪の降る季節に
は、常時加熱して反射板38の表面に雪が積もらないよ
うに構成されている。測定系の反射板30には、自然な
積雪が形成される。
とは、いずれも2本の支柱39、40に掛け渡されたポ
ール41の中心線から等距離の位置に水平方向に可動可
能に取り付けられている。その際、測定用アンテナ31
は、積雪25の上方に取り付けられているとともに、測
定用送信アンテナ31aと測定用受信アンテナ31bと
の設置角度は、測定用送信アンテナ31aから放射され
た電波がすべて被測定物3で反射して測定用受信アンテ
ナ31bで受信され、直接波34aが受信されないよう
に設置されている。
8の上方に取り付けられており、校正用送信アンテナ3
5aと校正用受信アンテナ35bとの設置角度は、上記
測定用アンテナ31と同様に校正用送信アンテナ35a
から放射された電波21がすべて反射板38で反射して
校正用受信アンテナ35bで受信され、直接波34aが
受信されないように設置されている。
イザ45に接続されているとともに、測定系と校正系と
を切り換える手段を有し、測定系同軸ケーブル43及び
校正系同軸ケーブル44を介して測定用及び校正用アン
テナ31、35に接続されている。なお、測定系は、測
定系同軸ケーブル43、測定用アンテナ31等により構
成されており、校正系は、校正系同軸ケーブル44、校
正用アンテナ35等により構成されている。
反射特性を測定するもので、同軸切換器42により測定
系と校正系とを切り換え、それぞれ測定用受信アンテナ
31b及び校正用受信アンテナ35bで受信された積雪
25及び反射板38からの反射波の反射特性がそれぞれ
測定されている。46はパソコンで、ネットワークアナ
ライザ45で測定された測定系及び校正系における反射
特性の測定結果から、それぞれ反射係数が算出され、次
いで、この求めた反射係数から積雪25の誘電率εが算
出される。
に降り積もった積雪25の誘電率εを求める場合につい
て説明する。ここで、測定系の反射板37上には、自然
に雪が降り積もり積雪25が形成されており、校正系の
反射板38は常時加熱されており、従って、反射板38
上には積雪25はない状態であるとする。そこで、測定
系の反射板30上に積もった積雪25の誘電率εを求め
るためには、上記の装置を用いて積雪25の反射特性を
測定し、この反射特性から反射係数を求め、この反射係
数から誘電率を算出しなければならない。
温度変化等によりネットワークアナライザ45や測定系
同軸ケーブル43、校正系同軸ケーブル44の伸縮等に
より測定機器の電気的特性が変動するため、これら測定
機器の校正が行われる。この場合、校正系における反射
板38上には、積雪がない状態で行われる。この実施例
の場合には、校正系の反射板38は常時加熱されている
ので、表面に積雪はない。そこで、同軸切換器42を校
正系に切り換えて電波21を校正用送信アンテナ35a
から照射すると、反射板38からの反射波は、校正用受
信アンテナ35bで受信され、ネットワークアナライザ
45でその反射特性が測定される。校正時において測定
された反射特性から反射係数が求められ、これによりネ
ットワークアナライザ45や測定系同軸ケーブル43及
び校正系同軸ケーブル44等の測定機器が校正される。
え、測定用送信アンテナ31aから電波21を反射板3
7上の積雪25面に照射して、その反射波を同様にして
測定用受信アンテナ31bで受信し、ネットワークアナ
ライザ45により反射特性が測定される。このように、
測定された反射特性から、同様に積雪時における反射係
数が求められる。この反射係数から積雪25の誘電率が
算出される。このように、測定時には反射特性を測定
し、この反射特性から反射係数が求められる。校正時に
は同軸切換器42により校正用アンテナ35に切り換え
て時間経過・外気温の変化による測定系のドリフトをそ
の都度校正し、次いで、同軸切換器42を測定系に切り
換えて、測定時における反射特性を測定し、この反射特
性から反射係数が求められ、長期的に積雪25の誘電率
の変化を測定することが出来る。
は、図7に示す校正用アンテナ35と反射板38との代
わりに、校正系にスルーした同軸ケーブル(以下、校正
用伝送ケーブル50と記す)を用いたもので、以下、図
8に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施例1及び
実施例2と同一のものは同一符号及び同一名称を用いる
とともに、その説明を省略する。
に、測定用送信アンテナ31aと測定用受信アンテナ3
1bとにより構成されており、同軸切換器42と測定用
アンテナ31とを接続する測定系同軸ケーブル43と測
定用アンテナ31等とにより測定系が構成されている。
は、実施例2における校正用アンテナ35と反射板38
及び校正用アンテナ35と同軸切換器42とを接続する
校正系同軸ケーブル44の代わりに、測定系の電気的特
性と全く等しい電気的特性を有する直線状のスルーの同
軸ケーブルで形成されている。なお、反射効率を改善す
るために設置されている反射板としては、実施例2にお
ける測定用の反射板37のみが使用される。その他は上
記実施例2と同様である。
に、同軸切換器42はネットワークアナライザ45と2
本の同軸伝送線路51、52で接続されており、校正用
伝送ケーブル50と測定系とを切り換える手段を有して
おり、測定用アンテナ31の近傍に設置されている。
ル50と、測定用送信アンテナ31aと同軸切換器42
とを接続する同軸ケーブル53と、測定用受信アンテナ
31bと同軸切換器42とを接続する同軸ケーブル53
bとは、同種の線材のケーブルを用いるとともに、同軸
ケーブル53aと同軸ケーブル53bとの電気長の和
が、校正用伝送ケーブル50の電気長に等しく、線路長
も短いほうが望ましい。
上に降り積もった積雪25の誘電率εを求める場合につ
いて説明する。先ず、この第3の実施例の概略を述べる
と以下の通りである。即ち、温度変化によるネットワー
クアナライザ45の変動や同軸ケーブル部分の伸縮等に
よる測定誤差を排除するために、まず、積雪25の無い
状態の時に測定用アンテナ31で測定したネットワーク
アナライザ校正係数から、校正用伝送ケーブル50側に
切り換えて得られるネットワークアナライザ校正係数を
差し引いたアンテナ間透過係数を求める。さらに、同様
の手順で、測定用送信アンテナ1aと測定用受信アンテ
ナ1bの相対位置を変えず天空方向を向けた状態でのア
ンテナ間結合係数を測定して、前記のアンテナ間透過係
数からベクトル的に減算する。これは、基本的にはアン
テナ間の結合と同軸ケーブル部分の影響を除いた測定機
器校正値を測定したことになり、この値を測定機器校正
値の初期値としてパソコン46に保存しておく。そし
て、この測定機器校正値(初期値)は、測定用アンテナ
31のアンテナ特性が変動しないがぎり、固有の値であ
る。
分の校正値を測定し、保存されている測定機器校正値
(初期値)に加算して新たな測定機器校正値(積雪時に
おける校正値)とする方法で、測定用送信アンテナ31
aから測定用受信アンテナ31bへの直接波成分による
測定誤差、測定時における温度変化によるネットワーク
アナライザ45の変動や同軸ケーブル部分の伸縮等によ
る校正値誤差をなくし、反射板7と測定用アンテナ31
からなる空間開放型の校正系における不安定要素を解消
することが出来る。以下、さらに詳細に説明する。
クアナライザ45の校正法(上記初期値を求める方法)
について説明する。この測定では、積雪のない季節に実
行され、長期測定時のために取得しておくデータが得ら
れる。まず、上記初期値を保存する手順は、以下のよう
な手順で実行されて求められる。同軸切換器42を測定
用アンテナ31側に切り換えて、レスポンススルー校正
を行う。測定用受信アンテナ31bで受信した反射波か
らネットワークアナライザ45で校正特性を測定し、こ
の校正特性から求めた校正係数C#1(複素数)のデー
タをパソコンに保存する。次に、同軸切換器42を校正
用伝送ケーブル50側に切り換えて、レスポンススルー
校正を行う。同様にしてネットワークアナライザ45で
校正特性を測定し、この校正特性から求めた校正係数C
#2(複素数)のデータをパソコンに保存する。ここ
で、校正係数C♯1=|S♯1|εj♯1、校正係数C
♯2=|S♯2|εj ♯2とすると、測定用送信アンテ
ナ31a及び測定用受信アンテナ31bのコネクタ端か
らみた透過係数は、下記式(6)で表される。 S21 R=(C#1/C#2)=|S♯1|εj♯1/|S♯2|εj♯2 (6) =|S♯1/S♯2|ε(j♯1−εj♯2)=|SR 21|εjφR 21 従って、透過係数SR 21は、校正係数C♯1及び校正
係数C♯2から算出出来るがアンテナ間結合を含むので
これを補正する。まず、アンテナ間の相対位置を固定し
たまま、反射板30が存在しない状態(例えば真上の天
空方向に2つのアンテナ開口を向けた状態)で、〜
の手順を実行して、アンテナ間の結合係数SD 21を測
定し保存しておく。この結果、透過係数SR 21からア
ンテナ間の結合係数SD 21をベクトル的に引くことで
結合を含まない送受信アンテナ間透過係数SC 21が求
められる。つまり、SC 21=SR 21−SD 21は固
有の値であり、測定用アンテナ1の特性(結合度、利
得、コネクタ反射特性)が変わらない限り、気温変動に
よりケーブル長が変化した状態で実行して、送受信アン
テナ間透過係数SC 21値を求めても変動することは無
い。従って、これを測定時における測定機器校正値の初
期値としてパソコン46に保存しておく。
順で実行される。同軸切換器42を校正用伝送ケーブル
50側に切り換え、レスポンスルー校正を行う。この時
ネットワークアナライザ45で校正特性を測定し、この
校正特性から求めた校正係数C#2 Mデータを取得す
る。校正係数C#2 M=|S♯2 M|εj φ2 Mとし、
保存してある透過係数S21 Cとの積を求めると、下記
式(7)となる。 C#2 MS21 C=|S♯2 M|εj φ2 M・|SC 21|εjφC 21=S21 M (7) この積S21 Mが、積雪時における新たなレスポンス校
正係数として、ネットワークアナライザ45へ転送され
る。次いで、現在の測定データを追跡する。この値が、
積雪時に測定した時の実際の測定値となる。
過係数S21を求め、この値から反射法により積雪25
の透過誘電率εを求める。この積雪3の透過誘電率εを
求めるためには、TE波が積雪面に入射した時の積雪面
反射係数ΓTEを精度良く測定する必要がある。以下、積
雪面反射係数ΓTEの測定について説明する。
テナ31の送信アンテナ31a及び受信アンテナ31b
の両アンテナ高さH、アンテナ指向性利得G、両アンテ
ナ間の間隔をSとする。図10は、校正用の完全反射面
を無限大とし、反射板30面上に厚さdの積雪25(誘
電率εr=εs-jεs)がある状態を示している。
で照射された電波21は、積雪25面で反射し、測定用
受信アンテナ31bで受信される。ここで、両アンテナ
31a、31bのアンテナ軸Pa、Pbは、完全反射面
上の反射点Pに向いているものとする。又、送信球面波
に対する積雪面反射係数は、平面波入射時の反射係数Γ
TEで近似出来る(積雪層内では平面波伝搬と見なす)も
のと仮定し、両アンテナ31a、31b間結合(直接
波)やアンテナ−積雪面間の多重反射の影響は無視出来
るものとする。
下記の式(9)のように示される。
た電波のλは波長である。測定用送信及び受信アンテナ
利得は、いずれもGとする。積雪25の深さdにおける
受信電界Ersは、ΓTEを用いて下記の式(10)で表
す。
基準とした積雪3の深さdにおける受信電界Ers、即
ち測定された伝達特性(反射係数を求めるためのもの)
S2 1は、
金属面反射時と積雪面反射時の伝搬線路長差であり、送
信球面波の拡散にともなう伝搬損失の比を表し、アンテ
ナ高Hが積雪25の深さdに較べて充分長い距離であれ
ば1と見なせる。G(θS)/G(θ)は、金属反射面
での入射角度の違いによるアンテナ利得変動比である。
これらの2つの項は、1と見なせない場合には、ΓTE
の振幅誤差となる。e
−j2k(2kD(rs−r)は、伝搬経路長さに伴う
位相差分である。測定されたS21は、これらの係数を
補正しているので、誘電率を求めるための精度の良い反
射係数が得られる。
電率は、Cバンドの周波数帯で測定された結果であるの
で、VHF〜マイクロ波帯における特定周波数で測定さ
れた実験的に導出されている実験式に基づいて、外挿法
により空港に設置されているグライドパスの周波数帯に
換算して誘電率を算出する。この換算法については、す
でに、実施例2において説明したので、その説明を省略
する。
たいずれかの誘電率測定装置14(14a、14b、1
4c)を用いて誘電率が求められ、雪深測定装置15に
より、その時の雪深が求められる。さらに、形状デー
タ、地形データなどの各種のデータに基づいて、GP進
入コース8及びパス幅の変化が予測される。以下、これ
について図11に示すシステムブロック図も参照して、
詳細に説明する。
14により測定されたフレネル反射面2の代表的な積雪
の誘電率が、又、雪深測定装置15により、この誘電率
の時の雪深がそれぞれデータファイル60から読み出さ
れて、適宜GP進入コース予測装置1の予測計算装置1
8に入力される(ステップ61)。
タファイル60に格納されている前方地形データが読み
込まれる(ステップ62)。同様に、データファイル6
0に5m間隔のデータ列として格納されている階段状積
雪構造の形状データが読み込まれ、2次の補間公式を示
す下記式(12)により、式(13)に示す微少間隔の
データ列(1m間隔のデータ列)に変換される(ステッ
プ63)。
滑走路12からのGPアンテナ81がオフセットされる
(ステップ62)。又、GPアンテナ81素子の高さデ
ータが予測計算装置18に入力される(ステップ6
4)。
それぞれ行われる。以下、これらの計算方法について、
順次説明する(ステップ65)。ここで、図12はGP
進入コース8のパス形成概念図を示しており、航空機9
においては、GPアンテナ81からの直接波、階段状積
雪構造からの地面反射波、前方地形7の丘10などから
の回析波の3種類の電波が受信される。そして、GPの
周波数は、330MHz、偏波面は水平偏波、GP反射
面6への入射角Φ(Φ=Vin)(図13参照)は、3
°≦Φ<6°である。
ける圧雪面3の反射波の解析について説明する。図13
に示すように、階段状積雪構造の圧雪面領域、即ち、雪
質が一様、積雪の厚さtが一定の圧雪面3における電波
の反射・透過モデルを示している。なお、R01は圧雪
面3の表面反射、R10は圧雪面3の表面からの再反
射、T01は圧雪面3から積雪内に透過した透過波、T
10は積雪から自由空間への透過波、Vinは入射角で
ある。
すると、圧雪面3の反射係数Rhは図14に示すRef
1に相当する。送受信点が決まれば下記式(14)に示
す反射係数より、反射波が求められる。
る。雪質が異なる積雪層が堆積している場合、各層の厚
さと誘電率がわかれば解析することが出来る。誘電率測
定装置14により求められる誘電率は、各層の平均値に
なるので、図13の反射・透過モデルより解析すること
が出来る。
反射波について解析する(ステップ65)。発明者等の
行った飛行検査では、図14に示す階段状積雪構造の傾
斜面4の先に位置する自然積雪面5の雪深が1m以上に
なると、パス角よりも、パス幅の感度が顕著に広がって
しまい、運用規定値を越えるという自体が発生した。こ
れは、一定角度で立ち上がる傾斜面4で、図14に示す
ように、1回反射のref−2と圧雪面3で反射した後
に傾斜面4でさらに反射する2重反射ref−12のよ
うな反射波が発生するためと考えられる。
条件について検討すると、以下の通りである。積雪の雪
深tは、GPアンテナ81の高さを下から順次、HL、
HM、HUとすると、HL=4.4m、HM=8.4
m、HU=12.5mに対して、0<t≦1mになり、
H≫tが成立する。階段状積雪構造のGP反射面6の形
状は、浮体としてのメガロフロート(海上空港)と同様
に上下の変形が緩やかである。傾斜面4の長さを数十m
とすると、変形の周期は約Lλ=4×50=200mに
なり、Lλ≫Dhが成立する。以上の条件により、傾斜
面4による反射波を求めるには、浮体としてのメガロフ
ロートが波浪動揺により動的に弾性変形をするので、そ
の解析法として発明者等が発明した以下に述べる折れ線
近似による反射波解析法で解析することが出来る。
ついて図15に基づいて説明する。図11に示すデータ
ファイル60から雪深データを読み込み、2次の補間式
(12)により、微少間隔の座標列{……、(xf、y
f)を求める。微少間隔の座標の2点から接線を引き、
その接線に線対称になるようにGPアンテナ81の座標
変換をすると、イメージアンテナの座標(xi、yi)
が、下記式(15)に示すように、求められる。 xi=−x0,yi=−yat+2y0 (15) イメージアンテナの座標(xi、yi)と受信点を結ぶ
直線を y=ax+bとして、その直線と任意の浮体上
の座標(xf、yf)との距離mdを求め、上記のと
の処理を繰り返し、mdの最小値(xf−2、y
f−2)を算出する。GPアンテナ81のアンテナ素子
からGP反射面6の入射角をΦとすると、曲面上の反射
波Erは、下記式(16)より求められる。
められる。
タファイル60に格納されている誘電率データ、その時
の雪深データ及び形状データとからGP反射面6の反射
係数が算出される(ステップ65)。
等による回析波の算出について説明する。図1及び図1
6に示すように、前方地形7にある丘10や谷11等に
よる回析波の解析では、丘10から航空機(図示せず)
方向に発生する経路1の回析波と丘10で発生した回析
波の一部が谷11で反射してから航空機の受信方向に反
射する経路2の伝搬経路の異なる2種類の回析波を計算
する(ステップ65)。
され、データファイル60に格納されている地形データ
のデータ列は、25m間隔である。そこで、2次の補間
式(12)を用いて25m間隔のデータを補間して、微
少間隔のデータ列に変換する(ステップ62)。特に、
図16に示すように、経路2の場合には、地面の形状が
曲面になるので、受信点の方向に反射点の位置を決定
し、受信点における回析波の電界強度を計算する(ステ
ップ65)。
をGPアンテナ81から受信点までの距離を変えて、次
々と計算する(ステップ66)。
等の各種の必要なデータからGP進入コースやパス幅の
変化が求められ(ステップ67)、GP進入コースが予
測される。以下、GP進入コースの予測計算の基本計算
式について説明する。
は、2周波3素子GPアンテナが標準方式として採用さ
れている。このGPアンテナ81は、8kHz離れてい
る2つのUHF帯(329〜335MHz)の搬送波を
使用しており、低仰角の感度の低下を補強したアンテナ
系である。
ナ81の高さに関するデータ、HL=4.4m、HM=
8.4m、HU=12.5mが入力されている(ステッ
プ64)。
中線列で、rpはアンテナ中心から航空機9迄の距離、
θをアンテナ中心から航空機9迄のなす角、Φをアンテ
ナ中心から航空機9迄の仰角の関数とすると、GP進入
コースの予測式F(rp,θ,φ)は、下記式(18)
となる。
電流、Lndはアンテナ素子から航空機9迄の距離、A
ngはイメージアンテナ素子のアンテナ電流、Lngは
イメージアンテナ素子から航空機9迄の距離である。予
測式(18)において、nはアンテナ素子数で、n=3
になる。また、地面構造による反射係数で、地面が積雪
面であれば、式(17)により積雪面の反射係数が求め
られる。予測式(18)のカッコの第3項目のDi(Φ
1、Φ2、ldiff)は回析成分である。前方の丘1
0による回析波を計算する場合、図16に示す経路1と
経路2より、k=2となる。Φ1、Φ2及びldiff
は回析ポイントの境界条件である。
は、UHF帯の連続波を等振幅の90Hzと150Hz
とで振幅変調した場合のデレクショナル系の搬送波成分
Eca r、同じUHF波を90Hzと150Hzとで平
衡変調した場合のデレクショナル系の側波帯成分Esb
よりなる。クリアランス系は、8KHz異なるUHF波
を150Hzで振幅変調した搬送波成分Eclからな
り、それぞれ下記式(19)で表すことが出来る。
アンテナ81のデレクショナル系の搬送波成分の指向性
及びデレクショナル系の側波帯成分の指向性、Fclは
GPアンテナ81のクリアランス系の搬送波成分の指向
性である。指数項の角周波数(ω0t+φ)とω0tの
差分φの周波数が8kHzである。又、mc、msはデ
レクショナル系の搬送波成分の変調度、デレクショナル
系の側波帯成分の変調度で、共に、0.4に設定されて
いる。又、Mclはクリアランス系の搬送波成分で、
0.8に設定されている。但し、msの符号は、進入す
る航空機9から見てパスの下側では、150Hzの変調
成分が優勢に、上側では90Hz変調成分が優勢になる
ように設定される。又、90Hz変調周波数の角周波数
は、ρ1=2π・90とρ2=2π・150になり、搬
送波の角周波数は、ω0=2π・f 0になる。f0はG
Pの搬送波で、その周波数範囲はf0=328〜336
MHzで、kは伝搬定数である。
数、90Hzと150Hz信号の復調方法について説明
する。降下中の航空機9で受信される受信信号は、デレ
クショナル系とクリアランス系の搬送波と側帯波との和
となり、式(20)で表される。
90Hz変調成分がm90、次の{}内が150Hzの
変調成分がm150である。受信機では90Hzと15
0HzのフィルタをDC変換するが、それらは、式(2
1)により表すことが出来る。
ナル系のみであるが、150Hz変調成分には、デレク
ショナル系とクリアランス系の復調係数であるdRm/
dEc arとdRm/dEclが含まれている。dRm
/dEcar復調係数は、下記式(22)によって求め
られる(ステップ67)。
分、K(k)は第1種の完全楕円積分で求められる係数
である。90Hz変調成分はデレクショナル系のみ、1
50Hz変調成分はデレクショナル系とクリアランス系
の両成分が含まれている。最終的に求める航空機9上の
指示値DDMは、下記式(23)から求められる(ステ
ップ67)。
及び回析結果出力画面としてそれぞれ表示部19に表示
される(ステップ68)。データ画面では、入力したフ
ァイルの中身が図形表示され、階段状積雪構造の形状デ
ータや前方地形データ等がグラフ表示され、さらに、誘
電率や雪深データが表示される。
た。解析1は、現状の積雪状況の時の進入コース特性を
計算する場合である。航空機9が3度のアプローチ飛行
した時の進入コース特性と1250フィートのレベル飛
行をした時の計算を行い、その結果である3度のパスス
トラクチャーとパス幅特性が表示される。
豪雪予報が発令された時の積雪後の状態を想定して、予
め実施するモードで、除雪対策を決定するために、不可
欠である。フレネル反射面の積雪に降雪分を見込んで、
パスストラクチャーとパス幅特性を計算した。
は、上記の解析2の計算をしたが、規定を外れる可能性
が生じた場合である。このモードでは、傾斜面4の位置
移動と傾斜角度及び自然積雪面5の領域における雪深を
変えて、パスストラクチャーとパス幅特性を計算した。
これらのデータは、運用を継続できる階段状積雪構造を
決定し、除雪等等の次の作業を出来るようにするための
判断データとしている。以上求めたデータ及び結果は、
表示部19に表示される(ステップ68)。
れば、降雪地にある空港において、正確に求められた積
雪の誘電率やGP反射面の地形及びこの前方に存在する
前方地形をデータとしてGP進入コースを予測すること
が出来る。そして、この予測したGP進入コースに基づ
いて、フレネル反射面上の許容され得る積雪などのデー
タを入手することが出来る。又、GP進入コースに最も
影響のある階段状積雪構造の傾斜面領域における傾斜角
度や位置をずらす等のシュミレーションを行うことによ
って、GP進入コースの上下偏位を許容値内に維持する
ことも出来る。
ば、請求項1及び請求項2に記載の発明の効果に加え
て、積雪の正確な誘電率が得られるから、それだけGP
進入コースの予測が正確となる。
請求項1及び請求項2に記載の発明の効果に加えて、反
射型の誘電率測定装置を利用して誘電率を求めているの
で、積雪に人為的な作業が施されることがないので、自
然の積雪状態における誘電率を測定することが出来ると
ともに、測定機器の校正時における反射板上の積雪を除
去する必要は全くなく、常にリアルタイムで誘電率をよ
り正確に測定することが出来るから、より正確な誘電率
のデータを利用して、GP進入コースの予測をすること
が出来る。
係わる発明の効果に加えて、さらに測定用アンテナや同
軸ケーブル等の測定データに影響を与える測定機器を屋
外に設置し、長期間の測定の場合にも、周囲の環境温度
変化による同軸ケーブル等の伸縮や風圧振動等による測
定用アンテナと反射板との間隔の相対的な位置の変動に
対しても全く考慮する必要がなく、従って、校正系と測
定系との電気的特性が相違することもなくなり、より正
確な誘電率が得られるから、このより正確な誘電率のデ
ータを利用して、GP進入コースをより正確に予測する
ことが出来る。
ンテナの形状を小型化出来る周波数帯(例えば、Cバン
ド)を用いて測定し、これを求める周波数帯(例えば、
ILSのグライドパス周波数)に換算することが出来る
ので、形状の大きなアンテナ等を用いる必要がない。従
って、従来のように、風圧の影響によるアンテナの振動
や外来波により測定値の変動、又、測定用アンテナの高
さ等の問題を除去することが出来る。
入コースに影響を与える地形図である。
積雪構造を示すGP反射面の地形断面図である。
誘電率とパス角の変化を示す図である。
雪深とパス角変化を示す図である。
である。
による誘電率測定装置を示す図である。
よる誘電率測定装置を示す図である。
よる誘電率測定装置を示す図である。
よる誘電率測定装置の説明図である。
法よる誘電率測定装置の説明図である。
ック図である。
る。
る。
念図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ILSのグライドパス進入コースに影響
する積雪の反射面は、フレネル反射面を形成する一定雪
深の圧雪面から傾斜面を介して自然積雪面へと連設した
階段状積雪構造のGP反射面とこのGP反射面の前方に
位置する前方地形が形成する前方地形反射面とが形成さ
れ、 前記階段状積雪構造を表す形状データを求め、 前記GP反射面の前方に位置する前記前方地形の前方地
形データを求め、 前記階段状積雪構造をなす積雪の代表的な誘電率とこの
誘電率の測定時における雪深を求め、 前記形状データと前記代表的な誘電率とこの時の雪深と
から前記階段状積雪構造の地面反射係数を受信点におい
て求めるとともに、その時の反射波の電界強度を求め、 前記前方地形による電波の回析波を求め、 この回析波の受信点における回析波の電界強度を求め、 前記受信点における直接波の電界強度を求め、 前記受信点における前記反射波と前記直接波と前記回析
波のそれぞれ電界強度とからパス角の変化とパス幅の変
化とを求めてGP進入コースを予測することを特徴とす
る積雪によるILSのグライドパス進入コース予測方
法。 - 【請求項2】 ILSのグライドパス進入コースに影響
する積雪の反射面は、フレネル反射面を形成する一定雪
深の圧雪面から傾斜面を介して自然積雪面へと連設した
階段状積雪構造のGP反射面とこのGP反射面の前方に
位置する前方地形が形成する前方地形反射面とが形成さ
れ、 前記階段状積雪構造を表す形状データを発生する階段状
積雪形状データ発生部と、 前記GP反射面の前方に位置する前方地形の前方地形デ
ータを発生する前方地形データ発生部と、 前記階段状積雪構造をなす積雪の代表的な誘電率を測定
する誘電率測定装置と、 前記誘電率の時の雪深を求める雪深測定装置と、 前記形状データと前記代表的な誘電率と雪深とから前記
階段状積雪構造の地面反射係数を求める機能と、この地
面反射係数から受信点における電界強度を求める機能
と、前記前方地形からの回析波を求める機能と、前記受
信点における前記反射波と前記直接波と前記回析波のそ
れぞれ電界強度とからパス角の変化とパス幅の変化とを
求めてGP進入コースを予測する機能とを有する予測計
算装置と、 を備えたことを特徴とする積雪によるILSのグライド
パス進入コース予測装置。 - 【請求項3】 前記誘電率測定は、地面に設置され、電
波が透過可能な透過ボードと、この透過ボードの上方及
び下方(地下)に対向して配置した送信用及び受信用ア
ンテナと、受信された透過波の透過特性を測定するネッ
トワークアナライザとを有し、前記測定した前記透過特
性から透過係数を求め、この透過係数から前記積雪の誘
電率を求める機能とを有する透過法による誘電率測定装
置を用いたことを特徴とする請求項2に記載の積雪によ
るILSのグライドパス進入コース予測装置。 - 【請求項4】 前記誘電率測定装置は、それぞれ電気的
特性及び形状が同一で、前記積雪に電波を照射する測定
用送信アンテナと前記積雪からの反射波を受信する測定
用受信アンテナとからなる測定用アンテナと、 この測定用アンテナとそれぞれ電気的特性及び形状が同
一で、測定機器の校正時に電波を照射する校正用送信ア
ンテナとその反射波を受信する校正用受信アンテナとか
らなる校正用アンテナと、 反射特性を測定するネットワークアナライザに接続さ
れ、校正系及び測定系同軸ケーブルによりそれぞれ前記
校正用アンテナと前記測定用アンテナとに接続されてい
るとともに、前記校正用アンテナと前記校正系同軸ケー
ブルとを有する校正系と前記測定用アンテナと前記測定
系同軸ケーブルとを有する測定系とを切り換える手段を
有する同軸切換器と、 この同軸切換器を介して前記校正系と前記測定系とに接
続されているとともに、前記校正系からの反射波と前記
測定系からの反射波との反射特性をそれぞれ測定する前
記ネットワークアナライザと、 このネットワークアナライザでそれぞれ求めた前記校正
系からの反射特性と前記測定系からの反射特性とに基づ
いて前記積雪の誘電率を算出する機能と、 を有する反射法による誘電率測定装置を用いたことを特
徴とする請求項2に記載の積雪によるILSのグライド
パス進入コース予測装置。 - 【請求項5】 電気的特性及び形状の等しい測定用送信
アンテナと測定用受信アンテナとからなる測定用アンテ
ナと、 この測定用アンテナを同軸切換器に接続する同軸ケーブ
ルと前記測定用アンテナとを有する測定系が構成され、 この測定系の電気的特性と等しい電気的特性を有し、前
記同軸切換器に接続されたスルーの校正用伝送ケーブル
と、 ネットワークアナライザに接続され、前記校正用伝送ケ
ーブルと前記測定系とを切り換える手段を有する前記同
軸切換器と、 この同軸切換器を介して前記校正用伝送ケーブルと前記
測定系とに接続されているとともに、前記校正用伝送ケ
ーブル及び測定系からの校正特性と前記測定系からの反
射特性及びアンテナ間結合特性を測定する前記ネットワ
ークアナライザと、 前記反射特性、前記校正特性からそれぞれ校正係数、反
射係数、結合係数を算出する機能と、前記測定機器校正
値の初期値を求める機能と、これらの値を保存する機能
と、測定した前記積雪の反射係数から前記積雪の誘電率
を算出する機能と、を有する反射法による誘電率測定装
置を用いたことを特徴とする請求項2に記載の積雪によ
るILSのグライドパス進入コース予測装置。 - 【請求項6】 前記誘電率測定装置は、前記電波の周波
数帯において求めた前記積雪の誘電率を、VHF〜マイ
クロ波帯において導出されている実験式に基づいて、外
挿法により測定に使用した電波の周波数帯から他の周波
数帯に換算する機能を有することを特徴とする請求項3
〜請求項5にそれぞれ記載の積雪によるILSのグライ
ドパス進入コース予測装置。
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JP2001271091A JP3752169B2 (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | Ilsのグライドパスのgp進入コース予測方法及びilsのグライドパスのgp進入コース予測装置 |
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JP2006031137A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 信号伝送システム |
US7729819B2 (en) * | 2004-05-08 | 2010-06-01 | Konkan Railway Corporation Ltd. | Track identification system |
CN109102720A (zh) * | 2017-12-25 | 2018-12-28 | 中国民用航空总局第二研究所 | 一种ils安全运行状态验证、可靠性判断装置及方法 |
-
2001
- 2001-09-06 JP JP2001271091A patent/JP3752169B2/ja not_active Expired - Lifetime
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