JP2003083328A - リニアガイド装置および該装置に用いる防塵用ジャバラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防塵用ジャバラ内に異物が侵入するのを防止
して粉塵等の多い環境で用いる場合においても定格疲れ
寿命を維持すると共に高精度を維持する。 【解決手段】 軸方向に伸縮自在のジャバラカバー５１
と、リニアガイド装置の案内レールの転動体転動溝に対
応する凸部５３を両側部の内側に有してジャバラカバー
５１の山部５１ａに配置された略コ字状の摺動板５２と
を備え、案内レールを上方から覆うようにリニアガイド
装置のスライダの端部に取り付けられて該スライダの相
対移動により軸方向に伸縮自在とされた防塵用ジャバラ
５０において、ジャバラカバー５１をスライダの上面、
両側面および下面に相当する部分に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粉塵等の多い環境
で用いるのに好適なリニアガイド装置および該装置に用
いる防塵用ジャバラに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のリニアガイド装置として
は、例えば図３に示すように、軸方向に延びる案内レー
ル１と、該案内レール１上に軸方向に相対移動可能に跨
架されたスライダ２とを備えたものが知られている。案
内レール１の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体
転動溝３が形成されており、スライダ２のスライダ本体
２Ａには、その両袖部４の内側面に、それぞれ転動体転
動溝３に対向する転動体転動溝３１が形成されている。

【０００３】そして、これらの向き合った両転動体転動
溝３，３１の間には転動体としての多数の鋼球Ｂが転動
自在に装填され、その鋼球Ｂの転動を介してスライダ２
が案内レール１上を軸方向に沿って相対移動できるよう
になっている。この移動につれて、案内レール１とスラ
イダ２との間に介在する鋼球Ｂは転動してスライダ２の
端部に移動するが、スライダ２を軸方向に継続して移動
させていくためには、これらの鋼球Ｂを無限に循環させ
る必要がある。

【０００４】このため、スライダ本体２Ａの袖部４内に
更に軸方向に貫通する直線状の転動体通路８を形成する
と共に、スライダ本体２Ａの前後両端にそれぞれ転動体
循環部品としてのエンドキャップ５を固定し、このエン
ドキャップ５に上記両転動体転動溝３，３１間と上記転
動体通路８とを連通する半円弧状に湾曲した転動体循環
部６を形成することにより、転動体無限循環軌道を構成
している。なお、図において符号１０はスライダ本体２
Ａの端面にエンドキャップ５を固定するためのタップ
穴、１１はサイドシール、１２はタップ穴１０に締め付
けられるねじ、１３はエンドキャップの側面や端面等に
設けられる給脂用のグリースニップル（図ではエンドキ
ャップ５の端面）である。

【０００５】ところで、上記構成のリニアガイド装置を
粉塵等の多い環境で用いる場合には、図４および図５
（図４のＸ−Ｘ線断面図）に示すような防塵用ジャバラ
２０が案内レール１を上方から覆うように取り付けられ
る。この防塵用ジャバラ２０は、軸方向に伸縮自在のジ
ャバラカバー２１（図５で斜線部で示す）と、該ジャバ
ラカバー２１の山部２１ａに配置された略コ字状の摺動
板２２とを備えており、摺動板２２のコ字状両端部の内
側には案内レール１の転動体転動溝３に係合する凸部２
３が形成されている。

【０００６】また、ジャバラカバー２１の軸方向の両端
部には略コ字状の取付板２４が配置されており、一端側
の取付板２４はスライダ２の端部にねじ止め等によって
固定され、他端側の取付板２４は案内レール１の端部に
ねじ止めや取付具等によって固定されている。そして、
ジャバラカバー２１によって案内レール１のスライダ２
の上面および両側面に相当する部分を覆った状態でスラ
イダ２の相対移動により軸方向に伸縮するようになって
いる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のリニアガイド装置においては、案内レール１のスラ
イダ２の上面および両側面に相当する部分のみをジャバ
ラカバー２１で覆っているため、案内レール１の上面お
よび両側面に対しては防塵効果を発揮できるが、下面側
のすき間から水溶液の跳ね返り等によって異物が侵入し
やすく、特にジャバラカバー２１が伸びた状態で下面側
が無防備になるという問題がある。また、ジャバラカバ
ー２１の伸縮動作による空気の出入りでジャバラ内部に
異物が取り込まれやすい状況となり、スライダ２内に異
物が侵入する虞れがある。

【０００８】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、防塵用ジャバラ内に異物が侵入する
のを防止して粉塵等の多い環境で用いる場合においても
定格疲れ寿命を維持することができると共に高精度を維
持することができるリニアガイド装置および該装置に用
いる防塵用ジャバラを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項１に係る発明は、両側部に転動体転動溝を
有して軸方向に延長された案内レールと、該案内レール
の前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、こ
れらの両転動体転動溝間に挿入された多数の転動体の転
動を介して前記案内レールに案内されて相対移動するス
ライダと、該案内レールを上方から覆うように前記スラ
イダの端部に取り付けられて該スライダの相対移動によ
り軸方向に伸縮自在とされた防塵用ジャバラとを備え、
該防塵用ジャバラは、軸方向に伸縮自在のジャバラカバ
ーと、前記案内レールの転動体転動溝に対応する凸部を
両側部の内側に有して前記ジャバラカバーの山部に配置
された略コ字状の摺動板とを具備したリニアガイド装置
において、前記ジャバラカバーを前記スライダの上面、
両側面および下面に相当する部分に配置したことを特徴
とする。

【００１０】請求項２に係る発明は、請求項１におい
て、前記ジャバラカバーの山部の稜線部の寸法Ａと前記
摺動板の凸部より下側の寸法Ｂとの関係をＢ≧Ａとした
ことを特徴とする。請求項３に係る発明は、軸方向に伸
縮自在のジャバラカバーと、リニアガイド装置の案内レ
ールの転動体転動溝に対応する凸部を両側部の内側に有
して前記ジャバラカバーの山部に配置された略コ字状の
摺動板とを備え、前記案内レールを上方から覆うように
前記リニアガイド装置のスライダの端部に取り付けられ
て該スライダの相対移動により軸方向に伸縮自在とされ
た防塵用ジャバラにおいて、前記ジャバラカバーを前記
スライダの上面、両側面および下面に相当する部分に配
置したことを特徴とする。

【００１１】請求項４に係る発明は、請求項３におい
て、前記ジャバラカバーの山部の稜線部の寸法Ａと前記
摺動板の凸部より下側の寸法Ｂとの関係をＢ≧Ａとした
ことを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図１は本発明の実施の形態の一例で
あるリニアガイド装置の防塵用ジャバラを説明するため
の説明的側面図、図２は図１のＹ−Ｙ線断面図の一部を
破断した図である。なお、この実施の形態のリニアガイ
ド装置は防塵用ジャバラを除いて図３で説明した従来例
と基本的構成が略同一であるため、防塵用ジャバラにつ
いてのみ説明する。

【００１３】図１および図２を参照して、この防塵用ジ
ャバラ５０は案内レール１を上方から覆うように取り付
けられるもので、軸方向に伸縮自在のジャバラカバー５
１（図２で斜線部で示す）と、該ジャバラカバー５１の
山部５１ａに配置された略コ字状の摺動板５２とを備え
ている。摺動板５２は合成樹脂等によって形成されてお
り、そのコ字状両端部の内側には案内レール１の転動体
転動溝３に対応する凸部５３が形成されている。

【００１４】また、ジャバラカバー５１の軸方向の両端
部には略コ字状の取付板５４が配置されており、一端側
の取付板５４はスライダ２の端部にねじ止め等によって
固定され、他端側の取付板５４は案内レール１の端部に
ねじ止めや取付具等によって固定されている。かかる固
定状態においては、摺動板５２の内側面は案内レール１
の両側面と摺動可能となり、凸部５３は案内レール１の
転動体転動溝３に係合するか多少のがたつきを持っては
め込まれるようになっている。

【００１５】ここで、この実施の形態では、案内レール
１のスライダ２の上面および両側面に相当する部分に加
えてスライダ２の下面に相当する部分もジャバラカバー
５１で覆うとともに、案内レール１のスライダ２の下面
に相当する部分にもジャバラカバー５１を取り付けるべ
く、ジャバラカバー５１の山部５１ａの稜線部の寸法Ａ
と摺動板５２の凸部５３より下側の寸法Ｂとの関係をＢ
≧Ａとして摺動板５２の下側の寸法を長くし、この状態
でスライダ２の相対移動によって防塵用ジャバラ５０が
軸方向に伸縮するようになっている。

【００１６】このようにこの実施の形態では、案内レー
ル１のスライダ２の上面および両側面に相当する部分に
加えて下面に相当する部分もジャバラカバー５１で覆っ
ているため、案内レール１の上面、両側面および下面に
対して防塵効果を発揮することができ、この結果、従来
のように、下面側から水溶液の跳ね返り等によって異物
が侵入したり、ジャバラカバー５１の伸縮動作による空
気の出入りでジャバラ内部に異物が取り込まれるのを防
止することができ、粉塵等の多い環境で用いる場合にお
いてもリニアガイド装置の定格疲れ寿命を維持すること
と高精度を維持することができる。

【００１７】なお、上記実施の形態では、リニアガイド
装置の両転動体転動溝３，３１が一列の場合を例に採っ
たが、両転動体転動溝３，３１が上下二列の場合には摺
動板５２の凸部５３もこれに合わせて上下二列となり、
この場合、上記寸法Ｂは下側の凸部５３を基準とするこ
とはいうまでもない。

【００１８】

【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、防塵用ジャバラ内に異物が侵入するのを防止
することができるので、粉塵等の多い環境で用いる場合
においても定格疲れ寿命を維持することができると共に
高精度を維持することができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例であるリニアガイド
装置の防塵用ジャバラを説明するための説明的側面図で
ある。

【図２】図１のＹ−Ｙ線断面図の一部を破断した図であ
る。

【図３】リニアガイド装置を説明するための一部を破断
した説明的斜視図である。

【図４】従来のリニアガイド装置の防塵用ジャバラを説
明するための説明的側面図である。

【図５】図４のＸ−Ｘ線断面図の一部を破断した図であ
る。

【符号の説明】

１…案内レール ２…スライダ ３…転動体転動溝 ３１…転動体転動溝 Ｂ…鋼球（転動体） ５０…防塵用ジャバラ ５１…ジャバラカバー ５１ａ…山部 ５２…摺動板 ５３…凸部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両側部に転動体転動溝を有して軸方向に
   延長された案内レールと、該案内レールの前記転動体転
   動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体
   転動溝間に挿入された多数の転動体の転動を介して前記
   案内レールに案内されて相対移動するスライダと、該案
   内レールを上方から覆うように前記スライダの端部に取
   り付けられて該スライダの相対移動により軸方向に伸縮
   自在とされた防塵用ジャバラとを備え、該防塵用ジャバ
   ラは、軸方向に伸縮自在のジャバラカバーと、前記案内
   レールの転動体転動溝に対応する凸部を両側部の内側に
   有して前記ジャバラカバーの山部に配置された略コ字状
   の摺動板とを具備したリニアガイド装置において、 前記ジャバラカバーを前記スライダの上面、両側面およ
   び下面に相当する部分に配置したことを特徴とするリニ
   アガイド装置。
2. 【請求項２】 前記ジャバラカバーの山部の稜線部の寸
   法Ａと前記摺動板の凸部より下側の寸法Ｂとの関係をＢ
   ≧Ａとしたことを特徴とする請求項１記載のリニアガイ
   ド装置。
3. 【請求項３】 軸方向に伸縮自在のジャバラカバーと、
   リニアガイド装置の案内レールの転動体転動溝に対応す
   る凸部を両側部の内側に有して前記ジャバラカバーの山
   部に配置された略コ字状の摺動板とを備え、前記案内レ
   ールを上方から覆うように前記リニアガイド装置のスラ
   イダの端部に取り付けられて該スライダの相対移動によ
   り軸方向に伸縮自在とされた防塵用ジャバラにおいて、 前記ジャバラカバーを前記スライダの上面、両側面およ
   び下面に相当する部分に配置したことを特徴とする防塵
   用ジャバラ。
4. 【請求項４】 前記ジャバラカバーの山部の稜線部の寸
   法Ａと前記摺動板の凸部より下側の寸法Ｂとの関係をＢ
   ≧Ａとしたことを特徴とする請求項３記載の防塵用ジャ
   バラ。