JP2003083294A - 電動送風機及び電気掃除機 - Google Patents

電動送風機及び電気掃除機

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JP2003083294A
JP2003083294A JP2001269109A JP2001269109A JP2003083294A JP 2003083294 A JP2003083294 A JP 2003083294A JP 2001269109 A JP2001269109 A JP 2001269109A JP 2001269109 A JP2001269109 A JP 2001269109A JP 2003083294 A JP2003083294 A JP 2003083294A
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seal member
fan
suction port
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fan cover
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JP2001269109A
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English (en)
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Jiyunki Miyoshi
順基 三好
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール性能の低下を来すことを抑制しつつコス
トダウンを図ることができる電動送風機を得ることにあ
る。 【解決手段】ファン14の前面シュラウド42とこれに対向
するファンカバー16の裏面との間の間隙Gをシールし
て、ファンから吐出された気流の一部が間隙Gを通って
ファンの吸込み口39に流れ込もうとする循環流を塞き止
めるシール部材51を備える。カバー16の吸気口45の外周
に巻き付けられるシール部材51を、吸込み口の縁部39a
で削り取られるポリテトラフロロエチレン樹脂製の内層
52と、これに積層された外層53とで形成する。外層53
を、内層52とは異なる材料でかつ内層52より材料コスト
が低い材料製とする。外層53をファンカバー16の裏面と
この裏面に固定されたシール部材押え46から折り曲げら
れた爪49とで挟持して、シール部材51をファンカバー16
に固定したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファンの前面シュ
ラウドとこれに対向するファンカバーの裏面との間をシ
ールするシール部材を有する電動送風機、及びこの電動
送風機の吸込み力により吸込んだ塵を集塵室内のフィル
タで捕捉して掃除を行なう電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】ファンの前面シュラウドとこれに対向す
るファンカバーの裏面との間の間隙をシール部材により
シールすることは、ファンから吐出された気流の一部が
前記間隙を通ってファンの吸込み口に流れ込もうとする
循環流を塞き止めるので、送風効率を向上する上で有効
である。
【0003】前記シール部材としては、切削性及び耐熱
性に優れる多孔質のPTFE(ポリテトラフロロエチレ
ン樹脂)を用いることが、特許第2885042号公報
で知られている。
【0004】このPTFE製シール部材は、これを裏面
に取付けたファンカバーを自動機械によりファンを覆っ
て電動機部に嵌め付けた際に、前面シュラウドに形成さ
れた吸込み口の縁部と干渉する。この干渉下での電動送
風機の最初の運転に伴い、吸込み口の縁部が、シール部
材を削り取ってこのシール部材内に挿入されることによ
り、前面シュラウドとファンカバーの裏面との間がシー
ルされる。
【0005】前記シール部材は以下のようにファンカバ
ーの裏面に取付けられている。つまり、ファンカバー裏
面には、その短い円筒状の吸気口を囲んでこの吸気口と
の間に環状溝を形成するリング状をなす金属薄板製のシ
ール部材押えが溶接止めされている。そして、シール部
材を吸気口の外周に沿って巻き付けて環状溝に収容した
状態で、シール部材押えが有する多数の爪を折り曲げて
シール部材にその高さ方向の端面から食い込ませること
によって、これらの爪とファンカバーの裏面との間にシ
ール部材の外周部が挟持されている。それによって、フ
ァンカバーの裏面にシール部材が固定されている。
【0006】前記のように前記吸込み口の縁部で削られ
るシール部材が、その外周部をシール部材押えの爪で押
えてファンカバーの裏面に取付けられる構成では、シー
ル部材に、吸込み口の縁部が挿入されてシールを担うに
足りる厚み分と、吸込み口の縁部と干渉することなく爪
が食い込むのに足りる厚み分とを必要とするので、この
シール部材の厚みは大きい。
【0007】しかし、シール部材をなすPTFEの材料
コストは高いので、以上のように厚手のPTFE製シー
ル部材を用いるものではコスト的に不利である。
【0008】又、このシール部材を既述のようにファン
カバーの裏面に取付ける場合に、多数の爪を折り曲げる
のに加えられる力がばらつくことがあると、シール部材
全体がねじれて取付けられる場合が考えられる。このよ
うになると、前記吸込み口の縁部の削り込み深さ(挿入
深さ)が浅いところと深いところができ易くなり、シー
ル性能が低下する恐れが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、シール性能の低下を来すことを抑制しつつ
コストダウンを図ることができる電動送風機及び電気掃
除機を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回転
軸を有する電動機部と、吸込み口が形成された前面シュ
ラウドを有して前記回転軸に取付けられたファンと、前
記吸込み口と対向する円筒状の吸気口、及びこの吸気口
の外側近傍に設けられたシール部材押えを有して前記フ
ァンを覆って設けられたファンカバーと、前記吸気口の
外周に沿って巻き付けられるとともに外周部を前記ファ
ンカバーの裏面と前記シール部材押えとで挟持して取付
けられ、組立て時には前記吸込み口の縁部と接触し、か
つ、前記ファンの回転に伴い前記吸込み口の縁部で削り
取られて前記前面シュラウドと前記ファンカバーの裏面
との間をシールするシール部材と、を具備する電動送風
機を前提とする。
【0011】そして、前記課題を解決するために、請求
項1の発明は、前記シール部材を、前記吸込み口の縁部
で削り取られるポリテトラフロロエチレン樹脂製の内層
と、この内層とは異なる材料でかつ前記内層より材料コ
ストが安い材料製であって、前記内層に積層されて前記
シール部材押えで押えられる外層とから形成したことを
特徴としている。
【0012】この発明において、シール部材押えは、吸
気口との間にシール部材の略全体を収容する環状溝を形
成する環状であっても、或いは環状ではなく、吸気口の
外側にこの吸気口の周方向に間隔的に複数配置されるも
のでもよい。又、この発明において、シール部材押え
は、それが有する多数の爪を折り曲げることによりシー
ル部材を押えて取付けるものであっても、又、リング状
の外層押え部を有して、シール部材支えをファンカバー
裏面に取付けることに伴って前記外層押え部でシール部
材の外層を押えて取付けるものであってもよい。又、こ
の発明において、シール部材の外層には、シール部材の
内層より材料コストが安い発泡ウレタン樹脂、不織布、
発泡紙等を好適に使用できるとともに、内層より材料コ
ストが安くかつ内層と同等以上の硬度の材料であっても
使用可能である。
【0013】請求項1の発明においては、前面シュラウ
ドの吸込み口の縁部が、シール部材のポリテトラフロロ
エチレン樹脂製内層を削ってこの内層に挿入して、前面
シュラウドとファンカバーとの間をシールするので、良
好なシール性能を確保できる。そして、ファンカバーの
裏面とこの面に設けられたシール部材押えとで挟持され
るシール部材の外層が、内層とは異なる材料で作られて
いるので、材料コストが高いポリテトラフロロエチレン
樹脂の使用量を少なくでき、しかも、この外層の材料コ
ストは内層の材料コストより安いものであるため、シー
ル部材のコストを低減できる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明に記載
のシール部材押えが前記外層に食い込むように折り曲げ
られる多数の爪を有し、これらの爪により加えられる力
を前記外層においてそこに折り曲げられた前記爪が接す
る部分で主に限定的に受けるようにしたことを特徴とし
ている。
【0015】この発明においては、シール部材をファン
カバーの裏面との間に挟持する多数の爪により外層に加
えられた力を、これらの爪が接する部分で主に限定的に
受けるので、前記力が内層に波及することが抑制され
る。それにより、外層に加えられる力がばらつくことが
あっても、シール部材全体がねじれて取付けられるおそ
れがなくなり、このシール部材を適正な姿勢でファンカ
バーの裏面に取付けることができる。
【0016】又、前記課題を解決するために、請求項3
の発明は、送風機室及びこの送風機室の上流側に集塵室
を有する掃除機本体と、前記送風機室に収容された請求
項1又は2に記載の電動送風機と、前記集塵室に収容さ
れたフィルタと、前記集塵室に連通して設けられる吸込
み口体と、を具備したことを特徴としている。この請求
項5の発明は、キャニスタ型、アップライト型、ハンデ
ィ型等の各種電気掃除機に適用できる。
【0017】この発明においては、請求項1又は2に係
る発明の電動送風機を備えるから、シール性能の低下を
来すことを抑制しつつコストダウンを図ることができる
電気掃除機を提供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明の第1実施形態を説明する。
【0019】図1はキャニスタ型の電気掃除機全体を示
す斜視図であり、この電気掃除機1は、床面上を自在に
移動できる車輪を有した掃除機本体2、電動送風機3、
フィルタとしての集塵袋4、吸塵ホース5、延長管6、
及び吸込み口体7等を備えている。
【0020】掃除機本体2はその例えば前部上面をなす
開閉可能な集塵室蓋2aを有している。掃除機本体2の
内部には、集塵室蓋2aの真下に対向する集塵室(図示
しない)が設けられているとともに、この集塵室の後
側、言い換えれば、吸気流を基準に集塵室の下流側に位
置する送風機室(図示しない)が夫々設けられている。
又、掃除機本体2は送風機室の内外を連通する図示しな
い排気口を有している。
【0021】集塵室には集塵袋4が出し入れ可能に収容
されて、送風機室には電動送風機3が収容されている。
掃除機本体2の例えば前端部には吸塵口2bが略水平に
設けられて、この吸塵口2bには吸塵ホース5の掃除機
本体側の一端部が挿脱可能に接続される。吸塵ホース5
及び延長管6は集塵室と吸込み口体7とを連通する吸込
み管をなすものであって、吸塵ホース5はその他端部に
手元操作スイッチ付きのハンドル5aを有している。ハ
ンドル5aには硬質な延長管6の一端部が着脱可能に接
続され、この延長管6の他端部には吸込み口体7が着脱
可能に接続されている。
【0022】前記構成の電気掃除機1は、その電動送風
機3を駆動させることにより、電動送風機3の送風力
で、吸込み口体7から被掃除面上の塵を吸込んで延長管
6及び吸塵ホース5を介して掃除機本体2の集塵室に導
き、この室内の集塵袋4で塵を捕捉できる。そして、集
塵袋4を通過した空気(吸気流)は、電動送風機3に吸
込まれてこの送風機3を通り抜けた後、掃除機本体2の
図示しない排気口を通して掃除機本体2の外部に排出さ
れる。以上により被掃除面を掃除できる。
【0023】次に、図2〜図4を参照して電動送風機3
について説明する。図2に示すように電動送風機3は、
電動機ケース10、固定子11、回転子12、一対のブ
ラシ装置13、ファン14、ディフューザ15、及びフ
ァンカバー16等を備えている。電動機ケース10、固
定子11、回転子12、及び一対のブラシ装置13は、
整流子モータからなる電動機部Mを形成している。
【0024】図2に示すように板金製の電動機ケース1
0は、ケース本体21とケース端面板22とを連結して
形成されている。ケース本体21の円筒部23の開口縁
は外側に張出す張出し縁部24をなし、この張出し縁部
24は、環状平面部24aと、この平面部24aからケ
ース本体21の底板21a側に向けて円筒部23と略平
行に折り曲げられた嵌合筒部24bと、この筒部24b
の先端から環状平面部24aと略平行に折り曲げられた
ストッパ部24cとで形成されている。底板21aの中
央部には円筒形状をなす軸受支え部25が形成され、こ
の軸受支え部25には軸受27が収容されている。円筒
部23には複数の排気口26が開けられている。
【0025】ケース端面板22は、ケース本体21の開
口を径方向に横切っていて、その両端部は張出し縁部2
4にねじ止めされている。このケース端面板22の長手
方向中央部には、軸受支え部25に対応して電動機ケー
ス10の外に向けて突出する軸受支え部28が形成さ
れ、この内部には軸受29が収容されている。
【0026】固定子11は固定子鉄心とこの鉄心に巻付
けられた固定子巻線とを備えてなる。固定子11は、固
定子鉄心の四隅を円筒部23の内面に圧接させて電動機
ケース10に収容され、円筒部23の内面とこれに対向
する固定子鉄心の外面との間に風路31(一つのみ図
示)が形成されている。
【0027】回転子12は整流子35付きのものであ
る。回転子12は、その回転軸12aの両端部を前記両
軸受27、29に支持させることによって、固定子11
の内側に位置して電動機ケース10に回転自在に取付け
られている。一対のブラシ装置13はケース本体21の
円筒部23を貫通して取付けられ、これらの装置13が
有するカーボンブラシ13aの先端は整流子35に押付
けられている。
【0028】前記ファン14、ディフューザ15、及び
ファンカバー16によってファン部Fが形成されてい
る。
【0029】詳しくは、回転軸12aは軸受29及びこ
れを収容している軸受支え部28を貫通し、その貫通端
部にファン14がナット38により連結されている。フ
ァン14は、遠心型のものであって、中央部に取付け孔
を有した円板状のベース41と、これに対向する前面シ
ュラウド42とを複数の遠心羽根(一枚のみ図示)43
で連結してなる。ベース41、前面シュラウド42、及
び遠心羽根43は、いずれもアルミニューム合金製であ
る。このファン14の外周部には吐出し口14aが形成
され、前面シュラウド42の中央部には吸込み口39が
設けられている。吸込み口39は、遠心羽根43の内端
よりファン14の中心側に位置してファンカバー16の
裏面に向けて湾曲されている。
【0030】このファン14と電動機ケース10との間
には、張出し縁部24及びケース端面板22の軸受支え
部28を除く部分を覆い隠す合成樹脂製のディフューザ
15が配置されている。ディフューザ15は、その周部
の風入口においてファン14から吐出された気流を取込
み、この気流を、裏面のディフューザ流路に流動させ静
圧化しながら電動機ケース10の開口に導入する。
【0031】板金製のファンカバー16は、前記ストッ
パ部24cに当るまで嵌合筒部24bに嵌合して取付け
られて、ファン14及びディフューザ15を覆い隠して
いる。このファンカバー16の中央部には吸気口45及
びシール部材押え46が設けられている。
【0032】吸気口45は吸込み口39と対向してい
る。図3及び図4に示すようにファン14の吸気口45
は、周方向に切れ目なく連続する短い円筒状をなして、
ファンカバー16の裏側に突出している。この吸気口4
5の外側には吸込み口39の縁部39aが位置されるよ
うになっている。
【0033】シール部材押え46は、金属薄板でリング
状に形成されていて、吸気口45を囲んでファンカバー
16の中央部裏面にスポット溶接により止められてい
る。シール部材押え46の内周縁は円筒状部47をなし
ている。この円筒状部47は吸気口45の外側近傍にこ
の吸気口45と同心的に設けられており、吸気口45と
の間に環状溝48を形成している。円筒状部47の先端
縁には周方向に等間隔毎に爪49が設けられ、これら多
数の爪49は環状溝48側に折り曲げられるようになっ
ている。円筒状部46aの爪49の根元までの高さは吸
気口45の高さより低い。
【0034】ファンカバー16の裏面には、環状溝47
に収容される環状のシール部材51が吸気口45の外周
に沿って配設されている。この部材51は、ファンカバ
ー16と前面シュラウド42との間の間隙G(図2及び
図4参照)をシールして、ファン14から吐出された気
流の一部が間隙Gを通ってファン14の吸込み口39に
流れ込もうとする循環流を塞き止めるために設けられて
いる。
【0035】シール部材51は、前面シュラウド42を
作っている金属材料より軟質であって吸気口45の外周
に接する内層52と、この内層52の外周面に極めて薄
い接着剤層54を介して積層された外層53とで形成さ
れている。内層52は、切削性及び耐熱性を有する多孔
質のPTFE(ポリテトラフロロエチレン樹脂)で形成
されている。
【0036】外層53はPTFEとは異なる材料で作ら
れている。具体例として外層53は発泡紙を多層に積層
したもので形成されている。発泡紙は、その原料が天然
の木材パルプであって、単位体積当りの密度が例えば
0.2g/cmと小さく、微細な気泡を全体にわたっ
て含んでいる紙であり、PTFEと同様に切削性が良
く、かつ、耐熱性も備えている。このような発泡紙とし
て東洋ファイバー株式会社製造で王子製紙株式会社販売
の商品名「スワットライト」を用いることができる。そ
して、この発泡紙の材料単価はPTFEに比較して安価
である。
【0037】前記多層構造のシール部材51は吸気口4
5に沿って巻き付けて環状溝48に収容される。そし
て、このシール部材51は、円筒状部47の各爪49を
折り曲げて(図4中矢印で代表して一つの爪49の折り
曲げ方向を示す。)、各爪49で外層53を部分的に押
し潰しながら外層53の高さ方向に各爪49を夫々に食
い込ませることによって、これらの爪49とファンカバ
ー16の裏面との間に挟持されている。この場合、爪4
9の長さが内層52に掛からないように設定されている
ので、外層53においてそこに折り曲げられた爪49が
接する部分に、爪49により加えられる力が主に限定的
に加えられて、既述のように外層53をを部分的に押し
潰すことができる。
【0038】シール部材51のファンカバー16裏面へ
の取付け状態は図3及び図4に示されている。シール部
材51のPTFE製内層52のファン14側に露出した
端面には、前面シュラウド42の吸込み口39の縁部3
9aが挿入されていて、この部分によって間隙Gがシー
ルされている。
【0039】内層52への前記縁部39aの挿入は以下
のようにして行われる。まず、裏面にシール部材51が
取付けられたファンカバー16を、自動機械によってフ
ァン14及びディフューザ15を覆い隠すように電動機
部Mの嵌合筒部24bに嵌め付ける。それに伴いシール
部材51の内層52にファン14の吸込み口39の縁部
39aが干渉し、この縁部39aが内層52の露出端面
にある程度陥没するように挿入される。
【0040】この組立て後に、電動送風機3の最初の運
転によるファン14の回転に伴い、内層52に対して前
記縁部39aが接触している部分が、この縁部39aで
削り取られる。それにより、図4に示すように吸込み口
39の縁部39aは更に深くシール部材51の内層52
に入り込み、これら内層52と前記縁部39aとは軽い
摺接状態となる。
【0041】しかも、既述のように電動送風機3の最初
の運転で、ファン14の吸込み口39の縁部39aがシ
ール部材51のPTFE製内層52を削り取る際、シー
ル部材51は引きずり動かされようとする力を受ける。
この場合、シール部材51の外層53への各爪49の食
い込みにより、シール部材51がファン14の回転に引
きずられることが抑制されて、前記削り取りが行われ
る。なお、削り取りによって、その後においてファン1
4がシール部材51を引きずり動かす力はほとんど無視
できる程度に激減する。
【0042】以上のようにファンカバー16とファン1
4の前面シュラウド42との間に形成されるシール構造
においては、前面シュラウド42の吸込み口39の縁部
39aが適当に深くシール部材51の内層52に入り込
み、これら内層52と前記縁部39aとは軽い摺接状態
となるから、この部分で、前記間隙Gを通ろうとする循
環流に対する良好なシール性能を確保できる。
【0043】しかも、ファンカバー16の裏面へのシー
ル部材51の固定において、シール部材押え46の爪4
9によりシール部材51の外層53に加えられた力を、
これらの爪49が接する部分で主に限定的に受けている
から、前記力がシール部材51の内層52に波及するこ
とが防止される。そのため、各爪49の折り曲げ力が異
なって外層53に加えられる力がばらつくことがあって
も、シール部材51全体がねじれて取付けられるおそれ
がなくなる。
【0044】したがって、シール部材51が適正な姿勢
でファンカバー16の裏面に取付けられるから、内層5
2への吸込み口39の縁部39aの削り込み深さに浅い
ところと深いところができるおそれがなくなる。そのた
め、前記削り込み深さの不足に起因するシール性能の低
下がなくなるので、この点においても前記間隙Gを通ろ
うとする循環流に対する良好なシール性能を確保でき
る。
【0045】又、以上のシール性能を担うシール部材5
1は、既述のように内層52と外層53とからなり、か
つ、ファンカバー16の裏面とシール部材押え46の爪
49とで挟持される外層53は、内層52とは異なる材
料で作られている。言い換えれば、内外両層52、53
の合計厚みに相当する厚み全体が材料コストが高いPT
FEで作られていないため、PTFEの使用量を外層5
3に相当する分少なくできる。しかも、外層53は不織
布等の内層52を作っているPTFEより材料コストが
安い。したがって、シール部材51のコストを低減でき
るものであり、それに伴い電動送風機3のコストも低減
できるとともに、同様に、この電動送風機3を備えた電
気掃除機1のコストも低減できる。
【0046】図5は本発明の第2実施形態を示してい
る。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構
成であるので、同様構成部分には第1実施形態と同じ符
号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下
異なる部分について説明する。
【0047】第2実施形態において、シール部材51の
外層53は、爪49の折り曲げに伴って高さ方向に容易
に変形しない剛性を有する硬質材料で形成されている。
そして、爪49を折り曲げてシール部材51をファンカ
バー16の裏面に固定する場合に、折り曲げられた爪4
9によりシール部材51に加えられる力を、外層53に
おける爪49が接する部分で主に限定的に受けて、前記
力がシール部材51の内層52に波及することを防止す
るようになっている。なお、以上の点以外の構成は図5
に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。
【0048】したがって、この第2実施形態の構成で
も、第1実施形態と同様の作用を得て本発明の課題を解
決することができる。
【0049】図6は本発明の第3実施形態を示してい
る。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構
成であるので、同様構成部分には第3実施形態と同じ符
号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下
異なる部分について説明する。
【0050】第3実施形態において、シール部材51の
内層52と外層53とを接着する接着剤層54は、シー
ル部材51におけるファンカバー16の裏面寄り部分だ
けを接着するように設けられ、内層52及び外層53の
前面シュラウド42寄り部分は接着されていない。その
ため、図6(A)に示すように非接着部分を境に外層5
3の前面シュラウド42寄り部分は、折り曲げられた爪
49により加えられる力によって、内層52から離れて
爪49の形状に対応して容易に変形される。したがっ
て、折り曲げられた爪49によりシール部材51に加え
られる力を、外層53における爪49が接する部分で主
に限定的に受けて、前記力がシール部材51の内層52
に波及することを防止できる。なお、以上の点以外の構
成は図6に示されない構成を含めて第1実施形態と同じ
である。
【0051】したがって、この第3実施形態の構成で
も、第1実施形態と同様の作用を得て本発明の課題を解
決することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0053】請求項1に係る発明によれば、ファンの前
面シュラウドとファンカバーとの間を、シール部材にお
けるポリテトラフロロエチレン樹脂製内層を前面シュラ
ウドの吸込み口の縁部で削り込んだ状態でシールするの
で、シール性能の低下を来すことを抑制できるととも
に、前記シール部材でのポリテトラフロロエチレン樹脂
の使用量を少なくできることに加えて、この減少分に代
えて使用されるシール部材の外層の材料コストも安いの
で、前記シール部材のコストを低減でき、それに応じて
コストダウンを図れる電動送風機を提供できる。
【0054】請求項2に係る発明によれば、折り曲げら
れる爪でシール部材をファンカバーの裏面に取付ける際
に、シール部材の外層に加えられる力がばらつくことが
あっても、シール部材がねじられることなく適正な姿勢
でファンカバーの裏面に取付けられることが原因で、こ
のシール部材の内層への吸込み口の縁部の削り込み不足
を生じるおそれがなくなるので、シール性能が低下する
恐れがない電動送風機を提供できる。
【0055】請求項3に係る発明によれば、請求項1又
は2に係る発明の電動送風機を備えるから、シール性能
の低下を来すことを抑制しつつコストダウンを図ること
ができる電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気掃除機全体を
示す斜視図。
【図2】図1の電気掃除機が備える電動送風機を一部切
欠して示す側面図。
【図3】図2の電動送風機が備えるファンカバーの吸気
口回りを裏側から見て示す斜視図。
【図4】図2の電動送風機の吸気口回りを示す断面図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電動送風機の吸気
口回りを示す断面図。
【図6】(A)は本発明の第3実施形態に係る電動送風
機の吸気口回りを示す断面図。(B)は図6(A)の電
動送風機が備えるシール部材を自由状態で示す断面図。
【符号の説明】
1…電気掃除機 2…掃除機本体 3…電動送風機 4…集塵袋(フィルタ) 7…吸込み口体 M…電動機部 12a…電動機部の回転軸 14…ファン 14b…ファンの吸気口 16…ファンカバー 39…前面シュラウドの吸込み口 39a…吸込み口の縁部 42…ファンの前面シュラウド 45…ファンカバーの吸気口 G…前面シュラウドとファンカバーとの間の間隙 46…シール部材押え 47…シール部材押えの円筒状部 48…環状溝 49…シール部材押えの爪 51…シール部材 52…シール部材の内層 53…シール部材の外層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を有する電動機部と、吸込み口が
    形成された前面シュラウドを有して前記回転軸に取付け
    られたファンと、前記吸込み口と対向する円筒状の吸気
    口、及びこの吸気口の外側近傍に設けられたシール部材
    押えを有して前記ファンを覆って設けられたファンカバ
    ーと、前記吸気口の外周に沿って巻き付けられるととも
    に外周部を前記ファンカバーの裏面と前記シール部材押
    えとで挟持して取付けられ、組立て時には前記吸込み口
    の縁部と接触し、かつ、前記ファンの回転に伴い前記吸
    込み口の縁部で削り取られて前記前面シュラウドと前記
    ファンカバーの裏面との間をシールするシール部材と、
    を具備する電動送風機において、 前記シール部材を、前記吸込み口の縁部で削り取られる
    ポリテトラフロロエチレン樹脂製の内層と、この内層と
    は異なる材料でかつ前記内層より材料コストが安い材料
    製であって、前記内層に積層されて前記シール部材押え
    で押えられる外層とから形成したことを特徴とする電動
    送風機。
  2. 【請求項2】 前記シール部材押えが前記外層に食い込
    むように折り曲げられる多数の爪を有し、これらの爪に
    より加えられる力を前記外層においてそこに折り曲げら
    れた前記爪が接する部分で主に限定的に受けるようにし
    たことを特徴とする電動送風機。
  3. 【請求項3】 送風機室及びこの送風機室の上流側に集
    塵室を有する掃除機本体と、前記送風機室に収容された
    請求項1又は2に記載の電動送風機と、前記集塵室に収
    容されたフィルタと、前記集塵室に連通して設けられる
    吸込み口体と、を具備したことを特徴とする電気掃除
    機。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008267299A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機
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