JP2003083263A - ギヤポンプ - Google Patents
ギヤポンプInfo
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- gears
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- Rotary Pumps (AREA)
- Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ギヤポンプにおいて、ギヤの噛み合い部分に作
動流体が閉じ込められる閉込み領域が生じる。この閉込
み領域内の作動流体の急激な圧力変動が原因で、振動や
騒音を発生する。 【解決手段】駆動ギヤ７と従動ギヤ８の噛み合い点Ａ，
Ｂ間に閉込み領域２４が生ずる。サイドプレートのギヤ
側側面に凹部１８を設け、凹部１８内に合成ゴム等の弾
性体１９を収容する。凹部１８は閉込み領域２４に臨
み、ギヤ７，８の噛み合いの作用線Ｋを避けて逃げ溝２
０，２１間に設けられる。閉込み領域２４内の圧力変動
を弾性体１９が伸縮することで緩和し、振動、騒音の発
生を防止する。
動流体が閉じ込められる閉込み領域が生じる。この閉込
み領域内の作動流体の急激な圧力変動が原因で、振動や
騒音を発生する。 【解決手段】駆動ギヤ７と従動ギヤ８の噛み合い点Ａ，
Ｂ間に閉込み領域２４が生ずる。サイドプレートのギヤ
側側面に凹部１８を設け、凹部１８内に合成ゴム等の弾
性体１９を収容する。凹部１８は閉込み領域２４に臨
み、ギヤ７，８の噛み合いの作用線Ｋを避けて逃げ溝２
０，２１間に設けられる。閉込み領域２４内の圧力変動
を弾性体１９が伸縮することで緩和し、振動、騒音の発
生を防止する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに噛み合う一
対のギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプに関
する。
対のギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプに関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、ギヤポンプは、簡単な構造を
有する小型軽量のポンプとして種々の産業分野に用いら
れている。一般的に、この種のギヤポンプでは、ハウジ
ング内部の空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせて
ギヤ室を区画している。このギヤ室の内部には、互いに
噛み合う一対のギヤが収容される。各ギヤの支軸の両端
部は、各サイドプレートにそれぞれ形成された支持孔に
嵌め入れられて支持される。また、上記ギヤ室の内部に
は、両ギヤの噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室お
よび吐出室が形成されている。
有する小型軽量のポンプとして種々の産業分野に用いら
れている。一般的に、この種のギヤポンプでは、ハウジ
ング内部の空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせて
ギヤ室を区画している。このギヤ室の内部には、互いに
噛み合う一対のギヤが収容される。各ギヤの支軸の両端
部は、各サイドプレートにそれぞれ形成された支持孔に
嵌め入れられて支持される。また、上記ギヤ室の内部に
は、両ギヤの噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室お
よび吐出室が形成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ギヤポンプ
のギヤの噛み合い部分の近傍では、各サイドプレートお
よび互いに噛合する各ギヤ歯で形成される閉込み領域に
作動流体が閉じ込められる、いわゆる閉込み(trapping)
現象を生じる。上記閉込み領域に閉じ込められた作動流
体がギヤの回転に伴って圧縮され膨張して急激に圧力変
動し、その結果、振動や騒音が発生するという問題があ
る。
のギヤの噛み合い部分の近傍では、各サイドプレートお
よび互いに噛合する各ギヤ歯で形成される閉込み領域に
作動流体が閉じ込められる、いわゆる閉込み(trapping)
現象を生じる。上記閉込み領域に閉じ込められた作動流
体がギヤの回転に伴って圧縮され膨張して急激に圧力変
動し、その結果、振動や騒音が発生するという問題があ
る。
【０００４】この問題に対して、ギヤの噛み合い部分の
近傍におけるサイドプレートに、閉込み領域に閉じ込め
られた作動流体を逃がすための逃げ溝を形成するギヤポ
ンプが提供されている。逃げ溝は、ギヤの噛み合い部分
の近傍から吐出室に向けて延びる高圧側逃げ溝と、ギヤ
の噛み合い部分の近傍から吸込室に向けて延びる低圧側
逃げ溝との一対で設けられる。これら一対の逃げ溝は、
ギヤの噛み合い部分の近傍で閉込み領域に連通してい
る。高圧側逃げ溝は、収縮時で高圧になっている閉込み
領域から吐出室へ作動流体を逃がし、低圧側逃げ溝は、
膨張時で低圧になっている閉込み領域へ吸込口室からの
作動流体を供給する。
近傍におけるサイドプレートに、閉込み領域に閉じ込め
られた作動流体を逃がすための逃げ溝を形成するギヤポ
ンプが提供されている。逃げ溝は、ギヤの噛み合い部分
の近傍から吐出室に向けて延びる高圧側逃げ溝と、ギヤ
の噛み合い部分の近傍から吸込室に向けて延びる低圧側
逃げ溝との一対で設けられる。これら一対の逃げ溝は、
ギヤの噛み合い部分の近傍で閉込み領域に連通してい
る。高圧側逃げ溝は、収縮時で高圧になっている閉込み
領域から吐出室へ作動流体を逃がし、低圧側逃げ溝は、
膨張時で低圧になっている閉込み領域へ吸込口室からの
作動流体を供給する。
【０００５】ところが、ギヤの回転が高速になると、閉
込み領域内の作動流体の慣性力が大きくなり、この慣性
力に抗して閉込み領域から逃げ溝へ作動流体を強制的に
移動させることが困難になるため、騒音発生を防止でき
なくなる。そこで、上記の一対の逃げ溝間の間隔を、両
逃げ溝が閉込み領域に一瞬、同時に連通する程度まで狭
め、閉込み領域がこれらの逃げ溝に連通して開放する時
間を長くすることが考えられる。しかしながら、そうし
た場合、ギヤの回転が低速で閉込み領域の作動流体の慣
性があまり大きくない場合に、一対の逃げ溝を介して吐
出室から吸込室へと作動流体が流通し、流量効率が低下
するおそれがある。
込み領域内の作動流体の慣性力が大きくなり、この慣性
力に抗して閉込み領域から逃げ溝へ作動流体を強制的に
移動させることが困難になるため、騒音発生を防止でき
なくなる。そこで、上記の一対の逃げ溝間の間隔を、両
逃げ溝が閉込み領域に一瞬、同時に連通する程度まで狭
め、閉込み領域がこれらの逃げ溝に連通して開放する時
間を長くすることが考えられる。しかしながら、そうし
た場合、ギヤの回転が低速で閉込み領域の作動流体の慣
性があまり大きくない場合に、一対の逃げ溝を介して吐
出室から吸込室へと作動流体が流通し、流量効率が低下
するおそれがある。
【０００６】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、ギヤポンプの閉込み現象に起因した振動や
騒音を確実に防止できるギヤポンプを提供することであ
る。
題を解決し、ギヤポンプの閉込み現象に起因した振動や
騒音を確実に防止できるギヤポンプを提供することであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するため、請求項１記載の発明は、内部に空所を
有するハウジングと、上記空所に嵌め入れられてハウジ
ングの内部にギヤ室を区画する一対のサイドプレート
と、上記ギヤ室内に収容される一対のギヤとを備え、こ
れら一対のギヤの回転に関連して一対のギヤの噛み合い
部分付近に作動流体の閉込み領域を発生するギヤポンプ
において、少なくとも一方のサイドプレートのギヤ側側
面に上記閉込み領域に臨む凹部が形成され、この凹部に
弾性体が収容されることを特徴とするものである。
を達成するため、請求項１記載の発明は、内部に空所を
有するハウジングと、上記空所に嵌め入れられてハウジ
ングの内部にギヤ室を区画する一対のサイドプレート
と、上記ギヤ室内に収容される一対のギヤとを備え、こ
れら一対のギヤの回転に関連して一対のギヤの噛み合い
部分付近に作動流体の閉込み領域を発生するギヤポンプ
において、少なくとも一方のサイドプレートのギヤ側側
面に上記閉込み領域に臨む凹部が形成され、この凹部に
弾性体が収容されることを特徴とするものである。
【０００８】本発明では、閉込み領域に臨む弾性体が弾
性変形することで、閉込み領域の衝撃的な圧力変動を緩
和することができるので、振動や騒音をより低減するこ
とができる。請求項２記載の発明は、請求項１におい
て、上記弾性体は発泡ゴムを含むことを特徴とするもの
である。発泡ゴムであれば、ゴム自身の他、気泡内の気
体が弾性体として機能するので、閉込み領域内での急激
な圧力変動を一層緩和して、振動や騒音をより低減する
ことができる。
性変形することで、閉込み領域の衝撃的な圧力変動を緩
和することができるので、振動や騒音をより低減するこ
とができる。請求項２記載の発明は、請求項１におい
て、上記弾性体は発泡ゴムを含むことを特徴とするもの
である。発泡ゴムであれば、ゴム自身の他、気泡内の気
体が弾性体として機能するので、閉込み領域内での急激
な圧力変動を一層緩和して、振動や騒音をより低減する
ことができる。
【０００９】請求項３記載の発明は、請求項１又は２に
おいて、上記弾性体は封止部材によって凹部内に封入さ
れる気体を含むことを特徴とするものである。本発明で
は、封入される気体の弾性により閉込み領域の衝撃的な
圧力変動を緩和することができるので、騒音をより低減
することができる。
おいて、上記弾性体は封止部材によって凹部内に封入さ
れる気体を含むことを特徴とするものである。本発明で
は、封入される気体の弾性により閉込み領域の衝撃的な
圧力変動を緩和することができるので、騒音をより低減
することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態を添付
図面を参照しつつ説明する。図１は本発明の一実施形態
に係るギヤポンプの断面図であり、図２は図１のII−II
線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。ま
た、図３は図１のIII −III 線に沿う断面図であり、図
４はIV−IV線に沿う断面図である。図５（ａ）及び
（ｂ）はサイドプレートの要部の断面図である。
図面を参照しつつ説明する。図１は本発明の一実施形態
に係るギヤポンプの断面図であり、図２は図１のII−II
線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。ま
た、図３は図１のIII −III 線に沿う断面図であり、図
４はIV−IV線に沿う断面図である。図５（ａ）及び
（ｂ）はサイドプレートの要部の断面図である。
【００１１】図１を参照して、本ギヤポンプは、その中
央部を貫通する長円形断面のキャビティ１を有する本体
筒２の両側を、これの全面を覆う態様にねじ止めされた
一対の蓋板３により塞いで構成されたハウジング４を備
えている。このハウジング４の内部には、キャビティ１
の両側から嵌挿されたアルミニウム合金製の一対のサイ
ドプレート５，５同士の間にギヤ室６が区画されてお
り、このギヤ室６内には、互いに対をなす駆動ギヤ７と
従動ギヤ８が配置されている。９は、蓋板３の環状溝に
収容され、蓋板３と本体筒２との間に介在してギヤ室６
を密封するためのシールである。１０はサイドプレート
５の収容溝５０に収容され、ギヤ室６内において対向す
るサイドプレート５と蓋板３との間の空間を低圧側と高
圧側の領域に仕切るシールである。
央部を貫通する長円形断面のキャビティ１を有する本体
筒２の両側を、これの全面を覆う態様にねじ止めされた
一対の蓋板３により塞いで構成されたハウジング４を備
えている。このハウジング４の内部には、キャビティ１
の両側から嵌挿されたアルミニウム合金製の一対のサイ
ドプレート５，５同士の間にギヤ室６が区画されてお
り、このギヤ室６内には、互いに対をなす駆動ギヤ７と
従動ギヤ８が配置されている。９は、蓋板３の環状溝に
収容され、蓋板３と本体筒２との間に介在してギヤ室６
を密封するためのシールである。１０はサイドプレート
５の収容溝５０に収容され、ギヤ室６内において対向す
るサイドプレート５と蓋板３との間の空間を低圧側と高
圧側の領域に仕切るシールである。
【００１２】図１及び図５（ａ）を参照して、本実施の
形態と特徴とするところは、要するに、少なくとも一方
のサイドプレート５のギヤ側側面５ａに凹部１８を設け
て、この凹部１８に例えば合成ゴムからなる弾性体１９
を収容した点にある。凹部１８として設ける孔はその底
が閉塞されている。弾性体１９に用いる合成ゴムとして
は、例えばアクリルゴム、ニトリルゴムがある。さら
に、作動流体が油の場合には、アクリルゴム、ニトリル
ゴムの配合を変化させて耐油効果を奏することも可能で
ある。その他、耐熱性や弾性力についても適宜調整可能
である。弾性体１９は凹部１８内に弾力的に保持され
る。ギヤ側側面５ａに沿って常にギヤ７，８の歯の側面
が通過するので、弾性体１９が凹部１８から飛び出すこ
とはない。ただし、弾性体１９を凹部１８の底に接着し
ておくこともできる。
形態と特徴とするところは、要するに、少なくとも一方
のサイドプレート５のギヤ側側面５ａに凹部１８を設け
て、この凹部１８に例えば合成ゴムからなる弾性体１９
を収容した点にある。凹部１８として設ける孔はその底
が閉塞されている。弾性体１９に用いる合成ゴムとして
は、例えばアクリルゴム、ニトリルゴムがある。さら
に、作動流体が油の場合には、アクリルゴム、ニトリル
ゴムの配合を変化させて耐油効果を奏することも可能で
ある。その他、耐熱性や弾性力についても適宜調整可能
である。弾性体１９は凹部１８内に弾力的に保持され
る。ギヤ側側面５ａに沿って常にギヤ７，８の歯の側面
が通過するので、弾性体１９が凹部１８から飛び出すこ
とはない。ただし、弾性体１９を凹部１８の底に接着し
ておくこともできる。
【００１３】凹部１８は、模式図である図６に示すよう
に、ギヤ７，８の歯の噛み合い点Ａ，Ｂの間にある作動
流体の閉込み領域２４に臨むように設けられている。そ
の結果、図５（ａ）及び（ｂ）に示すように、弾性体１
９が弾性変形により収縮することで、ギヤ７，８の回転
に伴う閉込み領域２４内の衝撃的な圧力変動を緩和し、
騒音を低減することができる。図６において、Ｋはギヤ
７，８の回転に伴ってギヤ７，８の噛み合い点が移動す
る軌跡に相当する噛み合いの作用線である。凹部１８は
噛み合いの作用線Ｋを避けて後述する一対の逃げ溝２
０，２１間に設ける必要がある。その理由の一つは、仮
に噛み合いの作用線Ｋ上に凹部１８を設けると高圧側と
低圧側が互いに導通してしまってポンプ機能を果たせな
くなるので、これを避けるためである。また、もう一つ
の理由は、凹部１８としては、閉込み領域２４に面する
面積が大きな箇所に設けることが圧力変動を緩和する効
果が高い点で好ましいからである。なお、凹部１８とし
ては、１個であっても良いし、また２個以上であっても
良い。
に、ギヤ７，８の歯の噛み合い点Ａ，Ｂの間にある作動
流体の閉込み領域２４に臨むように設けられている。そ
の結果、図５（ａ）及び（ｂ）に示すように、弾性体１
９が弾性変形により収縮することで、ギヤ７，８の回転
に伴う閉込み領域２４内の衝撃的な圧力変動を緩和し、
騒音を低減することができる。図６において、Ｋはギヤ
７，８の回転に伴ってギヤ７，８の噛み合い点が移動す
る軌跡に相当する噛み合いの作用線である。凹部１８は
噛み合いの作用線Ｋを避けて後述する一対の逃げ溝２
０，２１間に設ける必要がある。その理由の一つは、仮
に噛み合いの作用線Ｋ上に凹部１８を設けると高圧側と
低圧側が互いに導通してしまってポンプ機能を果たせな
くなるので、これを避けるためである。また、もう一つ
の理由は、凹部１８としては、閉込み領域２４に面する
面積が大きな箇所に設けることが圧力変動を緩和する効
果が高い点で好ましいからである。なお、凹部１８とし
ては、１個であっても良いし、また２個以上であっても
良い。
【００１４】駆動ギヤ７および従動ギヤ８の支軸７ａ，
８ａは、長円形断面を有するギヤ室６の両側の円弧の軸
心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設されて
いる。すなわち、支軸７ａ，８ａは各サイドプレート５
にそれぞれ一対形成された軸受としての支持孔１１，１
２により両持ち支持されている。一対の支持孔１１によ
って支持された一方の支軸７ａは、一方の蓋板３を貫通
して外部に延長され、この延長端に伝達される図示しな
いモータからの駆動力により回転駆動される駆動軸を構
成している。また、支軸７ａには、ギヤ室６の内部にお
いて駆動ギヤ７が一体回転可能に装着されている。支軸
７ａが蓋板３を貫通する部分にはオイルシール１３が配
置されている。
８ａは、長円形断面を有するギヤ室６の両側の円弧の軸
心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設されて
いる。すなわち、支軸７ａ，８ａは各サイドプレート５
にそれぞれ一対形成された軸受としての支持孔１１，１
２により両持ち支持されている。一対の支持孔１１によ
って支持された一方の支軸７ａは、一方の蓋板３を貫通
して外部に延長され、この延長端に伝達される図示しな
いモータからの駆動力により回転駆動される駆動軸を構
成している。また、支軸７ａには、ギヤ室６の内部にお
いて駆動ギヤ７が一体回転可能に装着されている。支軸
７ａが蓋板３を貫通する部分にはオイルシール１３が配
置されている。
【００１５】また、一対の支持孔１２によって支持され
た他方の支軸８ａは、各サイドプレート５の支持孔１２
内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸８ａに
は、ギヤ室６の内部において従動ギヤ８が装着されてい
る。従動ギヤ８の支軸８ａへの装着では、軸回りの回転
を拘束しても良いし軸回りの回転を許容しても良い。従
動ギヤ８は両支軸７ａ，８ａの軸心を含む平面内におい
て駆動ギヤ７と噛み合い、支軸７ａにより駆動される駆
動ギヤ７の回転に伴って、支軸８ａと共に（或いは支軸
８ａの回転を伴わずに）従動回転するようにしてある。
た他方の支軸８ａは、各サイドプレート５の支持孔１２
内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸８ａに
は、ギヤ室６の内部において従動ギヤ８が装着されてい
る。従動ギヤ８の支軸８ａへの装着では、軸回りの回転
を拘束しても良いし軸回りの回転を許容しても良い。従
動ギヤ８は両支軸７ａ，８ａの軸心を含む平面内におい
て駆動ギヤ７と噛み合い、支軸７ａにより駆動される駆
動ギヤ７の回転に伴って、支軸８ａと共に（或いは支軸
８ａの回転を伴わずに）従動回転するようにしてある。
【００１６】図２には、駆動ギヤ７およびこれに連動す
る従動ギヤ８の回転方向が矢符により示してある。各ギ
ヤ７，８の回転方向は予め定められており、互いに反対
方向に回転する。各ギヤ７，８が予め定める回転方向に
回転している状態を正回転しているという。両ギヤ７，
８の噛み合い位置を挟んだ両側には、前記回転方向側に
吸込室１４が、反回転方向側に吐出室１５が形成されて
いる。これら吸込室１４および吐出室１５は、本体筒２
の対応位置に開口する吸込口１６および吐出口１７を介
して、ハウジング４外の図示しない吸込先および吐出先
にそれぞれ接続されるようにしてある。図２において、
白抜き矢符により、作動流体の流れを示してある（図３
及び図４においても同様）。
る従動ギヤ８の回転方向が矢符により示してある。各ギ
ヤ７，８の回転方向は予め定められており、互いに反対
方向に回転する。各ギヤ７，８が予め定める回転方向に
回転している状態を正回転しているという。両ギヤ７，
８の噛み合い位置を挟んだ両側には、前記回転方向側に
吸込室１４が、反回転方向側に吐出室１５が形成されて
いる。これら吸込室１４および吐出室１５は、本体筒２
の対応位置に開口する吸込口１６および吐出口１７を介
して、ハウジング４外の図示しない吸込先および吐出先
にそれぞれ接続されるようにしてある。図２において、
白抜き矢符により、作動流体の流れを示してある（図３
及び図４においても同様）。
【００１７】図３において、サイドプレート５のギヤ側
側面５ａには、両ギヤ７，８の噛み合い位置の近傍から
吸込室１４側へ延びる逃げ溝２０および吐出室１５側へ
延びる逃げ溝２１が形成されている。逃げ溝２１は、両
ギヤ７，８の噛み合い部分の近傍で各サイドプレート５
と各噛合ギヤ歯とで形成される作動流体の閉込み領域２
４が、ギヤ７，８の回転に伴って収縮されるときに、上
記閉込み領域２４内の高圧の作動流体を吐出室１５へ逃
がして、閉込み領域２４内での高圧発生を防止する。一
方、逃げ溝２０は、上記の閉込み領域２４が膨張されて
低圧になるときに、吸込室１４から閉込み領域２４へ作
動流体を供給して、閉込み領域２４が負圧になることを
防止するためのものである。
側面５ａには、両ギヤ７，８の噛み合い位置の近傍から
吸込室１４側へ延びる逃げ溝２０および吐出室１５側へ
延びる逃げ溝２１が形成されている。逃げ溝２１は、両
ギヤ７，８の噛み合い部分の近傍で各サイドプレート５
と各噛合ギヤ歯とで形成される作動流体の閉込み領域２
４が、ギヤ７，８の回転に伴って収縮されるときに、上
記閉込み領域２４内の高圧の作動流体を吐出室１５へ逃
がして、閉込み領域２４内での高圧発生を防止する。一
方、逃げ溝２０は、上記の閉込み領域２４が膨張されて
低圧になるときに、吸込室１４から閉込み領域２４へ作
動流体を供給して、閉込み領域２４が負圧になることを
防止するためのものである。
【００１８】両逃げ溝２０，２１は両ギヤ７，８の噛み
合い中心位置を避けるようにして設けられ、互いの間に
所定の距離が確保されている。これは両逃げ溝２０，２
１を連通させてしまうと、吸込室１４側と吐出室１５側
が連通されて、ポンプ機能を果たせなくなるので、これ
を防止するためである。また、上記ギヤ側側面５ａに
は、各支持孔１１，１２と吸込室１４側とをそれぞれ連
通する連通溝２２が形成されている。
合い中心位置を避けるようにして設けられ、互いの間に
所定の距離が確保されている。これは両逃げ溝２０，２
１を連通させてしまうと、吸込室１４側と吐出室１５側
が連通されて、ポンプ機能を果たせなくなるので、これ
を防止するためである。また、上記ギヤ側側面５ａに
は、各支持孔１１，１２と吸込室１４側とをそれぞれ連
通する連通溝２２が形成されている。
【００１９】一方、図４において、サイドプレート５の
反ギヤ側側面５ｂには、略３の字形形状のシール溝５０
に上記のシール１０を収容しており、このシール１０を
境界として、互いに対向するサイドプレート５と蓋板３
との間の空間が、吸込室１４側に連通する低圧側空間と
吐出室１５側に連通する高圧側空間とに仕切られてい
る。このように、サイドプレート５の背面である反ギヤ
側側面５ｂには、シール１０で仕切られた状態で、低圧
の作動流体および高圧の作動流体が背圧として作用し、
これが、サイドプレート５に吐出圧に応じて負荷される
ので、サイドプレート５と両ギヤ７，８との間の隙間が
高精度で維持される結果、高圧時のポンプ効率を高く維
持できる。また、上記反ギヤ側側面５ｂには、上記低圧
側空間において各支持孔１１，１２と吸込室１４側とを
それぞれ連通する各一対の連通溝２３が形成されてい
る。
反ギヤ側側面５ｂには、略３の字形形状のシール溝５０
に上記のシール１０を収容しており、このシール１０を
境界として、互いに対向するサイドプレート５と蓋板３
との間の空間が、吸込室１４側に連通する低圧側空間と
吐出室１５側に連通する高圧側空間とに仕切られてい
る。このように、サイドプレート５の背面である反ギヤ
側側面５ｂには、シール１０で仕切られた状態で、低圧
の作動流体および高圧の作動流体が背圧として作用し、
これが、サイドプレート５に吐出圧に応じて負荷される
ので、サイドプレート５と両ギヤ７，８との間の隙間が
高精度で維持される結果、高圧時のポンプ効率を高く維
持できる。また、上記反ギヤ側側面５ｂには、上記低圧
側空間において各支持孔１１，１２と吸込室１４側とを
それぞれ連通する各一対の連通溝２３が形成されてい
る。
【００２０】このような構成により、吸込口１６を経て
吸込室１４に導入される作動流体は、該吸込室１４に臨
む駆動ギヤ７および従動ギヤ８の歯間に受け入れられ、
両ギヤ７，８の回転により、それぞれの歯間と本体筒２
の内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室１
５に送り出される。吐出室１５への送り出しを終えた駆
動ギヤ７と従動ギヤ８とは、両ギヤ７，８の噛み合い位
置を経て吸込室１４側に向き、該吸込室１４内の作動流
体を再度受け入れて吐出室１５側へ送り出す作用をな
す。
吸込室１４に導入される作動流体は、該吸込室１４に臨
む駆動ギヤ７および従動ギヤ８の歯間に受け入れられ、
両ギヤ７，８の回転により、それぞれの歯間と本体筒２
の内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室１
５に送り出される。吐出室１５への送り出しを終えた駆
動ギヤ７と従動ギヤ８とは、両ギヤ７，８の噛み合い位
置を経て吸込室１４側に向き、該吸込室１４内の作動流
体を再度受け入れて吐出室１５側へ送り出す作用をな
す。
【００２１】以上のように、本実施の形態によれば、高
速回転時で閉込み領域２４と逃げ溝２０，２１との間の
作動流体の流通が円滑に行なえないときにも、図５
（ａ）及び（ｂ）に示すように、閉込み領域２４に臨む
弾性体１９が弾性変形することで、閉込み領域２４の衝
撃的な圧力変動を緩和することができるので、振動や騒
音をより低減することができる。しかも、これをサイド
プレート５に凹部１８を設けて弾性体１９を収容する簡
単な構成にてコスト安価に実現することができる。
速回転時で閉込み領域２４と逃げ溝２０，２１との間の
作動流体の流通が円滑に行なえないときにも、図５
（ａ）及び（ｂ）に示すように、閉込み領域２４に臨む
弾性体１９が弾性変形することで、閉込み領域２４の衝
撃的な圧力変動を緩和することができるので、振動や騒
音をより低減することができる。しかも、これをサイド
プレート５に凹部１８を設けて弾性体１９を収容する簡
単な構成にてコスト安価に実現することができる。
【００２２】次いで、図７は本発明の別の実施の形態に
係るサイドプレートの要部の断面図である。図７を参照
して、本実施の形態の特徴とするところは、凹部１８内
に、独立発泡の気泡２５を含む発泡ゴムからなる弾性体
２６を収容した点にある。この場合、気泡２５内の気体
も弾性体として機能するので、圧力変動緩和のダンパと
しての機能をより高めて、騒音を一層低減することがで
きる。気泡２５を取り囲むゴム部分が気泡２５内に空気
を封止する封止部材として機能する。
係るサイドプレートの要部の断面図である。図７を参照
して、本実施の形態の特徴とするところは、凹部１８内
に、独立発泡の気泡２５を含む発泡ゴムからなる弾性体
２６を収容した点にある。この場合、気泡２５内の気体
も弾性体として機能するので、圧力変動緩和のダンパと
しての機能をより高めて、騒音を一層低減することがで
きる。気泡２５を取り囲むゴム部分が気泡２５内に空気
を封止する封止部材として機能する。
【００２３】次いで、図８は本発明のさらに別の実施の
形態に係るサイドプレートの要部の断面図である。図８
を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、凹部
１８内に、内部に空気室２７を密封区画する中空ゴム２
８を収容した点にある。この場合にも、空気室２７内の
気体を、圧力変動緩和のダンパとして機能させて、騒音
を一層低減することができる。空気室２７を区画するゴ
ム部分が空気室２７内に気体を封止する封止部材として
機能する。
形態に係るサイドプレートの要部の断面図である。図８
を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、凹部
１８内に、内部に空気室２７を密封区画する中空ゴム２
８を収容した点にある。この場合にも、空気室２７内の
気体を、圧力変動緩和のダンパとして機能させて、騒音
を一層低減することができる。空気室２７を区画するゴ
ム部分が空気室２７内に気体を封止する封止部材として
機能する。
【００２４】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の特許請求の範囲で種々の変更
を施すことができる。
るものではなく、本発明の特許請求の範囲で種々の変更
を施すことができる。
【図１】本発明の一実施形態のギヤポンプの断面図であ
る。
る。
【図２】図１のII−II線に沿う模式的断面図であり、ハ
ッチングを省略してある。
ッチングを省略してある。
【図３】図１のIII −III 線に沿う断面図である。
【図４】図１のIV−IV線に沿う断面図である。
【図５】（ａ）及び（ｂ）は弾性体の伸縮を説明するた
めのサイドプレートの要部の断面図である。
めのサイドプレートの要部の断面図である。
【図６】閉込み領域を説明するためのギヤの噛み合いの
模式図である。
模式図である。
【図７】本発明の別の実施の形態のサイドプレートの要
部の断面図である。
部の断面図である。
【図８】本発明の別の実施の形態のサイドプレートの要
部の断面図である。
部の断面図である。
１ キャビティ
２ 本体筒
３ 蓋板
４ ハウジング
５ サイドプレート
５ａ ギヤ側側面
６ ギヤ室
７ 駆動ギヤ
８ 従動ギヤ
７ａ，８ａ 支軸
７ｃ，８ｃ 歯底部
１４ 吸込室
１５ 吐出室
１８ 凹部
１９ 弾性体
２０，２１ 逃げ溝
２４ 閉込み領域
２５ 気泡
２６，２８ 弾性体（封止部材）
２７ 空気室
Ａ，Ｂ 噛み合い点（噛み合い部分）
Ｋ 噛み合いの作用線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Ｆターム(参考） 3H041 AA02 BB02 CC12 DD02 DD04
DD05 DD11 DD24 DD33
3H044 AA02 BB02 CC11 DD02 DD04
DD05 DD11 DD23
Claims (3)
- 【請求項１】内部に空所を有するハウジングと、上記空
所に嵌め入れられてハウジングの内部にギヤ室を区画す
る一対のサイドプレートと、上記ギヤ室内に収容される
一対のギヤとを備え、これら一対のギヤの回転に関連し
て一対のギヤの噛み合い部分付近に作動流体の閉込み領
域を発生するギヤポンプにおいて、 少なくとも一方のサイドプレートのギヤ側側面に上記閉
込み領域に臨む凹部が形成され、この凹部に弾性体が収
容されることを特徴とするギヤポンプ。 - 【請求項２】請求項１において、上記弾性体は発泡ゴム
を含むことを特徴とするギヤポンプ。 - 【請求項３】請求項１又は２において、上記弾性体は封
止部材によって凹部内に封入される気体を含むことを特
徴とするギヤポンプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001278543A JP2003083263A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | ギヤポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001278543A JP2003083263A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | ギヤポンプ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003083263A true JP2003083263A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19102894
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001278543A Pending JP2003083263A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | ギヤポンプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003083263A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014171744A1 (en) | 2013-04-17 | 2014-10-23 | Nag-Bok Lim | A silent gear pump or motor suppressing troubles of trapping fluid |
| CN107435626A (zh) * | 2016-04-26 | 2017-12-05 | 艾可勒工业电子有限公司 | 齿轮流体机 |
-
2001
- 2001-09-13 JP JP2001278543A patent/JP2003083263A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014171744A1 (en) | 2013-04-17 | 2014-10-23 | Nag-Bok Lim | A silent gear pump or motor suppressing troubles of trapping fluid |
| WO2014171567A1 (en) * | 2013-04-17 | 2014-10-23 | Nag-Bok Lim | Silent gear pump suppressing tooth contact noise |
| CN105164418A (zh) * | 2013-04-17 | 2015-12-16 | 林洛福 | 抑制截留流体故障的无声齿轮泵或马达 |
| EP2986854A1 (en) * | 2013-04-17 | 2016-02-24 | Nag-Bok Lim | A silent gear pump or motor suppressing troubles of trapping fluid |
| KR20160038879A (ko) * | 2013-04-17 | 2016-04-07 | 임락복 | 차폐(遮蔽) 유체 문제를 개선한 저소음 기어 펌프 혹은 모터 |
| JP2016515683A (ja) * | 2013-04-17 | 2016-05-30 | リム ナグボクＬＩＭ， Ｎａｇ−Ｂｏｋ | 遮蔽流体トラブルを改善した低ノイズギアポンプまたはモーター |
| EP2986854A4 (en) * | 2013-04-17 | 2017-04-05 | Nag-Bok Lim | A silent gear pump or motor suppressing troubles of trapping fluid |
| KR101724985B1 (ko) * | 2013-04-17 | 2017-04-10 | 임락복 | 차폐(遮蔽) 유체 문제를 개선한 저소음 기어 펌프 혹은 모터 |
| US9945230B2 (en) | 2013-04-17 | 2018-04-17 | Nag-Bok Lim | Silent gear pump or motor suppressing troubles of trapping fluid |
| CN107435626A (zh) * | 2016-04-26 | 2017-12-05 | 艾可勒工业电子有限公司 | 齿轮流体机 |
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