JP2003082312A - 防水接合材 - Google Patents
防水接合材Info
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Abstract
がないと共に、粘着性、成形外観にも優れた防水接合材
を提供する。 【解決手段】 膨張性黒鉛を配合したブチルゴムを主成
分するブチルゴム系粘着剤を含む防水接合材。前記膨張
性黒鉛の配合量が、ブチルゴム系粘着剤100重量部に
対して1〜10重量部とする。防水接合材を、防水テー
プとする。
Description
水接合材に関し、特に、自己消火性をも備えた防水接合
材に関する。
壁材および内壁材などからなる複数部材をそれらの間に
間隙を設けた積層構造となっている。そして、その間隙
には、電気配線や断熱材を配備することが行われてい
る。この間隙には、雨や雪などが浸入することがないよ
うに、防水施工がなされる。この防水施工には、粘着性
に優れ、施工しやすいなどの点から、ブチルゴム系粘着
剤からなる防水テープなどの防水接合材が用いられてい
る。
に、延焼などによる火災の拡大を防ぐために、最近の建
築資材は、燃え難い材質のものを使うようになってきて
いる。しかしながら、上記ブチルゴム系粘着剤は、その
構成物質として、石油系高分子のブチルゴム、有機系可
塑剤、石油系樹脂からなるタッキファイア、有機化合物
からなる老化防止剤などの可燃性物質を含んでいる。特
に、可塑剤はどれも燃え易く、この可塑剤の存在によ
り、ブチルゴム系粘着剤は燃え易く、炎に接触すると容
易に着火し、炎から離しても燃え続ける。したがって、
建築資材としてブチルゴム系粘着剤からなる防水テープ
が用いられていると、火災時に、延焼を防止し難く、ま
た、完全に消火するには時間がかかることがあった。
燃化する方法としては、樹脂に多量のハロゲン含有化合
物(ハロゲン系難燃剤)を添加する方法、リン含有化合
物(リン系難燃剤)を添加する方法、金属水酸化物を添
加する方法などが一般的であった。しかしながら、ハロ
ゲン系難燃剤を含有する熱可塑性樹脂は、燃焼時、熱分
解時に腐食性ガスや有毒ガスを発生するという問題があ
った。また、リン系難燃剤や金属水酸化物は比較的、難
燃性付与効果が低いため、熱可塑性樹脂を難燃化させる
ためには、多量に添加しなければならなかった。そのた
め、これらの難燃剤を多量に添加すると、熱可塑性樹脂
が本来有する物性が低下したり、得られた成形品の外観
が損われたりするなどの問題があった。
で、自己消火性を有し、有毒ガスを発生することがない
と共に、粘着性、成形外観にも優れた防水接合材を提供
することを課題とする。
を配合したブチルゴムを主成分するブチルゴム系粘着剤
を含む防水接合材によって解決できる。前記膨張性黒鉛
の配合量が、ブチルゴム系粘着剤100重量部に対し
て、1〜10重量部であることが好ましい。前記防水接
合材が、防水テープであることが好ましい。
本発明の防水接合材は、膨張性黒鉛を配合したブチルゴ
ムを主成分するブチルゴム系粘着剤を含み、自己消火性
を有するものである。膨張性黒鉛の配合量は、ブチルゴ
ム系粘着剤100重量部に対して、1〜10重量部であ
ることが好ましく、より好ましくは2.5〜3.5重量
部である。膨張性黒鉛の配合量が1重量部未満では、防
水接合材が自己消火性を示さない。一方、膨張性黒鉛の
配合量が10重量部を超えると、防水接合材の粘着性、
引張り強さ、成形外観などが劣化し、実用に適さなくな
る。
接すると燃えるが、炎から離すと、自然に消火する性質
のことである。自己消火性の評価は、JIS A132
2規格の建築用薄物材料の難燃性試験方法によって行な
われる。
理したもので、高温で加熱すると芋虫状に膨張し、その
体積が加熱前の100〜300倍となる黒鉛のことであ
る。膨張性黒鉛は、一般的に、この膨張する性質を利用
して、難燃剤や保温剤として使用されている。また、膨
張性黒鉛は、天然鱗片状黒鉛を濃硫酸、硝酸などの強酸
と、過塩素酸、過塩素酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素
などの強酸化剤とで処理して、黒鉛の各層間に硫酸化合
物、硝酸化合物などが挿入された黒鉛層間化合物を生成
させた後、水洗、乾燥して製造される。本発明で用いら
れる膨張性黒鉛は、その大きさが0.5〜1mm程度の
鱗片状である。
ム系粘着剤は、ブチルゴム、無機系充填材、可塑剤、タ
ッキファイアおよび老化防止剤などから形成されてい
る。このようなブチルゴム系粘着剤としては、例えば、
ブチルゴム35重量%、無機系充填材40重量%、可塑
剤10重量%、タッキファイア13重量%、老化防止剤
2重量%の割合で配合したものが用いられる。
なるもの、ブチルゴムの他に架橋ブチルゴムを含むも
の、タイヤゴムなどの再生品で、ゴム分が30〜50重
量%の再生ブチルゴムを含むものなどが用いられる。無
機系充填材としては、カーボンブラック、タルク、炭酸
カルシウムなどが用いられる。
0のポリブテン、石油成分中の飽和または不活性な不飽
和炭化水素からなるプロセスオイル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタリンなどの芳香族炭化水素、飽和
単環カルボン酸、飽和複環カルボン酸、脂肪族カルボン
酸などのナフテン酸、アスファルトなどが用いられる。
脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹
脂、鉱油などが用いられる。老化防止剤としては、第一
アミン類、アルデヒドアミン類、第二アミン類、混合ア
ミン類、フェノール類、パラフィン、微晶ロウなどのワ
ックスなどが用いられる。
る材料は可燃性であるが、膨張性黒鉛を配合した本発明
の防水接合材は、自己消火性を示す。したがって、本発
明の防水接合材が建築資材として用いられれば、火災発
生時に、この防水接合材に起因する延焼を防止すること
ができる。
することにより調製でき、その方法に特に制限はなく、
通常の方法で調製できる。各構成材料の混練に用いられ
る装置としては、押出機、ミキシングロール、バンバリ
ミキサー、ニーダーなどが挙げられる。本発明の防水接
合材は、例えば、各種構成材料が混練された後、複数個
の吐出口が形成されたダイを用いて、押出機から線状体
として押し出され、断面略円形または四辺形をなす長尺
の紐状またはテープ状に形成される。また、防水接合材
がテープ状に形成される場合、防水接合材が剥離紙上に
形成されて、実用に供される。
材がテープ状に形成されたものである。本発明の防水テ
ープの幅は、10〜30mm程度であり、実用的には2
0mm程度である。また、本発明の防水テープの厚さ
は、1〜10mm程度であり、好ましくは、3〜8mm
である。防水テープの厚さが1mm未満では、膨張性黒
鉛の大きさが0.5〜1mm程度であるので、成形外観
が損われる。また、本発明の防水テープは、その厚さが
大きくなっても、自己消火性を損うことがない。
と、この防水性基材に貼着された上記ブチルゴム系粘着
剤とを有するものであってもよい。防水性基材として
は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系樹脂またはポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル系樹脂などからなる不織布、または不織布に透
湿防水性ポリマーをラミネートもしくは含浸させたもの
などが用いられる。
ずして何らかのものに貼着することがないように、剥離
紙が防水テープの貼着面に設けられている。剥離紙は、
特に制限されず、ブチルゴム系粘着剤から容易に剥離す
ることができるものであればいかなるものであってもよ
い。このような本発明の防水テープを実用に供するに
は、防水テープを所定長さに裁断し、防水テープをから
剥離紙を剥離して、ブチルゴム系粘着剤の貼着面を被着
体に貼着すればよい。
の開口防水用途にも用いることができる。このような開
口防水用途において、防火対策が求められた場合に、本
発明の防水テープは好適である。
ロゲン系化合物を発生せず、無害である。また、本発明
の防水接合材は、膨張性黒鉛を少量含有しており、この
少量の膨張性黒鉛の存在により、十分な自己消火性を示
すものである。したがって、膨張性黒鉛が多量に添加さ
れて、防水接合材の粘着性、成形外観、機械的物性など
が劣化することがない。また、防水接合材を上記のよう
な防水テープとすれば、防水施工を容易に行なうことが
できる。このようなことから、本発明の防水接合材は、
住宅などの建築物の外壁材および内壁材などの防水施工
用途に好適である。
効果を明らかにする。 [実施例]ブチルゴム、無機系充填材、可塑剤、タッキ
ファイアおよび老化防止剤からなるブチルゴム系粘着剤
100重量部に、膨張性黒鉛を0〜4.0重量部配合し
て混練し、押出機から押し出して、厚さ1、2、3、
5、8mmの長尺テープ状の防水接合材を製造した。膨
張性黒鉛の配合量、厚さの異なる防水接合材について、
後述の評価試験を行った。
08の針入度試験を行った。針入度は、常温付近におけ
る試料の硬さを表す指数で、鋼製標準針が一定温度の試
料の中に侵入する長さを1/10mm単位で表示する。
針入度試験は、試験台上に固定(載置)された試料に、
焼入鋼製標準針を垂直に侵入して、試料の方さを測定す
る試験である。標準試験条件は25℃で、焼入鋼製標準
針に100gの荷重を5秒間かけ、焼入鋼製標準針の侵
入長さを測定した。結果を表1に示す。
し、この引張試験片に引張試験機を用いて500mm/
分の速度で引張力を加え、試験片断面積当りの最大荷重
(kPa)を算出した。また、防水接合材が破断するま
での伸び(%)を同時に測定した。結果を表1に示す。
触って、粘着性を評価した。評価の基準を膨張性黒鉛が
配合されていない試料Aの粘着性を100として、相対
評価した。
て、膨張性黒鉛の析出状態などについて目視観察し、評
価した。評価基準を、下記の通りとした。 ◎ :膨張性黒鉛が表面に析出しておらず、外観が良
好であった。 ○ :膨張性黒鉛がほとんど表面に析出しておらず、
外観が良好であった。 △:防水接合材に含有される膨張性黒鉛の幾分かが表面
に析出し、外観がやや不良であった。 ×:防水接合材に含有される膨張性黒鉛の多くが表面に
析出し、外観が不良であった。 結果を表1に示す。
接合材の端末にライターの炎を直接接触させ、燃焼性の
評価をした。評価基準を、下記の通りとした。 ◎ :炎から離すと、直に消火した。 ○ :炎から離すと、消火するまでに僅かに時間を要
した。 △ :炎から離しても、しばらく燃え続けた後に消火
した。 ×:炎から離しても、燃え続けた。 結果を表1に示す。樹脂などが炎に接すると燃えるが、
炎から離すと、自然に消火する性質のことである。
は、膨張性黒鉛の添加量が、ブチルゴム系粘着剤100
重量部に対して、2.5〜3.5重量部であれば、燃え
難いことが確認された。また、膨張性黒鉛の添加量が上
記範囲内であれば、ブチルゴム系粘着剤の機械的物性の
大幅な低下がみられないことが確認された。特に、膨張
性黒鉛の添加により、ブチルゴム系粘着剤の硬さが変化
しないことが確認された。また、膨張性黒鉛の添加によ
り、ブチルゴム系粘着剤の粘着性が劣化しないことが確
認された。さらに、防水接合材に厚さが2〜8mmであ
れば、成形外観が良好であることが確認された。
方法に準拠し、実施例で得られた防水接合材D〜Iの難
燃性について評価した。300mm×200mm×厚さ
2mmの試料を、メッケルバーナを用いて加熱した。加
熱時間を、10秒、20秒、30秒、1分、2分、3分
とした。難燃性の基準を、防災1級、防災2級、防災3
級とし、各規準を表2に示す。表中、残炎とは、加熱終
了時から試料が炎を上げて燃え続ける状態をいう。難燃
性の評価のために、燃焼時間を測定した。残じんとは、
加熱終了時から無炎燃焼している状態をいう。難燃性の
評価のために、加熱終了1分後の残じんの有無を確認し
た。炭化長さとは、試料の加熱面の炭化して明らかに強
度が変化している部分をいう。難燃性の評価のために、
炭化長さ測定した。結果を表3に示す。なお、表3に
は、最低基準の防災3級の規格を示した。
は、膨張性黒鉛の添加量が、ブチルゴム系粘着剤100
重量部に対して、2.5重量部以上であれば、優れた難
燃性を示すことが確認された。具体的には、膨張性黒鉛
の添加量が2.5〜3.5重量部では、防災2級の規格
を満たし、膨張性黒鉛の添加量が4.0重量部では、防
災1級の規格を満たしていることが確認された。
材は、膨張性黒鉛を配合したブチルゴムを主成分するブ
チルゴム系粘着剤を含むから、優れた自己消火性を示
し、火災発生時に、この防水接合材に起因する延焼を防
止することができる。また、燃焼時に有害なハロゲン系
化合物を発生せず、無害である。したがって、住宅など
の建築物の外壁材および内壁材などの防水施工用途に好
適である。前記膨張性黒鉛の配合量が、ブチルゴム系粘
着剤100重量部に対して1〜10重量部であれば、防
水接合材の粘着性、成形外観、機械的物性などが劣化す
ることがない。上記防水接合材が、防水テープであれ
ば、防水施工を容易に行なうことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 膨張性黒鉛を配合したブチルゴムを主成
分するブチルゴム系粘着剤を含むことを特徴とする防水
接合材。 - 【請求項2】 前記膨張性黒鉛の配合量が、ブチルゴム
系粘着剤100重量部に対して1〜10重量部であるこ
とを特徴とする請求項1記載の防水接合材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の防水接合材が、
防水テープであることを特徴とする防水接合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272644A JP2003082312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 防水接合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272644A JP2003082312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 防水接合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003082312A true JP2003082312A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19097984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001272644A Pending JP2003082312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 防水接合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003082312A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100958884B1 (ko) | 2009-10-08 | 2010-05-20 | 한폴 주식회사 | 부틸합성고무 조성물을 이용한 방수공법. |
KR101035399B1 (ko) | 2010-10-19 | 2011-05-20 | (주)청석엔지니어링 | 폐타이어 고분자가 함유된 자착식 부틸합성고무 시트 방수제 및 이를 이용한 방수공법 |
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-
2001
- 2001-09-07 JP JP2001272644A patent/JP2003082312A/ja active Pending
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