JP2003082177A - 延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP2003082177A
JP2003082177A JP2001277677A JP2001277677A JP2003082177A JP 2003082177 A JP2003082177 A JP 2003082177A JP 2001277677 A JP2001277677 A JP 2001277677A JP 2001277677 A JP2001277677 A JP 2001277677A JP 2003082177 A JP2003082177 A JP 2003082177A
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Itaru Kuramoto
格 倉本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性および付加反応型シリコーン系
離型剤の塗布適性に優れる二軸延伸フィルム用ポリプロ
ピレン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 メルトフローレート(MFR)が0.5
〜10.0g/分であるポリプロピレン系樹脂、一般式
(1) 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜10のア
ルキル基を、R3は炭素数1〜10のアルキレン基を、
4は炭素数1〜30のアルキル基を示す。)で表され
るフェノール系酸化防止剤Aおよびラクトン系酸化防止
剤Cからなる組成成物であって、ポリプロピレン系樹脂
に対する酸化防止剤の配合量が下記式100≦A≦4
600(ppm)、10≦C≦300(ppm)であ
り、且つ0.075A+C≦550(ppm)を満た
す延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性及び付加
反応型シリコーン系離型剤の塗布適性に優れる二軸延伸
フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。す
る。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、腰
の強さ、透明性および安価であること等から、食品包
装、衣料包装、工業用途の他、ラベル、粘着テープおよ
びシール等の剥離紙の基材として用いられている。剥離
紙に用いられる剥離剤として、シリコーンが一般的に使
用されるが、その種類は用途によって使い分けられ、代
表例として、縮合型、紫外線型および付加反応型が挙げ
られる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムが基材として
用いられる、ラベル、粘着テープおよびシール等には、
付加反応型シリコーン系離型剤が生産性およびコスト面
から大半使用されている。一方、二軸延伸フィルム用ポ
リプロピレン系樹脂組成物に使用される酸化防止剤とし
ては、従来、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール(BHT)/テトラキス[メチレン−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタンに代表されるフェノール系酸化防止剤
の併用が一般的であった。しかし、昨今、BHTの食品
衛生面での問題がクローズアップされ、徐々にBHTの
使用が避けられるようになり、現在では、上記酸化防止
剤の代替として、Irg168[トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト]/テトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンに代表される
ように、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の
併用が一般的となっている。ところで、リン系酸化防止
剤を含む二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、付加反応
型シリコーン系離型剤を塗布すると、シリコーンが硬化
しなかったり、経時的に剥離紙が脱落する等の問題が起
こる場合がある。これは、付加反応型シリコーン系離型
剤には、触媒として白金が使用されているため、窒素、
燐および硫黄化合物等が存在すると触媒毒として作用す
る場合があるためである。このため、BHT以外のフェ
ノール系酸化防止剤の単独使用および併用が考えられる
が、使用量が少ない場合、熱安定性を満足できず、多量
に使用すると、シリコーン塗布適性が阻害される問題が
発生する。このように、近年、BHTの使用を避け、且
つ付加反応型シリコーン系離型剤の塗布適性に優れる二
軸延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物が求めら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、BHTおよびリン系酸化
防止剤を使用せずに、熱安定性および付加反応型シリコ
ーン系離型剤の塗布適性に優れる二軸延伸フィルム用ポ
リプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、ポリプロピレン系樹脂とフェノール系酸化防止剤
およびラクトン系酸化防止剤からなる特定の樹脂組成物
が上記問題点を解決することを見出し、本発明を完成さ
せたものである。すなわち、本発明は、メルトフローレ
ート(MFR)が0.5〜10.0g/分であるポリプ
ロピレン系樹脂、一般式(1)
【化2】 (式中、R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜10のア
ルキル基を、R3は炭素数1〜10のアルキレン基を、
4は炭素数1〜30のアルキル基を示す。)で表され
るフェノール系酸化防止剤Aおよびラクトン系酸化防止
剤Cからなる組成成物であって、ポリプロピレン系樹脂
100質量部に対する酸化防止剤の配合量が下記式1
00≦A≦4600(ppm)、10≦C≦300
(ppm)であり、且つ0.075A+C≦550
(ppm)を満たす延伸フィルム用ポリプロピレン系樹
脂組成物に関するものものであり、また、メルトフロー
レート(MFR)が0.5〜10.0g/分であるポリ
プロピレン系樹脂、一般式(1)で表されるフェノール
系酸化防止剤A、フェノール系酸化防止剤Bおよびラク
トン系酸化防止剤Cからなる組成成物であって、ポリプ
ロピレン系樹脂100質量部に対する酸化防止剤の配合
量が下記式 100≦A≦4600(ppm)、10≦C≦30
0(ppm) 0.075A+C≦550(ppm)、10≦B≦
1500(ppm) B+0.6A≦2800(ppm)および 220≦0.075×(B+0.6A)+0.6C≦
350(ppm)を満たす延伸フィルム用ポリプロピレ
ン系樹脂組成物に関するものであり、さらに、本発明の
樹脂組成物は、付加反応型シリコーン系離型剤を、少な
くともフィルムの片面に塗布することができる延伸フィ
ルム用ポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明のポリプロピレン系樹脂は、メルトフロ
ーレート(MFR)が0.5〜10g/10分の範囲に
あるものが好ましい。MFRのより好ましい範囲は、生
産性および延伸後のフィルム厚みの均一性の面から、
0.8〜5.0g/10分であり、特に好ましくは1〜
4g/10分である。MFRが0.5g/10分未満で
は、フィルム成形時の吐出量が著しく低下して生産性が
悪く、10g/10分を越えると、延伸後のフィルム厚
みの均一性が低下する。尚、MFRは、JISK−72
10に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件
で測定した値である。
【0006】本発明のラクトン系酸化防止剤Cとして
は、従来から酸化防止剤として使用されている公知のラ
クトン系の酸化防止剤を使用することができる。例え
ば、特開平7−233160号公報および特開平7−2
47278号公報に記載されているものを使用すること
ができる。好ましいラクトン系酸化防止剤Cとしては、
5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェ
ニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン(チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製;HP−136)等が挙げら
れる。ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する配合
量としては、10〜300ppm、好ましくは30〜2
70ppm、より好ましくは50〜250ppmであ
る。配合量が300ppmを越えると、ブリードにより
付加反応型シリコーン系離型剤の塗布適性を阻害する可
能性があり、10ppm未満では十分なフィルムの熱安
定性が得られない。
【0007】本発明の一般式(1)
【化3】 (式中、R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜10のア
ルキル基を、R3は炭素数1〜10のアルキレン基を、
4は炭素数1〜30のアルキル基を示す。)で表され
るフェノール系酸化防止剤Aにおいて、R1およびR2
炭素数1〜10のアルキル基において、炭素数4以上の
アルキル基が好ましく、炭素数4以上の第三級アルキル
基がさらに好ましい。第三級アルキル基としては、t−
ブチル基およびt−アミル基等を例示することができ
る。R3の炭素数1〜10のアルキレン基としては、メ
チレン基、エチレン基、プロレン基、ブチレン基、アミ
レン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、
2−エチル−ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基等
を例示することができる。R4の炭素数1〜30アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル
基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、i−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オクチル
基、2−エチル−ヘキシル基、n−ノニル基、i−ノニ
ル基、n−デシル基、i−デシル基、n−ウンデシル
基、i−ウンデシル基、n−デシル基、i−デシル基、
n−トリデシル基、i−トリデシル基、n−テトラデシ
ル基、i−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、i−
ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、i−ヘキサデシ
ル基、n−ヘプタデシル基、i−ヘプタデシル基、n−
オクタデシル基、i−オクタデシル基、n−ノナデシル
基、i−ノナタデシル基、n−イコシル基、i−イコシ
ル基、n−ヘンイコシル基、i−ヘンイコシル基、n−
ドコシル基、i−ドコシル基、n−トリコシル基、i−
トリコシル基、n−テトラコシル基、i−テトラコシル
基、n−ペンタコシル基、i−ペンタコシル基、n−ヘ
キサコシル基、i−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル
基、i−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、i−オ
クタコシル基、n−ノナコシル基、i−ノナコシル基、
n−トリアコンチル基およびi−トリアコンチル基等を
例示することできる。好ましい一般式(1)のフェノー
ル系酸化防止剤Aとしては、n−オクタデシル−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製;イルガノックス1076)等が挙げられ
る。ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する配合量
としては、一般式(1)のフェノール系酸化防止剤Aと
ラクトン系酸化防止剤Cとの配合量の関係式0.075
A+Cが、550ppm以下、好ましくは540ppm
以下、より好ましくは530ppm以下である。配合量
の関係式が550ppmを越えるとブリードにより、付
加反応型シリコーン系離型剤の塗布適性が阻害される可
能性が高くなる。また、一般式Aのフェノール系酸化防
止剤の配合量が、100ppm未満では十分なフィルム
の熱安定性が得られない。
【0008】本発明のフェノール系酸化防止剤Bとして
は、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルエチ
ルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフ
ェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェ
ノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェ
ノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチル
フェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−
ブチルフェノール、2−t−ブチル−2−エチル−6−
t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル
−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−
4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、dl−
α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,
2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、2,2'−メチレンビス[6−(1−メチルシク
ロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2'−エチリデ
ンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,
2'−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフ
ェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6
−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチ
レンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、
トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−
ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌ
レート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシア
ヌレート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル
−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4
−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)テレフタレート、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス
[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメ
チルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパンおよび
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸ステアリルエステル等を挙げることが
できる。これらの中では、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルエチルフェノール、4,4'−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ンが好ましく、テトラキス[メチレン−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製;
イルガノックス1010)]が、さらに好ましい。
【0009】ポリプロピレン系樹脂100質量部に対す
る配合量としては、1500ppm以下、好ましくは1
0〜1500ppm、より好ましくは400〜1000
ppmである。また、一般式(1)のフェノール系酸化
防止剤Aとフェノール系酸化防止剤Bとの配合量の関係
式b+0.6Aが、2800ppm以下、好ましくは2
500ppm以下、より好ましくは2000ppm以下
である。さらに、配合量の関係式b+0.6Aが、28
00ppmを越えるとブリードにより付加反応型シリコ
ーン系離型剤の塗布適性を阻害する可能性が高くなる。
フェノール系酸化防止剤Bの配合量が、10ppm未満
では十分なフィルムの熱安定性が得られない。また、一
般式(1)のフェノール系酸化防止剤A、フェノール系
酸化防止剤Bおよびラクトン系酸化防止剤Cとの配合量
の関係式0.075×(B+0.6A)+0.6Cが、
220ppm未満では十分なフィルムの熱安定性が得ら
れず、350ppmを越えると、ブリードにより付加反
応型シリコーン系離型剤の塗布適性が阻害される可能性
が高くなる。
【0010】本発明の延伸フィルム用ポリプロピレン系
樹脂組成物には、リン系酸化防止剤を配合しないことが
好ましい。リン系酸化防止剤を配合すると、シリコーン
が硬化しなかったり、経時的に剥離紙が脱落するおそれ
がある。
【0011】樹脂組成物の製造方法において、ポリプロ
ピレン系樹脂とフェノール系酸化防止剤の配合方法に
は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができ
る。例えば、ポリプロピレン系樹脂、酸化防止剤及び必
要に応じて用いられる各種添加剤を、タンブラーブレン
ダーおよびヘンシェルミキサー等で混合する方法、混合
後、さらに単軸押出機および多軸押出機を用いて溶融混
練造粒する方法等を採用することができる。二軸延伸フ
ィルムの成形方法としては、公知のフィルムの作製法を
採用することができる。一般的なフィルム成形条件を以
下に示す。 (1)シート成形条件 樹脂温度:200〜300℃、チルロール温度50℃以
下 (2)縦延伸条件 延伸倍率:3〜7倍、延伸温度130〜160℃ (3)横延伸条件 延伸倍率:6〜12倍、延伸温度150〜175℃ また、必要に応じて、温度160℃〜190℃、弛緩率
2〜20%にて熱固定を行い、特にTD(横方向)の加
熱収縮率を殆ど0%にしたり、フィルム表面を処理し、
表面エネルギーを大きくしたり、表面を極性にしたりし
てもよく、例えば、コロナ放電処理、クロム酸処理、火
炎処理、熱風処理、オゾンおよび紫外線照射等の方法が
挙げられる。フィルム表面の凹凸化法としては、例え
ば、サンドブラスト法および溶剤処理法等が挙げられ
る。本発明で使用される付加反応型シリコーン系離型剤
は、公知のものを使用することができる。例えば、両末
端、或いは両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖状
メチルビニルポリシロキサンおよびメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させる
もの等が挙げられる。付加反応型シリコーン系離型剤の
塗布方法としては、公知の方法を採用することができ
る。例えば、ダイレクトグラビアコーター、メイヤバー
コーター、リバースロールコーター、エアーナイフコー
ター、オフセットグラビアコーターおよび多段ロールコ
ーター等が挙げられる。
【0012】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1〜9および比較例1〜9 (1)ポリプロピレン樹脂ペレットの製造 メルトフローレート(MFR)が3g/分のホモポリプ
ロピレン樹脂粉末100質量部に対し、酸化防止剤A
[n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製;イルガノック
ス1076)]、酸化防止剤B[テトラキス[メチレン
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製;イルガノックス1010)]および酸
化防止剤C[5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−
ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製;HP1
36)]を、表1および表2の割合で配合し、さらに、
ステアリン酸カルシウム500ppm[日本油脂(株)
製]およびDHT−4A500ppm[塩基性マグネシ
ウム・アルミニウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイ
ドレート、協和化学工業(株))を加え、東芝機械のM
odel35B押出機を用いて混練造粒した。 (2)二軸延伸フィルムの製造 上記ペレットを用い、下記の成形条件でフィルムを製造
した。 シート成形:伸晃機械製作所製35mmΦシート成形
機 樹脂温度:260℃、チルロール温度:30℃ 縦延伸:(株)岩本製作所製ロール延伸機 延伸倍率:4.6倍、延伸温度:140℃ 横延伸:(株)岩本製作所製テーブルテンター 延伸倍率:9.2倍、延伸温度:169℃、予熱時間:
68秒 延伸速度:5172%/min、フィルム厚み:25μ
m (3)コロナ処理 この二軸延伸フィルムを、春日電気(株)製ロール電極
タイプコロナ放電処理機により表面処理した。処理面の
ぬれ性は42ダイン/cmであった。 (4)シリコーン塗布 得られたフィルムのコロナ処理面に、付加反応溶剤型シ
リコーン[SD7223(東レダウコ一ニング・シリコ
ーン社製)100重量部に、SRX212CAT(東レ
ダウコ一ニング・シリコーン社製)0.9重量部をトル
エン500ml溶解した溶液]を0.3g/m2厚みで
均一に塗布した。塗布したフィルムをオーブンで120
℃、50秒間熱処理し、硬化させた。 (5)評価方法 熱安定性 シート成形時の発煙、スジ状のムラについて観察し、相
対比較により良否を判定した。結果を表1および表2に
示す。 ○:発煙、スジ状のムラが少ない △:発煙、スジ状の
ムラが中程度 ×:発煙、スジ状のムラが多い シリコーン塗布適性(ラブオフテスト) シリコーンをフィルムに塗布後、23℃/50RHの室
内に7日間放置後、塗布面を指先で数回摩擦し、シリコ
ーン皮膜の脱落の具合を下記の評価基準にて判断し密着
性の目安とした。結果を表1および表2に示す。 ○:脱落なし(密着性良好) △:若干脱落するが、実用
上問題ない。 ×:脱落有り(密着性不良)
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明の二軸延伸フィルム用ポリプロピ
レン系樹脂組成物は、熱安定性及び付加反応型シリコー
ン系離型剤の塗布適性に優れている。また、無延伸フィ
ルム用ポリプロピレン系樹脂組成物の場合でも同様な効
果が期待できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート(MFR)が0.5
    〜10.0g/分であるポリプロピレン系樹脂、一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜10のア
    ルキル基を、R3は炭素数1〜10のアルキレン基を、
    4は炭素数1〜30のアルキル基を示す。)で表され
    るフェノール系酸化防止剤Aおよびラクトン系酸化防止
    剤Cからなる組成成物であって、ポリプロピレン系樹脂
    100質量部に対する酸化防止剤の配合量が下記式1
    00≦A≦4600(ppm)、10≦C≦300
    (ppm)であり、且つ0.075A+C≦550
    (ppm)を満たす延伸フィルム用ポリプロピレン系樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるフェノール系酸
    化防止剤Aが、n−オクタデシル−3−(3’,5’−
    ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
    ネートである請求項1に記載の延伸フィルム用ポリプロ
    ピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ラクトン系酸化防止剤Cが、5,7−ジ
    −t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3
    H−ベンゾフラン−2−オンである請求項1または2に
    記載の延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂、一般式(1)で
    表されるフェノール系酸化防止剤A、フェノール系酸化
    防止剤Bおよびラクトン系酸化防止剤Cからなる組成成
    物であって、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対す
    る酸化防止剤の配合量が下記式 100≦A≦4600(ppm)、10≦C≦30
    0(ppm) 0.075A+C≦550(ppm)、10≦B≦
    1500(ppm) B+0.6A≦2800(ppm)および 220≦0.075×(B+0.6A)+0.6C≦
    350(ppm)を満たす請求項1〜3のいずれかに記
    載の延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 フェノール系酸化防止剤Bが、テトラキ
    ス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである請求
    項1〜4のいずれかに記載の延伸フィルム用ポリプロピ
    レン系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4747251B2 (ja) * 2003-08-22 2011-08-17 サートーマー・テクノロジー・ユーエスエイ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー Uv系の高温安定化

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