JP2003081659A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JP2003081659A
JP2003081659A JP2001271498A JP2001271498A JP2003081659A JP 2003081659 A JP2003081659 A JP 2003081659A JP 2001271498 A JP2001271498 A JP 2001271498A JP 2001271498 A JP2001271498 A JP 2001271498A JP 2003081659 A JP2003081659 A JP 2003081659A
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optical element
optical
polishing
molding
molded
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JP2001271498A
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Masanobu Tatsuyama
昌信 龍山
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Olympus Optical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光学機能面をおよそ完成品に近い
表面粗さに押圧成形した後に、押圧成形で成形した形状
を崩さずに、表面粗さの改善を施し、良好な表面品質の
光学機能面を有する光学素子を得ることができる製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、光学素子素材であるプリフォ
ーム101cを加熱軟化し押圧成形して成形光学素子1
01bを得た後に、成形光学素子101bに対する表面
除去加工を行い所望の光学機能面を有する完成光学素子
101cを得る製造方法において、上型102及び下型
103により、プリフォーム101cから光学機能面が
およそ完成品に近い表面粗さをもった成形光学素子10
1bに押圧成形する過程と、押圧成形された成形光学素
子101bの光学機能面を所望の表面粗さに表面除去加
工し、完成光学素子101cを得る過程とを有すること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱軟化した光学
素子素材を押圧成形した後に表面除去加工して光学素子
を得る光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱軟化した光学素子素材を成形
型により押圧成形した後に、表面除去加工する光学素子
の製造方法としては、例えば、特開平9−241029
号公報や特開平11−123645公報記載の発明が開
示されている。
【0003】その製造方法は、図11に示す如く、まず
各々温度調節された上型502、下型503により、加
熱軟化した光学素材を挟持押圧成形し、成形光学素子5
01を得る。
【0004】次に、図12に示す如く、成形光学素子5
01を保持具505で保持し、成形光学素子501の凹
球面に研磨剤507を付与し、回転する研磨皿504に
当てつつ、カンザシ506で押圧しかつ往復運動を与
え、光学機能面を研磨(表面除去加工)し、所望の光学
素子を製造する方法である。
【0005】上述した製造方法によれば、上型502、
下型503による押圧成形過程で光学素子として完成に
近い形状を成形光学素子501に転写形成し、表面除去
加工過程で成形光学素子501の凹球面と研磨皿504
を摺り合わせ研磨することにより、精密な表面形状及び
表面粗さに仕上げ、所望品質の光学機能面を運動転写に
より得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平9−241029号公報や特開平11−123
645号公報記載の光学素子の製造方法においては、以
下のような問題点があった。
【0007】即ち、光学機能面を表面除去加工する過程
は、研磨皿504の運動軌跡を転写する、あるいは研磨
皿504の形状を転写することによって形状を形成する
ラップ作業(形状、寸法を作ることを目的とした研磨)
を必要としていたので、研磨皿504の運動軌跡を精密
に制御する必要や、研磨皿504の形状と研磨条件の設
定を厳密に行う必要があった。このため、表面除去加工
工程の段取り作業と加工作業に多くの時間を費やしてい
た。
【0008】また、押圧成形過程で光学素材に完成に近
い形状を転写したにも関わらず、これを崩す表面除去加
工となってしまうこともあり、予め表面除去加工での加
工代を見込んだ成形を要する場合もある。
【0009】さらに、摺り合わせによる表面除去加工で
は、曲率が一定でない非球面や自由曲面は加工できな
い。総じて、裏面粗さを改善するための表面除去加工が
大掛かりな手間と加工設備、精密な加工技術を必要とす
るものとなり、成形光学素子の製造を複雑にしていた。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、光学機能面をおよそ完成品に近い表面粗さに押
圧成形した後に、押圧成形で成形した形状を崩さずに、
表面粗さの改善を施し、良好な表面品質の光学機能面を
有する光学素子を得ることができる製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光学素子素材を加熱軟化し押圧成形した後に表面除去加
工して光学機能面を得る光学素子の製造方法において、
光学機能面をおよそ完成品に近い表面粗さに押圧成形す
る過程と、光学機能面を所望の表面粗さに表面除去加工
する過程とを有することを特徴とするものである。
【0012】請求項1の発明によれば、加熟軟化した光
学素材の押圧成形過程で、光学素子の完成に近い形状を
成形光学素子に転写形成し、続いて表面除去加工過程で
は、微量な表面除去加工を施こすことによって、簡略な
工程で押圧成形で成形した光学機能面の形状を崩さず
に、表面粗さの改善を施し、良好な表面品質の光学機能
面を有する光学素子を得ることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
学素子の製造方法において、前記押圧成形する過程は、
光学機能面の表面粗さをカットオフ長0.08mmで
0.1μmRmax以下に成形することを特徴とするも
のである。
【0014】請求項2記載の発明によれば、表面除去加
工過程で、光学機能面の形状を崩さずに表面粗さを改善
し得る押圧成形過程後の光学機能面の表面粗さの条件を
カットオフ長0.08mmで0.1μmRmax以下と
して、良好な表面品質の光学機能面を有する光学素子を
得ることができる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の光学素子の製造方法において、前記光学機能面を表
面除去加工する過程は、研磨具による運動転写原理によ
らない研磨加工であり、光学機能面の除去深さを0.2
μm以下とすることを特徴とするものである。
【0016】請求項3記載の発明によれば、研磨具によ
る運動転写原理以外の表面除去加工(倣い研磨や圧力転
写原理による研磨等)によって、簡便に光学機能面の形
状を崩すこと無く表面粗さを改善することができ、かつ
その表面除去加工時の適切な除去量を設定して、良好な
表面品質の光学機能面を有する光学素子を得ることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0018】(実施の形態1) (構成)以下、図1乃至図5を参照して、本発明の光学
素子の製造方法の実施の形態1を説明する。
【0019】本実施の形態1では、図1に示す如く、円
柱状の光学ガラスのプリフォーム101aを光学素子の
製造に用いる。図2は本実施の形態1の押圧成形過程を
示す断面図であり、上型102及び下型103は共に不
図示の温度制御装置で温度調整可能で、かつ、不図示の
押圧駆動装置で成形光学素子101bを光軸方向より挟
持押圧可能となっている。
【0020】尚、前記上型102、下型103の光学機
能面の表面粗さは、カットオフ長0.08mmで0.0
7μmRmaxに仕上げられている。
【0021】図3は、本実施の形態1の表面除去加工過
程を示す断面図であり、成形光学素子101bを保持具
107で保持し、成形光学素子101b上面の凹光学機
能面に研磨剤106を付与して研磨布104が置かれ
る。
【0022】さらに、研磨布104の背面には先端が球
状のカンザシ105が置かれ、カンザシ105は適当荷
重を掛けながら不図示の駆動装置で矢印Aに示す通り円
運動可能となっている。
【0023】前記カンザシ105の円運動を平面図で表
したものが図4であり、カンザシ105は円で示した光
学機能面内を円運動する。また、カンザシ105は反力
によって上下方向に一定荷重を保ちながら可動する。図
5は、本実施の形態1の完成光学素子101cを示すも
のである。
【0024】以上の構成によって、成形光学素子101
bの光学機能面をおよそ完成品に近い表面粗さに押圧成
形する過程と、光学機能面を所望の表面粗さに表面除去
加工する過程を有する光学素子の製造工程を実現する。
【0025】(作用)本実施の形態1において、前記プ
リフォーム101a、上型102、下型103は不図示
の温度制御装置で押圧成形可能な温度まで加熱し、プリ
フォーム101aは加熱軟化したところで図2のごとく
上型102、下型103によって押圧成形する。
【0026】すると、上型102と下型103の形状が
プリフォーム101aに転写され、完成光学素子に近い
成形光学素子101bが形成される。続いて、所望の押
圧成形過程を行った成形光学素子101bを常温まで徐
冷する。
【0027】このとき、前記成形光学素子101bの光
学機能面の形状精度は、0.15μmP−V、表面粗さ
はカットオフ長0.08mmで0.08μmRmax程
度である。
【0028】この成形光学素子101bに対して、次に
表面除去加工過程を施す。
【0029】図3に示す如く、保持具107に保持した
成形光学素子101bの光学機能面に研磨剤106を付
与し、研磨布104を介してカンザシ105を載せ当て
る。カンザシ105に対して不図示の駆動装置で図3及
び図4に矢印Aで示す運動を与えると、カンザシ105
はフリクションで押さえた研磨布104を同様に運動さ
せる。
【0030】これにより、成形光学素子101bと研磨
剤106とに起きる相対運動で、成形光学素子101b
と研磨布104の間に付与した研磨剤106は、成形光
学素子101bの凹光学機能面を研磨し、機械的な表面
除去加工が行われる。
【0031】この時、カンザシ105の先端は球状なの
で、弾性のある研磨布104を介して、ほぼ均等な圧力
で成形光学素子101bの凹光学機能面に研磨圧を与え
ることができ、かつ、カンザシ105は凹光学機能面の
高さに応じて上下可動することとも相俟って、均等研磨
に近い状態を生成ることができる。
【0032】このような研磨状態を1分間行うことで、
深さ方向に0.05μmの除去量の加工を行う。この場
合の除去量は微量で、かつ、ほぼ均等圧での表面除去加
工なので、形状崩れがほとんど無い表面粗さ改善研磨を
実現できる。
【0033】その後、ワークである成形光学素子101
bを洗浄し、図5に示すごとく完成された光学素子とし
ての光学機能面を有する完成光学素子101cを得る。
【0034】この場合の光学機能面の形状精度を測定し
たところ、0.15μmP−V、表面粗さはカットオフ
長0.08mmで0.03μmRmaxとなり、光学機
能面としての品質を十分に満たすことが判明した。
【0035】(効果)このように本実施の形態1によれ
ば、近似的に均等研磨となる表面除去加工をすることに
より、形状崩れの無いまま表面粗さの改善が成される。
つまり、押圧成形で成形光学素子101bは、完成光学
素子101cの所望形状精度(本実施の形態1では、所
望形状精度0.20μmP−V以下のところを0.15
μmP−V)に仕上げていれば、表面除去加工過程で改
善可能な範囲内で表面粗さは荒くてもよい(本実施の形
態1では、完成所望表面粗さがカットオフ長0.08m
mで0.05μmRmx以下のところ、押圧成形過程後
で0.08μmRmaxに成形)。
【0036】従って、押圧成形に使用する上型102、
下型103も、成形光学素子101cの光学機能面をカ
ットオフ長0.08mmで0.1μmRmax以下に成
形可能なものであれば、光学素子の製造に使用すること
ができる。
【0037】よって、表面粗さの仕上げが困難な非球面
型や自由曲面型の加工を厳密に行う必要性も無くなり、
あるいは連続成形に供して表面粗さの劣化した型も使用
可能となり得るので、型表面の再生加工機会を減らし、
型の使用寿命も延命される。また、従来、光学機能面を
表面除去加工する過程は、研磨具の運動軌跡を転写す
る、あるいは研磨皿の形状を転写することにより形状を
形成するラップ作業(形状、寸法を作ることを目的とし
た研磨)を必要としていたので、研磨具の運動軌跡を精
密に制御する必要や、研磨皿の形状と研磨条件の設定を
厳密に行う必要があったが、本実施の形態1では単純に
凹光学機能面に倣い研磨するだけで済む。
【0038】このため、大掛かりな手間と加工設備、精
密な加工技術を必要とせず、表面除去加工の段取り作業
は簡単で短時間てよく、また加工時間も1分程度と短
い。
【0039】さらに、本実施の形態1においては、表面
除去量が0.05μmと少ないので、押圧成形過程で完
成光学素子101cとして形状を成形しておけば、ほと
んと押圧成形上がり寸法のまま表面除去加工を完了でき
る。
【0040】従って、予め表面除去加工用の加工代を設
けておく必要もないし、また、本実施の形態1の場合、
図5に示すように、完成光学素子101cの凹光学機能
面と上面平面部の段差hが重要となる光学部品でも、押
圧成形過程で精密に作り込んでおけば、表面除去加工過
程後までその精度を維持することができる。
【0041】総じて、本実施の形態1によれば、大掛か
りな設備を必要とせず、かつ手間も掛からずに、研磨レ
ンズ同等の精密な表面粗さを持つ光学機能面を有した光
学素子を製造可能である。
【0042】(実施の形態2) (構成)以下、図1、図2、図5乃至図7を参照して本
発明の実施の形態2の光学素子の製造方法について説明
する。本実施の形態2においても、図1に示す如く円柱
状の光学ガラスのブリフォーム101aを光学素子の製
造に用いる。
【0043】図2は実施の形態1の場合と同様な押圧成
形過程を示す断面図であり、上型102および下型10
3は共に不図示の温度制御装置で温度調整可能で、なお
かつ不図示の押圧駆動装置で成形光学素子101bを光
軸方向より挟持押圧可能である。
【0044】尚、本実施の形態2において、上型10
2、下型103の光学機能面の表面粗さは、カットオフ
長0.08mmで0.07μmRmaxに仕上げられて
いる。
【0045】図6は本実施の形態2の表面除去加工過程
の断面図であり、成形光学素子101bを保持具107
で保持し、成形光学素子101b上面の凹光学機能面に
研磨剤106を付与して研磨布104が置かれる。
【0046】さらに研磨布104の背面には先端が尖状
のカンザシ205が置かれ、カンザシ205は適当荷重
を掛けながら不図示の駆動装置で矢印Bに示す通りピッ
チ送り往復運動可能となっている。
【0047】図7は、カンザシ205の運動軌跡を示す
平面図であり、カンザシ205は円で示した光学機能面
内をピッチ送り往復運動(矢印B及び矢印C)する。ま
た、カンザシ205は反力によって上下方向に一定荷重
を保ちながら可動となっている。図5は実施の形態1の
場合と同様な本実施の形態2の完成光学素子101cを
示すものである。
【0048】以上の構成で、光学機能面をおよそ完成品
に近い表面粗さに押圧成形する過程と、光学機能面を所
望の表面粗さに表面除去加工する過程からなる光学素子
の製造工程を実現する。
【0049】(作用)本実施の形態2において、プリフ
ォーム101a、上型102、下型103を、不図示の
温度制御装置で押圧成形可能な温度まで加熱し、プリフ
ォーム101aが加熱軟化したところで、図2に示すの
如く上型102、下型103によってプリフォーム10
1aを押圧成形する。すると、上型102と下型103
の形状がフリフォーム101aに転写され、完成光学素
子101cに近い成形光学素子101bが形成される。
【0050】続いて、所望の押圧成形過程を行った成形
光学素子101bを常温まで徐冷する。このとき、成形
光学素子101bの光学機能面の形状精度は、0.15
μmP−V、表面粗さはカットオフ長0.08mmで
0.08μmRmax程度である。
【0051】この成形光学素子101bに、次ぎに表面
除去加工過程を施す。図6に示すように、保持具107
により保持した成形光学素子101bの光学機能面に研
磨剤106を付与し、研磨布104を介してカンザシ1
05を載せ当てる。
【0052】次に、カンザシ205に対して不図示の駆
動装置で図6及び図7に矢印B及び矢印Cで示すような
ピッチ送り往復運動を与えると、カンザシ205はフリ
クションで押さえた研磨布104を同様に運動させる。
【0053】これにより、成形光学素子101bと研磨
剤106とに起きた相対運動で、成形光学素子101b
と研磨布104の間に付与した研磨剤106は成形光学
素子101bの凹光学機能面を研磨し、機械的な表面除
去加工が行われる。
【0054】この時、カンザシ205の先端は尖状なの
で弾性のある研磨布104を介して、集中的な圧力で成
形光学素子1.01bの凹光学機能面に研磨圧を付与す
るが、凹光学機能面全面を満遍なくピッチ送り往復運動
させること、カンザシ205を凹光学機能面の高さに応
じて上下移動させることとも相去って、凹光学機能面に
対する均等研磨状態を実現することができる。
【0055】このような研磨状態を2分間程度行うこと
で、深さ方向に0.05μmの除去量の加工を行う。こ
の場合の除去量は微量で、かつ、ほぼ均等圧での表面除
去加工が行われるので、形状崩れがほとんと無い表面粗
さ改善研磨を実現できる。
【0056】その後、ワ一クである成形光学素子101
bを洗浄し、図5に示すごとく完成された光学素子とし
ての光学機能面を有する完成光学素子101cを得る。
この完成光学素子101cの光学機能面の形状精度を測
定したところ、0.15μmP−V、表面粗さはカット
オフ長0.08mmで0.03μmRmaxとなり、光
学機能面としての品質を十分に満たすことが判明した。
【0057】(効果)このように本実施の形態2によれ
ば、実施の形態1と同様の効果を得るとともに、さらに
カンザシ205で集中的に研磨圧を付与しつつ、光学機
能面を満遍なくピッチ送り往復運動することで均等研磨
を行っているので、実施の形態1のカンザシ105では
対応し難い、曲率の変化に富む光学機能面(例えば面積
の広い非球面や自由曲面)を持った光学素子の製造も容
易に行うことが可能となる。
【0058】(実施の形態3) (構成)以下、図1、図4、図8乃至10を参照して本
発明の実施の形態3による光学素子の製造方法を説明す
る。
【0059】本実施の形態3においても、図1に示す如
く円柱状の光学ガラスのブリフォーム101aを光学素
子の製造に用いる。
【0060】図8は、本実施の形態3の押圧成形過程を
示す断面図であり、上型302及び下型303は、共に
不図示の温度制御装置により温度調整可能で、かつ、不
図示の押圧駆動装置で成形光学素子101bを光軸方向
より挟持押圧可能となっている。尚、上型302、下型
303の光学機能面の表面粗さは、カットオフ長0.0
8mmで0.07μmRmaxに仕上げられている。
【0061】図9は、表面除去加工過程を示す断面図で
あり、成形光学素子301bを保持具107で保持し、
成形光学素子301b上面の凸光学機能面に研磨剤10
6を付与して研磨布104が置かれる。
【0062】さらに研磨布104は軟性体(例えば独立
気泡の発砲ポリウレタン)の研磨パッド308に貼付さ
れ、研磨パッド308の背面には先端が尖状のカンザシ
205が置かれ、カンザシ205は適当荷重を掛けなが
ら不図示の駆動装置で矢印Aに示す通り円運動可能とな
っている。
【0063】図4は実施の形態1の場合と同様前記カン
ザシ205の円運動を示す平面図であり、カンザシ20
5は円で示した光学機能面内を矢印Aで示すように円運
動する。
【0064】また、カンザシ205は、反力によって上
下方向に一定荷重を保ちながら可動である。図10は本
実施の形態3の完成光学素子301cを示すものであ
る。
【0065】以上の構成で、成形光学素子301bの光
学機能面をおよそ完成品に近い表面粗さに押圧成形する
過程と、光学機能面を所望の表面粗さに表面除去加工す
る過程からなる本実施の形態3の光学素子の製造方法を
実現する。
【0066】(作用)本実施の形態3において、プリフ
ォーム101a、上型302、下型30を、不図示の温
度制御装置で押圧成形可能な温度まで加熱し、プリフォ
ーム101aが加熱軟化したところで、図8に示すよう
に上型302、下型303によって押圧成形する。
【0067】すると、上型302と下型303の形状が
プリフォーム101aに転写され、完成光学素子301
cに近い形状の成形光学素子301bが形成される。
【0068】続いて、所望の押圧成形過程を行った成形
光学素子301bを常温まで徐冷する。このとき、成形
光学素子301bの光学機能面の形状精度は、0.15
〃mP−V、表面粗さはカットオフ長0.08mmで
0.08μmRmax程度である。この成形光学素子3
01bに対して、次ぎに表面除去加工過程を施す。
【0069】即ち、図9に示すように、保持具107に
保持した成形光学素子301bの光学機能面に研磨剤1
06を付与し、研磨布104と研磨パッド308を介し
てカンザシ105を載せ当てる。
【0070】カンザシ205に不図示の駆動装置で図4
及び図9に示す矢印A方向の円運動を与えると、カンザ
シ205はフリクションで押さえた研磨パッド308を
同様に運動させる。
【0071】これにより、成形光学素子301bと研磨
剤106とに起きた相対運動で、成形光学素子301b
と研磨布104の間に付与した研磨剤106は成形光学
素子101bの凸光学機能面を研磨し、機械的な表面除
去加工が行われる。
【0072】この時、カンザシ205の先端は尖状であ
るが、軟性体の研磨パッド308がカンザシ205によ
る荷重を分散均等化し、研磨布104を介してほぼ均等
な圧力で成形光学素子301bの凸光学機能面に研磨圧
を付与することができ、かつ、カンザシ205は凸光学
機能面の高さに応じて上下移動することとも相俟って、
成形光学素子301bの均等研磨状態を生成することが
できる。
【0073】この研磨状態を1分間程度行うことで、深
さ方向に0.05μmの除去量の加工を行う。除去量が
微量で、かつ、ほぼ均等圧での表面除去加工なので、形
状崩れがほとんと無い表面粗さ改善研磨を実行できる。
【0074】その後、ワークである前記成形光学素子3
01bを洗浄し、図10に示すように、完成された光学
素子としての光学機能面を有する完成光学素子301c
を得る。
【0075】この光学機能面の形状精度を測定したとこ
ろ、0.15μmP−V、表面粗さはカットオフ長0.
08mmで0.03μmRmaxとなり、光学機能面と
しての品質を十分に満たすことが判明した。
【0076】(効果)本実施の形態3によれば、実施の
形態1の場合と同様の効果を得ることができ、さらに、
軟性体からなる研磨パッド308を使用し、研磨圧を光
学機能面の広範囲に亙って分散平均化することで、面積
の大きい光学機能面を単純な運動で良好に研磨すること
が可能であるという利点を有する。
【0077】尚、上述した光学機能面に関する表面除去
加工は、上述した倣い研磨や圧力転写原理による研磨等
の他に、化学的処理による表面除去加工によることも可
能である。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、大掛かり
な設備を必要とせず、かつ手間も掛からずに、研磨レン
ズ同等の精密な表面粗さを持つ光学機能面を有した光学
素子を簡略、低コストに製造することができる光学素子
の製造方法を提供できる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、押圧成形過
程後の光学機能面の表面粗さの条件を適切に設定して、
良好な表面品質の光学機能面を有する光学素子を得るこ
とができる光学素子の製造方法を提供できる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、研磨具の運
動転写原理以外の表面除去加工(倣い研磨や圧力転写原
理による研磨等)によって、簡便に光学機能面の形状を
崩すこと無く表面粗さを改善することができ、かつ、そ
の表面除去加工時の適切な除去量を設定して、良好な表
面品質の光学機能面を有する光学素子を得ることができ
る光学素子の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1乃至3のプリフォームを
示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1、2の成形過程を示す断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の研磨過程を示す断面図
である。
【図4】本発明の実施の形態1の研磨運動を示す説明図
である。
【図5】本発明の実施の形態1、2の完成光学素子を示
す断面図である。
【図6】本発明実施の形態2の研磨過程を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態2、3の研磨運動軌跡を示
す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態3の成形過程を示す断面図
である。
【図9】本発明の実施の形態3の研磨過程を示す断面図
である。
【図10】本発明の実施の形態3の完成光学素子を示す
外観図である。。
【図11】従来技術の成形過程を示す断面図である。
【図12】従来技術の研磨過程を示す断面図である。
【符号の説明】
101a プリフォーム 101b 成形光学素子 101c 完成光学素子 102 上型 103 下型 104 研磨布 105 カンザシ 106 研磨剤 107 保持具 205 カンザシ 301b 成形光学素子 301c 完成光学素子 302 上型 303 下型 308 研磨パッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子素材を加熱軟化し押圧成形した
    後に表面除去加工して光学機能面を得る光学素子の製造
    方法において、 光学機能面をおよそ完成品に近い表面粗さに押圧成形す
    る過程と、 光学機能面を所望の表面粗さに表面除去加工する過程と
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記押圧成形する過程は、光学機能面の
    表面粗さをカットオフ長0.08mmで0.1μmRm
    ax以下に成形することを特徴とする請求項1記載の光
    学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光学機能面を表面除去加工する過程
    は、研磨具による運動転写原理によらない研磨加工であ
    り、光学機能面の除去深さを0.2μm以下とすること
    を特徴とする請求項1又は2記載の光学素子の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013216568A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Schott Ag 赤外吸収ガラスウェハ及びそれを作製する方法

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