JP2003081588A - リーチ型フォークリフトのブレーキ装置 - Google Patents

リーチ型フォークリフトのブレーキ装置

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JP2003081588A
JP2003081588A JP2001272938A JP2001272938A JP2003081588A JP 2003081588 A JP2003081588 A JP 2003081588A JP 2001272938 A JP2001272938 A JP 2001272938A JP 2001272938 A JP2001272938 A JP 2001272938A JP 2003081588 A JP2003081588 A JP 2003081588A
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brake
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type forklift
cylinder
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Hideki Ito
英喜 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積載重量に応じた前輪制動力が得られるリー
チ型フォークリフトのブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 車両前部の左右一対の前輪20を制動す
る前輪ブレーキ33を設け、前輪ブレーキ33にリフト
シリンダ25のボトム室25Dの作動油をブレーキ通路
41および電磁切換え弁47を介して導くようにした。
電磁切換え弁47は、運転席に配置したブレーキペダル
15の踏込みにより駆動輪4の回転を許容しブレーキペ
ダル15の踏込み解除により駆動輪4を制動する後輪ブ
レーキ12と連動して作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リーチ型フォーク
リフトのブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にリーチ型フォークリフトは、図7
に示すように、車両の前部には、前輪20が配置された
左右一対のリーチレグ21が設けられ、この一対のリー
チレグ21の間に、左右一対のフォーク23を支持する
マスト装置22がスライド可能に設けられている。
【0003】また、車両の後部には、操舵輪としても機
能する一方の後輪である駆動輪4が片側に寄せて配置さ
れ、他方の後輪として車両の進行に従動するだけのキャ
スタ輪5が配置されている。また、図示しないが、駆動
輪4だけを制動するブレーキ装置が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のリ
ーチ型フォークリフトにおいては、積載荷重が加えられ
る車両前方のマスト装置22のフォーク23から車両後
方に離れて配置した駆動輪4のみで車両を駆動し制動す
るものであるため、積載状態での走行時には、駆動輪4
の接地荷重が相対的に減少し路面との摩擦力が低下する
ことがある。
【0005】また、駆動輪4は車両中心から片側へ寄せ
て(オフセットさせて)配置しているため、制動時の進
行方向が駆動輪4側に偏った旋回気味となる虞がある。
【0006】また、左右前輪20にブレーキをかける前
輪ブレーキ装置を備えるものが、特開2000−151
494号公報により提案されている。
【0007】この提案によれば、制動時に駆動輪のブレ
ーキ装置を作動させ、スリップ検出手段により制動中の
駆動輪である後輪にスリップ、または、ロック発生が検
出されたとき、左右前輪のブレーキ装置を作動させるよ
う構成されている。
【0008】しかしながら、この提案においては、駆動
輪のスリップ、または、ロック発生を検出したときから
前輪を併せて制動するものであるため、スリップ、また
は、ロックの発生するまでの制動力から前輪の制動力が
加わる制動力へ段差をもって制動力が増加し、車両挙動
に違和感を生ずる虞がある。
【0009】また、後輪のスリップ発生検出時に前輪ブ
レーキ装置に加える液圧力は一定圧力に調圧されたアキ
ュムレータの液圧であるため、制動時には常に一定の制
動力が加えられ、空車状態では効き過ぎとなり、また、
重積載状態では効き不足となる虞がある。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、積載重量に応じた前輪制動力が得られるリ
ーチ型フォークリフトのブレーキ装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、後輪およ
び運転席を車両後部に備え、車両前部に左右一対の前輪
を有する左右一対のリーチレグおよび前記リーチレグに
沿ってスライド可能なマスト装置を備えたリーチ型フォ
ークリフトにおいて、前記左右一対の前輪を制動する前
輪ブレーキと、前輪ブレーキにリフトシリンダのボトム
室の作動油を導くブレーキ通路と、前記ブレーキ通路に
配置され前輪ブレーキとボトム室を連通させるブレーキ
位置と前輪ブレーキの作動油を排出する中立位置とを備
えるブレーキバルブとから構成したことを特徴とする。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、前記
後輪は、運転席に配置したブレーキペダルの踏込みによ
り後輪の回転を許容しブレーキペダルの踏込み解除によ
り後輪を制動する後輪ブレーキを備え、前記ブレーキバ
ルブは、ブレーキペダルの踏み込みにより中立位置とな
り踏込み解除によりブレーキ位置とされることを特徴と
する。
【0013】第3の発明は、第2の発明において、前記
ブレーキバルブは、電磁切換え弁により構成され、電磁
切換え弁は常閉のリレースイッチを介して車両のキース
イッチに接続され、リレースイッチはブレーキペダルの
踏込みによりオン作動され踏込み解除によりオフ作動さ
れるブレーキスイッチのオフ作動に連動してオン作動さ
れることを特徴とする。
【0014】第4の発明は、第1ないし第3の発明にお
いて、前記前輪ブレーキは、前輪のハブ側面をブレーキ
ディスクとしてブレーキパッドを押圧して前輪を制動す
るディスクブレーキに構成されていることを特徴とす
る。
【0015】第5の発明は、第1ないし第3の発明にお
いて、前記前輪は、マスト装置をスライド可能にガイド
するようリーチレグに設けたリーチレールの先端近傍に
回転自在に配置され、前記前輪ブレーキは、前輪ハブの
リーチレール側の側面をブレーキディスクとしてブレー
キパッドを押圧して前輪を制動するディスクブレーキに
構成されていることを特徴とする。
【0016】第6の発明は、第4または第5の発明にお
いて、前記前輪ブレーキは、リーチレグに沿う方向にピ
ストンロッドが伸縮するブレーキシリンダと、ピストン
ロッドの伸長移動を斜面により前輪のハブ側面への接近
離脱方向の移動に変換してブレーキパッドに伝達する一
対のスライダとを備えていることを特徴とする。
【0017】第7の発明は、第6の発明において、前記
ブレーキシリンダは、そのピストンロッドの伸縮方向の
取付け位置が調整可能となっていることを特徴とする。
【0018】第8の発明は、第6の発明において、前記
ブレーキシリンダは、前記の前輪を制動するよう個別に
設けられ、夫々のブレーキシリンダのピストン面積が異
なっていることを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】したがって、第1の発明では、制動時に
左右一対の前輪を制動する前輪ブレーキにブレーキ通路
およびブレーキバルブを介してリフトシリンダのボトム
室の作動油を導くようにしたため、リフトシリンダのボ
トム圧はフォークリフトの積載重量に応じて増減し、積
載重量に応じた制動力が得られる。
【0020】また、マスト装置をリーチレグ内に引き込
んだリーチイン状態、マスト装置をリーチレグ内から前
方に追い出したリーチアウト状態に拘わらず前輪軸重に
対応した制動力を付与でき、制動距離が積載荷重に拘わ
らず小さくでき、安全性が向上する。
【0021】さらに、駆動輪への制動力分担が減るた
め、制動時、旋回気味になるのを軽減でき、しかも、制
動距離を短縮できる。
【0022】第2の発明では、第1の発明の効果に加え
て、運転席に配置したブレーキペダルの踏込みにより後
輪の回転を許容しブレーキペダルの踏込み解除により後
輪を制動する後輪ブレーキと連動したブレーキバルブを
介してリフトシリンダのボトム圧を導き作動させるた
め、前輪制動のコントロールをブレーキペダルの踏込み
解除による簡単操作で行える。
【0023】また、荷物を積載したまま駐車した場合で
も、積載重量に応じた制動力が発生しているため、駐車
中に移動することがなく安全に駐車できる。
【0024】第3の発明では、第2の発明の効果に加え
て、ブレーキバルブを電磁切換え弁により構成して常閉
のリレースイッチを介して車両のキースイッチに接続
し、リレースイッチをブレーキペダルの踏込み解除によ
りオフ作動されるブレーキスイッチのオフ作動に連動し
てオン作動させるため、キースイッチがオンしていれば
積載重量に応じた制動力を前輪にかけて安全に駐車でき
る。
【0025】また、キースイッチをオフさせれば、この
前輪への制動力を加えない状態の駐車が選択できる。
【0026】第4の発明では、第1ないし第3の発明の
効果に加えて、前輪ブレーキは前輪ハブのリーチレール
側の側面をブレーキディスクとしてブレーキパッドを押
圧して前輪を制動するディスクブレーキで構成している
ため、径が小さく周辺にもスペースがない前輪に対し容
易に適用でき、そのレイアウトが容易でしかも廉価に構
成できる。
【0027】また、ディスクブレーキで構成しているた
め、作動油圧に対応して精度良く制動力を発生させるこ
とができ、前輪ブレーキの過剰な制動力に起因する不安
定性を防止できる。
【0028】第5の発明では、第1ないし第3の発明の
効果に加えて、前輪ブレーキは前輪ハブのリーチレール
側の側面をブレーキディスクとしてブレーキパッドを押
圧して前輪を制動するディスクブレーキで構成している
ため、リーチレール下方のスペースに収めることができ
る。
【0029】第6の発明では、第4または第5の発明の
効果に加えて、前輪ブレーキをリーチレグに沿う方向に
ピストンロッドが伸縮するブレーキシリンダと、ピスト
ンロッドの伸長移動を斜面により前輪のハブ側面への接
近離脱方向の移動に変換してブレーキパッドに伝達する
一対のスライダとで構成したため、径の小さいブレーキ
シリンダを用いても斜面の角度により倍力してブレーキ
パッドを押し出すことができ、安定した制動力を大きく
できる。
【0030】しかも、ブレーキシリンダはリーチレグに
沿って配置できるため、前輪ブレーキをリーチレール下
方と前輪ハブとで囲まれる空間に効果的に納めることが
できる。
【0031】第7の発明では、第6の発明の効果に加え
て、ブレーキシリンダをピストンロッドの伸縮方向の取
付け位置を調整可能としているため、ブレーキパッドと
前輪のハブとのクリアランス調整が外部から簡単にで
き、常に安定したブレーキ性能を得ることができる。
【0032】第8の発明では、第6の発明の効果に加え
て、左右のブレーキシリンダのピストン受圧面積を変え
ることにより、左右の制動力を相違させ、よって、制動
時に旋回気味になるのを更に軽減、若しくは、無くする
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0034】図1〜3は、本発明を適用したリーチ型フ
ォークリフトの一例を示し、図1は後方からの斜視図、
図2は平面図、図3は側面図を夫々示している。
【0035】リーチ式フォークリフトの車両前部には、
車両前後方向に延び車両幅方向に離隔した相互に平行な
左右一対のリーチレグ21が設けられ、各リーチレグ2
1の前端部には前輪20が取付けられている。また、一
対のリーチレグ21の間には、マスト装置22がリーチ
レグ21(図示しないリーチレールを備える)に沿って
前後方向にスライド可能に設けられ、マスト装置22に
は、フォーク23がリフトブラケット24、および、バ
ックレスト24Aを介して取付けられている。図3の実
線図示のマスト装置22およびフォーク23はマスト装
置22が図示しないリーチシリンダによりリーチレグ2
1間に引込まれたリーチイン状態を示し、一点鎖線で図
示したフォーク23の位置はマスト装置22がリーチシ
リンダにより押出されたリーチアウト状態を示してい
る。
【0036】一方、車両後部には、車両幅方向に並んだ
運転席1及びユニット室2を備え、下部には後輪懸架装
置3を介して、ユニット室2下部に操舵輪としても機能
する駆動輪4が配置され、運転席1の下部にキャスタ輪
5が配置されている。従って、駆動輪4とキャスタ輪5
とは車両幅方向の中心から左右にずれた位置に設けられ
ている。
【0037】運転席1の前部には、インストルメントパ
ネル6が形成され、そこには、アクセル手段としてのア
クセルレバー7と、アクセルレバー7に近接して荷役操
作を行うコントロールレバー8が配置されている。コン
トロールレバー8は、マスト装置22をリーチイン・リ
ーチアウト間で前後移動させるリーチレバー8A、マス
ト装置22のリフトシリンダ25を昇降操作するリフト
レバー8B、および、フォーク23をチルト操作するチ
ルトレバー8C等から構成されている。これらのレバー
8はインストルメントパネル6下方に内蔵されたコント
ロールバルブ9を作動して荷役油用圧源からの作動油を
マスト装置22に切換え供給することでマスト装置22
を作動させる。
【0038】前記ユニット室2内には、荷役用油圧源を
構成するオイルポンプ付きの荷役モータ10、駆動輪4
を駆動する走行モータ11、走行モータ11を制動する
後輪ブレーキ12、駆動輪4を操舵補助するパワーステ
アリングモータ13等の機能品が収容されている。走行
モータ11と駆動輪4とは減速機等を内蔵するドライブ
ユニット14を介して連結され、走行モータ11の駆動
力によって車両が走行可能であり、後輪ブレーキ装置1
2の制動力により走行モータ11の回転を制動し駆動輪
4にブレーキをかける。後輪ブレーキ装置12はディス
クブレーキから構成している。
【0039】運転席1の床面には、いわゆるデッドマン
タイプのブレーキペダル15が配設され、運転者がブレ
ーキペダル15を踏むと前記後輪ブレーキ装置12の制
動作用が解除され、踏んでいない状態では前記後輪ブレ
ーキ装置12が作動して車両を走行させない安全ブレー
キとして機能する。ブレーキペダル15の下方には、ブ
レーキスイッチ16が配設され、ブレーキペダル15が
踏まれて下方に移動すると、ブレーキスイッチ16の作
動片が押されてブレーキスイッチ16はオン作動し、走
行モータ11の電源動力をオン作動させ、ブレーキペダ
ル15の踏込みを解除すると、ブレーキスイッチ16は
オフ作動し、走行モータ11に対する電源動力をオフ作
動させる。
【0040】前記左右前輪20は、右側前輪20を例に
して図4により説明するが、左側前輪20においても左
右方向が逆になっているが、同様に構成されている。
【0041】図4において、リーチレグ21のリーチレ
ール26にスピンドル27が溶接されて配置され、スピ
ンドル27に前輪20のハブ28がテーパローラ軸受け
29を介して回転自在に支持されている。この前輪20
はソリッドタイヤに形成されハブ28の外周にリングに
溶着されたタイヤ30を圧入して支持している。前輪2
0のハブ28の側面はリング状の平面からなる制動面3
1に形成されている。図示のタイヤ30は上方において
幅広に表示しているが、これは便宜的に図示したもので
あり、幅広タイヤも標準タイヤも取付けることができる
ことを意味している。
【0042】また、リーチレール26の下方には支持ブ
ラケット26Aが溶接により固定され、支持ブラケット
26Aには前輪ブレーキ33のブレーキキャリパ34が
固定され、ブレーキキャリパ34の側面に配置されたブ
レーキパッド35のライニング35Aが前記ハブ28の
リング状平面31に接触及び離脱可能となっている。
【0043】図5は右前輪20のブレーキキャリパ34
の断面図を示しているが、左前輪20のブレーキキャリ
パ34においても左右方向が逆であるが同様の構成とな
っている。
【0044】前記ブレーキキャリパ34は、ブレーキパ
ッド35と、ブレーキパッド35の背面に配置したスラ
イダ36と、スライダ36を押圧するブレーキシリンダ
37とから構成されている。
【0045】前記ブレーキパッド35は、裏金35Bに
ブレーキライニング35Aを貼付けて構成され、裏金3
5Bの端部がキャリパ34の開口部34Bの縁に摺動可
能に嵌合し、内蔵されているスライダ36により押出さ
れる方向の付勢力により前進してライニング35Aを車
輪20のハブ28のリング状平面31に接触され、背面
のスライダ36よりの付勢力がなくなるときには、車輪
20のリング状平面31との接触による反発力によりキ
ャリパ34内に後退するよう配置されている。
【0046】前記スライダ36は、ブレーキシリンダ3
7によりブレーキパッド35の進退方向と直角方向に移
動可能とされた第1スライダ36Aと、第1スライダ3
6Aと斜面36C同士で接触しキャリパ34の前記開口
部34Aに連なる壁面34Bに沿って移動可能とされた
第2スライダ36Bとで構成されている。図示例では、
各スライダ36A、36Bはキャリパ34の壁面34
B、34Cにより案内されて移動可能とされている。第
1スライダ36Aと第2スライダ36Bとは、斜面36
Cにより接触しているため、第1スライダ36Aが斜面
36Cを介して第2スライダ36Bを押圧するとき、第
2スライダ36Bは第1スライダ36Aから直角方向に
押出されてブレーキパッド35を押圧する。また、第1
スライダ36Aが後退するときには、第1、第2スライ
ダ36A、36Bの斜面36C同士の接触が離れ、第2
スライダ36Bはブレーキパッド35から離反する方向
に後退可能となっている。第1、2スライダ36A、3
6Bの斜面36Cの角度は、第1スライダ36Aの移動
量に対し第2スライダ36Bの移動量が小さくなるよう
構成することで、第1スライダ36Aの押圧力を倍力し
て第2スライダ36Bに伝達することができ、図示例で
は、約1.4倍の倍力を行っている。
【0047】ブレーキシリンダ37は、外周にねじ38
Aが形成されたシリンダ38で構成され、シリンダ38
の内部には、ピストン39Aおよびピストンロッド39
が摺動自在に挿入され、ピストン39Aの端面を受圧面
とするシリンダ室38Aが形成され、シリンダ室38B
にコネクタ38Cを介して作動流体を導入することでピ
ストンロッド39を突出付勢させることができる。ま
た、ピストン39Aのピストンロッド39が結合された
端面とシリンダ端との間にリターンスプリング39Cが
配置され、シリンダ室38Bからの押圧力がなくなると
きにピストン39Aおよびピストンロッド39を押戻す
よう機能する。
【0048】前記ブレーキシリンダ37は、外周に設け
たねじ38Aによりキャリパ34にねじ込まれ、ロック
ナット38Dにより弛み止めがなされ、ピストンロッド
39の先端は前記第1スライダ36Aに連結ピン39B
により連結される。従って、ブレーキシリンダ37のね
じ込み深さを調節することで第1スライダ36Aの初期
位置を設定でき、第2スライダ36Bを介してブレーキ
パッド35の初期位置を変更でき、シリンダ室38Bへ
作動油圧を供給して第1、2スライダ36A、36Bを
介してブレーキパッド35を前輪20のハブ28の側面
31に押し当てる際のクリアランスを調整することがで
きる。
【0049】前輪ブレーキ33のブレーキシリンダ37
のコネクタ38Cには、コントロールバルブ9からリフ
トシリンダ25への配管40の途中に接続される左右前
輪20のブレーキ装置33へ分岐されてブレーキ通路4
1が接続され、ブレーキ通路41の中途部には電磁切換
え弁47が接続されている。
【0050】図6は、リーチ型フォークリフトの荷役用
油圧回路において、リフトシリンダ用回路とチルトシリ
ンダ用回路とを抜き出して示すものである。図における
油圧回路は、荷役用油圧源42、コントロールバルブ
9、および、コントロールバルブ9に接続された一対の
リフトシリンダ25、並びに、チルトシリンダ43とか
ら構成されている。
【0051】前記荷役用油圧源42は、リザーバタンク
42Aの作動油を吸い込み吐出するオイルポンプ42B
とこのオイルポンプ42Bを駆動する荷役モータ10を
備え、コントロールバルブ9よりのドレイン通路42C
にはフィルタ42Dが設けられている。
【0052】前記コントロールバルブ9は、マスト装置
22のリフトシリンダ25を作動させるリフトバルブ4
4と、マスト装置22のチルトシリンダ43を作動させ
るチルトバルブ45と、図示しないリーチバルブと、こ
れらのバルブへ供給する作動油圧の規定以上の上昇を制
限するメインリリーフ弁46とから構成されている。
【0053】前記リフトバルブ44は、リフトシリンダ
25への作動油の供給並びに排出を遮断した中立位置4
4A(リフトシリンダ25の上昇並びに下降が停止され
る)と、リフトシリンダ25へ作動油を供給するリフト
位置44B(リフトシリンダ25は作動油の供給を受け
て上昇する)と、リフトシリンダ25より作動油を排出
するダウン位置44C(リフトシリンダ25は作動油が
排出されて下降する)とを備える。
【0054】前記チルトバルブ45は、チルトシリンダ
43への作動油の供給並びに排出を遮断した中立位置4
3A(チルトシリンダ43の伸縮が停止される)と、チ
ルトシリンダ43のチルトアップ室43Aへ作動油を供
給しつつチルトダウン室43Bから作動油を排出するチ
ルトアップ位置45B(リーチ型フォークリフトにおい
ては、マスト装置22をチルト動作させるのではなく、
バックレスト24Aもしくはフォーク23自体をチルト
シリンダ43により後傾させてチルトアップが行われ
る。この場合は作動油の供給を受けてチルトシリンダ4
3は伸長する)と、チルトシリンダ43のチルトダウン
室43Bへ作動油を供給しつつチルトアップ室43Aか
ら作動油を排出するチルトダウン位置45C(この場合
は作動油の供給を受けてチルトシリンダ43は収縮す
る)とを備える。そして、いずれのバルブ44、45が
中立位置に位置していても、最低圧が補償されるようリ
フトバルブ44の中立位置44Aにおいてリザーバタン
ク42Aへの還流量を絞るオリフィス44Dが設けられ
ている。
【0055】前記リフトシリンダ25は、左右一対の立
設したシリンダ25Aで構成され、ピストン25Bおよ
びピストンロッド25Cが上昇することでリフトブラケ
ット24を、図しないチェーンを介して上昇させる。リ
フトシリンダ25のピストン25B下方のボトム室25
D同士はダウンセーフティバルブ48を介して連通さ
れ、前記コントロールバルブ9のリフトバルブ44にフ
ローレギュレータバルブ49を介して連通されている。
前記ダウンセーフティバルブ48は、常時は左右ボトム
室25Dを連通させるが、コントロールバルブ9との間
の油路が破損して一方のボトム室25Dの油圧が急激に
洩れる場合に左右のボトム室25Dの連通を遮断させ
て、フォーク23およびフォーク23上の積載荷物が急
激に降下することを阻止する。また、前記フローレギュ
レータバルブ49はボトム室25Dからの作動油の流出
速度を制限することで、リフトシリンダ25の収縮速度
を制限してフォーク23が急激に下降しないようにして
いる。
【0056】前記チルトシリンダ43は、チルトアップ
室43Aとチルトダウン室43Bを備え、図示しない
が、フォーク23を支持するバックレスト24Aもしく
はフォーク23自体とリフトブラケット24との間に配
置され、フォーク23を後傾させるチルトアップ時には
チルトアップ室43Aに作動油が供給されて伸長され、
フォーク23を前傾させるチルトダウン時にはチルトダ
ウン室43Bに作動油が供給されて収縮される。
【0057】そして、コントロールバルブ9のリフトシ
リンダ25への配管40の中途部が分岐されてブレーキ
通路41が形成され、ブレーキバルブとしての電磁切換
え弁47を介して左右のブレーキシリンダ37へ連通さ
れる。前記電磁切換え弁47は、二位置3ポートの電磁
方向切換え弁であり、ばね47Aでオフセットされた中
立位置47Bでブレーキシリンダ37へ通じたブレーキ
ポート47Eをリザーブタンク42Aへ通じたのドレイ
ンポート47Fと連通させ、電磁ソレノイド47Dが作
動するブレーキ位置47Cにおいては、ブレーキポート
47Eをボトム室25Dへ連通したボトム圧ポート47
Gへ連通させる。ブレーキ通路41には、可変オリフィ
スからなる流量制御弁50が配置され、作動油の急激な
流れを制限して、電磁切換え弁47を介してブレーキシ
リンダ37へ作動油が供給される場合の油圧の立ち上が
りを抑制し、ブレーキの効きの立ち上がり速度を調整
し、且つ、ブレーキシリンダ37側のブレーキ通路41
の破損等でブレーキシリンダ37側にリフトシリンダ2
5のボトム室25Dの作動流体が急激に洩れて、リフト
シリンダ25が急降下するのを制限している。
【0058】前記電磁切換え弁47は、リレー51、フ
ューズ52、キースイッチ53を介して電源54に接続
されており、リレー51のリレーコイル51Aはその作
動がブレーキスイッチ16により作動される。即ち、ブ
レーキスイッチ16はブレーキペダル15が踏み込まれ
ていない状態ではオフ状態であり、リレーコイル51A
は励磁されず、リレー51Bはオンして電磁切換え弁4
7の電磁ソレノイド47Dを作動させるようにしてい
る。ブレーキペダル15が踏み込まれるとブレーキスイ
ッチ16もオン作動してリレーコイル51Aを励磁する
ため、リレー51Bはオフして電磁切換え弁47の電磁
ソレノイド47Dの励磁を解除するようにしている。
【0059】次に、作動を説明する。キースイッチ53
をオフした駐車状態では、荷役モータ10、パワーステ
アリングモータ13、走行モータ11は停止しており、
荷役用油圧源42は油圧を発生せず、コントロールバル
ブ9のリフトバルブ44、チルトバルブ45はいずれも
中立位置にあり、リフトシリンダ25、チルトシリンダ
43はコントロールバルブ9と遮断され停止している。
この状態のリフトシリンダ25のボトム室25Dの内圧
(ボトム圧という)は、ピストン25B、ピストンロッ
ド25Cを介してフォーク23およびリフトブラケット
24等の荷役装置自体の重量、さらには、フォーク23
上に荷物が積載してある場合にはその重量が加算されて
作用しており、それを支えるための圧力が発生してい
る。
【0060】また、リレー51および電磁切換え弁47
の電磁ソレノイド47Dには電源電圧が供給されておら
ず、電磁切換え弁47は中立位置47Bにあり、ブレー
キシリンダ37は電磁切換え弁47のブレーキポート4
7E、ドレインポート47Fを介してリザーバタンク4
2Aに連通して非作動状態にあり、第1、2スライダ3
6A、36Bは後退位置にあり、ブレーキパッド35の
ライニング面35Aは前輪20のハブ28側面から離脱
して前輪20のブレーキ33は解除されている。
【0061】一方、走行モータ11を制動する後輪ブレ
ーキ12は、ブレーキペダル15が踏み込まれていない
ため、制動中であり、車両は駐車状態となっている。
【0062】オペレータが運転席に乗り込み、キースイ
ッチ53をオンすると、荷役モータ10、パワーステア
リングモータ13が作動して荷役用油圧、および、操舵
用油圧が発生する。また、リレー51Bがオンであるた
め、電磁切換え弁47の電磁ソレノイド47Dが励磁さ
れ、中立位置47Bからブレーキ位置47Cに電磁切換
え弁47を切換え、ボトムポート47Gとブレーキポー
ト47Eとを連通させる。リフトシリンダ25のボトム
圧はブレーキ通路41、電磁切換え弁47、および、ブ
レーキ通路41を介してブレーキシリンダ37に供給さ
れる。ブレーキシリンダ37はピストン39Aおよびピ
ストンロッド39を介して第1スライダ36Aを押圧し
斜面36Cで接する第2スライダ36Bをブレーキパッ
ド35側に押出し、ブレーキパッド35のライニング3
5Aを前輪20のハブ28側面に押付けて前輪20を制
動する。この時の制動力は、リフトシリンダ25のボト
ム圧の圧力値に応じて変化し、リフトシリンダ25のボ
トム圧は、荷役装置自体および積載荷重に応じて変化す
る。このため、これら荷重に応じて制動力が前輪20に
加わることとなる。このため、荷物を積載したまま駐車
する場合でもキーSW53がONしていれば、積載重量
に応じた制動力が発生しており、安全に駐車できる。
【0063】また、キースイッチ53がオンとなってい
てもブレーキペダル15が踏み込まれていない状態で
は、ブレーキスイッチ16がオフ状態にあり、ブレーキ
スイッチ16のオフ作動に応じて一方では走行モータ1
1等への電源電圧を遮断し、他方では前輪20を制動す
るため、安全に駐車状態を継続する。
【0064】ブレーキペダル15を踏み込むと、ブレー
キスイッチ16はオンし、リレー51Bはリレーコイル
51Aが励磁されるためオフし、電磁ソレノイド47D
の励磁が解除され、電磁切換え弁47は中立位置47B
に復帰する。このため、ボトム圧ポート47Gは遮断さ
れ、ブレーキポート47Eはドレインポート47Fと接
続され、ブレーキシリンダ37内の作動油はリザーバタ
ンク42Aにドレインされる。そして、前輪ブレーキ3
3の第1、2スライダ36A、36Bが後退し、ブレー
キパッド35の前輪20のハブ28側面への押圧接触が
解除され、前輪ブレーキ33は解除される。
【0065】また、ブレーキペダル15の踏み込みによ
り走行モータ11を制動していた後輪ブレーキ12が解
除され、ブレーキスイッチ16のオン作動により走行モ
ータ11へ電源電圧が供給され、走行可能状態となる。
走行モータ11は運転席1のアクセルレバー7を操作す
ることでアクセルレバー7の操作量に応じて回転し、ド
ライブユニット14を介して駆動輪4を駆動し、車両を
前進若しくは後退させる。また、オペレータによる荷役
操作レバー8(8A〜8C)の操作により、図示しない
リーチシリンダ、リフトシリンダ25、チルトシリンダ
43がコントロールバルブ9よりの作動油により操作さ
れる(荷役装置の作動については、省略する)。
【0066】走行中の車両を制動するために、ブレーキ
ペダル15の踏込みを解除すると、ブレーキスイッチ1
6がオフされて走行モータ11への電源供給を遮断する
とともにブレーキペダル15の踏込み解除により走行モ
ータ11の後輪ブレーキ12が作動して駆動輪4に制動
力が作用する。
【0067】また、ブレーキスイッチ16がオフしたこ
とで、リレーコイル51Aの励磁が解放されてリレー5
1Bはオン作動し、電磁ソレノイド47Dを励磁して電
磁切換え弁47をブレーキ位置47Cに切換える。この
切換えにより、ボトム圧ポート47Gとブレーキポート
47Eとが連通され、リフトシリンダ25のボトム圧が
ブレーキ通路41を介してブレーキシリンダ37に供給
され、前輪ブレーキ33はスライダを36介してブレー
キパッド35を前輪20のハブ28側面に押付けて前輪
20を制動する。
【0068】したがって、車両には後輪ブレーキ33に
よる駆動輪4の制動とリフトシリンダ25のボトム圧に
よる前輪20の制動とが作用する。しかも、前輪20に
作用される制動力は積載荷重に対応した制動力であるた
め、積載荷重の変化に応じて増減して、ブレーキの効き
過ぎや効き不足を生じることなく常に積載荷重に応じた
適正な制動力となり、後輪ブレーキ12の制動力ととも
に積載荷重の増減による車両の制動距離の変化も少なく
できる。しかも、前輪20はマスト装置22のリーチイ
ン状態、リーチアウト状態においても、常に積載荷重の
大半を支持しているため、後輪ブレーキ12による駆動
輪4への制動力が車両の中心からオフセットした部位で
発生しても、積載荷重の増加やリーチアウト状態での停
止時に発生する車両の旋回作用を抑制緩和する。
【0069】荷役作業を終わって車両を駐車させる場合
には、ブレーキペダル15の踏込みを解除すると、前記
制動時と同様に、ブレーキスイッチ16がオフし、走行
モータ11の電源電圧が遮断され、且つ後輪ブレーキ1
2が駆動輪4を制動すると共に、リレー51を介して電
磁切換え弁47がブレーキ位置47Cに切換えられてリ
フトシリンダ25のボトム圧が前輪ブレーキ33に作用
して前輪20を制動する。これらの制動の開始は、ブレ
ーキペダル15の踏込みを解除するのみの動作で自動的
に行われる。キースイッチ53をオンの状態で駐車させ
ておけば、前輪20へのボトム圧での制動が継続される
ため、荷物をマスト装置22に積載状態としても、安全
に駐車できる。
【0070】キースイッチ53をオフすると、荷役モー
タ10、パワーステアリングモータ13等への電源も遮
断され、リレー51もオフし電磁切換え弁47は中立位
置47Bに復帰して前輪ブレーキ33が解除された完全
な駐車状態を得ることができる。
【0071】なお、上記実施形態において、左右前輪2
0のブレーキシリンダ37のピストン39Aの受圧面積
は同じ受圧面積であることを前提として説明している
が、これに限定されるものでなく、例えば、後輪ブレー
キ12が車体のオフセットした位置に配置されているこ
とから、そのオフセットした側の前輪ブレーキ33のブ
レーキシリンダ37のピストン38Bの受圧面積を他の
側の受圧面積より小さく、即ち、左右前輪ブレーキ33
の上記受圧面積を異ならせて形成することもできる。こ
のように構成することで、後輪ブレーキ12と協働して
車両を制動するとき、車両の旋回気味となる挙動を軽
減、若しくは、無くすることができる。
【0072】以上説明した実施の態様においては、下記
に記載した効果を奏することができる。即ち、制動時に
左右一対の前輪20を制動する前輪ブレーキ33にブレ
ーキ通路41およびブレーキバルブとしての電磁切換え
弁47を介してリフトシリンダ25のボトム室25Dの
作動油を導くようにしたため、リフトシリンダ25のボ
トム圧はフォークリフトの積載重量が増えると高くな
り、積載重量に応じた制動力が得られる。
【0073】また、マスト装置22をリーチレグ21内
に引き込んだリーチイン状態、マスト装置22をリーチ
レグ21内から前方に追い出したリーチアウト状態に拘
わらず前輪軸重に対応した制動力を付与でき、制動距離
が積載荷重に拘わらず小さくでき、安全性が向上する。
【0074】さらに、駆動輪4への制動力分担が減るた
め、制動時、旋回気味になるのを軽減でき、しかも、制
動距離を短縮できる。
【0075】しかも、運転席1に配置したブレーキペダ
ル15の踏込みにより駆動輪4の回転を許容しブレーキ
ペダル15の踏込み解除により駆動輪4を制動する後輪
ブレーキ12と連動したブレーキバルブとしての電磁切
換え弁47を介してリフトシリンダ25のボトム圧を導
き作動させるため、前輪制動のコントロールをブレーキ
ペダル15の踏込み解除による簡単操作で行える。
【0076】また、荷物を積載したまま駐車した場合で
も、積載重量に応じた制動力が発生しているため、駐車
中に移動することがなく安全に駐車できる。
【0077】また、ブレーキバルブを電磁切換え弁47
により構成して常閉のリレースイッチ51Bを介して車
両のキースイッチ53に接続し、リレースイッチ51B
をブレーキペダル15の踏込み解除によりオフ作動され
るブレーキスイッチ16のオフ作動に連動してオン作動
させるため、キースイッチ53がオンしていれば積載重
量に応じた制動力を前輪20にかけて安全に駐車でき
る。
【0078】また、キースイッチ53をオフさせれば、
この前輪20への制動力を加えない状態の駐車が選択で
きる。
【0079】しかも、前輪ブレーキ33は前輪20のハ
ブ28のリーチレール26側の側面をブレーキディスク
としてブレーキパッド35を押圧して前輪20を制動す
るディスクブレーキで構成しているため、径が小さく周
辺にもスペースがない前輪20に対し容易に適用でき、
そのレイアウトが容易でしかも廉価に構成できる。
【0080】また、ディスクブレーキで構成しているた
め、作動油圧に対応して精度良く制動力を発生させるこ
とができ、前輪ブレーキ33の過剰な制動力に起因する
不安定性を防止できる。
【0081】さらに、前輪ブレーキ33をリーチレール
26に沿う方向にピストンロッド39が伸縮するブレー
キシリンダ37と、ピストンロッド39の伸長移動を斜
面により前輪20のハブ28側面への接近離脱方向の移
動に変換してブレーキパッド35に伝達する一対のスラ
イダ36とで構成したため、径の小さいブレーキシリン
ダ37を用いても斜面36Cの角度により倍力してブレ
ーキパッド35を押し出すことができ、安定した制動力
を大きくできる。
【0082】しかも、ブレーキシリンダ37はリーチレ
ール26に沿って配置できるため、前輪ブレーキ33を
リーチレール26下方と前輪20のハブ28とで囲まれ
る空間に効果的に納めることができる。
【0083】また、ブレーキシリンダ37をピストンロ
ッド39の伸縮方向の取付け位置をねじ38Aにより調
整可能としているため、ブレーキパッド35と前輪20
のハブ28とのクリアランス調整が外部から簡単にで
き、常に安定したブレーキ性能を得ることができる。
【0084】また、左右のブレーキシリンダ37のピス
トン39Aの受圧面積を変えることにより、左右前輪ブ
レーキ33の制動力を相違させ、よって、制動時に旋回
気味になるのを更に軽減若しくは無くすることができ
る。
【0085】なお、上記実施形態において、前輪ブレー
キ33として、ブレーキパッド35をスライダ36を介
してブレーキシリンダ37で押圧するものについて説明
したが、図示しないが、例えば、リーチレール26に固
定したブラケット26Aに前輪20のハブ28側面に向
けて開口するシリンダを配置し、このシリンダ内で摺動
可能なピストンによりブレーキパッド35を押圧するよ
う構成してもよく、また、リフトシリンダ25のボトム
室25Dのボトム圧により作用するドラムブレーキ等で
形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すリーチ型フォークリ
フトの斜め後方よりの斜視図。
【図2】同じくリーチ型フォークリフトの平面図。
【図3】同じくリーチ型フォークリフトの側面図。
【図4】前輪ブレーキ装置の全体図。
【図5】前輪ブレーキ装置の断面図。
【図6】リーチ型フォークリフトの荷役用油圧および電
気回路図。
【図7】従来技術を示す平面図。
【符号の説明】
1 運転席 2 ユニット室 3 後輪懸架装置 4 駆動輪(後輪) 5 キャスタ輪(後輪) 11 走行モータ 12 後輪ブレーキ 14 ドライブユニット 15 ブレーキペダル 16 ブレーキスイッチ 20 前輪 21 リーチレグ 22 マスト装置 23 フォーク 24 リフトブラケット 25 リフトシリンダ 26 リーチレール 28 ハブ 30 タイヤ 33 前輪ブレーキ 35 ブレーキパッド 36 スライダ 37 ブレーキシリンダ 41 ブレーキ通路 47 電磁切換え弁(ブレーキバルブ) 51 リレー 53 キースイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪および運転席を車両後部に備え、車
    両前部に左右一対の前輪を有する左右一対のリーチレグ
    および前記リーチレグに沿ってスライド可能なマスト装
    置を備えたリーチ型フォークリフトにおいて、 前記左右一対の前輪を制動する前輪ブレーキと、 前輪ブレーキにリフトシリンダのボトム室の作動油を導
    くブレーキ通路と、 前記ブレーキ通路に配置され前輪ブレーキとボトム室を
    連通させるブレーキ位置と前輪ブレーキの作動油を排出
    する中立位置とを備えるブレーキバルブとから構成した
    ことを特徴とするリーチ型フォークリフトのブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記後輪は、運転席に配置したブレーキ
    ペダルの踏込みにより後輪の回転を許容しブレーキペダ
    ルの踏込み解除により後輪を制動する後輪ブレーキを備
    え、前記ブレーキバルブは、ブレーキペダルの踏み込み
    により中立位置となり踏込み解除によりブレーキ位置と
    されることを特徴とする請求項1に記載のリーチ型フォ
    ークリフトのブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキバルブは、電磁切換え弁に
    より構成され、電磁切換え弁は常閉のリレースイッチを
    介して車両のキースイッチに接続され、リレースイッチ
    はブレーキペダルの踏込みによりオン作動され踏込み解
    除によりオフ作動されるブレーキスイッチのオフ作動に
    連動してオン作動されることを特徴とする請求項2に記
    載のリーチ型フォークリフトのブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記前輪ブレーキは、前輪のハブ側面を
    ブレーキディスクとしてブレーキパッドを押圧して前輪
    を制動するディスクブレーキに構成されていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載
    のリーチ型フォークリフトのブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記前輪は、マスト装置をスライド可能
    にガイドするようリーチレグに設けたリーチレールの先
    端近傍に回転自在に配置され、前記前輪ブレーキは、前
    輪ハブのリーチレール側の側面をブレーキディスクとし
    てブレーキパッドを押圧して前輪を制動するディスクブ
    レーキに構成されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか一つに記載のリーチ型フォークリ
    フトのブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記前輪ブレーキは、リーチレグに沿う
    方向にピストンロッドが伸縮するブレーキシリンダと、
    ピストンロッドの伸長移動を斜面により前輪のハブ側面
    への接近離脱方向の移動に変換してブレーキパッドに伝
    達する一対のスライダとを備えていることを特徴とする
    請求項4または請求項5に記載のリーチ型フォークリフ
    トのブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記ブレーキシリンダは、そのピストン
    ロッドの伸縮方向の取付け位置が調整可能となっている
    ことを特徴とする請求項6に記載のリーチ型フォークリ
    フトのブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 前記ブレーキシリンダは、前記の前輪を
    制動するよう個別に設けられ、夫々のブレーキシリンダ
    のピストン面積が異なっていることを特徴とする請求項
    6に記載のリーチ型フォークリフトのブレーキ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155668A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 作業用車輌
CN104265878A (zh) * 2014-09-12 2015-01-07 绍兴金道齿轮箱有限公司 叉车用液力传动变速箱的刹车微动一体控制系统

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