JP2003080067A - 触媒担体用酸化チタン及びアンモニア脱硝触媒の製造方法 - Google Patents

触媒担体用酸化チタン及びアンモニア脱硝触媒の製造方法

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JP2003080067A
JP2003080067A JP2001278560A JP2001278560A JP2003080067A JP 2003080067 A JP2003080067 A JP 2003080067A JP 2001278560 A JP2001278560 A JP 2001278560A JP 2001278560 A JP2001278560 A JP 2001278560A JP 2003080067 A JP2003080067 A JP 2003080067A
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catalyst
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coupling agent
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Koji Kagawa
公司 香川
Hiroshi Akikazu
博 古南
Yoshinari Kera
善也 計良
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Kansai Electric Power Co Inc
Kinki University
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Kansai Electric Power Co Inc
Kinki University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温で焼成した場合にも高い表面積を維持で
き、アンモニア脱硝触媒等の高温雰囲気で使用される触
媒用担体として有用性の高い触媒担体用酸化チタンを提
供し、また、高比表面積の担体に触媒物質が担持された
高活性のアンモニア脱硝触媒であって、高温で焼成した
場合にも高比表面積を維持できる高活性且つ耐熱性に優
れたアンモニア脱硝触媒を提供する。 【解決手段】シランカップリング剤を含む溶液に酸化チ
タンを接触させた後、焼成することを特徴とする触媒担
体用酸化チタンの製造方法、及び、シランカップリング
剤を含む溶液に酸化チタンを接触させた後、触媒物質を
含む水溶液に接触させ、次いで、焼成することを特徴と
するアンモニア脱硝触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒担体用酸化チ
タン及びアンモニア脱硝触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラー、ガスタービンなどの窒素酸化
物を含む燃焼排気ガスから窒素酸化物を窒素として除去
する方法として、燃焼排気ガスにアンモニアを添加して
触媒上を流通させるアンモニア接触還元式排煙脱硝方法
が知られている。このアンモニア接触還元式排煙脱硝方
法では、アンモニア脱硝触媒として、バナジウム、タン
グステン、鉄、銅などの金属をチタニア担体に担持させ
た触媒が最も活性が高いものとして広く使用されてい
る。
【0003】斯かる方法において、アンモニア脱硝触媒
の触媒特性を向上させる方法として、バナジウム等の触
媒成分を比表面積の大きい担体に担持させることによっ
てバナジウム種の活性点量を増加させる方法が考えられ
る。そのためには、比表面積の大きい担体が必要であ
り、特に、アンモニア脱硝触媒は、一般に250℃から
500℃程度の排気ガス温度で使用されており、触媒の
耐久性を考慮した場合、600℃以上、例えば800℃
の高温で焼成した後においても、高い表面積を維持でき
る触媒担体を開発することが重要な課題になっている。
【0004】しかしながら、アンモニア脱硝触媒担体と
して広く用いられているチタニアは、高温で焼成する
と、結晶が成長して表面積が減少し、特に、約600℃
以上で焼成すると、アナタース型からルチル型へと相転
移して急激に焼結し、表面積が大きく減少するという欠
点がある。
【0005】このために、これまでにも、触媒担体の耐
熱性を向上させるための研究が広く行われてきており、
種々の改良方法が提案されてもいる。例えば、特開平8
−257399号公報には、チタニアにシリカを添加し
て耐熱性を改良する方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法で得られるチタニアを含めて、従来得られ
ている改良チタニアは、600℃程度の焼成温度では約
150m2 /gの高表面積を維持できるものの、700
℃で焼成すると約80m2 /gまで表面積が低下する。
このため、従来のチタニアを担体として用いる場合に
は、高温度雰囲気で使用するために焼成温度を高くする
と触媒担体の比表面積が減少し、十分に触媒特性を向上
させることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
高温で焼成した場合にも高い表面積を維持でき、アンモ
ニア脱硝触媒等の高温雰囲気で使用される触媒用担体と
して有用性の高い触媒担体用酸化チタンを提供すること
である。
【0007】本発明の他の目的は、高比表面積の担体に
触媒物質が担持された高活性のアンモニア脱硝触媒であ
って、高温で焼成した場合にも高比表面積を維持できる
高活性且つ耐熱性に優れたアンモニア脱硝触媒を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高比表面積の酸
化チタンをシランカップリング剤で化学修飾した後、焼
成する方法によれば、高温で焼成した場合にも表面積の
減少が非常に少ない酸化チタンを得ることができ、該酸
化チタンは高温雰囲気で使用される触媒用担体として非
常に有用性の高いものとなることを見出した。更に、高
比表面積の酸化チタンをシランカップリング剤で化学修
飾した後、アンモニア脱硝触媒用の触媒物質を含む成分
をシランアップリング剤に吸着させ、その後焼成する方
法によれば、比表面積の大きい酸化チタン担体に触媒物
質が高分散し、しかも高温で焼成した場合にも高い表面
積を維持できる高活性で耐熱性に優れたアンモニア脱硝
触媒が得られることを見出した。本発明は、これらの知
見に基づいて完成されたものである。
【0009】即ち、本発明は、下記の触媒担体用酸化チ
タン及びアンモニア脱硝触媒の製造方法を提供するもの
である。 1. シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを
接触させた後、焼成することを特徴とする触媒担体用酸
化チタンの製造方法。 2. 酸化チタンの比表面積が、10〜400m2/g
である上記項1に記載の触媒担体用酸化チタンの製造方
法。 3. 酸化チタンが、チタンのアルコキシド化合物を原
料として水熱合成反応を行った後、水中で加熱処理して
得られるものである上記項1又は2に記載の触媒担体用
酸化チタンの製造方法。 4. シランカップリング剤が、一般式(I): Si(A)n(B)4-n (I) (式中、Aは加水分解性基であり、Bは水素原子又は1
価の有機基であり、nは1〜4の整数である)で表され
る化合物である上記項1〜3のいずれかに記載の触媒担
体用酸化チタンの製造方法。 5. 上記項1〜4のいずれかの方法によって得られる
触媒担体用酸化チタン。 6. 下記の(i)〜(iii)工程を含むことを特徴と
するアンモニア脱硝触媒の製造方法: (i)シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを
接触させる工程、(ii)水溶液中でバナジウムを含むア
ニオン性基を形成できる化合物、水溶液中でタングステ
ンを含むアニオン性基を形成できる化合物及び水溶液中
でモリブデンを含むアニオン性基を形成できる化合物か
らなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含む水
溶液に、上記(i)工程で処理された酸化チタンを接触
させる工程、(iii)上記(ii)工程で処理された酸化
チタンを焼成する工程。 7. 酸化チタンの比表面積が、10〜400m2/g
である上記項6に記載のアンモニア脱硝触媒の製造方
法。 8. 酸化チタンが、チタンのアルコキシド化合物を原
料として水熱合成反応を行った後、水中で加熱処理して
得られるものである上記項6又は7に記載のアンモニア
脱硝触媒の製造方法。 9. シランカップリング剤が、一般式(II): Si(C)a(D)b(E)4-(a+b) (II) (式中、Cは、加水分解性基、Dは酸性水溶液中でカチ
オン性基を形成し得る基、Eは水素原子又は1価の有機
基であり、aは1〜3の整数、bは1〜3の整数であっ
て、a+bは4以下である。)で表される化合物である
上記項6〜8のいずれかに記載のアンモニア脱硝触媒の
製造方法。 10. 上記項6〜9のいずれかの方法によって得られ
るアンモニア脱硝触媒。
【0010】
【発明の実施の形態】(1)触媒担体用酸化チタンの製
造方法 本発明の触媒担体用酸化チタンの製造方法は、酸化チタ
ンをシランカップリング剤を含む溶液に接触させた後、
焼成することを特徴とする方法である。以下、この方法
について、具体的に説明する。原料 本発明方法では、原料としては、酸化チタンを用いる。
酸化チタンの種類については、特に限定はなく、通常、
触媒担体用として用いられている各種の酸化チタンを使
用できるが、焼成後も高い表面積を維持できるという特
徴を生かすためには、原料とする酸化チタンとしては、
高い比表面積を有するものが適当である。具体的な比表
面積については、特に限定的ではないが、通常、高活性
の触媒を得るという目的からは、10〜400m2/g
程度の比表面積を有する酸化チタンが好ましく、50〜
300m2/g程度の比表面積を有する酸化チタンがよ
り好ましい。
【0011】本発明では、好ましい酸化チタンの一例と
して、チタンのアルコキシド化合物を原料として水熱合
成反応を行った後、水中で加熱処理して得られる酸化チ
タンを挙げることができる。この様な酸化チタンは、高
い比表面積を有すると同時に、チタンのアルコキシド化
合物の水熱合成反応の際に生じた残留有機物の大部分が
除去され、更に、酸化チタンの無定型部分については、
アナタースへ結晶化が進行しており、優れた熱安定性を
有するものである。その結果、該酸化チタンは、残留有
機物の燃焼熱による結晶粒子の焼結が抑制され、アナタ
ースの結晶性が向上して焼結に対する耐性が向上し、更
に、シンタリングを誘発する無定形相が消滅したことな
どにより、後述する焼成工程において高温で焼成する際
にも高い比表面積を維持し得るものとなる。
【0012】上記した酸化チタンの製造方法で用いるこ
とができるチタンのアルコキシド化合物としては特に限
定的ではなく各種のアルコキシドを使用できる。例え
ば、一般式:Ti(OR1)(OR2)(OR3)(O
4)で表され、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異
なって、一価の炭化水素基であるものを例示できる。該
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
芳香族炭化水素基等であってよく、例えば、適当なもの
として炭素数1〜6のアルキル基を例示できる。チタン
のアルコキシド化合物の具体例としては、チタンエトキ
シド、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシ
ド、チタンn−ブトキシド、チタンsec−ブトキシ
ド、チタンtert−ブトキシド等を例示できる。
【0013】水熱合成反応については、例えば、チタン
のアルコキシド化合物を有機溶媒に溶解し、水を添加し
て有機溶媒の沸点以上の温度で加熱してチタンのアルコ
キシド化合物を加水分解することによって行うことがで
きる。
【0014】有機溶媒としては、チタンのアルコキシド
化合物を溶解できるものであれば特に制限はなく、例え
ば、メタノール、エタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、デカノールなどのアルコール類、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族化合物、ヘキサン、へプタ
ンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式
炭化水素、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等を
用いることができる。
【0015】水熱合成に使用する水の量は、アルコキシ
ドの反応速度の向上及びチタニアの生産性の向上のため
には、チタンのアルコキシド化合物1モルに対して、
0.5〜500モル程度とすることが好ましく、1〜2
00モル程度とすることがより好ましい。水の添加方法
については、特に限定はなく、所定量の水を一時に有機
溶媒に添加しても良いが、通常、所定量の水を徐々に添
加することが好ましい。
【0016】水熱合成反応の温度については、特に限定
するものではないが、反応速度の向上のためには、通
常、100〜400℃程度とすればよい。但し、反応温
度が高くなると得られる酸化チタンの比表面積が減少す
る傾向があるので、比表面積のの高い酸化チタンを得る
ためには、100〜250℃程度とすることが好まし
く、150〜200℃程度とすることがより好ましい。
【0017】次いで、水熱合成反応で得られた酸化チタ
ンを水中で加熱処理することによって、酸化チタン中の
残留有機物を除去する。加熱処理の条件については、特
に限定的ではないが、50〜300℃程度、好ましくは
80〜150℃程度で1〜24時間程度加熱すればよ
い。
【0018】上記した方法で水中で加熱処理した後、常
法に従って、洗浄及び乾燥することによって、以下の処
理工程において原料として用いることができる酸化チタ
ンを得ることができる。シランカップリング剤による処理 本発明の方法では、まず、原料である酸化チタンをシラ
ンカップリング剤を含む溶液に接触させる。
【0019】シランカップリング剤の種類については、
特に限定的ではなく、加水分解によりシラノール基を形
成し得る加水分解性基を有するシランカップリング剤で
あれば、特に限定なく使用できる。
【0020】この様なシランカップリング剤としては、
一般式(I): Si(A)n(B)4-n (I) で表される化合物を例示できる。式中、Aは、加水分解
性基であり、同一又は異なるものでよい。Aの具体例と
しては、塩素、水素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原
子、炭素数1〜6個のアルコキシル基等を例示できる。
Bについては、特に限定的ではなく、後述する焼成工程
において分解除去できるものであれば良く、水素原子、
一価の有機基等を例示できる。一価の有機基について
は、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳
香族炭化水素基等でよく、窒素原子、イオウ原子等の異
種原子を含むものであっても良い。nは1〜4の整数で
ある。シランカップリング剤は、一種単独又は二種以上
混合して用いることができる。
【0021】シランカップリング剤は有機溶媒に溶解し
て用いる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノールな
どのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族化合物、ヘキサン、へプタンなどの脂肪族炭化
水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド等を用いることができ
る。
【0022】シランカップリング剤の使用量について
は、特に限定的ではないが、使用する酸化チタンの表面
積に応じて、シランカップリング剤の被覆率が1以下と
なる量とすることが好ましい。1を上回る被覆率とする
ことも可能であるが、あまり過剰になってもより効果が
向上することがなく、不経済である。シランカップリン
グ剤の使用量の下限については、特に限定的ではない
が、通常、シランカップリング剤の被覆率が0.05以
上となる量とすることが好ましく、被覆率が0.1以上
となる量とすることがより好ましく、被覆率が0.2以
上となる量とすることが更に好ましい。
【0023】尚、シランカップリング剤の被覆率とは、
下記式で得ることができるシラン剤の被覆比表面積と担
体の比表面積との比から求めた値である。
【0024】被覆率=シランカップリング剤の被覆比表
面積(m2/g)/担体の比表面積(m2/g) (シラン剤の被覆比表面積(m2/g):7.84×1
3/シランカップリング剤の分子量) シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを接触さ
せる方法については、特に限定的ではないが、通常は、
シランカップリング剤を含む溶液中に酸化チタンを浸漬
し、50℃〜使用する有機溶媒の沸点付近の温度範囲で
30分〜24時間程度反応させればよい。
【0025】有機溶媒中のシランカップリング剤の濃度
については特に限定的ではなく、有機溶媒中にシランカ
ップリング剤を溶解できる範囲内において、使用する酸
化チタン量等に応じて適宜決めればよい。
【0026】上記した方法でシランカップリング剤を含
む溶液に酸化チタンを接触させることによって、酸化チ
タン表面がシランカップリング剤によって化学修飾され
る。焼成 次いで、シランカップリング剤によって化学修飾された
酸化チタンを焼成することによって、目的とする触媒担
体用酸化チタンを得ることができる。
【0027】焼成温度については、使用したシランカッ
プリング剤の種類に応じて、シランカップリング剤の分
解温度を上回る温度とすることが必要である。高温雰囲
気中で使用する触媒用担体として用いる場合には、使用
時の耐熱性を確保できるように、触媒として使用時の温
度を上回る温度で焼成することが好ましい。但し、焼成
温度が必要以上に高くなると酸化チタンの結晶成長やル
チル型への相転移が生じて比表面積が減少する傾向があ
るので注意が必要である。例えば、アンモニア脱硝触媒
用の担体として用いる場合には、500〜1300℃程
度で焼成することが好ましく、550〜800℃程度で
焼成することがより好ましい。
【0028】焼成雰囲気は、大気中など酸素含有雰囲気
とすればよい。焼成時間については、酸化チタンの量に
応じて適宜決めればよいが、通常、30分〜5時間程度
の範囲とすればよい。
【0029】以上の方法によって、触媒担体用酸化チタ
ンを得ることができる。得られた酸化チタンは、高温で
焼成した場合にも表面積の減少が非常に少ないものとな
る。この理由については、必ずしも明確ではないが、酸
化チタンをシランカップリング剤で化学修飾することに
よって、酸化チタンのルチル相への相転移が著しく抑制
されることが一因と考えられる。
【0030】従って、本発明方法によって得られる酸化
チタンを高温雰囲気で使用する触媒用の担体として用い
ることによって、比表面積の大きい担体に触媒物質が高
分散した高活性で耐熱性に優れた触媒を得ることができ
る。
【0031】本発明方法によって得られる触媒担体用酸
化チタンに担持可能な活性物質としては、特に限定的で
はないが、Pt、Pd、Pt等の貴金属、Fe、Co、
Ni、Cu、Cr、Mn、V、Mo、W、Ag等の遷移
金属、これらの酸化物、硫化物、炭化物などを例示で
き、これらの2種以上を混合して担持させることも可能
である。
【0032】本発明の担体を用いた触媒は、高温雰囲
気、例えば、250〜600℃程度で行われる反応用の
触媒として特に有用である。反応の種類は、特に限定さ
れないが、例えば、ボイラー、発電用ガスタービン等の
脱硝触媒反応に使用できる。 (2)アンモニア脱硝触媒の製造方法 本発明のアンモニア脱硝触媒の製造方法は、下記の
(i)〜(iii)工程を含むことを特徴とする方法であ
る。 (i)シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを
接触させる工程、(ii)水溶液中でバナジウムを含むア
ニオン性基を形成できる化合物、水溶液中でタングステ
ンを含むアニオン性基を形成できる化合物及び水溶液中
でモリブデンを含むアニオン性基を形成できる化合物か
らなる郡から選ばれた少なくとも一種の化合物を含む酸
性水溶液に、上記(i)工程で処理された酸化チタンを
接触させる工程、(iii)上記(ii)工程で処理された
酸化チタンを焼成する工程。
【0033】以下、この方法について、具体的に説明す
る。原料 本発明のアンモニア脱硝触媒の製造方法では、原料とし
て用いる酸化チタンとしては、上記した触媒担体用酸化
チタンの製造方法で用いた酸化チタンと同様のものを用
いることができる。シランカップリング剤による処理 シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを接触さ
せる工程で用いるシランカップリング剤としては、加水
分解によりシラノール基を形成し得る加水分解性基と、
水溶液中でカチオン性基を形成し得る基を含むシランカ
ップリング剤を用いることができる。
【0034】この様なシランカップリング剤としては、
一般式(II): Si(C)a(D)b(E)4-(a+b) (II) で表される化合物を例示できる。式中、Cは、加水分解
性基であり、同一又は異なるものでよい。Cの具体例と
しては、塩素、水素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原
子、炭素数1〜6個のアルコキシル基等を例示できる。
Dについては、水溶液中でカチオン性基を形成し得る基
であり、アミノ基、アニリノ基、ピリジノ基、ピロリル
基、4級アンモニウム基、イソチオウロニウム基等、又
はこれらの基を含む基を例示できる。アミノ基、アニリ
ノ基、ピリジノ基、ピロリル基、4級アンモニウム基、
イソチオウロニウム基等は、直接ケイ素原子に結合して
も良く、フェニレン、炭素数1〜4程度のアルキレン、
その他の2価の炭化水素基等を介してケイ素原子に結合
しても良い。アミノ基、アニリノ基、ピリジノ基、ピロ
リル基、4級アンモニウム基、イソチオウロニウム基等
は、更に置換基を含んでも良い。Dの具体例としては、
基−(CH2p−F(pは、0又は1〜4の整数であ
り、Fは、置換基を有することのあるアミノ基、アニリ
ノ基、ピリジノ基、ピロリル基、4級アンモニウム基又
はイソチオウロニウム基である)を挙げることができ
る。Eについては、特に限定的ではなく、後述する焼成
工程において分解除去できるものであれば良く、水素素
原子、一価の有機基等を例示できる。一価の有機基につ
いては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基、芳香族炭化水素基等でよく、窒素原子、イオウ原子
等の異種原子を含むものであっても良い。aは1〜3の
整数、bは1〜3の整数であって、a+bは4以下であ
る。シランカップリング剤は、一種単独又は二種以上混
合して用いることができる。
【0035】この様なシランカップリング剤の具体例と
しては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノフェ
ニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチル
エトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリメトキ
シシリルメチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルア
ンモニウムクロライド、2−(トリメトキシシリルエチ
ル)ピリジン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジ
エチレントリアミン、N−(トリメトキシシリルプロピ
ル)イソチオウロニウムクロライド、N−(3−トリメ
トキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシ
リルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムク
ロライド等を例示できる。
【0036】シランカップリング剤は、上記した水溶液
中でカチオン性基を形成し得る基を含む化合物の他、例
えば、官能基を含むシランカップリング剤を二次的に処
理してカチオン性基を導入したものであっても良い。こ
の様なシランカップリング剤としては、例えば、3−ブ
ロモプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。3−
ブロモプロピルトリメトキシシランは、末端のBr原子
をトリメチルアミン等と反応させて4級アンモニウム塩
とすることによってカチオン性基を導入できる。
【0037】尚、上記したシランカップリング剤は、い
ずれも、前述した触媒担体用酸化チタンを製造するため
のシランカップリング剤としても用いることができる。
【0038】本発明のアンモニア脱硝触媒の製造方法で
は、シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを接
触させる工程については、上記した特定のシランカップ
リング剤を用いることを除いて、前記した触媒担体用酸
化チタンの製造方法と同様の方法で行うことができる。触媒物質付与処理 次いで、シランカップリング剤によって化学修飾された
酸化チタンを、触媒成分含有物質を含む水溶液に接触さ
せる。
【0039】本発明では、触媒成分としては、V、W及
びMoの何れか一種又は二種以上を用いる。従って、触
媒成分含有物質としては、水溶液中でバナジウムを含む
アニオン性基を形成できる化合物(以下、「V化合物」
という場合がある)、水溶液中でタングステンを含むア
ニオン性基を形成できる化合物(以下、「W化合物」と
いう場合がある)、及び水溶液中でモリブデンを含むア
ニオン性基を形成できる化合物(以下、「Mo化合物」
という場合がある)、からなる群から選ばれた少なくと
も一種の化合物を用いる。
【0040】シランカップリング剤によって化学修飾さ
れた酸化チタンを、上記した触媒成分を含むアニオン性
基を形成できる化合物を含む水溶液に接触させることに
よって、酸化チタンに結合したシランカップリング剤中
にカチオン性基が形成され、これに触媒成分を含むアニ
オン性基が吸着される。
【0041】V化合物としては、バナジウムを含むオキ
ソ酸やポリ酸、具体的には、メタバナジン酸、 メタバ
ナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム等を
例示でき、W化合物としては、タングステンを含むオキ
ソ酸やポリ酸、具体的には、タングステン酸、タングス
テン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、リン
タングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、ケ
イタングステン酸等を例示でき、Mo化合物としては、
モリブデンを含むオキソ酸やポリ酸、具体的には、モリ
ブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナ
トリウム、モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸、
リンモリブデン酸アンモニウム等を例示できる。但し、
ナトリウムなどのアルカリ金属やバリウムなどのアルカ
リ土類金属等、アンモニア脱硝触媒の触媒毒となる成分
を含まない化合物が好ましい。
【0042】シランカップリング剤によって化学修飾さ
れた酸化チタンを、触媒成分含有物質を含む酸性水溶液
に接触させる方法については、特に限定的ではないが、
通常は、触媒成分含有物質を含む水溶液中に、シランカ
ップリング剤によって化学修飾された酸化チタンを浸漬
し、0〜70℃程度で1分〜2日間程度反応させた後、
濾過し洗浄する方法(吸着法)を採用することができ
る。
【0043】或いは、触媒成分含有物質を含む水溶液中
に、シランカップリング剤によって化学修飾された酸化
チタンを浸漬し、乾燥して水分を直接除去する方法(含
浸法)を採用しても良い。
【0044】触媒物質の使用量については、特に限定で
はなく、担持させようとする触媒量に応じて適宜決めれ
ばよい。上記した方法の内で、簡便な含浸法で触媒物質
を担持させる場合、触媒物質の量が過剰になると塩とし
て析出して触媒物質の分散性が低下して触媒性能を低下
させる場合がある。このため、通常、酸化チタンに結合
したシランカップリング剤中に含まれるカチオン性基に
対して、水溶液中で形成される触媒物質を含むアニオン
性基が等当量程度以下となる量とすることが好ましい。
【0045】また、吸着法で触媒物質を担持させる場合
は、過剰分は酸化チタンに吸着されずに溶液中に残留す
るので分離が可能であるため、触媒物質の濃度の上限は
特に限定はない。下限値についても特に限定的ではな
く、触媒の担持量に応じて適宜決めればよく、例えば、
シランカップリング剤中に含まれるカチオン性基に対し
て、アニオン性基が0.1倍当量程度以上となる量とす
ればよい。
【0046】触媒成分含有物質を含む水溶液の濃度につ
いても特に限定はなく、水溶液中に可溶な範囲内におい
て、使用する酸化チタン量等に応じて適宜決めればよ
い。
【0047】触媒成分含有物質を含む水溶液のpHは、
酸化チタンに結合したシランカップリング剤中にカチオ
ン性基が形成され、且つ触媒成分を含むアニオン性基が
形成される条件とすれば良い。具体的なpH範囲などに
ついては、使用するシランカップリング剤と触媒含有物
質の種類に応じて適宜決めればよい。焼成 触媒成分含有物質を含む酸性水溶液に接触させた後、酸
化チタンを焼成することによって、アンモニア脱硝触媒
を得ることができる。
【0048】焼成温度については、使用したシランカッ
プリング剤と触媒成分含有物質の種類に応じて、シラン
カップリング剤と触媒成分を含むアニオン性基の両方の
分解温度を上回る温度とすることが必要であるが、更
に、アンモニア脱硝触媒の使用時における耐熱性を確保
するために、触媒としての使用時の温度を上回る温度で
焼成することが好ましい。但し、焼成温度が必要以上に
高くなると酸化チタンの結晶成長やルチル型への相転移
が生じて比表面積が減少するので好ましくない。通常、
500〜1300℃程度で焼成することが好ましく、5
50〜800℃程度で焼成することがより好ましい。
【0049】焼成雰囲気は、大気中など酸素含有雰囲気
とすればよい。焼成時間については、触媒量等に応じて
適宜決めればよいが、通常、30分〜5時間程度の範囲
とすればよい。
【0050】以上の方法によって、目的とするアンモニ
ア脱硝触媒を得ることができる。得られた触媒では、担
体である酸化チタンは、500℃を上回る高温で焼成し
た場合にも比表面積の減少が非常に少なく、高い比表面
積を維持できる。この理由については、上記した触媒担
体の場合と同様に、シランカップリング剤で化学修飾す
ることによって、酸化チタンのルチル相への相転移が著
しく抑制されることが一因と考えられる。
【0051】本発明方法によって得られるアンモニア脱
硝触媒は、高い比表面積の担体に触媒物質であるV酸化
物、W酸化物及びMo酸化物の少なくとも一種が高分散
されたものとなり、高活性で耐熱性に優れたものとな
る。
【0052】このため、本発明方法によって得られるア
ンモニア脱硝触媒は、通常、250℃から500℃程度
の排気ガス温度で行われる、燃焼排気ガスにアンモニア
を添加して触媒上を流通させるアンモニア接触還元式排
煙脱硝方法における脱硝触媒として優れた触媒特性を有
するものとなる。
【0053】
【発明の効果】本発明の触媒担体用酸化チタンの製造方
法によれば、得られる酸化チタンは、高温で焼成した場
合にも高い表面積を維持でき、高温雰囲気で使用される
触媒用担体として有用性の高い触媒担体となる。従っ
て、この触媒担体用酸化チタンに各種の触媒物質を担持
させることによって、高温雰囲気で行われる反応用とし
て優れた触媒特性を有する触媒を得ることできる。
【0054】また、本発明のアンモニア脱硝触媒の製造
方法によれば、得られる触媒は、500℃を上回る高温
で焼成した場合にも比表面積の減少が非常に少なく、ア
ンモニア脱硝触媒として高活性で耐熱性に優れたものと
なる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0056】製造例1(酸化チタンの調製) チタン−n−ブトキシド(関東化学製)25gとトルエ
ン70cm3をガラス容器に入れ、これを溶液200c
3のオートクレーブに仕込み、ガラス容器とオートク
レーブの壁面の隙間に25cm3の水を入れた。
【0057】系内を窒素で置換し、2.5℃/分の速度
で200℃まで昇温し、200℃で溶媒の自己発生圧力
下で2時間反応させた。この際、ガラス容器とオートク
レーブの壁面の隙間に入れた水は、徐々にガラス容器中
に入り、チタン−n−ブトキシドの加水分解反応が進行
した。
【0058】放冷後、生成物をアセトンで洗浄し風乾し
た。得られた生成物は白色微粉末であった。これをHy
COM−TiO2(200℃)と略記する。尚、同様の
方法において、反応温度を300℃として得た生成物を
HyCOM−TiO2(300℃)と略記する。
【0059】次いで、ステンレス製外枠とテフロン(登
録商標)容器からなるオートクレーブを用い、上記した
方法で得られたHyCOM−TiO2(200℃)2.
0gと水15cm3を反応容器に入れ、100℃の恒温
槽に24時間保持した。その後、粉末を濾別し、蒸留水
で洗浄後、50℃で24時間減圧乾燥を行った。得られ
た粉末をHT−TiO2と略記する。
【0060】実施例1 製造例1で得たHT−TiO22.0g、トルエン20
cm3及び下記表1に示す量のアミノプロピルトリメト
キシシラン(信越化学製)をフラスコ中に入れ、オイル
バス中で110℃で2時間加熱還流を行った。アミノプ
ロピルトリメトキシシランの量は、上述したシランカッ
プリング剤の被覆率が、0.25(0.014mo
l),0.5(0.028mol)及び1.0(0.0
56mol)のそれぞれに相当する量である。反応後、
ジエチルエーテルとメタノールで洗浄し、風乾した。
【0061】得られた各試料について、電気マッフル炉
を用いて空気中で550℃又は800℃まで10℃/分
で昇温後、その温度に1時間保持することによって焼成
し、触媒担体用酸化チタンを得た。
【0062】上記触媒担体用酸化チタンについて、比表
面積を下記表1に示す。更に、比較対照として、上記製
造例1で得たHyCOM−TiO2(300℃)、Hy
COM−TiO2(200℃)及びHT−TiO2の各試
料についても、合成時と焼成後の比表面積を表1に示
す。比表面積は、FLOWSORB MODEL2300(島津製作所製)
を用いて、試料を100℃で乾燥後、N2とHe混合ガ
ス(3:7)を1kg/cm2に調整し、BET1点法
で測定した。
【0063】
【表1】
【0064】以上の結果から明らかなように、製造例1
で得た酸化チタン(HT−TiO2)をシランカップリ
ング剤で化学修飾した後、焼成して得た試料について
は、800℃という高温で焼成した場合にも高い比表面
積を維持できることが確認できた。従って、本発明の酸
化チタンは、高温雰囲気で使用される触媒用担体として
有用性の高いものであることが明らかである。
【0065】実施例2 比表面積294m2/gの酸化チタン(石原産業製酸化
チタン ST01)2.0gを原料として用い、トルエ
ン20cm3及びアミノプロピルトリメトキシシラン
(信越化学製)0.020mol(シランカップリング
剤被覆率0.25に相当する量)と共にフラスコ中に入
れ、オイルバス中で110℃で2時間加熱還流を行っ
た。
【0066】次いで、得られた試料100mgを、メタ
バナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を7.0mg含
有する水溶液30cm3中に入れ、25℃で1時間攪拌
後、濾過して風乾した。
【0067】その後、電気マッフル炉を用いて空気中で
550℃まで10℃/分で昇温し、550℃に1時間保
持して焼成し、酸化チタン担体上に酸化バナジウムを担
持させて、アンモニア脱硝触媒(シラン処理触媒)を製
造した。
【0068】上記した方法で得たアンモニア脱硝触媒
(シラン処理触媒)について、実施例1と同様の方法で
比表面積を測定した結果を下記表2に示す。
【0069】得られたアンモニア脱硝触媒(シラン処理
触媒)80mgを直径8mmの反応管中に充填し、NO
200ppm、NH3 240ppm、O2 3%、H2
12%、SO2 500ppmCO 33ppm及びCO
2 12%を含む反応ガスをガス流量1.2リットル/分
で反応管中を通過させた。反応管の外部にはヒーターを
設置し、触媒充填部分を加熱した。
【0070】下記表2に反応管の加熱温度とNOx転化
率を示し、図1にその結果をグラフとして示す。
【0071】尚、比較として、アミノプロピルトリメト
キシシランによる化学修飾を行うこと無く、その他は上
記方法と同様にして酸化チタン上に酸化バナジウムを担
持させたアンモニア脱硝触媒(シラン未処理触媒)の比
表面積と、このシラン未処理触媒を用いて、同様の試験
を行った結果を下記表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】以上の結果から明らかなように、酸化チタ
ンにシランカップリング剤を化学修飾させた後、酸化バ
ナジウムを担持させて得られた触媒は、シラン未処理触
媒と比べてNOx転化率が高く、優れた触媒特性を有す
るものであった。
【0074】実施例3 製造例1で得たHT−TiO22.0g、トルエン20
cm3及びアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化
学製)0.0014molをフラスコ中に入れ、オイル
バス中で110℃で2時間加熱還流を行った。アミノプ
ロピルトリメトキシシランの量は、上述したシランカッ
プリング剤の被覆率が、0.25に相当する量である。
反応後、ジエチルエーテルとメタノールで洗浄し、風乾
した。
【0075】次いで、処理後の試料100mgをメタバ
ナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を0.002mo
l/lの濃度で含有する水溶液30cm3中に入れ、2
5℃で1時間攪拌後、濾過して風乾した。この際、VO
3 -の吸着量は、0.578mmol/gであった。
【0076】その後、電気マッフル炉を用いて空気中で
550℃まで10℃/分で昇温し、550℃に1時間保
持して焼成し、酸化チタン担体上に酸化バナジウムを担
持させることによって、アンモニア脱硝触媒を製造し
た。
【0077】得られたアンモニア脱硝触媒について、実
施例1と同様にして比表面積を測定した結果、比表面積
は106m2/gであった。上記表1に記載した通り、
原料として用いたHT−TiO2の比表面積は168m2
/gであり、上記したアンモニア脱硝触媒は、550℃
で焼成後も高い比表面積を維持できることが確認でき
た。
【0078】比較例1 製造例1で得たHT−TiO2を用い、アミノプロピル
トリメトキシシランによる化学修飾を行うことなく、そ
の他は、実施例3と同様にして酸化チタン担体上に酸化
バナジウムを担持させた。
【0079】その結果、550℃で焼成した試料の比表
面積は65m2/gであり、実施例3と比べて比表面積
が大きく減少した。また、メタバナジン酸アンモニウム
を含有する水溶液に浸漬した際のVO3 -吸着量は、0.
436mmol/gであり、実施例3で得たアンモニア
脱硝触媒と比べて触媒物質の担持量も少量であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2におけるNOx転化試験の結果を示す
グラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/10 ZAB C01G 23/047 C01G 23/047 F01N 3/10 A F01N 3/10 3/28 Q 3/28 B01D 53/36 102D (72)発明者 古南 博 京都府相楽郡木津町兜台5丁目1番3号 コンフォールかぶと台25−202 (72)発明者 計良 善也 兵庫県宝塚市仁川うぐいす台9番6号 Fターム(参考) 3G091 AB04 BA14 BA39 CA17 GB02W GB03W GB06W GB07W GB10X GB17X GB17Y 4D048 AA06 AB02 AC04 BA06X BA07X BA23X BA26X BA41X BB01 BB17 4G047 CA02 CB06 CC03 CD03 4G069 AA01 AA03 AA08 AA12 BA02A BA02B BA04A BA04B BA21C BB04A BB04B BC50C BC54A BC54B BC59A BC59B BE06C BE32C CA02 CA08 CA13 EA01Y EC03X EC03Y FA01 FA02 FB10 FB14 FB17 FB29 FC02 FC04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シランカップリング剤を含む溶液に酸化チ
    タンを接触させた後、焼成することを特徴とする触媒担
    体用酸化チタンの製造方法。
  2. 【請求項2】酸化チタンの比表面積が、10〜400m
    2/gである請求項1に記載の触媒担体用酸化チタンの
    製造方法。
  3. 【請求項3】酸化チタンが、チタンのアルコキシド化合
    物を原料として水熱合成反応を行った後、水中で加熱処
    理して得られるものである請求項1又は2に記載の触媒
    担体用酸化チタンの製造方法。
  4. 【請求項4】シランカップリング剤が、一般式(I): Si(A)n(B)4-n (I) (式中、Aは加水分解性基であり、Bは水素原子又は1
    価の有機基であり、nは1〜4の整数である)で表され
    る化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の触媒担
    体用酸化チタンの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの方法によって得
    られる触媒担体用酸化チタン。
  6. 【請求項6】下記の(i)〜(iii)工程を含むことを
    特徴とするアンモニア脱硝触媒の製造方法: (i)シランカップリング剤を含む溶液に酸化チタンを
    接触させる工程、(ii)水溶液中でバナジウムを含むア
    ニオン性基を形成できる化合物、水溶液中でタングステ
    ンを含むアニオン性基を形成できる化合物及び水溶液中
    でモリブデンを含むアニオン性基を形成できる化合物か
    らなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含む水
    溶液に、上記(i)工程で処理された酸化チタンを接触
    させる工程、(iii)上記(ii)工程で処理された酸化
    チタンを焼成する工程。
  7. 【請求項7】酸化チタンの比表面積が、10〜400m
    2/gである請求項6に記載のアンモニア脱硝触媒の製
    造方法。
  8. 【請求項8】酸化チタンが、チタンのアルコキシド化合
    物を原料として水熱合成反応を行った後、水中で加熱処
    理して得られるものである請求項6又は7に記載のアン
    モニア脱硝触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】シランカップリング剤が、一般式(II): Si(C)a(D)b(E)4-(a+b) (II) (式中、Cは、加水分解性基、Dは酸性水溶液中でカチ
    オン性基を形成し得る基、Eは水素原子又は1価の有機
    基であり、aは1〜3の整数、bは1〜3の整数であっ
    て、a+bは4以下である。)で表される化合物である
    請求項6〜8のいずれかに記載のアンモニア脱硝触媒の
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれかの方法によって
    得られるアンモニア脱硝触媒。
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