JP2003078438A - 複合高周波回路部品 - Google Patents

複合高周波回路部品

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JP2003078438A
JP2003078438A JP2001262454A JP2001262454A JP2003078438A JP 2003078438 A JP2003078438 A JP 2003078438A JP 2001262454 A JP2001262454 A JP 2001262454A JP 2001262454 A JP2001262454 A JP 2001262454A JP 2003078438 A JP2003078438 A JP 2003078438A
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high frequency
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frequency
antenna
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JP2001262454A
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Toshiyuki Saito
利之 齋藤
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、送信信号の周波数帯が拡大しても、
その高調波成分の悪影響を及ぼすことがなく、安定した
通話が達成できる高周波スイッチ回路を有する複合高周
波回路部品を提供することにある。 【解決手段】 本発明は複数の誘電体層を積層して成る
多層回路基板に、アンテナスと受信回路/送信回路を切
り換える高周波スイッチ回路を配置した複合高周波回路
部品において、前記アンテナ端子1と受信回路3との間
に、受信信号を通過させ、且つ送信信号を遮断する第1
のインダクタ素子8と容量素子9、11とからなるπ型
フィルタ7を配置するとともに、前記π型フィルタ7の
容量素子の1つ9と直列接続し、送信信号の周波数の略
2倍を共振周波数とする直列共振回路20を構成する第
2のインダクタ素子11を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器の
アンテナ部分に用いられ、多層回路基板からなり、アン
テナか受信される所定受信信号を、また、アンテナより
送信される送信信号を夫々送受信選択制御を行うアンテ
ナスイッチ回路を含む高周波回路部品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この高周波回路部品は、図6に示
すように、送信回路Txの一部または全部と、受信回路
Rxの一部または全部を含むものであり、さらに、アン
テナと接続するアンテナ端子ANTを有するものであ
る。そして、アンテナスイッチ回路SWは、アンテナと
受信回路Rxとの接続、送信回路Txとアンテナとの接
続を切換えるものである。
【0003】さらに、アンテナに接続される高周波回路
部品は、ダイプレクサ、高周波フィルタ、高周波スイッ
チ回路SWを含んで構成され、例えば、1つの高周波部
品で、2つの通信シンテスム(送受信周波数帯が互いに
相違する)に対応するため、例えば、ダイプレクサから
2つの系統の高周波フィルタ、スイッチ回路SWから構
成し、例えばダイプレクサによってどちらかの通信シス
テムに対応する送受信周波数が一方の系統が利用され
る。
【0004】例えば、欧州で多く採用されているデュア
ルバンド携帯通信端末では、900MHz帯を使用したGSM(Gl
obal System for Mobile communication)と1800MHz帯を
使用したDCS(Digital Cellular System)とを高周波部品
で対応させる必要がある。
【0005】まず、GSM信号の送信の場合、GSM送信端子
から入力された信号は高周波スイッチSWg、高周波フ
ィルタを通り、ダイプレクサから出力されアンテナから
送信される。このとき、高周波スイッチSWgでは、GS
M受信端子Rxgへの信号の回り込みを阻止し、高周波フィ
ルタFIgでは、送信信号の高調波成分を減衰させ、ダ
イプレクサでは、DCS送受信回路(高周波フィルタ、高
周波スイッチSWd)側への信号の回り込みを阻止して
いる。
【0006】GSM信号の受信の場合、アンテナから受信
した信号は、ダイプレクサによりGSM送受信回路(高周
波フィルタ、高周波スイッチSWg)側へ分配し、高周
波フィルタ、高周波スイッチSWgを通り、GSM受信端
子Rxgへ出力される。このとき、高周波スイッチSWg
はGSM受信信号をGSM受信端子Rxgへ切り替える機能を有
している。
【0007】尚、DCS信号についてもGSM信号と同様の動
作原理であり、この説明は割愛する。
【0008】このスイッチ回路SWは、送信信号の中心
的な周波数(単に送信周波数)に対してインピーダンス
が無限大となり、また、受信信号の中心的な周波数(単
に受信周波数)に対してインピーダンスが略ゼロで動作
するストリップ線路とスイッチングダイオードとを組み
合わせたものが多用されている。図7において、符号5
2は送信回路Txに接続する送信端子であり、53は受
信回路Rxに接続される受信端子であり、51はアンテ
ナに接続するアンテナ端子であり、54は送受信を切り
換える制御信号VCが供給される制御端子である。ま
た、55は上述の機能を行うストリップ線路であり、5
6、57は、制御信号によりオン/オフ動作をする第1
のスイッチングダイオード、第2のスイッチングダイオ
ードである。さらに、58〜62は、制御信号VCが安
定的に第1のスイッチングダイオード56、第2のスイ
ッチングダイオード57に供給されるようにするための
コンデンサであり、63は高周波信号成分が制御端子5
4側に漏れないようにするインダクタ成分であり、64
は第2のスイッチングダイオード57に印加される制御
信号VCの電位を調整する抵抗である。
【0009】そして、送信端子52からアンテナ端子5
1までの送信ラインには、コンデンサ60、第1のスイ
ッチングダイオード56、コンデンサ58から構成され
ている。具体的には、第1のスイッチングダイオード5
6のアノードがコンデンサ60を介して送信回路Txの
送信端子52に接続され、このダイオード56のカソー
ド側がコンデンサ58を介してアンテナ端子51に接続
されている。また、スイッチングダイオード56のアノ
ード側と接地との間には、コイル63、コンデンサ61
が配置されており、このコイル63とコンデンサ61と
の間には、制御端子54が設けられている。
【0010】また、アンテナ端子51から受信端子53
までの受信ラインには、コンデンサ58、送信周波数の
波長に対して1/4の電気長となるストリップ線路5
5、コンデンサ59から構成されている。そして、スト
リップ線路55の受信端子53側の端部と接地との間と
の間には、第2のスイッチングダイオード57、コンデ
ンサ62が配置されている。具体的には、ストリップ線
路55の受信端子53側の端部には、第2のスイッチン
グダイオード57のアノードと接続され、カソードはコ
ンデンサ62を介して接地されている。また、第2のス
イッチングダイオード57とコンデンサ62との間には
抵抗64が接続され、さらに接地されている。
【0011】上記の高周波複合回路を構成する高周波ス
イッチ回路SWにおいて、送信時には、図8(a)に示
す等価回路で動作する。送信時においては、制御端子5
4に、第1のスイッチングダイオード56、第2のスイ
ッチングダイオード57をオン状態となる信号、例えば
+3Vの正電圧を印加する。これにより、第1のスイッ
チングダイオード56、第2のスイッチングダイオード
57は、オン状態となり、夫々のスイッチングダイオー
ド56、57は、インダクタンス成分LS、抵抗成分R
Sを有することになる。
【0012】このとき、送信端子52から供給された送
信信号は、オン状態の第1のスイッチングダイオード5
6、コンデンサ58を介して、アンテナ端子51へ出力
される。このとき、オン状態の第2のスイッチングダイ
オード57とコンデンサ62およびストリップ線路55
は、送信信号の周波数に対してλ/4共振し、送信信号が
受信端子53に回り込むことを阻止している。
【0013】次に、受信時には、図8(b)に示す等価
回路で動作する。受信時においては、制御端子54に、
第1のスイッチングダイオード56、第2のスイッチン
グダイオード57をオフ状態となる信号、例えば、0Vが
印加される。これにより、第1のスイッチングダイオー
ド56、第2のスイッチングダイオード57は、オフ状
態となり、オフ状態の容量成分Csを有することになる。
このとき、アンテナ端子51から入力された受信信号
は、オフ状態の第1のスイッチングダイオード56によ
り送信端子52に送られることがなく、受信端子53の
みに送られることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な複合高周波回路部品において、高周波スイッチ回路S
Wに使用されるスイッチングダイオードには、オン状態
で低い抵抗成分Rsと、オフ状態で低い容量成分Csが要求
される。
【0015】例えば、オン状態の抵抗Rsが大きい場合に
は、送信時の送信信号を減衰させてしまうためである。
また、オフ状態で容量成分Csが大きい場合は、受信時の
受診信号を減衰させてしまう。ここで、上記のオン抵抗
成分Rsとオフ容量成分Csは、トレードオフの関係であ
り、送信信号の低損失化と受信信号の低損失化を両立す
ることが困難であった。
【0016】また、送信時の高調波成分をフィルタなど
で減数させていたが、高周波スイッチ回路の多機能化、
送信信号の周波数範囲が広がっている。さらに、高周波
スイックをダイプレクサによって複数の高周波スイッチ
回路を並列接続して、デュアルバンド化に対応させるな
ど、複雑化しつつある。
【0017】このような状況では、送信信号の高調波成
分の範囲も拡大し、これらの拡大した高調成分をフィル
タで阻止することが困難となってきた。
【0018】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、送信信号の周波数帯が拡大
し、同時にその高調波成分も拡大しても、例えば受信端
子や他のスイッチ回路に悪影響を及ぼすことがない高周
波スイッチ回路を有する複合高周波回路部品を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の誘電体
層を積層して成る多層回路基板に、アンテナスイッチ回
路、該アンテナ回路に接続する受信回路及び送信回路を
配置するとともに、多層回路基板の端面に少なくともア
ンテナと接続する端子電極を備えた複合高周波回路部品
において、前記アンテナ端子と受信回路との間に、受信
信号を通過させ、且つ送信信号を遮断する第1のインダ
クタ素子と容量素子とからなるπ型フィルタを配置する
とともに、前記π型フィルタの容量素子の1つと直列接
続し、送信信号の周波数の略2倍を共振周波数とする直
列共振回路を構成する第2のインダクタ素子を配置した
ことを特徴とする複合高周波回路部品である。
【0020】また、前記第1のインダクタ素子及び第2
のインダクタ素子が前記多層回路基板の表面に被着され
たインダクタ導体膜である。
【0021】さらに、前記第1のインダクタ素子及び第
2のインダクタ素子が、前記多層回路基板の表面に実装
されたチップインダクタ部品である。
【0022】さらに、容量素子が、前記多層回路基板の
表面に実装されたチップコンデンサ部品である。
【作用】本発明は上記のような構成により、次のような
作用がある。
【0023】高周波スイッチ回路を、第1のインダクタ
素子と容量素子とからなるπ型フィルタで形成すること
により、受信時に、例えば第2のスイッチングダイオー
ドがオフ状態では、このスイッチングダイオードのオフ
容量成分Csをπ型フィルタの容量成分の一部として用
いることにより、オフ容量成分Csが大きいスイッチン
グダイオードを用いた場合でも受信時の信号損失を抑え
ることができる。また、オフ容量成分の制約が低減され
るため、オン抵抗の少ないスイッチングダイオードを用
いることができ、その結果、送信時の送信信号の損失を
抑えることができる。
【0024】また、π型フィルタの前段(アンテナ端子
側)に、一方の信号、例えば送信信号の略2倍の高調成
分の周波数を共振周波数となるように、π型フィルタの
容量素子と直列接続された第2のインダクタ素子を配置
しているため、高調波成分の減衰領域を幅広く、また、
大きな減衰が得られ高調波成分のノイズに対して有効と
なる。
【0025】これは特に、多くの種類の送受信周波数を
取り扱うデュアルバンドに特に有効となり、他の通信シ
ステムとのノイズを受けることが少なくなり、複合高周
波回路部品に特に有効である。
【0026】また、π型フィルタを構成する第1のイン
ダクタ素子及び第2のインダクタ素子は、多層回路基板
の内装に形成してもよいが、前記第1のインダクタ素子
及び第2のインダクタ素子が前記多層回路基板の表面に
被着されたインダクタ導体膜であってもかまわない。こ
の場合、インダクタ素子が主に集中定数的な動作させる
ことができるため、フィルタの設計が容易になるためで
ある。
【0027】さらに、第1のインダクタ素子及び第2の
インダクタ素子が、前記多層回路基板の表面に実装され
たチップインダクタ部品とすることにより、チップ部品
の選択により、他の周波数帯域、他の通信システムに容
易に対応する複合高周波回路部品となる。また、容量素
子が、前記多層回路基板の表面に実装されたチップコン
デンサ部品とすることにより、多層回路基板の誘電率に
依存されなくなり、より一層回路設計が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合高周波回路部
品について説明する。図1は、本発明の複合高周波回路
部品の外観斜視図であり、図2は、この複合高周波回路
部品に具備される高周波スイッチ回路の回路図を示し、
図3はその等価回路図である。
【0029】図1は、本発明の高周波スイッチ回路を組
み込んだ複合高周波回路部品は、図2に示す高周波スイ
ッチ回路を中心に、そのアンテナ端子にフィルタやダイ
プレクサなどのフィルタ手段を接続した状態で多層回路
基板に形成する。このような複合高周波回路部品はアン
テナスイッチ部品という。また、図6に示し高周波スイ
ッチ回路SWの受信端子側に受信回路RXを接続した状
態で多層回路基板に形成する。このような複合高周波回
路部品はRXモジュールという。また、図6に示し高周
波スイッチ回路SWの送信端子側に送信受信回路TXを
接続した状態で多層回路基板に形成する。このような複
合高周波回路部品はTXモジュールという。さらに、高
周波スイッチ回路SWの受信端子側に受信回路RXを接
続し、送信端子側に送信受信回路TXを接続した状態で
多層回路基板に形成する。このような複合高周波回路部
品はアンテナインターフェースモジュールという。
【0030】以上のように、本発明の複合高周波回路部
品は、少なくとも高周波スイッチ回路SWを中心に各種
フィルタや受信回路RXの一部または全部、送信回路T
Xの一部または全部が具備されて構成されている。さら
に、受信回路RXにおいて通信チャンネルを特定するた
めのPLLや局発信回路(電圧制御発振回路)などをこ
の多層回路基板に一体化形成する場合もある。
【0031】図1において、多層回路基板30は、複数
の誘電体層が積層してなり、その表面に表面配線パター
ン31、少なくとも高周波スイッチ回路を構成するスイ
ッチングダイオード、チップコンデンサ、チップ抵抗な
どの各種回路部品32が配置されている。高周波スイッ
チ回路を構成するインダクタ素子として、多層回路基板
30上にチップインダクタ部品を配置してもよいし、ま
た、厚膜技法でインダク導体膜を形成してもよい。
【0032】多層回路基板30の各誘電体層の層間に
は、図示していないが、所定配線を構成する内部配線パ
ターンが配置され、また、誘電体層間には各配線パター
ン間を接続するビアホール導体が形成されている。尚、
内部配線パターンとは、高周波スイッチ回路を構成する
容量を形成するための容量電極であってもよい。
【0033】多層回路基板30の端面には、基板の厚み
方向に配置された端子電極33が形成されている。この
端面電極33は、複合高周波回路部品の入出力端子の機
能よって種々の端子が形成されている。例えば、図6の
高周波スイッチSWを多層回路基板30に形成した場
合、端子電極33はアンテナと接続する端子電極、グラ
ンド電位に接続する端子電極などは必須端子電極であ
り、その他、プリント配線基板上に形成された受信回路
RXと接続する受信端子電極、プリント配線基板上に形
成された送信回路TXと接続する送信端子電極、さらに
送受信を切り換えの制御信号を供給する制御端子電極を
有することになる。
【0034】次に、本発明の複合高周波回路部品に用い
られている高周波スイッチ回路について説明する。この
高周波スイッチ回路は図6のブロック回路中の符号SW
に相当する。この高周波スイッチ回路SWは、アンテナ
ANTが接続されるアンテナ端子1と、送信回路TXが
接続される送信端子2と、受信回路RXが接続される受
信端子RXと有している。
【0035】アンテナ端子1と送信端子2との間、即
ち、送信信号ラインには、コンデンサ16、第1のスイ
ッチングダイオード5、コンデンサ17が配置されてい
る。尚、第1のスイッチングダイオード5のアノード
は、送信端子2側となるようになっている。
【0036】また、第1のスイッチングダイオード5の
アノードとグランド電位との間には、コイル12、コン
デンサ13が配置されており、このコイル12、コンデ
ンサ13の接続部には、制御端子4を備えている。
【0037】また、受信端子3とアンテナ端子1との
間、即ち、受信信号ラインには、コンデンサ18、第1
のインダクタ素子8、第2のインダクタ素子11が配置
され、コンデンサ16に接続されている。また、第1の
インダクタ素子8の両端とグランド電位との間には容量
素子9、10が配置されている。そして、このインダク
タ素子8、容量素子9、10によってπ型フィルタ7を
構成している。
【0038】また、π型フィルタ7とコンデンサ18と
の接続部とグランド電位との間に、第2のスイッチング
ダイオード6、コンデンサ14が配置されている。この
第2のスイッチングダイオード6のアノードがπ型フィ
ルタ7側に接続され、カソードがコンデンサ14を介し
て接地されている。また、このコンデンサ14並列的に
抵抗15配置されている。
【0039】π型フィルタは、第2のスイッチングダイ
オード6がオフ状態では、第2のスイッチングダイオー
ド6のOFF容量成分とともに、全体として、受信信号
の中心周波数に対して伝送線路として動作するように設
定されている。また、第2のスイッチングダイオード6
がオン状態では、第2のスイッチングダイオード6のオ
ンインダクタ成分とともに、全体として、送信信号の中
心周波数に対してインピーダンス無限大となるように、
インダクタ素子8、容量素子9、10を設定している。
【0040】このような高周波スイッチ回路において、
送信時には、制御端子4に第1及び第2のスイッチング
ダイオード5、6をオンとする信号、例えば、3Vの直
流信号を供給する。これにより、この制御信号は、第1
のスイッチングダイオード5、π型フィルタ7、第2の
スイッチングダイオード6を介してグランド電位に流れ
込む。
【0041】これにより、第1のスイッチングダイオー
ド5、第2のスイッチングダイオード6はオン状態とな
る。これにより、図3に示す等価回路の第2のスイッチ
ングダイオード6のオンインダクタ成分LSと相まっ
て、π型フィルタ7と第2のダイプレクサ6とによっ
て、送信信号の中心周波数の周波数帯を阻止(インピー
ダンス無限大)とするフィルタ回路19を構成する。こ
れにより、送信信号が受信端子3に漏れることを防止し
ている。
【0042】さらに、送信時において、図3の符号20
に示すうよに、第2のインダクタ素子11とπ型フィル
タ7の容量素子9とで、直列共振回路を構成している。
この直列共振回路20は、その共振周波数が送信信号の
中心周波数の略2倍の周波数となるように設定されてい
る。ここで、直列共振回路20を構成する容量素子9
は、π型フィルタ7をも構成しており、このπ型フィル
タ7の要求特性によって容量値が先に決定される。従っ
て、直列共振回路20の共振周波数は、容量素子9の容
量値を考慮して、第2のインダクタ素子11のインダク
タ値によって、共振周波数を決定する。これにより、こ
の共振周波数に対応する周波数成分は、グランド電位と
の間で、インピーダンスが略0となり、グランド電位に
安定的に流し込むことができる。
【0043】本発明者は、送信信号を1710〜191
0MHz(DCS、PCS通信方式に想定)とし、次の
回路定数で高周波スイッチング回路を構成した。例え
ば、コンデンサ13を22PF、コンデンサ14を6P
F、コンデンサ9を1.8pF、コンデンサ10を1.
2pF、コイル12を33H、インダクタ素子8を幅W=
0.1mm、長さL=7.5mmとして、スイッチングダイオード
5、6をオンRs=1.0Ω、オンLs=1.2nH、オフ
Cs=0.6pFの特性のものを採用、抵抗15を13
0Ωとした。第2のインダクタ素子11を幅W=0.1m
m、長さL=1.5mmとして構成した。即ち、第2の
インダクタ素子11、コンデンサ9とからなる直列共振
回路20を付加した。この結果、図4に示すように、送
信信号を1710〜1910MHzの2倍の周波数帯域
である3420〜3820MHzでは、−35dB〜−
32dBと良好な減数量を得られた。
【0044】即ち、送信信号である周波数1710〜1
910MHzの信号成分はフィルタ回路19で減衰させ
るとともに、その2倍の周波数3420〜3820MH
z帯の高調波成分は、第2のインダクタ素子11と容量
素子9とで構成される直列共振回路20でグランド電位
に引き込んでしまう。結局、本発明は、送信信号である
周波数1710〜1910MHzの信号成分をフィルタ
回路19で遮断して受信端子3側に漏れることをなくし
(アンテナ端子1から安定的に出力する)、同時に、2
倍の高調波成分を直列共振回路20でグランド電位に流
し、同じく受信端子3やアンテナ端子1に漏れることが
防止し、2倍の高調波成分による悪影響を実施的に無く
すことができる。
【0045】また、このような高周波スイッチ回路にお
いて、送信時には、制御端子4に第1及び第2のスイッ
チングダイオード5、6をオフとする信号、例えば、0
Vの信号を供給する。これにより、第1のスイッチング
ダイオード5はオフとなり、アンテナから受信された受
信信号が送信信号に流れることがない。また、π型は、
第2のスイッチングダイオード6のオフ容量成分が付加
され、π型フィルタの通過帯域がオン時の時かち変化し
て、受信信号の中心周波数の信号成分を安定して通過さ
せることができる。これにより、受信信号を安定的に受
信端子3に出力することができる。
【0046】以上のように、本発明の複合高周波回路部
品に用いられる高周波スイッチ回路は、π型フィルタ7
を構成する1つの容量素子9を利用して、第2のインダ
クタ素子11を付加して、直列共振回路20を構成して
いる。そして、送信信号の2倍の周波数となるように共
振周波数を設定し、2倍の高調波成分を除去している。
【0047】このため、特に、送信信号の高調波成分
(主に送信回路中のパワーアンプからのノイズ)を高周
波スイッチ回路内で除去し、送信動作、受信動作が非常
に安定することになる。しかも、部品点数的には、第2
のインダクタ素子を1つだけ付加するというだけで簡単
に達成することができる。
【0048】これに対して、本発明者は、従来の高周波
スイッチ回路の回路定数として、ストリップ線路 を、
幅W=0.1mm、長さL=15mmとして形成した。
尚、その他の回路構成部品の回路定数は、本発明の回路
定数と同一とした。その結果、図9に示すように、送信
信号を1710〜1910MHzの2倍の周波数帯域で
ある3420〜3820MHzでは、−35dB〜−1
8dBとであった。
【0049】即ち、本発明の複合高周波回路部品に用い
る高周波スイッチ回路によれば、送信信号の高調波成分
を除去することができ、これにより、安定した通話が可
能となる。しかも、第2のインダクタ素子11のみを追
加するという非常に簡単な回路構成で達成できる。
【0050】このような複合高周波回路部品は以下のよ
うに形成される。まず、多層回路基板10を構成する誘
電体層となるグリーンーシートを形成する。具体的に、
多層回路基板10の内部形成する容量素子の容量を考慮
して、また、内部または表面に形成するインダクタ導体
の特性を考慮して、所定誘電率の誘電体セラミックを主
成分とするグリーンシートをドクターブレード法や引き
上げ法等を用いて作成する。このグリーンシートを所定
寸法に切断した後、配線パターン間を接続するビアホー
ル導体となる貫通孔を打ち抜きにより形成し、この貫通
孔に導電性ペーストを充填する。その後、各グリーンシ
ート上に内部配線パターンや表面配線パターンとなる導
体膜、容量素子を構成する容量電極、インダクタ素子や
コイルを形成するストリップラインパターン、コイルパ
ターンを導電性ペーストの印刷により形成する。
【0051】このよう内部配線パターン、ビアホール導
体、表面配線パターンなどとなる導体膜が形成されたグ
リーンシートを、多層回路基板基体の積層順序に応じ
て、積層して、未焼成状態の基体を形成する。このよう
な未焼成状態の積層体に各端子電極13となる貫通穴を
形成し、その内面に導電性ベーストにより導体膜を形成
し、さらに、必要応じて分割溝を形成する。
【0052】そして、この積層体を、焼成条件、例え
ば、ピーク温度800〜1000℃、例えば950℃3
0分の大気雰囲気、または、中性雰囲気で焼成する。
【0053】その後、焼成された基体に、表面配線層に
接続するように厚膜抵抗膜を焼き付けたり、また、絶縁
保護膜を被覆したりして、最後に、少なくとも高周波ス
イッチ回路SWを構成する回路構成部品12を実装す
る。
【0054】その後、必要応じて、焼成した積層基板か
ら、分割溝を形成し、個々の多層回路基板に分割また
は、切断することにより、複合高周波回路部品が達成で
きる。
【0055】尚、上述の製造方法は、グリーンシートを
利用した多層方法であるが、誘電体磁器層となるスラリ
ーや内部配線、表面配線層となる導電性ペーストを順次
印刷した印刷多層を行ってもよい。この時、スラリーに
光硬化可能なモノマーを添加しておき、グリーンシー
ト、または、塗布印刷した誘電体塗布膜を選択的な露光
・現像処理しても構わない。
【0056】本発明の複合高周波回路部品において、少
なくとも高周波スイッチ回路SWのπ型フィルタを構成
するインダクタ素子8及び直列共振回路20を構成する
第2のインダクタ素子11を、多層回路基板30の表面
に実装するインダクタ導体膜や回路構成部品32である
チップインダクタ部品で構成している。
【0057】特に、インダクク素子8、11を多層回路
基板30の表面に形成することにより、厚膜技法で形成
した時の導電性ペースト印刷にじみ、印刷ずれなどの物
理的な誤差をレーザートリミングなどにより簡単に調整
することができる。また、チップインダクタ部品で構成
することにより、上述のように固定的な値に設定するこ
とができ、製造誤差が発生しない。また、高周波スイッ
チ回路の多層回路基板30を共用しておき、要求特性に
応じて用いるチップインダクタ部品のみを選択実装する
だけで対応できることになる。
【0058】尚、上述の実施例では1つの通信システム
の送受信信号を切り換える高周波スイッチ回路を例にし
ているが、例えば、例えば、GSM通信方式(送受信周
波数に900MHz帯を利用)とPCS通信方式(同じ
く1.8GHz帯)及びまたはDCS通信方式(同じく
1.9GHz帯)のスイッチ回路を構成した場合、図5
に示すように、アンテナANTにローパスフィルタ、ハ
イパスフィルタ(バンドパスフィルタ)を具備するダイ
プレクサDIPXを接続し、このダイプレクサDIPX
の例えば約1.3GHzのローパスフィルタでGSM通
信方式の送受信信号を高周波スイッチ回路SWgで処理
するようにして、同じく1.3GHzのハイパスにて、
PCS通信方式、DCS通信方式の送受信信号を高周波
スイッチ回路SWp/dで処理するようにしてもよい。
尚、図5では、PCS通信方式、DCS通信方式の周波
数帯が近接しているため、高周波スイッチ回路SWp/d
の送信ライン系は共用している。こらに、受信系ライン
に対しては、PCS通信方式、DCS通信方式の受信信
号を切り換える高周波スイッチ回路SWRを配置してい
る。
【0059】本発明では、一方の通信方式、例えばGS
M通信方式(900MHz)と、他方の通信方式、例え
ばPCS通信方式、DCS通信方式が、その一方の通信
方式の2倍である約1.8GHzで用いられている。こ
のような場合、PCS通信方式、DCS通信方式に送信
信号に対して不要なGSM通信方式(900MHz)の
送信信号の2倍の高調波成分を除去できるため、この高
調波成分が高周波スイッチ回路SWp/d側にノイズとし
てリークして、ダイプレクサDIPXのハイパスフィル
タ機能を介してアンテナANTから出力されることが一
切ない。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合高周波回路
部品では、この部品に形成される高周波水チ回路が、送
信信号の通過を阻止し、受信信号を通過させるπ型フル
タを用いる。これにより、送信、受信時の信号損失を同
じに低減することができる複合高周波回路部品となる。
また、送信信号の2倍の高調波成分の周波数帯域が拡大
しても、この高調波成分を直列共振回路からグランド電
位に安定的に逃がすことができる。これにより、高調波
成分が他の信号または他のスイッチ回路や他の高周波回
路に悪影響を与えることがなく、安定した送受信が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合高周波回路部品の外観斜視図であ
る。
【図2】本発明の複合高周波回路部品に用いられる高周
波スイッチ回路を示す回路図である。
【図3】本発明に係る高周波スイッチ回路の送信時の等
価回路図である。
【図4】本発明に係る高周波スイッチ回路の送信時の直
列共振回路部分の減衰特性を示す特性図である。
【図5】他の高周波スイッチ回路のブロック回路図であ
る。
【図6】複合高周波回路部品を構成する高周波スイッチ
回路を含むブロック回路図である。
【図7】従来の高周波スイッチ回路の回路図である。
【図8】(a)は、従来の高周波スイッチ回路の送信時
の等価回路図、(b)は受信時の等価回路図である。
【図9】従来の高周波スイッチ回路の送信時の高調波成
分の減衰特性を示す特性図である。
【符号の説明】
30 多層回路基板 32 回路構成部品 1 アンテナ端子 2 送信端子 3 受信端子 4 制御端子 5 第1のスイッチングダイオード 6 第2のスイッチングダイオード 7 π型フィルタ 8 第1のインダクタ素子 9、10 容量素子 11 第2のインダクタ素子 19 フィルタ回路 20 直列共振回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の誘電体層を積層して成る多層回路基
    板に、アンテナと受信回路との接続、送信回路と前記ア
    ンテナとの接続を切り換えるスイッチ回路を備え、多層
    回路基板の端面に少なくともアンテナと接続する端子電
    極を備えた複合高周波回路部品において、 前記アンテナ端子と前記受信回路との間に、受信信号を
    通過させ且つ送信信号を遮断する第1のインダクタ素子
    と容量素子とからなるπ型フィルタを配置するととも
    に、 前記π型フィルタの1つの容量素子と直列接続し、且つ
    送信信号の周波数の略2倍の周波数を共振周波数とする
    直列共振回路を構成する第2のインダクタ素子を配置し
    たことを特徴とする複合高周波回路部品。
  2. 【請求項2】 前記第1のインダクタ素子及び第2のイ
    ンダクタ素子が前記多層回路基板の表面に被着させたイ
    ンダクタ導体膜で形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の複合高周波回路部品。
  3. 【請求項3】 前記第1のインダクタ素子及び第2のイ
    ンダクタ素子が、前記多層回路基板の表面に実装された
    チップインダクタ部品であることを特徴とする請求項1
    記載の複合高周波回路部品。
  4. 【請求項4】 前記容量素子が、前記多層回路基板の表
    面に実装されたチップコンデンサ部品であることを特徴
    とする請求項1記載の複合高周波回路部品。
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