JP2003078226A - 厚膜配線基板およびその製造方法 - Google Patents

厚膜配線基板およびその製造方法

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JP2003078226A
JP2003078226A JP2001264462A JP2001264462A JP2003078226A JP 2003078226 A JP2003078226 A JP 2003078226A JP 2001264462 A JP2001264462 A JP 2001264462A JP 2001264462 A JP2001264462 A JP 2001264462A JP 2003078226 A JP2003078226 A JP 2003078226A
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thick film
conductor
substrate
wiring board
communicating
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Susumu Sakamoto
進 阪本
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の表面に固着された表面導体とその基板
の裏面に固着された裏面導体とがその基板の端面を迂回
する厚膜連通導体を介して相互に連通させられる、安価
で信頼性の高い厚膜配線基板を提供する。 【解決手段】 厚膜連通導体20は、その中間部が基板
12の端面18から離隔した状態でその両端部が表面導
体14と裏面導体16とに接続されていることから、厚
膜連通導体20の中間部は基板端面18から機械的に浮
いた状態となっているので、信頼性の高い厚膜配線基板
10が得られる。表面導体14と裏面導体16とを相互
に導通させるためにスルーホールを形成したり基板端面
研磨を行う必要がないので、厚膜配線基板10が安価と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面に固着
された表面導体とその基板の裏面に固着された裏面導体
とがその基板の端面を迂回する厚膜連通導体を介して相
互に連通させられる形式の厚膜配線基板、およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の分野において、基板の表面に
固着された表面導体とその基板の裏面に固着された裏面
導体とがその基板の端面を迂回する厚膜連通導体を介し
て相互に連通させられる形式の厚膜配線基板が知られて
いる。このようにすれば基板の裏面にも厚膜導体の配線
をすることができるので、その基板裏面に、抵抗器、コ
ンデンサなどの受動素子、トランジスタ、ICなどの能
動素子、コネクタなどの配置スペースとして用いられる
ので、その基板をベースとするモジュール、表示板など
の集積度が高められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の厚膜配線基板の
一種に、基板を厚み方向に貫通する貫通穴を設け、その
貫通穴を通して金属製ピンが挿通させられたり、印刷時
の吸引により厚膜ペーストが貫通穴内周面に塗布された
りして、基板の表面に固着された表面導体とその基板の
裏面に固着された裏面導体とがその貫通穴内の導体を介
して接続されるものが提案されている。しかしながら、
このようなスルーホールを用いて表裏の導体を接続する
形式の厚膜配線基板では、アルミナやガラスなどのセラ
ミック製の比較的硬い基板に必要数の所定径の貫通穴を
正確に形成する必要があるために、高価なものとなるこ
とが避けられず、その基板をベースとするモジュール、
表示板などの使用可能範囲が制限されていた。
【0004】これに対し、基板の表面に固着された表面
導体とその基板の裏面に固着された裏面導体とがその基
板の端面を迂回する厚膜連通導体を介して相互に連通さ
せられる形式の厚膜配線基板が提案されている。これに
よれば、基板の端面に厚膜ペーストを塗布して焼成する
ことにより厚膜連通導体が形成されるので、比較的硬い
基板に必要数のスルーホールを形成する必要がなくなる
利点がある。しかしながら、基板端面の品質が上記厚膜
連通導体の信頼性に大きく影響するという不都合があっ
た。たとえば量産時に用いられる基板はその端縁が破断
面であるか或いはその破断面にわずかな面処理を加えた
ものであるが、端面の荒れが上記厚膜連通導体の亀裂や
断線の原因となっていた。また、信頼性を高めるために
その厚膜連通導体を厚くすると、ガラス基板の場合には
厚膜連通導体の焼成収縮によってその基板にクラックが
発生するという問題があった。また、比較的荒れ易い基
板端面の品質により、使用中において厚膜連通導体間で
マイグレーションおよびそれに起因する絶縁低下が発生
するという欠点があった。特に、ソーダガラス基板では
ソーダによってマイグレーションが加速されるので、そ
の欠点が顕著である。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、基板の表面
に固着された表面導体とその基板の裏面に固着された裏
面導体とがその基板の端面を迂回する厚膜連通導体を介
して相互に連通させられる形式の厚膜配線基板におい
て、安価で信頼性の高い厚膜配線基板およびその製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、本発明の厚膜配線基板の要旨とするところ
は、基板の表面に固着された表面導体と該基板の裏面に
固着された裏面導体とがその基板の端面を迂回する厚膜
連通導体を介して相互に連通させられる形式の厚膜配線
基板であって、前記厚膜連通導体は、その中間部が前記
基板の端面から離隔した状態で前記表面導体と裏面導体
とに接続されていることにある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、スルーホールや
基板端面研磨が不要であるので厚膜配線基板が安価とな
る。厚膜連通導体は、その中間部が前記基板の端面から
離隔した状態でその両端部が前記表面導体と裏面導体と
に接続されていることから、厚膜連通導体の中間部は基
板端面から機械的に浮いた状態となっているので、信頼
性の高い厚膜配線基板が得られる。たとえば、基板の端
面の荒れに起因して厚膜連通導体の亀裂や断線が発生す
ることがなく、信頼性を高めるためにその厚膜連通導体
を厚くする必要もなく、たとえ厚くしたとしても厚膜連
通導体の焼成収縮によって厚膜連通導体自身や基板に応
力が加えられないので厚膜連通導体自身や基板にクラッ
クが発生することがない。また、厚膜連通導体が基板端
面から浮いているので、使用中において厚膜連通導体間
でマイグレーションおよびそれに起因する絶縁低下が発
生することがない。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、上記第1発
明の厚膜配線基板を好適に製造するための製造方法の要
旨とするところは、基板の表面に固着された表面導体と
その基板の裏面に固着された裏面導体とがその基板の端
面を迂回する厚膜連通導体を介して相互に連通させられ
る形式の厚膜配線基板の製造方法であって、(a) 前記相
互に連通させられる表面導体および裏面導体が表面およ
び裏面に固着された基板を用意する工程と、(b) その基
板の端部を覆うように、所定の第1温度よりも高い融点
を有する粒子が樹脂で結合されて成る高融点粒子層で構
成された剥離層を形成する剥離層形成工程と、(c) 前記
第1温度で焼結させられる厚膜材料の構成粒子が樹脂で
結合されて成る厚膜導体ペーストを、前記剥離層の上に
前記厚膜連通導体のパターンで塗布する厚膜導体ペース
ト塗布工程と、(d) その厚膜導体ペースト塗布工程によ
り厚膜導体ペーストが前記厚膜連通導体のパターンで塗
布された基板を前記第1温度で焼成することによりその
厚膜連通導体を焼結させる焼成工程とを、含むことにあ
る。
【0009】
【第2発明の効果】このようにすれば、スルーホールや
基板端面研磨が不要であるので厚膜配線基板が安価とな
る。また、厚膜導体ペーストを構成する厚膜材料の焼結
温度( 第1温度) よりも高い融点を有する高融点粒子層
で構成された剥離層が形成された後、その上に塗布され
た厚膜導体ペーストが第1温度で焼結させられることに
より、上記剥離層の上に基板の端面を迂回する厚膜連通
導体が固着される。このとき、厚膜連通導体と基板端面
との間の剥離層は、第1温度よりも高い融点を有する粒
子からなるために焼結しておらず、ペースト化するため
に混入させられた樹脂の消失により焼成収縮し、且つ容
易に脱落可能な付着状態となっていることから、上記厚
膜連通導体は基板端面に固着しておらず、機械的には浮
いた状態となっているので、信頼性の高い厚膜配線基板
が得られる。たとえば、基板の端面の荒れに起因して厚
膜連通導体の亀裂や断線が発生することがなく、信頼性
を高めるためにその厚膜連通導体を厚くする必要もな
く、たとえ厚くしたとしても厚膜連通導体の焼成収縮に
よって基板に応力が加えられないので基板にクラックが
発生することがない。また、厚膜連通導体が基板端面か
ら浮いているので、使用中において厚膜連通導体間でマ
イグレーションおよびそれに起因する絶縁低下が発生す
ることがない。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第2発明に
おいて、前記焼成工程により焼結させられた厚膜連通導
体と前記基板の端面との間に位置する前記剥離層を除去
する除去工程が、さらに含まれる。このようにすれば、
厚膜連通導体と基板の端面との間に位置して焼結しない
剥離層が積極的に除去されるので、厚膜連通導体が基板
の端面から確実に分離され、その基板端面からの影響が
確実に解消されるとともに、厚膜連通導体相互の絶縁製
が高められる。また、保護膜が塗布される場合には、そ
の保護膜を構成する樹脂材料が厚膜連通導体と基板の端
面との間にも充填されるので、耐湿性などが一層高めら
れる。
【0011】また、好適には、前記焼成工程により焼結
させられた前記厚膜連通導体上に塗布することによって
保護層を形成する保護層形成工程が、さらに含まれる。
このようにすれば、基板端部が保護層によって覆われる
ことにより厚膜連通導体相互のマイグレーションが好適
に防止され、耐久性や耐湿性などが一層高められる。
【0012】また、好適には、前記基板は、その端面の
うち前記厚膜連通導体に対応する位置に厚み方向に貫通
する溝が形成されたものであり、その厚膜連通導体はそ
の溝内に収容された状態で位置させられているものであ
る。このようにすれば、基板端面に位置する厚膜連通導
体は上記溝内に位置させられることによって機械的に保
護されるとともに、基板端面から突き出す材料を無くし
たり或いは少なくしたりすることができ、厚膜配線基板
間の配置密度を高めることができる。たとえば、このよ
うな厚膜配線基板を用いて、前面に発光画素(発光素
子)が配置され且つ後面に端子或いはコネクタが配置さ
れるタイル型ディスプレイ(表示セル)が構成されるこ
とにより、タイル型ディスプレイ間の隙間が可及的に小
さくされ、表示品質が高められる。
【0013】また、好適には、前記厚膜導体ペースト塗
布工程は、厚膜スクリーン印刷法を用いて前記厚膜導体
ペーストを直接的に或いは間接的に塗布するものであ
る。このようにすれば、厚膜材料の無駄がなく、膜厚の
バラツキがなく機械的に安定した厚膜連通導体が得られ
る。
【0014】また、好適には、前記基板は、たとえばガ
ラス製基板、セラミックス基板など、厚膜連通導体を焼
結させる焼成工程での第1温度すなわち厚膜焼成温度で
変形しないものが用いられるので、そのような加熱処理
が施された後でも初期の形状に保たれる。
【0015】また、好適には、前記高融点粒子は、前記
第1温度よりも高い融点を有するセラミックス或いは高
融点ガラス・フリット等の無機材料から成るものであ
る。高融点粒子としては、高融点粒子層を構成する樹脂
が焼失した後も何ら軟化等するものでなければ、適宜の
無機材料を用いることができる。なお、具体的な材質
は、基板に用いられる厚膜材料の種類やその焼成温度等
に応じて適宜選択される。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面を参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、厚膜配線基板10の要部を拡大し
て示す断面図である。この厚膜配線基板10は、基板1
2の表面に固着された表面導体14とその基板12の裏
面に固着された裏面導体16とがその基板12の端面1
8を迂回する厚膜連通導体20を介して相互に連通させ
られる形式のものである。このような厚膜配線基板10
は、電源モジュールや表示装置などの基体として用いら
れる電気部品である。上記基板12は、たとえば384
×96×1.8(mm)程度の大きさの矩形を成す薄板であ
って、ソーダガラス、耐熱ガラス、アルミナセラミック
ス、フォルステライト、ステアタイトなどから構成さ
れ、いずれも後述の厚膜焼成温度(第1温度)よりも高
い軟化点を備えてその温度で変形しないものである。
【0018】上記厚膜連通導体20は、その中間部が基
板12の端面18から離隔した状態でその両端部が上記
表面導体14と裏面導体16とに接続されている。そし
て、基板12の端面18、厚膜連通導体20、およびそ
の両端部が接続された表面導体14および裏面導体16
の端子を含む厚膜連通導体20の端部が、たとえばエポ
キシ樹脂製の保護層22によって覆われている。この保
護層22は、高い絶縁性および耐湿性を備えており、上
記基板12の端面16と厚膜連通導体20との間の空隙
内にも充填されている。
【0019】以上のように構成された厚膜配線基板10
は、たとえば図2に示す工程図に従って製造される。先
ず、図2の基板準備工程P1では、表面に表面導体14
が固着され且つ裏面に裏面導体16が固着された基板1
2が準備される。たとえば、厚膜導体ペーストを用いて
所定の配線パターンで基板12の表面にスクリーン印刷
が行われ且つ焼成された後、同様に裏面に厚膜導体ペー
ストを用いて所定の配線パターンでスクリーン印刷が行
われ且つ焼成されることにより、上記基板12が用意さ
れる。図3の基板12はこの状態を示している。
【0020】次いで、剥離層形成工程P2において、基
板12の端面18側の端部を覆うように、所定の第1温
度よりも高い融点を有する粒子が樹脂で結合されて成る
高融点粒子層で構成された剥離層30が形成される。た
とえば、図3に示すように、剥離層30の構成材料すな
わち後述の厚膜焼成温度である第1温度よりも高い融点
を有する粒子たとえば高融点ガラス粉、セラミックス粉
などがエチルセルローズなどの樹脂とブチルカルビトー
ルアセテート或いはテルピネオールなどの溶剤とにより
混合された高粘性流体状の剥離層ペースト32が容器3
4内に満たされ、その容器34内のペースト32に基板
12の端面18側の端部が浸されて引き上げられるとと
もに、適宜強制乾燥されることにより、比較的強固に固
着した剥離層30が得られる。この剥離層30により基
板12の端面18が十分に覆われている。図4の基板1
2はこの状態を示している。なお、上記溶剤は乾燥によ
り揮発し、上記樹脂は厚膜焼成により十分に消失するも
のである。
【0021】続く厚膜導体ペースト塗布工程P3では、
銀、パラジウムなどの金属粉体と、結合剤として機能す
るガラス粉体(フリット)と、エチルセルローズなどの
樹脂と、ブチルカルビトールアセテート或いはテルピネ
オールなどの溶剤とが相互に混合された高粘性流体状の
厚膜導電ペースト36を用いて、たとえば図4のスクリ
ーン印刷の間接法に従って剥離層30の上に厚膜連通導
体20のパターンすなわち表面導体14の端子と裏面導
体16の端子とに接続されるパターンで塗布され、適宜
強制乾燥される。図5の基板12はこの状態を示してい
る。図4において、比較的厚みのあるスポンジ38の上
には、スクリーン印刷によって上記パターンで厚膜導電
ペースト36が上面に塗布された樹脂シート40が載置
されており、基板12の端面18側の端部がその樹脂シ
ート40に押しつけられることにより、その樹脂シート
40上の厚膜導電ペースト36が剥離層30の上に転写
される。なお、万年筆などの円柱体の側面に印刷するよ
うに直接印刷を行うスクリーン印刷が用いられてもよ
い。
【0022】次に、乾燥工程P4において、印刷後の基
板12が適宜乾燥された後、焼成工程P5において、基
板12がソーダライムガラス製である場合にはたとえば
550( ℃) 程度の第1温度すなわち厚膜焼成温度で印
刷後の基板12が焼成されることにより上記厚膜導電ペ
ースト36が焼結させられ、両端部が表面導体14の端
子と裏面導体16の端子とに固着された厚膜連通導体2
0が形成される。この焼結過程において、厚膜導電ペー
スト36内では、それに含まれる樹脂および溶剤が消失
させられると同時にそれに含まれるガラス粉体の溶融に
より金属粉体が相互に接触する状態で結合させられる。
しかし、剥離層30内では、それに含まれる樹脂および
溶剤が消失させられると同時にそれに含まれる高融点ガ
ラス粉体は何ら溶融或いは軟化させられないので、その
高融点ガラス粉体の固まりとして厚膜連通導体20と基
板12の端部との間に介在させられる。この高融点ガラ
ス粉体の固まりは、たとえば接触させた指に白く付着す
る程度の弱い結合力であって、わずかな刺激によって容
易に脱落させられる。また、この高融点ガラス粉体の固
まりは、上記樹脂および溶剤の消失によってその体積が
減少させられた多気孔体であり、厚膜連通導体20或い
は基板12との間にわずかな隙間が形成される。この高
融点ガラス粉体の固まりの収縮はその高融点ガラス粉体
の粒度の選択や樹脂の混合割合などに従って選択的に適
宜変化させられる。
【0023】次いで、除去工程P6では、厚膜連通導体
20と基板12の端面18との間に位置する剥離層30
すなわち高融点ガラス粉体の固まりが、たとえば超音波
洗浄層内に浸漬させられることによって除去される。こ
の除去工程P6における剥離層30の除去は必ずしも行
われなくてもよい。そして、保護層形成工程P7では、
上記焼成工程P5により焼結させられた厚膜連通導体2
0上に塗布することによって、比較的軟質のエポキシ樹
脂、シリコン樹脂などの樹脂製保護層(保護膜)22が
形成される。この塗布は、たとえば図3に示すようなデ
ィッピング工程を用いて好適に行われるが、真空下にお
いて行われることにより、樹脂製保護層22が厚膜連通
導体20と基板12との間に好適に充填される。
【0024】上述のように、本実施例の厚膜配線基板1
0によれば、表面導体14と裏面導体16とを相互に導
通させるためにスルーホールを形成したり基板端面研磨
を行う必要がないので、厚膜配線基板10が安価とな
る。同時に、厚膜連通導体20は、その中間部が基板1
2の端面18から離隔した状態でその両端部が表面導体
14と裏面導体16とに接続されていることから、厚膜
連通導体20の中間部は基板端面18から機械的に浮い
た状態となっているので、信頼性の高い厚膜配線基板1
0が得られる。たとえば、基板12の端面18の荒れに
起因して厚膜連通導体20の亀裂や断線が発生すること
がなく、信頼性を高めるためにその厚膜連通導体20を
厚くする必要もなく、たとえ厚くしたとしても厚膜連通
導体20の焼成収縮によって厚膜連通導体20自身や基
板12に応力が加えられないので厚膜連通導体20自身
や基板12にクラックが発生することがない。また、厚
膜連通導体20が基板端面18から浮いているので、使
用中において厚膜連通導体20間でマイグレーションお
よびそれに起因する絶縁低下の発生が好適に抑制され
る。
【0025】また、本実施例によれば、(a) 前記相互に
連通させられるべき表面導体14および裏面導体16が
表面および裏面に固着された基板12を用意する工程P
1と、(b) その基板12の端部を覆うように、所定の第
1温度よりも高い融点を有する粒子が樹脂で結合されて
成る高融点粒子層で構成された剥離層30を形成する剥
離層形成工程P2と、(c) その第1温度で焼結させられ
る厚膜材料の構成粒子が樹脂で結合されて成る厚膜導体
ペーストを、上記剥離層30の上に前記厚膜連通導体2
0のパターンで塗布する厚膜導体ペースト塗布工程P3
と、(d) その厚膜導体ペースト塗布工程P3により厚膜
導体ペーストが厚膜連通導体20のパターンで塗布され
た基板12を上記第1温度で焼成することによりその厚
膜連通導体20を焼結させる焼成工程P5を経て、表面
導体14と裏面導体16とがその基板12の端面18を
迂回する厚膜連通導体20を介して相互に連通させられ
る厚膜配線基板10が製造されることから、表面導体1
4と裏面導体16とを相互に導通させるためにスルーホ
ールを形成したり基板端面研磨を行う必要がないので、
厚膜配線基板10が安価となる。また、厚膜導体ペース
トを構成する厚膜材料の焼結温度( 第1温度) よりも高
い融点を有する高融点粒子層で構成された剥離層30が
形成された後、その上に塗布された厚膜導体ペーストが
第1温度で焼結させられることにより、その剥離層30
の上に基板12の端面18を迂回する厚膜連通導体20
が固着されるとき、厚膜連通導体20と基板端面18と
の間の剥離層30は、第1温度よりも高い融点を有する
粒子からなるために焼結しておらず、ペースト化するた
めに混入させられた樹脂の消失により焼成収縮し、且つ
容易に脱落可能な付着状態となっていることから、上記
厚膜連通導体20は基板端面18に固着しておらず、機
械的には浮いた状態となっているので、信頼性の高い厚
膜配線基板10が得られる。
【0026】また、本実施例によれば、焼成工程P5に
より焼結させられた厚膜連通導体20と基板12の端面
18との間に位置する剥離層30を除去するための除去
工程P6がさらに設けられていることから、厚膜連通導
体20と基板12の端面18との間に位置して焼結しな
い剥離層30が積極的に除去されるので、厚膜連通導体
20が基板12の端面18から確実に分離され、その基
板端面18からの影響が確実に解消されるとともに、厚
膜連通導体20相互の絶縁性が高められる。
【0027】また、本実施例によれば、焼成工程P5に
より焼結させられた厚膜連通導体20上に塗布すること
によって保護層22を形成する保護層形成工程P7がさ
らに設けられていることから、厚膜配線基板10の端部
が保護層によって覆われることにより厚膜連通導体20
相互のマイグレーションが好適に防止され、耐久性や耐
湿性などが一層高められる。また、その保護膜22を構
成する樹脂材料が厚膜連通導体20と基板12の端面1
8との間にも充填されるので、耐湿性などが一層高めら
れる。
【0028】また、本実施例によれば、厚膜導体ペース
ト塗布工程P3は、厚膜スクリーン印刷法を用いて厚膜
導体ペーストを直接的に或いは間接的に塗布するもので
あるので、厚膜材料の無駄がなく、膜厚のバラツキがな
く機械的に安定した厚膜連通導体20が得られる。
【0029】また、本実施例によれば、基板12は、た
とえばガラス製基板、セラミックス基板など、厚膜連通
導体20を焼結させる焼成工程P5での第1温度すなわ
ち厚膜焼成温度で変形しないものが用いられるので、そ
のような加熱処理が施されても初期の形状に保たれる。
【0030】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する
部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】本実施例の厚膜配線基板50は、図7およ
び図8に示すように、端面18のうち厚膜連通導体20
に対応する位置にその厚み方向に貫通する溝52が形成
された基板54から構成されてその厚膜連通導体20が
その溝52内に収容された状態で位置させられている点
において、前述の厚膜配線基板10と相違するが、他は
同様に構成されている。すなわち、同様の材料、同様の
形状、同様の工程により構成されている。図7および図
8は、焼成工程P5を経た基板54の要部斜視図および
VIII-VIII 視断面図である。
【0032】図7および図8において、基板54の端面
18には、厚膜連通導体20よりも大きな幅寸法を有し
て凹状に湾曲した断面形状の溝52が基板54の厚み方
向に貫通した状態で複数箇所に形成されており、厚膜連
通導体20はその溝52内の幅方向の中央において端面
18よりも内側に位置させられている。
【0033】本実施例によれば、基板54は、その端面
18のうち厚膜連通導体20に対応する位置に厚み方向
に貫通する溝52が形成されたものであり、その厚膜連
通導体20はその溝52内に収容された状態で位置させ
られていることから、基板端面18に位置する厚膜連通
導体20は上記溝52内に位置させられることによって
機械的に保護されるとともに、基板端面18から突き出
す材料を無くしたり或いは少なくしたりすることがで
き、厚膜配線基板50間の配置密度を高めることができ
る。たとえば、このような厚膜配線基板50を用いて、
前面に発光画素(発光素子)が配置され且つ後面に端子
或いはコネクタが配置されるタイル型ディスプレイ(表
示セル)が構成される場合には、そのタイル型ディスプ
レイ間の隙間が可及的に小さくされ、表示品質が高めら
れる。
【0034】以上、本発明を図面を参照して詳細に説明
したが、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0035】例えば、実施例の基板12、54は、ガラ
ス製の基板だけでなく、アルミナ、フォルステライト、
ステアタイトなどのセラミックス製の基板であってもよ
い。この場合には、厚膜導体ペーストは、たとえば80
0度程度の焼成温度で焼成される。
【0036】また、前述の実施例の厚膜配線基板10、
50は、タイル型ディスプレイだけでなく、種々の入力
操作機器、センサ、回路モジュール、表示器などの基体
を構成するために用いられ得る。
【0037】また、前述の実施例において基板12、5
4の表裏に固着された表面導体14および裏面導体16
は必ずしも厚膜導体でなくてもよく、薄膜や銅箔などの
導体配線であってもよい。
【0038】また、前述の実施例において、厚膜連通導
体20は、銀、パラジウムなどの金属粉体がガラスフリ
ットにより結合された厚膜導体であったが、酸化パラジ
ムや酸化ルテニウムなどの金属酸化物を含む比較的抵抗
値の高い厚膜導体であっても差し支えない。
【0039】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の厚膜配線基板の要部構成を
説明する側面図である。
【図2】図1の実施例の厚膜配線基板を製造するための
製造工程を説明する図である。
【図3】図2の剥離層形成工程において、基板の端部に
剥離層ペーストを塗布するためのディッピング作業を説
明する図である。
【図4】図2の厚膜導体ペースト塗布工程において、基
板端部の剥離層上に厚膜導体ペーストを間接的に塗布す
る工程を説明する図である。
【図5】図2の厚膜導体ペースト塗布工程により厚膜導
体ペーストが基板端部の剥離層上に塗布された状態を説
明する斜視図である。
【図6】図2の焼成工程により焼成された基板の端部を
示す側面図である。
【図7】本発明の他の実施例において、厚膜配線基板を
構成する基板の焼成工程P5を経た状態の要部を説明す
る斜視図である。
【図8】図7の実施例の基板の要部を説明するためのVI
II-VIII 視断面図である。
【符号の説明】
10、50:厚膜配線基板 12、54:基板 14:表面導体 16:裏面導体 18:端面 20:厚膜連通導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 進 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八つ並2160 番地 ノリタケ電子工業株式会社夜須工場 内 Fターム(参考) 5E314 AA24 AA25 AA32 BB01 BB12 BB13 CC01 FF01 FF02 FF03 FF14 GG04 GG24 5E317 AA22 BB04 BB11 BB14 CC22 CD23 GG11 5E338 AA02 AA18 BB12 BB19 BB65 CD32 EE11 EE26 EE31 5E343 AA02 AA23 AA26 BB25 BB48 BB72 DD02 DD20 ER35 GG11 GG14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に固着された表面導体と該基
    板の裏面に固着された裏面導体とが該基板の端面を迂回
    する厚膜連通導体を介して相互に連通させられる形式の
    厚膜配線基板であって、 前記厚膜連通導体は、その中間部が前記基板の端面から
    離隔した状態で前記表面導体と裏面導体とに接続されて
    いることを特徴とする厚膜配線基板。
  2. 【請求項2】基板の表面に固着された表面導体と該基板
    の裏面に固着された裏面導体とが該基板の端面を迂回す
    る厚膜連通導体を介して相互に連通させられる形式の厚
    膜配線基板の製造方法であって、 前記相互に連通させられる表面導体および裏面導体が表
    面および裏面に固着された基板を用意する工程と、 該基板の端部を覆うように、所定の第1温度よりも高い
    融点を有する粒子が樹脂で結合されて成る高融点粒子層
    で構成された剥離層を形成する剥離層形成工程と、 前記第1温度で焼結させられる厚膜材料の構成粒子が樹
    脂で結合されて成る厚膜導体ペーストを、前記剥離層の
    上に前記厚膜連通導体のパターンで塗布する厚膜導体ペ
    ースト塗布工程と、 該厚膜導体ペースト塗布工程により厚膜導体ペーストが
    前記厚膜連通導体のパターンで塗布された基板を前記第
    1温度で焼成することにより該厚膜連通導体を焼結させ
    る焼成工程とを、含むことを特徴とする厚膜配線基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成工程により焼結させられた厚膜
    連通導体と前記基板の端面との間に位置する前記剥離層
    を除去する除去工程を、さらに含むものである請求項2
    の厚膜配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記焼成工程により焼結させられた前記
    厚膜連通導体上に塗布することによって保護層を形成す
    る保護層形成工程を、さらに含むものである請求項2ま
    たは3の厚膜配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板は、その端面のうち前記厚膜連
    通導体に対応する位置に厚み方向に貫通する溝が形成さ
    れたものであり、該厚膜連通導体は該溝内に収容された
    状態で位置させられているものである請求項1または2
    の厚膜配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記厚膜導体ペースト塗布工程は、厚膜
    スクリーン印刷法を用いて前記厚膜導体ペーストを塗布
    するものである請求項2乃至5の何れかの厚膜配線基板
    の製造方法。
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