JP2003077790A - 電子ビーム描画装置における補正データチェック方法および装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置における補正データチェック方法および装置

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JP2003077790A JP2001262835A JP2001262835A JP2003077790A JP 2003077790 A JP2003077790 A JP 2003077790A JP 2001262835 A JP2001262835 A JP 2001262835A JP 2001262835 A JP2001262835 A JP 2001262835A JP 2003077790 A JP2003077790 A JP 2003077790A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で短時間に補正マップの補正値の
誤りを検出することができる電子ビーム描画装置におけ
る補正データチェック方法および装置を実現する。 【解決手段】 補正マップメモリー25から隣接した2
つのセルに格納された補正データP,Qが読み出され
る。演算器29は2種の補正データの差の絶対値R(=
|P−Q|)を求める。この差の絶対値Rは、比較器3
0に供給される。比較器30では、差の絶対値Rと閾値
レジスタ31にセットされた閾値Sを比較し、R>Sの
場合には、異常信号を発生し、制御コンピュータ26に
供給する。制御コンピュータ26は、異常信号の供給を
受けると、異常と思われる補正データの座標位置やその
補正データの値等を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、被描画材料に照射され
る電子ビームを偏向して所望のパターンの描画を行うよ
うにした電子ビーム描画装置における補正データチェッ
ク方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は従来の可変面積型電子ビーム描画
装置の一例を示している。1は電子ビームEBを発生す
る電子銃であり、該電子銃1から発生した電子ビームE
Bは、照射レンズ(図示せず)を介して第1成形スリット
2上に照射される。なお、電子銃1と第1成形スリット
2との間には、ブランキング電極3が配置されている。
【0003】第1成形スリット2の開口像は、成形レン
ズ(図示せず)により、第2成形スリット4上に結像され
るが、その結像の位置は、成形偏向器5により変えるこ
とができる。第2成形スリット4により成形された像
は、図示していない縮小レンズ、対物レンズを経て描画
材料6上に照射される。描画材料6への照射位置は、位
置決め偏向器7により変えることができる。
【0004】8は制御CPUであり、制御CPU8は描
画データメモリー9からのパターンデータを照射制御回
路10に転送する。照射制御回路10によって作成され
たブランキング信号は、増幅器11を介してブランキン
グ電極3に供給される。また、照射制御回路10で作成
された電子ビームの形状成形信号は、DA変換増幅器1
2を介して成形偏向器5に供給される。更に、照射制御
回路10で作成された材料6上の電子ビームの照射位置
信号は、DA変換増幅器13を介して位置決め偏向器7
に供給される。なお、制御CPU8は、材料6のフィー
ルド毎の移動のために、材料6が載せられたステージ
(図示せず)を制御する。このような構成の動作を次に説
明する。
【0005】まず、基本的な描画動作について説明す
る。描画データメモリー9に格納されたパターンデータ
は、逐次読み出され、照射制御回路10に供給される。
この照射制御回路10からのデータに基づき、成形偏向
器6、位置決め偏向器7は制御される。
【0006】この結果、各描画パターンデータに基づ
き、成形偏向器5により電子ビームの断面が単位パター
ン形状に成形され、その単位パターンが順々に材料6上
にショットされ、所望の形状のパターン描画が行われ
る。なお、この時、ブランキング電極3へのブランキン
グ信号により、材料6への電子ビームのショットに同期
して電子ビームのブランキングが実行される。また、材
料6上の異なったフィールドへの描画の際には、制御C
PU8の制御により、材料6が載せられたステージは所
定の距離移動させられる。なお、ステージの移動距離
は、図示していないが、レーザー測長器により監視され
ており、測長器からの測長結果に基づき、ステージの位
置は正確に制御される。
【0007】図2は前記照射制御回路10の具体例を示
しており、照射制御回路10は、圧縮展開部15、図形
分割部16、補正演算部17より構成されている。圧縮
展開部15は、圧縮形式で表現された描画データメモリ
ー9からのパターンデータを、電子ビームで描画できる
基本図形のデータに変換する。
【0008】図形分割部16は、圧縮展開部15からの
基本図形のデータ(大小の図形として表現されたデータ)
を電子ビームで描画可能な形状まで分割処理を行う。補
正演算部17は、図形分割部16において分割された各
図形について、照射位置補正、照射量補正などの補正演
算処理を行う。各種補正処理が行われた図形データは、
補正演算部17からブランキング電極5、成形偏向器
5、位置決め偏向器7に供給される。
【0009】ところで、図1に示した可変面積ビームを
使用した電子ビーム描画装置において、電子ビームを成
形するための成形偏向器5および位置決め偏向器7は、
静電偏向器を用いて行うのが一般的であり、描画の際に
は、各偏向器への電圧の印加とビームの照射を繰り返し
ながら図形を形成していく。
【0010】この際、高精度の描画を行うために、描画
データに対していくつかの補正処理を行っている。その
具体例を図を用いて2つ説明する。最初は静電偏向器の
機械的な誤差による偏向歪みの補正である。成形偏向器
5および位置決め偏向器7は、それぞれ、例えば4極の
電極より構成されている場合、2組の平行平板電極を9
0°の角度隔てて配置している。この4つの平板電極
は、機械的な加工によって製作されているため、理想的
な配置となっておらず、対向する電極が正確に平行でな
かったり、隣の電極との角度が90°からずれて配置さ
れるのが一般的である。
【0011】このような機械的な誤差を有した静電偏向
器により電子ビームを偏向すると、電子ビームは所定の
位置に偏向されず偏向位置のずれが生じる。以下この偏
向位置ずれを補正する方式について図3,図4を用いて
説明する。まず、図3(a)に示す位置決め偏向器7の
偏向範囲R内の格子状の点(図の×で示した点)に順々
に電子ビームを偏向し、その時の電子ビームの偏向位置
を検出する。この検出された電子ビームの偏向位置と、
理想的な偏向位置との間のずれ量を計算する。
【0012】図3(b)は実際に電子ビームを偏向した
場合の偏向位置と、理想的な偏向位置との関係を示して
おり、○印の点が実際に偏向した場合の偏向位置で、実
線Mがそれらの偏向位置を結んだ線であり、点線Pが理
想的な偏向位置をつないだ格子状の線である。
【0013】図3(b)における点線Pと実線Mとの間
の位置ずれは、偏向範囲内の座標の連続的な関数である
から、測定したずれ量を元に、より細かい格子状の点に
おける位置ずれの補正量を曲線で補間して求める。この
求められた補正量曲線を図3(c)に示す。このように
して得られたデータを補正マップとして、実際の描画の
際には、描画したい位置にこの補正量を加算して偏向電
圧を変化させ、偏向器の機械的な誤差による偏向位置ず
れの補正を行う。
【0014】このような偏向位置ずれを補正するための
構成を図4により説明する。図中20は補正マップが記
憶されたメモリーであり、仮想的に分割された電子ビー
ムの偏向領域の各セルには、その座標に応じた位置補正
量データΔX、ΔYが格納されている。描画データの位
置座標X、Yが供給されると、その座標における位置補
正量データΔX、ΔYが読み出され、それぞれ加算器2
1,22に供給される。
【0015】加算器21ではX座標値に補正量ΔXが加
算され、この加算された座標値が位置決め偏向器用のD
A変換増幅器に供給される。加算器22ではY座標値に
補正量ΔYが加算され、この加算された座標値が位置決
め偏向器用のDA変換増幅器に供給される。このように
して、偏向器の機械的な誤差による偏向位置ずれの補正
が行われる。
【0016】補正マップを使用して描画データの補正を
行う別の例として、近接効果の補正を挙げることができ
る。この近接効果補正について図5,図6を用いて説明
する。電子ビームを被描画材料に照射すると、電子ビー
ムは材料中で散乱する。図5(a)はその様子を示して
おり、図形D1〜D3を描画した場合、図形が密集した
箇所では各図形の散乱電子が影響しあい、孤立した図形
と比較すると、同じ時間だけ電子ビームを照射しも、出
来上がりの図形寸法は、D1’〜D3’のように異なっ
てしまう現象が見られる。図5(b)は、図5(a)に
おけるAーBの断面の電子ビームの強度分布を示してい
る。
【0017】このような近接効果の補正方法としては、
一般に、図5(b)に示すような電子ビームの強度分布
を考慮して、図5(c)に示すように描画領域を細かく
区切った部分Q1〜Qnごとに電子ビームの照射量や散
乱量を計算し、照射量の補正マップを作成する。このよ
うにして作成された補正マップを用いて電子ビームの照
射時間を制御する例を図6を用いて説明する。
【0018】図6で23は補正マップメモリーであり、
メモリー23の各セルには、補正データとして座標に応
じた電子ビームの照射補正率χが記憶されている。描画
データとして照射時間データTと、描画データの位置座
標値X、Yが供給される。位置座標値X、Yは補正マッ
プが記憶されているメモリー23に供給され、その座標
における照射補正率χを読み出す。読み出された照射補
正率χは、乗算器24において照射時間データと乗算さ
れる。この乗算結果T・χは、電子ビームの照射時間
(ブランキング時間)を発生するパルス発生回路への設定
データとして使用される。
【0019】上述した2つの例における補正マップによ
る補正は、補正マップを半導体メモリーで構成できるた
め、複雑な計算をリアルタイムで行う方式に比べて、回
路の規模を小さくでき、高速化が可能なため、比較的よ
く利用されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、描画
装置の高精度化にともない、補正マップの一つのセルの
領域をより細かくする必要が生じている。このセルの領
域を細かくすると、必然的にメモリー量は増大する。例
えば、1mmの偏向領域に対し、8μmごとの補正位置
に対して補正量を記憶する場合は、1mm÷8μm=1
28となる。
【0021】2次元の補正マップの場合は、128×1
28=16384データが補正データとなる。これを4
分の1の2μmごとに補正する場合は、データ量は4倍
となる。このような個数の多いデータに対して、誤りが
発生した場合、データの個数が多く、その検証は非常に
困難となる。しかしながら、1ビットでも誤りが発生す
るとその影響は致命的であり、何らかの異常検出が必要
となる。
【0022】そのため、例えば、一度設定した補正デー
タを読み出し、設定値と比較検証したり、補正データと
一緒にパリティデータを付加して同時に格納し、読み出
し時に検証する方法などが取られていた。しかし、前者
の方法は設定の頻度が低い補正には有効であるが、設定
頻度の多い補正はチェックの時間が処理時間の低下につ
ながることや、補正値を使用するときの読み間違いは防
ぐことはできないなどの欠点を有している。また、後者
は、パリティを格納しておくために余分のメモリーが必
要になるという問題点を有する。
【0023】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な構成で短時間に補正マップの
補正値の誤りを検出することができる電子ビーム描画装
置における補正データチェック方法および装置を実現す
るにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく電子ビー
ム描画装置における補正データチェック方法および装置
は、描画領域を仮想的に細分化し、細分化された座標ご
とに描画データを補正する補正値が記憶された補正マッ
プ記憶手段を備え、描画データの位置座標に基づき補正
マップから補正値データを読み出し、補正値データに基
づき描画データを補正し、補正された描画データに基づ
いて被描画材料に描画を行うようにした電子ビーム描画
において、描画データの位置座標に基づき補正マップか
ら補正値データを読み出すと共に、該位置座標に隣接す
る位置座標の補正値を読み出し、2種の補正値の差を求
め、その差の値が所定の値以上の場合に異常信号を発生
させるようにした。
【0025】この2種の補正データは隣り合った座標位
置(セル)における補正データであり、この隣接するセル
のデータの差分は、補正マップが曲線近似で補完したデ
ータにより作成されているため、補正マップの各セルに
格納されるデータ値よりかなり小さな値となる。したが
って、所定の値として隣接するセルのデータの正常な差
分として求められた最大の値より僅かに大きな値とす
る。
【0026】この結果、隣接するセルの補正データの差
の絶対値の値が、所定の値より大きい場合には、2種の
補正データのいずれかが異常であることになる。このよ
うにして、補正マップのどの部分で補正値の誤りが発生
したかを容易に知ることができる。
【0027】また、本発明では、補正データが異常な場
合には、補正データを描画データの補正のために使用せ
ず、補正マップの同じ座標位置における補正データを、
隣接するセルの補正データの差の絶対値の値が、所定の
値より小さくなるまで繰り返し読み出し、隣接するセル
の補正データの差の絶対値の値が、所定の値より小さく
なったときに補正データを描画データの補正のために使
用する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図7は、本発明に基づく補
正データのチェック方法を実施するための構成の要部の
一例を示している。この構成においては、図1における
位置決め偏向器7による電子ビームの照射位置の補正を
行うようにしており、補正マップメモリー25の細分化
された各座標位置には、制御コンピュータ26より補正
データが格納されている。この格納された補正データ
は、図3を用いて説明した方法により作成され、図4の
従来装置における補正マップメモリー20に格納された
データと同等のものである。
【0029】描画データに含まれる偏向位置座標X,Y
が、その座標位置の補正データを読み出すために補正マ
ップメモリー25に供給されるが、Y座標値は、制御コ
ンピュータ26によって切り換えられるセレクタ27の
A端子と、演算器28を介してセレクタ27のB端子に
供給される。
【0030】実際の描画動作においては、セレクタ27
はA端子に接続され、その結果、座標位置X,Yの補正
データが補正マップメモリー25から読み出される。こ
の補正データは、位置決め偏向器7に供給される偏向電
圧に補正を加える。このような補正動作により、電子ビ
ームは材料6の所望の座標位置に正確に偏向され照射さ
れる。
【0031】上記X,Y座標位置における補正データの
読み出しが終了すると、制御コンピュータ26はセレク
タ27を制御し、セレクタ27はB端子に接続される。
セレクタ27のB端子には、演算器28を介してY座標
位置が供給されるが、この演算器28においては、供給
されたY座標位置に対して通常1が加算される。この結
果、補正マップメモリー25の座標位置X,Y+1の補
正データQが読み出されて演算器29に供給される。
【0032】演算器29には座標位置X,Yの補正デー
タPも供給されており、演算器29は2種の補正データ
の差の絶対値R(=|P−Q|)を求める。この差の絶対
値Rは、比較器30に供給される。比較器30では、差
の絶対値Rと閾値レジスタ31にセットされた閾値Sを
比較し、R>Sの場合には、異常信号を発生し、制御コ
ンピュータ26に供給する。制御コンピュータ26は、
異常信号の供給を受けると、異常と思われる補正データ
の座標位置やその補正データの値等を表示する。
【0033】このような構成で、2種の補正データPと
Qとは隣り合った座標位置(セル)における補正データで
あり、この隣接するセルのデータの差分は、補正マップ
が曲線近似で補完したデータにより作成されているた
め、補正マップの各セルに格納されるデータ値よりかな
り小さな値となる。したがって、閾値レジスタ31にセ
ットする閾値Sを隣接するセルのデータの正常な差分と
して求められた最大の値より僅かに大きな値とする。
【0034】この結果、隣接するセルの補正データPと
Qとの差の絶対値Rの値が、閾値Sより大きい場合に
は、補正データPかQのいずれかが異常であることにな
る。このようにして、補正マップのどの部分で補正値の
誤りが発生したかを容易に知ることができる。また、エ
ラーの発生した描画を行った材料には、誤った描画がな
されたことが分かるため、材料を交換し再度描画を行
う。
【0035】なお、上記構成において、演算器28は、
通常は供給されたY座標位置に1を加算するが、加算に
よって補正マップの最大アドレスを超える場合には、1
を減算する。
【0036】図8は本発明の他の実施の形態を示してお
り、図7に示した構成と同一ないしは類似の構成要素に
は同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。この図
8の構成において、描画データに含まれる位置座標値
X,Yは、位置座標レジスタ32にセットされ、このレ
ジスタ32からX,Y座標値はセレクタ27のA端子お
よび演算器28を介してB端子に供給される。
【0037】実際の描画動作においては、セレクタ27
はA端子に接続され、その結果、座標位置X,Yの補正
データが補正データメモリー25から読み出される。こ
の補正データは、位置決め偏向器7に供給される偏向電
圧に補正を加えるためのものである。
【0038】上記X,Y座標位置における補正データの
読み出しが終了すると、制御コンピュータ26はセレク
タ27を制御し、セレクタ27はB端子に接続される。
セレクタ27のB端子には、演算器28を介してY座標
位置が供給されるが、この演算器28においては、供給
されたY座標位置に対して通常1が加算される。この結
果、補正マップメモリー25の座標位置X,Y+1の補
正データQが読み出されて演算器29に供給される。
【0039】演算器29には座標位置X,Yの補正デー
タPも供給されており、演算器29は2種の補正データ
の差の絶対値R(=|P−Q|)を求める。この差の絶対
値Rは、比較器30に供給される。比較器30では、差
の絶対値Rと閾値レジスタ31にセットされた閾値Sを
比較し、R<Sの場合は、補正データが正常であると判
定し、その判定結果を制御回路33に送る。
【0040】制御回路33は、この判定結果に基づい
て、座標位置X,Yにおける補正データを補正データレ
ジスタ34にセットする。このセットされた補正データ
は、描画データの補正回路に転送される。このような補
正動作により、電子ビームは材料6の所望の座標位置に
正確に偏向され照射される。
【0041】一方、R>Sの場合には、比較器30は異
常信号を発生し、制御コンピュータ26に供給する。制
御コンピュータ26は、異常信号の供給を受けると、異
常と思われる補正データの座標位置やその補正データの
値等を表示する。比較器30からの異常信号は、制御回
路33にも供給されるが、制御回路33は、異常信号が
供給された場合には、補正データレジスタ34に補正デ
ータのセットを行わない。
【0042】更に制御回路33は、位置座標レジスタ3
2から再度位置座標X,Yを出力させ、補正マップメモ
リー25から補正データを読み出し、補正データレジス
タ34にセットする。この際にも、座標位置X,Yに隣
接する座標位置X,Y+1からの補正データも読み出さ
れ、演算器29において、隣接する2つの座標位置にお
ける補正データの差の絶対値Rが求められる。
【0043】この差の絶対値Rと閾値Sとが比較器にお
いて比較され、R<Sであれば、補正データレジスタ3
4に補正データがセットされ、この補正データが描画デ
ータを補正するために転送される。一方、再びR>Sで
あれば、異常信号が制御コンピュータ26に供給され
る。そして、制御回路33は、補正データレジスタ34
に補正データをセットせず、再び位置座標レジスタ32
から描画データの位置座標X,Yを転送させる。
【0044】このようにして、補正マップメモリー25
から読み出した補正データに異常が発生した場合には、
同じ位置座標における補正データの読み出しを繰り返し
行い、正常な状態でデータの読み出しがなされた場合
に、補正データレジスタに補正データがセットされ、セ
ットされたデータが描画データの補正用に転送される。
なお、同じ位置座標における補正データの読み出しを繰
り返し行っても、正常な状態でデータの読み出しがなさ
れない場合もある。そのため、制御コンピュータ26内
に異常信号をカウントするカウンタを備えておき、異常
信号が連続して所定の回数発生した場合には、装置の動
作を停止させる。
【0045】このように、図8に示した実施の形態で
は、補正データが正常な場合のみ補正データを描画デー
タの補正のために転送するように構成したので、誤った
補正データにより描画データが補正されることは防止さ
れる。
【0046】この結果、隣接するセルの補正データPと
Qとの差の絶対値Rの値が、閾値Sより大きい場合に
は、補正データPかQのいずれかが異常であることにな
る。このようにして、補正マップのどの部分で補正値の
誤りが発生したかを容易に知ることができる。また、エ
ラーの発生した描画を行った材料には、誤った描画がな
されたことが分かるため、材料を交換し再度描画を行
う。
【0047】以上本発明の一実施形態を説明したが、本
発明はこの実施の形態に限定されない。例えば、可変面
積型電子ビーム描画装置を例に説明したが、本発明は被
描画材料に細く絞った電子ビームを照射するようにした
電子ビーム描画装置にも適用することができる。また、
位置決め偏向器の偏向位置を補正する場合について説明
したが、近接効果の補正処理など補正マップメモリーを
用いた補正処理であれば、本発明を適用することができ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく電
子ビーム描画装置における補正データチェック方法およ
び装置は、描画領域を仮想的に細分化し、細分化された
座標ごとに描画データを補正する補正値が記憶された補
正マップ記憶手段を備え、描画データの位置座標に基づ
き補正マップから補正値データを読み出し、補正値デー
タに基づき描画データを補正し、補正された描画データ
に基づいて被描画材料に描画を行うようにした電子ビー
ム描画において、描画データの位置座標に基づき補正マ
ップから補正値データを読み出すと共に、該位置座標に
隣接する位置座標の補正値を読み出し、2種の補正値の
差を求め、その差の値が所定の値以上の場合に異常信号
を発生させるようにした。
【0049】この2種の補正データは隣り合った座標位
置(セル)における補正データであり、この隣接するセル
のデータの差分は、補正マップが曲線近似で補完したデ
ータにより作成されているため、補正マップの各セルに
格納されるデータ値よりかなり小さな値となる。したが
って、所定の値として隣接するセルのデータの正常な差
分として求められた最大の値より僅かに大きな値とす
る。
【0050】この結果、隣接するセルの補正データの差
の絶対値の値が、所定の値より大きい場合には、2種の
補正データのいずれかが異常であることになる。このよ
うにして、補正マップのどの部分で補正値の誤りが発生
したかを容易に知ることができる。
【0051】また、本発明では、補正データが異常な場
合には、補正データを描画データの補正のために使用せ
ず、補正マップの同じ座標位置における補正データを、
隣接するセルの補正データの差の絶対値の値が、所定の
値より小さくなるまで繰り返し読み出し、隣接するセル
の補正データの差の絶対値の値が、所定の値より小さく
なったときに補正データを描画データの補正のために使
用する。この結果、誤った補正データにより描画データ
を補正することは回避され、電子ビーム描画装置の信頼
性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の可変面積型電子ビーム描画装置の一例を
示す図である。
【図2】図1の装置に用いた照射制御回路の具体例を示
す図である。
【図3】静電偏向器による偏向位置ずれを補正する方式
を説明するための図である。
【図4】静電偏向器による偏向位置ずれを補正する方式
を説明するための図である。
【図5】近接効果を補正する方式を説明するための図で
ある。
【図6】近接効果を補正する方式を説明するための図で
ある。
【図7】本発明に基づく補正データのチェック方法を実
施するための構成の要部を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
25 補正マップメモリー 26 制御コンピュータ 27 セレクタ 28,29 演算器 30 比較器 31 閾値レジスタ 32 位置座標レジスタ 33 制御回路 34 補正データレジスタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 描画領域を仮想的に細分化し、細分化さ
    れた座標ごとに描画データを補正する補正値が記憶され
    た補正マップ記憶手段を備え、描画データの位置座標に
    基づき補正マップから補正値データを読み出し、補正値
    データに基づき描画データを補正し、補正された描画デ
    ータに基づいて被描画材料に描画を行うようにした電子
    ビーム描画方法において、描画データの位置座標に基づ
    き補正マップから補正値データを読み出すと共に、該位
    置座標に隣接する位置座標の補正値を読み出し、2種の
    補正値の差を求め、その差の絶対値が所定の値以上の場
    合に異常信号を発生させるようにした電子ビーム描画装
    置における補正データチェック方法。
  2. 【請求項2】 描画領域を仮想的に細分化し、細分化さ
    れた座標ごとに描画データを補正する補正値が記憶され
    た補正マップ記憶手段を備え、描画データの位置座標に
    基づき補正マップから補正値データを読み出し、補正値
    データに基づき描画データを補正し、補正された描画デ
    ータに基づいて被描画材料に描画を行うようにした電子
    ビーム描画方法において、描画データの位置座標に基づ
    き補正マップから補正値データを読み出すと共に、該位
    置座標に隣接する位置座標の補正値を読み出し、2種の
    補正値の差を求め、その差の絶対値が所定の値以上の場
    合には、補正値データによる描画データの補正を行わ
    ず、異常信号を発生させるようにした電子ビーム描画装
    置における補正データチェック方法。
  3. 【請求項3】 補正マップ記憶手段に記憶された補正値
    は、電子ビームを偏向する偏向器の機械的な誤差に基づ
    く電子ビームの偏向位置ずれを補正するためのものであ
    る請求項1および2記載の電子ビーム描画装置における
    補正データチェック方法。
  4. 【請求項4】 補正マップ記憶手段に記憶された補正値
    は、近接効果を補正するためのものである請求項1およ
    び2記載の電子ビーム描画装置における補正データチェ
    ック方法。
  5. 【請求項5】 2種の補正値の差を求め、その差の値が
    所定の値以上の場合には、補正値データによる描画デー
    タの補正を行わず、再び補正マップから同じ位置座標と
    該位置座標に隣接する位置座標の補正値を読み出し、2
    種の補正値の差を求め、その差の値と所定の値との比較
    を繰り返し行い、差の値が所定の値以下となったときに
    補正値を描画データの補正のために転送するようにした
    請求項2記載の電子ビーム描画装置における補正データ
    チェック方法。
  6. 【請求項6】 描画領域を仮想的に細分化し、細分化さ
    れた座標ごとに描画データを補正する補正値が記憶され
    た補正マップ記憶手段を備え、描画データの位置座標に
    基づき補正マップから補正値データを読み出し、補正値
    データに基づき描画データを補正し、補正された描画デ
    ータに基づいて被描画材料に描画を行うようにした電子
    ビーム描画装置において、描画データの位置座標に基づ
    き補正マップから補正値データを読み出すと共に、該位
    置座標に隣接する位置座標の補正値を読み出し、2種の
    補正値の差の絶対値を求める演算器と、演算器で求めた
    差の値と所定の値とを比較し、該差の値が所定の値以上
    の場合に異常信号を発生する比較器とより成る電子ビー
    ム描画装置における補正データチェック装置。
  7. 【請求項7】 描画領域を仮想的に細分化し、細分化さ
    れた座標ごとに描画データを補正する補正値が記憶され
    た補正マップ記憶手段を備え、描画データの位置座標に
    基づき補正マップから補正値データを読み出し、補正値
    データに基づき描画データを補正し、補正された描画デ
    ータに基づいて被描画材料に描画を行うようにした電子
    ビーム描画装置において、描画データの位置座標がセッ
    トされる位置座標レジスタと、該レジスタにセットされ
    た位置座標に基づき補正マップから補正値データを読み
    出すと共に、該位置座標に隣接する位置座標の補正値を
    読み出し、2種の補正値の差の絶対値を求める演算器
    と、補正マップから読み出された補正値データがセット
    される補正値データレジスタと、演算器で求めた差の値
    と所定の値とを比較し、該差の値が所定の値以上の場合
    に異常信号を発生する比較器とより成り、該差の値が所
    定の値以上の場合には、補正値データレジスタへの補正
    値データのセットを停止するように構成した電子ビーム
    描画装置における補正データチェック装置。
  8. 【請求項8】 該位置座標に隣接する位置座標の指定の
    ために、該位置座標に1または−1を加算する加算器を
    設けた請求項6および7記載の電子ビーム描画装置にお
    ける補正データチェック装置。
JP2001262835A 2001-08-31 2001-08-31 電子ビーム描画装置における補正データチェック方法および装置 Withdrawn JP2003077790A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US9779913B2 (en) 2015-03-25 2017-10-03 Nuflare Technology, Inc. Charged particle beam drawing apparatus and drawing data generation method
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CN111812947A (zh) * 2019-04-11 2020-10-23 纽富来科技股份有限公司 多带电粒子束描绘装置以及多带电粒子束描绘方法

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