JP2003074976A - 貯湯式の給湯装置 - Google Patents

貯湯式の給湯装置

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JP2003074976A JP2001262857A JP2001262857A JP2003074976A JP 2003074976 A JP2003074976 A JP 2003074976A JP 2001262857 A JP2001262857 A JP 2001262857A JP 2001262857 A JP2001262857 A JP 2001262857A JP 2003074976 A JP2003074976 A JP 2003074976A
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健一 田之頭
Kazuya Yamaguchi
和也 山口
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義隆 栢原
Shin Iwata
伸 岩田
Keiji Takimoto
桂嗣 滝本
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博司 高木
Kazuhiro Matsumoto
和博 松本
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康人 橋詰
Toshihiro Kawachi
河内  敏弘
Yasushi Fujikawa
泰 藤川
Yoshio Fujimoto
藤本  善夫
Tomoya Sakiishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な時刻に所望量を貯湯タンク内に貯湯す
ることを可能としながら、所望の時間帯の間、熱消費端
末に所望の熱供給を行う。 【解決手段】 運転制御手段Hが、貯湯設定時刻に貯湯
タンク1内の貯湯量を設定貯湯量にするための貯湯時間
に基づいて求めた貯湯開始時刻になると、貯湯タンク1
内への貯湯を行う予約貯湯運転を実行し、熱消費設定時
間帯の間、熱消費端末Dへの加熱対象流体の供給を行う
熱供給運転を実行するように構成され、かつ、予約貯湯
運転において、貯湯開始時刻から貯湯設定時刻までの貯
湯時間帯に熱消費設定時間帯と重複する重複時間帯が存
在しないときには、加熱手段の加熱能力が非制限能力で
あるとして、貯湯時間を求め、かつ、重複時間帯が存在
するときには、加熱手段の加熱能力が非制限能力よりも
小さい制限能力であるとして、貯湯時間を求める貯湯時
間演算処理を実行するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部に給湯路が接
続されかつ下部に給水路が接続されている貯湯タンク
と、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するとともに、熱消
費端末に供給する加熱対象流体を加熱する加熱手段と、
その加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けら
れている貯湯式の給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような貯湯式の給湯装置は、貯湯
タンク内の湯水を加熱して貯湯タンクへの貯湯を行うた
めの加熱手段と、熱消費端末に供給する加熱対象流体を
加熱して熱消費端末に熱供給を行うための加熱手段と
が、ひとつの加熱手段にて兼用されているものである。
そして、この種の貯湯式の給湯装置としては、例えば、
特開2000−121160号公報に示されているよう
に、貯湯タンクの底部から循環路に湯水を取り出し、そ
の湯水を加熱手段にて加熱したのち、貯湯タンクの上部
から供給する状態で貯湯タンク内の湯水を循環させなが
ら貯湯タンクへの貯湯を行うとともに、循環路の湯水を
加熱手段にて加熱して放熱用熱交換器に供給したのち、
再度加熱手段に供給する状態で循環路の湯水を循環させ
ながら、熱消費端末としての浴槽や暖房装置などの熱媒
体を放熱用熱交換器に供給することによって、放熱用熱
交換器において循環路の湯水にて熱媒体を加熱して、浴
槽湯水の追焚や暖房装置への熱媒体の供給を行うように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような貯湯式の
給湯装置において、必要な時刻に所望量を貯湯タンク内
に貯湯したいという要望や、所望の時間帯の間、熱消費
端末に熱供給を行いたいという要望がある。そこで、上
述の2つの要望に応えるべく、運転制御手段が、設定さ
れた貯湯設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量を設定貯湯量
にするための貯湯時間に基づいて、貯湯設定時刻から貯
湯時間だけ早い貯湯開始時刻を求めて、その貯湯開始時
刻になると、加熱手段の運転を開始させて、貯湯タンク
内への貯湯を行う予約貯湯運転を実行するとともに、設
定された熱消費設定時間帯の間、加熱手段を運転させ
て、熱消費端末への加熱対象流体の供給を行う熱供給運
転を実行するように構成することが考えられる。
【0004】しかしながら、上記従来の貯湯式の給湯装
置では、貯湯タンク内への貯湯を行うための加熱手段
と、熱消費端末に加熱対象流体を供給するための加熱手
段とが、ひとつの加熱手段にて兼用されているために、
上述の予約貯湯運転および熱供給運転を単純に実行する
だけでは、上述の2つの要望に応えることができない虞
がある。説明を加えると、上述の予約貯湯運転および熱
供給運転を単純に実行すると、貯湯開始時刻から貯湯設
定時刻までの貯湯時間帯に熱消費時間帯と重複する重複
時間帯が存在する場合には、その重複時間帯に、ひとつ
の加熱手段にて、貯湯タンク内への貯湯と熱消費端末へ
の熱供給を同時に行うこととなる。したがって、重複時
間帯における加熱手段の用途として、貯湯タンクへの貯
湯よりも熱消費端末への熱供給を優先すると、貯湯タン
ク内に貯湯するための加熱手段の加熱能力が制限される
ことになって、貯湯設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量を
設定貯湯量にできない虞があり、逆に、熱消費端末への
熱供給よりも貯湯タンクへの貯湯を優先すると、熱消費
端末に熱供給するための加熱手段の加熱能力が制限され
ることになって、熱消費端末に所望の熱供給を行えなく
なる虞がある。
【0005】本発明は、かかる点に着目してなされたも
のであり、その目的は、必要な時刻に所望量を貯湯タン
ク内に貯湯することを可能としながら、所望の時間帯の
間、熱消費端末に所望の熱供給を行うことが可能となる
貯湯式の給湯装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明によれば、上部に給湯路が接
続されかつ下部に給水路が接続されている貯湯タンク
と、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するとともに、熱消
費端末に供給する加熱対象流体を加熱する加熱手段と、
その加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けら
れている貯湯式の給湯装置において、前記運転制御手段
が、設定された貯湯設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯
量を設定貯湯量にするための貯湯時間に基づいて、前記
貯湯設定時刻よりも前記貯湯時間だけ早い貯湯開始時刻
を求めて、その貯湯開始時刻になると、前記加熱手段の
運転を開始させて、前記貯湯タンク内への貯湯を行う予
約貯湯運転を実行し、設定された熱消費設定時間帯の
間、前記加熱手段を運転させて、前記熱消費端末への前
記加熱対象流体の供給を行う熱供給運転を実行するよう
に構成され、かつ、前記予約貯湯運転において、前記貯
湯開始時刻から前記貯湯設定時刻までの貯湯時間帯に前
記熱消費設定時間帯と重複する重複時間帯が存在しない
ときには、前記加熱手段の加熱能力が非制限能力である
として、前記貯湯時間を求め、かつ、前記重複時間帯が
存在するときには、前記加熱手段の加熱能力が前記非制
限能力よりも小さい制限能力であるとして、前記貯湯時
間を求める貯湯時間演算処理を実行するように構成され
ている。
【0007】すなわち、運転制御手段は、設定された貯
湯設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量を設定貯湯量に
するための貯湯時間に基づいて、前記貯湯設定時刻より
も前記貯湯時間だけ早い貯湯開始時刻を求めて、その求
めた貯湯開始時刻に基づいて、貯湯時間演算処理を実行
し、重複時間帯が存在しないときには、加熱手段の加熱
能力を貯湯のためにだけ使用できる非制限能力であると
して、貯湯時間を求め、かつ、重複時間帯が存在すると
きには、加熱手段の加熱能力が、熱消費端末への熱供給
のために使用されて制限される制限能力であるとして、
貯湯時間を求めることが可能となる。そして、運転制御
手段は、貯湯演算処理の実行により求められた貯湯時間
に基づいて、貯湯設定時刻よりも貯湯時間だけ早い貯湯
開始時刻を求めて、その貯湯開始時刻になると、加熱手
段の運転を開始させて、貯湯タンク内への貯湯を行う予
約貯湯運転を実行するとともに、設定された熱消費設定
時間帯の間、加熱手段を運転させて、熱消費端末への加
熱対象流体の供給を行う熱供給運転を実行することが可
能となる。
【0008】したがって、運転制御手段は、上述の重複
時間帯が存在するときには、加熱手段の用途として、貯
湯タンクへの貯湯よりも熱消費端末への熱供給を優先し
て、熱消費端末に所望の熱供給を行いながら、貯湯時間
帯に加熱手段が熱消費端末に熱供給するために使用され
て、貯湯タンク内に貯湯するための加熱手段の加熱能力
が非制限能力よりも小さい制限能力に制限であるとし
て、貯湯設定時刻に貯湯タンクの貯湯量を設定貯湯量に
することが可能となる貯湯時間を求めて、貯湯タンク内
への貯湯を行うことが可能となる。また、運転制御手段
は、上述の重複時間帯が存在しないときには、貯湯タン
ク内に貯湯するための加熱手段の加熱能力が、例えば、
最大加熱能力などのように制限されていない非制限能力
であるとして、貯湯設定時刻に貯湯タンクの貯湯量を設
定貯湯量にすることが可能となる貯湯時間を求めて、貯
湯タンク内への貯湯を行うとともに、熱消費設定時間帯
には、加熱手段を熱消費端末に熱供給するためだけに使
用して、熱消費端末に所望の熱供給を行うことが可能と
なる。
【0009】以上のことをまとめると、上述の重複時間
帯が存在しても、加熱手段を熱消費端末に所望の熱供給
するために使用しながら、貯湯設定時刻に貯湯タンクの
貯湯量を設定貯湯量にすることが可能となる貯湯時間を
求めて、貯湯タンク内への貯湯を行うことが可能となっ
て、必要な時刻に所望量を貯湯タンク内に貯湯すること
を可能としながら、所望の時間帯の間、熱消費端末に所
望の熱供給を行うことが可能となる貯湯式の給湯装置を
提供できるに到った。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、前記熱消
費設定時間帯を変更設定する熱消費時間帯設定手段が設
けられ、前記運転制御手段が、前記熱消費時間帯設定手
段の設定情報に基づいて、前記貯湯時間演算処理を実行
するように構成されている。
【0011】すなわち、運転制御手段は、貯湯時間帯に
熱消費時間帯設定手段により変更設定される熱消費設定
時間帯と重複する重複時間帯が存在するか否かを判別し
て、貯湯時間演算処理を実行することが可能となるの
で、熱消費設定時間帯が変更設定されても、必要な時刻
に所望量を貯湯タンク内に貯湯することを可能としなが
ら、所望の時間帯の間、熱消費端末に所望の熱供給を行
うことができるように対応することが可能となる。した
がって、熱消費時間帯設定手段による使用者の人為的な
変更設定にも対応することが可能となって、使用者の意
図を反映することが可能となる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、前記運転
制御手段が、実際の前記熱供給運転の実行時間帯に基づ
いて前記熱消費設定時間帯を求めて、その求めた熱消費
設定時間帯に基づいて、前記貯湯時間演算処理を実行す
るように構成されている。
【0013】すなわち、運転制御手段が、貯湯時間帯に
実際の熱供給運転の実行時間帯に基づいて自動的に求め
られた熱消費設定時間帯と重複する重複時間帯が存在す
るか否かを判別して、貯湯時間演算処理を実行すること
が可能となるので、熱供給運転を実行させるだけで、必
要な時刻に所望量を貯湯タンク内に貯湯することを可能
としながら、所望の時間帯の間、熱消費端末に所望の熱
供給を行うことができるように対応することが可能とな
って、使い勝手のよいものとなる。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、前記運転
制御手段が、前記貯湯時間演算処理において、前記重複
時間帯が存在するときには、前記加熱手段の最大加熱能
力および前記熱供給運転を実行するための前記加熱手段
の熱供給用の必要加熱能力に基づいて、前記制限能力を
求めて、その求めた制限能力および前記重複時間帯の長
さに基づいて、前記貯湯時間を求めるように構成されて
いる。
【0015】すなわち、運転制御手段は、加熱手段の最
大加熱能力および熱供給用の必要加熱能力に基づいて、
加熱手段が出力可能な最大加熱能力のうち、貯湯タンク
内に貯湯するために出力可能な加熱手段の加熱能力を制
限能力として求めて、その求めた制限能力および重複時
間帯の長さに基づいて、貯湯時間を求めることが可能と
なる。したがって、実際に貯湯タンク内に貯湯するため
に出力可能な加熱手段の加熱能力に基づいて、貯湯時間
を求めることが可能となり、貯湯設定時刻に貯湯タンク
内の貯湯量を確実に設定貯湯量にすることが可能とな
る。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、前記運転
制御手段が、実際の前記熱供給運転における実加熱能力
に基づいて前記熱供給用の必要加熱能力を求めるように
構成されている。
【0017】すなわち、運転制御手段が、実際の熱供給
運転における実加熱能力に基づいて熱供給用の必要加熱
能力を自動的に求め、その熱供給用の必要加熱能力およ
び加熱手段の最大加熱能力に基づいて、制限能力を求め
て、その求めた制限能力および重複時間帯の長さに基づ
いて、貯湯時間を求めることが可能となる。したがっ
て、運転制御手段が、実際の熱供給運転の実行状況に応
じた熱供給用の必要加熱能力を求めることが可能とな
り、実際の使用状況に応じた貯湯時間を求めることが可
能となるので、実際の使用状況に合わせた状態で、貯湯
設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量を設定貯湯量にするこ
とが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかる貯湯式の給湯装置
について図面に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕この貯湯式の給湯装置は、図1に示す
ように、温度成層を形成する状態で貯湯される貯湯タン
ク1、貯湯タンク1内の湯水を循環するための循環路
2、循環路2を通流する湯水を加熱する加熱手段として
の加熱部3、熱消費端末としての暖房装置Pに熱供給す
るための暖房用熱交換部23、加熱部3などの運転を制
御する運転制御手段としての運転制御部Hなどから構成
され、循環ポンプ19を作動させて貯湯タンク1内の湯
水を循環路2にて循環しながら、加熱部3にて加熱する
ようにしている。
【0019】前記貯湯タンク1内には、その貯湯量が最
低確保量よりも多量の最低検出貯湯量以上であるかを、
その湯温を検出することにより検出する最低検出貯湯量
検出手段としての最上部サーミスタS1、その貯湯量が
満以上であるかを、その湯温を検出することにより検出
する底部サーミスタS2が設けられている。前記貯湯タ
ンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用
いて給水する給水路4が接続され、その上部から給湯す
るための給湯路5が接続され、使用された量だけの水を
給水路4から貯湯タンク1に給水するように構成されて
いる。
【0020】前記給湯路5には、給水路4から分岐され
た混合用給水路6が接続され、その接続箇所に給湯路5
からの湯水と混合用給水路6からの水との混合比を調整
自在なミキシングバルブ7が設けられている。前記給水
路4と混合用給水路7との分岐箇所には、給水温度を検
出する給水サーミスタ8が設けられている。
【0021】また、給湯路5におけるミキシングバルブ
7よりも上流側には、貯湯タンク1の上部から給湯路5
に給湯された湯水の温度を検出する貯湯出口サーミスタ
9が設けられ、給湯路5におけるミキシングバルブ7よ
りも下流側には、給湯路5の湯水の流量を調整する給湯
流量センサ10、ミキシングバルブ7にて混合された湯
水の温度を検出するミキシングサーミスタ11が設けら
れている。
【0022】そして、給湯栓14に給湯するときには、
給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ9および給水サーミ
スタ8の検出情報などに基づいて、給湯する湯水の温度
が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ7の開度
を調整して、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成
されている。給湯操作手段Gが、貯湯出口サーミスタ
9、給水サーミスタ8、ミキシングバルブ7、および、
ミキシングサーミスタ11などにより構成されている。
【0023】前記循環路2と貯湯タンク1とが、循環路
2を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯
湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すために、貯湯
タンク1の上部と底部の合計2箇所で連通接続されてい
る。具体的に説明すると、貯湯タンク1の上部には、循
環路2の湯水を貯湯タンク1内に供給するための貯湯路
15が連通接続され、その貯湯路15には、貯湯開閉弁
16が設けられている。また、貯湯タンク1の底部に
は、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すための
取り出し路17が連通接続されている。
【0024】そして、循環路2には、湯水の循環方向に
順に、循環路2の湯水の循環量を検出する循環流量セン
サ18、循環ポンプ19、循環路2の湯水の循環量を調
整する循環流量調整バルブ20、加熱部3、加熱部3に
て加熱された湯水の温度を検出する加熱温サーミスタ2
1、暖房用熱交換部23への湯水の通流を断続する開閉
弁22、暖房用熱交換部23が設けられている。湯水循
環手段Eが、循環路2、循環ポンプ19、循環流量セン
サ18、循環流量調整バルブ20、加熱温サーミスタ2
1、貯湯開閉弁16、および、開閉弁22などから構成
されている。
【0025】前記加熱部3は、詳述はしないが、ヒート
ポンプ装置による冷媒を供給して湯水を加熱するヒート
ポンプ式加熱部3aと、バーナの燃焼により湯水を加熱
する補助加熱部3bとから構成され、循環路2の湯水の
循環方向において上流側から、ヒートポンプ式加熱部3
a、補助加熱部3bの順に設けられている。
【0026】前記ヒートポンプ式加熱部3aは、運転制
御部Hとの通信などによりヒートポンプ装置を作動させ
て、ヒートポンプ式加熱部3aに冷媒を供給することに
よって、循環路2を通流する湯水を加熱するように構成
されている。また、補助加熱部3bは、循環路2を通し
て設定量以上の水量が供給されると、バーナの燃焼を開
始し、供給される水量が設定量未満になると、バーナの
燃焼を停止させ、バーナの燃焼状態において、バーナの
燃焼量を調整することによって、加熱した湯水の温度を
調整可能に構成されている。
【0027】そして、加熱部3は、基本的には、ヒート
ポンプ式加熱部3aを運転させ、必要に応じて、補助加
熱部3bも運転させて、循環路3を通流する湯水の流量
を循環流量調整バルブ20にて調整したり、冷媒の温度
を調整したり、バーナの燃焼量を調整したりして、ヒー
トポンプ式加熱部3aおよび補助加熱部3bの加熱能力
を調整して、予め設定された最小加熱能力と最大加熱能
力との間で、所望の加熱能力を出力するように構成され
ている。
【0028】前記暖房用熱交換部23には、暖房装置P
から加熱対象流体としての熱媒体を戻すための熱媒体戻
り路12と暖房装置Pに熱媒体を供給するための熱媒体
往き路13とが接続され、前記熱媒体戻り路12には、
熱媒体循環ポンプ24が設けられている。そして、熱媒
体循環ポンプ24の作動により、熱媒体往き路13およ
び熱媒体戻り路12を通して循環させ、暖房用熱交換部
23において、循環路2を通流する湯水から、熱媒体往
き路13および熱媒体戻り路12を通して循環される熱
媒体に対して授熱させるように構成されている。
【0029】前記運転制御部Hは、図2に示すように、
貯湯リモコンR2の指令に基づいて、湯水循環手段E、
給湯操作手段G、および、加熱部3の作動を制御するこ
とによって、貯湯タンク1内に湯水を貯湯する貯湯運
転、図外の給湯栓に所望の湯水を供給する給湯運転、設
定された熱消費設定時間帯の間、暖房装置Pに熱媒体を
供給する熱供給運転としての暖房運転、設定された貯湯
設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量が設定貯湯量になる
ように貯湯する予約貯湯運転などの夫々の運転を実行す
るように構成されている。
【0030】前記貯湯リモコンR2は、図示はしない
が、貯湯要求を指令可能で、給湯運転における給湯設定
温度、予約貯湯運転における貯湯設定時刻、時間帯設定
スイッチ25にて暖房運転における熱消費設定時間帯と
しての暖房設定時間帯などを設定可能に構成されてい
る。
【0031】以下、各運転について説明を加える。前記
貯湯運転は、貯湯リモコンR2から貯湯要求があると、
貯湯開閉弁16を開弁させ、循環ポンプ19を作動させ
て、貯湯タンク1の底部から水を循環路2に取出し、加
熱部3にて加熱したのち、貯湯路15を通して貯湯タン
ク1の上部に供給してするように構成されている。
【0032】前記貯湯運転における加熱部3の動作につ
いて説明を加えると、基本的には、ヒートポンプ装置を
作動させて、ヒートポンプ式加熱部3aに冷媒を供給さ
せ、ヒートポンプ式加熱部3aにて循環路2の湯水を加
熱させ、加熱温サーミスタ21による検出温度が目標貯
湯温度(例えば、60℃)になるようにヒートポンプ式
加熱部3aの加熱量を調整するように構成されている。
そして、ヒートポンプ式加熱部3aによる加熱だけで
は、加熱温サーミスタ21による検出温度が目標貯湯温
度(例えば、60℃)になるように循環路2の湯水を加
熱できない場合や、ヒートポンプ式加熱部3aでの加熱
が行えない場合などの特別な場合には、加熱温サーミス
タ21による検出温度が目標貯湯温度(例えば、60
℃)になるように、補助加熱部3bによる加熱量を調整
するように構成されている。
【0033】前記給湯運転は、給湯栓14が開操作され
ると開始され、貯湯タンク1内に貯湯されている湯水を
取り出して、その湯水に水を混合させて給湯路5を通し
て、給湯栓14に供給するように構成されている。な
お、貯湯タンク1内に湯水が貯湯されていなかったり、
貯湯タンク1内の貯湯量が最低確保量未満であれば、上
述の貯湯運転を実行して、貯湯タンク1内に貯湯しなが
ら、その湯水を取り出して、給湯栓14に供給するよう
にしている。
【0034】説明を加えると、貯湯タンク1内に貯湯さ
れている湯水を給湯路5に取り出して、貯湯リモコンR
2などにて設定された給湯設定温度、貯湯出口サーミス
タ9および給水サーミスタ8の検出情報に基づいて、給
湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシン
グバルブ7の開度を調整するとともに、ミキシングサー
ミスタ11の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯
設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ7の開度
を微調整することにより、給湯設定温度の湯水を給湯す
るようにしている。
【0035】前記暖房運転は、設定された暖房設定時間
帯の間、加熱部3を運転させて、暖房装置Pが要求して
いる熱負荷に応じて、加熱部3の加熱能力を調整して、
暖房装置Pへの熱媒体の供給を行うようにしている。具
体的に説明すると、暖房設定時間帯には、開閉弁22を
開弁して、循環ポンプ19を作動させて、加熱部3を運
転させ、循環路2の湯水を、加熱部3にて加熱して暖房
用熱交換部23に供給したのち、加熱部3に供給する状
態で循環させるとともに、熱媒体循環ポンプ24を作動
させて、熱媒体を、熱媒体戻り路12および熱媒体往き
路13を通して暖房用熱交換部23と暖房装置Pとの間
で循環させるようにしている。そして、暖房用熱交換部
23において、循環路2の湯水から熱媒体に対して授熱
させて、暖房装置Pへ熱供給するときの熱供給用の必要
加熱能力としての暖房用加熱能力を満たすように、ヒー
トポンプ式加熱部3aを優先して運転させながら、必要
に応じて、補助加熱部3bを運転させて、加熱部3の加
熱能力を調整して、暖房装置Pへの熱供給を行うように
している。
【0036】この暖房運転における暖房設定時間帯およ
び暖房用加熱能力の設定について説明を加える。前記運
転制御部Hは、暖房設定時間帯および暖房用加熱能力
を、人為操作に基づいて人為的に設定したり、実際の熱
供給運転の実行状況に基づいて自動的に設定するように
構成され、選択スイッチなどにて人為設定か自動設定か
を選択可能に構成されている。
【0037】すなわち、人為的に設定する場合には、運
転制御部Hが、貯湯リモコンR2に設けられた熱消費時
間帯設定手段としての時間帯設定スイッチ25の設定情
報に基づいて、暖房設定時間帯を設定し、暖房装置Pに
て要求されている温度などの設定情報に基づいて、暖房
用加熱能力を設定するようにしている。
【0038】また、自動的に設定する場合には、運転制
御部Hが、実際の暖房運転の実行時間帯に基づいて、暖
房設定時間帯を設定し、実際に暖房運転を実行したとき
の加熱部3の加熱能力に基づいて、暖房用加熱能力を設
定するように構成されている。説明を加えると、例え
ば、運転制御部Hが、1日を基準周期として、基準周期
ごとに、実際の熱供給運転の実行時間帯とそのときの実
加熱能力を記憶し、その記憶されている実行時間帯およ
び実加熱能力の情報に任意の重み付けをして、標準的な
使用形態における予測暖房時間帯および予測暖房用加熱
能力を求め、予測暖房時間帯を暖房設定時間帯として設
定し、予測暖房用加熱能力を暖房用加熱能力として設定
するようにしている。なお、暖房運転実行時の実加熱能
力は、循環流量センサ18および加熱温サーミスタ21
などの情報に基づいて求めることが可能である。
【0039】前記予約貯湯運転は、ヒートポンプ式加熱
部3aのみを運転させる状態で加熱部3を運転させたと
きに、設定された貯湯設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯
量を設定貯湯量にするための貯湯時間に基づいて、貯湯
設定時刻よりも貯湯時間だけ早い貯湯開始時刻を求め
て、その貯湯開始時刻になると、加熱部3の運転を開始
させて、ヒートポンプ式加熱部3aのみを最大加熱能力
で運転させる状態で、上述の貯湯運転を実行して、貯湯
タンク1内への貯湯を行うようにしている。また、この
予約貯湯運転においては、貯湯開始時刻から貯湯設定時
刻までの貯湯時間帯に、暖房運転における暖房設定時間
帯と重複する重複時間帯が存在しないときには、加熱部
3の加熱能力が非制限能力であるとして、非制限用の貯
湯時間を求め、かつ、重複時間帯が存在するときには、
加熱部3の加熱能力が非制限能力よりも小さい制限能力
であるとして、制限用の貯湯時間を求める貯湯時間演算
処理を実行するようにしている。
【0040】そして、運転制御部Hは、熱消費時間帯設
定スイッチ25の設定情報による暖房設定時間帯、また
は、実際の暖房運転の実行時間帯に基づいて求められた
暖房設定時間帯に基づいて、上述の貯湯時間演算処理を
実行するように構成され、暖房運転における人為的また
は自動的な設定により設定された暖房設定時間帯に基づ
いて、重複時間帯が存在するか否かを判別するようにし
ている。また、運転制御部Hは、貯湯時間演算処理にお
いて、重複時間帯が存在するときには、加熱部3の最大
加熱能力および暖房運転を実行するための暖房加熱能力
に基づいて、制限能力を求めて、その求めた制限能力お
よび重複時間帯の長さに基づいて、制限用の貯湯時間を
求めるように構成されている。
【0041】前記予約貯湯運転について説明を加える
と、ヒートポンプ式加熱部3aの加熱能力を非制限能力
としての最大加熱能力にて運転させた状態で、貯湯設定
時刻に貯湯タンク1内の貯湯量を設定貯湯量にするため
の非制限用の貯湯時間を求めて、貯湯設定時刻から非制
限用の貯湯時間だけ早い時刻を非制限用の貯湯開始時刻
として求める。そして、その貯湯開始時刻から非制限用
の貯湯設定時刻までの貯湯時間帯に、暖房運転における
暖房設定時間帯と重複する時間帯が存在しないときに
は、非制限用の貯湯開始時刻になると、ヒートポンプ式
加熱部3aのみを運転させる状態で、上述の貯湯運転を
実行して、貯湯タンク1内への貯湯を行うようにしてい
る。
【0042】また、重複時間帯が存在するときには、重
複時間帯において、ヒートポンプ式加熱部3aの加熱能
力が最大加熱能力から暖房用加熱能力だけ制限されるこ
とになるので、ヒートポンプ式加熱部3aの加熱能力を
制限された制限能力で運転させた状態で、貯湯設定時刻
に貯湯タンク1内の貯湯量を設定量にするための制限用
の貯湯時間を求めて、貯湯設定時刻から制限用の貯湯時
間だけ早い時刻を制限用の貯湯開始時刻として求め、そ
の制限用の貯湯開始時刻になると、ヒートポンプ式加熱
部3aのみを運転させる状態で、上述の貯湯運転を実行
して、貯湯タンク1内への貯湯を行うようにしている。
【0043】このようにして、運転制御部Hは、重複時
間帯が存在するときには、加熱部3の用途として、貯湯
タンク1内への貯湯よりも暖房装置Pへの熱供給を優先
して、暖房装置Pに所望の熱供給を行いながら、貯湯時
間帯に加熱部3が暖房装置Pに熱供給するために使用さ
れて、貯湯タンク1内に貯湯するための加熱部3の加熱
能力が最大加熱能力よりも小さい制限能力であるとし
て、貯湯設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量を設定貯湯
量にすることが可能となる貯湯時間を求めて、貯湯タン
ク1内への貯湯を行うことが可能となる。したがって、
重複時間帯が存在しても、加熱部3を暖房装置Pに所望
の熱供給するために使用しながら、貯湯設定時刻に貯湯
タンク1内の貯湯量を設定貯湯量にすることができるこ
とになる。
【0044】以下、貯湯時間演算処理において、制限用
の貯湯時間および制限用の貯湯開始時刻の求め方につい
て説明する。まず、暖房加熱能力とヒートポンプ式加熱
部3aの最大加熱能力との関係で、貯湯不可能状態と貯
湯可能状態とに分けられる。前記貯湯不可能状態は、暖
房加熱能力がヒートポンプ式加熱部3aの最大加熱能力
以上であり、重複時間帯に、ヒートポンプ式加熱部3a
を最大加熱能力にて運転させても、熱供給運転に加え
て、貯湯タンク1内への貯湯を行うことができない状態
である。前記貯湯可能状態は、暖房加熱能力がヒートポ
ンプ式加熱部3aの最大加熱能力よりも小さく、重複時
間帯に、ヒートポンプ式加熱部3aを最大加熱能力にて
運転させると、熱供給運転に加えて、貯湯タンク1内へ
の貯湯も行うことができる状態である。
【0045】前記貯湯不可能状態では、ヒートポンプ式
加熱部3aを最大加熱能力にて運転させても、貯湯タン
ク1内への貯湯を行うことができないので、非制限用の
貯湯時間に重複時間帯を加えた時間を制限用の貯湯時間
として求めるようにしている。そして、図3の(イ)に
示すように、非制限用の貯湯開始時刻C1が暖房設定時
間帯の暖房開始時刻D1よりも早く、かつ、貯湯設定時
刻C2が暖房終了時刻D2よりも早い場合には、非制限
用の貯湯貯湯開始時刻C1よりも重複時間帯Gの長さ
(暖房開始時刻D1から貯湯設定時刻C2までの時間)
だけ早い時刻を制限用の貯湯開始時刻D3として求める
ようにしている。また、図3の(ロ)に示すように、非
制限用の貯湯開始時刻C1が暖房設定時間帯の暖房開始
時刻D1よりも遅く、かつ、貯湯設定時刻C2が暖房終
了時刻D2よりも遅い場合には、暖房開始時刻D1より
も重複時間帯Gの長さ(貯湯開始時刻C1から暖房終了
時刻D2までの時間)だけ早い時刻を制限用の貯湯開始
時刻D3として求めるようにしている。
【0046】前記貯湯可能状態では、ヒートポンプ式加
熱部3aを最大加熱能力にて運転させると、熱供給運転
に加えて、貯湯タンク1内への貯湯も行うことができる
ので、暖房加熱能力と重複時間帯の長さに基づいて、ヒ
ートポンプ式加熱部3aの加熱能力が暖房加熱能力にて
制限されている制限量に相当する制限貯湯量を貯湯する
ための制限量貯湯時間を求めて、非制限用の貯湯時間に
制限量貯湯時間を加えた時間を制限用の貯湯時間として
求めるようにしている。
【0047】説明を加えると、図4の(イ)に示すよう
に、非制限用の貯湯開始時刻C1が暖房設定時間帯の暖
房開始時刻D1よりも早く、かつ、貯湯設定時刻C2が
暖房終了時刻D2よりも早い場合には、暖房加熱能力と
重複時間帯Gの長さ(暖房開始時刻D1から貯湯設定時
刻C2までの時間)に基づいて、制限貯湯量(図中Aで
示す領域)を求め、その制限貯湯量とヒートポンプ式加
熱部3aの最大加熱能力に基づいて、制限貯湯量(図中
斜線で示す領域)を貯湯するための制限量貯湯時間Q1
を求めて、非制限用の貯湯開始時刻C1よりも制限量貯
湯時間Q1だけ早い時刻を制限用の貯湯開始時刻C3と
して求めるようにしている。
【0048】また、図4の(ロ)に示すように、非制限
用の貯湯開始時刻C1が暖房設定時間帯の暖房開始時刻
D1よりも遅く、かつ、貯湯設定時刻C2が暖房終了時
刻D2よりも遅い場合には、暖房加熱能力と重複時間帯
Gの長さ(貯湯開始時刻C1から暖房終了時刻D2まで
の時間)に基づいて、制限貯湯量(図中Aで示す領域)
を求め、その制限貯湯量とヒートポンプ式加熱部3aの
最大加熱能力と暖房加熱能力との偏差加熱能力に基づい
て、制限貯湯量(図中斜線で示す領域)を貯湯するため
の制限量貯湯時間Q2を求めて、非制限用の貯湯開始時
刻C1よりも制限量貯湯時間Q2だけ早い時刻を制限用
の貯湯開始時刻C3として求めるようにしている。な
お、図4において、Aで示す領域と斜線で示す領域とは
同じ面積になるようにしている。
【0049】そして、上述の貯湯可能状態では、重複時
間帯に、上述の貯湯運転と暖房運転を同時に実行するこ
とになるが、この場合には、ヒートポンプ式加熱部3a
を最大加熱能力にて運転させて、加熱部3を暖房加熱能
力にて暖房運転を実行するとともに、最大加熱能力から
暖房加熱能力だけ小さい加熱能力にて貯湯運転を実行
し、暖房装置Pに熱供給を行うとともに、貯湯タンク1
内に貯湯するようにしている。
【0050】また、貯湯演算処理において、非制限用の
貯湯開始時刻が暖房開始時刻よりも遅く、かつ、貯湯設
定時刻が暖房終了時刻よりも早い場合には、詳述はしな
いが、貯湯不可能状態のときには、暖房開始時刻から重
複時間帯の長さ(貯湯時間帯の長さ)だけ早い時刻を制
限用の貯湯開始時刻として求め、貯湯可能状態のときに
は、暖房加熱能力と重複時間帯の長さ(貯湯時間帯の長
さ)に基づいて制限貯湯量を求め、その制限貯湯量とヒ
ートポンプ式加熱部3aの最大加熱能力と暖房加熱能力
との偏差加熱能力に基づいて、制限貯湯量を貯湯するた
めの制限量貯湯時間を求めて、非制限用の貯湯開始時刻
よりも制限量貯湯時間だけ早い時刻を制限用の貯湯開始
時刻として求めるようにしている。
【0051】前記予約貯湯運転における貯湯設定時刻お
よび設定貯湯量の設定について説明を加える。前記運転
制御部Hは、貯湯設定時刻および設定貯湯量を、人為操
作に基づいて人為的に設定したり、実際の給湯の使用状
況に基づいて自動的に設定するように構成され、選択ス
イッチなどにて人為設定か自動設定かを選択可能に構成
されている。
【0052】すなわち、人為的に設定する場合には、運
転制御部Hが、貯湯リモコンR2に設けられたスイッチ
などの設定情報に基づいて、貯湯設定時刻および設定貯
湯量を設定するようにしている。また、自動的に設定す
る場合には、運転制御部Hが、実際に給湯運転を実行し
たときの実行時間帯および給湯量に基づいて、標準的な
使用形態において、給湯が必要な時刻を貯湯設定時刻と
し、その給湯に必要な給湯量を設定貯湯量として設定す
るようにしている。
【0053】自動設定について説明を加えると、例え
ば、運転制御部Hが、図5に示すように、1日を基準周
期として、基準周期ごとに、実際に給湯運転を実行した
ときの実行時間帯および給湯量を記憶し、その記憶され
ている実行時間帯および給湯量に任意の重み付けをし
て、標準的な使用形態における貯湯設定時刻および設定
貯湯量を設定するようにしている。例えば、図5に示す
ものでは、貯湯設定時刻を、6時と16時とし、6時に
おける設定貯湯量を、記憶されている6時から9時まで
の給湯量の合計量とし、16時における設定貯湯量を、
記憶されている16時から20時までの給湯量の合計量
とするようにしている。
【0054】前記予約貯湯運転における制御動作につい
て、図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、
人為設定または自動設定にて貯湯設定時刻および設定貯
湯量を設定し、ヒートポンプ式加熱部3aを最大加熱能
力にて運転させた状態で、貯湯設定時刻に貯湯タンク1
内の貯湯量を設定貯湯量にするための非制限用の貯湯時
間を求めて、貯湯設定時刻から非制限用の貯湯時間だけ
早い時刻を非制限用の貯湯開始時刻C1として求める
(ステップ1,2)。
【0055】そして、貯湯時間帯に人為設定または自動
設定にて設定された暖房設定時間帯と重複する重複時間
帯が存在するか否かを判別して、重複時間帯が存在しな
いときには、非制限用の貯湯開始時刻C1になると、ヒ
ートポンプ式加熱部3aを最大加熱能力にて運転させ
て、貯湯タンク1内に貯湯する貯湯処理を実行する(ス
テップ3〜5)。前記貯湯処理の実行により、貯湯タン
ク1内に設定貯湯量貯湯されて貯湯完了になると、貯湯
が完了したことを報知するとともに、貯湯処理を停止さ
せる停止処理を実行する(ステップ6,7)。
【0056】前記重複時間帯が存在するときには、加熱
部3の加熱能力が制限能力であるとして、制限用の貯湯
時間を求めて、貯湯設定時刻よりも制限用の貯湯時間だ
け早い時刻を制限用の貯湯開始時刻C3として求める貯
湯時間演算処理を実行する(ステップ3,8)。そし
て、制限用の貯湯開始時刻C3になると(ステップ
9)、ヒートポンプ式加熱部3aを最大加熱能力にて運
転させて、上述の貯湯処理、停止処理を順次行うように
している(ステップ5〜7)。
【0057】〔第2実施形態〕この第2実施形態は、上
記第1実施形態における加熱部3の別実施形態を示すも
のであり、以下、第2実施形態における構成について、
図面に基づいて説明する。なお、その他の構成について
は、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記す
などによって、その詳細な説明は省略する。
【0058】すなわち、上記第1実施形態では、ヒート
ポンプ式加熱部3aおよび補助加熱部3bともに、循環
路2を通流する湯水を加熱するように構成した例を示し
たが、この第2実施形態では、図7に示すように、循環
路2を通流する湯水を加熱する貯湯タンク用ヒートポン
プ式加熱部3cと、熱媒体戻り路12を通流する熱媒体
を加熱する暖房用ヒートポンプ式加熱部3dと、貯湯タ
ンク1内から取り出した湯水を加熱するとともに、暖房
用ヒートポンプ式加熱部3bにて加熱された熱媒体を加
熱する補助加熱装置30が設けられている。
【0059】そして、貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱
部3cと暖房用ヒートポンプ式加熱部3dとは、共通の
ヒートポンプ装置にて供給される冷媒にて加熱作用する
ように構成され、貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱部3
cと暖房用ヒートポンプ式加熱部3dの両方にてひとつ
のヒートポンプ式加熱部として作用するように構成され
ている。また、補助加熱装置30が、貯湯タンク1の上
部から取り出した湯水を補助的に加熱する補助給湯加熱
機能、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水に水を混
合して、所望温度の湯水を給湯する給湯機能、暖房装置
Pに供給する熱媒体を補助的に加熱する補助暖房加熱機
能を備えて構成されている。
【0060】説明を加えると、補助加熱装置30には、
貯湯タンク1の上部に接続された給湯路5、暖房装置に
接続された熱媒体戻り路12および熱媒往き路13、混
合用給水路6の夫々が接続されている。そして、補助加
熱装置30は、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水
が所望の温度未満のときには、その湯水を加熱したのち
水を混合して、所望温度の湯水を給湯し、所望の温度以
上のときには、その湯水に水を混合して、所望温度の湯
水を給湯するとともに、暖房用ヒートポンプ式加熱部3
dにて加熱された熱媒体の温度が暖房装置Pにて要求さ
れている温度未満のときには、熱媒体を加熱して、熱媒
体往き路13を通して要求されている温度の熱媒体を暖
房装置Pに供給するように構成されている。
【0061】そして、運転制御部Hは、暖房運転におい
て、暖房用ヒートポンプ式加熱部3dを優先して運転さ
せて、必要に応じて、補助加熱装置30を運転させ、予
約貯湯運転において、貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱
部3cを運転させて、貯湯タンク1内への貯湯を行うよ
うに構成されている。
【0062】また、運転制御部Hは、予約貯湯運転にお
いて、重複時間帯が存在するときには、ヒートポンプ式
加熱部としての貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱部3c
および暖房用ヒートポンプ式加熱部3dのうち、貯湯タ
ンク用ヒートポンプ式加熱部3cよりも暖房用ヒートポ
ンプ式加熱部3dを優先して運転させるように構成され
ている。すなわち、運転制御部Hは、重複時間帯におい
て、暖房用ヒートポンプ式加熱部3dの加熱能力が暖房
加熱能力になるように、暖房用ヒートポンプ式加熱部3
dをヒートポンプ式加熱部の最小加熱能力から最大加熱
能力の間で調整するようにしている。そして、暖房加熱
能力がヒートポンプ式加熱部の最大加熱能力以上である
場合には、貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱部3cを運
転させずに、暖房用ヒートポンプ式加熱部3dのみを運
転させるようにしている。また、暖房加熱能力がヒート
ポンプ式加熱部の最大加熱能力よりも小さい場合には、
貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱部3cも運転させて、
貯湯タンク用ヒートポンプ式加熱部3cの加熱能力と暖
房用ヒートポンプ式加熱部3dの加熱能力を合わせた加
熱能力がヒートポンプ式加熱部の最大加熱能力になるよ
うにしている。
【0063】なお、この第2実施形態では、第1実施形
態において、循環路2に設けられている開閉弁22およ
び暖房用熱交換部23を省略することが可能となり、循
環路2は、その湯水の循環方向の上流側端部が貯湯タン
ク1の底部に接続され、下流側端部が貯湯タンク1の上
部に接続されている。
【0064】〔別実施形態〕 (1)上記第1および第2実施形態では、貯湯時間演算
処理において、重複時間帯が存在するときに、暖房設定
時間帯の間、暖房加熱能力が一定である場合について、
暖房加熱能力、重複時間帯の長さ、および、ヒートポン
プ式加熱部3aの最大加熱能力などに基づいて、制限用
の貯湯時間を求める構成を例示したが、暖房設定時間帯
の間、暖房加熱能力が変動する場合にも、積算などを行
って暖房加熱能力を求めて、その求めた暖房加熱能力、
重複時間帯の長さ、および、ヒートポンプ式加熱部3a
の最大加熱能力などに基づいて、制限用の貯湯時間を求
めることが可能である。例えば、暖房設定時間帯を複数
の時間帯に分けて、その時間帯ごとに、暖房加熱能力を
一定の加熱能力とし、時間帯ごとの暖房加熱能力を暖房
設定時間帯で積算することによって、暖房設定時間帯に
おける暖房加熱能力を求めて、その求めた暖房加熱能
力、重複時間帯の長さ、および、ヒートポンプ式加熱部
3aの最大加熱能力などに基づいて、制限用の貯湯時間
を求めるように構成して実施することが可能である。ち
なみに、簡易な方法として、暖房加熱能力は、ヒートポ
ンプ式加熱部3の最大加熱能力に対して固定割合とし、
その比率に基づいて制限用の貯湯時間を求めることが可
能であり、例えば、1/2とすると、非制限用の貯湯時
間に重複時間だけ加えた時間を制限用の貯湯時間として
求め、1/3とすると、非制限用の貯湯時間に重複時間
の2倍の時間を加えた時間を制限用の貯湯時間として求
めることになる。
【0065】(2)上記第1および第2実施形態では、
貯湯時間演算処理において、重複時間帯が存在するとき
に、加熱部3の最大加熱能力および暖房加熱能力に基づ
いて、制限能力を求めて、その求めた制限能力および重
複時間帯の長さに基づいて、貯湯時間を求める構成を例
示したが、例えば、重複時間帯の長さに所定の係数を乗
じた時間を非制限用の貯湯時間に加えることによって、
制限用の貯湯時間を求めるように構成して実施すること
も可能である。
【0066】(3)上記第1および第2実施形態では、
暖房設定時間帯および暖房加熱能力の設定について、人
為設定か自動設定かを選択可能に構成されている例を示
したが、人為設定のみまたは自動設定のみにて、暖房設
定時間帯および暖房加熱能力を設定するように構成して
実施することも可能である。
【0067】(4)上記第1および第2実施形態では、
貯湯設定時刻および設定貯湯量の設定について、人為設
定か自動設定かを選択可能に構成されている例を示した
が、人為設定のみまたは自動設定のみにて、貯湯設定時
刻および設定貯湯量を設定するように構成して実施する
ことも可能である。
【0068】(5)上記第1実施形態では、加熱部3と
して、ヒートポンプ式加熱部3aと補助加熱部3bとか
らなる構成を例示したが、加熱部3を、ヒートポンプ式
加熱部3aおよび補助加熱部3bのどちらか一方のみか
ら構成して実施することも可能である。また、加熱部3
としては、ヒートポンプ式加熱部3aおよび補助加熱部
3b以外の加熱手段を適応することも可能であり、加熱
部3の構成としては、加熱手段の数および加熱手段の種
類については適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における貯湯式の給湯装置の概略
構成図
【図2】貯湯式の給湯装置の制御ブロック図
【図3】貯湯時間演算処理の説明図
【図4】貯湯時間演算処理の説明図
【図5】給湯量と時刻との関係を表すグラフ
【図6】予約貯湯運転におけるフローチャート
【図7】第2実施形態における貯湯式の給湯装置の概略
構成図
【符号の説明】
1 貯湯タンク 3 加熱手段 4 給水路 5 給湯路 25 熱消費時間帯設定手段 H 運転制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000196680 西部瓦斯株式会社 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 (71)出願人 000135416 株式会社ハーマン企画 大阪府大阪市此花区春日出南三丁目2番10 号 (72)発明者 鈴木 究 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 田之頭 健一 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 山口 和也 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 栢原 義隆 大阪府大阪市此花区北港白津1丁目1番3 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 岩田 伸 大阪府大阪市此花区北港白津1丁目1番3 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 滝本 桂嗣 大阪府大阪市此花区北港白津1丁目1番3 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 高木 博司 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 東 邦瓦斯株式会社内 (72)発明者 松本 和博 福岡県福岡市西区今宿青木421番地4 西 部瓦斯株式会社内 (72)発明者 橋詰 康人 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 河内 敏弘 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 藤川 泰 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 藤本 善夫 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 崎石 智也 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に給湯路が接続されかつ下部に給水
    路が接続されている貯湯タンクと、 前記貯湯タンク内の湯水を加熱するとともに、熱消費端
    末に供給する加熱対象流体を加熱する加熱手段と、 その加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けら
    れている貯湯式の給湯装置であって、 前記運転制御手段が、設定された貯湯設定時刻に前記貯
    湯タンク内の貯湯量を設定貯湯量にするための貯湯時間
    に基づいて、前記貯湯設定時刻よりも前記貯湯時間だけ
    早い貯湯開始時刻を求めて、その貯湯開始時刻になる
    と、前記加熱手段の運転を開始させて、前記貯湯タンク
    内への貯湯を行う予約貯湯運転を実行し、 設定された熱消費設定時間帯の間、前記加熱手段を運転
    させて、前記熱消費端末への前記加熱対象流体の供給を
    行う熱供給運転を実行するように構成され、かつ、 前記予約貯湯運転において、 前記貯湯開始時刻から前記貯湯設定時刻までの貯湯時間
    帯に前記熱消費設定時間帯と重複する重複時間帯が存在
    しないときには、前記加熱手段の加熱能力が非制限能力
    であるとして、前記貯湯時間を求め、かつ、 前記重複時間帯が存在するときには、前記加熱手段の加
    熱能力が前記非制限能力よりも小さい制限能力であると
    して、前記貯湯時間を求める貯湯時間演算処理を実行す
    るように構成されている貯湯式の給湯装置。
  2. 【請求項2】 前記熱消費設定時間帯を変更設定する熱
    消費時間帯設定手段が設けられ、 前記運転制御手段が、前記熱消費時間帯設定手段の設定
    情報に基づいて、前記貯湯時間演算処理を実行するよう
    に構成されている請求項1に記載の貯湯式の給湯装置。
  3. 【請求項3】 前記運転制御手段が、実際の前記熱供給
    運転の実行時間帯に基づいて前記熱消費設定時間帯を求
    めて、その求めた熱消費設定時間帯に基づいて、前記貯
    湯時間演算処理を実行するように構成されている請求項
    1または2に記載の貯湯式の給湯装置。
  4. 【請求項4】 前記運転制御手段が、前記貯湯時間演算
    処理において、前記重複時間帯が存在するときには、前
    記加熱手段の最大加熱能力および前記熱供給運転を実行
    するための前記加熱手段の熱供給用の必要加熱能力に基
    づいて、前記制限能力を求めて、その求めた制限能力お
    よび前記重複時間帯の長さに基づいて、前記貯湯時間を
    求めるように構成されている請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の貯湯式の給湯装置。
  5. 【請求項5】 前記運転制御手段が、実際の前記熱供給
    運転における実加熱能力に基づいて前記熱供給用の必要
    加熱能力を求めるように構成されている請求項4に記載
    の貯湯式の給湯装置。
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