JP2003074132A - 断熱壁材の留め金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】外壁材と断熱層との間に十分な広さの断熱空間
を有する断熱壁を容易に施工することを課題とする。 【解決手段】壁基面２に固定される基板１０表面から壁
材５の支持板１１が延出され、該支持板１１の表裏面に
は、前記基板１０表面にあてがわれる断熱材３を位置決
めする係止片１２が立設され、該位置決め用係止片１２
から前記支持板１１の先端側に必要な空間幅Ｓを隔てて
外壁材４の端部に掛かり合う一対の位置決め用係止片１
３、１４が前記支持板に立設されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は断熱壁材の留め金
具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物の外壁構造として、該壁板の
裏面に断熱層を設けてなる断熱壁が知られている。

【０００３】これら断熱壁の施工法として一般的には、
発泡プラスチック成形体やガラスウールマットなどより
なる板状断熱材を胴縁で壁下地材固定した後、外装壁材
を前記胴縁表面に釘や取り付け金具などで止着していく
方法や、裏面に断熱板を貼り付けた外壁材を使用しこれ
を壁下地材に釘や取り付け金具などで止着していく方法
がある。

【０００４】しかし、前者の胴縁を用いた施工法は、胴
縁を断熱材表面から打ちつけ固定するので、断熱材の圧
縮率の違いにより胴縁表面に不陸が生じやすくなる問題
があった。

【０００５】また、断熱材施工、胴縁打付けさらに外壁
材貼付施工など工事の手間がかかるといった問題もあ
る。一方、後者の断熱材貼付けの外壁材を用いた場合
は、外壁材を壁下地に貼り付ければ一気に断熱層と外壁
材の施工が終了するので工事の手間が省ける利点を有す
るが、外壁材と断熱層とが積層一体化されているので、
両層の間に必要な通気空間が確保出来ず、別に防湿対策
が必要となる問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
を解消し、外壁材と断熱層との間に十分な広さの断熱空
間を有する断熱壁を容易に施工することを課題としてな
されたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、請求項１の断熱壁材の留め金具は、壁基面に固定さ
れる基板表面から壁材の支持板が延出され、該支持板の
表裏面には、前記基板表面にあてがわれる断熱材を位置
決めする係止片が立設され、該位置決め用係止片から前
記支持板の先端側に必要な空間幅を隔てて外壁材の端部
に係り合う一対の位置決め用係止片が前記支持板に立設
されてなるものである。

【０００８】即ち、断熱材と外壁材とが必要な断熱空間
を隔てて一つの金具に取り付けるように構成したので、
一種類の金具の固定で断熱壁を構築可能となり施工が容
易となる。

【０００９】また、断熱壁内には確実に断熱空間が形成
されるので結露に対する効果を有する。また、金具は壁
下地面に直接固定できるので断熱材上に固定した時のよ
うな不陸発生の問題もなくなる。

【００１０】請求項２の断熱壁材の留め金具は、上記請
求項１における断熱壁材の留め金具の全体が壁基面に沿
って連続する長尺体とされ、支持板の断熱空間に対応す
る面に、支持板の上下面に貫通する通気孔が設けられた
ものである。

【００１１】取付け金具が壁面の幅一杯に取付ける長尺
体とした場合は、支持板に形成された貫通孔を通じて断
熱空間内の空気流通が図られる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態であ
る断熱壁材の留め金具を説明する。 実施の形態１ 図１は実施の形態１である断熱壁材の留め金具の斜視
図、図２以下は使用状態図を示す断面図である。

【００１３】図１において、断熱壁材の留め金具１は、
柱、桁などの壁基面２に固定される基板１０表面から断
熱材３や外壁材４などの壁材５の支持板１１が延出成形
され、この支持板１１の表裏面には基板１０表面にあて
がわれる断熱材３を位置決めする係止片１２、１２が立
設されている。

【００１４】そして、この係止片１２から断熱空間とし
て必要な空間幅Ｓを隔てて外壁材４の端部６に係り合う
一対の位置決め用係止片１３、１４が立設されて構成さ
れている。

【００１５】上記において、基板１０、支持板１１、係
止片１２、１３、１４は、全体がステンレス、アルミ軽
合金などの金属ないしは硬質プラスチックなどで一体成
形され、基板１０には釘、ビスなどの止着具７用の貫通
孔１５が穿設されている。

【００１６】次に、上記断熱壁材の留め金具１を用いて
断熱壁を構築する場合について説明する。まず、図２に
示すように、柱や桁などの壁基面２に基板１０を釘など
の止着具７を打ち込んで固定する。そして、発泡樹脂な
どからなる断熱材３を基面１０と係止片１２との間に設
置し、次いで繊維補強セメント板などの外壁材４を係止
片１３、１４に設置する。

【００１７】図示した外壁材４は、上下端縁に互いに嵌
合する接合用段部４ａ、４ｂが形成され、係止片１３は
外壁材４の裏面に当接され、係止片１４は接合用段部内
に形成した嵌合溝４ｃに係合するようにされている。

【００１８】このように断熱材３、外壁材４の下端を設
置して位置決めすれば、これらの上端部に断熱壁材の留
め金具１を当てがい、壁基面２に基板１０を釘などの止
着具７を打ち込んで固定する。

【００１９】このようにして順次断熱材３、外壁材４を
止着していく。このとき、外壁材４と断熱材３との間に
は幅Ｓの隙間が出来、これが全壁面にわたる通気空間８
となるので、断熱壁内の結露が防止され、また結露が生
じたとしても通気により速やかに乾燥する。

【００２０】従って、この断熱壁材の留め金具１によれ
ば、断熱材３と外壁材４との間に通気空間８を有する断
熱壁が容易に施工することができる。なお、上記実施の
形態１の他の構成例として、図３に示すように係止片１
２及び１３の上下縁を互いに向き合う方向に傾く傾斜面
１２ａ、１３ａとして、嵌合される断熱材３や外壁材４
の案内面となるようにしても良い。

【００２１】さらに、図４（ａ）〜（ｃ）に示すように
支持板１１の通気空間８（図２）に対応する面１１Ｓ部
分を断面中空の方形状とすることもできる。この場合、
断面方形状部分に屋内配線を挿通して保持するようにす
ることができる。

【００２２】なお、図４（ａ）に示したものは断面を縦
長長方形としたもの、（ｂ）は断面の上下面を山形の傾
斜面としたもので、断熱材や壁板材を嵌めつけるときに
上下面がガイド面となるようにしたもの、（ｃ）は同様
な目的の元湾曲面としたもので、この場合は曲面により
応力集中を避け、強度向上を図ったものである。

【００２３】なお、その他の構造は図１、２で説明した
ものと同じであるので同一部分に同一符号を付すことに
より詳細な説明は省略する。 実施の形態２ 図５は実施の形態２である断熱壁材の留め金具の要部斜
視図である。

【００２４】この実施の形態２の断熱壁材の留め金具１
は、断面形状は実施の形態１の断熱壁材の留め金具と同
一であるが、長尺ものとされている点が異なり、支持板
１１により通気空間が遮断されないよう、支持板１１の
断熱空間に対応する面１１Ｓに、表裏面に貫通する貫通
孔１６…が設けられている。

【００２５】なお、実施の形態１と同一部分については
同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。そ
して、この断熱壁材の留め金具１により断熱壁を構築す
るには、まず、図６に示すように、複数本の柱や桁など
の壁基面２に基板１０を配置し、釘などの止着具７を打
ちこんで長尺の断熱壁材の留め金具１を水平に固定す
る。

【００２６】そして、発泡樹脂などからなる断熱材３及
び外壁材４の高さにに対応する位置にもう一つの断熱壁
材の留め金具１を止着具７で前記止め金具１と並行に固
定する。

【００２７】そして、留め金具１、１間に断熱材３、外
壁材４を長さ方向端部から嵌めこむように嵌合し長手方
向へ滑らせて配置し順次断熱材３外壁材４を止着してい
く。外壁材４と断熱材３との間には幅Ｓの隙間が出来、
また支持板１１に穿設された貫通孔１６…によってそれ
ぞれの空間が連通されているので、これが全壁面にわた
る通気空間８となり、断熱壁内の結露が防止され、また
結露が生じたとしても通気により速やかに乾燥する。

【００２８】なお、この実施の形態２においても図７に
示すように、係止片１２及び１３の上下縁を互いに同方
向に傾く傾斜面１２ａ、１３ａとし、嵌合される断熱材
３や外壁材４の案内面となるようにしても良い。

【００２９】さらに、支持板１１の通気空間８に対応す
る面１１Ｓ部分を図８（ａ）〜（ｃ）に示すように断面
中空の方形状に形成して、この部分を配線用ダクトとし
て利用しても良い。

【００３０】この場合の中空形状として（ａ）に示した
ように縦長長方形とするほか、（ｂ）に示すように上下
面を山形にしたもの、（ｃ）に示したように湾曲面とす
る場合があるがそれぞれの形状とした作用効果は図４
（ａ）〜（ｃ）についての説明と同じであるため省略す
る。また、同一部材についても同一符号を付すだけで説
明は省略する。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、断熱材と外壁材と
で断熱壁を構成する場合、この発明の断熱壁材の留め金
具によれば、断熱材と外壁材との間に通気空間を形成す
ることができるので、壁内結露などが防止できる効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態１である断熱壁材の留め金具の斜視
図である。

【図２】実施の形態１である断熱壁材の留め金具の使用
状態図を示す断面図である。

【図３】実施の形態１の他の構成例の斜視図である。

【図４】実施の形態１のさらに他の構成例の斜視図であ
り、（ａ）は通気空間に対応する部分を断面縦長長方形
状とした場合、（ｂ）は上下面を山形の傾斜面とした場
合、（ｃ）は上下面を湾曲面とした場合である。

【図５】実施の形態２である断熱壁材の留め金具の要部
斜視図である。

【図６】実施の形態２である断熱壁材の留め金具の使用
状態図を示す断面図である。

【図７】実施の形態２の他の構成例の断面図である。

【図８】実施の形態２のさらに他の構成例の斜視図であ
り、（ａ）は通気空間に対応する部分を断面縦長長方形
状とした場合、（ｂ）は上下面を山形の傾斜面とした場
合、（ｃ）は上下面を湾曲面とした場合である。

【符号の説明】

１ 断熱壁材の留め金具 ２ 壁基面 ３ 断熱材 ４ 外壁材 ７ 止着具 １０ 基板 １１ 支持板 １２ 係止片 １３ 位置決め用係止片 １４ 位置決め用係止片 １６ 通気用貫通孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2E001 DD01 FA04 FA09 GA12 HB03 HB04 HD11 HF11 KA05 LA08 LA12

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】壁基面に固定される基板表面から壁材の支
   持板が延出され、該支持板の表裏面には、前記基板表面
   にあてがわれる断熱材を位置決めする係止片が立設さ
   れ、該位置決め用係止片から前記支持板の先端側に必要
   な空間幅を隔てて外壁材の端部に係り合う一対の位置決
   め用係止片が前記支持板に立設されてなる断熱壁材の留
   め金具。
2. 【請求項２】請求項１における断熱壁材の留め金具の全
   体が壁基面に沿って連続する長尺体とされ、支持板の断
   熱空間に対応する面に、支持板の表裏面に貫通する通気
   孔が設けられた断熱壁材の留め金具。