JP2003073789A - 被削性に優れた無鉛快削黄銅の製造方法 - Google Patents
被削性に優れた無鉛快削黄銅の製造方法Info
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Abstract
Bi入り無鉛快削黄銅の製造方法を提供する。 【解決手段】 Bi:1.0〜4.0%を含有するCu
−Zn合金を、該合金の組織中のα相とβ相の比率が
9:1となる温度以上、β相単相となる温度未満の温度
域で熱間押出を行い、熱間押出後、強制冷却する。ある
いは、合金の組織がβ相単相となる温度域で熱間押出を
行う。
Description
械加工条件によらず良好な被削性を有する無鉛快削黄銅
の製造方法に関する。
を含有する銅合金、例えば、Pbを含有するCu−Zn
合金は、鋳造性、熱間および冷間加工性、機械加工性に
優れているため、水栓金具、バルブ部品、軸受け、歯車
などとして使用されており、その材料特性として、機械
加工が一般に自動旋盤を使用して行われるため、被削抵
抗が低く且つ被削屑が分断される良好な被削性が要求さ
れている。
C3600、C3700に快削黄銅として登録され、
良好な被削性を与えるためのPbは含有濃度により規定
されているが、濃度が同じであっても、機械加工条件に
よっては十分な被削性が得られない場合がある。
及ぼす有害物質とされ使用が制限される傾向にあること
から、Pbに代えてBiを添加した切削用黄銅もある
が、このBi入り黄銅においても、機械加工条件によっ
ては被削屑が連続し十分な被削性が得られない場合があ
る。
々の実験、検討を行い、被削性の相違は、材料の熱間加
工温度、熱間加工度や冷却速度など、製造条件により、
マトリックス中におけるPbあるいはBi粒子の分布形
態が異なることに起因することを見出し、さらに実験、
検討を重ねた結果として、Pb入り黄銅あるいはBi入
り黄銅において、マトリックス中にPb粒子あるいはB
i粒子を1mm3 当たり105 個以上分散させることに
より、機械加工において加工条件に関係なく被削抵抗が
低く且つ被削屑が細かく分断されることを知見した(特
願2000−266598号)。
は、機械加工条件によらず良好な被削性が得られるが、
このような粒子分散は、熱間加工条件に影響され、組成
が同一であっても、熱間加工条件が変わると粒子分散数
が異なり、良好な被削性が得られない場合がある。
てBiを添加したBi入り切削用黄銅において、前記の
条件を満足する粒子分散数を得るための熱間加工条件に
ついて検討した結果としてなされたものであり、その目
的は、機械加工条件によらず良好な被削性を有する無鉛
快削黄銅の製造方法を提供することにある。
めの本発明の請求項1による無鉛快削黄銅の製造方法
は、Bi:1.0〜4.0%を含有するCu−Zn合金
を、該合金の組織中のα相とβ相の比率が9:1となる
温度以上、β相単相となる温度未満の温度域で熱間押出
を行い、熱間押出後、強制冷却することを特徴とする。
快削黄銅の製造方法は、Bi:1.0〜4.0%を含有
するCu−Zn合金を、該合金の組織がβ相単相となる
温度域で熱間押出を行うことを特徴とする。
を含有する快削黄銅は、通常は棒材として供給され、そ
の製造は、上記の組成を有する合金を造塊し、得られた
ビレットを熱間押出加工し、さらに必要に応じて冷間抽
伸加工を行い、矯正、仕上げ加工することにより行われ
る。Biはマトリックスに固溶せず、熱間加工直後にお
いては溶融しているが、その後の冷却によって凝固し、
マトリックス中に独立粒子としてマトリックスと非整合
に分散し、機械加工時にはチップブレーカーとして作用
して被削屑を分断化する。また、Biは、機械加工時に
加工熱により溶融し、機械加工工具と材料間の潤滑剤と
して被削抵抗を低減するよう機能する。
優れた被削性を与えるための低融点金属粒子の分布形態
を得るためには、マトリックス中に、低融点金属Biの
粒子を1mm3 当たり105 個以上分散させることが必
要である。この分布形態によって、材料強度や材料に付
与された歪量に関係なく、また機械加工条件にかかわら
ず、被削屑が分断される。
加工において溶融状態にあるBiは、黄銅組織中のβ相
よりα相に濡れ易いため、α/α界面またはα/β界面
に存在する。すなわち、α結晶粒界の移動により溶融B
iも移動するため、α相の粒成長に伴って溶融Biは凝
集し粗大化するから、α相の粒成長を抑制することによ
り、分散Bi粒子数を多くすることが可能となる。
3 当たり105 個以上分散させるには、黄銅組織中のα
相とβ相の比率が9:1となる温度以上、β相単相とな
る温度未満の温度域で熱間押出を行い、熱間押出後、強
制冷却するのが好ましい。さらに好ましくは、押出効率
を考慮して、α相とβ相の比率が1:1となる温度以上
で熱間押出加工を行う。
熱間押出加工を行うこともでき、この場合には、溶融B
iが濡れる界面が存在しないため、溶融Biは表面張力
を小さくするために微細に粒状化し、Bi粒子が1mm
3 当たり105 個以上となる分散状態を得ることができ
る。さらに好ましくは、押出加工中の温度低下およびビ
レットの溶解を考慮して、(β相単相となる温度範囲の
下限+30℃)の温度〜(β相単相となる温度範囲の上
限−30℃)の温度で熱間押出加工を行う。
01〜0.1%のP、0.5〜4.0%のSi、0.1
〜0.5%のFeを含有させることによりその特性を改
善することができる。Pは脱亜鉛腐食を抑制し、また結
晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒の粗大化に伴うBi粒子
の粗大化を抑制することができる。SiおよびFeも結
晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒の粗大化に伴うBi粒子
の粗大化を抑制するよう機能する。
明するとともに、それに基づいてその効果を実証する。
なお、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様
を説明するためのものであって、これにより本発明が制
限されるものではない。
配合して添加元素濃度を調整することにより、表1に示
す組成の合金(合金A〜D)を溶解、鋳造し、直径29
4mmのビレットに造塊した。
径20mmの棒材に熱間押出加工した後、試験材No.
1〜2は空冷し、試験材No.3〜4は水冷した。
方法により、Biの粒子の分布形態を測定し、被削性を
評価した。結果を表2に示す。
よりマトリックスの反射電子像を撮影し、画像解析によ
り分布形態を特定した。 被削性:周速10〜300m/分、切り込み量0.01
〜2.5mm、送り量0〜0.25mm/rev.と
し、各種形状のバイトを使用して切削加工を行い、いず
れの切削条件においても切粉が剪断型の形態となり細か
く分断して被削性が優れていたものは合格(○):いず
れか1つでも切屑が連続したものは不合格(×)とし
た。
材No.1〜4はいずれも、組織中に105 個/mm3
以上のBi粒子が存在し、良好な被削性をそなえてい
る。
配合して添加元素濃度を調整することにより、表3に示
す組成の合金(合金E〜F)を溶解、鋳造し、直径29
4mmのビレットに造塊した。
径20mmの棒材に熱間押出加工した後、空冷した。
1と同一の方法により、Biの粒子の分布形態を測定
し、被削性を評価した。結果を表4に示す。
よび6は、いずれも熱間押出加工後の冷却速度が遅く、
α相の粒成長が十分に抑制されなかったため、α粒の粗
大化が生じ、分散Biが凝集した結果、Bi粒子の分散
形態は105 個/mm3 未満となり、被削性の劣るもの
となった。
良好な被削性を有するBi入り無鉛快削黄銅の製造方法
が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 Bi:1.0〜4.0%(質量%、以下
同じ)を含有するCu−Zn合金を、該合金の組織中の
α相とβ相の比率が9:1となる温度以上、β相単相と
なる温度未満の温度域で熱間押出を行い、熱間押出後、
強制冷却することを特徴とする被削性に優れた無鉛快削
黄銅の製造方法。 - 【請求項2】 Bi:1.0〜4.0%を含有するCu
−Zn合金を、該合金の組織がβ相単相となる温度域で
熱間押出を行うことを特徴とする被削性に優れた無鉛快
削黄銅の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001268423A JP2003073789A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 被削性に優れた無鉛快削黄銅の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001268423A JP2003073789A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 被削性に優れた無鉛快削黄銅の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003073789A true JP2003073789A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=19094406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001268423A Pending JP2003073789A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 被削性に優れた無鉛快削黄銅の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073789A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006097074A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Dowa Mining Co Ltd | 快削黄銅 |
JP2008529803A (ja) * | 2005-02-18 | 2008-08-07 | ルバタ オサケ ユキチュア | 銅および亜鉛を含有する合金の押出成形 |
JP2014529005A (ja) * | 2011-04-14 | 2014-10-30 | フェデラル−モーグル ヴィースバーデン ゲーエムベーハーFederal−Mogul Wiesbaden Gmbh | 無鉛滑り軸受材料を製造するプロセス |
-
2001
- 2001-09-05 JP JP2001268423A patent/JP2003073789A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008529803A (ja) * | 2005-02-18 | 2008-08-07 | ルバタ オサケ ユキチュア | 銅および亜鉛を含有する合金の押出成形 |
JP2014529005A (ja) * | 2011-04-14 | 2014-10-30 | フェデラル−モーグル ヴィースバーデン ゲーエムベーハーFederal−Mogul Wiesbaden Gmbh | 無鉛滑り軸受材料を製造するプロセス |
US9492868B2 (en) | 2011-04-14 | 2016-11-15 | Federal-Mogul Wiesbaden Gmbh | Process for producing a lead-free sliding bearing material |
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