JP2003073658A - 冷却液組成物 - Google Patents

冷却液組成物

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JP2003073658A
JP2003073658A JP2001268639A JP2001268639A JP2003073658A JP 2003073658 A JP2003073658 A JP 2003073658A JP 2001268639 A JP2001268639 A JP 2001268639A JP 2001268639 A JP2001268639 A JP 2001268639A JP 2003073658 A JP2003073658 A JP 2003073658A
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cooling
cooling liquid
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Hideharu Shimokawa
下川秀晴
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NIPPON SHIIMA KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 わずかな含有量で優れた腐食防止効果を有
し、長期間冷却水を使用してもフィルターの目詰まりを
生じない冷却液組成物を提供する。 【解決手段】グリコール類、アルコール類、グリセリン
等の水溶性有機媒体および親水性炭素質、例えば、水系
で炭素電極の電界酸化により得られた炭素質を含有する
冷却液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結防止を目的と
した不凍液や、食品工業用冷却水として使用される冷却
液組成物に関するものであり、特に自動車エンジン等の
内燃機関用ラジエーター液に添加して使用される冷却液
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品工業用冷却液や、内燃機関、例え
ば、自動車用エンジンの冷却を目的とする冷却液は、冬
季に凍結しないこと、冷却系統の金属腐食を起こさない
ことが要求性能として挙げられる。当該冷却液組成物は
一般に水で希釈して使用されるが、通常、水の凝固点を
下げ、寒気時の凍結を防止するためのグリコール類、ア
ルコール類等の水溶性有機媒体、冷却系統の金属類の腐
食を防止するための各種の防錆剤などからなる。
【0003】自動車の冷却装置は、アルミニウム、鉄、
銅、黄銅などの材質で作られており、これらの金属の表
面と冷却水が触れることにより、錆が発生し、または金
属が溶出してイオン化する場合がある。特に、冷却機構
における高温、高圧の条件下ではその傾向が著しい。こ
れらの錆や金属イオンの沈殿はフィルターの目詰まりの
原因となり、冷却水の冷却効率を減少させ、ついにはエ
ンジンのオーバーヒートを生じさせ得る。
【0004】そこで、冷却液には凍結防止剤に加えて、
金属の腐食を防止すべく、各種の防錆剤が添加されてい
るが、これら防錆剤により所定の防錆効果を得るために
は、相当高濃度に防錆剤を添加する必要がある。この問
題を解決するために、わずかの添加量で特にアルミニウ
ムに防錆効果のある添加剤として、木炭、竹炭などの炭
素質を添加することが提案されている。
【0005】しかし、これらの炭素質は、長期間の使用
により、炭素質自体が凝集、沈殿し、フィルターの目詰
まりを起こす場合がある。特に長時間エンジンを使用し
ない場合に、その傾向が顕著である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に対
し、本発明は、わずかな含有量で優れた腐食防止効果を
有し、長期間冷却水を使用してもフィルターの目詰まり
を生じない冷却液組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
末、次の構成によって上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成させた。すなわち、水溶性有機媒体お
よび親水性の炭素質を含有することを特徴とする冷却液
組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の冷却液組成物は、親水性
の炭素質を含有することを特徴とする。ここで、親水性
とは、静電的相互作用や水素結合などによって水分子と
弱い結合をつくり,水に対して親和性を示す性質をい
い、該炭素質の表面またはその内部に、ヒドロキシ基
(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基
(−NH=)、カルボニル基(=CO)、スルホ基(−
SO=H)などの極性基や解離基を含むものが考えられ
る。
【0009】これらの、親水性の炭素質を製造する方法
としては、種々の方法が考えられるが、例えば炭素陽極
の電解酸化により得ることができる。ここで、炭素陽極
に使用する炭素材料は特に限定されず、例えば、結晶
質、非晶質の別を問わず、また天然、人口の別も問わな
い。さらに焼結体、未焼結体のいずれの形態の炭素陽極
も使用し得る。電極の形状も特に限定されず、塊状、板
状、棒状等いかなる形状でもよい。
【0010】電解酸化時の電解液は、水系である必要が
あり、通常は水単独でよいが、目的に応じて水の中にそ
の他の電解質、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、
水酸化カリウムなどを添加してもよい。なお、水道水等
の微量のミネラル分を有する水は、特に薬剤を添加する
必要がなく、適度の導電性があり、良質の炭素質が得ら
れる。
【0011】以下に、親水性炭素質の炭素陽極の電解酸
化による具体的調製方法を述べる。水道水などを電解液
に、陽極として炭素棒を、陰極として白金などを使用す
る。電極間の電圧は電解液にとって電気分解が起こるに
十分高い電圧とする。電気分解が進むにつれて、炭素粒
子が懸濁するが、溶液のpHの値が2.5に減少するま
で電気分解を行う。このとき、炭素粒子は溶液中で他の
分散剤なしでコロイド状態で懸濁する。なお、炭素粒子
の沈降は炭素粒子の調製の10日後でも見られない。
【0012】上記炭素懸濁液は、そのまま水溶性有機媒
体と混合して、冷却剤組成物を調製することができ、ま
た、当該懸濁液を乾燥して、親水性炭素粉末とした後
に、水溶性有機媒体と混合して、冷却剤組成物を調製す
ることも可能である。なお、電解酸化炭素粒子は、一旦
乾燥粉末にした場合でも、再度水中に分散させることで
懸濁させることが可能であり、冷却水の再生剤とするこ
ともできる。すなわち、冷却液組成物が劣化し、冷却効
率の低下したラジエーター液に、当該親水性炭素質粉末
を混合することで、その冷却効率を再度上昇させること
ができる。
【0013】上記親水性炭素質粉末粒子の径は、1〜1
0nmの範囲が好ましい。10nmより大きいと水溶性
有機媒体内で沈殿を生じる場合があり、また1nmより
小さい親水性炭素質粉末では、金属イオンの吸着、清浄
分散性能が劣る場合があり、また製造も困難だからであ
る。本願において、特に好ましい範囲は、2〜4nmの
範囲である。
【0014】また、親水性炭素質は、冷却液に対して、
0.001〜0.5重量%の範囲であることが好まし
い。0.001重量%未満では十分な効果を発揮し得
ず、また0.5重量%を超えて添加すると、親水性炭素
質の分散状態が保てない場合があるからである。また、
冷却液組成物は全体としてのpHが通常7〜9であるこ
とが好ましいが、炭素陽極の電解酸化により調製した親
水性炭素質を用いる場合は、その炭素質懸濁液のpHが
2〜3程度と低いことから、この添加量が多すぎると冷
却液組成物のpHが7未満になって好ましくない。
【0015】次に、本発明の冷却液組成物は、水溶性有
機媒体を含有するが、ここで、水溶性有機媒体とは、水
に可溶でかつ防錆剤を可溶化する能力を有する有機媒体
であって、水の凝固点を下げるものをいう。上記能力を
有する場合には特にその種別は限定されず、具体的には
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコー
ル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、グ
リセリンなどが挙げられる。これらは1種または複数種
を組み合わせて用いてもよい。
【0016】また、本願の冷却液組成物は、その効果を
損なわない程度に、防錆剤、消泡剤などの添加剤を混合
してもよい。防錆剤としては、有機脂肪酸およびその
塩、無機酸およびその塩、エステル、トリアゾール類な
どが挙げられるが、本願の親水性炭素質はそれ自体に防
錆効果があることから、これら他の防錆剤は通常よりも
添加量を減らすことができる。また消泡剤としては、シ
リコーン系に代表される通常の消泡剤を使用することが
できる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、この例によってなんら限定される
ものではない。評価は、下記の方法で実施した。 (1)腐食試験 不凍液金属腐食性試験機を用い、JIS K 2234
に準拠して実施した。具体的には、試験水を温度88±
2℃に保ち、100±10ml/minで空気を送りな
がら、336時間放置した。 (2)実車試験 三菱自動車工業(株)社製1989年型2500ccの
エンジンを有するディーゼル車(94,000km走
行)のラジエーターに試料を添加し、添加前後のクーラ
ント液の状態を日本自動車電子機器工業(株)社製酸化
度テスターで測定した。測定は添加前、添加直後、添加
後1〜7週間にわたって行った。また、評価は、当該テ
スターによる酸化度が0〜3場合には○、3を越えて6
までの場合を△、6を越えて9までの場合を×で表し
た。
【0018】実施例1 プロピレングリコールに親水性の炭素質0.03重量%
を添加した不凍液28重量%に、防食剤(「チオライト
C−385」千代田ケミカル(株)社製)2重量%、及
び水70重量%を混合して試料溶液を調製した。使用し
た水の塩素イオン濃度Cl-は100ppm、硫酸イオ
ン濃度SO4 2-は100ppm及び炭酸水素イオンHC
3 -は100ppmであった。溶液Aの腐食試験を行っ
た結果を第1表に示す。
【0019】実施例2 プロピレングリコールに親水性の炭素質0.3重量%を
添加した不凍液90重量%に、実施例1と同様の防食剤
3重量%、及び水7重量%を混合して試料溶液を200
ml調製した。使用した水の塩素イオン濃度Cl-、硫
酸イオンSO4 2-及び炭酸水素イオンHCO3 -100p
pmを含有していた。溶液Bの実車試験を行った結果を
第2表に示す。
【0020】比較例1 実施例1で使用した親水性炭素質の代わりに、木炭炭素
を添加したこと以外は実施例1と同様に試料を調製し
た。結果を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】*1 試験片とスペーサーとの接触部以外
に、目視によって認めることができる腐食がない場合に
○と評価される。ただし変色は差し支えない。 *2 冷却器から泡があふれ出ない場合に○と評価され
る。 *3 色に著しい変化がなく、液に分離・ゲル発生など
の著しい変化がない場合に○と評価される。実施例1に
おいては、沈殿量がJIS規格値を満足し、良好な結果
を示したのに対し、比較例1は規格値を満足しなかっ
た。
【0023】
【表2】
【0024】第2表に示される結果から本発明の冷却液
組成物は、後から添加しても効果を発揮するとともに、
その後長期間にわたって、効果が持続することがわか
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、わずかな含有量で優れ
た腐食防止効果を有し、長期間冷却水を使用してもフィ
ルターの目詰まりを生じないうえに、従来必要とされて
きた防錆剤の添加量を減少させることができる。また、
本発明の炭素質をラジエーターに後から添加した場合で
も、クーラントの状態を改善し、その後長期間にわたっ
て良好な状態を保つことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性有機媒体および親水性の炭素質を
    含有することを特徴とする冷却液組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性有機媒体および水系で炭素陽極の
    電解酸化により得られた炭素質を含有することを特徴と
    する冷却液組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性有機媒体がグリコールであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の冷却液組成物。
  4. 【請求項4】 冷却液組成物に対する炭素質の割合が
    0.001〜0.5重量%であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の冷却液組成物。
  5. 【請求項5】 炭素質の粒子径が1〜10nmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷却液
    組成物。
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