JP2003073399A - 発蛍光性修飾タンパク質 - Google Patents

発蛍光性修飾タンパク質

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JP2003073399A
JP2003073399A JP2001262778A JP2001262778A JP2003073399A JP 2003073399 A JP2003073399 A JP 2003073399A JP 2001262778 A JP2001262778 A JP 2001262778A JP 2001262778 A JP2001262778 A JP 2001262778A JP 2003073399 A JP2003073399 A JP 2003073399A
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fluorescent
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Itaru Hamachi
格 浜地
Seiji Shinkai
征治 新海
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レクチンのような糖結合性タンパク質を改変
してオリゴ糖を選択的に認識してその糖の検出等に用い
られる修飾タンパク質を得る。 【解決手段】 糖結合性部位を有するタンパク質と光反
応性化合物とを光反応させることによりタンパク質の糖
結合性部位に糖が結合し且つその近傍のタンパク質表面
に光反応性化合物由来の原子団が結合した修飾タンパク
質を生成し;得られた修飾タンパク質を酸化処理または
還元処理することにより、糖が解離され発蛍光性化合物
結合性原子団が発現した修飾タンパク質を生成し;この
修飾タンパク質にフェニルボロン酸を有する発蛍光性化
合物を反応させることにより、糖結合性部位の近傍に第
2の結合性部位が結合した修飾タンパク質を生成するこ
とによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質を修飾
する技術分野に属し、特に、糖類の存在下に蛍光変化し
て糖類の検出等に用いられることができる発蛍光性修飾
タンパク質とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】糖は、生体に必須の有機化合
物の一つであり、情報伝達、エネルギー代謝、構造体形
成などにおいて重要な役割を果たしている。したがっ
て、糖濃度を測定することは、疾病の予防や診断などに
おいて重要である。
【0003】現在実用に供されている糖類の検出手段と
しては、酵素を用いるグルコースセンサーがよく知られ
ている。これは、酵素(グルコースオキシダーゼ)を用
いてグルコースを分解し、その際生じる過酸化水素を適
当な手段(たとえば、電気的手段)で測定することによ
りグルコースの濃度を求めるものである。この方法は確
立された技術ではあるが、用いる酵素は生体由来である
ので、不可逆的に経時変質し、再使用することはできな
い。最近、安定なセンサーとして化学合成によって得ら
れる物を用いる糖類の検出手段も幾つか提案されている
が、特定の糖類を識別し且つそれを物理シグナルとして
読み出させるようにした技術として確立されたものは少
ない。
【0004】本発明者らは、先に、天然に存在し糖類を
認識する優れたホスト化合物であるレクチンのようなタ
ンパク質に注目し、これらのタンパク質の糖認識部位
(糖結合性部位)の近傍に蛍光色素を導入した糖類検出
系を提示した(特願平11−144174:特開200
0−338044)。この系は、レクチンのようなタン
パク質によって認識され該タンパク質に結合した糖を蛍
光によって読み出すことができるようにしたものであ
り、天然の糖結合性タンパク質を一般的に知られた蛍光
色素を用いて修飾(エンジニアリング)して糖センサー
用タンパク質を実現した数少ない例であるが、検出され
る糖は当該タンパク質が本来的に認識し得るものに限ら
れており、また、その検出感度も充分ではない。例え
ば、レクチンの1種であるコンカナバリンA(ConA)
由来の蛍光性修飾タンパク質は、グルコースやマンノー
スなどの単糖構造から成る糖類を選択的に結合させ検出
することができるが、その結合は低濃度の糖類を検出す
るには充分でなく、特にオリゴ糖に対する糖センサーと
しては満足すべきものではない。
【0005】本発明の目的は、レクチンのような天然型
の糖結合性タンパク質が本来的に有する糖選択性を変換
して新たな選択性を発現し、特に、オリゴ糖を選択的に
認識して結合させ、それらの糖の検出に用いられるよう
なタンパク質を得ることのできるタンパク質の修飾(改
変)技術を創出することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以前に、
発蛍光性原子団を含み、フェニルボロン酸部位とアミン
性窒素とを有しアミン性窒素がフェニルボロン酸部位の
近傍に配置されてフェニルボロン酸と分子内結合するよ
うな分子構造から成る発蛍光性化合物を案出している
(特許第2883824号)が、このたび、このフェニ
ルボロン酸を有する発蛍光性化合物を付加してレクチン
などの糖結合性タンパク質を修飾することにより、上記
の目的を達成したものである。
【0007】かくして、本発明に従えば、下記の各工程
を含むことを特徴とするオリゴ糖の存在下に蛍光変化す
る修飾タンパク質の製造方法が提供される。 イ.糖結合性部位を有するタンパク質と、一般式SGR
−X−Yで表わされる光反応性化合物〔式中、SGRは
前記タンパク質が結合する糖を表し、Xは、酸化処理ま
たは還元処理により前記糖(SGR)が解離されるとき
に、下記の式(I)で表されるフェニルボロン酸を有す
る発蛍光生化合物にその原子団(Z)を介して結合する
ような原子団(X’)を発現する官能基を表し、Yは、
光照射により光反応して、前記タンパク質の表面に結合
するような原子団(Y’)を発現する官能基を表す〕と
を光反応させることにより、前記タンパク質の糖結合性
部位に糖(SGR)が結合し且つその近傍のタンパク質
表面に原子団(Y’)が結合した修飾タンパク質を生成
する工程。
【0008】ロ.工程イで得られた修飾タンパク質を酸
化処理または還元処理することにより、糖(SGR)が
解離され発蛍光性化合物結合性原子団(X’)が発現し
た修飾タンパク質を生成する工程。
【0009】ハ.工程ロで得られた修飾タンパク質に下
記の式(I)で表されるフェニルボロン酸を有する発蛍
光性化合物を反応させることにより、前記タンパク質の
糖結合性部位の近傍にフェニルボロン酸を有する発蛍光
性分子が結合した修飾タンパク質を生成する工程。
【0010】
【化5】
【0011】式(I)中、Zは前記原子団(X’)と反
応し得る部位を表わし、Fluは発蛍光性の原子団であ
り、Rは炭素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基
であり、nおよびmは、それぞれ独立して0.1または
2であり、n+mは2または3である。
【0012】さらに、本発明は、別の視点から、上記の
ような方法によって製造される修飾タンパク質、すなわ
ち、糖結合性部位を有するタンパク質由来の修飾タンパ
ク質であって、糖結合性部位の近傍に下記の式(II)で
表されるフェニルボロン酸を有する発蛍光性分子が結合
され、オリゴ糖の存在下に蛍光変化することを特徴とす
る修飾タンパク質も提供する。
【0013】
【化6】 式(II)中、Flu、R、nおよびmは、(I)式に関
連して既述した場合と同じである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明によって得られる発蛍光性
タンパク質は、糖結合性のタンパク質に前記の式(II)
で表される発蛍光性分子が付加されることによって修飾
されたタンパク質である。式(II)において〔したがっ
て、式(I)においても〕、Fluは発蛍光性の原子団
(fluorophore)を表す。発蛍光性の原子団としてはπ
電子系を含む多くのものが適用可能であるが、好ましい
発蛍光性原子団としては、ナフチル基、アンスリル基、
ピレニル基、またはフェナンスリル基などの発蛍光性芳
香族官能基を挙げることができる。
【0015】式(II)〔および式(I)〕において窒素
原子(N)に結合しているRは、脂肪族または芳香族の
官能基であり、一般には、炭素数が1〜4のアルキル基
(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)または
フェニル基である。また、式(II)〔および式(I)〕
におけるmは、0、1または2である。すなわち、窒素
原子は、ボロン酸部位に近接して配置されており、具体
的には、メチル基もしくはエチル基を介して、または直
接的に、フェニルボロン酸基のオルト位に結合してい
る。好ましくは、mは1であり、すなわち、窒素原子は
メチレン基を介してフェニル基に結合している。さら
に、式(II)〔および式(I)〕において、nも0、1
または2であり、ここで、n+mは2または3である。
すなわち、窒素原子およびボロン酸は、発蛍光性原子団
または官能基から遠く離れずに配置されている。好まし
くはnは1である。
【0016】式(II)で表されるような分子は、光誘起
電子移動(PET : Photo-induced Electron Transfer)
を利用して糖を検出することができる優れたセンサー分
子である。図1は、式(II)においてFluがアンスリ
ル基、Rがメチル基、nとmが1の場合を例にとり、P
ET機構による糖のセンシング機構を模式的に示すもの
である。すなわち、中性条件下かつ糖類の不存在下で
は、窒素原子の非共有電子対から励起状態のアントラセ
ンの空軌道への電子移動による分子内消光が起こるた
め、弱い蛍光性しか示さない。しかし、糖が、そのシス
−1,2−ジオールまたは1,3−ジオールを介して、
ボロン酸部位に結合し錯化すると、アミノ基(ルイス塩
基)は酸性度が増加したボロン酸基(ルイス酸)とより
強固にB−N相互作用するため、窒素原子上の非共有電
子対が消費され、もはや消光過程が働かなくなり、この
結果、蛍光強度が増大する。
【0017】糖質の存在下に発蛍光する本発明の修飾タ
ンパク質は、「光アフィニティーラベル化後修飾」、す
なわち、光反応性化合物を介して式(II)で表されるよ
うな発蛍光性分子で糖結合性タンパク質を修飾すること
により得ることができる。以下、図2の例示を参照しな
がら、本発明の修飾タンパク質の製造方法をその各工程
に沿って説明する。
【0018】本発明の発蛍光性修飾タンパク質を得るに
は、先ず、糖結合性部位を有するタンパク質と、光反応
性化合物(一般式SGR−X−Yで表す)とを光反応さ
せる(工程イ)。ここで、光反応性化合物SGR−X−
Yにおいて、SGRは出発原料となる糖結合性部位を有
するタンパク質が結合する糖を表わし、Xは、酸化処理
または還元処理により糖(SGR)が解離されるとき
に、式(I)で表される発蛍光性化合物にその原子団
(Z)を介して結合するような原子団(X’)を発現す
る官能基を表し、Yは光照射により光反応して前記タン
パク質の表面に結合するような原子団(Y’)を発現す
る官能基を表す。この光反応により、タンパク質の糖結
合性部位に糖(SGR)が結合し且つその近傍のタンパ
ク質表面に原子団(Y’)が結合した修飾タンパク質が
生成する。
【0019】このような光反応工程(工程イ)の後、得
られた修飾タンパク質を酸化処理または還元処理に供す
ることにより、糖(SGR)が解離され、発蛍光性化合
物に結合し得る原子団(X’)が発現した修飾タンパク
質が得られる(工程ロ)。最後に、工程ロで得られた修
飾タンパク質に式(I)の発蛍光性化合物を反応させる
ことにより、タンパク質の糖結合性部位の近傍にフェニ
ルボロン酸を有する発蛍光性分子が結合した修飾タンパ
ク質を生成する(工程ハ)が、この際、工程イにおいて
光反応性化合物から発現した原子団(X’)と式(I)
の発蛍光性化合物のZとが反応するようになっている。
【0020】本発明の発蛍光性修飾タンパク質の原料と
なる糖結合性部位を有するタンパク質とは、一般に、レ
クチンまたは糖認識性抗体であり、特に、コンカナバリ
ンA(ConA)に代表されるレクチンが好ましい。よく
知られているように、レクチンは免疫学的産物ではない
糖結合性タンパク質であり、糖に対する結合特異性に基
づいて各種のレクチンが存在する。本発明に従えば、後
の記述からも理解されるように、特定の糖に対して結合
特異性を有するレクチンにフェニルボロン酸を有する発
蛍光性化合物で修飾を施すことにより糖に対する新たな
結合特異性を有する修飾レクチンが得られる。糖認識性
抗体としては、抗原である特定の糖を認識しその糖と結
合し得るものであれば、ポリクローナル抗体、モノクロ
ーナル抗体、およびそれらのフラグメントのいずれも適
用可能であり、また、特定のクラスの免疫グロブリンに
限定されない。これらの糖認識性抗体は、生体から単離
されるか、あるいは、周知の方法に従って作製すること
によって容易に入手することができる。
【0021】本発明において原料となる糖結合性タンパ
ク質に結合しSGR−X−Yで表される光反応性化合物
のXとして特に好ましい例は、ジスルフィド基(−S−
S−)またはグルコシル基(−O−)であり、それぞ
れ、還元処理または酸化処理により糖が解離されると
X’としてチオール(SH)またはケトン(CHO)を
発現する。また、Yとして特に好ましい例は、フェニル
アジド基、トリフルオロメチルジアジリン基、またはベ
ンゾフェノン基であり、光照射により光反応して、Y’
として、それぞれ、ナイトレン、カルベン、またはカル
ボニルラジカルを発現して糖結合性部位の近傍のタンパ
ク質表面に結合する。
【0022】また、工程ロで得られた修飾タンパク質に
結合し式(I)で表される発蛍光性化合物におけるZ
は、光反応性化合物から発現した原子団(X’)と反応
し得る部位を有するものである。このZとして特に好ま
しい例は、末端にハロゲン原子またはアミノ基を有する
原子団であり、それぞれ、X’であるチオールまたはケ
トンとして反応することができる。かくして、本発明に
おいて用いられる式(I)に属する本発蛍光性化合物と
して特に好適な例として下記の式(I’)で表される化
合物が挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】以上のような工程を図2に沿って更に具体
的に説明する。図2は、下記の式(III)で表される光
反応性化合物を用いる場合を例にして本発明の発蛍光性
修飾タンパク質を調製する工程を示すものである。
【0025】
【化8】
【0026】すなわち、式(III)の光反応性化合物
は、一般式SGR−X−Yにおいて、SGRがグルコー
ス、Xがジスルフィド基、Yがトリフルオロメチルアゾ
基に相当する。図2に示すように、原料となるタンパク
質(例えばConA)(1)は、糖結合性部位(部分円状
の欠削部として図示している)を有し、(III)のよう
な光反応性化合物の存在下に光照射(例えば、330〜
400nmの光照射)されると、この光反応性化合物が
糖(グルコース)を介して糖結合性部位に結合し且つト
リフルオロメチル基(Y’)を介して糖結合性部位の近
傍に結合した修飾タンパク質(光アフィニティラベル化
タンパク質)(2)が生成する(工程イ)。
【0027】次いで、図2に示す例では、工程イで得ら
れた修飾タンパク質はDTT(ジチオスレイトール)を
用いて還元され、この結果、糖(グルコース)が解離さ
れるとともに、発蛍光性化合物と結合し得る原子団
(X’)としてSH(チオール)が発現した修飾タンパ
ク質(発蛍光性化合物結合性タンパク質)(3)が生成
する(工程ロ)。
【0028】その後、工程ロで得られた修飾タンパク質
(3)に、フェニルボロン酸を有する発蛍光性化合物を
反応させる。図2に示す例では、フェニルボロン酸を有
する発蛍光性化合物として、上述した式(I’)の化合
物を用い、修飾タンパク質(3)のチオール基(SH)
と化合物(I’)のハロゲン原子(Br)とを反応させ
る。この際、フェニルボロン酸を有する発蛍光性化合物
は難溶性であるので、糖(例えばD−グルコース)を加
えて複合体を形成して水溶性を上昇させる。このように
して、図2に示すように、下記の式(II’)で表される
フェニルボロン酸を有する発蛍光性分子が糖結合性部位
の近傍に結合した本発明の発蛍光性修飾タンパク質
(4)が得られる(工程ハ)。
【0029】
【化9】
【0030】本発明に従い以上のようにして得られる修
飾タンパク質は、出発原料となるタンパク質(例えば、
ConA)が本来的に有する糖結合性部位に加えて、フェ
ニルボロン酸から成る第2の糖結合性部位(副結合部:
subsite)が導入されている。本発明の修飾タンパク質
は、そのような複数の糖結合性部位が協同的に作用する
ことにより、水中でオリゴ糖を強く結合することがで
き、且つ、この結合は、導入されたフェニルボロン酸含
有発蛍光性分子がトランスデューサー(情報変換分子)
として機能し既述したような機構に従い蛍光変化するこ
とにより読み出すことができる。
【0031】このように、本発明の発蛍光性修飾タンパ
ク質は、オリゴ糖を選択的に認識(結合)して発蛍光す
る半人工タンパク質である。本発明の発蛍光性修飾タン
パク質が対象とするオリゴ糖は、一般に、二糖類から五
糖類であるが、出発原料となるタンパク質が本来的に認
識し得る糖構造を含むとともに、残りの糖においてフェ
ニルボロン酸部位(第2の糖結合性部位)と結合できる
ようにジオールが配向され得るようになっているオリゴ
糖を選択的に結合するのに優れている。例えば、ConA
は、主にグルコース、マンノースのような単糖を選択的
に認識するが、このConAを式(II’)のフェニルボロ
ン酸を有する発蛍光性分子で修飾したConAは、マルチ
トールやパラチノースのような二糖類に対する選択性が
著しく向上するように改善される(後述の実施例参
照)。図2の(5)は、このような修飾ConAがマルチ
トールを結合し発蛍光する様子を模式的に示すものであ
る。
【0032】かくして、本発明の発蛍光性修飾タンパク
質は、出発原料となるタンパク質、光アフィニティーラ
ベル化に用いる光反応性化合物、および第2の糖結合性
部位(副結合部)を導入するためのフェニルボロン酸を
有する発蛍光性化合物に応じて、特定のオリゴ糖を選択
的に強く結合するレセプターと成る。そして、このオリ
ゴ糖の選択的結合は蛍光変化(蛍光強度の増大)によっ
て検出されるので、本発明の修飾タンパク質は、特に、
オリゴ糖に対するセンサーとして有用である。また、本
発明の修飾タンパク質は、原料となるタンパク質(一般
的には天然型のタンパク質、例えばレクチン)が本来有
している機能(糖鎖選択性)を人工的にエンジニアリン
グ(改変)して新たな糖選択を発揮する細胞応答制御物
質などとして生化学その他の分野における試薬としての
用途なども期待される。以下に、本発明の特徴を更に具
体的に明らかにするため実施例を記すが、本発明はこれ
らの実施例によって制限されるものではない。なお、本
明細書および図面に示す化学構造式においては、慣用的
な表現法に従い、炭素原子や水素原子を省略しているこ
とがある。Meはメチル基を示す。
【0033】
【実施例】出発原料となる糖結合性部位を有するタンパ
ク質としてコンカナバリンA(ConA)、光反応性化合
物として既述の式(III)の化合物、および、フェニル
ボロン酸を有する発蛍光性化合物として既述の式
(I’)の化合物を用いて、本発明に従う発蛍光性修飾
タンパク質を調製し、糖添加による蛍光スペクトル変化
を測定した。実施例1:フェニルボロン酸を有する発蛍光性化合物の
合成 式(II’)で表されるフェニルボロン酸を有する発蛍光
性化合物(以下、本明細書中ではAPET−Brと略称
することがある)は、図3に示す反応スキームに従い以
下のように合成した。9−(N−メチル−N−(o−ボロノベンジル)アミノ
−10−((メチルアミノ)メチル)アントラセン
(C) 9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(図3の
化合物A)を出発原料として、メチルアミンをN−アル
キル化して、化合物Bを得た。この9,10−ビス(ク
ロロメチル)アントラセン(B)0.88g(3.33mmol、1.4
eq)を乾燥THF40mlに溶解し、炭酸カリウム1.24g(9
mmol)を加え、30分攪拌した。続いて、2−(2−ブロ
モメチルフェニル)1,3−ジオキサボリナン760mg
(3.0mmol)を加え、3時間還流攪拌した。反応液をろ
過して固体を取り除き、THFを減圧留去した。残渣を
塩化メチレンに溶解し5%炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。精製
はカラムクロマトグラフィー(シリカ、クロロホルム/
メタノール(1%TEA含む)=50/1、20/1、10/1、
6/1)で行い、黄色固体210mg(18%)を得た。 IR(KBr):ν(O−H)3431cm−1、ν(B−
O)1380cm−1 1 H−NMR(CDCl3、TMS、250MHz)δ/ppm;
8.34(d, J=8.5Hz, 2H, Ar-H), 8.13(d, J=8.5Hz, 2H, A
r-H), 8.11(d, 1H, Ar-H), 7.6-7.4(m, 7H, Ar-H), 4.6
8(s, 2H, -CH2-), 4.50(s, 2H,-CH2-), 3.92(s, 2H, -C
H2-), 2.65(s, 3H, N-CH3), 2.21(s, 3H, N-CH3)。 ESI−TOF−MS([M+H]として)計算値:39
9.22。測定値:399.09。
【0034】9−((N−メチル−N−(o−ボロノベ
ンジル)アミノ)メチル)−10((N−メチル−N−
(ブロモアセチル)アミノ)メチル)アントラセン(A
PET−Br)(I’) 化合物(C)30mg(7.53×10−5mol)を乾燥塩化メチレ
ン10mlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(DIE
A)97mg(7.53×10−4mol、10eq)を加えた。氷浴で冷
却し、ブロモ酢酸ブロミド30mg(2eq)を加え、0℃で30
分攪拌した。溶媒を減圧留去後、真空乾燥し、カラムク
ロマトグラフィー(シリカ、クロロホルム/メタノール
=20/1、10/1)で精製して、黄色固体32mg(82%)を
得た。 IR(KBr):ν(O−H)3421cm−1、ν(C−
O)1653cm−1、ν(B−O)1380cm−1 1 H−NMR(CDCl3、TMS、250MHz)δ/ppm;
8.29(d, J=8.5Hz, 2H, Ar-H), 8.16(d, J=8.5Hz, 2H, A
r-H), 8.05(d, 1H, Ar-H), 7.6-7.35(m, 7H, Ar-H), 5.
68(s, 2H, -CH2-), 4.53(s, 2H,-CH2-), 4.06(s, 2H, B
r-CH2-), 3.94(s,2H, -CH2), 2.52(s, 3H, N-CH3), 2.2
4(s, 3H,N-CH3)。 SIMS(マトリックス:ニトロベンジルアルコール、
グリセロール混合、[M+グリセロール−2H2O]とし
て)計算値:574.576。実測値:574.576。
【0035】実施例2:発蛍光性修飾タンパク質の調製 図2に概示する工程に従って本発明の発蛍光性化合物を
製造した。光アフィニティラベル化(工程イ) 光反応性化合物(ラベル化剤)として式(III)の化合
物を用いConAに光アフィニティラベル化を行った。す
なわち、ConAと2.5等量のラベル化剤(III)を酢酸
緩衝液に溶かし、2分間窒素を吹き込んだ後、15℃に保
ちながら高圧水銀灯で330nmから400nmの光を1時間照射
した。生じた沈殿を遠心分離で除去し、バイオゲルを用
いたゲルろ過、続いてセファデックスG−100を用いた
アフィニティカラムでラベル化ConAを生成して得た。
【0036】DTT還元(工程ロ) 工程イで得られたラベル化ConAをpH7の緩衝液中に溶解
させ、DTT(ジチオスレイトール)を5mMになるよう
に加えて5時間静かに置いた。その後窒素下でゲルろ過
(バイオゲルp−30)を行い、チオール基を有し発蛍光
性化合物に結合し得るConA(以下、SH−ConAと略称す
ることがある)を得た。得られたSH−ConAはすぐに次
の工程に用いた。
【0037】発蛍光性修飾タンパク質の調製(工程ハ) 工程ハで得られたSH−ConAのチオール基に対して、
実施例1で合成した発蛍光性化合物(APET−Br)
の化学修飾を行った。100mM D−グルコースを含む10μ
MのSH−ConA水溶液(50mMリン酸緩衝液(pH7.5))
に、APET−Br(SH基に対して20等量)のDMF
溶液(最終的に20%(w/w))を加え、室温で12時間反応
させた。遠心分離で不溶物を除去し、4℃下、ゲルろ過
クロマトグラフィー(10mM酢酸緩衝液(pH5.0))によ
り小分子成分を除去した。その後、10mM酢酸緩衝液(pH
5.0)に対して十分透析をして完全にグルコースを取り
除き、続いて50mM HEPES緩衝液(pH7.6)、5mM C
aCl2、0.1M NaClに対して透析を行って目的とす
る発蛍光性修飾タンパク質(以下、APET−ConAと
略称することがある)を得た。収率は約50%であった。
【0038】得られたAPET−ConAの同定は、吸収
スペクトルおよび蛍光スペクトルによって行った。AP
ET−ConAの吸収スペクトル(図4のa)から、ConA
由来の280nmの吸収とともにアントラセン由来の吸収
(極大吸収波長;357、375、397nm)が確認された。モ
ル吸光係数の値を参照し280nmと357nmの吸光度からそれ
ぞれConAとアントラセンの濃度を算出して、APET
−Brのラベル化効率を算出したところ、SH−ConA
に対して約70%の収率でAPET−Brが修飾されてい
ることが明らかになった。蛍光スペクトル測定を行った
結果、アントラセン由来の強い蛍光スペクトル(極大蛍
光波長407、432、454nm)が確認された(図4のb:実
線)。また、励起スペクトルの測定の結果、アントラセ
ンの吸収スペクトルとほぼ同様の極大波長(357、375、
397nm)を有していたことから、APET−Brで修飾さ
れていることが確認された(図4のb:点線)。なお、
吸収スペクトル測定は以下の条件で行った:[APET
−ConA]=0.7μM、50mMHEPES緩衝液(pH7.
0)、5mM CaCl2、0.1M NaCl、測定温度25±1
℃。
【0039】実施例3:糖添加による蛍光変化測定 実施例2で調製した発蛍光性修飾タンパク質(APET
−ConA)の糖に対する蛍光センシング機能を調べた。
添加した糖は、オリゴ糖類として、α−1,3−α−
1,6−マンノトリオース;α−1,3−マンノビオー
ス;D−マルトース;マルチトール;パラチノース;イ
ソマルトースであり、また、単糖類として、D−グルシ
トール;D−フルクトース;Me−α−D−マンノシド
(Me−α−Man)である。以下の条件で蛍光滴定測
定を行った:[APET−ConA]=0.7μM(2.0ml)、5
0mM HEPES緩衝液(pH7.6)、5mM CaC
2、0.1M NaCl、測定温度15±1℃、励起波長375n
m、励起側スリット幅:10nm、蛍光波長427nm、蛍光側ス
リット幅:10nm、1cm蛍光セル。蛍光測定は、APET
−ConA水溶液2mlに、糖ストック溶液を適量ずつ加え、
適宜蛍光スペクトルを測定した。併せて、Benesi−Hild
ebrandtの式または非線形最小二乗法を用いて、APE
T−ConAと糖の会合定数(結合定数)Kを算出した。蛍
光滴定測定の結果を図5に示す。図5において、縦軸は
蛍光相対強度(I/I 0)であり、横軸は糖濃度の常用対
数である。図5に示されるように、ConAに式(II’)
のフェニルボロン酸を有する発蛍光性分子を付加するこ
とによって修飾して得られる本発明のAPET−ConA
は、オリゴ糖(二糖類)に対して低濃度における添加に
ともない蛍光強度の上昇が観測され、特に、マルチトー
ルに関しては約3μMという極低濃度まで蛍光強度と糖濃
度との間に良好な相関関係が認められる。なお、その他
のオリゴ糖であるα−1,3−α−1,6−マンノトリ
オース;α−1,3−マンノビオース;D−マルトース
については、蛍光変化は観測されなかった。
【0040】また、APET−ConAと各種の糖との会
合定数K(M−1)を下記の表1に示す。なお、表1に
おいては比較のために、IAEDANS−ConAおよび
APET−ConAとそれらの糖と会合定数も合わせて示
している。ここでIAEDANS−ConAとは、ConA由
来の修飾タンパク質の1種であるが、図6に示されるよ
うにフェニルボロン酸を有する分子で修飾されたもので
はない。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示されるように、本発明によって得
られる修飾タンパク質であるAPET−ConAは、特定
の二糖類に対して高い会合定数を有し、これらの糖類と
選択的に結合することが理解される。特に、マルチトー
ルに対して6.9×106−1というきわめて高い会合定数
が得られた。天然型ConAのマルチトールに対する会合
定数は1.0×103−1程度であり(天然型ConAとマルチ
トールの会合定数は報告されていないため、IAEDA
NS−ConAに対する蛍光滴定から求められたマルチト
ールに対する会合定数(1.0×103−1)を参考とし
た。)、それと比べるとAPET−ConAはその6,900倍
強く結合することが明らかとなった。また、蛍光変化が
観測されたその他のオリゴ糖であるパラチノースおよび
イソマルトースの会合定数をConAに対する会合定数と
比べて、それぞれ約94倍および約9倍大きくなってい
る。
【0043】これらの特定のオリゴ糖がAPET−Con
Aと強い結合性を示すのは、ConAが本来的に有してい
る糖結合性部位とフェニルボロン酸部位による糖結合性
部位(副結合部)とが協同的に作用し得ることによるも
のと理解される。すなわち、蛍光応答を示すマルチトー
ル、パラチノース、イソマルトースの場合、1糖目のα
−グリコシド基がConAの糖結合性部位に結合するとと
もに、2糖目も確実にフェニルボロン酸と結合できるよ
うな柔軟な構造を有しているためと推測される。例え
ば、マルチトールの場合、2糖目が直鎖構造であるため
非常に柔軟性に富んでおり、また、パラチノースとイソ
マルトースは1糖目のα−D−グルコシド基との決号が
6位での結合で、2糖目との環状骨格との間にメチレン
基を挟んでいるため、2糖目が比較的自由に動くことが
でき、このようなことから、APET−ConAの副結合
部であるフェニルボロン酸基と結合できるようにジオー
ルが配向できると推測される。それに対して、蛍光応答
を示さなかったオリゴ糖(例えば、α−1,3−マンノ
ビオース)は2糖目と比較的堅い結合で結ばれており、
オリゴ糖鎖の構造がかなり固定されている。そのため、
フェニルボロン酸と結合する可能性のあるシスジオール
が結合可能な配向をとれず、蛍光応答を示さなかったの
であろう。
【0044】また、APET−ConAの単糖(D−グル
シトール、D−フルクトース)に対する会合定数は、マ
ルチトールやパラチノースのようなオリゴ糖(二糖類)
に対する会合定数に比べて2桁以上も低くなっている。
このことは、図5に示すようにマルチトールやパラチノ
ースが低濃度において蛍光検出されるのに対して、単糖
類の蛍光変化が高濃度において初めて出現することと相
応している。さらに、APET−ConAはConAが本来的
に有する糖選択性が変換されている。例えば、Me−α
−ManはConAに対して強く結合することが知られている
が、APET−ConAにおいては、図5に示されるよう
に糖濃度の上昇に対しても蛍光強度が増加せず、会合定
数がきわめて小さくなる(<100)こととも一致してい
る。これはMe−α−ManはConAの糖結合性部位には結
合し得るが、フェニルボロン酸と効果的に結合すること
はできず、PET機構が作用せず発蛍光が殆ど起こらな
いためと理解される。
【0045】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明に従え
ば、レクチンのような糖結合性タンパク質をフェニルボ
ロン酸含有発蛍光性分子で修飾することにより、新たな
糖選択性を有する発蛍光性修飾タンパク質を得ることが
でき、この発蛍光性修飾タンパク質は特定のオリゴ糖を
検出する蛍光センサーとして有用である。例えば、実施
例に示す発蛍光性修飾タンパク質はマルチトールのよう
な二糖類に対する高感度センサーとしての利用が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるフェニルボロン酸を有する
発蛍光性分子を用いて糖が検出される機構を模式的に示
す。
【図2】本発明により発蛍光性修飾タンパク質が製造さ
れる工程およびこの修飾タンパク質を用いて糖が検出さ
れる様子を模式的に示す。
【図3】本発明で用いられるフェニルボロン酸を有する
発蛍光性化合物を合成するためのスキームを概示する。
【図4】本発明の発蛍光性修飾タンパク質の1例の吸収
スペクトル(a)および蛍光スペクトル(b)を示す。
【図5】本発明の発蛍光性修飾タンパク質の1例に各種
の糖類を添加して測定した蛍光強度を示すグラフであ
る。
【図6】実施例において比較のために用いたConA由来
の修飾タンパク質の構造を模式的に示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イ.糖結合性部位を有するタンパク質
    と、一般式SGR−X−Yで表わされる光反応性化合物
    〔式中、SGRは前記タンパク質が結合する糖を表し、
    Xは、酸化処理または還元処理により前記糖(SGR)
    が解離されるときに、下記の式(I)で表されるフェニ
    ルボロン酸を有する発蛍光生化合物にその原子団(Z)
    を介して結合するような原子団(X’)を発現する官能
    基を表し、Yは、光照射により光反応して、前記タンパ
    ク質の表面に結合するような原子団(Y’)を発現する
    官能基を表す〕とを光反応させることにより、前記タン
    パク質の糖結合性部位に糖(SGR)が結合し且つその
    近傍のタンパク質表面に原子団(Y’)が結合した修飾
    タンパク質を生成する工程、 ロ.工程イで得られた修飾タンパク質を酸化処理または
    還元処理することにより、糖(SGR)が解離され発蛍
    光性化合物結合性原子団(X’)が発現した修飾タンパ
    ク質を生成する工程、および ハ.工程ロで得られた修飾タンパク質に下記の式(I)
    で表されるフェニルボロン酸を有する発蛍光性化合物を
    反応させることにより、前記タンパク質の糖結合性部位
    の近傍にフェニルボロン酸を有する発蛍光性分子が結合
    した修飾タンパク質を生成する工程、を含むことを特徴
    とするオリゴ糖の存在下に蛍光変化する修飾タンパク質
    の製造方法。 【化1】 〔式(I)中、Zは前記原子団(X’)と反応し得る部
    位を表わし、Fluは発蛍光性の原子団であり、Rは炭
    素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、n
    およびmは、それぞれ独立して0.1または2であり、
    n+mは2または3である。〕
  2. 【請求項2】 糖結合性部位を有するタンパク質がレク
    チンであることを特徴とする請求項1の修飾タンパク質
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 Xがジスルフィド基またはグルコシル基
    であり、それぞれ、還元処理または酸化処理により糖が
    解離されるとチオールまたはケトンを発現し;Zが末端
    にハロゲン原子またはアミノ基を有する原子団であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2の修飾タンパク
    質の製造方法。
  4. 【請求項4】 Yが、フェニルアジド基、トリフルオロ
    メチルジアジリン基またはベンゾフェノン基である請求
    項1〜請求項3のいずれかの修飾タンパク質の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 糖結合性部位を有するタンパク質がコン
    カナバリンAであり;Xがジスルフィド基であり還元処
    理により糖が解離されるとチオールを発現し;Yがトリ
    フルオロメチルジアジリン基であり;フェニルボロン酸
    を有する発蛍光性化合物が下記の式(I’)式で表され
    るものであることを特徴とする請求項4の修飾タンパク
    質の製造方法。 【化2】
  6. 【請求項6】 糖結合性部位を有するタンパク質由来の
    修飾タンパク質であって、前記糖結合性部位の近傍に下
    記の式(II)で表されるフェニルボロン酸を有する発蛍
    光性分子が結合され、オリゴ糖の存在下に蛍光変化する
    ことを特徴とする修飾タンパク質。 【化3】 〔式(II)中、Fluは発蛍光性の原子団であり、Rは
    炭素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、
    nおよびmは、それぞれ独立して、0、1または2であ
    り、n+mは2または3である。〕
  7. 【請求項7】 糖結合性部位を有するタンパク質がコン
    カナバリンAであり、フェニルボロン酸を有する発蛍光
    生分子が下記の式(II’)で表されるものであり、二糖
    類の存在下に蛍光変化することを特徴とする請求項6の
    修飾タンパク質。 【化4】
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