JP2003071635A - 放電加工用電源回路と放電加工装置及び放電加工方法 - Google Patents

放電加工用電源回路と放電加工装置及び放電加工方法

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JP2003071635A JP2001262722A JP2001262722A JP2003071635A JP 2003071635 A JP2003071635 A JP 2003071635A JP 2001262722 A JP2001262722 A JP 2001262722A JP 2001262722 A JP2001262722 A JP 2001262722A JP 2003071635 A JP2003071635 A JP 2003071635A
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福柱 韓
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランジスタ放電回路を利用して、高デュー
ティ比で均一な微細放電加工を行なうことができるよう
にした放電加工用電源回路及び放電加工装置,放電加工
方法を提供する。 【解決手段】 +極が工作物11に−極が出力抵抗及び
駆動回路15により制御されるスイッチング素子13を
介して工具電極12に接続した直流電源14を有し、直
流電源から工具電極,工作物,出力抵抗,スイッチング
素子を経て直流電源に戻る放電回路を流れる電流の変化
を電圧信号として出力する非接触式電流センサ20と、
非接触式電流センサからの電圧信号に基づいて放電電流
を検出して検出信号を出力するパルス制御回路22とを
備え、駆動回路15がパルス制御回路22からの検出信
号によりスイッチング素子13をオフにするように、放
電加工用電源回路10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工用電源回
路と放電加工装置及び放電加工方法に関し、特に微細放
電加工に適した放電加工用電源回路と放電加工装置及び
放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放電加工を行なうための電源回路
としては、例えばコンデンサ放電回路及びトランジスタ
放電回路が知られている。コンデンサ放電回路は、例え
ば図3に示すように構成されている。図3において、コ
ンデンサ放電回路1は、工具電極2と工作物3との間に
接続されたコンデンサCと、このコンデンサCに対して
抵抗Rを介して接続された直流電源4と、から構成され
ている。
【0003】このような構成のコンデンサ放電回路1に
よれば、直流電源4により抵抗Rを介してコンデンサC
が充電される。そして、コンデンサCの充電電圧が高く
なると、工具電極2と工作物3との間の絶縁が破れて放
電が行なわれ、振動性の放電電流が流れる。これによ
り、放電痕の集積によって加工面が形成されるようにな
っている。
【0004】しかしながら、コンデンサ放電回路1にお
いては、コンデンサCの充電時間が必要であることか
ら、デューティ比を大きくすることができない。このた
め、放電周波数を高くすることができないので、一回の
放電あたりの加工量と放電頻度の積で与えられる加工速
度に限界がある。また、工具電極2と工作物3との間で
放電が行なわれた後、極間の絶縁が回復されない場合
や、何らかの原因で工具電極2と工作物3との間が短絡
状態となると、直流電源4からの電流がコンデンサCに
充電されず、工具電極2と工作物3との間に短絡電流が
流れる。このため、短絡個所の局所的な温度上昇により
短絡状態が続いてしまうことになり、短絡の頻発によっ
て加工速度が低下したり、或いは短絡状態によって工作
物の表面に熱的損傷が発生することがある。さらに、放
電電流パルスのピーク値やパルス幅を任意に制御するこ
とが困難であると共に、コンデンサCが十分に充電され
ないうちに放電が行なわれることがある。したがって、
放電電流やパルス幅のバラツキが大きくなってしまい、
均一な加工面を得ることが困難である。
【0005】これに対して、トランジスタ放電回路は、
例えば図4に示すように構成されている。図4におい
て、トランジスタ放電回路5は、工具電極2と工作物3
との間に、トランジスタTR及びこれに直列接続された
出力抵抗R’を介して直流電源4を接続することにより
構成されている。
【0006】このような構成のトランジスタ放電回路5
によれば、トランジスタTRを適宜にスイッチングする
ことにより、直流電源4からトランジスタTR及び出力
抵抗R’を介して、工具電極2と工作物3との間にパル
ス電流を流すことができる。これにより、工具電極2と
工作物3との間で放電が行なわれ、放電痕の集積によっ
て加工面が形成されるようになっている。
【0007】この場合、トランジスタTRのスイッチン
グにより、工具電極2と工作物3との極間に電圧を印加
し、放電電流が直流電源4から直接に供給されるので、
コンデンサCの充電時間が不要であり、デューティ比を
高くすることができる。また、工具電極2と工作物3と
の極間は、トランジスタTRのオフにより強制的に直流
電源4から切り離されるので、極間で短絡が発生した場
合に、直流電源4から電流が極間に流れ込むようなこと
がない。したがって、短絡が頻発するようなことはな
く、安定した加工が行なわれ得ることになる。さらに、
トランジスタTRの駆動制御により、放電電流のピーク
値やパルス幅、そしてパルス間の休止時間を任意に制御
することができると共に、放電電流とパルス幅を一定に
することができるので、均一な加工を行なうことができ
加工精度が向上することになる。
【0008】ところで、このようなトランジスタ放電回
路5において、トランジスタTRのオン時間を一定にし
ても、実際に放電している時間は一定とはならない。こ
れは、工具電極2と工作物3との極間に電圧が印加され
てから放電が発生するまでに放電遅れ時間が必要であ
り、この放電遅れ時間が放電点での極間距離や加工液の
汚れ等に影響されるからである。したがって、各放電毎
に得られる放電痕の大きさにバラツキが生ずることか
ら、均一な加工面が得られなくなってしまう。
【0009】これに対して、工具電極2と工作物3との
極間電圧により放電の発生を検出し、放電発生から所定
時間後にトランジスタをオフにするようにした、所謂ア
イソパルス方式のトランジスタ放電回路も提案されてい
る。図5はこのアイソパルス方式のトランジスタ放電回
路の構成例を示している。図5(A)において、トラン
ジスタ放電回路6は、図4に示したトランジスタ放電回
路5と同様の構成であって、さらに極間電圧を検出する
検出部7と、検出部7からの検出電圧に基づいてトラン
ジスタTRを駆動制御する制御回路8と、を含んでい
る。
【0010】ここで、制御回路8は、図5(B)に示す
ように、検出部7の検出電圧の電圧変換を行なう電圧変
換回路8aと、電圧変換回路8aからの出力信号に基づ
いてパルス制御を行なうパルス制御回路8bと、絶縁回
路8cと、駆動回路8dと、から構成されている。電圧
変換回路8aは、検出部7の検出電圧を、制御回路8b
で処理するために最適な電圧に変換するものである。パ
ルス制御回路8bは、電圧変換回路8aからの出力信号
に基づいてトランジスタTRをオフさせるための信号を
出力するものである。絶縁回路8cは、放電回路におけ
る放電電圧を、トランジスタTRの駆動回路8dから切
り離すためのものである。駆動回路8dは、トランジス
タTRを駆動制御して、オンオフさせるものであり、図
4に示したトランジスタ放電回路5においても使用され
るものである。
【0011】このような構成のアイソパルス方式のトラ
ンジスタ放電回路6によれば、検出部7により検出され
た極間電圧に基づいて、制御回路8が放電発生を検出
し、放電発生から所定時間経過後に、トランジスタTR
をオフに切り換える。これにより、放電毎のパルス幅が
一定に保持され、均一な加工面が得られるようになって
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、放電加工
は、工具電極2と工作物3との極間に、一秒間に数千乃
至数十万回のパルス放電を発生させることにより行なわ
れ、各パルス放電は数μsから数百μs程度のパルス幅
を有している。これに対して、所謂微細放電加工におい
ては、パルス当たりの放電エネルギーをできるだけ小さ
くする必要があり、パルス幅を、例えば十数ns乃至数
百ns程度にすることが望ましい。
【0013】ところで、上述したトランジスタ放電回路
5においては、トランジスタのスイッチング速度に限界
があることから、十数nsというような短いパルス幅を
得ることは困難であった。さらに、アイソパルス方式の
トランジスタ放電回路においても、回路素子間を信号が
伝搬するための伝達遅延時間が存在することにより、放
電開始から数百ns乃至数μs程度の遅れが発生するこ
とから、実際には数百ns以上のパルス幅になってしま
う。例えば電圧変換回路8a,パルス制御回路8b,絶
縁回路8c及び駆動回路8dにて、それぞれ300n
s,80ns,5ns及び100nsの遅延時間が発生
するので、放電が発生してからトランジスタTRをオフ
するまでの最小時間が約500nsとなる。このため、
従来、微細放電加工においては、容易に1μs以下のパ
ルスが得られることもあって、コンデンサ放電回路1が
採用されている。
【0014】しかしながら、コンデンサ放電回路1は、
前述したように、微細放電加工においても同様に、ディ
ーティ比を高くすることができず、加工速度が遅くなっ
てしまうと共に、高精度の加工を行なうことが困難であ
るという問題があった。
【0015】本発明は、以上の点にかんがみて、トラン
ジスタ放電回路を利用して、高デューティ比で均一な微
細放電加工を行なうことができるようにした、放電加工
用電源回路や放電加工装置及び放電加工方法を提供する
ことを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の第
一の構成によれば、プラス(+)極が工作物に、マイナ
ス(−)極が出力抵抗及び駆動回路により制御されるス
イッチング素子を介して工具電極に接続された直流電源
を含む放電加工用電源回路であって、上記直流電源から
工具電極,工作物,出力抵抗,スイッチング素子を経て
直流電源に戻る放電回路を流れる電流の変化を電圧信号
として出力する非接触式電流センサと、非接触式電流セ
ンサからの電圧信号に基づいて放電電流を検出して検出
信号を出力するパルス制御回路と、を備えており、上記
駆動回路が、パルス制御回路からの検出信号によりスイ
ッチング素子をオフにするようにした放電加工用電源回
路により達成される。
【0017】本発明による放電加工用電源回路は、好ま
しくは、上記非接触式電流センサとパルス制御回路との
間に、整流用ICを備えている。本発明による放電加工
用電源回路は、好ましくは、さらに、上記放電回路に、
放電電流が流れ始めた瞬間から所定時間後に放電回路を
遮断する強制遮断回路を備えている。本発明による放電
加工用電源回路は、好ましくは、上記強制遮断回路が、
放電回路中に挿入された第二のスイッチング素子を備え
ており、この第二のスイッチング素子が、放電回路中を
流れる放電電流によりオフされる。
【0018】また、上記目的は、本発明の第二の構成に
よれば、上述した何れかの放電加工用電源回路により、
工具電極と工作物との極間にパルス電圧を印加して、放
電加工を行なうことを特徴とする放電加工装置により達
成される。
【0019】さらに、上記目的は、本発明の第三の構成
によれば、上述した何れかの放電加工用電源回路によ
り、工具電極と工作物との極間にパルス電圧を印加し
て、放電加工を行なうことを特徴とする放電加工方法に
より達成される。
【0020】上記第一の構成によれば、非接触式電流セ
ンサにより検出された放電回路の放電電流の変化に基づ
いて、パルス制御回路が、工具電極と工作物との極間の
放電開始による放電電流を検出して検出信号を駆動回路
に出力する。これにより、駆動回路は、パルス制御回路
からの検出信号に基づいて放電回路に挿入されたスイッ
チング素子をオフにして放電を強制的に終了させる。こ
れにより、短い放電のパルス幅が得られることになる。
ここで、基本的にはトランジスタ放電回路であることか
ら、高デューティ比で放電加工を行なうことができ、加
工効率が向上することになる。
【0021】この場合、放電回路の放電電流は、放電回
路に非接触で設けられた非接触式電流センサにより検出
されるので、放電回路に影響が生ずるようなことはな
い。即ち、放電の発生を、工具電極と工作物との極間電
圧により検出する場合には、放電発生前は直流電源の電
圧が極間には印加されているが、放電発生によって極間
電圧が低下する。ここで、極間電圧の測定のために、極
間に検出部を並列接続すると、検出部の浮遊容量を充電
するための電流も極間に流れることになるため、実際に
極間を流れる電流が大きくなる。したがって、放電エネ
ルギーが大きくなってしまうことになる。これに対し
て、本発明による放電加工用電源回路は、放電回路に非
接触である非接触式電流センサにより放電電流を検出す
るようにしていることから、放電回路に対して浮遊容量
の影響を与えることがない。
【0022】また、非接触式電流センサの使用により、
非接触式電流センサ及びパルス制御回路が放電回路に対
して電気的に絶縁されているので、絶縁回路を設ける必
要がなく、パルス制御回路が放電に伴うノイズの影響を
受けることもない。さらに、非接触式電流センサの出力
信号が例えば5V以下であることから、電圧変換回路を
使用することなく、そのまま直接に論理回路により処理
を行なうことが可能である。このようにして、絶縁回路
及び電圧変換回路が不要であることから、論理回路であ
るパルス制御回路における伝播遅延時間が例えば数十n
sまで短縮されるので、放電開始からスイッチング素子
のオフまでの遅延時間が例えば約120ns以下に短縮
されると共に、簡単な構成によりコストが低減され、さ
らに放電回路全体の動作が安定する。
【0023】上記非接触式電流センサとパルス制御回路
との間に整流用ICを備えている場合には、非接触式電
流センサからの出力信号が、整流用ICにより整流され
ることによってデジタル化され、デジタル信号としてパ
ルス制御回路に入力される。これにより、パルス制御回
路はアナログ信号の処理を行なう必要がないことから、
パルス制御回路における伝播遅延時間がより一層短縮さ
れ、約45ns程度のパルス幅が得られる。
【0024】さらに、上記放電回路に、放電電流が流れ
始めた瞬間から所定時間後に放電回路を遮断する強制遮
断回路を備えており、好ましくは上記強制遮断回路が、
放電回路中に挿入された第二のスイッチング素子を備え
ており、この第二のスイッチング素子が、放電回路中を
流れる放電電流によりオフされる場合には、非接触式電
流センサによる放電開始の検出とは無関係に、放電回路
を流れる放電電流に基づいて、強制遮断回路の第二のス
イッチング素子により放電回路を強制的に遮断して、放
電を終了させる。これにより、各放電におけるパルス幅
をより一層短く、例えば約15ns程度にすることがで
き、微細放電加工に最適なパルス幅が得られる。
【0025】さらに、上記第二及び第三の構成によれ
ば、上述した放電加工用電源回路を使用して、工具電極
と工作物との極間にパルス電圧を印加して放電加工を行
なうことにより、約120ns以下のパルス幅で放電を
発生させることができるので、微細放電加工を確実に行
なうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明によ
る放電加工用電源回路の第一の実施形態の構成を示して
いる。図1において、放電加工用電源回路10は、工作
物11と工具電極12との間に、スイッチング素子とし
てのFET13及びこれに直列接続された出力抵抗R1
を介して直流電源14を接続すると共に、非接触式電流
センサ20,整流用IC21及びパルス制御回路22を
設けることにより構成されている。
【0027】上記FET13は、ソース電極及びドレイ
ン電極が放電回路中に挿入されており、ゲート電極には
駆動回路15が接続されている。これにより、FET1
3は駆動回路15からの制御信号に基づいてオンオフ制
御される。また、上記直流電源14は、例えば出力10
0Vの直流電源が使用される。
【0028】上記非接触式電流センサ20は、例えばト
ロイダルコイルが使用され、直流電源14から工作物1
1,工具電極12,出力抵抗R1,FET13を経て直
流電源14に戻る放電回路を流れる電流の変化を電圧信
号として出力するようになっている。ここで、上記非接
触式電流センサ20は、工具電極12と出力抵抗R1と
の間に設けられており、放電開始時に放電回路を流れる
電流により、例えば5V以下の電圧信号を出力するよう
に選定されている。
【0029】上記整流用IC21は、非接触式電流セン
サ20からの出力信号を整流してデジタル化するもので
ある。上記パルス制御回路22は、非接触式電流センサ
20から整流用IC21を介して入力される電圧信号に
基づいて放電開始による放電電流を検出して、検出信号
を出力するようになっている。ここで、前述した駆動回
路15は、パルス制御回路22からの検出信号に基づい
て、FET13をオフに切換え制御するようになってい
る。
【0030】なお、上述した放電加工用電源回路10に
おいては、放電回路中にて、逆流防止用のダイオードD
1,D2が、それぞれ直流電源14の+極と工作物11
との間、そして工具電極12と出力抵抗R1との間に挿
入されている。
【0031】本発明実施形態による放電加工用電源回路
10は、以上のように構成されており、この放電加工用
電源回路10を使用した放電加工装置及び放電加工方法
によれば、以下のように動作する。即ち、駆動回路15
によりFET13がオンされると、直流電源14から放
電回路を介して工作物11と工具電極12との極間に電
圧が印加される。そして、工作物11と工具電極12と
の極間の絶縁破壊によって放電が開始され、放電痕によ
り工具電極12が放電加工される。
【0032】その際、放電が開始されると、放電回路を
流れる放電電流によって非接触式電流センサ20が電圧
信号を出力し、この電圧信号は整流用IC21により整
流されて、パルス制御回路22に入力される。そして、
パルス制御回路22は、非接触式電流センサ20から整
流用IC21を介して入力される電圧信号に基づいてそ
の立下りでトリガして、検出信号を駆動回路15に出力
する。これにより、駆動回路15は、パルス制御回路2
2からの検出信号によってFET13をオフにし、工作
物11及び工具電極12の極間の放電を終了させるの
で、短いパルス幅が得られることになる。
【0033】ここで、パルス制御回路22は、非接触式
電流センサ20からの電圧信号が5V以下であることか
ら、電圧変換回路を使用することなく直接に上記電圧信
号が入力され得る。また、非接触式電流センサ20が放
電回路と非接触であることから、相互に影響を与えるよ
うなことはなく、低エネルギーの放電加工が可能になる
と共に、絶縁回路が不要になる。
【0034】したがって、絶縁回路及び電圧変換回路が
不要であることから、論理回路であるパルス制御回路に
おける伝播遅延時間が例えば数十nsまで短縮される。
また、電流センサ20から出力される電圧信号が整流用
IC21により整流されてデジタル化されることによ
り、パルス制御回路22は、アナログ信号の処理を行な
う必要がないことから、伝播遅延時間がより一層短縮さ
れることになり、約45ns程度のパルス幅が得られる
ことになる。
【0035】図2は、本発明による放電加工用電源回路
の第二の実施形態を示している。図2において、放電加
工用電源回路30は、図1の放電加工用電源回路10と
ほぼ同様の構成であるが、さらに放電回路中に強制遮断
回路31を備えている点で異なる構成になっている。
【0036】上記強制遮断回路31は、第二のスイッチ
ング素子としてのFET32と、二つのトランジスタT
R1,TR2とを含んでいる。第二のFET32は、ソ
ース電極及びドレイン電極が放電回路中に挿入されてい
る。第一のトランジスタTR1は、ベースが抵抗R2を
介して放電回路の上流側に接続されると共に、コレクタ
が抵抗R3を介して、さらに正電圧(+5V)を与える
第一の補助電源V1を介して、放電回路の下流側に接続
されている。第二のトランジスタTR2は、ベースが第
一のトランジスタTR1のエミッタに接続されると共
に、コレクタが第一のトランジスタTR1のコレクタ及
び第二のFET32のゲート電極に接続され、さらにエ
ミッタが逆電圧(−5V)を与える第二の補助電源V2
を介して放電回路の下流側に接続されている。これによ
り、FET32は、放電回路を放電電流が流れないとき
常にオンとなり、放電回路を放電電流が流れると、この
放電電流により第一のトランジスタTR1及び第二のト
ランジスタTR2がそれぞれオンして、FET32のゲ
ートを強制的に第二の補助電源V2の逆電圧である−5
Vに設定して、第二のFET32をオフするようになっ
ている。
【0037】このような構成の放電加工用電源回路30
によれば、駆動回路15によりFET13がオンされる
と、直流電源14から放電回路を介して工作物11と工
具電極12との極間に電圧が印加される。そして、工作
物11と工具電極12との極間の絶縁破壊によって、放
電が開始され、放電痕により工具電極12が放電加工さ
れる。その際、放電が開始されると、放電回路を流れる
放電電流が、抵抗R2を介して強制遮断回路31に入力
され、第一のトランジスタTR1及び第二のトランジス
タTR2が順次にオンして、第二のFET32をオフさ
せる。これにより、強制遮断回路31は、FET13が
オンして工作物11及び工具電極12の極間に直流電源
14の直流電圧が印加され、放電遅れ時間の後に絶縁破
壊により放電が発生して、放電回路を放電電流が流れ始
めると電流センサ20の放電電流による放電検出を待た
ずに即時に第一トランジスタTR1及び第二のトランジ
スタTR2がオンし、これにより第二のFET32がオ
フされる。
【0038】このようにして、強制遮断回路31により
放電電流が流れると、即時に強制的に放電回路が遮断さ
れ放電が終了される。この場合、放電電流は絶縁破壊に
よる放電発生の瞬間から第二のFET32がオフになる
までの極めて短い時間だけ流れることになる。この時間
即ちパルス幅は強制遮断回路31の回路構成によって決
まり、例えば約15ns程度のパルス幅となる。そし
て、放電回路の遮断により再び放電電流が流れなくなる
と、第二のFET32は強制遮断回路31によりオンし
ようとするが、第二のFET32がオフされた瞬間に工
作物11と工具電極12の極間の電流が一旦ゼロとなる
ため、工作物11と工具電極12の極間の温度が低下し
て放電によるプラズマが消失している。したがって、第
二のFET32がオンしたとしても、再び放電が発生す
ることは殆どない。
【0039】他方、放電が開始されると、放電回路を流
れる放電電流によって非接触式電流センサ20が電圧信
号を出力し、この電圧信号は整流用IC21により整流
されてパルス制御回路22に入力される。そして、パル
ス制御回路22は、非接触式電流センサ20から整流用
IC21を介して入力される電圧信号に基づいてその立
下りでトリガして、検出信号を駆動回路15に出力す
る。これにより駆動回路15は、パルス制御回路22か
らの検出信号によりFET13をオフにする。
【0040】したがって、強制遮断回路31が放電回路
をオフした後、放電開始から約45ns後にはFET1
3がオフされるので、放電回路が遮断された状態となり
初期状態に戻ることになる。このようにして、上述した
動作が繰り返し行なわれることにより、工作物11に対
する放電痕の集積による放電加工が行なわれ、その際各
放電のパルス幅が約15ns程度となるので、微細放電
加工が行なわれ得る。
【0041】ところで、図2に示した放電加工用電源回
路30によれば、比較的長いパルス幅には対応しにくい
ことから、約45ns以上のパルス幅の放電加工(微細
放電加工における粗加工)については、図1に示した放
電加工用電源回路10を使用し、より微細の放電加工
(微細放電加工における仕上げ加工)については、図2
に示した放電加工用電源回路30を使用すればよい。こ
のようにして、粗加工から仕上げ加工までの領域におけ
る放電加工について、トランジスタ放電回路を利用し
て、高精度で均一な加工を行なうことが可能となる。
【0042】上述の実施形態においては、電流センサ2
0として例えばトロイダルコイルを使用した場合につい
て説明したが、これに限らず、非接触で放電回路を流れ
る電流を検出できれば、他の任意の形式の電流センサを
使用することも可能である。また、上述した実施形態に
おいては、スイッチング素子としてFET13,32を
使用しているが、高速スイッチングが可能であれば、他
の種類のスイッチング素子を使用することも可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、非
接触式電流センサにより検出された放電回路の放電電流
の変化に基づいてパルス制御回路が工具電極と工作物と
の極間の放電開始による放電電流を検出して検出信号を
駆動回路に出力する。これにより、駆動回路は、パルス
制御回路からの検出信号に基づいて放電回路に挿入され
たスイッチング素子をオフにして放電を強制的に終了さ
せる。これにより、短い放電のパルス幅が得られる。
【0044】この場合、本発明による放電加工用電源回
路は、放電回路に非接触である非接触式電流センサによ
り放電電流を検出するようにしていることから、放電回
路に対して浮遊容量の影響を与えることがない。また、
非接触式電流センサの使用によりパルス制御回路が放電
回路に対して電気的に絶縁されているので絶縁回路を設
ける必要がなく、パルス制御回路が放電に伴うノイズの
影響を受けることもない。さらに、非接触式電流センサ
の出力信号が例えば5V以下であることから、電圧変換
回路を使用することなく、そのまま直接に論理回路によ
り処理を行なうことが可能である。このようにして、本
発明によれば、絶縁回路及び電圧変換回路が不要である
ことから、論理回路であるパルス制御回路における伝播
遅延時間が例えば数十nsまで短縮されるので、放電開
始からスイッチング素子のオフまでの遅延時間が例えば
約120ns以下に短縮されると共に簡単な構成により
コストが低減され、さらに放電回路全体の動作が安定す
ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電加工用電源回路の第一の実施
形態の使用状態を示すブロック図である。
【図2】本発明による放電加工用電源回路の第二の実施
形態の使用状態を示すブロック図である。
【図3】従来の放電加工用のコンデンサ放電回路の一例
を示すブロック図である。
【図4】従来の放電加工用のトランジスタ放電回路の一
例を示すブロック図である。
【図5】従来の放電加工用のアイソパルス方式のトラン
ジスタ放電回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,30 放電加工用電源回路 11 工作物 12 工具電極 13 FET(スイッチング素子) 14 直流電源 15 駆動回路 20 電流センサ 21 整流用IC 22 パルス制御回路 31 強制遮断回路 32 第二のFET(第二のスイッチング素子)
フロントページの続き Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 BA01 BA07 CC02 CG10 5H790 BA08 BB08 CC01 DD06 EA04 EA07 EA16 EB04 EB06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラス(+)極が工作物に、マイナス
    (−)極が出力抵抗及び駆動回路により制御されるスイ
    ッチング素子を介して工具電極に接続された直流電源を
    含む放電加工用電源回路であって、 上記直流電源から工具電極,工作物,出力抵抗,スイッ
    チング素子を経て直流電源に戻る放電回路を流れる電流
    の変化を電圧信号として出力する非接触式電流センサ
    と、 非接触式電流センサからの電圧信号に基づいて放電電流
    を検出して検出信号を出力するパルス制御回路と、を備
    えており、 上記駆動回路が、パルス制御回路からの検出信号により
    スイッチング素子をオフにすることを特徴とする、放電
    加工用電源回路。
  2. 【請求項2】 前記非接触式電流センサとパルス制御回
    路との間に、整流用ICを備えていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の放電加工用電源回路。
  3. 【請求項3】 プラス(+)極が工作物に、マイナス
    (−)極が出力抵抗及び駆動回路により制御されるスイ
    ッチング素子を介して工具電極に接続された直流電源を
    含む放電加工用電源回路であって、 上記直流電源から工具電極,工作物,出力抵抗,スイッ
    チング素子を経て直流電源に戻る放電回路を流れる電流
    の変化を電圧信号として出力する非接触式電流センサ
    と、 非接触式電流センサからの電圧信号に基づいて放電電流
    を検出して検出信号を出力するパルス制御回路と、 上記放電回路に、放電電流が流れ始めた瞬間から所定時
    間後に放電回路を遮断する強制遮断回路と、を備えてお
    り、 上記駆動回路が、パルス制御回路からの検出信号により
    スイッチング素子をオフにすることを特徴とする、放電
    加工用電源回路。
  4. 【請求項4】 プラス(+)極が工作物に、マイナス
    (−)極が出力抵抗及び駆動回路により制御されるスイ
    ッチング素子を介して工具電極に接続された直流電源を
    含む放電加工用電源回路であって、 上記直流電源から工具電極,工作物,出力抵抗,スイッ
    チング素子を経て直流電源に戻る放電回路を流れる電流
    の変化を電圧信号として出力する非接触式電流センサ
    と、 非接触式電流センサからの電圧信号に基づいて放電電流
    を検出して検出信号を出力するパルス制御回路と、 上記非接触式電流センサとパルス制御回路との間に、整
    流用ICと、 上記放電回路に、放電電流が流れ始めた瞬間から所定時
    間後に放電回路を遮断する強制遮断回路と、を備えてお
    り、 上記駆動回路が、パルス制御回路からの検出信号により
    スイッチング素子をオフにすることを特徴とする、放電
    加工用電源回路。
  5. 【請求項5】 前記強制遮断回路が、放電回路中に挿入
    された第二のスイッチング素子を備えており、 この第二のスイッチング素子が、放電回路中を流れる放
    電電流によりオフされることを特徴とする、請求項3又
    は4に記載の放電加工用電源回路。
  6. 【請求項6】 工具電極と工作物との極間に、前記請求
    項1から5の何れかによる放電加工用電源回路によりパ
    ルス電圧を印加して放電加工を行なうことを特徴とす
    る、放電加工装置。
  7. 【請求項7】 工具電極と工作物との極間に、前記請求
    項1から4の何れかによる放電加工用電源回路によりパ
    ルス電圧を印加して放電加工を行なうことを特徴とす
    る、放電加工方法。
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