JP2003070941A

JP2003070941A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2003070941A
Application number: JP2001262717A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Dazai; 達也太宰
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 2001-08-31
Filing date: 2001-08-31
Publication date: 2003-03-11

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、ゴルフクラブヘッドに係るもので
あり、色調の異なる領域の境界線を利用して、クラブア
ドレス時のフェース方向を目標飛球方向と一致させやす
くするゴルフクラブヘッドに関するものである。【解決手段】本発明のゴルフクラブヘッドは、色調境
界線（４）を設けたゴルフクラブヘッドであって、通常
のアドレスをして真上から地面に投影したとき、前記色
調境界線がシャフト軸線に対して０度から２度の角度を
持つウッドクラブヘッドである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブヘッ
ドに係るものであり、色調の異なる領域の境界線を利用
して、クラブアドレス時のフェース方向を目標飛球方向
と一致させやすくするゴルフクラブヘッドに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフクラブのフェース面はアドレス時
に目標飛球方向と垂直、近似的にはゴルフシャフトの軸
線と平行にするのが基本である。しかし実際には、クラ
ブの特徴に応じてシャフト軸線と平行ではなく左右に偏
向して設計される。この時のシャフト軸線とフェース中
央部の接線のなす角をフェース角という。特に近年のク
ラブの長尺化やシャフトのしなりの増大に対応するため
に、フェース角を大きくとる所謂フックフェースと呼ば
れる設計がなされるものが多い。このためクラブをアド
レスしたとき、ゴルファーは打球が目標を逸れて飛び出
す感覚にとらわれ、フェースが目標飛球方向に垂直にな
るように修正して構えるので、打球は目標を逸れて飛び
出すという問題を有していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明に係るゴ
ルフクラブヘッドは、かかる従来の問題点に着目して発
明されたもので、ゴルフクラブをアドレスするときにフ
ェース面の偏向がゴルファーに与える影響を少なくし
て、方向性能を正確に生かすことが出来るクラブを提供
することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】クラブの長尺化やシャフ
トのしなりの増大に対応するために、所謂フックフェー
スと呼ばれる、フェース角を大きくとる設計がなされて
いる。しかし、フェース角が大きくなると、ゴルファー
がクラブをアドレスしたとき、打球が目標を逸れて飛び
出す感覚にとらわれ、フェースが目標飛球方向に垂直に
なるように修正して構えるようになる。そこで、フェー
ス角を−１．０度から＋４．０度の間で０．５度刻みに
変化させたクラブを準備し、フェース角がどの範囲であ
ればゴルファーはアドレス時にフェース角を調整しない
かを測定した。図３にその結果を示す。これによれば、
フェース角がマイナス０度を越える、すなわち所謂オー
プンフェースと呼ばれる場合にはゴルファーはフェース
をかぶせるように修正し、２度を越えるフックフェース
の場合にはフェースを開くように修正するゴルファーが
増えることが解る。また、ゴルファーに聞き取り調査を
実施したところ、ウッドクラブをアドレスするときの飛
球方向に合わせる基準線として、フェースとクラウンの
境界線を利用するものが多いことが解った。これは、フ
ェースとクラウンの境界が色調境界になることが多く、
また、フェースにクラウンと同色の着色が施され色調境
界線がない場合においても、前記フェースとクラウンの
境界は、ラウンドを有する曲線で構成されるので光沢を
持ち、視認性が高いためである。

【０００５】従って飛球方向に合わせる基準線である色
調境界線（４）が、通常のアドレスをしてグランドライ
ンに投影したとき、シャフト軸線（５）に対して０度か
ら２度の角度を持つように設定すれば、ゴルファーはフ
ェースの向きにクラブをアドレスしたとき、フェースの
偏向に左右されることなく、フェースを修正して構える
こともなくなるのである。

【０００６】さらに、色調境界線（４）がクラウン
（２）側にある場合とフェース（１）側にある場合で
は、効果に差があることも解った。即ち、一般的には色
調境界層のクラウンを含む側は着色され、スピンの安定
性を確保するためフェースを含む側は無着色であること
が多いので、色調境界線（４）がクラウン（２）側にあ
る場合は、フェースとクラウンの境界線（３）が光沢を
持つ視認性の高いラインとして残るため、アドレス時の
指標が色調境界線（４）とフェースとクラウンの境界線
（３）の二つが存在することになりかえって混乱する場
合がある。

【０００７】これを防ぐためには、色調境界線（４）
を、フェース（１）内に拡張して設け、フェースとクラ
ウンの境界線（３）の視認性を下げるようにすればよ
い。フェースとクラウンの境界線（３）の光沢を十分に
抑えるためには、明度が低い着色を施すことが効果的で
あり、色調境界線の視認性を高めるためには彩度が低い
塗装を施すことが効果的である。具体的には、修正マン
セル系指標で、着色層の明度は０以上６以下、かつ彩度
は０以上１４以下であることが望ましい。ここでいう修
正マンセル系指標とは色差を計る一般的な指標で、明
度、彩度、色相から構成される。明度は０から１０の数
値で表され、０が黒で１０が白である。彩度は０から１
４の数値で表され、０が無彩色で１４が高彩度である。
色相は色の種類を表し通常１００種類、実用的には４０
種類で構成されるものである。また、ウッドのフェース
はロール・バルジと呼ばれる曲面で構成されており、フ
ェースの全幅にわたって色調境界を直線上に設けること
が困難な場合がある。この場合は、ボールを打撃するイ
ンパクトエリア付近のみを直線で構成すれば、同様の効
果が得られる。これはボール打撃位置がフェース中央部
に設計されており、ゴルファーが飛球方向を合わせる基
準線とするのは、フェースの中央部だからである。この
とき直線部分は４０ｍｍ以上であることが望ましい。こ
れはボールの直径が４２ｍｍであり、アドレス時にはボ
ールとフェースが接近しておかれるため、直線部分がボ
ール直径に比して著しく短いと、直線部分が認識されな
いためである。また、特にドライバーヘッドの大型化が
著しいので、直線部分が４０ｍｍ以上であっても、フェ
ースに対して相対長さが短くなると、やはり直線部分の
視認性が落ちる。このため、フェース長さの５０％以上
は直線部分で構成されるべきである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明のゴルフクラブヘッドは、
色調境界線（４）を設けたゴルフクラブヘッドであっ
て、通常のアドレスをして真上から地面に投影したと
き、前記色調境界線がシャフト軸線に対して０度から２
度の角度を持つウッドクラブヘッドである。

【０００９】さらには、着色境界線（４）がフェース面
内に拡張されるウッドクラブヘッドである。着色境界層
がクラウン側にあると、フェースとクラウンの境界線が
光沢を有する視認性の高いラインとして残るため、着色
境界線（４）を、フェース（１）内に拡張して設け、フ
ェースとクラウンの境界線（３）の視認性を下げるよう
にしたゴルフクラブヘッドである。

【００１０】また、着色層の明度や彩度によっては色調
境界線（４）がフェース面内にあってもフェースとクラ
ウンの境界線の視認性を十分に抑えられない。これを防
ぐには明度や彩度が低い着色、即ち修正マンセル系指標
で、着色層の明度は０以上６以下、かつ彩度は０以上１
４以下の範囲に収めることが望ましい。また、デザイン
上の観点から、色調境界線の両側に着色を施す場合があ
るが、この場合はフェースとクラウンの色の明度差を３
以上、彩度差を２以上広げれば同じ効果が見込める。こ
こで、フェース中央部とはフェース中心線（６）を挟ん
で任意の等距離の範囲をいう。また色調境界層の直線性
は、ヘッドを通常のアドレス位置に構え、ヘッドの鉛直
上方からラインレーザーを投射して測定する。フェース
正面から見たときは図５に示すように不規則な曲線とな
るが、これはロール・バルジによるものである。また、
ここではフックフェースの場合を主眼に説明したが、フ
ェース角がマイナス、即ちオープンフェースである場合
にも本発明は有効であることはいうまでもない。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図を用いて説明する。図１
は、色調境界層をシャフトの軸線に対して１度フック側
に傾斜させた請求項１の実施例である。図２は、色調境
界層をフェース面内に設けた請求項２の実施例である。
このとき、フェースとクラウンの境界線と色調境界線の
二つの指標が存在するが、色調境界層を飛球方向合わせ
の指標とさせるには、修正マンセル系指標で、着色層の
明度は０以上６以下、かつ彩度は０以上１４以下の範囲
に収めることが望ましい。図４は、色調境界層の直線の
定義を示す模式図である。前記直線はロフト・ライ角通
りにクラブをアドレスしたとき、シャフト軸線を含み地
面に垂直な平面Ｐ１（１０）を基準平面としたとき、前
記基準平面に０度以上２度以下の交差角を有し、地面に
垂直な平面Ｐ２（１１）とフェース（１）の交線で定義
される。従って、真上から見たときは平面Ｐ２の形成す
る直線として認識されるが、フェース正面から見たとき
には不規則な曲線で構成されることになる。図５は、前
記色調境界線が施されたフェース（１）を正面から見た
図である。フェースのトウ、ヒール側で色調境界層がフ
ェースの外形に対して内側に入り込んでいるのは、バル
ジによる影響である。図６は、フェース中央部（９）の
定義を示す模式図である。飛球線方向の目標とするのは
ヘッドの中央部分であるので、少なくともこの部分をシ
ャフト軸線に対して０度から２度の傾斜を持つ直線で構
成すれば十分である。

【発明の効果】このように本発明のゴルフクラブヘッド
は、色調境界層をシャフトの軸線に対して０度から２度
の傾斜で直線状に設けたので、フェースの傾きによらず
正確に飛球線方向にアドレスできるものである。さらに
色調境界層をフェース面内に設けたので、もう一つの飛
球線合わせの指標となるフェースとクラウンの境界層を
目立たなくさせ、飛球線方向の精度を上げることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】色調境界層をシャフトの軸線に対して１度フッ
ク側に傾斜させた請求項１の実施例である。

【図２】色調境界層をフェース面内に設けた請求項２の
実施例である。

【図３】明度と彩度を変えたとき、アドレス時にフェー
スの向きを再調整するゴルファーの割合を示すグラフで
ある。

【図４】色調境界層の直線の定義を示す説明図である。

【図５】図４の色調境界線が施されたフェース面を正面
から見た図である。

【図６】フェース中央部の定義を示す説明図である。

【符号の説明】

１フェース２クラウン３フェース−クラウン境界線４色調境界線５シャフト軸線６色調境界線とシャフト軸線のなす角Ａ７フェース中央線８フェース長さＬ９フェース中央部１０シャフト軸線を含み地面に垂直な平面Ｐ１１１Ｐ１と公差角度Ａを持ち地面に垂直な平面Ｐ２１２Ｐ２とフェースの交差線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フェース部とクラウン部の境界の近傍に
沿って色調境界線（４）を有するゴルフクラブヘッドに
おいて、該ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスで構え
たとき、前記色調境界線（４）がシャフト軸線（５）を
含み地面に垂直な平面に対して０度から２度の角度を持
つ様に構成されたことを特徴とするウッドクラブヘッ
ド。
【請求項２】前記色調境界線（４）が、フェース
（１）内に延在する、請求項１のウッドクラブヘッド。
【請求項３】前記色調境界線（４）での修正マンセル
系指標で、着色層の明度は０以上６以下、かつ彩度は０
以上１４以下である、請求項１乃至２のゴルフクラブヘ
ッド。
【請求項４】フェース中央部（９）の色調境界線
（４）の直線部が４０ｍｍ以上、またはフェース長さＬ
（８）の５０％以上である、請求項１乃至３のウッドゴ
ルフクラブヘッド。