JP2003070928A - 墜落阻止器具 - Google Patents

墜落阻止器具

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JP2003070928A
JP2003070928A JP2001265675A JP2001265675A JP2003070928A JP 2003070928 A JP2003070928 A JP 2003070928A JP 2001265675 A JP2001265675 A JP 2001265675A JP 2001265675 A JP2001265675 A JP 2001265675A JP 2003070928 A JP2003070928 A JP 2003070928A
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belt
drum
winding
bag
lifeline
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JP2001265675A
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Hirofumi Nakatsuka
宏文 中塚
Kaoru Watanabe
薫 渡辺
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Ashimori Industry Co Ltd
Sanko Industry Corp
Original Assignee
Ashimori Industry Co Ltd
Sanko Industry Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 命綱としてベルトを使用した場合であって
も、乱巻き状態が発生しにくい墜落阻止器具を提供す
る。 【解決手段】 先端にフック22を有する命綱4と、前
記命綱4の引き出し口3を有するケース2と、前記ケー
ス2内に回動自在に設けられ前記命綱4を巻き取り可能
なドラム5と、前記ケース2内に設けられ前記ドラム5
に対して前記命綱4を巻き取る方向に回転力を付与する
ゼンマイバネ6と、前記命綱4が引き出されて前記ドラ
ム5が所定角速度又は所定角加速度以上で回転したこと
を感知する感知手段と、前記感知手段の前記感知と連動
して前記ドラムの回転を阻止するロック手段とを備えた
墜落阻止器具において、前記命綱4は、高強度繊維から
なる芯糸と、合成繊維からなる袋状皮組織と、前記袋状
皮組織を扁平に保つとじ糸とで形成されたベルトであっ
て、前記袋状皮組織の糸密度が、たて糸3300dte
x(約3000d)/mm以上、よこ糸550dtex
(約500d)/mm以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築現場などの高
所作業において使用される墜落阻止器具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建築現場などの高所作業を行う
場合、作業者の墜落を防止する安全対策がとられてい
る。その安全対策として、作業者の腰部に締められた高
所作業用安全帯にベルトを接続し、そのベルト先端のフ
ックを構築物にかけ、あるいは高所に張られた親綱に係
合する方法が知られている。
【0003】上記の安全対策においては、作業者が万一
足を踏み外した場合、作業者はベルトの長さに対応する
距離だけ落下すると、そのベルトで身体が受けられるた
め安全であるが、受け止められたときの衝撃が大きいと
いう不都合がある。
【0004】そのような不都合を解消するため、作業者
の落下を最小限に抑えることができるようにした墜落防
止用器具が実開平7−1951号公報において提案され
ている。
【0005】前記公報に記載された墜落防止用器具にお
いては、巻き取り回転体に巻き取られた命綱が作業者の
落下により急速に引き出されて巻き取り回転体が所定回
転速度以上で回転したとき、その巻き取り回転体に取付
けられた係止爪を遠心力によって外方に揺動させ、係止
爪とラチェット内歯車の係止部との係合により巻き取り
回転体を停止させて命綱が繰り出されるのを防止してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この墜落防
止用器具の命綱にベルトを使用し、ベルトの引き出し量
が多い場合、ベルトが高速で巻き取られるため、ベルト
が折れた状態で巻かれる乱巻き状態になるという問題が
あった。
【0007】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、命綱としてベルトを使用した場合であ
っても、乱巻き状態が発生しにくい墜落阻止器具を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1に記載の墜落阻止器具は、先端にフ
ックを有する命綱と、前記命綱の引き出し口を有するケ
ースと、前記ケース内に回動自在に設けられ前記命綱を
巻き取り可能なドラムと、前記ケース内に設けられ前記
ドラムに対して前記命綱を巻き取る方向に回転力を付与
するゼンマイバネと、前記命綱が引き出されて前記ドラ
ムが所定角速度又は所定角加速度以上で回転したことを
感知する感知手段と、前記感知手段の前記感知と連動し
て前記ドラムの回転を阻止するロック手段とを備えた墜
落阻止器具において、前記命綱は、高強度繊維からなる
芯糸と、合成繊維からなる袋状皮組織と、前記袋状皮組
織を扁平に保つとじ糸とで形成されたベルトであって、
前記袋状皮組織の糸密度が、たて糸3300dtex
(約3000d)/mm以上、よこ糸550dtex
(約500d)/mm以上であることを特徴とする。ベ
ルトの糸密度が、たて糸3300dtex(約3000
d)/mm以上、よこ糸550dtex(約500d)
/mm以上であるため、ベルトに十分な剛性が得られ
る。このため、高速でベルトが巻き取られても、乱巻き
状態となることを防止できる。
【0009】請求項2に記載の墜落阻止器具は、請求項
1において、前記袋状皮組織のたて糸またはよこ糸の少
なくとも一方がモノフィラメント糸であることを特徴と
する。ベルトのたて糸またはよこ糸の少なくとも一方に
モノフィラメント糸を使用することによって、さらに剛
性が高められ、耐摩耗性も向上する。
【0010】請求項3に記載の墜落阻止器具は、請求項
1又は2において、前記ベルトが巻き取られる前記ドラ
ムの巻き芯の径が、前記ベルトの厚さの40倍以上であ
ることを特徴とする。巻き芯の径をベルトの厚さの40
倍にすることにより、巻き取られた時のたるみを生じに
くくできる。このため、落下した時の巻き締りによる落
下距離の増加を防ぐことができる。これによって、ベル
トの巻き締りによる落下距離を小さくすることができる
ため、2次災害を防ぐことがきる。
【0011】請求項4に記載の墜落阻止器具は、請求項
1乃至3のいずれかにおいて、前記巻き芯の外周に、前
記ベルトの縫製部をかわす段差が設けられていることを
特徴とする。巻き芯に段差を設けることにより、ベルト
がきれいに巻き取られる。このため、巻き取られた時の
たるみが生じにくくなり、落下した時の巻き締りによる
落下距離の増加を防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
に係る墜落阻止器具の実施形態の一例を説明する。図1
は、本実施形態例に係る墜落阻止器具の正面一部断面図
であり、図2は、本実施形態例に係る墜落阻止器具の側
面一部断面図である。
【0013】図1において、墜落阻止器具1は、ケース
2と、命綱であるベルト4と、ドラム5と、ゼンマイバ
ネ6と、ラチェットギヤ7と、ロック爪8と、スプリン
グ9を主要部として構成されている。
【0014】ケース2は上部に吊り下げ用の穴部18を
有し、下部にベルト4の引き出し口3が設けられてい
る。ケース2内には一対のフレーム12が設けられてお
り、ベルト4を巻き取るためのドラム5(図2参照)が
フレーム12に回動自在に設けられている。
【0015】図2に示すように、ドラム5の一方のフラ
ンジ部5aにはゼンマイバネ6が設けられており、ゼン
マイバネ6の中心部はドラム5に、最外部はケース2に
固定されている。このゼンマイバネ6により、ドラム5
はベルト4を巻き取る方向に回転力を付与されている。
ゼンマイバネ6としては、各種バネ鋼が使用できる。ゼ
ンマイバネ6の張力を強くしすぎると、ベルト4の巻き
取り速度が速くなるため好ましくないが、ベルト4を最
後まで巻き取るため、初期張力を9.8N程度以上とす
るのが望ましく、その他ベルト4の長さ等に応じて適宜
選定される。
【0016】ドラム5の他方のフランジ部5bにはラチ
ェットギヤ7が固定されている。このラチェットギヤ7
は、外側にラチェット歯7aを有している。ラチェット
ギヤ7の外周側にロック爪8が回動可能に設けられてい
る(図1参照)。
【0017】図1に示すように、このロック爪8の一端
19がラチェットギヤ7に係合可能であり、他端20は
ラチェットギヤ7と接触可能となっている。さらに、ロ
ック爪8の他端20をラチェットギヤ7側へ付勢するス
プリング9が設けられており、ロック爪8の他端20は
ラチェットギヤ7と常に接触するようになっている。ま
た、スプリング9は、各種バネ鋼を使用することができ
る。これによって、ロック爪8の他端20をラチェット
ギヤ7と常に接触するようにラチェットギヤ7側へ付勢
することができる。
【0018】また、図3に示すように、ロック爪8は、
ロック爪8の他端20とラチェットギヤ7との接触点2
5における、ラチェットギヤ7の円周方向の接線と他端
20の接触面の接線との角度を30°以下となるよう
に、他端20の形状が設定されている。ここで、ラチェ
ットギヤ7の円周方向の接線と他端20の接触面の接線
との角度θを30°より大きくすると、ロック爪8とラ
チェットギヤ7との接触時にロック爪8にかかる衝撃が
大きくなるため、ロック爪8の耐久性が悪くなる。逆
に、10°以下にすると、後述するドラム5の巻き取り
時の回転の抑制が小さくなるので好ましくない。したが
って、この角度θは、30°以下、好ましくは25°以
下、さらには23°以下とすることが好ましい。
【0019】また、ラチェットギヤ7の径及び歯数に合
わせて、ゼンマイバネ6の張力や、ロック爪8の他端を
ラチェットギヤ7に常に接触するように付勢するスプリ
ング9の強さを適宜調整する。このスプリング9の強さ
を調整することによって、ドラム5が所定角速度又は所
定角速度以上で回転したことをロック爪8によって感知
することができる。このように、スプリング9とロック
爪8とによって感知手段が構成され、ロック爪8の一端
19がドラム5の回転を阻止するロック手段を構成す
る。ここで、スプリング9の強さは、ベルト4の平均の
巻き取り速度が2.5m/秒以下となるように調整する
ことが好ましい。これによって、巻き取り時のベルト4
やフック22の踊りを抑制することができる。
【0020】ベルト4は、図4に示すように、端部が縫
製されてループを形成しており、このループがドラム5
の中心部に掛け回され、ドラム5の巻き芯10に巻かれ
る。巻き芯10の径は、ベルト4の厚さの40倍以上で
あることが好ましい。これによって、ベルト4が巻き取
られた時にたるみが生じにくくでき、落下した時の巻き
締りによる落下距離の増加を防ぐことができる。ここで
巻き芯10には、ベルト4の縫製部21をかわす段差1
1が設けられているため、ベルト4は巻き芯10にきれ
いに巻き取られる。
【0021】また、ベルト4は、図5に示すように、芯
入り袋とじベルトであって、高強度繊維からなる芯糸1
3と、合成繊維からなる袋状皮組織14と、袋状皮組織
14を偏平に保つとじ糸17とからなる。芯糸13を構
成する高強度繊維としては、高強力ポリアリレート繊
維、PBO繊維、アラミド繊維などが好ましい。また、袋
状皮組織14を構成するたて糸15の糸密度は3300
dtex/mm(約3000d)/mm以上、よこ糸1
6は550dtex/mm以上、より好ましくはたて糸
4400dtex/mm以上、よこ糸730dtex/
mm以上とするのがよく、ベルト4に十分な剛性が得ら
れ、高速で巻き取られても乱巻きになりにくくなる。さ
らに、袋状皮組織14として、モノフィラメント糸を使
用するのが好ましく、ベルト4の剛性が高められ、耐摩
耗性も向上する。
【0022】次に本実施形態例に係る墜落阻止器具1の
作動について説明する。墜落阻止器具1の穴部18を建
設現場等の高所へ固定し(図8参照)、ベルト4先端の
フック22を作業者の安全帯23等に固定する。作業者
が作業をすると、作業者の移動に応じてベルト4がケー
ス2から引き出されたり、ケース2へ巻き取られたりす
る。このとき、ロック爪8の他端20はスプリング9によ
りラチェットギヤ7側へ付勢されているため、ラチェッ
トギヤ7の回転に応じて、ロック爪8は揺動する。すな
わち、ベルト4が多量に巻き取られるときであっても、
ロック爪8とラチェットギヤ7との接触によりドラム5
の回転が抑制され、ベルト4が遅く巻き取られる上、ベ
ルト4に十分な剛性があるため、ベルト4は乱巻きにな
りにくい。また、ロック爪8の他端20とラチェットギ
ヤ7との接触点25における、ラチェットギヤ7の円周
方向の接線と他端20の接触面の接線との角度θを30
°以下となるように、ロック爪8の他端20の形状が設
定されているため、ロック爪8とラチェットギヤ7の接
触時に発生する摩擦力を小さくすることができ、ロック
爪8の摩耗を抑制することができ、十分な耐久性が得ら
れる。
【0023】ベルト4が通常の速さで引き出された場合
は、ロック爪8は、図6に示すように、他端20がラチ
ェットギヤ7に常に接触するようスプリング9によって
付勢されており、一端19はラチェットギヤ7に接触し
ないようになっている。
【0024】ところが、例えば、作業者が架台26(図
8参照)から足を踏み外す等してベルト4が急激に引き
出されると、図7に示すように、ロック爪8の他端20
がラチェットギヤ7に蹴り上げられて、スプリング9の
弾性力に打ち勝ち、ロック爪8の一端19とラチェット
ギヤ7の歯7aとが係合し、ドラム5の回転がロックさ
れる。このため、ベルト4の引き出しが瞬時に止まるた
め、作業者の墜落を阻止することができる。ここで、前
記角度θが30°より大きく設定されていると、長期間
の使用によってロック爪8が摩耗し、作業者が落下した
時のロック感度が変わるという問題がある。
【0025】このように、本発明に係る墜落阻止器具1
によると、ある一定角速度以上で命綱であるベルト4が
引き出された場合に、瞬時にベルト4の引き出しが止ま
るため、作業者が高所の架台から足を滑らせた場合であ
っても、短い落下距離で作業者を支えることができるた
め、作業者への負担を軽減することができる。また、ベ
ルト4の剛性が高いため、乱巻きされずに巻き取られ
る。さらに、ゼンマイバネ6の張力と、スプリング9の
弾性力をラチェットギヤ7の径や歯数に合わせて調整し
ているため、巻き取り時に平均巻き取り速度を2.5m
/秒以下とすることができ、巻き取り時のベルト4自身
やフック22の踊りを抑制することが可能となる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を具体的に説
明する。
【0027】以下に示す3種類の芯入り袋とじベルトを
準備した。 ベルトA:芯糸として、高強力ポリアリレート繊維16
50dtex/4×20本使用し、糸密度が5900d
tex/mmのPET繊維からなるたて糸と糸密度が7
70dtex/mmのPET繊維からなるよこ糸とで構
成し、幅30mm、厚さ1.6mm、長さ15mとし
た。 ベルトB:芯糸として、高強力ポリアリレート繊維16
50dtex/4×20本使用し、糸密度が3500d
tex/mmのPET繊維からなるたて糸と糸密度が5
50dtex/mmのPET繊維からなるよこ糸とで構
成し、幅30mm、厚さ1.4mm、長さ15mとし
た。 ベルトC:芯糸として、高強力ポリアリレート繊維16
50dtex/4×20本使用し、糸密度が2500d
tex/mmのPET繊維からなるたて糸と糸密度が4
00dtex/mmのPET繊維からなるよこ糸とで構
成し、幅30mm、厚さ1.3mm、長さ15mとし
た。
【0028】また、使用する墜落阻止器具としては、ゼ
ンマイバネに、初期張力が9.8N、ベルト全長引き出
し時の張力が34.3Nのものを使用した。また、ラチ
ェットギヤには、歯先径がφ170mm、歯底径がφ1
50mmのものを使用した。以下に、本発明に係る墜落
阻止器具の特性について夫々実施例によって説明する。
【0029】(ロック爪とラチェットギヤとの接触角の
関係) (実施例1)ベルトにベルトAを使用し、歯数が20の
ラチェットギヤを使用し、ロック爪の他端とラチェット
ギヤとの接触点における、ラチェットギヤの円周方向の
接線とロック爪の他端の接触面の接線との角度が25°
のロック爪を使用し、ベルト全長の引き出し、巻き取り
操作を1000回した後、ロック爪のラチェットギヤと
の接触点での摩耗量を調べた。
【0030】(実施例2)ラチェットギヤの円周方向の
接線とロック爪の他端の接触面の接線との角度が23°
のロック爪を使用した以外、実施例1と同様にして、ベ
ルト全長の引き出し、巻き取り操作を1000回した
後、ロック爪のラチェットギヤとの接触点での摩耗量を
調べた。
【0031】(比較例1)ラチェットギヤの円周方向の
接線とロック爪の他端の接触面の接線との角度が35°
のロック爪を使用した以外、実施例1と同様にして、ベ
ルト全長の引き出し、巻き取り操作を1000回した
後、ロック爪のラチェットギヤとの接触点での摩耗量を
調べた。
【0032】実施例1、2におけるロック爪は、ベルト
全長の引き出し、巻き取り操作を1000回した後であ
っても、ほとんど摩耗することはなく、実施例1は0.
2mm、実施例2は0.1mm摩耗した。一方、比較例1
のロック爪は、接触点部分が1mm摩耗していることが
観察された。このことから、ラチェットギヤの円周方向
の接線とロック爪の他端の接触面の接線との角度を30
°以下、好ましくは25°以下、さらに好ましくは23
°以下とすることによって、ロック爪の耐久性を向上さ
せることができる。
【0033】(平均巻き取り速度とベルト巻き取り時に
おけるベルト先端のフックの状況) (実施例3)ベルトにベルトAを使用し、歯数20のラ
チェットギヤを用い、接触点における接触角度が25°
のロック爪を使用して、平均巻き取り速度が1.4m/
sで巻き取った場合のベルト先端に設けられたフックの
状態を観察した。
【0034】(実施例4)ベルトにベルトAを使用し、
歯数16のラチェットギヤを用い、接触点における接触
角度が25°のロック爪を使用して、平均巻き取り速度
が2.2m/sで巻き取った場合のベルト先端に設けら
れたフックの状態を観察した。
【0035】(比較例2)ベルトにベルトAを使用し、
歯数8のラチェットギヤを用い、接触点における接触角
度が25°のロック爪を使用して、平均巻き取り速度が
3.8m/sで巻き取った場合のベルト先端に設けられ
たフックの状態を観察した。
【0036】(比較例3)ベルトにベルトAを使用し、
歯のないラチェットギヤを用い、実施例3と同じロック
爪を使用して、平均巻き取り速度が7.5m/sで巻き
取った場合のベルト先端に設けられたフックの状態を観
察した。
【0037】実施例3及び4のものは、巻き取り時、ベ
ルト先端に設けられたフックはほとんど踊ることがなく
巻き取られた。一方、比較例2および3のものは、巻き
取り時、フックが踊りながら巻き取られていった。特
に、比較例3のものは、激しく踊りながら巻き取られ
た。
【0038】(糸密度とベルト巻き取り時における乱巻
きの有無) (実施例5)歯数16のラチェットギヤに、ベルトAを
使用し、平均巻き取り速度2.2m/sで巻き取った時
の乱巻きの有無を調べた。
【0039】(実施例6)ベルトBを使用した以外、実
施例5と同様にして乱巻きの有無を調べた。
【0040】(比較例4)ベルトCを使用した以外、実
施例5と同様にして乱巻きの有無を調べた。
【0041】実施例5、6のものは、剛性が高いため巻
き取り時に乱巻きになることはなかった。ところが、比
較例4のものは、ベルトの剛性が十分でなく、巻き取り
時に乱巻き状態となった。
【0042】(巻き芯径と巻き締り量との関係) (実施例7)歯数20のラチェットギヤに、ベルトAを
使用して、巻き芯径を75mm、即ち、ベルト厚さに対
して47倍の径を有する巻き芯にベルトを取り付け、一
旦ベルト全長を引き出して、ゼンマイバネの巻き取り力
のみで一気に巻き取った後、フック先端に85kgの錘
を付けて落下させた時の落下距離を測定した。落下距離
は1700mmであった。
【0043】(実施例8)巻き芯径90mm、即ち、ベ
ルト厚さに対して56倍の径を有する巻き芯を使用した
以外、実施例7と同様に、一旦ベルト全長を引き出し
て、ゼンマイバネの巻き取り力のみで一気に巻き取った
後、フック先端に85kgの錘を付けて落下させた時の
落下距離を測定した。落下距離は1600mmであっ
た。
【0044】(比較例5)巻き芯径60mm、即ち、ベ
ルト厚さに対して38倍の径を有する巻き芯を使用した
以外、実施例7と同様に、一旦ベルト全長を引き出し
て、ゼンマイバネの巻き取り力のみで一気に巻き取った
後、フック先端に85kgの錘を付けて落下させた時の
落下距離を測定した。落下距離は2100mmであっ
た。
【0045】ベルト厚みに対して40倍以上の径の巻き
芯を使用した実施例7,8のものは、巻き芯径がベルト
厚さの40倍以下の比較例5のものよりも錘の落下距離
が小さくなった。これは、ベルト厚みに対して40倍以
上の径の巻き芯を使用することで、ベルトがたるまずに
巻き取られていたことを意味し、巻き締り量が小さかっ
たからである。このため、ベルト厚みに対して40倍以
上の径の巻き芯を使用することで、2次災害を防ぐこと
ができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
命綱にベルトを使用した場合であっても、巻き取った時
に乱巻きされることがない。また、ベルトの耐久性を高
めることができるとともに、作業者が架台から落下した
場合であっても、作業者に対して負荷がかかりにくい安
全性の高い墜落阻止器具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る墜落阻止器具の実施形態の一例の
正面一部断面図である。
【図2】本発明に係る墜落阻止器具の実施形態の一例の
側面一部断面図である。
【図3】ラチェットギヤとロック爪と接触角度の関係を
説明するための図である。
【図4】巻き芯とベルトとの関係を示す図である。
【図5】本発明に係る墜落阻止器具に用いられるベルト
の一例の組織を示す図である。
【図6】本発明に係る墜落阻止器具の通常時のロック爪
とラチェットギヤとの関係を示す図である。
【図7】本発明に係る墜落阻止器具の異常発生時のロッ
ク爪とラチェットギヤとの関係を示す図である。
【図8】本発明に係る墜落阻止器具の使用の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 墜落阻止器具 2 ケース 3 引き出し口 4 ベルト 5 ドラム 6 ゼンマイバネ 7 ラチェットギヤ 8 ロック爪 9 スプリング 10 巻き芯 11 段差 12 フレーム 13 芯糸 18 穴部 19 一端 20 他端
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 薫 大阪府大阪市淀川区新高1丁目14番7号 サンコー株式会社内 Fターム(参考) 2E184 JA05 KA10 KA17 LA19 LA33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にフックを有する命綱と、前記命綱
    の引き出し口を有するケースと、前記ケース内に回動自
    在に設けられ前記命綱を巻き取り可能なドラムと、前記
    ケース内に設けられ前記ドラムに対して前記命綱を巻き
    取る方向に回転力を付与するゼンマイバネと、前記命綱
    が引き出されて前記ドラムが所定角速度又は所定角加速
    度以上で回転したことを感知する感知手段と、前記感知
    手段の前記感知と連動して前記ドラムの回転を阻止する
    ロック手段とを備えた墜落阻止器具において、前記命綱
    は、高強度繊維からなる芯糸と、合成繊維からなる袋状
    皮組織と、前記袋状皮組織を扁平に保つとじ糸とで形成
    されたベルトであって、前記袋状皮組織の糸密度が、た
    て糸3300dtex(約3000d)/mm以上、よ
    こ糸550dtex(約500d)/mm以上であるこ
    とを特徴とする墜落阻止器具。
  2. 【請求項2】 前記袋状皮組織のたて糸またはよこ糸の
    少なくとも一方がモノフィラメント糸であることを特徴
    とする請求項1に記載の墜落阻止器具。
  3. 【請求項3】 前記ベルトが巻き取られる前記ドラムの
    巻き芯の径が、前記ベルトの厚さの40倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落阻止器具。
  4. 【請求項4】 前記巻き芯の外周に、前記ベルトの縫製
    部をかわす段差が設けられていることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の墜落阻止器具。
JP2001265675A 2001-09-03 2001-09-03 墜落阻止器具 Pending JP2003070928A (ja)

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