JP3008656U - 安全帯のベルト巻取機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 落下距離を短くし、落下衝撃荷重を低くし
て、安全帯より緩衝体を無くし、取扱性の向上を計る。 【構成】 フレーム1 側にラチェット歯5 を設けたリン
グ板6 を鋲着し、ボビンン4 側に遠心爪8 を設けて、あ
る加速度を越えたときに、その慣性力で遠心爪8が回転
し、ラチェット歯5 に噛合し、ボビン4 の回転を停止
し、ベルトの繰り出しを阻止するものである。 【効果】 構造が簡単でロック機構に確実性があり、落
下衝撃荷重を低く抑えられ、安全帯より緩衝体を無く
し、コストダウンと取扱性が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願は高所作業時に使用する墜落防止用安全帯に関するものであり、特にベル ト巻取式安全帯の巻取機の部分に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より用いられている巻取式の高所作業用安全帯は、巻取機より、先端にフ ックのついたベルトを引き出し、所定の長さで引き出しを停止すれば、その位置 でベルトはロックされるものであった。ロックといっても、巻き戻し方向へボビ ンが回転しないだけで、引き出し方向へは、引き出しが可能であり、巻き戻し（ ベルトを収容）したい場合は、ボビンのラチェット歯に噛合している爪を解除ボ タンを押して解除したり、ロックされている位置よりすこし引き出して、ラチェ ット歯の欠落部において爪の方向を変えて解除するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

よって、このような従来品は万が一作業者が高所より墜落した場合、ベルトは 全長にわたって引き出されるもので、落下距離が長くなり、よって落下衝撃荷重 が高く、そのため図６，７に示すように、墜落時の衝撃荷重の緩和を目的とする 緩衝体Ｓを設けるものであり、その位置はベルトＢと巻取機の間、またはロープ 状ベルトＲとフックＦの間に介在させるものであった。 安全帯を使用しての作業においては、作業場所の移動に際し、何度となくフック を掛け替えるものであり、係止する際また係止後の作業中において、ある程度の 量感、質感を有する緩衝体Ｓが腰部で、またはフックの根元で揺れることは、作 業者にとって取り扱いにくく、不愉快なことであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

よって本願では、墜落が発生してベルトが引き出されると、その加速度により ベルトを巻き取ったボビンに連設した遠心爪が固定された軸を支点にして外方へ 開き、ラチェット歯に噛合してボビンの回転を止め、ベルトの繰り出しを停止し て、落下距離を短くし、よって落下衝撃荷重を低くすることにより身体を守ると 共に、フック側や巻取機側の緩衝体を無くして、安全帯の取扱性を向上すると共 に、コストダウンを計るものである。

【０００５】

【実施例】

本願の実施例を詳記すると、略コ字状に折曲したフレーム1 の両辺中央部分に 軸孔2 を設け、両軸孔2 間に軸3 を回動自在に貫通して設け、該軸3 にはボビン 4 を嵌合固定する。フレーム1 の一辺内側部とボビン4 との間に、内側にラチェ ット歯5 を設けたリング板6 を鋲着し、外側部にうず巻状のバネ7 を配し、軸3 に一端を固定し、他端にフックを有するロープ状ベルトをボビン4 へ巻き込む力 を附勢する。該ボビン4 のリング板6 側側壁には遠心爪8 を偏心位置に軸止して 設け、通常はボビン4 と共に回動しえる様に引バネ81により引かれ、ある加速度 を越えたときには、軸位置を中心に、その慣性力で引バネ81に抗して回転し、ラ チェット歯5 と当接して噛合し、ボビン4 の回転を停止し、ロープ状ベルトの繰 り出しを阻止する構造のものである。さらに、コ字状フレーム1 の底辺部をＵ字 状に突出し、環を連結して、機構部を上下より樹脂カバー9 で被覆してボルトに より螺着結合したものである。

【０００６】

【考案の効果】

以上のように本願の巻取機は、構造が簡単でロック機構に確実性があり、万が 一の墜落が発生した際には、ロープ状ベルトの引き出された位置でロックが可能 であり、落下距離を最短とすることによって、落下衝撃荷重が低く抑えられ、従 来のように、巻き込んだベルトが全て繰り出されるため、その全長の落下距離を 想定して衝撃荷重を考慮し、配設していた緩衝体を無くすことができ、軽量化、 コストダウンとなると共に、安全帯の取扱性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願のロック状態正面図。

【図２】本願の通常回動状態正面図。

【図３】本願の一部切欠したところの底面図。

【図４】本願のカバーを取付けた正面図。

【図５】本願の巻取機を備えた安全帯正面図。

【図６】従来品の安全帯正面図。

【図７】従来品の安全帯正面図。

【符号の説明】

1 フレーム 2 軸孔 3 軸 4 ボビン 5 ラチェット歯 6 リング板 7 バネ 8 遠心爪 9 カバー 10 巻取機 81 引バネ Ｂ ベルト Ｆ フック Ｒ ロープ状ベルト Ｓ 緩衝体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略コ字状フレーム1 の両辺中央部分に軸
   孔2 を設け、両軸孔2 間に軸3 を回動自在に貫通して設
   け、該軸3 に、ボビン4 を嵌合固定し、一方のフレーム
   1 の一辺内側部とボビン4 の間に、内側にラチェット歯
   5 を設けたリング板6 を鋲着し、フレームの外側部にう
   ず巻状のバネ7 を配し、軸3 に一端を固定し、他端にフ
   ックＦを有するロープ状ベルトＲをボビン4 へ巻き込む
   力を附勢し、該ボビン4 のリング板6 側側壁に、遠心爪
   8 を偏心位置に軸止して設け、通常はボビン4 と共に回
   動し、ある加速度を越えたときに軸位置を中心に慣性力
   で回転し、ラチェット歯5 と当接して噛合し、ボビン4
   の回転を停止し、ロープ状ベルトＲの繰り出しを阻止す
   ることを特徴とする安全帯のベルト巻取機。