JP2003070482A - ペプチド又はタンパク質を提示するための支持体タンパク質 - Google Patents

ペプチド又はタンパク質を提示するための支持体タンパク質

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JP2003070482A
JP2003070482A JP2001270322A JP2001270322A JP2003070482A JP 2003070482 A JP2003070482 A JP 2003070482A JP 2001270322 A JP2001270322 A JP 2001270322A JP 2001270322 A JP2001270322 A JP 2001270322A JP 2003070482 A JP2003070482 A JP 2003070482A
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Naoto Nemoto
直人 根本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的短いペプチドは無細胞翻訳系で発現さ
せることを可能とする支持体タンパク質を提供するこ
と。 【解決手段】 30から200アミノ酸残基からなる球
状タンパク質から成ることを特徴とする、目的ペプチド
又は目的タンパク質を融合タンパク質として発現及び提
示するための支持体タンパク質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目的ペプチド又は
目的タンパク質を融合タンパク質として提示するための
支持体タンパク質に関する。より詳細には、本発明は、
ランダム配列から成るペプチドライブラリーなどの比較
的短いアミノ酸残基を有する目的ペプチドまたは目的タ
ンパク質を無細胞翻訳系において機能的に発現させる際
に有用な支持体タンパク質に関する。本発明はまた、上
記支持体タンパク質を用いてペプチドライブラリーを機
能的に発現させる方法、並びに上記支持体タンパク質を
用いて機能性ペプチド又はタンパク質をスクリーニング
する方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】様々な配列のペプチドまたはタンパク質
をファージ等のコートタンパク質と融合させてディスプ
レイ(ファージディスプレイ法)(Scott, J.K. & Smit
h, G.P., (1990) Science 1990, 249: 386-390)させる
ことにより、目的分子に結合する機能ペプチドをこのフ
ァージ集団から取得する方法が開発されている。また、
大腸菌等の細胞表面の膜タンパク質を利用してこのよう
なランダムな配列のペプチドを提示し、機能ペプチドを
取得する方法も開発された(Lu, Z. et al. (1995) Bio
/Technology 13: 366-372)。これらの方法はいずれも
機能ペプチドを取得するための有効な方法であるが、生
細胞を用いるため提示するペプチド配列に片寄りが生じ
るなどの問題点も有している。
【0003】一方、最近になって無細胞翻訳系中でmRNA
とそれにコードされたタンパク質をmRNAの3'末端側にピ
ューロマイシン付スペーサを介して連結させる方法が開
発された(Nemoto, N. et al. (1997) FEBS Lett. 41
4, 405-408, Roberts, R. W.et al (1997) Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 94, 12297-12302).この方法では無
細胞翻訳系を用いるため上述のような配列の片寄りが生
じることはない。ただし、短いペプチドは無細胞翻訳系
では発現しにくくmRNAに比べて小さいため、ランダムな
ペプチドを提示するための支持体となるタンパク質が必
要となる。支持体となるタンパク質はそれ自体がフォー
ルディングしやすく、提示するペプチドとの相互作用が
生じにくいことが要求される。また、mRNA等の核酸や他
のタンパク質と相互作用しにくいことが望ましい。現
在、このような複数の要求にあったタンパク質を作成す
ることが求められている。フォールディングしやすくCy
sを含まない支持体としては、Staphylococcus areusの
プロテインAの一部BドメインB(Moks, T., et al., (198
6) Eur. J. Biochem. 156, 637-643.) が知られてい
る。しかし、BドメインはIgGのFcフラグメントに強く結
合するために、例えば抗体のエピトープをスクリーニン
グする際の支持体としては使用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。
即ち、本発明は、比較的短いペプチドは無細胞翻訳系で
発現させることを可能とする支持体タンパク質を提供す
ることを解決すべき課題とした。さらに詳細には、本発
明は、フォールディングしやすく、提示するペプチドと
の相互作用が生じにくい支持体タンパク質を提供するこ
とを解決すべき課題とした。さらに本発明は、mRNA等の
核酸や他のタンパク質と相互作用しにくい支持体タンパ
ク質を提供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、支持体タンパク質と
しては、(1)球状タンパク質であってフォールディン
グしやすい、かつ(2)安定性があるという条件が必要
であることを見出し、これらの条件を満たすタンパク質
としてOct-1のPou-specific domain(73アミノ酸残基)
(Dekker, N. et al. (1993) Nature 362, 852-854)を
支持体タンパク質の候補として選択した。そして、この
タンパク質中のCys残基をAla残基に置換した変異体タン
パク質を作成し、このタンパク質を支持体としてペプチ
ドライブラリーを無細胞翻訳系で発現させた結果、機能
性ペプチドを効率よく発現できることを見出した。本発
明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0006】即ち、本発明によれば、30から200ア
ミノ酸残基からなる球状タンパク質から成ることを特徴
とする、目的ペプチド又は目的タンパク質を融合タンパ
ク質として発現及び提示するための支持体タンパク質が
提供される。
【0007】上記した本発明の支持体タンパク質のなか
でも好ましい態様によれば、システイン残基を含まない
支持体タンパク質;タンパク質の二次構造としてβシー
ト構造を有さず、αヘリックス構造からなる支持体タン
パク質;タンパク質の立体構造において、N末端とC末
端が離れている支持体タンパク質;及び、他の生体高分
子と相互作用しない支持体タンパク質が提供される。
【0008】本発明の特に好ましい態様によれば、下記
の何れかのアミノ酸配列を有する、目的ペプチド又は目
的タンパク質を融合タンパク質として提示するための支
持体タンパク質が提供される。 (1)配列番号9に記載のアミノ酸配列;又は(2)配
列番号9に記載のアミノ酸配列において1から数個のア
ミノ酸が欠失、置換、付加および/または挿入している
アミノ酸配列であって、球状タンパク質を構成するアミ
ノ酸配列:
【0009】本発明の別の側面によれば、目的ペプチド
又は目的タンパク質をコードする塩基配列および上記し
た何れかの支持体タンパク質をコードする塩基配列が直
接またはリンカーを介して連結してなる、目的ペプチド
又は目的タンパク質と支持体タンパク質とから成る融合
タンパク質をコードする核酸またはその修飾体が提供さ
れる。本発明のさらに別の側面によれば、目的ペプチド
又は目的タンパク質と上記した何れかの支持体タンパク
質とから成る融合タンパク質が提供される。
【0010】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
た核酸またはその修飾体を、無細胞翻訳系または生細胞
において発現させる工程を含む、融合タンパク質を製造
する方法が提供される。
【0011】本発明のさらに別の側面によれば、目的ペ
プチド又は目的タンパク質をコードする塩基配列および
上記した何れかの支持体タンパク質をコードする塩基配
列が直接またはリンカーを介して連結してなる目的ペプ
チド又は目的タンパク質と支持体タンパク質とから成る
融合タンパク質をコードするmRNAであって、その
3’末端に核酸誘導体が結合しているmRNAを、無細
胞翻訳系または生細胞において発現させる工程を含む、
融合タンパク質とそれをコードする核酸とから成る複合
体を製造する方法が提供される。
【0012】好ましくは、核酸誘導体は、ピューロマイ
シン、3’-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌク
レオシド、3’-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレ
オシドの化学構造骨格を含む化合物又はそれらの類縁体
である。
【0013】好ましくは、融合タンパク質をコードする
mRNAとして、3’末端に核酸誘導体がスペーサーを
介して結合しているmRNAを使用する。好ましくは、
スペーサーはポリエチレン又はポリエチレングリコール
などの高分子である。
【0014】本発明のさらに別の側面によれば、(1)
無細胞翻訳系または生細胞において、目的ペプチド又は
目的タンパク質を含むライブラリーを、上記した何れか
の方法により、本発明の支持体タンパク質との融合タン
パク質の形態で発現させる工程;及び、(2)工程
(1)で得られた融合タンパク質をスクリーニングする
ことにより所望の機能を有する目的ペプチド又は目的タ
ンパク質を選択する工程:を含む、機能性ペプチド又は
タンパク質のスクリーニング方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、ペプチド及びタンパク質の機能
を損なうことなく提示するための支持体タンパク質に関
するものであり、特にIn vitro virus法等で無細胞翻訳
系中で種々のタンパク質を提示させ、その中から機能性
タンパク質(ペプチド)を取得する際に用いるものであ
る。
【0016】支持体タンパク質としては、一般的には、
以下の条件を満たすものが好ましい。(1)球状タンパ
ク質であってフォールディングしやすい、(2)安定性
がある、(3)ジスルフィド(S-S)結合を含まない等
である。本発明者らは今回、これらの条件を満たすタン
パク質としてOct-1のPou-specific domain(73アミノ酸
残基)(Dekker, N. et al. (1993) Nature 362, 852-8
54)を選んだ。このタンパク質は1つだけCys残基を含
むため、このCys残基をAla残基に置換した変異体を作成
した(配列番号9)。このようなタンパク質は提示しよ
うとするペプチドにCysが含まれていてもこの支持体タ
ンパク質とS-S結合して構造を変えることはない。ま
た、このタンパク質はN末端側とC末端側が離れているた
めにランダムなペプチドをN末端側に提示した際に、C
末端側にあるスペーサ部分(In vitrovirus法の場合)
と相互作用しにくいと考えられる。このタンパク質は4
つのαヘリックスからなりフォールディングしやすいと
考えられ、また、無細胞翻訳系においては短いペプチド
は発現されにくいことから、このような支持体と融合タ
ンパク質を作る必要性がある。
【0017】従って、機能ペプチドを取得可能な形で提
示できるこのような支持体用タンパク変異体は無細胞翻
訳系を用いるIn vitro virus法等の技術で今後、重要な
役割を担うと考えられる。
【0018】本発明の支持体タンパク質は、30から2
00アミノ酸残基からなる球状タンパク質から成ること
を特徴とする。好ましくは、システイン残基を含まず、
βシート構造を有さず、αヘリックス構造からなり、立
体構造においてN末端とC末端が離れていることが好ま
しく、また他の生体高分子と相互作用しないタンパク質
であることが好ましい。
【0019】本発明において、目的ペプチド又は目的タ
ンパク質は特に限定されず、スクリーニングの目的に応
じて任意の性質を有するペプチド又はタンパク質を、本
明細書で言う目的ペプチド又は目的タンパク質として使
用することができる。例えば、レセプターに結合可能な
リガンド、細胞内への侵入性に寄与する侵入シグナルペ
プチド又はシグナルタンパク質、またはスクリーニング
に用いる多数の不特定のランダムペプチドなどを挙げる
ことができる。これらの目的ペプチドまたは目的タンパ
ク質は、標的物質を、主にタンパク質−タンパク質相互
作用により認識する。従って、目的タンパク質は、標的
物質を直接または間接的に相互作用により十分認識可能
であるものが好ましい。なお、前記レセプターとして
は、例えば、細胞表面の受容体タンパク質、抗体、増殖
因子等がある。さらに、本発明の目的タンパク質は、D
NA、RNAなどのポリヌクレオチドに結合するもので
あってもよい。
【0020】本発明における好ましい実施形態の1つと
しては、特定のターゲットとの特異的な相互作用を有す
る特定のアミノ酸配列を有する目的タンパク質を、スク
リーニングし、さらには同定するために、ランダムに選
ばれた連続する、または不連続なアミノ酸配列を有する
ランダム配列を目的ペプチドと使用することができる。
例えば10個のランダムに選ばれた20種類のアミノ酸
からなる組合せは理論上約1×1013種類(約10兆
個)となり、スクリーニングにより特定アミノ酸配列を
検出するには十分と考えられる。
【0021】本発明においては、目的ペプチド又は目的
タンパク質としてランダムに選ばれるアミノ酸の数に特
に制限はない。当業者に公知の合成手段を用いることに
より、所望の数の、好ましくは3から16個のランダム
ペプチドを合成することは当業者には容易である。例え
ば、このようなランダムペプチドをコードするDNAの
合成は、市販の自動DNA合成装置等を用いても可能で
ある。
【0022】本発明の特に好ましい実施形態において、
目的ペプチドとしてランダムペプチドを呈示させる場
合、該ランダムペプチドをコードするDNA(ランダム
DNA)は、好ましくは式:(NNK)n (式中、Nは
A,G,C,またはTの何れかのデオキシリボヌクレオ
チドであり、KはGまたはTの何れかのデオキシリボヌ
クレオチドであり、nはこれらランダム部分のアミノ酸
数を表す。)によって表すことができる。本発明では、
nは、少なくとも3以上であることが好ましく、さらに
好ましくは5から16アミノ酸をコードする数であるこ
とが望ましい。但し、このnの数の制限は、該ランダム
DNAの合成手法によって制限されるものではなく、n
の数の上限に実質上の制限はない。
【0023】また、目的タンパク質の両側に(N端側及
びC端側)にシステインを付加して含ませることによ
り、目的タンパク質を効率よく呈示させることができる
場合がある。ここでいう目的タンパク質のN端側とは、
目的タンパク質のN末端の場合のみならず目的タンパク
質のN末端から数個から数十個のアミノ酸を隔てた場所
のいずれの場合をも含み、また目的タンパク質のC端側
とは、目的タンパク質のC末端の場合のみならず目的タ
ンパク質のC末端から数個から数十個のアミノ酸を隔て
た場所のいずれの場合をも含む意味である。ここでいう
効率がよいとは、目的タンパク質の反応性への立体障害
の影響をより少なくするという意味である。両側のシス
テインのSH基間でジスルフィド結合がなされた場合、
目的タンパク質がループ状の構造となって融合タンパク
質の表面に呈示されるようになる。従って、立体障害の
影響がより少なくなり、目的タンパク質は反応し易くな
る。
【0024】システインを介して分子中にループを有す
る分子には、免疫グロブリンファミリーの免疫グロブリ
ン(IgG、IgM)、T細胞受容体、MHCクラスII
分子、LFA−3、ICAM−1、VCAM−1等が知
られている。ループを形成させるのに適した目的タンパ
ク質の大きさは、これら既知の分子を参照して設計可能
である。
【0025】本発明の支持体タンパク質の具体例として
は、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパク質が
挙げられる。 (1)配列番号9に記載のアミノ酸配列;又は(2)配
列番号9に記載のアミノ酸配列において1から数個のア
ミノ酸が欠失、置換、付加および/または挿入している
アミノ酸配列であって、球状タンパク質を構成するアミ
ノ酸配列:
【0026】本明細書において、「アミノ酸配列におい
て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加および/ま
たは挿入しているアミノ酸配列」における1から数個と
は一般的には1から20個、好ましくは1から10個、
より好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個
程度を意味する。
【0027】さらに、本発明は、目的ペプチド又は目的
タンパク質と上記した本発明の支持体タンパク質とから
成る融合タンパク質にも関する。上記融合タンパク質
は、例えば、目的ペプチド又は目的タンパク質をコード
する塩基配列および本発明の支持体タンパク質をコード
する塩基配列が直接またはリンカーを介して連結してな
る、目的ペプチド又は目的タンパク質と支持体タンパク
質とから成る融合タンパク質をコードする核酸またはそ
の修飾体を、無細胞翻訳系または生細胞において発現さ
せることにより調製することができる。
【0028】本発明における、融合タンパク質をコード
する核酸とは、支持体タンパク質をコードする核酸と目
的ペプチド又は目的タンパク質をコードする核酸とを含
む核酸である。上記核酸は、上記融合タンパク質を機能
的に提示する性質を損なわない限り、任意の位置、例え
ば、支持体タンパク質をコードする核酸と目的ペプチド
又は目的タンパク質をコードする核酸との間に、スペー
サーその他の任意のアミノ酸をコードするDNAを含ん
でいてもよい。
【0029】本発明の核酸の合成は、市販の自動DNA
合成装置等を用いて当業者であれば容易に行うことがで
きる。また、配列番号9に記載のアミノ酸配列において
1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加および/また
は挿入しているアミノ酸配列であって、球状タンパク質
を構成するアミノ酸配列をコードする核酸も同様に市販
の自動DNA合成装置等を用いて合成することができ
る。
【0030】本発明においては、スクリーニング後に、
公知の生物学的手法を適用することによって、目的ペプ
チド又は目的タンパク質を分離回収することができる。
例えば、支持体タンパク質と目的ペプチド又は目的タン
パク質の間に適当なスペーサーアミノ酸配列を設けるこ
とにより好適に該目的タンパク質を分離することができ
る。このようなスペーサーアミノ酸配列の挿入は公知の
分子生物化学的手法に基づいて行うことができる。例え
ば、目的のアミノ酸配列をコードするDNAを任意の位
置に、公知の遺伝子操作技術を用いて挿入することがで
きる。例えば、スペーサーをトロンビンにより切断する
ような場合には、(Leu-Val-Pro-Arg-Gly-Ser )をコー
ドするDNA(CTG-GTT-CCG-CGT-GGA-TCC)を支持体タ
ンパク質と目的ペプチド又は目的タンパク質との間に導
入することにより、該ペプチドが発現し、トロンビンに
より切断可能となる。同様に、スペーサーをFactorXaで
切断する場合においては、(Ile-Glu-Gly-Arg-X,XはAr
g,Pro 以外のアミノ酸) をコードするDNA(ATC-GAA-
GGT-CGT-YYY 、YYY はArg,Pro をコードしないDNA)
を導入すればよい。
【0031】本明細書で言う「核酸またはその修飾体」
における修飾体の種類は特に限定されず、当分野で公知
の任意の核酸修飾体を包含する。本発明で使用できる核
酸修飾体の一つの具体例としては、その3’末端に核酸
誘導体が結合しているものが挙げられる。即ち、本発明
の好ましい実施態様では、目的ペプチド又は目的タンパ
ク質をコードする塩基配列および本発明の支持体タンパ
ク質をコードする塩基配列が直接またはリンカーを介し
て連結してなる目的ペプチド又は目的タンパク質と支持
体タンパク質とから成る融合タンパク質をコードするm
RNAであって、その3’末端に核酸誘導体が結合して
いるmRNAを、無細胞翻訳系または生細胞において発
現させることにより、融合タンパク質とそれをコードす
る核酸とから成る複合体が製造される。
【0032】3’末端に核酸誘導体が結合しているmR
NAを使用して無細胞タンパク質翻訳系又は生細胞中で
タンパク質の翻訳を行った場合、2本鎖でリボソームを
止め、ピューロマイシンなどの核酸誘導体がリボソーム
のAサイトに入れることによりタンパク質と結合させる
ことができる。
【0033】この核酸誘導体としては、無細胞タンパク
質翻訳系又は生細胞中でタンパク質の翻訳が行われた時
に、合成されたタンパク質のC末端に結合する能力を有
する化合物である限り限定されないが、その3’末端が
アミノアシルtRNAに化学構造骨格が類似しているものを
選択することができる。代表的な化合物として、アミド
結合を有するピューロマイシン(Puromycin)、3’-N-
アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(3'
-N-Aminoacylpuromycin aminonucleoside 、 PANS-アミ
ノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグリシンのPANS-Gly、
アミノ酸部がバリンのPANS-Val、アミノ酸部がアラニン
のPANS-Ala、その他、アミノ酸部が全ての各アミノ酸に
対応するPANS−アミノ酸化合物が挙げられる。
【0034】また、3’−アミノアデノシンのアミノ基
とアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合して形成される
アミド結合で連結した3’-N-アミノアシルアデノシン
アミノヌクレオシド(3'-Aminoacyladenosine aminonuc
leoside, AANS-アミノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグ
リシンのAANS-Gly、アミノ酸部がバリンのAANS-Val、ア
ミノ酸部がアラニンのAANS-Ala、その他、アミノ酸部が
全アミノ酸の各アミノ酸に対応するAANS-アミノ酸化合
物を使用できる。
【0035】また、ヌクレオシドあるいはヌクレオシド
とアミノ酸のエステル結合したものなども使用できる。
さらにまた、核酸あるいは核酸に類似した化学構造骨格
及び塩基を有する物質と、アミノ酸に類似した化学構造
骨格を有する物質とを化学的に結合した化合物は、すべ
て本方法において用いられる核酸誘導体に含まれる。
【0036】核酸誘導体としては、ピューロマイシン、
PANS−アミノ酸もしくはAANS−アミノ酸がリン
酸基を介してヌクレオシドと結合している化合物がより
好ましい。これらの化合物の中でピューロマイシン、リ
ボシチジルピューロマイシン、デオキシジルピューロマ
イシン、デオキシウリジルピューロマイシンなどのピュ
ーロマイシン誘導体が特に好ましい。
【0037】本発明の方法では、融合タンパク質をコー
ドする核酸又はその修飾体として、3’末端に核酸誘導
体がスペーサーを介して結合している核酸修飾体を使用
することが好ましい。スペーサーとしては、ポリエチレ
ン又はポリエチレングリコールなどの高分子物質が用い
られ、好ましくはポリエチレングリコールが用いられ
る。スペーサーの長さは特に限定されないが、好ましく
は、分子量300〜3000であるか、または主鎖の原
子数は10原子から100原子である。
【0038】上記したような核酸誘導体は、それ自体既
知の化学結合方法によって製造することができる。具体
的には、リン酸ジエステル結合で合成ユニットを結合さ
せる場合は、DNA合成機に一般的に用いられているホ
スホアミダイド法などにより固相合成で合成することが
可能である。ペプチド結合を導入する場合は、活性エス
テル法などにより合成ユニットを結合させるが、DNA
との複合体を合成する場合は、両方の合成法に対応が可
能な保護基が必要になる。
【0039】本発明の方法では、上記した核酸またはそ
の修飾体を、無細胞翻訳系または生細胞において発現さ
せることにより融合タンパク質を製造することが好まし
い。
【0040】核酸からそれがコードするタンパク質を人
工的に生成させるための転写翻訳系は当業者に公知であ
る。具体的には、適当な細胞よりタンパク質合成能を有
する成分を抽出し、その抽出液を用いて目的の蛋白質を
合成させる無細胞蛋白質合成系が挙げられる。このよう
な無細胞蛋白質合成系には、リボゾ−ム、開始因子、伸
長因子及びtRNA等の転写・翻訳系に必要な要素が含
まれている。
【0041】このような無細胞蛋白質合成系(細胞溶解
物由来の系)としては、原核又は真核生物の抽出物によ
り構成される無細胞翻訳系が挙げられ、例えば大腸菌、
ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液などが使用で
きるが、DNA又はRNAから目的とする蛋白質を産生
するものであればいずれでもよい。また、無細胞翻訳系
はキットとして市販されているものを使用することがで
き、例えば、ウサギ網状赤血球抽出液 (Rabbit Reticul
ocyte Lysate Systems, Nuclease Treated, Promega)や
小麦胚芽抽出液 (Wheat Germ Extract, Promega)などが
挙げられる。転写翻訳系としては、生細胞を使用しても
よく、具体的には、原核又は真核生物、例えば大腸菌の
細胞などが使用できる。無細胞翻訳系又は生細胞など
は、その中にタンパク質をコードする核酸を添加又は導
入することによってタンパク質合成が行われるものであ
る限り制限されない。
【0042】さらに本発明では、目的ペプチド又は目的
タンパク質としてペプチドライブラリー又はタンパク質
ライブラリーを使用することができる。このようなライ
ブライーを本発明の支持体タンパク質と融合させた形態
で発現させて得られる融合タンパク質をスクリーニング
し、所望の機能を有する目的ペプチド又は目的タンパク
質を選択することにより、機能性ペプチド又はタンパク
質をスクリーニングすることができる。以下の実施例に
より本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施
例によって限定されるものではない。
【0043】
【実施例】実施例:変異体Pou-specific domainに提示
したランダムペプチドライブラリーからの糖鎖結合ペプ
チドの取得 糖鎖の1種であるN−アセチルグルコサミンにカルシウ
ム存在下で結合するペプチド(12残基)が天然のレク
チンタンパク質から得られている(Yamamoto,K., et a
l. (1992) J. Biochem. 111 436-439)。そこでこの中
の5残基をランダムな配列にし、これを変異体Pou-spec
ific domainのN末端側に融合させてカルシウム存在下で
糖鎖に結合するペプチドをスクリーニングできるかどう
かを調べた。本実施例の概念の模式図を図1に示す。
【0044】まず、ペプチドを提示する支持体である変
異体Pou-specific domain DNAを作成するために次のよ
うな手順で行った。T7プロモーターとKozac配列をもつD
NA"T7-Kozac"(配列番号1;gctccgagct cattaatacg ac
tcactata gggagaccac aacggtttcc ctcttgaaat aattttgt
tt aactttaaga aggagttgcc accatg)とランダム配列 を
もつDNA "Lec-random"(配列番号2:gctcaagctc ctcaa
ggtcg ccaccgcctc cggaagggtc zyxzyxzyxz yxzyxgaagg
tgtcaaattc aacgtcagtc aggtgaataa ttttatcgct catggt
ggca tctccttctt 120)と支持体のコンスタントな配列
を持つDNA "Pou"(配列番号3:gaccttgagg agcttgagca
gtttgccaag accttcaaac aaagacgaat caaacttgga ttcac
tcagg gtgatgttgg gctcgctatg gggaaactat atggaaatga
cttcagccaa actaccatct ctcgatttga agccttgaac ctcagc
ttta agaacatggc taagttgaag ccacttttag agaagtggct a
aatgatgca gaggggggag gcagctctag agctg)を有機合成
した。なお、配列番号2において、X,Y,Zの各塩基
の組成は以下の通りである。これは20種類のアミノ酸
が均等に出現し、かつ終止コドンが少ないように理論計
算したものである。 X:A(35%),T(13%),G(32%),C(20%) Y:A(30%),T(24%),G(24%),C(22%) Z:A(0%),T(37%),G(26%),C(37%) 配列番号3のPouはttgagcttga gcgacgacct tgaggagctt
gagca(配列番号4)及びgaggacgggg ggcggcgggg ggcagc
tcta gagctgcctc cccc 配列番号5)をプライマーとし
てポリメレース連鎖反応(PCR)を行い2本鎖化した
(図2)。
【0045】(1)T7-KozacとLec-randomの連結 T7-KozacとLec-randomを連結させるために、プライマ
ーを使わず各々1pmolを以下の条件で伸長反応サイクル
を行った。Taq polymeraseはEX Taq.(Takara)を2 units
用い、反応条件は、95℃で30秒、64℃で20秒、
72℃で20秒のサイクルを25回くり返す。連結産
物"T'7-Lec-random"は8M 尿素変性アクリルアミド電気
泳動で解析した(図3)。この結果、ほとんど全て連結
されたことが確認できた。
【0046】(2)T'7-Lec-randomとPouの連結 上記(1)で連結したT'7-Lec-randomとPouを連結する
ために、プライマーを使わず各々10pmolを以下の条件
で伸長反応サイクルを行った。Taq polymeraseはKOD Da
sh.(TOYOBO)を1.25units用い、反応条件は、95℃で3
0秒、54℃で2秒、74℃30秒のサイクルを25回
くり返す。連結産物 "T'7-Lec-random-Pou"は8M尿素
変性アクリルアミド電気泳動で解析した(図4)。この
結果、T'7-Lec-random-Pouが連結されたことが確認で
き、また、T'7-Lec-randomとPouの連結されない側の1
本鎖DNAも確認された。
【0047】(3)T'7-Lec-random-Pouの転写 上記(2)で連結した産物をフェノール処理し、Primer
Remover (Edge SystemScience)を用いて精製した。分光
計を用いてDNAのモル濃度を測定し、2.5μgをRibo
Max T7転写キット(Promega)の反応組成に最終体積5
0μlになるように加え、37℃で1時間反応させた。
次にこの反応液にRQ1 Rnase−free DNase (Promega)を
2.5units加え、37℃で15分反応した。これをフ
ェノール抽出し、PrimerRemoverで精製した。これを8
M尿素変性アクリルアミド電気泳動で解析した。結果を
図5に示す。図5の結果から、連結されたDNAからの
RNAが主バンドとして転写されたことがわかった。
【0048】このように作成したランダムな5残基を含
むレクチン様ペプチドの配列と支持体タンパク質Pou-sp
ecific domainをコードしたmRNAはIn vitro virus
用スペーサ(DNA-PEG-Puromycin)と50℃から20℃
になるまで15分ほどかけて冷やした後、T4 RNA ligas
e (Takara)を加え25℃で20分反応させ連結した。
【0049】In vitro virus用スペーサは,ピューロマ
イシンが固定されたレジンPuromycin CPG(GLEN RESEAR
CH: 20-4040-01)から5’側に向けて,スペーサホスホ
アミダイト18(GLEN RESEARCH: 10-1918-90)を3ユニ
ット合成し,Amino-ModifierC6-dT (GLEN RESEARCH:1
0-1039-90)を続けて結合、その後、通常のDNA合成試薬
を用いて,DNA合成(ccccccgccg ccccccgtcc tc;配
列番号6)を行った。
【0050】これをRNA精製カラム(QIAGEN)で精製
後、小麦胚芽系の無細胞翻訳系を用いて、In vitro vir
us virion (mRNAとタンパク質が結合したもの)を作成、
カルシウム存在下、バッファーA(Tris-HCl 10mM, NaC
l 150 mM, CaCl2 25 mM, pH6.8)でN−アセチルグルコ
サミンを固定したアビジンビーズ(EY Laboratories)
と混ぜ、室温で1時間インキュベーションした。次にバ
ッファーAで4回洗浄後、カルシウムを除いたバッファ
ーB(Tris-HCl 10mM, NaCl 150 mM, EDTA 2.5 mM, pH
6.8)で溶出した。バッファーAで4回洗浄すると溶出
されるIn vitro virus virionはほとんどなくなるが、
カルシウムのないバッファーBで洗浄するとIn vitro v
irus virionが再び溶出されることから、In vitro viru
s virionに提示されていたペプチドはカルシウムに依存
してこの糖鎖に結合するペプチドであることがわかる
(図6)。
【0051】溶出されたin vitro virus virionのmR
NAは逆転写プライマー(gtcctctaga gctgcc;配列番
号7)を用いて、TrueScript II ReverseTranscriptase
(サワディー)で以下の条件で逆転写した。反応は20
μlスケール。90℃で2分、75℃から25℃へ−0.0
55℃/秒で冷却、25℃で2分。ここで、逆転写酵
素、Rnase Inhibitorを加え、50℃で1時間反応を行
った。
【0052】その後、この反応液を1μl取りプライマ
ー(gatcccgcga aattaatacg actcactata ggg ;配列番
号8)と(gaggacgggg ggcggcgggg ggcagctcta gagctgc
ctc cccc;配列番号5)を用いてExtaq Polymerase(Ta
kara)で以下の条件でPCRした。95℃で30秒、6
4℃で20秒、72℃で20秒のサイクルを20回。
【0053】また、取得された配列をシークエンスした
結果、最初のライブラリーに比べ水素結合しやすい側鎖
を多く持つペプチドが得られてきた(図7)。このことか
ら、この変異体Pou-specific domainは機能ペプチドを
提示する支持体タンパク質として有用であることがわか
った。
【0054】
【発明の効果】本発明により比較的短いペプチドは無細
胞翻訳系で発現させることを可能とする支持体タンパク
質を提供することが可能になった。
【0055】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> GenCom <120> A protein for presenting peptides or proteins <130> A11432MA <160> 9
【0056】 <210> 1 <211> 96 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 1 gctccgagct cattaatacg actcactata gggagaccac aacggtttcc ctcttgaaat 60 aattttgttt aactttaaga aggagttgcc accatg 96
【0057】 <210> 2 <211> 120 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 2 gctcaagctc ctcaaggtcg ccaccgcctc cggaagggtc zyxzyxzyxz yxzyxgaagg 60 tgtcaaattc aacgtcagtc aggtgaataa ttttatcgct catggtggca tctccttctt 120
【0058】 <210> 3 <211> 235 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 3 gaccttgagg agcttgagca gtttgccaag accttcaaac aaagacgaat caaacttgga 60 ttcactcagg gtgatgttgg gctcgctatg gggaaactat atggaaatga cttcagccaa 120 actaccatct ctcgatttga agccttgaac ctcagcttta agaacatggc taagttgaag 180 ccacttttag agaagtggct aaatgatgca gaggggggag gcagctctag agctg 235
【0059】 <210> 4 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 4 ttgagcttga gcgacgacct tgaggagctt gagca 35
【0060】 <210> 5 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 5 gaggacgggg ggcggcgggg ggcagctcta gagctgcctc cccc 44
【0061】 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 6 ccccccgccg ccccccgtcc tc 22
【0062】 <210> 7 <211> 16 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 7 gtcctctaga gctgcc 16
【0063】 <210> 8 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 8 gatcccgcga aattaatacg actcactata ggg 33
【0064】 <210> 9 <211> 73 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 9 Met Asp Leu Glu Glu Leu Glu Gln Phe Ala Lys Thr Phe Lys Gln Arg 1 5 10 15 Arg Ile Lys Leu Gly Phe Thr Gln Gly Asp Val Gly Leu Ala Met Gly 20 25 30 Lys Leu Tyr Gly Asn Asp Phe Ser Gln Thr Thr Ile Ser Arg Phe Glu 35 40 45 Ala Leu Asn Leu Ser Phe Lys Asn Met Ala Lys Leu Lys Pro Leu Leu 50 55 60 Glu Lys Trp Leu Asn Asp Ala Glu Gly 65 70
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例として糖鎖結合ペプ
チドのスクリーニングの模式図を示す。
【図2】図2は、DNA"T7-Kozac"、DNA "Lec-random"及
び支持体のコンスタントな配列を持つDNA "Pou"の構築
を示す。
【図3】図3は、連結産物"T'7-Lec-random"を8M尿素
変性アクリルアミド電気泳動で解析した結果を示す。
【図4】図4は、連結産物 "T'7-Lec-random-Pou"を8
M尿素変性アクリルアミド電気泳動で解析した結果を示
す。
【図5】図5は、T'7-Lec-random-Pouの転写産物を8M
尿素変性アクリルアミド電気泳動で解析した結果を示
す。
【図6】図6は、糖鎖ペプチドのスクリーニングの結果
を示す。
【図7】図7は、糖鎖ペプチドのスクリーニングの結果
として取得された配列をシークエンスした結果を示す。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30から200アミノ酸残基からなる球
    状タンパク質から成ることを特徴とする、目的ペプチド
    又は目的タンパク質を融合タンパク質として発現及び提
    示するための支持体タンパク質。
  2. 【請求項2】 システイン残基を含まない、請求項1に
    記載の支持体タンパク質。
  3. 【請求項3】 タンパク質の二次構造としてβシート構
    造を有さず、αヘリックス構造からなる、請求項1又は
    2に記載の支持体タンパク質。
  4. 【請求項4】 タンパク質の立体構造において、N末端
    とC末端が離れている、請求項1から3の何れかに記載
    の支持体タンパク質。
  5. 【請求項5】 他の生体高分子と相互作用しない、請求
    項1から4の何れかに記載の支持体タンパク質。
  6. 【請求項6】 下記の何れかのアミノ酸配列を有する、
    目的ペプチド又は目的タンパク質を融合タンパク質とし
    て提示するための支持体タンパク質。 (1)配列番号9に記載のアミノ酸配列;又は(2)配
    列番号9に記載のアミノ酸配列において1から数個のア
    ミノ酸が欠失、置換、付加および/または挿入している
    アミノ酸配列であって、球状タンパク質を構成するアミ
    ノ酸配列:
  7. 【請求項7】 目的ペプチド又は目的タンパク質をコー
    ドする塩基配列および請求項1から6の何れかに記載の
    支持体タンパク質をコードする塩基配列が直接またはリ
    ンカーを介して連結してなる、目的ペプチド又は目的タ
    ンパク質と支持体タンパク質とから成る融合タンパク質
    をコードする核酸またはその修飾体。
  8. 【請求項8】 目的ペプチド又は目的タンパク質と請求
    項1から6の何れかに記載の支持体タンパク質とから成
    る融合タンパク質。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の核酸またはその修飾体
    を、無細胞翻訳系または生細胞において発現させる工程
    を含む、請求項8に記載の融合タンパク質を製造する方
    法。
  10. 【請求項10】 目的ペプチド又は目的タンパク質をコ
    ードする塩基配列および請求項1から6の何れかに記載
    の支持体タンパク質をコードする塩基配列が直接または
    リンカーを介して連結してなる目的ペプチド又は目的タ
    ンパク質と支持体タンパク質とから成る融合タンパク質
    をコードするmRNAであって、その3’末端に核酸誘
    導体が結合しているmRNAを、無細胞翻訳系または生
    細胞において発現させる工程を含む、融合タンパク質と
    それをコードする核酸とから成る複合体を製造する方
    法。
  11. 【請求項11】 核酸誘導体が、ピューロマイシン、
    3’-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシ
    ド、3’-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド
    の化学構造骨格を含む化合物又はそれらの類縁体であ
    る、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 融合タンパク質をコードするmRNA
    として、3’末端に核酸誘導体がスペーサーを介して結
    合しているmRNAを使用する、請求項10又は11に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 スペーサーがポリエチレン又はポリエ
    チレングリコールなどの高分子である、請求項11又は
    12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 (1)無細胞翻訳系または生細胞にお
    いて、目的ペプチド又は目的タンパク質を含むライブラ
    リーを、請求項9から13の何れかの方法により、請求
    項1から6の何れかに記載の支持体タンパク質との融合
    タンパク質の形態で発現させる工程;及び、(2)工程
    (1)で得られた融合タンパク質をスクリーニングする
    ことにより所望の機能を有する目的ペプチド又は目的タ
    ンパク質を選択する工程:を含む、機能性ペプチド又は
    タンパク質のスクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003062417A1 (fr) * 2002-01-22 2003-07-31 Mitsubishi Chemical Corporation Produit de ligation arn-adn, et utilisation correspondante

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003062417A1 (fr) * 2002-01-22 2003-07-31 Mitsubishi Chemical Corporation Produit de ligation arn-adn, et utilisation correspondante

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