JP2003070428A - カプセル - Google Patents

カプセル

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JP2003070428A
JP2003070428A JP2001269922A JP2001269922A JP2003070428A JP 2003070428 A JP2003070428 A JP 2003070428A JP 2001269922 A JP2001269922 A JP 2001269922A JP 2001269922 A JP2001269922 A JP 2001269922A JP 2003070428 A JP2003070428 A JP 2003070428A
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capsule
yeast
cell wall
yeast cell
film
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JP2001269922A
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Masanori Watanabe
正範 渡邉
Tomomi Fujinami
知美 藤波
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Sansho Pharmaceutical Co Ltd
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Sansho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティング等の別の手間のかかる余分な工程
を経ずに、カプセル内容物の経時的な変化性、特に変色
と臭気成分の揮散を防止すると共にカプセルの付着性を
改善する。 【解決手段】カプセルの皮膜中に、酵母、又は酵素処理
した酵母から可溶性菌体内成分を除去した菌体残さから
なる酵母細胞壁、又は酵素処理した酵母から可溶性菌体
内成分を除去した菌体残さを酸性水溶液で処理して更に
可溶化分を除去した残さからなる酵母細胞壁を配合させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品、化
粧品などに利用できる、安定性及び安全性の高い軟カプ
セル及び硬カプセルに係り、特に、コーティング等の別
の手間のかかる余分な工程を経ずに、カプセル内容物の
経時的な変化性、特に経時的な変色と臭気成分の揮散等
を有効に防止できるカプセル、更には、カプセルの付着
性を改善したカプセルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、カプセルは、造膜性、カプセル強
度、ヒートシール性、透明性、可食性等の観点から、ゼ
ラチン、セルロース、デンプン、プルラン、HPMC等
が皮膜基剤として配合されており、皮膜に弾力性を与え
ることでカプセル強度を更に一層増大させるために、グ
リセリン、ソルビトール等の可塑剤が補助剤として配合
されている。
【0003】軟カプセルでも硬カプセルでも、内容物の
品質の保持は共通して求められる特性であるが、内容物
に油性又は水溶性の有臭性物質、例えば卵油やハーブの
一種であるバレリアンエキス末をカプセルに封入した場
合、その臭気成分がカプセルの皮膜を通してカプセルの
外に揮散することで、使用する人に不快感を与える場合
があった。
【0004】内容物の臭いや変色は、カプセルが食品や
医薬品等に使用される場合に限らず、化粧品等に使用さ
れる場合にも、できるだけ回避したい問題である。これ
らの問題を解決する手段としては、有臭性の内容物に香
料を添加して臭いをマスキングしたり、吸着剤を添加し
て臭気成分を吸着除去したり、酸化による内容物の変色
をごまかすためにカプセル皮膜に着色料を添加すること
が提案されているが、いずれも、対処療法的な手段で、
本質的な解決方法ではなく、また、手間のかかる余分な
工程が増えてしまい製造工程の複雑化や製造コストの増
大を招いている。
【0005】軟カプセルにおいては、可塑剤の配合量を
多くすれば、皮膜がより軟化し、手で切断開披が可能と
なるので、内容物を取り出して使用する外用剤や化粧品
等にも適しているが、その一方で皮膜に付着性を与える
ことになる。また、消化器官内で溶解することにより内
容物を放出するタイプの軟カプセルでも、高温高湿下で
は、カプセル皮膜が軟化し、容器内で軟カプセル同士又
は軟カプセルと容器の内壁との間に付着を起こしてしま
う傾向がある。消化器官内で溶解することにより内容物
を放出するタイプの硬カプセルについても同様の現象が
起こってしまう。
【0006】更に、最近では、崩壊速度を一層高め且つ
カプセル製造時の乾燥時間を一層短くするために、カプ
セル皮膜を薄くすることがあるが、カプセル皮膜が薄く
なる程、臭気成分の揮散や内容物の酸化は促進されてし
まう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点に鑑みて試されたものであり、カプセルが安定
的に且つ容易に製造でき、臭気成分の揮散や変色を有効
に防止できるカプセルでありまた、付着性の改善された
軟カプセル及び硬カプセルを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、酵母、好ましくは酵母
細胞壁をカプセル皮膜に配合させることが、内容物の臭
気成分の揮散や内容物の経時的な変色の防止に有効であ
り、更に、カプセルの付着性が改善されることを見出し
た。これらの作用は、軟カプセルにも硬カプセルにも与
えられる。
【0009】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
であり、請求項1の発明は、カプセルの皮膜中に、酵母
を含むことを特徴とするカプセルである。請求項2の発
明は、カプセルの皮膜中に、酵母細胞壁を含むことを特
徴とする請求項1記載のカプセルである。酵母の細胞内
成分、即ち可溶性菌体内成分は高い吸湿性を有するの
で、この可溶性菌体内成分を除去した残りの酵母細胞壁
を使用することが、特にカプセルの付着性改善の点から
好ましい。請求項3の発明は、内容物が有臭性物質又は
経時変化性の物質の安定性を向上させたことを特徴とす
る請求項1又は2記載のカプセルである。請求項4の発
明は、カプセルが軟カプセル又は硬カプセルであり、カ
プセル皮膜中の酵母又は酵母細胞壁の配合量が皮膜基剤
の1重量%〜1000重量%であり付着性を改良したこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のカプセル
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下の本発明の実施の形態に係る
カプセルは、酵母又は酵母細胞壁をカプセルに配合した
ものである。酵母、酵母細胞壁、カプセル、カプセルへ
の酵母又は酵母細胞壁の配合量、内容物に分けて説明す
る。A 酵母 酵母としては、分類学上酵母に属するものであればよ
く、ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母、トルラ酵母
等、より具体的には、サッカロマイセス属のサッカロマ
イセス・セレビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)、
サッカロマイセス・ルーキシ(Saccharomyces rouxi
i)、サッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Sacch
aromyces carlsbergensis)、キャンディダ・ウティリ
ス(Candida utilis)、キャンディダ・トリピカリス
(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポリティカ
(Candida lipolytica)、キャンディダ・フレーベリ
(Candida flaveri)等が含まれる。これらの酵母は、
単独で使用しても併用してもよい。酵母としては生酵母
が好ましいが、水中等に懸濁することにより生酵母と同
様に処理することができる。形状は球に近いものが好ま
しく、大きさは1〜20μmが好ましい。
【0011】B 酵母細胞壁 酵母細胞壁は、酵母から、水又は極性溶剤に可溶性の菌
体内成分(例えばタンパク質、アミノ酸、糖質、核酸、
有機酸等)を酵素処理により除去することにより得られ
る。酵素処理方法としては、酵母菌体内成分を酵母エキ
スとして製造する際に用いられている方法であればよ
い。例えば、酵母菌体内の酵素を使用するいわゆる自己
消化法や、外部からプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、β−
グルカナーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等の酵素を添加
する酵素添加法や、それらを併用する方法が挙げられ
る。従って、本発明の酵母細胞壁は、酵母エキスの公知
の製造方法において生ずる酵母エキス抽出残さを利用す
ることができる。
【0012】酵素処理を終えた酵母から、遠心分離等に
より可溶性の菌体内成分が除去され、菌体残さとして酵
母細胞壁が得られる。この酵母細胞壁は、多糖であるグ
ルカンとマンナンを主成分とし、若干量のタンパク質を
含んでいる。上記の酵母細胞壁を、酸性水溶液(例え
ば、0.01から2Nの塩酸、硫酸、硝酸等の酸溶液)
で処理し、遠心分離等により上清と菌体残さとに分離す
ることにより、菌体残さとしての酵母細胞壁を得てもよ
い。酸性水溶液の濃度を変えることで溶出開始時間を調
整することができる。
【0013】上記の方法により製造された酵母又は酵母
細胞壁は、従来から製造されているカプセル皮膜に配合
することにより、カプセル内容物の安定性の向上や、カ
プセル皮膜の付着性を改善することができる。
【0014】B カプセル 上記の酵母又は酵母細胞壁を配合するカプセルを、軟カ
プセルと硬カプセルに分けて説明する。 (1)軟カプセル 軟カプセルの皮膜基剤としては、コラーゲン(加水分解
物を含む)、ゼラチン(加水分解物を含む)、カゼイ
ン、ポリアミノ酸、寒天、カラギーナン、ジェランガ
ム、CMC、カルボキシエチルセルロース、糖類、澱
粉、小麦粉、ポリビニルアルコール等が知られており、
通常、カプセル皮膜の60重量%〜99重量%程度であ
る。
【0015】本発明では、内容物の安定性向上効果を有
することからゼラチンより酸素透過性の高いデンプンや
セルロース、HPMC等を皮膜基剤とした場合特に効果
的である。また、カプセル皮膜の付着性も改善できる。
本明細書での「ゼラチン」には、アルカリ処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチン、ペプタイドゼラチン、低分子ゼラ
チン、ゼラチンの誘導体等が含まれる。
【0016】可塑剤としては、グリセリン、ポリグリセ
リン、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコールなど、公知の可塑剤の1種以上が用いら
れるが、中でもグリセリン、ソルビトールが好ましく、
グリセリンがより好ましい。可塑剤の配合量は、皮膜基
剤の100重量部以下が好ましく、15〜60重量部が
より好ましい。カプセルは、大別すると、溶解し内容物
を放出する形態と、カプセルの一部である細身ちぎり部
をねじり回して切断開披することにより、内容物を取り
出して使用するねじ切り形態があり、必然的に後者の方
が前者より可塑剤の配合量が多くなるが、上記の範囲で
あれば、酵母又は酵母細胞壁を配合することで、いずれ
の形態でも付着性の増大を有効に防止することができ
る。
【0017】カプセルの変形や付着性を防止するため
に、適当な量の水が含まれるが、この水分率は、カプセ
ル充填後の乾燥工程でコントロールできる。更に、必要
に応じて、防腐剤、崩壊剤、着色剤、芳香剤等を適宜配
合する。また、皮膜の厚さは、カプセルの形態、内容物
の重量等に応じて適宜に設定する。
【0018】軟カプセルは、慣用されているいずれの製
造機を用いても製造できる。例えば、ロータリー式軟カ
プセル製造機を用いた場合では、カプセル皮膜液が帯状
に成形されてシートが得られ、このシートが1対の回転
円筒形金型の間に送り込まれ、これと連動するポンプで
カプセル内容物がゼラチンシートの間に注入される。こ
のときシートは適温に熱せられつつ回転円筒形金型表面
の凸状の歯と歯の圧切によって、接合部がヒートシール
され、軟カプセルが製造される。その後、乾燥されて、
所望の水分量の軟カプセルとなる。また、滴下式軟カプ
セル製造機を用いて、二重ノズルの中心ノズルからカプ
セル内容物を、外側ノズルからカプセル皮膜液を滴下す
ることにより、シームレスの軟カプセルを製造すること
もできる。
【0019】(2)硬カプセル 硬カプセルの皮膜基剤も、一端を閉じ互いに重ね合わす
ことができる一つの円筒体を形成できるものであれば、
ゼラチン製に限らず、他の高分子等の化合物(例えば、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン等)で
構成してもよい。
【0020】更に、必要に応じて、防腐剤、崩壊剤、着
色剤、芳香剤等を適宜配合する。硬カプセルは定法で製
造することができる。例えば、ゼラチンやヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを皮膜基剤とし、浸漬・乾燥等
の工程を得て製造することができる。
【0021】C 酵母又は酵母細胞壁の配合量 酵母又は酵母細胞壁のカプセル皮膜への配合量は、特に
限定されないが、軟カプセル、硬カプセルのいずれで
も、皮膜基剤量の1〜1000重量%程度配合でき、特
に5〜500重量%が好ましい。更には10〜200重
量%が好ましい。この範囲であれば、造膜性等の特性を
犠牲にすることなく、臭気成分の揮散や変色の有効な防
止が図れ、更に、付着性も改善できる一方で、カプセル
皮膜の色調の変化や透明性についても許容できる程度で
ある。特に、シームレスの軟カプセルの場合には、酵母
又は酵母細胞壁の配合量を多くすることができる。
【0022】D 内容物 本発明のカプセルには、従来から内包されてきた食品、
医薬品、化粧品等をそのまま内容物とできる。内容物
は、粉末、顆粒、のり様、懸濁液、液体等多様な形態で
提供することができる。更に、本発明のカプセルは、臭
気成分の揮散や変色防止という効果も奏することから、
有臭性物質も内容物とできる。有臭性物質としては、ナ
ットウエキス、ニンニク末、コンドロイチン、アガリス
クエキス末、プラセンタエキス末、カキエキス末、ギム
ネマエキス末、バレリアンエキス末、DHA、EPA、
肝油、卵油、ノコギリヤシエキス、人参エキス、テン茶
エキス、ウコンエキス、プロポリスエキス等が挙げられ
るが、これらを単体、あるいは混合して内包物とするこ
とができる。また、変色し易いローヤルゼリーも内容物
とできる。
【0023】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0024】
【実施例】実施例1 (1)検体の製造カプセル皮膜液の作製 軟カプセルを構成する原料であるゼラチン、グリセリ
ン、水、酵母、酵母細胞壁を表1に示す割合で使用し
て、種々のカプセル皮膜液を以下の通り調整した。その
後、このカプセル皮膜液を小分けタンクに移し、60℃
程度で6〜12時間熟成した。なお、比較例として酵
母、酵母細胞壁を含まないカプセル皮膜液は、定法に従
って、ゼラチン、グリセリン及び水を一緒にして作製し
た。
【0025】ローヤルゼリー含有懸濁液(カプセル内容
液)の作製 サフラワー油 1560g、ミツロウ 120g、グリ
セリン脂肪酸エステル120gを70℃で加熱溶解した
後、液温を室温まで下げ、ローヤルゼリー1200gを
加えホモミキサを用いて混合(3600rpm、30m
in、30℃)し、ついでコロイドミルを用いて微粒子
化した後、篩過(60メッシュ)し減圧下で脱泡して調
整した。カプセル成型法 通常のロータリー式軟カプセル成型機を用いて、常法に
従って、内容液としてローヤルゼリー含有懸濁液を30
0mg内包したフットボール型軟カプセルを製造した。
処方は表1のとおりである。
【0026】
【表1】
【0027】検体1〜5は本発明のカプセル皮膜に酵母
(ビールの生酵母)又は酵母細胞壁(ビールの生酵母か
ら酵素処理及び遠心分離処理により可溶性の菌体内成分
が除去されたもの)を配合した軟カプセルであり、検体
6は比較例(従来品)としてゼラチンを皮膜基剤とする
従来の一般的なカプセル皮膜により製造したものであ
る。また、検体7は比較例として一般の軟カプセルに後
工程で同じ酵母細胞壁を主成分とするコーティング剤を
使用し軟カプセルにスプレーコーティングしたものであ
り、コーティング剤中の酵母細胞壁の含有量はカプセル
皮膜基剤に対して10重量%とした。
【0028】(2)変色度合いの評価 40℃に保管した場合のローヤルゼリーの経時的な変色
を確認するために6号ガラスサンプル瓶に各検体を20
カプセルずつ入れ、それぞれ1ヶ月間保存した後に該カ
プセルの色の差を目視観察により確認した。結果を表2
に示す。
【0029】
【表2】 初期値の色調を0とし、それよりも色合いの濃いものを
数値で表した。数値の大きいほど色調は濃くなる。
【0030】(3)付着性の評価 ローヤルゼリーカプセルの付着性を確認するために6号
ガラスサンプル瓶に各検体を30カプセルずつ入れ、4
0℃高温槽に48時間保管した後に該カプセルの付着性
を確認した。付着試験の結果は次の通りであった。以下
の表では、それぞれの条件で瓶を落下させた時、付着せ
ずはがれたカプセル数の累計をまとめた。
【0031】
【表3】
【0032】実施例2 (1)検体の製造カプセル皮膜液の作製 軟カプセルを構成する原料であるゼラチン、グリセリ
ン、水、酵母、酵母細胞壁を表4に示す割合で使用し、
実施例1と同様にして、種々のカプセル皮膜液を作製し
た。なお、酵母と酵母細胞壁は実施例1で使用したもの
と同じである。
【0033】カプセル内容液の作製 以下の2種類を作製した。 卵油:卵油を篩過(100メッシュ)することにより作
製した。 ナットウエキス含有懸濁液:サフラワー油 1760
g、ミツロウ 120g、グリセリン脂肪酸エステル
120gを70℃で加熱溶解した後、液温を室温まで下
げ、ナットウエキス 1000gを加え、ホモミキサー
を用いて混合(3600rpm、30min、30℃)
し、次いでコロイドミルを用いて微粒子化した後、篩過
(60メッシュ)し減圧下で脱泡することにより作製し
た。カプセル成型法 実施例1と同様にして成型した。
【0034】次に常法により、上記カプセル皮膜液を用
い、ロータリー式軟カプセル製造装置により、卵油を3
00mg内包したフットボール型ソフトカプセルを製造
した。次に内容液としてナットウエキス含有懸濁液を3
00mg内包したフットボール型軟カプセルを製造し
た。検体8〜21の皮膜液の処方と内容液の種類を以下
の表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】検体8〜17が本発明のカプセル皮膜に酵
母又は酵母細胞壁を配合した軟カプセルであり、検体1
8〜19は比較例として酵母又は酵母細胞壁を配合しな
い従来の一般的な軟カプセルである。また、検体20〜
21は比較例として一般の軟カプセルに後工程で同じ酵
母細胞壁を主成分とするコーティング剤を使用し軟カプ
セルにスプレーコーティングしたものであり、コーティ
ング皮膜中の酵母細胞壁の含有量はカプセル皮膜基剤に
対して10重量%とした。
【0037】(2)臭気成分の揮散度合いの評価 40℃に保管した場合の軟カプセルの臭いを確認するた
めに6号ガラスサンプル瓶に各検体を20カプセルずつ
入れ、それぞれ48時間保存し室温に戻した後に該サン
プル瓶の蓋を開封し臭いを確認した。結果を表5に示
す。
【0038】
【表5】 臭いについては5人のモニターの評価により決定した。
初期値を0とし臭いの強いほど数値は高くなる。
【0039】(3)臭気成分の脱臭効果の評価 10人の成人にニンニクカプセルを食してもらい、その
後半分の5人に検体10(酵母細胞壁配合カプセル)を
2粒ずつ服用してもらった。そして、20分後、モニタ
ー3人にそれぞれ息を吹きかけて口臭を調べてもらった
ところ、モニターは検体10を服用した人についてはい
ずれもニンニクの戻り臭が殆ど気にならない程度であっ
たが、服用しなかった人についてはいずれもニンニクの
戻り臭が気になったと評価した。
【0040】上記実施例から、本発明に係る検体につい
ては、コーティング等の別の手間のかかる余分な工程を
経ずにカプセル内容物の経時的な変色と臭気成分の揮散
が有効に防止されたことが確認された。また、付着性に
ついても改善され更に、上記「(3)臭気成分の脱臭効
果の評価」については偶々実施したものであり、その結
果には発明者も意外に思っているが、このような脱臭効
果は、ニンニク等の臭気性物質の臭気成分が検体10の
カプセル皮膜中に含まれている酵母又は酵母細胞壁によ
り吸着されることで得られたのではないかと推察され
る。このことより、酵母又は酵母細胞壁を摂取すること
で臭気成分が吸着されるとすると内溶液に配合しても同
様効果が得られるのではないかと推察される。このよう
な効果を利用することで、臭気性物質の摂取に伴う戻り
臭の不快さや口臭の発生を有効に防止できる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、カプセル
内容物の経時的変化性、特に変色と臭気成分の揮散を有
効に防止することができると共にカプセルの付着性を改
善できることが確認できた。更に臭気性成分の摂取に伴
う戻り臭の不快さや口臭の発生を有効に防止できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A23L 1/28 A23L 1/28 A A61K 7/00 A61K 7/00 T Fターム(参考) 4B018 LB09 LB10 LE01 MD55 MD88 ME13 MF08 MF14 4B035 LC02 LC05 LE12 LG50 LK07 LP36 4B065 AA72X BD06 CA02 CA41 CA44 CA50 4C076 AA54 AA56 AA58 CC40 DD38 EE42 EE58 FF46 FF52 FF63 4C083 AA031 AA032 AC122 AD432 DD47 EE01 EE09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カプセルの皮膜中に、酵母を含むことを特
    徴とするカプセル。
  2. 【請求項2】カプセルの皮膜中に、酵母細胞壁を含むこ
    とを特徴とするカプセル。
  3. 【請求項3】内容物が有臭性物質又は経時変化性の物質
    の安定性を向上させたことを特徴とする請求項1又は2
    記載のカプセル。
  4. 【請求項4】カプセルが軟カプセル又は硬カプセルであ
    り、カプセル皮膜中の酵母又は酵母細胞壁の配合量が皮
    膜基剤の1重量%〜1000重量%であり付着性を改良
    したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のカ
    プセル。
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