JP2003069959A - 映像信号処理回路、映像信号処理方法、および画像表示装置 - Google Patents

映像信号処理回路、映像信号処理方法、および画像表示装置

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JP2003069959A
JP2003069959A JP2002166105A JP2002166105A JP2003069959A JP 2003069959 A JP2003069959 A JP 2003069959A JP 2002166105 A JP2002166105 A JP 2002166105A JP 2002166105 A JP2002166105 A JP 2002166105A JP 2003069959 A JP2003069959 A JP 2003069959A
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signal
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scanning lines
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Ikuo Someya
郁男 染谷
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高画質の画像を表示する。 【解決手段】映像信号を倍速変換して得られた倍速信号
DUを走査線数変換部103に供給する。倍速信号の有
効走査線の部分をフレームメモリ104に書き込む。H
DTV信号の有効走査線の区間においては、フレームメ
モリ104に書き込まれた映像信号を読み出す。HDT
V信号の有効走査線の区間外においては、ROM111
からペデスタルレベル信号を読み出し、垂直走査線数が
1125本であるHDTV信号VHD3を得る。このHD
TV信号VHD3には、倍速信号VDUの960本の有効走
査線の部分がそのまま含まれるので、この信号VHD3
よる画像には、補間で走査線数を変換した場合のような
劣化がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばNTSC
方式の映像信号を倍速に変換した信号をHDTV方式の
映像信号に変換するため、走査線数を変換する映像信号
処理回路および映像信号処理方法、並びにそれらを使用
した画像表示装置に関する。
【0002】詳しくは、この発明は、一の方式の映像信
号を構成するペデスタルレベル信号の走査線数のみを増
加または減少させて、一の方式の映像信号より他の方式
の映像信号を得ることによって、高画質の画像を表示し
得る他の方式の映像信号を得ることができるようにした
映像信号処理回路等に係るものである。
【0003】
【従来の技術】従来、テレビジョン方式として、アスペ
クト比が4:3で、垂直走査線数が525本(画像信号
を含む有効走査線数は480本)であるNTSC(Natio
nal Television System Committee)方式が知られてい
る。なお、近年アスペクト比を16:9にした高精細
(EDTV−II:Extended Definition Television)方
式も知られている。また、テレビジョン方式として、ア
スペクト比が16:9で、垂直走査線数が1125本
(画像信号を含む有効走査線数は1080本)であるH
DTV(High Definition Television)方式が知られてい
る。
【0004】例えば、EDTV−II方式の映像信号をラ
インダブラーなどで倍速に変換した場合、変換後の映像
信号(以下、「倍速信号」という)は、垂直走査線数が
1050本(画像信号を含む有効走査線数は960本)
となる。
【0005】この倍速信号はHDTV方式の映像信号
(以下、「HDTV信号」という)と水平周波数が異な
るため、水平周波数がHDTV信号に対応した周波数に
固定されている陰極線管などの表示装置で倍速信号によ
る画像を表示する場合には、倍速信号の走査線数を9/
8倍に変換して、その水平周波数をHDTV方式の水平
周波数に近づけることが行われている。
【0006】因に、倍速信号の水平周波数は、フレーム
周波数=30Hz、垂直走査線数=1050本であるた
め、30×1050=31.5kHzである。一方、H
DTV信号の水平周波数は、フレーム周波数=30H
z、垂直走査線数=1125本であるため、30×11
25本=33.75kHzである。
【0007】走査線数の変換は、画質を重視する場合に
は補間関数のsin(x)/xを近似した補間フィルタで補間
することもあるが、直線補間で行うのが一般的であっ
た。図13は、このような直線補間を行うための走査線
補間回路200の構成を示している。
【0008】この走査線補間回路200は、倍速信号V
DUが入力される入力端子201と、この入力端子201
に入力される倍速信号VDUを1水平期間(1H)だけ遅
延する遅延回路202とを有している。ここで、入力端
子201に入力される倍速信号VDUは、例えばバッファ
メモリ(図示せず)より、HDTV信号の垂直、水平の
同期パルスを逓倍した信号により読み出されたものとさ
れる。
【0009】また、走査線補間回路200は、入力端子
201に入力された倍速信号VDUに対して、それぞれ
0.89,0.78,0.67,0.56,0.44,
0.33,0.22,0.11の係数を乗算する乗算器
203a〜203hと、遅延回路202で1水平期間だ
け遅延された倍速信号VDUに対して、それぞれ0.1
1,0.22,0.33,0.44,0.56,0.6
7,0.78,0.89の係数を乗算する乗算器204
a〜204hと、乗算器203a〜203hの出力信号
と乗算器204a〜204hの出力信号とをそれぞれ加
算する加算器205a〜205hとを有している。
【0010】また、走査線補間回路200は、「0」〜
「8」までのカウントが繰り返される9進カウンタ20
6と、このカウンタ206のカウント出力が切換制御信
号として供給される切換スイッチ207と、この切換ス
イッチ207の可動端子に得られる信号を出力映像信号
DU′として出力する出力端子208とを有している。
【0011】切換スイッチ207のa側の固定端子は入
力端子201に接続され、そのb側〜i側の固定端子は
それぞれ加算器205a〜205hの出力側に接続され
る。カウンタ206にはHDTV信号の水平同期パルス
Phがカウントクロックとして供給される。また、切換
スイッチ207の可動端子は、カウンタ206のカウン
ト出力が「0」〜「8」に変化するとき、それぞれa側
〜i側の固定端子に接続される。
【0012】次に、この走査線補間回路200の動作を
説明する。カウンタ206のカウント出力が「0」とな
る水平期間では、切換スイッチ207の可動端子がa側
の固定端子に接続され、入力端子201には倍速信号V
DUの第1の走査線の信号L1が入力され、この第1の走
査線の信号L1がそのまま切換スイッチ207のa側を
通して出力映像信号VDU′の第1の走査線の信号L1
として出力端子208に出力される。
【0013】カウンタ206のカウント出力が「1」と
なる水平期間では、切換スイッチ207の可動端子がb
側の固定端子に接続され、入力端子201には倍速信号
DUの第2の走査線の信号L2が入力され、この第2の
走査線の信号L2に乗算器203aで0.89が乗算さ
れる。これと同時に、遅延回路202から倍速信号VDU
の第1の走査線の信号L1が出力され、この第1の走査
線の信号L1に乗算器204aで0.11が乗算され
る。そして、乗算器203a,204aのそれぞれの出
力信号が加算器205aで加算され、その加算信号
(0.89L2+0.11L1)が切換スイッチ207の
b側を通して出力映像信号VDU′の第2の走査線の信号
2′として出力端子208に出力される。
【0014】以下、カウンタ206のカウント出力が
「2」〜「8」となるときにも、同様の動作が行われ、
これにより、倍速信号VDUの8本の走査線の信号から出
力映像信号VDU′の9本の走査線の信号が形成される。
【0015】図14は、上述した、カウント出力が
「0」〜「8」に対応した、走査線の補間の様子を示し
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、走査
線数の変換を直線補間で行った場合には、画質の劣化が
発生する。この画質の劣化を、図15を参照して説明す
る。図15は、倍速信号VDUの各走査線の信号レベル
が、2本ずつ白黒のレベルを繰り返すものとした場合に
おける、出力映像信号VDU′の各走査線の信号レベルの
状態を示している。
【0017】この場合、倍速信号VDUでは2本の走査線
に対応していた白部分が、出力映像信号VDU′では3本
あるいは4本の走査線に広がり、また倍速信号VDUでは
白部分の2本の走査線の明るさは同じであるが、出力映
像信号VDU′では明るい2本の走査線の明るさに差が生
じ、あるいは明るい走査線が1本になる。
【0018】この画質の劣化は、走査線の補間により生
じたものであり、入力信号の帯域制限をすることにより
劣化を改善できるが、走査線の一本一本を帯域制限しよ
うとるすると画像がぼやけてしまうため、実際には帯域
制限ができない。それゆえ、走査線数の変換を直線補間
で行った場合には、画質劣化が避けられない。
【0019】そこで、この発明は、一の方式の映像信号
より他の方式の映像信号を得る際に、劣化のない映像信
号を得ることができる映像信号処理回路並びに映像信号
処理方法を提供することを目的とする。また、この発明
は、一の方式の映像信号より高画質の画像を表示し得る
他の方式の映像信号を得る際に、画質の劣化を防止し得
る画像表示装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係る映像信号
処理回路は、垂直走査線数が第1の数である一の方式の
映像信号を、垂直走査線数が第2の数である他の方式の
映像信号に変換する映像信号処理回路であって、一の方
式の映像信号を構成するペデスタルレベル信号の走査線
数のみを増加または減少させて、一の方式の映像信号よ
り他の方式の映像信号を得る走査線数変換部を備えるも
のである。
【0021】また、この発明に係る映像信号処理方法
は、垂直走査線数が第1の数である一の方式の映像信号
を、垂直走査線数が第2の数である他の方式の映像信号
に変換する際に、一の方式の映像信号を構成するペデス
タルレベル信号の走査線数のみを増加または減少させる
ものである。
【0022】また、この発明に係る映像信号処理方法
は、一の方式の映像信号に対応した垂直および水平の同
期信号に同期して、フレーム毎に、一の方式の映像信号
の有効走査線の部分をフレームメモリに書き込む書き込
みステップと、他の方式の映像信号に対応した垂直およ
び水平の同期信号に同期して、フレーム毎に、一の方式
の映像信号の有効走査線の部分をフレームメモリより読
み出す第1の読み出しステップと、フレームメモリより
読み出される一の方式の映像信号の有効走査線の部分が
読み出される走査線区間以外の走査線区間でメモリより
ペデスタルレベル信号を読み出す第2の読み出しステッ
プと、第1の読み出しステップで読み出された一の方式
の映像信号の有効走査線の部分と第2の読み出しステッ
プで読み出されたペデスタルレベル信号とを選択的に取
り出して出力する選択ステップとを備えるものである。
【0023】例えば、走査線数変換部は、映像信号をフ
レーム毎に記憶するフレームメモリと、一の方式の映像
信号に対応した垂直および水平の同期信号に同期して、
フレーム毎に、一の方式の映像信号の有効走査線の部分
をフレームメモリに書き込む書き込み制御部と、他の方
式の映像信号に対応した垂直および水平の同期信号に同
期して、フレーム毎に、一の方式の映像信号の有効走査
線の部分をフレームメモリより読み出す読み出し制御部
と、フレームメモリより一の方式の映像信号の有効走査
線の部分が読み出される走査線区間ではこの一の方式の
映像信号の有効走査線の部分を選択し、その他の走査線
区間ではペデスタルレベル信号を選択して出力する信号
選択部とを有する。この場合、ペデスタルレベル信号
は、例えばメモリより読み出されることで得られる。
【0024】この発明においては、一の方式の映像信号
を構成するペデスタルレベル信号の走査線数のみを増加
または減少させ、これにより垂直走査線数が第2の数と
された他の方式の映像信号が得られる。この場合、一の
方式の映像信号の有効走査線部分は、そのまま他の方式
の映像信号を構成するものとなる。そのため、得られる
他の方式の映像信号による画像は、上述した直線補間で
走査線数を変換した場合のような劣化を生じることがな
い。
【0025】なお、一の方式の映像信号を構成するペデ
スタルレベル信号の走査線数のみを増加または減少さ
せ、これにより垂直走査線数が第2の数とされた他の方
式の映像信号を得るものにあっては、得られる他の方式
の映像信号による画像を、陰極線管(CRT:Cathode-
Ray Tube)や液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crysta
l Display)等の画像表示素子に表示する場合、画像の垂
直方向に縮みや伸びが発生することがある。
【0026】このような画像の歪みは、例えば走査線数
変換部で得られる他の方式の映像信号の各走査線の画素
信号の数を、他の方式の映像信号の有効走査線数に対す
る上記一の方式の映像信号の有効走査線数の比に応じて
減少または増加させることによって解決される。
【0027】また、この発明に係る画像表示装置は、垂
直走査線数が第1の数である一の方式の映像信号を入力
する第1の入力部と、この第1の入力部に入力される一
の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信号の走
査線数のみを増加または減少させて、一の方式の映像信
号より、垂直走査線数が第2の数である他の方式の第1
の映像信号を得る走査線数変換部と、垂直走査線数が第
2の数である他の方式の第2の映像信号を入力する第2
の入力部と、走査線数変換部で得られる他の方式の第1
の映像信号または第2の入力部に入力される他の方式の
第2の映像信号を選択的に出力する信号選択部と、信号
選択部より出力される他の方式の映像信号が供給され、
この映像信号による画像が表示される表示部とを備える
ものである。
【0028】この発明においては、表示部には、走査線
数変換部で得られる他の方式の第1の映像信号または第
2の入力部に入力される他の方式の第2の映像信号が選
択的に供給される。走査線数変換部では、一の方式の映
像信号を構成するペデスタルレベル信号の走査線数のみ
が増加または減少され、垂直走査線数が第2の数とされ
た他の方式の第1の映像信号が得られる。
【0029】信号選択部で、このように走査線数変換部
で得られる他の方式の第1の映像信号が選択される場
合、それによる画像は、上述した直線補間で走査線数を
変換した場合のような劣化を生じることがない。
【0030】なお、走査線数変換部で得られたものでは
ない他の方式の第2の映像信号を表示部に供給した場合
に当該表示部に第2の映像信号による画像が画像歪みな
く表示されるものとすると、走査線数変換部で得られる
他の方式の第1の映像信号を表示部に供給した場合、当
該表示部に表示される第1の映像信号による画像は垂直
方向に縮んだり伸びたりする。
【0031】これは、信号選択部で他の方式の第1の映
像信号が選択される場合、陰極線管の垂直偏向幅を、一
の方式の有効走査線数に対する他の方式の有効走査線数
の比に応じて変更する垂直サイズ制御部を備えることで
解決される。あるいは、走査線数変換部で得られる他の
方式の映像信号の各走査線の画素信号の数を他の方式の
映像信号の有効走査線数に対する一の方式の映像信号の
有効走査線数の比に応じて減少または増加させる水平画
素数変換部を備えることで解決される。
【0032】また、この発明に係る映像信号処理回路
は、垂直走査線数が第1の数である一の方式の映像信号
を、垂直走査線数が第2の数である他の方式の映像信号
に変換する映像信号処理回路であって、一の方式の映像
信号を構成するペデスタルレベル信号の走査線数のみを
増加または減少させて、一の方式の映像信号より他の方
式の第1の映像信号を得る走査線数変換手段と、一の方
式の映像信号の走査線数を補間によって増加または減少
させて、一の方式の映像信号より他の方式の第2の映像
信号を得る走査線補間手段と、走査線数変換手段で得ら
れる他の方式の第1の映像信号または走査線補間手段で
得られる他の方式の第2の映像信号を選択的に出力する
信号選択手段とを備えるものである。
【0033】この発明において、走査線数変換手段で
は、一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信
号の走査線数が増加または減少され、垂直走査線数が第
2の数とされた他の方式の第1の映像信号が得られる。
この第1の映像信号には一の方式の映像信号の有効走査
線部分がそのまま含まれるため、この第1の映像信号に
よる画像に直線補間で走査線数を変換した場合のような
劣化は生じない。しかし、この第1の映像信号による画
像を陰極線管や液晶ディスプレイ等の画像表示素子に表
示する場合、その画像の垂直方向に縮みや伸びが発生す
る。
【0034】また、走査線補間手段では、一の方式の映
像信号の走査線数が補間によって増加または減少され、
垂直走査線数が第2の数とされた他の方式の第2の映像
信号が得られる。この第2の映像信号による画像には垂
直方向に縮みや伸びは発生しない。しかし、この第2の
映像信号には一の方式の映像信号の有効走査線部分がそ
のまま含まれるものでなく、この第2の映像信号による
画像は劣化したものとなる。
【0035】したがって、この発明においては、高画質
の画像を得る場合には、第1の映像信号を選択的に使用
でき、一方、画像歪みの補正手段がなく、画像歪みのな
い画像を得る場合には、第2の映像信号を選択的に使用
でき、ユーザの使い勝手を向上できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下のこの発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。第1の実施の形態について説明
する。図1は、第1の実施の形態としての画像表示装置
100の構成を示している。この画像表示装置100
は、HDTV信号VHD1が入力される入力端子101
と、倍速信号VDUが入力される入力端子102とを有し
ている。ここで、HDTV信号の垂直走査線数は112
5本(画像信号を含む有効走査線数は1080本)であ
る。また、倍速信号VDUはEDTV−II方式の映像信号
を倍速変換して得られたものであり、この倍速信号の垂
直走査線数は1050本(画像信号を含む有効走査線数
は960本)である。
【0037】また、画像表示装置100は、入力端子1
02に入力される倍速信号VDUよりHDTV信号VHD3
を得るための走査線数変換部103を有している。走査
線数変換部103は、フレームメモリ104と、書き込
み制御部105と、読み出し制御部106と、切換スイ
ッチ107と、ROM(read only memory)111とから
構成されている。書き込み制御部105は、倍速信号V
DUの垂直、水平の同期信号を逓倍した信号VDi,HD
iに同期して、フレーム毎に、倍速信号VDUの960本
の有効走査線の部分をフレームメモリ104に書き込
む。
【0038】読み出し制御部106は、垂直、水平の基
準信号VDo,HDoに同期して、フレーム毎に、上述
したようにフレームメモリ104に書き込まれた倍速信
号V DUの960本の有効走査線の部分を読み出す。読み
出し制御部106は、引き続いて、ROM111に書き
込まれたペデスタルレベル信号を読み出す。
【0039】切換スイッチ107のa側の固定端子には
このペデスタルレベル信号が供給され、そのb側の固定
端子にはフレームメモリ104から読み出されたHDT
V信号VHD2が供給される。そして、この切換スイッチ
107の切り換えは、読み出し制御部106より供給さ
れる切換制御信号に基づき、フレームメモリ104より
映像信号の有効走査線の部分を読み出している間はHD
TV信号VHD2を選択し、この読み出しが終わるとペデ
スタルレベル信号を選択するよう制御が行われる。
【0040】なお、このペデスタルレベル信号はそのレ
ベルが変わることがないので、ROM111として、例
えばマスクROMや、不揮発性メモリに予め記憶させて
おくことができ、また基準電源をD/A変換して供給し
てもよい。
【0041】この切換スイッチ107により、ペデスタ
ルレベル信号が付加され、これにより垂直走査線数が1
125本であるHDTV信号VHD3を得るようにされ
る。図2A,Bは、倍速信号VDUとHDTV信号VHD3
の走査線の対応関係を示している。
【0042】また、画像表示装置100は、入力端子1
01に入力されるHDTV信号VHD 1または切換スイッ
チ107から得られるHDTV信号VHD3を選択的に出
力する切換スイッチ110を有している。この切換スイ
ッチ110のa側の固定端子にはHDTV信号VHD1
供給され、そのb側の固定端子にはHDTV信号VHD3
が供給される。そして、この切換スイッチ110の切り
換えは、外部より供給される切換制御信号SWCに基づ
いて行われる。
【0043】また、画像表示装置100は、切換スイッ
チ110より出力されるHDTV信号が供給され、その
HDTV信号による画像を表示するための表示部として
の陰極線管108と、この陰極線管108の水平、垂直
の偏向コイルに偏向電流を供給する水平・垂直偏向回路
109とを有している。ここで、水平・垂直偏向回路1
09は、垂直、水平の基準信号VDO,HDOを分周して
得られた水平同期周波数が33.75kHz、垂直同期
周波数が59.94Hzの垂直、水平のドライブ信号V
D,HDに基づいて動作をする。
【0044】切換制御信号SWCにより切換スイッチ1
10がa側に切り換えられる場合、入力端子101に入
力されるHDTV信号VHD1が切換スイッチ110のa
側を介して陰極線管108に供給される。したがってこ
の場合、陰極線管108にはHDTV信号VHD1による
画像が表示される。
【0045】なお、本実施の形態では、陰極線管108
を用いたが、陰極線管の代わりに液晶ディスプレイ等の
フラットパネルディスプレイや、その他の画像表示素子
を、切換スイッチ110の出力側に任意に接続した構成
とすることもできる。
【0046】一方、切換制御信号SWCにより切換スイ
ッチ110がb側に切り換えられる場合、切換スイッチ
107から得られるHDTV信号VHD3が切換スイッチ
110のb側を介して陰極線管108に供給される。し
たがってこの場合、陰極線管108にはHDTV信号V
HD3による画像が表示される。
【0047】このように、図1の画像表示装置100に
おいては、切換スイッチ107により、ペデスタルレベ
ル信号が付加され、これにより垂直走査線数が1125
本であるHDTV信号VHD3が得られる。そして、この
HDTV信号VHD3には、HDTV信号VHD2の960本
の有効走査線の部分がそのまま含まれている。したがっ
て、このHDTV信号VHD3によって陰極線管108に
表示される画像は、直線補間で走査線数を変換した場合
のような劣化がなく、高画質のものとなる。
【0048】上述した図1の画像表示装置100におい
ては、切換スイッチ110がb側に切り換えられた場
合、走査線数変換部103で得られるHDTV信号V
HD3が陰極線管108に供給され、この陰極線管108
にはそのHDTV信号VHD3による画像が表示される。
この場合、書き込み用の逓倍した信号HDiに比べ、読
み出し用の基準信号HDOの周波数は高く設定してある
ので、書き込み時間に比べ、短時間で読み出すことにな
る。このため、図2B中央に実線で示すように、画像の
垂直方向に縮みが発生する。図2B中央の破線は、この
垂直方向に縮みがない状態を比較のために示している。
【0049】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。図3は、第2の実施の形態としての画像表
示装置100Aの構成を示している。画像表示装置10
0Aは、上述のような画像の垂直方向の縮みを防止する
ようにしたものである。この図3において、図1と対応
する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略す
る。
【0050】また、画像表示装置100Aは、陰極線管
108の垂直偏向幅を制御する垂直サイズ制御部112
を有している。この垂直サイズ制御部112には、切換
スイッチ110に供給される切換制御信号SWCが供給
される。
【0051】この垂直サイズ制御部112は、切換スイ
ッチ110がb側に切り換えられ、走査線数変換部10
3で得られるHDTV信号VHD3が切換スイッチ110
のb側を介して陰極線管108に供給されるとき、水平
・垂直偏向回路109に対して、垂直偏向幅を大きくす
るように制御する。ここで、垂直偏向幅は、倍速信号の
有効走査線数(960本)に対するHDTV信号の有効
走査線数(1080本)の比に応じて変更される。つま
り、垂直偏向幅は、1080/960倍とされる。
【0052】この画像表示装置100Aにおいては、切
換スイッチ110がb側に切り換えられ、切換スイッチ
107で得られるHDTV信号VHD3が陰極線管108
に供給され、この陰極線管108にはそのHDTV信号
HD3による画像が表示される場合には、水平・垂直偏
向回路109は垂直偏向幅を大きくするように制御され
る。したがって、上述した画像の垂直方向の縮みが補正
される。
【0053】このように、図3に示す画像表示装置10
0Aにおいては、図1に示す画像表示装置100と同様
に劣化のない高画質の画像を得ることができるだけでな
く、陰極線管108に切換スイッチ107で得られるH
DTV信号VHD3による画像を表示する場合に、その画
像の垂直方向の縮みも良好に防止できる。
【0054】次に、この発明の第3の実施の形態につい
て説明する。図4は、第3の実施の形態としての画像表
示装置100Bの構成を示している。この図4におい
て、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細
説明は省略する。
【0055】この図4に示す画像表示装置100Bは、
図3に示す画像表示装置100Aと同様に、走査線数変
換部103で得られるHDTV信号VHD3による画像に
垂直方向の縮みが発生することを防止するものである。
【0056】この画像表示装置100Bは、走査線数変
換部103より出力されるHDTV信号VHD3を構成す
る各走査線の画素信号の数を減らし、当該各走査線の画
素信号をそれぞれ各走査線の画素信号の一部としたHD
TV信号VHD4を得る水平画素数変換部120を有して
いる。
【0057】ここで、HDTV信号VHD4を構成する各
走査線の画素信号の数は、HDTV信号の有効走査線数
1080本に対する倍速信号の有効走査線数(960)
の比に応じて変更される。例えば、HDTV信号VHD3
の各走査線の画素信号の数が、図5Aに示すように、1
440であるとき、この数が960/1080倍である
1280に減らされ、そのHDTV信号VHD3の各走査
線の画素信号が、図5Bに示すように、HDTV信号V
HD4の画素信号の一部とされる。
【0058】図6は、上述したようにHDTV信号V
HD3の各走査線の画素信号の数を1440から1280
に変換する水平画素数変換部120の構成を示してい
る。この水平画素数変換部120は、HDTV信号V
HD3の各走査線の画素信号が入力される入力端子121
と、この入力端子121に入力されるHDTV信号V
HD3の各走査線の画素信号を1クロック期間だけ遅延す
る遅延回路として機能するDフリップフロップ122と
を有している。
【0059】ここで、入力端子121に入力されるHD
TV信号VHD3の各走査線の画素信号は、例えばバッフ
ァメモリ(図示せず)より、第1の周波数のクロック信
号CK1によって読み出されたものとされる。このHD
TV信号VHD3の各走査線の画素信号はDフリップフロ
ップ122のデータ入力端子Dに供給される。そして、
このDフリップフロップ122のクロック端子にはクロ
ック信号CK1が供給される。これにより、Dフリップ
フロップ122の出力端子Qには、入力端子121に入
力されるHDTV信号VHD3の各走査線の画素信号が1
クロック期間だけ遅延されて出力される。
【0060】また、水平画素数変換部120は、入力端
子201に入力されたHDTV信号VHD3の各走査線の
画素信号に対して、それぞれ0.125,0.25,
0.375,0.5,0.625,0.75,0.87
5の係数を乗算する乗算器123a〜123gと、Dフ
リップフロップ122で1クロック期間だけ遅延された
HDTV信号VHD3の各走査線の画素信号に対して、そ
れぞれ0.875,0.75,0.625,0.5,
0.375,0.25,0.125の係数を乗算する乗
算器124a〜124gと、乗算器123a〜123g
の出力信号と乗算器124a〜124gの出力信号とを
それぞれ加算する加算器125a〜125gとを有して
いる。
【0061】また、水平画素数変換部120は、「0」
〜「7」までのカウントが繰り返される8進カウンタ1
26と、このカウンタ126のカウント出力が切換制御
信号として供給される切換スイッチ127と、この切換
スイッチ127の可動端子に得られる信号を出力映像信
号VHD4として出力する出力端子128とを有してい
る。
【0062】切換スイッチ127のa側の固定端子は入
力端子121に接続され、そのb側〜h側の固定端子は
それぞれ加算器125a〜125gの出力側に接続され
る。カウンタ126には、上述した第1の周波数の8/
9倍の第2の周波数のクロック信号CK2がカウントク
ロックとして供給される。また、切換スイッチ127の
可動端子は、カウンタ126のカウント出力が「0」〜
「7」に変化するとき、それぞれa側〜h側の固定端子
に接続される。
【0063】次に、この水平画素数変換部120の動作
を説明する。カウンタ126のカウント出力が「0」と
なるクロック期間では、切換スイッチ127の可動端子
がa側の固定端子に接続され、入力端子121にはHD
TV信号VHD3のある走査線の第1の画素信号D1が入力
され、この第1の画素信号D 1がそのまま切換スイッチ
127のa側を通して出力映像信号VHD4のある走査線
の第1の画素信号D1′として出力端子128に出力さ
れる。
【0064】カウンタ126のカウント出力が「1」と
なるクロック期間では、切換スイッチ127の可動端子
がb側の固定端子に接続され、入力端子201にはHD
TV信号VHD3のある走査線の第3の画素信号D3が入力
され、この第3の画素信号D 3に乗算器123aで0.
125が乗算される。これと同時に、Dフリップフロッ
プ122からHDTV信号VHD3の第2の画素信号D2
出力され、この第2の画素信号D2に乗算器124aで
0.875が乗算される。そして、乗算器123a,1
24aのそれぞれの出力信号が加算器125aで加算さ
れ、その加算信号(0.125D3+0.875D2)が
切換スイッチ127のb側を通して出力映像信号VHD4
のある走査線の第2の画素信号D2′として出力端子1
28に出力される。
【0065】カウンタ126のカウント出力が「2」と
なるクロック期間では、切換スイッチ127の可動端子
がc側の固定端子に接続され、入力端子201にはHD
TV信号VHD3のある走査線の第4の画素信号D4が入力
され、この第4の画素信号D 4に乗算器123bで0.
25が乗算される。これと同時に、Dフリップフロップ
122からHDTV信号VHD3の第3の画素信号D3が出
力され、この第3の画素信号D3に乗算器124bで
0.75が乗算される。そして、乗算器123b,12
4bのそれぞれの出力信号が加算器125bで加算さ
れ、その加算信号(0.25D4+0.75D3)が切換
スイッチ127のc側を通して出力映像信号VHD4のあ
る走査線の第3の画素信号D3′として出力端子128
に出力される。
【0066】カウンタ126のカウント出力が「3」〜
「7」となる期間では、切換スイッチ127の可動端子
がd側〜h側の固定端子に接続され、入力端子121に
はHDTV信号VHD3のある走査線の第5〜第9の画素
信号D5〜D9が入力され、上述したと同様にして、出力
端子128には出力映像信号VHD4のある走査線の第4
〜第8の画素信号D4′〜D8′が出力される。
【0067】以下、カウンタ126のカウント出力が
「0」〜「7」となるとき、上述したと同様の動作をす
る。これにより、HDTV信号VHD3の各走査線の9個
の画素信号から出力映像信号VHD4の各走査線の8個の
画素信号が形成される。図7は、上述した、カウント出
力が「0」〜「7」に対応した、画素数の変換の様子を
示している。
【0068】図4に戻って、上述したように水平画素数
変換部120で得られるHDTV信号VHD4は切換スイ
ッチ110のb側の固定端子に供給され、この切換スイ
ッチ110のa側の固定端子にはHDTV信号VHD1
供給される。そして、この切換スイッチ110の切り換
えは、外部より供給される切換制御信号SWCに基づい
て行われるのは、図1の画像表示装置100と同様であ
る。
【0069】このように、図4の画像表示装置100B
においては、図1の画像表示装置100と同様に、ペデ
スタルレベル信号が付加され、これにより垂直走査線数
が1125本であるHDTV信号VHD3が得られ、さら
にこのHDTV信号VHD3を構成する各走査線の画素信
号の数が、水平画素数変換部120によって減らされ、
当該各走査線の画素信号をそれぞれ各走査線の画素信号
の一部としたHDTV信号VHD4が得られる。
【0070】なお、水平の画素数変換では、アナログ信
号をデジタル信号に変換する前に低域通過フィールドに
より信号の帯域が制限されている。したがって、HDT
V信号VHD4によって陰極線管108に表示される画像
は、直線補間で走査線数を変換した場合のような劣化を
生じることがなく、高画質のものとなる。
【0071】また、上述したように、HDTV信号V
HD3による画像は、このHDTV信号VHD3がペデスタル
レベル信号を付加することで得られたものであることか
ら、図2Bに示すように、画像の垂直方向に縮みが発生
する。しかし、HDTV信号VHD4は、このHDTV信
号VHD3を構成する各走査線の画素信号の数が減らさ
れ、当該各走査線の画素信号をそれぞれ各走査線の画素
信号の一部として得られたものであり(図5A,B参
照)、この画素数の減少処理によって画像の水平方向に
縮みが発生するようにされる。したがって、HDTV信
号VHD4による画像は、垂直方向に縮んだ割合に応じて
水平方向に縮ませるようにしているので、結果的に歪み
のないものとなる。
【0072】次に、この発明の第4の実施の形態につい
て説明する。図8は、第4の実施の形態としての画像表
示装置100Cの構成を示している。この図8におい
て、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細
説明は省略する。
【0073】この図8に示す画像表示装置100Cは、
入力端子102に入力される倍速信号VDUよりHDTV
信号VHD5を得るための走査線補間回路131を有して
いる。この走査線補間回路131は、例えば上述の図1
3に示すように構成されている。この走査線補間回路1
31では、垂直走査線数が1050本の倍速信号VDU
走査線数が補間によって増加させられ、垂直走査線数が
1125本のHDTV信号VHD5が得られる。
【0074】また、画像表示装置100Cは、走査線数
変換部103で得られるHDTV信号VHD3または走査
線補間回路131で得られるHDTV信号VHD5を選択
的に出力する切換スイッチ117を有している。この切
換スイッチ117のa側の固定端子にはHDTV信号V
HD3が供給され、そのb側の固定端子にはHDTV信号
HD5が供給される。そして、この切換スイッチ117
の切り換えは、外部より供給される切換制御信号SWC
1に基づいて行われる。切換スイッチ110のb側の固
定端子には、この切換スイッチ117より出力されるH
DTV信号が供給される。画像表示装置100Cのその
他は、図1の画像表示装置100と同様に構成される。
【0075】画像表示装置100Cの動作を説明する。
切換制御信号SWCにより切換スイッチ110がa側に
切り換えられる場合、入力端子101に入力されるHD
TV信号VHD1が切換スイッチ110のa側を介して陰
極線管108に供給される。したがってこの場合、陰極
線管108にはHDTV信号VHD1による画像が表示さ
れる。
【0076】また、切換制御信号SWCにより切換スイ
ッチ110がb側に切り換えられ、切換制御信号SWC
1により切換スイッチ117がa側に切り換えられる場
合、走査線数変換部103で得られるHDTV信号V
HD3が、切換スイッチ117のa側、切換スイッチ11
0のb側を介して陰極線管108に供給される。したが
ってこの場合、陰極線管108にはHDTV信号VHD3
による画像が表示される。
【0077】上述したように、HDTV信号VHD3
は、倍速信号VDUの960本の有効走査線の部分がその
まま含まれているため、このHDTV信号VHD3によっ
て陰極線管108に表示される画像は、直線補間で走査
線数を変換した場合のような劣化を生じることがなく、
高画質のものとなる。
【0078】また、切換制御信号SWCにより切換スイ
ッチ110がb側に切り換えられ、切換制御信号SWC
1により切換スイッチ117がb側に切り換えられる場
合、走査線補間回路131で得られるHDTV信号V
HD5が、切換スイッチ117のb側、切換スイッチ11
0のb側を介して陰極線管108に供給される。したが
ってこの場合、陰極線管108にはHDTV信号VHD5
による画像が表示される。
【0079】上述したように、HDTV信号VHD5は、
倍速信号VDUの走査線数を補間によって増加させて得ら
れたものである。したがって、このHDTV信号VHD5
による画像には垂直方向の歪みは発生しない。
【0080】このように、図8に示す画像表示装置10
0Cにおいては、走査線数変換部103および走査線補
間回路131を有し、走査線数変換部103で得られる
HDTV信号VHD3または走査線補間回路131で得ら
れるHDTV信号VHD5を選択的に使用できる。つま
り、高画質の画像を得たい場合にはHDTV信号VHD3
を使用すればよく、一方垂直方向に縮みのない画像を得
たい場合にはHDTV信号VHD5を使用すればよい。
【0081】次に、この発明の第5の実施の形態につい
て説明する。図9A,Bは、第5の実施の形態としての
映像信号処理方法のフローチャートを示している。図9
Aは、書き込みのフローであり、図9Bは、読み出しの
フローである。
【0082】図9Aに従って書き込み動作を説明する。
まず、ステップS1では、入力された倍速信号が有効走
査線かどうか判定される。この倍速信号が有効走査線で
あると判定されると、ステップS2では、この倍速信号
がフレームメモリに書き込まれる。つまり、ここでは、
有効走査線であると判定された倍速信号のみが、フレー
ムメモリに書き込まれる。ステップS1とステップS2
はループを形成して有効走査線の全体にわたって書き込
みが行われる。この書き込みの後、ステップS1におい
て、倍速信号が有効走査線でないと判定されると、この
フローを終了する。
【0083】図9Bに従って読み出し動作を説明する。
まず、ステップS3において、垂直、水平の基準信号V
O,HDOを基に走査線本数のカウントがなされ、HD
TV信号の最後の走査線までカウントされたかどうかが
判定される。このステップS3で、否と判定されると、
ステップS4に進み、カウントが有効走査線部分に当た
るかどうかが判定される。
【0084】このステップS4で、有効走査線部分に当
たると判定されると、ステップS5で、フレームメモリ
から1走査線分の信号の読み出しが行われ、ステップS
6で、このカウンタを一つ繰り上げる。一方、ステップ
S4で、有効走査線部分でないと判定されると、ステッ
プS7において、ROMに記憶されているペデスタルレ
ベル信号が1走査線部分読み出され、ステップS6で、
このカウンタを一つ繰り上げる。
【0085】そして、ステップS6が終了すると、ステ
ップS3に戻り、順次フレームメモリまたはROMに記
憶されている信号が読み出される。ステップS3で、最
後の走査線までカウントされたと判定されると、カウン
トをリセットすると共に一連のフローを終了する。
【0086】すなわち、ステップS3からステップS6
の読み出しにおいては、垂直、水平の基準信号VDO
HDOを基にしてフレームメモリからHDTV信号の有
効走査線部分が読み出され、この読み出しが終わると、
引き続き、ROMに記憶されているペデスタルレベル信
号が読み出される。したがって、倍速信号の960本の
有効走査線に対応した960本のHDTV信号に対し
て、ペデスタルレベル信号が付加され、垂直走査線数が
1125本であるHDTV信号が得られる。このHDT
V信号は、直線補間で走査線数を変換した場合のような
劣化がなく、高画質のものとなる。
【0087】なお、書き込みと読み出しを別々のフロー
で示したが、必ずしも別々のタイミングで行われるもの
ではない。なぜならば、読み出しの最中に、倍速信号が
入力され得るからで、この場合、フレームメモリを用い
ることにより、2フィールド分の情報について別々に処
理できるので、書き込みが終わったフィールドについて
読み出しを開始し、次のフィールドについては書き込み
を行うようにする。
【0088】次に、この発明の第6の実施の形態につい
て説明する。図10は、第6の実施の形態としての映像
信号処理方法のフローチャートを示している。この図1
0において、図9Bとは、ステップS6までは同一であ
るので、その説明は省略する。
【0089】ステップS3において、最後の走査線まで
カウントされたと判定されると、カウンタをリセットす
る。引き続き、ステップS8において、倍速信号とHD
TV信号との有効走査線数の比が算出される。そして、
ステップS9において、この算出された比に基づいた垂
直偏向幅補正が行われ、一連のフローが終了する。
【0090】このように、図10に示す映像信号処理方
法においては、図9A,Bに示す映像信号処理方法と同
様に劣化がなく、高画質の画像を得ることができるだけ
でなく、垂直方向の縮みも良好に防止できる。
【0091】なお、これまでの実施の形態においては、
走査線数変換部103や走査線補間回路131では、倍
速信号からHDTV信号への変換を行うものであるが、
その逆の変換を行うもの、あるいはその他の垂直走査線
数の異なる方式間の変換を行うものにも、この発明を同
様に適用できる。
【0092】例えば、HDTV信号から倍速信号への変
換の場合には、ペデスタルレベル信号の走査線数を減少
させることになる。また、これにより生じる画像の垂直
方向の伸びを補正するためには、陰極線管の垂直方向の
偏向幅を小さくしたり、変換後の倍速信号の各走査線の
画素信号の数を増やし、当該各走査線の画素信号の一部
をそれぞれ各走査線の画素信号として別の倍速信号を得
るようにすればよい。
【0093】図11は、この発明の第7の実施の形態と
しての、フォーマットが720P(垂直走査線数:75
0本、有効走査線数:720本)の入力信号からHDT
V信号への変換を行う画像表示装置100Dの構成を示
すブロック図である。この図11においては、図1の走
査線数変換部103の前段にP→I(プログレッシブ・
インタレース)変換部132が備えられている。それ以
外の対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は
省略する。
【0094】このP→I変換部132では、フォーマッ
トが720Pの入力信号の最初のフィールドnが奇数番
号の走査線のみにより構成され、次のフィールドn+1
が偶数番号の走査線のみにより構成されるような変換が
なされ、720Pの入力信号から360本のインタレー
ス信号に変換される。この360本のインタレース信号
に対して次段の走査線数変換部103によりフィールド
当たり360本の有効走査線を含んだHDTV信号への
変換が行われる。
【0095】図12は、720Pの入力信号VPと、3
60本のインタレース信号Viと、HDTV信号VHD3
走査線の対応関係を示している。
【0096】
【発明の効果】この発明に係る映像信号処理装置および
映像信号処理方法によれば、一の方式の映像信号を構成
するペデスタルレベル信号の走査線数のみを増加または
減少させ、これにより垂直走査線数が第2の数とされた
他の方式の映像信号を得るものであり、他の方式の映像
信号には一の方式の映像信号の有効走査線部分がそのま
ま含まれるものとなるため、他の方式の映像信号による
画質を、補間による劣化のない、高画質のものとするこ
とができる。
【0097】また、他の方式の映像信号の各走査線の画
素信号の数を他の方式の映像信号の有効走査線数に対す
る一の方式の映像信号の有効走査線数の比に応じて減少
または増加させることで、ペデスタルレベル信号の走査
線数の増加または減少による画像の垂直方向の縮みや伸
びに対応して、画像の水平方向の縮みや伸びが発生し、
結果的に歪みのない画像を得ることができる。
【0098】また、この発明に係る画像表示装置によれ
ば、一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信
号の走査線数のみが増加または減少されて垂直走査線数
が第2の数とされた他の方式の第1の映像信号を選択的
に表示部に供給でき、他の方式の映像信号による画像を
表示する表示部に、入力された一の方式の映像信号に係
る画像を高画質をもって表示できる。
【0099】また、この発明に係る映像信号処理回路に
よれば、一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベ
ル信号の走査線数のみを増加または減少させて、一の方
式の映像信号より他の方式の第1の映像信号を得る走査
線数変換手段と、一の方式の映像信号の走査線数を補間
によって増加または減少させて、一の方式の映像信号よ
り他の方式の第2の映像信号を得る走査線補間手段とを
備えるものであり、高画質の画像を得る場合には、第1
の映像信号を選択的に使用でき、一方、画像歪みの補正
手段がなく、画像歪みのない画像を得る場合には、第2
の映像信号を選択的に使用でき、ユーザの使い勝手を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】倍速信号VDUとHDTV信号VHD3の走査線の
対応関係を説明するための図である。
【図3】第2の実施の形態としての画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【図4】第3の実施の形態としての画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【図5】HDTV信号VHD3とHDTV信号VHD4の画素
の対応関係を説明するための図である。
【図6】水平画素数変換部の構成を示すブロック図であ
る。
【図7】画素数の変換の様子を示す図である。
【図8】第4の実施の形態としての画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【図9】第5の実施の形態としての映像信号処理方法を
示すフローチャートである。
【図10】第6の実施の形態としての映像信号処理方法
を示すフローチャートである。
【図11】第7の実施の形態としての画像表示装置の構
成を示すブロック図である。
【図12】720Pの信号VP、360本のインタレー
ス信号Vi、およびHDTV信号V HD3の走査線の対応関
係を示す図である。
【図13】走査線補間回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図14】走査線の補間の様子を示す図である。
【図15】変換前と変換後の信号レベルを説明するため
の図である。
【符号の説明】
100,100A〜100D・・・画像表示装置、10
1,102・・・入力端子、103・・・走査線数変換
部、104・・・フレームメモリ、105・・・書き込
み制御部、106・・・読み出し制御部、107,11
0,117・・・切換スイッチ、108・・・陰極線
管、109・・・水平・垂直偏向回路、111・・・R
OM、112・・・垂直サイズ制御部、120・・・水
平画素数変換部、131・・・走査線補間回路、132
・・・P→I変換部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直走査線数が第1の数である一の方式
    の映像信号を、垂直走査線数が第2の数である他の方式
    の映像信号に変換する映像信号処理回路であって、 上記一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信
    号の走査線数のみを増加または減少させて、上記一の方
    式の映像信号より上記他の方式の映像信号を得る走査線
    数変換部を備えることを特徴とする映像信号処理回路。
  2. 【請求項2】 上記走査線数変換部は、 映像信号をフレーム毎に記憶するフレームメモリと、 上記一の方式の映像信号に対応した垂直および水平の同
    期信号に同期して、フレーム毎に、上記一の方式の映像
    信号の有効走査線の部分を上記フレームメモリに書き込
    む書き込み制御部と、 上記他の方式の映像信号に対応した垂直および水平の同
    期信号に同期して、フレーム毎に、上記一の方式の映像
    信号の有効走査線の部分を上記フレームメモリより読み
    出す読み出し制御部と、 上記フレームメモリより上記一の方式の映像信号の有効
    走査線の部分が読み出される走査線区間では該一の方式
    の映像信号の有効走査線の部分を選択し、その他の走査
    線区間ではペデスタルレベル信号を選択して出力する信
    号選択部とを有することを特徴とする請求項1に記載の
    映像信号処理回路。
  3. 【請求項3】 上記ペデスタルレベル信号を記憶するメ
    モリをさらに備え、上記信号選択部は、上記その他の走
    査線区間では上記メモリより読み出されるペデスタルレ
    ベル信号を選択することを特徴とする請求項2に記載の
    映像信号処理回路。
  4. 【請求項4】 上記走査線数変換部で得られる上記他の
    方式の映像信号の各走査線の画素信号の数を上記他の方
    式の映像信号の有効走査線数に対する上記一の方式の映
    像信号の有効走査線数の比に応じて減少または増加させ
    る水平画素数変換部をさらに備えることを特徴とする請
    求項1に記載の映像信号処理回路。
  5. 【請求項5】 垂直走査線数が第1の数である一の方式
    の映像信号を、垂直走査線数が第2の数である他の方式
    の映像信号に変換する際に、 上記一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信
    号の走査線数のみを増加または減少させることを特徴と
    する映像信号処理方法。
  6. 【請求項6】 一の方式の映像信号に対応した垂直およ
    び水平の同期信号に同期して、フレーム毎に、上記一の
    方式の映像信号の有効走査線の部分をフレームメモリに
    書き込む書き込みステップと、 他の方式の映像信号に対応した垂直および水平の同期信
    号に同期して、フレーム毎に、上記一の方式の映像信号
    の有効走査線の部分を上記フレームメモリより読み出す
    第1の読み出しステップと、 上記フレームメモリより読み出される上記一の方式の映
    像信号の有効走査線の部分が読み出される走査線区間以
    外の走査線区間でメモリよりペデスタルレベル信号を読
    み出す第2の読み出しステップと、 上記第1の読み出しステップで読み出された上記一の方
    式の映像信号の有効走査線の部分と上記第2の読み出し
    ステップで読み出されたペデスタルレベル信号とを選択
    的に取り出して出力する選択ステップとを備えることを
    特徴とする映像信号処理方法。
  7. 【請求項7】 垂直走査線数が第1の数である一の方式
    の映像信号を入力する第1の入力部と、 上記第1の入力部に入力される上記一の方式の映像信号
    を構成するペデスタルレベル信号の走査線数のみを増加
    または減少させて、上記一の方式の映像信号より、垂直
    走査線数が第2の数である他の方式の第1の映像信号を
    得る走査線数変換部と、 垂直走査線数が上記第2の数である上記他の方式の第2
    の映像信号を入力する第2の入力部と、 上記走査線数変換部で得られる上記他の方式の第1の映
    像信号または上記第2の入力部に入力される上記他の方
    式の第2の映像信号を選択的に出力する信号選択部と、 上記信号選択部より出力される上記他の方式の映像信号
    が供給され、該映像信号による画像が表示される表示部
    とを備えることを特徴とする画像表示装置。
  8. 【請求項8】 上記表示部は陰極線管であり、 上記信号選択部で上記他の方式の第1の映像信号が選択
    される場合、上記表示部の垂直偏向幅を、上記一の方式
    の有効走査線数に対する上記他の方式の有効走査線数の
    比に応じて変更する垂直サイズ制御部をさらに備えるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 上記走査線数変換部で得られる上記他の
    方式の第1の映像信号の各走査線の画素信号の数を上記
    他の方式の映像信号の有効走査線数に対する上記一の方
    式の映像信号の有効走査線数の比に応じて減少または増
    加させる水平画素数変換部をさらに備えることを特徴と
    する請求項7に記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 垂直走査線数が第1の数である一の方
    式の映像信号を、垂直走査線数が第2の数である他の方
    式の映像信号に変換する映像信号処理回路であって、 上記一の方式の映像信号を構成するペデスタルレベル信
    号の走査線数のみを増加または減少させて、上記一の方
    式の映像信号より上記他の方式の第1の映像信号を得る
    走査線数変換手段と、 上記一の方式の映像信号の走査線数を補間によって増加
    または減少させて、上記一の方式の映像信号より上記他
    の方式の第2の映像信号を得る走査線補間手段と、 上記走査線数変換手段で得られる上記他の方式の第1の
    映像信号または上記走査線補間手段で得られる上記他の
    方式の第2の映像信号を選択的に出力する信号選択手段
    とを備えることを特徴とする映像信号処理回路。
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