JP2003069267A - 電子装置の冷却装置 - Google Patents

電子装置の冷却装置

Info

Publication number
JP2003069267A
JP2003069267A JP2001261667A JP2001261667A JP2003069267A JP 2003069267 A JP2003069267 A JP 2003069267A JP 2001261667 A JP2001261667 A JP 2001261667A JP 2001261667 A JP2001261667 A JP 2001261667A JP 2003069267 A JP2003069267 A JP 2003069267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling device
air
cooling
temperature
duct
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001261667A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Katsumata
孝明 勝亦
Takehisa Ide
剛久 井出
Isamu Yatougo
勇 八藤後
Kazuya Akashi
一弥 明石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001261667A priority Critical patent/JP2003069267A/ja
Publication of JP2003069267A publication Critical patent/JP2003069267A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却装置に空気を導入する経路を断熱構造と
することにより、周囲からの熱による導入空気の温度上
昇を抑制させ、冷却性能の向上を図れる電子装置の冷却
装置を提供する。 【解決手段】 電子部品を有した電子装置3を収納し、
装置外部の所定箇所から空気を導入する吸入部11が接
続され、導入された空気を装置外部に排出する排出部1
2が接続され、前記吸入部11により導入される空気を
用いて、電子装置3を冷却する電子装置の冷却装置1に
おいて、前記冷却装置1の吸入部11を、断熱構造とし
た構成とされ、さらに、前記吸入部11の表面に、表面
への熱輻射の被入射量を減少させる熱輻射層を設けた構
成を追加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子素子などの
電子部品を用いて構成された電子装置を冷却する装置に
関し、特に空気通路に冷却用空気を通流させるとともに
電子部品の作動熱を冷却用空気に移動させて電子部品を
冷却する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車室内に配置されていたエンジン
コントロールコンピュータなどの自動車用電子ユニット
が、エンジンルーム内に配置されるようになってきてい
る。これは、車室内にエンジンコントロールコンピュー
タのような比較的に大型の電子ユニットを配置するスペ
ースが無いことからでもあるが、エンジンルーム内に電
子ユニット配置すると、以下の利点があることからであ
る。
【0003】すなわち、エンジンコントロールコンピュ
ータは、主にエンジンを制御する電子ユニットなので、
その配線対象が、エンジンルーム内に配置されたセンサ
や機器などであることが多く、電子ユニットをエンジン
ルーム内に配置することによって、配線を分配すること
無く束ねて大幅に電線本数が削減できるとともに、電線
の長さを短縮でき、軽量化や低コスト化を図ることがで
きる。また、車両のメインテナンス作業などで、エンジ
ンを着脱する場合には、車室内の電子ユニットに接続さ
れた配線を束ねた太いワイヤーハーネスを車室内から引
き出す作業が必要が無く、この作業に伴うワイヤーハー
ネスの傷つきや、ハーネスの接続部分であるコネクタの
破損を防止することができる。
【0004】また、上述したように電子ユニットをエン
ジンルーム内に配置する場合には、断熱及び冷却機能を
備えた冷却装置内に電子ユニットを収納することによ
り、エンジンルーム内の高温雰囲気による電子ユニット
の作動不良を防止している。
【0005】この冷却装置は、電子部品からなる電子装
置を、冷却用空気の通路が区画形成された冷却ボックス
内に、その通路に隣接した別区画に格納した構成とさ
れ、この通路に冷却用空気を通流することにより、電子
装置を間接的に冷却するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記冷却装置に収納さ
れる電子ユニットは、その電子ユニット内部の温度が規
定値(これは、一般的に105℃である)以下である場
合に、電子部品の定格動作が保証されており、実際の車
両の搭載された環境において、冷却装置内部に収納され
た電子ユニットが、この条件を満たしている場合に、冷
却装置はシステムとして成立していると言える。
【0007】この冷却装置内の温度は、冷却装置の周囲
の雰囲気温度、導入される空気の風量及び温度の3つの
要素に依存していると考えられる。実際の冷却装置を用
いて、これらの3要素と冷却装置内の温度との関係を、
各種条件を変化させて実測し、この計測結果をグラフ化
したものを、図5(1)〜(3)に示す。
【0008】まず、図5(1)には、風量を変化させた
各場合における冷却装置内の温度と、冷却装置の周囲雰
囲気温度との関係を示し、図5(2)には、周囲の温度
を変化させた各場合における冷却装置内の温度と、冷却
装置に導入される空気の風量との関係を示し、図5
(3)には、主に風量を変化させた各場合における冷却
装置内の温度と、冷却装置に導入される空気の温度との
関係を示す。なお、冷却装置内には、電子ユニットを収
納しない状態で、上記計測を行なった。
【0009】これらの3つのグラフを比較すると、図5
(3)に示される導入される空気温度の変化に対して、
装置内の空気温度が変化する割合いが、これらの中で最
も高いことが明確に解かる。
【0010】したがって、現実的な温度及び風量の範囲
において、上記3つの要素のうちでは、導入される空気
温度が、冷却装置内の温度、つまり冷却装置の性能に最
も大きな影響を与えていることが理解できる。
【0011】ところが、導入空気の経路であるダクトが
高温のエンジンルーム内を引き回されているので、この
経路を通過する導入空気が冷却装置に到達するまでの間
に、エンジンルーム内雰囲気温度、エンジンなどの熱
源、ラジファンによる熱風などの経路外からの熱を受け
て加熱され、導入空気の温度が上昇してしまい、冷却装
置の性能が低下するという問題があった。
【0012】また、エンジンルーム内に配置されること
が多いエンジンコントロールユニットなどは、電子ユニ
ットの中でも最も体積の大きな部類に入り、この電子ユ
ニットを収納する冷却装置も比較的に大きくなるので、
エンジンルーム内に設置できる場所が限られてしまう。
したがって、先に、エンジンルーム内の冷却装置を配置
する場所が決定され、その位置からダクトを伸ばすこと
から、ダクトの全長が長くなる傾向にある。しかし、図
6のグラフに示すように、ダクトの長さが長いほど、周
囲の影響を受けやすくなり、導入空気の温度上昇が大き
くなる傾向にあり、エンジンルーム内のダクト配置によ
っては、冷却装置としての性能を十分に維持できなくな
るという欠点がある。
【0013】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、冷却装置に空気を導入する経路を
断熱構造とすることにより、周囲からの熱による導入空
気の温度上昇を抑制させ、冷却性能の向上を図れる電子
装置の冷却装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、電子部品を有
した電子装置を収納し、装置外部の所定箇所から空気を
導入する吸入部が接続され、導入された空気を装置外部
に排出する排出部が接続され、前記吸入部により導入さ
れる空気を用いて、電子装置を冷却する電子装置の冷却
装置において、前記冷却装置の吸入部を、断熱構造とし
たことを特徴とするものである。
【0015】したがって、請求項1の発明では、冷却装
置の吸入部が断熱構造とされているので、周囲からの熱
が冷却装置の吸入部内へ伝達されることが低減でき、冷
却装置への導入空気の温度上昇が抑制され、これに伴い
冷却装置内の温度を低下でき、冷却装置の冷却性能を向
上させることができる。
【0016】また、吸入部への周囲からの熱的な影響を
緩和しているので、従来と同様なダクト配置での冷却装
置の性能向上を図れることに加えて、従来構成では困難
であったエンジン室内の熱的な影響が多い場所にも、従
来構成と同様な冷却装置の冷却性能を維持したまま、吸
入部を通過させて配置することが可能となり、吸入部自
体のレイアウトの自由度を向上できる。すなわち、吸入
部の周囲に機器などの熱源を迂回して吸入部を配置する
必要が緩和され、吸入部の全長を短縮することが可能と
なり、この場合には、吸入部の長さによる周囲から熱の
影響が減少されることになる。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記吸入部の表面に、表面への熱輻射の被入射量を
減少させる熱輻射層を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0018】したがって、請求項2の発明では、請求項
1の発明と同様の作用が生じる他に、吸入部への輻射熱
を低減させる構成を加えているので、さらに冷却装置の
導入空気の温度上昇が抑制され、これに伴い冷却装置の
冷却性能をさらに向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照してこの発明
の具体例を説明する。図1及び図2は、本装置1を車両
のエンジン室2Aに配置し、電子部品を外気を導入して
冷却するように構成した一例を示す図である。ここに示
す例では、電子部品からなる電子装置をケースに格納し
た電子ユニット3を、防水・防塵・耐熱機能を有する冷
却装置1に収容するように構成されている。なお、本発
明の電子ユニット3の冷却装置1を、車両に適用した例
を説明していく。また、この例の電子装置は、エンジン
2Bや変速装置2Cなどを電子制御する重要部品である
コントロール・ユニットとする。
【0020】この電子装置(図示せず)は、基本的に、
回路の配線パターンが印刷された回路基板(図示せず)
上に、各種の電気部品(図示せず)や電子部品(図示せ
ず)を所定に配置した構成とされ、これらの電気部品や
電子部品の対電磁波などの保護や耐衝撃性、放熱性を確
保するようにケース(図示せず)に収納されている。す
なわち、これらの電気部品及び電子部品は、その通電動
作時に不可避的に熱を発する部品であり、各部品には、
その定格の動作を保証する温度範囲が定められている。
したがって、電子装置の動作状況によって異なるが、各
部品の動作保証温度の近傍まで、または動作保証温度を
越えて部品を含めたケース内の温度が上昇すると、電気
的な回路動作が不調となったり、機能不全や部品故障を
招く虞がある。
【0021】なお、電子ユニット3の上部などの所定箇
所には、接続コネクタ(図示せず)が設けられ、この接
続コネクタに電子ユニット3内の電子装置の入出力線が
接続されており、このコネクタに接続される配線を束ね
たワイヤーハーネス(図示せず)を介して、外部の各種
装置に電子ユニット3が電気的に接続されている。すな
わち、このワイヤーハーネスにより、電子ユニット3が
電源であるバッテリ(図示せず)に接続されて動作電流
が供給され、所定箇所に設けた各種のセンサ(図示せ
ず)の出力線に接続されてセンサ信号が入力され、各種
の入力装置(図示せず)に接続されて各種の指示信号が
入力され、各種のアクチュエータ(図示せず)に接続さ
れて指令信号が出力され、表示装置(図示せず)や報知
装置(図示せず)に接続されて表示や報知信号が出力さ
れている。そして、これらのセンサ信号や指示信号に基
づき、電子装置が所定の判断処理を行い、各種のアクチ
ュエータを用いて、判断に応じた制御を実現する動作を
行なっている。また、各種センサなどから得られた情報
や各機器の動作状況を、電子装置が適宜、表示装置や報
知装置を用いて、情報表示して報知したり、異常を警告
したりしている。
【0022】冷却装置1は、電子ユニット3を、冷却用
空気の空気通路(図示せず)が区画形成された冷却装置
1内に、その空気通路に隣接した別区画に格納した構成
とされ、その外形状が電子ユニット3よりも大きな箱形
状に形成されている。したがって、この冷却装置1内に
形成された空気通路に冷却用空気を通流し、この冷却用
空気より、電子装置が収納された電子ユニット3を間接
的に冷却するようにしている。冷却装置1には、空気通
路に外気を供給する管状の吸入ダクト11と、空気通路
から供給された外気を排出する管状の排出ダクト12と
が接続されている。
【0023】すなわち、冷却装置1は、その外壁に用い
られる素材として、熱伝導性の良好なポリプロピレンや
ポリアミドなどの合成樹脂が用いられ、軽量化や低コス
ト化を図るとともに、必要な耐熱性を確保するようにし
ている。また、汚れや僅かな傷が目立つことがないよう
に、カーボンなどが素材成分に添加され、暗い色に着色
されている。
【0024】また、冷却装置1は、エンジン室2A内の
車両の前進方向(図1及び図2中に矢印A で示す)のコ
ーナー部に配置され、かつ、エンジン室2A内のほぼ上
側近傍に位置して設けられている。
【0025】この吸入ダクト11の一端は、車両の前進
方向先端の車体下部に配設され、外気を導入できるよう
にしている。この吸入ダクト11は、その中間がエンジ
ン室2Aの内形状に沿って、または他の機器や配管を回
避するように屈曲されている。この吸入ダクト11の他
端は、冷却装置の外壁の下部近傍箇所に接続され、吸入
ダクト11が冷却装置1内の空気通路に連通されてい
る。したがって、下方に位置する吸入ダクト11の一端
から外気を取り込み、これに対して上方に位置する冷却
装置1に外気を送給しているとともに、吸入ダクト11
の中間が屈曲されていることにより、ある程度の水分や
埃を冷却装置1に吸い込むことが軽減されている。
【0026】また、排出ダクト12の一端は、吸入ダク
ト11の他端の接続箇所とは、反対側となる冷却装置1
の外壁の上部近傍箇所に接続され、吸入ダクト11が冷
却装置1内の空気通路に連通されている。排出ダクト1
2の他端は、エンジン室2A内のラジエータ部13に設
けられたファン14の吸入側付近の箇所に接続されてい
る。
【0027】したがって、ラジエータ部13に設けられ
たファン14の回転動作に伴い、吸入ダクト11から冷
却装置1の導入された空気は、冷却装置1内の空気通路
を通過しながら、空気通路に隣接して収納された電子ユ
ニット3の作動熱が伝達され、排出ダクト12の一端部
からラジエータ部13側に排出され、この外気からなる
通流空気により、冷却装置1内に収納された電子ユニッ
ト3を十分に冷却するようにしている。
【0028】さらに、冷却装置1の吸入ダクト11は、
その周囲温度の影響を低減させる断熱構造とされ、冷却
装置1の導入される空気への外部からの熱の影響を低減
させて、冷却装置の性能を向上させている。
【0029】この吸入ダクト11は、管状のダクト本体
11aと、その周囲に設けられた断熱性能を備えた断熱
部11bとから構成されている。
【0030】この断熱部11bは、図3に示すように、
断熱材を所定径を有した円筒状に形成するとともに、そ
の軸方向に沿って切れこみが設けられた構成とされてい
る。
【0031】したがって、図3中に矢印で示すように、
この切れ込みを吸入ダクト11を通過させることによ
り、断熱材を吸入ダクト11の側面から差込んで固定で
き、車両および冷却装置1への組み付け性に配慮して、
容易に吸入ダクト11ヘ断熱材を固定できるようにして
いる。
【0032】また、この断熱材の素材としては、低熱伝
導率、難燃性、軽量、加工容易性などの特性要求を満た
すものが用いられ、冷却装置1が車両に搭載されエンジ
ン室に配置される場合には、特に、難燃性や軽量性が重
視され、本実施形態においては、例えばメラミン樹脂発
泡体などを選択して用いている。
【0033】さらに、断熱部の径方向の厚さは、図4に
示すグラフの結果から、約20mm程度に設定されてい
る。すなわち、異なる厚さの断熱材を、所定径の直管状
に形成し、その軸方向の長さを約40cmに設定したも
のを用意し、この管状の断熱材を通過させる空気温度、
風量、周囲温度を適宜変化させて組み合わせた条件下
で、計測した。そして、図4のグラフの傾向から明らか
なように、管状の断熱材の厚みと、管状の断熱材の入り
口出口の空気の温度差との関係は、断熱材の厚みが約1
5mm程度まで増加すると、これ以降は断熱材による断
熱効果の効率が低下していることが解かる。このような
結果と、吸入ダクト11を配置する周囲のスペースとの制
約とから、断熱部の径方向の厚さを約20mm程度に設
定した。なお、上記グラフの結果を得る測定条件は、実
際の車両が運用されると想定される範囲から、つまり空
気流量が100〜300リットル/分、導入空気温度が
40〜60℃、エンジンルーム内雰囲気の温度が80〜
100℃程度であることを反映した条件に設定されてい
る。
【0034】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、冷却装置1の吸入ダクト11に断熱構造を設けたこ
とにより、エンジン室内からの熱が冷却装置1の吸入ダ
クト11内へ伝達されることが低減できるので、冷却装
置1への導入空気の温度上昇が抑制され、これに伴い冷
却装置内の温度を低下でき、電子ユニット3を冷却する
冷却装置1としての性能を向上することができる。
【0035】また、吸入ダクト11への周囲からの熱的
な影響を緩和しているので、従来と同様なダクト配置で
の冷却装置1の性能向上を図れることに加えて、従来構
成では困難であったエンジン室内の熱的な影響が多い場
所にも、従来構成と同様な冷却装置1の冷却性能を維持
したまま、吸入ダクト11を通過させて配置することが
可能となり、吸入ダクト11自体のレイアウトの自由度
を向上できる。すなわち、ダクトの周囲に機器などの熱
源を迂回して吸入ダクトを配置する必要が緩和され、ダ
クトの全長を短縮することが可能となり、この場合に
は、ダクト長さによる周囲から熱の影響が減少されるこ
とになる。
【0036】さらに、冷却装置1内の導入空気の温度に
影響を与える冷却装置の周囲の雰囲気温度、導入される
空気の風量及び温度のうち、最も大きな影響を与える導
入空気の温度環境を改善しているので、冷却装置1の周
囲温度の影響を低減させたり、風量の増量させたりして
対処することに比べて、簡潔かつ容易な構成で、効率的
に冷却装置1の冷却性能を向上を図ることが可能とな
る。すなわち、例えば、風量の増量は、送風手段の強化
や、導入空気が通過する経路の断面積を増加するなどの
対応が必要となり、冷却装置の大型化やコスト増加を招
く。また、冷却装置1の周囲温度の影響を低減させるた
めには、冷却装置1の周囲全体を断熱する必要があり、
これも冷却装置の大型化やコスト増加を招く。したがっ
て、これらの場合と比べると冷却装置がコンパクトとに
なり、冷却装置の設置に必要な場所が省スペース化さ
れ、冷却装置およびエンジン・ルーム内の他の機器など
のレイアウト構成が制約されずに済み、レイアウトの自
由度を確保することができる。
【0037】また、冷却装置1の吸入ダクト11の表面
に、熱輻射を反射しやすい低輻射率のテープまたはフィ
ルムでカバーして、熱輻射層を形成した構成を追加して
も良い。
【0038】すなわち、輻射率の低い安価な素材である
アルミニウムを粘着テープの表面に付着させてアルミテ
ープを形成し、このアルミテープを吸入ダクト11の表
面に固着することにより、熱輻射層を形成したり、アル
ミニウムを薄膜フィルム状に形成し、このアルミフィル
ムを吸入ダクト11の表面に固着することにより、熱輻
射層を形成したりした構成を追加している。なお、これ
らのテープまたはフィルムは、それ自体に備えられた粘
着力によって壁表面に貼着されたり、押圧力によって吸
入ダクト11表面に圧着されたりして、吸入ダクト11
の表面における所定範囲の全域に均等に定着するように
している。
【0039】すなわち、エンジン作動時にエンジン2B
などから発生した熱は、その一部がエンジン・ルーム内
に介在する空気やエンジンを固定している支持架を伝達
経路として、エンジン・ルーム内の各機器、ルーム壁面
に対流熱伝達されるとともに、残りの部分であるエンジ
ン2Bからの輻射熱の一部が空気を介さずに、直接に、
または、エンジン室内を乱反射して、冷却装置1の吸入
ダクト11に到達している。
【0040】そして、冷却装置1の吸入ダクト11の表
面に、熱輻射を反射しやすい熱輻射率の低いテープまた
はフィルムからなる熱輻射層が形成されているので、冷
却装置1の吸入ダクト11表面の熱輻射層がエンジン2
Bなどから直接的に、または間接的に到達する輻射熱を
より大量に反射して、吸入ダクト11に入射する輻射熱
を減少することができる。これは、この吸入ダクト11
の表面が熱輻射を受けると、その熱輻射の一部は吸収さ
れ、一部は表面反射され、一部は透過されるが、吸入ダ
クト11の表面に輻射率の低い熱輻射層が形成されてい
ることにより、熱輻射層によって熱輻射の大部分が反射
され、吸入ダクト11への熱輻射の透過と吸収が抑制さ
れるので、吸入ダクト11が受ける輻射熱量が減少でき
るためである。
【0041】したがって、上述した冷却装置1の吸入ダ
クト11の断熱構造に加えて、吸入ダクト11への輻射
熱を低減させる構成を加えているので、さらに冷却装置
1の導入空気の温度上昇が抑制され、これに伴い冷却装
置1としての冷却性能をさらに向上させることができ
る。
【0042】また、何らかの理由で、テープまたはフィ
ルムの表面が清浄化できない程度に汚れたり、汚れが固
着して除去できなかったり、さらにはテープまたはフィ
ルムが損傷したりして、その熱輻射層としての性能が低
下しても、その損傷箇所を新たなテープまたはフィルム
に交換したり、損傷箇所の上に新たなテープまたはフィ
ルムを重ねて定着させたりすることのみで、従前の正常
な状態に復帰できるので、修復の利便性を向上できると
ともに、修復に必要な作業時間を短縮できる。
【0043】なお、上記の具体例では、ラジエータ・フ
ァン14などの冷却装置1に冷却用の空気を供給する送
風手段を、上側ダクトである排出ダクト12に接続した
構成としたが、これに限らず、下側ダクトである吸入ダ
クト11に接続した構成としても良い。
【0044】上記実施形態の構成と、この発明の構成と
の対応関係を説明する。すなわち、冷却装置1がこの発
明の冷却装置に相当し、エンジン2がこの発明の熱源と
なる装置に相当し、電子ユニット3がこの発明の電子装
置に相当し、吸入ダクト11がこの発明の吸入部に相当
し、排出ダクト12がこの発明の排出部に相当する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、冷却装置の吸入部が断熱構造とされているの
で、周囲からの熱が冷却装置の吸入部内へ伝達されるこ
とが低減でき、冷却装置への導入空気の温度上昇が抑制
され、この結果、冷却装置の冷却性能を向上できる。
【0046】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明と同様の効果を得られる他に、吸入部への輻射熱
を低減させる構成を加えているので、さらに冷却装置の
導入空気の温度上昇が抑制され、冷却装置の冷却性能を
さらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一具体例を車両のエンジン室に配置
した状態を示す平面図である。
【図2】 本発明の一具体例を車両のエンジン室に配置
した状態を示す側面図である。
【図3】 本発明の一具体例に係り、吸入ダクトへの断
熱材の組み付け方を説明する図である。
【図4】 複数の条件下で、断熱材の厚さと、管状断熱
材の出入口の温度差との関係を示すグラフである。
【図5】 (1)は、風量を変化させた各場合における
冷却装置内の温度と、冷却装置の周囲雰囲気温度との関
係を示すグラフ、(2)は、周囲の温度を変化させた各
場合における冷却装置内の温度と、冷却装置に導入され
る空気の風量との関係を示すグラフ、(3)は、主に風
量を変化させた各場合における冷却装置内の温度と、冷
却装置に導入される空気の温度との関係を示すグラフで
ある。
【図6】 複数の熱環境におけるダクトの長さと、ダク
ト内を通過する空気の温度との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…冷却装置、 3…電子ユニット、 11…吸入ダク
ト 12…排出ダクト。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月26日(2001.10.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八藤後 勇 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 明石 一弥 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 5E322 BA01 EA10 FA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を有した電子装置を収納し、装
    置外部の所定箇所から空気を導入する吸入部が接続さ
    れ、導入された空気を装置外部に排出する排出部が接続
    され、前記吸入部により導入される空気を用いて、電子
    装置を冷却する電子装置の冷却装置において、 前記冷却装置の吸入部を、断熱構造としたことを特徴と
    する電子装置の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記吸入部の表面に、表面への熱輻射の
    被入射量を減少させる熱輻射層を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の電子装置の冷却装置。
JP2001261667A 2001-08-30 2001-08-30 電子装置の冷却装置 Pending JP2003069267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001261667A JP2003069267A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 電子装置の冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001261667A JP2003069267A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 電子装置の冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003069267A true JP2003069267A (ja) 2003-03-07

Family

ID=19088677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001261667A Pending JP2003069267A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 電子装置の冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003069267A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007194443A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Shin Etsu Polymer Co Ltd 熱対策構造
WO2018173942A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 フリージア・マクロス株式会社 冷却構造体、冷却システム、発熱装置および構造物
JP2018160659A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 フリージア・マクロス株式会社 冷却構造体、冷却システム、発熱装置および構造物
US11994351B2 (en) 2017-03-22 2024-05-28 Beji Sasaki Cooling structural body, cooling system, heat generator and construction

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007194443A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Shin Etsu Polymer Co Ltd 熱対策構造
WO2018173942A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 フリージア・マクロス株式会社 冷却構造体、冷却システム、発熱装置および構造物
JP2018160659A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 フリージア・マクロス株式会社 冷却構造体、冷却システム、発熱装置および構造物
CN110520980A (zh) * 2017-03-22 2019-11-29 福利家麦克罗斯株式会社 冷却构造体、冷却系统、发热装置以及构造物
US11994351B2 (en) 2017-03-22 2024-05-28 Beji Sasaki Cooling structural body, cooling system, heat generator and construction

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7586741B2 (en) Disk array apparatus and liquid cooling apparatus thereof
KR102400990B1 (ko) 열 관리 시스템
US20060044762A1 (en) Vehicular power converter
JP6208242B2 (ja) 改良された監視ビデオカメラのケース及び監視ビデオカメラのケースの支持装置
JP2000114759A (ja) 磁気ディスク装置もしくは同装置内蔵の電子機器筐体
WO2007034705A1 (ja) 熱交換型冷却装置
CN105073504B (zh) 车辆用电子设备
JP6455154B2 (ja) 車両用電子機器
AU2021320493B2 (en) Lens heater assembly
JP5314764B2 (ja) 電子装置用ハウジング
JP2003069267A (ja) 電子装置の冷却装置
JPH11186767A (ja) 電子機器の冷却装置
EP1054313B1 (en) Temperature sensor
JP3857924B2 (ja) 電気接続箱の放熱構造およびその放熱装置ならびにその放熱方法
KR101391515B1 (ko) 차량용 방열 구조
US7479719B2 (en) Alternator for vehicle
US20060285293A1 (en) Information processing apparatus with a chassis for thermal efficiency and method for making the same
JP2003017884A (ja) 電子装置の冷却装置
JP2003209384A (ja) 電子装置の冷却装置
JP2003017880A (ja) 電子装置の冷却装置
CN219715909U (zh) 摄像模组
WO2024057412A1 (ja) フレキシブル配線板、光源装置及びプロジェクタ
CN221056817U (zh) 散热装置及投影机
US8415590B2 (en) Temperature controlled electronics tray
US20080036978A1 (en) Projecting apparatus and thermal controlling module thereof