JP2003068948A - 放熱基板の製造方法 - Google Patents

放熱基板の製造方法

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JP2003068948A
JP2003068948A JP2001252483A JP2001252483A JP2003068948A JP 2003068948 A JP2003068948 A JP 2003068948A JP 2001252483 A JP2001252483 A JP 2001252483A JP 2001252483 A JP2001252483 A JP 2001252483A JP 2003068948 A JP2003068948 A JP 2003068948A
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Masanobu Azuma
正信 東
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子、特に近年高性能化が著しくその
用途が拡大しているIII−V族化合物半導体素子等の半
導体素子を搭載するための載置面にダイヤモンド膜を用
いた放熱基板において、放熱特性を下げることなくハン
ダ付け時や使用時のヒートサイクルによって素子が破損
することのない放熱基板を提供する。 【解決手段】 ガリウム砒素化合物半導体素子等の半導
体素子を載置するための載置面を有し、その載置面に気
相法等により形成されたダイヤモンド膜を有する放熱基
板において、該ダイヤモンド膜の表面を窒化アルニウム
等の窒化物からなる膜で被覆し、更にハンダ付けを容易
にするために窒化物被膜面をメタライズする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子、特に窒
化物半導体等のIII−V族半導体素子からなる素子を載
置するための放熱基板に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体を用いた青色発光ダイオー
ドが開発されたのをきっかけに、急速に当該発光ダイオ
ードの性能向上が実現され、発光波長の短波長化及びレ
ーザー発振強度に関する技術が著しい展開を遂げてい
る。このような性能向上に伴い、電子素子等の電子部品
からは多量の熱が発生するようになり、これらの電子部
品を安定的に動作させるためにはこれらを冷却して一定
温度に保つのが好ましく、そのための方法として様々な
方法が提案されている。通常、高温となる電子部品はヒ
ートシンクと呼ばれる“熱を吸収できる材料、構成部品
あるいはシステムを熱的に保護するためにそのような材
料を使用している装置”上にマウントされて用いられる
のが一般的である。
【0003】ヒートシンク材料として早くから実用化さ
れている材料としてはCu、Cu−W等の熱伝導性の良
い金属、金属合金、或いはSiC、AlN等の半導体性
或いは絶縁性の高熱伝導性セラミックス材料が挙げられ
るが、電子部品の性能の向上に伴う発熱をこのような材
料のみからなるヒートシンクを用いて冷却するには限界
があることが分かり、放熱特性向上のための新たなヒー
トシンク材料として既存物質中で最高の熱伝導率(約2
000W/mK)を有するダイヤモンドを用いたものが
開発されている。このようなヒートシンク材料を用いた
放熱基板で一般的なものとしては、ステムと呼ばれる銅
などで構成された基体上に所謂サブマウントとして板状
又は膜状の単結晶ダイヤモンドをハンダ付け若しくはロ
ウ付けしたものがあるが、該放熱基板においては、単結
晶ダイヤモンドは非常に高価であるために大きな形状の
ものを用いることができず、また上記ハンダ材若しくは
ロウ材が熱伝導に対する抵抗になるといった理由から、
その放熱効率は必ずしも満足の行くものではなかった。
そこで、基体上に多結晶ダイヤモンド膜を気相合成法に
より形成することが試みられており、このような方法で
製造された上記のような問題がない放熱基板として、半
導体素子を載置するための載置面が気相合成法により形
成されたダイヤモンド層で被覆された放熱部品が提案さ
れている(特開平5−13843号公報)。該放熱部品
は、半導体レーザー素子の発熱による特性劣化を抑制す
るためのもので、基体(ステム)上にマイクロ波プラズ
マCVD(Chemical Vapor Deposition)法により10
〜500μmの厚さの多結晶ダイヤモンド層を直接形成
している。該放熱部品は小型化することによりサブマウ
ントとして使用することも可能と思われる。
【0004】ところで、実際に放熱基板としてダイヤモ
ンドを用いる場合、ダイヤモンド上に電子素子が載置さ
れることになるが、この時、電子素子の載置(電子素子
とヒートシンクの接合)は、一般的にハンダ付けやロウ
付けすることにより行われている。この様な方法により
素子が載置される際、ヒートシンク材と電子素子との熱
膨張係数の違いによって、電子素子が破損する場合があ
ることが報告されおり、このような問題の発生を防止す
るために、ダイヤモンド膜やハンダ材(若しくはロウ
材)の厚さを薄くする方法が提案されている。例えば、
特開平11−26887号公報には、素子の破損や劣化
を防止する観点からダイヤモンド部分の厚みを3〜9μ
mとし、更にダイヤモンドとレーザーとを接合させるロ
ウ材の厚みを2〜8μmとする技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報に示
されるようにダイヤモンド部分を薄くすれば熱応力に起
因する性能劣化を防止することが可能であると思われる
が、熱伝導率の高いダイヤモンド膜を薄くすることによ
り放熱基板の放熱性は低下してしまう。このように、ダ
イヤモンド膜を用いた放熱基板において放熱性とヒート
サイクルに対する安定性はトレードオフの関係にあり、
両者を同時に満足させる方法は知られていない。そこ
で、本発明は、半導体素子、特に近年高性能化が著しく
その用途が拡大している窒化物半導体素子等のIII−V
族半導体素子を搭載するための放熱基板において、放熱
特性を下げることなくヒートサイクルによって生じる半
導体素子と放熱基板の熱膨張係数の差に起因する内部応
力による素子の破損を抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、10μm〜3
00μmの厚みのダイヤモンド膜の上部に窒化アルミニ
ウム被覆層を形成した場合には、放熱特性を下げること
なくダイヤモンドと半導体素子間の熱膨張係数の違いに
より発生する内部応力を緩和できるという知見を得、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、第一の本発明は、半導体素子を載置
するための載置面を有する放熱基板であって、該載置面
が窒化物で被覆されたダイヤモンド膜で形成されている
ことを特徴とする放熱基板である。
【0008】上記本発明の放熱基板においては、熱伝導
特性の良好なダイヤモンドを放熱性材料として使用する
ため、半導体素子から発生する熱を効率的に外部に放散
することができるばかりでなく、放熱基板上に載置され
る半導体素子と熱膨張係数が近い窒化物被覆層をダイヤ
モンドと半導体素子との間に介在させることにより緩衝
層的役割が発揮され、半導体素子の劣化を抑制すること
ができる。上記本発明の放熱基板の中でも、前記窒化物
で被覆されたダイヤモンド膜の窒化物被覆層上にチタ
ン、クロム、ニッケル−クロム合金、窒素化タンタル、
アルミニウム、モリブデン、及びタングステンからなる
群より選ばれる少なくとも1種の金属又は化合物からな
る第一膜、及びこれら金属又は化合物以外の金属からな
る第二膜がこの順で形成されたものは、窒化物半導体素
子のハンダ付けが容易であるという特徴を有する。当該
放熱基板においては、窒化物被覆層と半導体とをハンダ
付けする際に使用するハンダ材との密着性を向上させる
ことが可能となっている。
【0009】また、第二の本発明は、上記第一膜及び第
二膜を有する本発明の放熱基板の前記第二膜上に半導体
素子をハンダ付けすることを特徴とする素子搭載放熱基
板の製造方法であり、第三の本発明は、該製造方法によ
り製造される素子搭載放熱基板である。
【0010】上記本発明の製造方法によれば、使用時に
おける半導体素子の温度がほぼ一定に保たれ、安定した
性能を発揮するばかりでなく、長期間使用しても劣化し
難いという特徴を有する上記本発明の素子搭載基板を簡
便に効率よく製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の放熱基板は、半導体素子
を載置するための載置面を有する放熱基板であって、該
載置面が窒化物で被覆されたダイヤモンド膜で形成され
ていることを特徴とし、更に必要に応じて該窒化物上に
少なくとも1種類以上の金属又は化合物を介して、ハン
ダ付け等の方法により半導体が載置される。本発明の放
熱基板は、ダイヤモンドを放熱性材料として用いるた
め、放熱性が良好であるとともに、当該ダイヤモンドは
窒化物により被覆されているため、載置される半導体素
子との熱膨張係数差に起因する素子の破損を効果的に抑
制することが可能となる。
【0012】本発明の放熱基板は、半導体素子を載置す
るための載置面が窒化物で被覆されたダイヤモンド膜で
形成されたものであれば特に限定されないが、製造が容
易で製造コストの低減も可能であることから、半導体素
子を載置するための載置面を有する基体の少なくとも当
該載置面上に窒化物で被覆されたダイヤモンド膜を形成
したものが好適である。ここで、基体としては、ダイヤ
モンド膜が積層可能で、且つ、半導体素子が載置可能な
面を有するものであれば限定されず公知の基体が制限無
く使用できる。本発明で使用できる基体を例示すれば、
窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(S
iC)、シリコンナイトライド(Si)、窒化硼
素(BN)、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモン
ド、酸化アルミニウム(Al)、ベリリア(Be
O)、各種ガラス材料、単結晶シリコン、多結晶シリコ
ン、Cu、Cu−W合金、Cu−W−Mo合金、W、M
o、等の各種セラミックス材料、各種半導体材料、各種
金属材料、各種合金材料等が挙げられる。放熱性の観点
からは基体材料として熱伝導性が良好な材料を選択する
ことが好ましい。しかしながら、本発明において使用で
きる基体材料としては、放熱基板の使用目的、製造コス
ト、製造の簡便さ等を考慮して、最適な基体材料を選択
することができる。
【0013】基体上に形成するダイヤモンド膜は、多結
晶体、単結晶体のいずれでもよく、また、天然ダイヤモ
ンド、合成ダイヤモンドのいずれでも構わないが、製造
コスト及び、膜形成の容易さの観点から、気相法によっ
て合成される多結晶ダイヤモンドからなるのが好適であ
る。その面積、形状、厚さ等は、ヒートシンクとして使
用される場合における載置する素子や、所望の放熱特
性、製造に要するコストや時間に応じて適宜決定すれば
良いが、一般に放熱特性はダイヤモンドの厚さが厚い方
が高く、逆に製造に要する時間やコスト、さらにはヒー
トサイクルにより発生する応力は膜厚が薄いほど低下す
るので、両者のバランスから膜厚は10〜300μm、
特に20〜250μmとするのが好適である。また、ダ
イヤモンド膜の熱伝導率は高ければ高いほうが望まし
く、製造条件を調整することにより、800W/mK以
上、特に1000W/mK以上の熱伝導率を有する多結
晶ダイヤモンド膜を得ることもできる。
【0014】本発明の放熱基板において、前記ダイヤモ
ンド膜は窒化物で被覆されていることが必須である。当
該窒化物の熱膨張係数は最上部に載置される半導体材料
の熱膨張係数と近く、ダイヤモンド膜の熱膨張係数と比
較すると大きい値を示し、更に、放熱基板に使用する材
料の中で最も大きな熱膨張係数を示すハンダ材等の金属
材料の熱膨張係数よりも小さな値を示す。このため、ダ
イヤモンド膜と半導体素子及びハンダ材等の金属材料層
との中間に位置する窒化物被覆層が緩衝層的役割を果た
すことになり、ヒートサイクルによる半導体素子の劣化
を効果的に抑制することが可能となる。因みに、本発明
の放熱基板で用い得る代表的な材料の300℃での熱膨
張係数の具体的な値は次の通りである。ダイヤモンド:
1×10 −6、窒化アルミニウム(窒化物被覆層):4
×10−6、金:14.4×10 −6、白金:8.8×
10−6、チタン:8.6×10−6、金錫:16×1
−6、ガリウム砒素(半導体素子):5.8×10
−6、窒化ガリウム(半導体素子):5.6×1
−6。また、窒化物被覆層を設けることにより、ハン
ダ材又はロウ材の厚みを薄くすることも可能となる。こ
のことにより、窒化物半導体素子とハンダ材又はロウ材
との間の熱膨張係数差に起因し発生する内部応力をさら
に緩和することが可能となる。
【0015】ダイヤモンド上に形成される窒化物被覆層
を構成する窒化物としては窒化アルミニウム、窒化硼
素、窒化炭素、窒化珪素、窒化ガリウム等の公知の窒化
物が使用できるが、これらの中でも窒化アルミニウム、
窒化硼素、及び窒化炭素からなる群より選ばれる少なく
とも一種が熱膨張係数、熱伝導率の観点から望ましい。
当該窒化物被膜層の厚みとしては0.05μm〜10μ
mが好ましく、0.1μm〜5μmがより望ましい。窒
化物被膜層の厚みが0.05μmより薄い場合は、ヒー
トサイクル時の熱膨張差を十分に緩和することができ
ず、また、10μmより厚い場合においては効果が飽和
する。但し、当該窒化物被覆層は、気相合成ダイヤモン
ド膜の表面凹凸形状を滑らかにする効果もあるため、こ
の様な効果を重視する場合には10μmより厚めに膜付
けすることも勿論可能である。
【0016】本発明において、ダイヤモンド上に形成さ
れる窒化物被覆層上には、チタン、クロム、ニッケルー
クロム合金、窒化タンタル、アルミニウム、モリブデ
ン、及びタングステンからなる群より選ばれる少なくと
も1種類以上の金属又は化合物からなる第一膜、及びこ
れらの金属又は化合物以外の金属からなる第二膜がこの
順で形成されていてもよい。窒化物被覆層上に形成され
る上記第一膜は、窒化物被覆層と上記第二膜との間の密
着性を保持するための機能を有する。該第一膜の厚さは
特に限定されないが、上記密着性保持効果及び製膜効率
の観点から、0.03〜5μm、特に0.05〜3μm
であるのが好適である。
【0017】また、上記第二膜は、ハンダ付けする際に
ハンダの濡れ性や密着性を向上させたり、配線や電極と
して機能させたりするための金属膜、またはリフローハ
ンダ付けを行なうために予め所定の位置に設けられたハ
ンダ材からなる膜である。なお、第二膜は必ずしも単一
層からなる必要はなく、複数の層が積層された構造であ
ってもよい。また、複数の層が積層される場合、各層間
で原子が拡散現象により混在した場合、その部分の密着
性が低下する場合がある。このようなことを防止するた
めに、原子の拡散を防止するような金属層を設けること
によって対応することができる。このような第二膜を構
成する金属は、上記第一膜で使用した金属以外の金属で
あれば特に限定されず、その目的に応じて適宜決定すれ
ばよい。第二膜として使用可能な金属を具体的に例示す
ると、Pt、Au、Ni、Pd、Ta、Sn、Zr、I
n、Ag、Cu、AuGe、AuSn、PbSn、Ag
Sn等を挙げることができる。第二膜の厚さはその目的
に応じて適宜決定すればよいが、通常(多層構造を有す
る場合は全膜厚で)0.05〜8μm程度である。第二
膜の具体的な態様としては、Pt/Au{/は左側の膜
(Pt膜)上に右側の膜(Au膜)が積層されているこ
とを表す。以下同じ。}、Ni/Au、Cu/Au/A
uSn、Ni/Cu/Au/AuSn、Pt/Au/A
gSn、Pd/Au、Pd/Au/AuSn等が挙げら
れる。
【0018】本発明の放熱基板の製法は特に限定され
ず、前記基体上の所定の箇所にダイヤモンド薄膜及び窒
化物膜(窒化物被膜層)、並びに必要に応じて前記第一
膜及び第二膜を順次形成することにより好適に製造する
ことができる。
【0019】上記ダイヤモンド膜の形成方法は特に限定
されないが、製膜が容易であるという観点から気相法に
よって製膜するのが好適である。気相法としては、化学
気相蒸着法、レーザーアブレーション法等ダイヤモンド
膜を製造可能な公知の気相法が制限無く用いられる。こ
れらの中でも化学気相蒸着法が現状の技術の中でも結晶
性の良好なダイヤモンド膜を再現良く安定的に製造する
ことが可能であるため好適である。化学気相蒸着法には
その製法により、高周波、マイクロ波、熱フィラメント
等を用いる方法に分類されるが、これらの中でもマイク
ロ波を用いた方法及び熱フィラメントを用いた方法がよ
り好ましい。以下にその製造方法について説明する。
【0020】該方法におけるダイヤモンド膜の原料とし
ては通常、メタン、アセチレン、二酸化炭素、一酸化炭
素等、炭素を含むガス化可能な物質が用いられる。これ
らの堆積性ガスは水素、酸素、窒素、アルゴン、キセノ
ン、ネオン、クリプトンなどの非堆積性ガスで希釈され
てもよい。また、ジボラン、ホスフィン等周期律表第II
I族或いは第V族元素を含有するガス化可能な化合物と上
記のガスを混合してダイヤモンドの合成を行うことも可
能である。この様なガスを同伴させてダイヤモンド膜の
合成を行った場合、P型、或いはN型の導電型を示すダ
イヤモンド膜が合成される。ダイヤモンド膜製造時の基
体温度は特に限定されないが600℃〜1200℃、特
に、700℃〜1100℃であるのが好適である。60
0℃より低温では非晶質のカーボンを多く含むダイヤモ
ンド膜が形成されるため、熱伝導性が低下し本発明の効
果を十分に発揮することができない。また、基体温度が
1200℃を超える場合においても低温時の製膜と同様
に、非晶質のカーボンをダイヤモンド中に含有すること
があるため好ましくない。基体の加熱方法は上記温度範
囲に設定できる方法であれば特に制限無く採用される。
例えば、基体を設置するホルダー中にヒーターを埋め込
み加熱する方法、高周波誘導加熱により基材を加熱する
方法、或いは、マイクロ波プラズマCVD法の場合、プ
ラズマ形成のために投入するマイクロ波により加熱する
方法等が挙げられる。ダイヤモンド合成のための圧力
は、通常0.1mTorr〜300Torr、特にマイ
クロ波プラズマCVD法の場合には50mTorr〜2
00Torrの範囲である。また、マイクロ波プラズマ
CVD法の場合、プラズマ発生電源出力は形成するダイ
ヤモンド膜の特性によって適宜選択されるが、通常、3
00W〜10kWである。なお、膜形成後にエッチング
をしたり、膜形成時に基体にマスキングを行なったりす
ることによりダイヤモンド膜の形状を任意に変えること
もできる。
【0021】上記窒化物被覆層を形成する方法として
は、基材上に膜を成形する方法として知られている公知
の製膜方法の中から窒化物被覆層の材質に応じて適用可
能な方法が制限なく採用できる。このような製膜方法と
しては、蒸着法、化学気相蒸着(CVD)法、スパッタ
リング法、レーザーアブレーション法などが挙げられ
る。これらの中でも蒸着法、スパッタリング法、及び化
学気相蒸着法は高純度の物質を膜厚精度よく形成可能で
あるため特に有効な方法である。
【0022】例えば、スパッタリング法により、窒化物
被覆層を形成するには、窒化物層を構成する物質と同種
類の物質からなるスパッタリングターゲット材を形成し
て、当該材料をスパッタリングすることにより基体上に
所望の材料の薄膜を形成することができる。この時、水
晶振動子を用いた膜厚モニターで蒸着物質の膜厚を測定
することで正確に付着膜厚を管理することが可能であ
る。なお、スパッタリングは基体を室温としても加熱し
て行ってもよい。また、窒化物被覆層がガス状の原料か
らCVD法により形成できる場合には、CVD法が好適
に採用できる。化学気相蒸着法による窒化物被覆層の形
成は、有機金属CVD装置を用いて好適に行なうことが
できる。この方法では、真空排気した反応容器内に(C
Al等の原料ガスを必要に応じて水素、窒素等
の希釈ガスにより希釈して導入し、反応容器内で熱分解
することにより加熱した基体上に形成することができ
る。基体は膜の成長条件によって異なるが一般的に50
℃〜1400℃程度に加熱される。また、予め、形成条
件毎の製膜スピードを測定しておくことにより、製膜時
間を制御して膜厚を正確に見積もることができる。な
お、希釈ガスとしては水素、窒素の他にヘリウム、アル
ゴン、キセノン、ネオン、クリプトンなどの非堆積性ガ
スを用いることができる。なお、膜形成後にエッチング
をしたり、膜形成時に基体にマスキングを行なったりす
ることにより窒化物被覆層の形状を任意に変えることも
できる。
【0023】また、上記のようにして形成された窒化物
被膜層上に、必要に応じて形成される前記第一膜及び第
二膜の形成方法は特に制限されることは無く、公知のす
べての膜形成方法が採用可能である。その一例を示せ
ば、印刷法、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、化
学的気相蒸着法等が挙げられる。
【0024】以下、窒化物被覆層が窒化アルミニウムか
らなる図1に示すような本発明の放熱基板Aを、図2に
示すようなマイクロ波プラズマCVD装置Bおよび図3
に示すスパッタリング装置Cを用いて製造する場合を例
にその製造方法について更に詳しく説明する。
【0025】図2に示す装置Bはダイヤモンド膜110
を製造するために好適に使用できる代表的な装置であ
り、例えばSUS304などのステンレス鋼等から構成
され、真空状態に維持される反応容器301を備えてお
り、反応チャンバー側壁に形成された排気口303a、
303bを介して真空ポンプなどの真空源に接続される
ことにより一定の真空状態に維持されるようになってい
る。図中305および307aはそれぞれターボ分子ポ
ンプおよび油回転ポンプであり、これらのポンプによっ
て反応容器301内を高真空排気することができる。ま
た、306はメカニカルブースターポンプ、307bは
油回転ポンプであり、これらのポンプはダイヤモンド膜
合成時に使用する。また、排気量を調整するための真空
バルブ304a、304bが配設されている。該装置B
の反応容器301の内部には、基体313を設置するた
めの試料台302が配置されている。この試料台の中に
は基体を加熱するためのヒーター314が埋め込まれて
おり、基体の温度調節ができるような機構になってい
る。また、この試料台は、反応容器301の底壁を貫通
して図示しない駆動機構によって上下に摺動可能に構成
され、位置調整可能になっている。なお、図示しないが
試料台302と反応容器301底壁との間の摺動部分に
は、反応容器301の真空度を確保するために、シーリ
ングなどのシール部材が配設されている。一方、反応容
器301の上方には、石英、アルミナ等の誘電体からな
るマイクロ波透過窓315が配置され、マイクロ波発振
器312から発振されたマイクロ波を、チューニング装
置311を介してマイクロ波導波管を伝播させ反応容器
301内へ導くことができようになっている。さらに、
反応容器上方には反応ガス供給口308a、308bが
配設されており、反応ガス流量調節器309を通して反
応容器内にガスを導入できるようになっている。反応ガ
スとマイクロ波を同時に供給することにより反応容器内
の基体設置台上方にマイクロ波ガスプラズマを形成し
て、反応ガスを分解することにより基体313上にダイ
ヤモンド膜を形成することができる。
【0026】また、図3に示す装置Cは窒化物被膜層1
10を製造するために好適に使用できる代表的なスパッ
タリング装置であり、例えばSUS304などのステン
レス鋼等から構成され、真空状態に維持される反応容器
201を備えており、反応チャンバー側壁に形成された
排気口203a、203bを介して真空ポンプなどの真
空源に接続されることにより一定の真空状態に維持され
るようになっている。なお、図中205および207a
はそれぞれターボ分子ポンプ、油回転ポンプであり、こ
れらのポンプによって排気することにより反応容器内を
高真空にすることができるようになっている。また、2
06はメカニカルブースターポンプ、207bは油回転
ポンプであり、これらのポンプは窒化物被覆層合成時に
使用する。また、排気量を調整するための真空バルブ2
04a、204bが配設されている。また、該装置Cの
反応容器201の内部には、基体213を設置するため
の試料台202aが配置されている。この試料台の中に
は基体を加熱するためのヒーター214が埋め込まれて
おり、基体の温度調節ができるような機構になってい
る。またこの試料台は、反応容器201の底壁を貫通し
て図示しない駆動機構によって上下に摺動可能に構成さ
れ、位置調整可能になっている。なお、図示しないが試
料台202aと反応容器201底壁との間の摺動部分に
は、反応容器201の真空度を確保するために、シーリ
ングなどのシール部材が配設されている。一方、基板を
設置する試料台202aに対向してスパッタリングター
ゲットがセットされた高周波印加電極202bが配置さ
れ、高周波発振器212から発振された高周波を、チュ
ーニング装置211を介して、反応容器201内へ導く
ことができようになっている。さらに、反応容器上方に
は反応ガス供給口208a、208bが配設されてお
り、反応ガス流量調節器209を通して反応容器内にガ
スを導入できるようになっている。反応ガスと高周波を
同時に供給することにより反応容器内の高周波印加電極
−試料台間(202a−202b)に高周波ガスプラズ
マを形成して、ターゲット材をスパッタリングすること
により基体213上に窒化物被覆層を形成することがで
きる。
【0027】本発明の放熱基板Aを製造するには、ま
ず、基体をダイヤモンド膜を製造するための装置Bの基
体設置台302にセットして、上記同様に反応容器30
1を真空ポンプにより真空排気する。そして、上記と同
様に反応容器内の圧力を5×10−6Torr以下とし
て、反応ガス供給口から反応ガス流量調整器により流量
を調整したガスを反応容器301内へ供給するととも
に、反応容器301外部に設けられたマイクロ波電源3
12からマイクロ波をチューナー311により反射損失
を最小にしてマイクロ波導波管310を介して反応容器
301内へ投入する。これにより、マイクロ波ガスプラ
ズマを基体設置台302上方に形成して基体313上に
ダイヤモンド膜を形成する。ダイヤモンド膜を形成する
際、成長初期から1時間程度直流電圧を基板ホルダーに
印加して製膜することが結晶性の高いダイヤモンド膜を
形成するために特に有効である。この時印加する電圧
は、+500V〜−500Vとするのが好適である。な
お、この際の反応容器内の圧力は、好ましくは0.1m
Torr〜300Torrより好ましくは、50mTo
rr〜200Torrの範囲でダイヤモンド膜が合成さ
れる。この様な圧力とすることにより、結晶性が高く均
一且つ均質なダイヤモンド膜が効率よく形成される。本
製造方法において、ダイヤモンド膜の製造時の基体温度
は特に限定されないが600℃〜1200℃、特に、7
00℃〜1100℃であるのが好適である。マイクロ波
プラズマCVD法の場合、プラズマ発生電源出力は形成
するダイヤモンド膜の特性によって適宜選択されるが、
通常、300W〜10kWである。マイクロ波の発振周
波数としては500MHz〜5GHzが好ましく、より
好ましくは1GHz〜4GHzとするのが望ましい。し
かしながら、これらの条件は合成に用いる装置の容量や
形状により変化するため、一義的に決定されるものでは
ない。
【0028】反応容器301の中に導入する反応ガスと
しては、通常、メタンガス、アセチレンガス、二酸化炭
素、一酸化炭素等、カーボンを含むガス化可能な物質が
用いられる。これらの堆積性ガスは水素、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、キセノン、ネオン、クリプトン、酸素な
どの非堆積性ガスで希釈されてもよい。また、ジボラ
ン、ホスフィン等周期律表第III族或いは第V族元素を含
有するガス化可能な化合物と上記のガスを混合してダイ
ヤモンドの合成を行うことも可能である。この様なガス
を同伴させてダイヤモンド膜の合成を行った場合、P
型、或いはN型の導電型を示すダイヤモンド膜が合成さ
れる。反応ガス及び希釈ガスの導入量としては、製造条
件によって異なるが、熱伝導率の高いダイヤモンド膜を
得ようとする場合、通常、総導入量としては、5cc/
分〜6000cc/分となるようにするのが好ましい。
また、反応ガスと希釈ガスとの混合比率は特に限定され
るものではないが、反応ガスに対する希釈ガスの混合比
率(希釈ガス/反応ガス)が大きいほど結晶性の高いダ
イヤモンド膜が得られる傾向にある。
【0029】ダイヤモンド膜の合成終了後、基体213
をスパッタリング装置C内部の基材設置部202aにセ
ットし、反応容器201内を真空排気する。反応容器内
が5×10−6Torr以下となるまで真空引きしたの
ち、反応ガス供給口から反応ガス流量調整器により流量
を調整したガスを反応容器201内へ供給するととも
に、反応容器201外部に設けられた高周波発振器21
2から高周波をチューナー211により反射損失を最小
にして窒化アルミニウムターゲットがセットされた高周
波印加電極202bへ投入する。これにより、高周波ス
パッタガスプラズマを形成して、基体213上に窒化ア
ルミニウム膜を形成する。なお、この際の反応容器内の
圧力は、好ましくは0.1mTorr〜50Torr、
より好ましくは50mTorr〜10Torrの範囲で
窒化アルミニウム膜が合成される。この様な圧力とする
ことにより、均質な窒化アルミニウム膜が効率よく形成
される。本製造方法において、窒化アルミニウム膜の製
造時の基体温度は特に限定されないが50℃〜500
℃、特に、80℃〜350℃であるのが好適である。ス
パッタリング法の場合、プラズマ発生電源出力は形成す
る窒化アルミニウム膜の特性によって適宜選択される
が、通常、5W〜2kWである。高周波の発振周波数と
しては1MHz〜200MHzが好ましく、より好まし
くは5MHz〜150MHzとするのが望ましい。しか
しながら、これらの条件は合成に用いる装置の容量や形
状により変化するため、一義的に決定されるものではな
い。
【0030】反応容器201の中に導入するガスとして
は、通常、アルゴンガスが好適に使用される。該アルゴ
ンガスは水素、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、
ネオン、クリプトン、などの非堆積性ガスで希釈されて
もよい。スパッタリングガス及び希釈ガスの導入量とし
ては、製造条件によって異なるが、結晶性の良い膜を得
ようとする場合、通常、総導入量としては、50cc/
分〜1000cc/分となるようにするのが好ましい。
また、反応ガスと希釈ガスとの混合比率は特に限定され
るものではない。
【0031】上記のようにして得られた窒化アルミニウ
ム膜上に、必要に応じて蒸着法、或いはスパッタリング
法等を用いて、チタン、クロム、ニッケル−クロム合
金、窒素化タンタル、アルミニウム、モリブデン、及び
タングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の
金属又は化合物からなる第一膜、及びこれら金属又は化
合物以外の金属からなる第二膜をこの順に積層し、さら
に、得られた放熱基板の素子載置面上にハンダ付(又は
ロウ付け)けにより、半導体素子を接合することによ
り、素子搭載放熱基板を製造することができる。接合さ
れる半導体素子は特に限定されないが、本発明の効果が
発揮されやすいことから、AlSb、GaP、GaA
s、GaSb、InSb、InP、InAs、GaN等
のIII−V族化合物半導体素子を用いるのが特に好適で
ある。
【0032】また、半導体素子を接合する場合には、素
子載置面の半導体が接合される所定の位置に前記第二膜
として最上層にハンダ材からなる膜を形成し、リフロー
法によりハンダ付けをするのが好適である。リフロー法
は、信頼性が高く、自動化と量産化に適したハンダ付け
法であり、このような方法を採用することにより高品位
の素子搭載放熱基板を効率よく製造することが可能とな
る。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0034】尚、以下の実施例及び比較例において、ダ
イヤモンド膜は図2に示す様な構造の装置を用い、また
AlN膜は図3に示す様な構造の装置を用いて形成し
た。また、以下の実施例及び比較例において得られた放
熱基板の評価は以下の(1)、(2)に示す方法によっ
て行った。
【0035】(1)素子のマウント方法 放熱基板を300℃に加熱されたステージの上にセット
してAuSn半田を溶解させ、溶融部に2mm×2mm
×300μm(t)にカットしたガリウム砒素基板(底
部に金電極膜を有する。)を載せ、素子を加熱ステージ
から取外す操作を行うことにより、マウント(放熱性基
板の載置面への接合)を行なった。このときに、半導体
基板にクラックが入るか否かを確認した。
【0036】(2)ヒートサイクル試験 上記と同様な操作によりガリウム砒素基板を放熱基板に
マウントし、素子の劣化が見られなかったものを、−5
5℃、125℃に保持されたヒートサイクル試験機の中
に交互に入れ、当該ヒートサイクルを1000回繰返し
て実施して素子の劣化を観測した。
【0037】実施例1 窒化アルミニウムを主成分とするセラミック基体(25
mm×25mm×0.5mmt)をダイヤモンド膜を形
成するためにマイクロ波プラズマCVD装置内の基体設
置台へセットして、反応容器内を真空引きすると同時に
基体設置台を1000℃に加熱した。基体の温度が安定
するまで約1時間保持するとともに、反応容器内の圧力
が5×10−6Torr以下となったのを確認し、反応
容器内にメタンガスを12cc/分、水素を300cc
/分の流量で導入し、排気バルブを調節することによっ
て反応容器内の圧力を100Torrとした。次に、マ
イクロ波電源から5kWの出力で反射損失が最小となる
ようにチューナーでチューニングしてマイクロ波を石英
製の窓を通して反応容器内へ供給した。得られるダイヤ
モンド膜の膜厚が50μmとなるように約10時間マイ
クロ波電力を供給してダイヤモンド膜を基体上へ析出さ
せた。反応終了後、基体温度が100℃以下となったの
を確認してから、反応容器を大気開放してダイヤモンド
が形成された基体を取出した。
【0038】次に、窒化アルミニウム膜を作製するため
に窒化アルミニウムターゲットがセットされたスパッタ
リング装置内の基体設置台へセットして、反応容器内を
真空引きすると同時に基体設置台を280℃に加熱し
た。基体の温度が安定するまで約30分間保持するとと
もに、反応容器内の圧力が5×10−6Torr以下と
なったのを確認し、反応容器内にアルゴンガスを10c
c/分の流量で導入し、排気バルブを調節することによ
って反応容器内の圧力を5mTorrに設定した。次
に、高周波電源から50Wの出力で反射損失が最小とな
るようにチューナーでチューニングして高周波を高周波
印加電極へ供給した。得られる窒化アルミニウム膜の膜
厚が500nmとなるように約5000秒間高周波電力
を供給して窒化アルミニウム膜を基体上へ析出させた。
反応終了後、同一のスパッタ装置を用いてTi、Pt、
Auをそれぞれ0.05μm、1μm、2μmの膜厚で
形成した。その後、反応容器内の残留ガスを排気すると
ともに、基体の温度が100℃以下となるのを確認した
後、反応容器を大気開放して積層膜が形成された基体を
スパッタリング装置から取出し、AuSnを膜付けする
ための電子ビーム蒸着機へセットして約4μmの厚みで
AuSnを膜付けした。
【0039】上記のようにして形成した放熱板のAuS
n半田上に2mm×2mm×300μm(t)のガリウ
ム砒素チップを半田付けしたところ、加熱冷却に伴うチ
ップの破損はなかった。さらに、上記チップに対してヒ
ートサイクル試験を実施したが、試験終了後においても
チップの破損は見られなかった。
【0040】実施例2 実施例1において基体を炭化珪素に変更すること以外は
すべて実施例1と同様にしてガリウム砒素基板がマウン
トされた放熱板を製造した。得られた放熱板のAuSn
半田上に2mm×2mm×300μm(t)のガリウム
砒素チップを半田付けしたところ、加熱冷却に伴うチッ
プの破損はなかった。さらに、上記チップに対してヒー
トサイクル試験を実施したが、試験終了後においてもチ
ップの破損は見られなかった。
【0041】実施例3 実施例1において基体をアルミナに変更すること以外は
すべて実施例1と同様にしてガリウム砒素基板がマウン
トされた放熱板を製造した。上記のようにして形成した
放熱板のAuSn半田上に2mm×2mm×300μm
(t)のガリウム砒素チップを半田付けしたところ、加
熱冷却に伴うチップの破損はなかった。さらに、上記チ
ップに対してヒートサイクル試験を実施したが、試験終
了後においてもチップの破損は見られなかった。
【0042】比較例1 実施例1においてAlN膜を形成しないこと以外はすべ
て実施例1と同様にしてガリウム砒素基板がマウントさ
れた放熱板を製造した。上記のようにして形成した放熱
板のAuSn半田上に2mm×2mm×300μm
(t)のガリウム砒素チップを半田付けしたところ、冷
却時にチップに切れ亀裂が生じた。
【0043】
【発明の効果】本発明の放熱基板においては、熱伝導特
性の良好なダイヤモンドを放熱性材料として使用してい
るため、放熱特性が優れているばかりでなく、半導体素
子をハンダ付けやロウ付けする時や使用時のヒートサイ
クルによって素子が破損することがなく、優れた安定性
を示す。また、ダイヤモンド層を被覆する窒化物膜状に
チタン、クロム、ニッケル−クロム合金、窒素化タンタ
ル、アルミニウム、モリブデン、及びタングステンから
なる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は化合物か
らなる第一膜、及びこれら金属又は化合物以外の金属か
らなる第二膜がこの順で形成してメタライズしたもの
は、半導体素子のハンダ付けが容易であり、例えばリフ
ローハンダ付けにより素子が搭載された基板を工業的に
製造するのに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は、代表的な本発明の放熱基板の断面図
である。
【図2】 本図は、本発明の放熱基板を製造する際にダ
イヤモンド膜を形成するために好適に使用できるマイク
ロ波プラズマCVD装置の該略図である。
【図3】 本図は、本発明の放熱基板を製造する際に窒
化物被覆膜を製造するために好適に使用できるスパッタ
リング装置の該略図である。
【符号の説明】
A:放熱基板 B:マイクロ波プラズマCVD装置 C:スパッタリング装置 100:基体 110:ダイヤモンド膜 120:AlN膜 130:Ti膜 140:Pt膜 150:Au膜 160:AuSnハンダ膜 201:反応容器 202a:基体設置電極 202b:高周波印加電圧 203a:真空排気口 203b:真空排気口 204a:真空バルブ 204b:真空バルブ 205:ターボ分子ポンプ 206:メカニカルブースターポンプ 207a:油回転ポンプ 207b:油回転ポンプ 208a:ガス供給口 208b:ガス供給口 209:ガス流量調整器 211:チューナー 212:高周波電源 301:反応容器 302:試料台 303a:真空排気口 303b:真空排気口 304a:真空バルブ 304b:真空バルブ 305:ターボ分子ポンプ 306:メカニカルブースターポンプ 307a:油回転ポンプ 307b:油回転ポンプ 308a:ガス供給口 308b:ガス供給口 309:ガス流量調整器 310:マイクロ波導波管 311:チューナー 312:マイクロ波電源 313:接着部材層が形成されたAlN基体 314:ヒーター 315石英窓

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子を載置するための載置面を有
    する放熱基板であって、該載置面が窒化物で被覆された
    ダイヤモンド膜で形成されていることを特徴とする放熱
    基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放熱基板における前記窒
    化物で被覆されたダイヤモンド膜の窒化物被覆層上にチ
    タン、クロム、ニッケル−クロム合金、窒素化タンタ
    ル、アルミニウム、モリブデン、及びタングステンから
    なる群より選ばれる少なくとも1種の金属又は化合物か
    らなる第一膜、及びこれら金属又は化合物以外の金属か
    らなる第二膜がこの順で形成されたことを特徴とする放
    熱基板。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の放熱基板の前記第二膜
    上に半導体素子をハンダ付けすることを特徴とする素子
    搭載放熱基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法により製造さ
    れる素子搭載放熱基板。
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