JP2003068303A - 非水電解質二次電池用電極活物質、それを含む電極及び電池、並びに非水電解質二次電池用電極活物質の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極活物質、それを含む電極及び電池、並びに非水電解質二次電池用電極活物質の製造方法

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JP2003068303A JP2001260666A JP2001260666A JP2003068303A JP 2003068303 A JP2003068303 A JP 2003068303A JP 2001260666 A JP2001260666 A JP 2001260666A JP 2001260666 A JP2001260666 A JP 2001260666A JP 2003068303 A JP2003068303 A JP 2003068303A
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Tatsuki Ishihara
達己 石原
Mohamad Azmi Bustam
モハマド アズミ ブスタム
Yusaku Takita
祐作 滝田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性を改善した電極活物質、及
び該電極活物質を用いた電極並びに非水電解質二次電池
を提供する。 【解決手段】 非水電解質二次電池用の電極活物質とし
て、VO(HPO4)・0.5H2Oを、酸素濃度5%以
上30%以下の雰囲気において、450℃以上550℃
以下の温度で焼成することによって得られるリン酸バナ
ジル化合物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質電池、
さらに詳細には充放電可能な非水電解質二次電池に関
し、特に電極活物質の改良に関わり、サイクル特性の改
善を目指すものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム等のアルカリ金属、マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属、あるいはこれらの合金、化合
物等を負極活物質とする非水電解質二次電池は、負極金
属イオンの正極活物質へのインサーションもしくはイン
ターカレーション反応によって、その大放電容量と充電
可逆性とを確保している。
【0003】最近、二次電池として、リチウムに対して
インターカレーションホストとなりうるVOPO4を正
極材料として用いた電池が提案されている(N.Dupre et
al.,Solid State Ionics,140,pp.209-221(2001), N.Du
pre et al.,J. Power Sources,97-98,pp.532-534(200
1))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】VOPO4の結晶構造
にはいくつかの多形が存在することが知られており、上
記文献においては、α、αII、δ、γ型のVOPO4
正極活物質、金属リチウムを負極活物質とした二次電池
が提案されている。上記文献によれば、VO(HP
4)・0.5H2Oを酸素気流中、680℃で一晩焼成
することにより得られたαII−VOPO4は、負極を金
属リチウムとした場合、電流値C/50、4V付近の電
圧において140mAh/gの初期容量を有することが
示されている。しかしながら、上記文献に記載の各種結
晶構造のVOPO4からなる正極活物質はいずれもサイ
クル特性に問題があり、例えば、最もサイクル特性に優
れた上記αII−VOPO4においても、C/50の電流
値で15サイクル後の容量は100mAh/g(71
%)まで低下してしまう。また、VO(HPO4)・
0.5H2Oを酸素気流中、450℃で170時間焼成
することにより得られたδ−VOPO4も同様にサイク
ル特性が劣ることが報告されている。従って、サイクル
特性を改善した電極活物質の開発が望まれるところであ
る。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、サイクル特性を改善した電極活物
質、及び該電極活物質を用いた電極並びに非水電解質二
次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、種々の検討を重ねた結果、特定の
製造方法により得られたVOPO4を電極活物質として
使用することによって、サイクル特性に関する上記課題
が改善できることを見出した。即ち、本発明は、VO
(HPO4)・0.5H2Oを、酸素濃度5%以上30%
以下の雰囲気において、450℃以上550℃以下の温
度で焼成することによって得られるリン酸バナジル化合
物からなる非水電解質二次電池用正極活物質を提供する
ものである。
【0007】次に、本発明は、上記の電極活物質を含む
非水電解質二次電池用電極も提供する。また、本発明
は、上記記載の電極を用いる非水電解質二次電池も提供
するものである。より具体的には、上記記載の電極を正
極として用いる非水電解質二次電池、更に、負極とし
て、アルカリ金属材料及びアルカリ土類金属材料からな
る群から選ばれる少なくとも1種の負極活物質を含む電
極を用いる上記非水電解質二次電池を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。 (1)非水電解質二次電池用電極活物質:本発明におけ
る電極活物質は、上記のごとく、VO(HPO4)・
0.5H2Oを、酸素濃度5%以上30%以下の雰囲気
において、450℃以上550℃以下の温度で焼成する
ことによって得られるリン酸バナジル化合物である。リ
ン酸バナジルは基本構造VOPO4として示され、その
結晶構造は、VO6八面体とPO 4四面体が2次元または
3次元の開いたフレームワークを形成し、アルカリ金属
及びアルカリ土類の挿入に適した構造を有する。VO6
八面体とPO4四面体の結合形態の違いにより、α、α
II、δ、γ、ω等の結晶構造が存在する。上記製造方法
で得られるリン酸バナジル化合物は、通常これらの結晶
構造を有する化合物の1種またはそれ以上の混合物から
なる。しかしながら、本発明で使用するリン酸バナジル
化合物は、上記従来公知の結晶構造のリン酸バナジルや
それらの単なる混合物とは必ずしも同一ではなく、結果
としてそれら以上の特性を有することが可能である。
【0009】本発明におけるリン酸バナジル化合物にお
いては、バナジウムの5価及び4価間の酸化還元によ
り、金属リチウム対極に対し、約4Vの電位で充放電が
行われる。このため、結晶構造中のバナジウム、リンを
他の元素で置換し、バナジウムの平均価数を制御するこ
とにより充放電容量を制御することが可能である。ま
た、置換により結晶構造を安定化することも可能であ
る。さらに、リチウムが挿入されるサイトの一部に予め
アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素を挿入するこ
とにより、結晶構造を安定化することも可能である。
【0010】本発明におけるリン酸バナジル化合物は、
VOPO4なる組成を基本として、通常下記一般式
(I)で表される。
【0011】
【化1】 Ax1-yy1+δ11-zz4+δ2 (I) 上記一般式(I)中、Aは、アルカリ金属元素及びアル
カリ土類金属元素から選ばれる少なくとも一つの元素で
ある。Aの具体例としては、Li、Na、K、Mg、及
びCa等の元素を挙げることができる。好ましくはリチ
ウムである。xの値はリチウムサイトに挿入される元素
Aの量に相当する。負極をリチウム含有材料とする場
合、Aをリチウム以外とすると、xの値があまりに大き
いと電池容量が低下しすぎる傾向にあるので、通常0.
4以下、好ましくは0.2以下さらに好ましくは0.1
以下である。無論、xの値を0とすることも可能であ
る。
【0012】Mは、Al、Fe、Ga、Bi、Sn、C
r、Cu、Zn、Mg、Ti、Ge、Ta、Mo、W、
Nb、Ni、Mn、及びCoからなる群から選ばれる少
なくとも一つの元素である。yの値は元素Mによるバナ
ジウムの置換量に相当する。yの値はあまりに大きいと
電池容量が低下しすぎる傾向にあるので、通常0.4以
下、好ましくは0.2以下さらに好ましくは0.1以下
である。無論、yの値を0とすることも可能である。
【0013】QはS、As、Si、及びGeからなる群
から選ばれる少なくとも一つの元素である。zの値は元
素Qによるリンの置換量に相当する。zの値はあまりに
大きいとかえって結晶構造の安定性が低下することがあ
るので、通常0.4以下、好ましくは0.2以下さらに
好ましくは0.1以下である。無論、zの値を0とする
ことも可能である。
【0014】また、δ1、及びδ2は、それぞれVOPO
4の不定比性に由来する酸素欠損量又は酸素過剰量に相
当する。δ1は−0.2≦δ1≦0.2、δ2は−0.2
≦δ2≦0.2を満たす数である。本発明で使用するリ
ン酸バナジル化合物の原料として使用され得るVO(H
PO4)・0.5H2Oは公知の方法によって製造するこ
とができる。例えば、具体例の一つとして、所定のモル
比の原料水溶液を加熱しながら撹拌後、乾燥する製造方
法を挙げることができる。また、前述した一般式(I)
における置換元素M及びQはVO(HPO4)・0.5
2Oを合成する際にそれぞれバナジウム及びリンのサ
イトを置換しておくことが好ましい。
【0015】本発明におけるリン酸バナジル化合物はV
O(HPO4)・0.5H2Oを焼成することによって製
造することができる。焼成時の雰囲気の酸素濃度は、5
%以上30%以下であり、より好ましくは10%以上2
5%以下である。酸素濃度が低すぎると得られたリン酸
バナジル化合物のバナジウムの平均価数が低下し、充放
電容量が低下する傾向にある。また、酸素濃度が高すぎ
るとサイクル特性が悪化する傾向にある。
【0016】焼成温度は450℃以上550℃以下であ
り、好ましくは460℃以上550℃以下、より好まし
くは470℃以上530℃以下である。温度が低すぎる
とVO(HPO4)・0.5H2Oからの脱水が不充分と
なる傾向にある。温度が高すぎると粒子が大きくなりす
ぎ、粒子内部のリチウムイオンの拡散距離が増加し、レ
ート特性が悪化する傾向にある。
【0017】バナジウム、リンを他元素で置換する場合
は、VO(HPO4)・0.5H2Oを合成する際に置換
元素を含む化合物を加えても良いし、焼成の際に置換元
素を含む化合物を加えても良い。リチウムサイトにアル
カリ金属元素、アルカリ土類金属元素を挿入されたVO
PO4を合成する場合は、一旦、通常のVOPO4を合成
した後、さらに置換元素のヨウ化物等のアルコール水溶
液等で処理、乾燥する方法を用いることができる。 (2)本発明電極:本発明電極では、上記電極活物質を
用いる。この場合、上記活物質は通常粉末状で用いれば
よく、その平均粒径は1−100μm程度とすればよ
い。平均粒径は例えばレーザー回折式粒度分布測定装置
で測定される値である。また、電極中における上記活物
質の含有量は、用いる活物質の種類、必要に応じて用い
られる結着材(バインダー)や導電材の使用量等に応じ
て適宜設定すればよい。また、本発明電極においては、
上記電極活物質単独又は他の従来から知られている電極
活物質との混合物であってもよい。
【0018】本発明電極の作製に際しては、上記電極活
物質を用いるほかは公知の電極の作成方法に従って行え
ばよい。例えば、上記活物質の粉末を必要に応じて公知
の結着材(ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロ
ピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢
酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、
ニトロセルロース等)、さらに必要に応じて公知の導電
材(アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天
然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等)と混合した
後、得られた混合粉末をステンレス鋼製等の支持体上に
圧着成形したり、金属製容器に充填すればよい。
【0019】あるいは、例えば、上記混合粉末を有機溶
剤(N-メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メ
チルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジ
エチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)と混
合して得られたスラリーをアルミニウム、ニッケル、ス
テンレス、銅等の金属基板上に塗布する等の方法によっ
ても本発明電極を作製することができる。
【0020】電極の厚さは、通常1−1000μm、好
ましくは10−200μm程度である。厚すぎると導電
性が低下する傾向にあり、薄すぎると容量が低下する傾
向にある。なお、塗布・乾燥によって得られた電極は、
活物質の充填密度を上げるためローラープレス等により
圧密してもよい。 (3)本発明の非水電解質二次電池:本発明の非水電解
質二次電池は、本発明電極(2)を電極として用いる以
外は、公知のリチウム二次電池等の非水電解質二次電池
における構成要素を採用することができる。
【0021】本発明の電極は、通常正極として使用する
ことが可能である。この場合負極としては、電極活物質
として公知の負極活物質を使用することが可能である
が、アルカリ金属材料及びアルカリ土類金属材料からな
る群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好まし
い。本発明にいうアルカリ金属材料とは、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属、アルカリ金属の
化合物、合金等のほか、アルカリ金属イオンを吸蔵・放
出することが可能な材料(例えば、Li2.5Co0.5N、
Li4Ti512、炭素材料等)も含まれる。
【0022】また、アルカリ土類金属材料とは、マグネ
シウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルカリ土
類金属の化合物、合金等のほか、アルカリ土類金属イオ
ンを吸蔵・放出することが可能な材料(例えば、Mgz
Ti2(PO43(0<z<4)等)等も含まれる。負
極の作製は公知の方法に従えばよく、例えば、前記
(2)で説明した方法と同様にして作製することができ
る。すなわち、例えば、負極活物質の粉末を必要に応じ
て(2)で説明した公知の結着材、さらに必要に応じて
(2)で説明した公知の導電材と混合した後、この混合
粉末をシート状に成形し、これをステンレス、銅等の導
電体網(集電体)に圧着すればよい。また、例えば、上
記混合粉末を(2)で説明した公知の有機溶剤と混合し
て得られたスラリーを銅等の金属基板上に塗布すること
により作製することもできる。
【0023】その他の構成要素としては、公知の非水電
解質二次電池に使用されるものを構成要素として使用で
きる。例えば、以下のものが例示できる。電解液は通
常、電解質及び溶媒を含む。電解液の溶媒としては、非
水系であれば特に制限されず、例えばカーボネート類、
エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン
類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、エーテル類、アミ
ン類、エステル類、アミド類、リン酸エステル化合物等
を使用することができる。
【0024】これらの代表的なものを列挙すると、1,
2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テ
トラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エ
チレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルホ
ルメート、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネ
ート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、スルホラン、エチルメチルカーボネート、1,
4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,3
−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、
ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、プ
ロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バ
レロニトリル、1,2−ジクロロエタン、リン酸トリメ
チル、リン酸トリエチル等が使用できる。これらは1種
または2種以上で用いることができる。
【0025】電解液としては、これらの溶媒に、負極活
物質中のアルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属
イオンが、上記正極活物質又は正極活物質及び負極活物
質と電気化学反応するための移動を行うことができる電
解質物質、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF
4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiB(C
65 4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3
SO3Li、LiN(SO2CF 32、LiN(SO22
52、LiC(SO2CF33、LiN(SO3
32等を使用することができる。また、本発明では公
知の固体電解質、例えば、ナシコン構造を有するLiT
2(PO43等も使用できる。
【0026】本発明電池では、セパレータ、電池ケース
他、構造材料等の要素についても従来公知の各種材料が
使用でき、特に制限はない。例えば、正極と負極との間
にセパレータを使用する場合は、微多孔性の高分子フィ
ルムが用いられ、ナイロン、セルロースアセテート、ニ
トロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子よりなるも
のが用いられる。セパレータの化学的及び電気化学的安
定性の点からポリオレフィン系高分子が好ましく、電池
セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点からポ
リエチレン製であることが望ましい。
【0027】ポリエチレンセパレータの場合、高温形状
維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが好
ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さらに
好ましくは100万、最も好ましくは150万である。
他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好まし
くは400万、最も好ましくは300万である。分子量
が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セパレ
ーターの孔が閉塞しない場合があるからである。
【0028】本発明の電池は、これらの電池要素を用い
て公知の方法に従って組み立てればよい。この場合、電
池形状についても特に制限されることはなく、例えば円
筒状、角型、コイン型等種々の形状、サイズを適宜採用
することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限される
ものではない。 実施例1 本発明のVOPO4を以下のようにして得た。
【0030】V25とNH2OH・HClをモル比で
1:1となるように秤量し、85%H3PO4水溶液をP
/Vのモル比が1.1/1となるように加え、さらに水
を加え、80℃にて撹拌した。この溶液を蒸発乾固し、
得られた固体を110℃にて一晩乾燥し、沸騰水中で2
回水洗後、濾過し、60℃にて一晩乾燥後粉砕し、前駆
体となるVO(HPO4)・0.5H2Oを得た。
【0031】得られたVO(HPO4)・0.5H2Oを
酸素濃度21%の空気中にて500℃、14時間焼成す
ることにより、目的とするVOPO4を得た。得られた
VOPO4のX線回折結果を、JCPDSカード47−
0951に記載のδ−VOPO4と34−1247に記
載のαII−VOPO4の結果と共に、図1に示す。図1
に示す粉末X線回折パターンから、得られたリン酸バナ
ジル化合物はJCPDSカード47−0951に記載の
δ−VOPO4と34−1247に記載のαII−VOP
4との混合物であることを確認した。また、Fe、Z
nの酸化還元滴定により求めたバナジウムの価数は4.
95であった。
【0032】次に、得られたVOPO4を正極活物質
(25mg)として、アセチレンブラック95重量%、
ポリテトラフルオレエチレン5%からなる導電材(1
2.5mg)をエタノールを加えて混合の上、ステンレ
スメッシュに圧着し正極とした。電池の作成の前に、2
00℃で4時間乾燥した。負極として金属リチウム、電
解液としてEC(エチレンカーボネート):DMC(ジ
メチルカーボネート)=1:2を用い、ポリプロピレン
をセパレータとして、半開放型セルを用いて0.08m
A(C/50)の定電流で4.3〜3.2Vの範囲で充
放電した。その結果、1サイクル目の可逆容量(充電容
量)は118mAh/gであり、図2に示すように良好
なサイクル特性を示した。即ち、前記公知文献(N.Dupr
e et al.,Solid State Ionics,140,pp.209-221(2001),
N.Dupre et al.,J. Power Sources,97-98,pp.532-534(2
001))においては、最もサイクル特性に優れたαII−V
OPO4においても、C/50の電流値で15サイクル
後の容量は71%にまで低下してしているが、図2によ
れば、本発明のリン酸バナジル化合物の場合、同じ条件
下での15サイクル目の容量はほぼ100%(データと
しては106%)を維持している。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、特定の電極活物質を利
用するので、従来から公知のVOPO 4電極活物質と比
較して、サイクル特性が良好な非水電解質二次電池を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるVOPO4のX線回
折図形を示す。
【図2】 本発明の一実施例であるVOPO4のサイク
ル特性を示す特性図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 達己 大分県大分市鴛野959番地22号 (72)発明者 ブスタム モハマド アズミ 大分県大分市寒田南町1丁目市営51−2A −1−25 (72)発明者 滝田 祐作 大分県大分市宮崎台3丁目4番33号 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ28 HJ02 HJ14 5H050 AA07 BA16 CA07 CB12 GA02 GA27 HA02 HA10 HA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VO(HPO4)・0.5H2Oを、酸素
    濃度5%以上30%以下の雰囲気において、450℃以
    上550℃以下の温度で焼成することによって得られる
    リン酸バナジル化合物からなる非水電解質二次電池用正
    極活物質。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電極活物質を含む非水
    電解質二次電池用電極。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電極を正極として用い
    た非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属材料及びアルカリ土類金属
    材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の負極活物
    質を含む電極を負極として用いた請求項3に記載の非水
    電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 VO(HPO4)・0.5H2Oを焼成し
    て、リン酸バナジル化合物からなる非水電解質二次電池
    用正極活物質を製造する方法において、前記焼成を、酸
    素濃度5%以上30%以下の雰囲気において、450℃
    以上550℃以下の温度で行うことを特徴とする非水電
    解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004303527A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Yusaku Takita 非水電解質二次電池用電極活物質、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
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