JP2003066430A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003066430A
JP2003066430A JP2001251250A JP2001251250A JP2003066430A JP 2003066430 A JP2003066430 A JP 2003066430A JP 2001251250 A JP2001251250 A JP 2001251250A JP 2001251250 A JP2001251250 A JP 2001251250A JP 2003066430 A JP2003066430 A JP 2003066430A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
polymer layer
cholesteric
compound
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Application number
JP2001251250A
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English (en)
Inventor
Kohei Arakawa
公平 荒川
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Yasunari Kawabata
耕也 川畑
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コレステリック配向を有する螺旋ピッチに対
応して選択反射を有するコレステリックカラーフィルタ
を用いた液晶セルを有する透過型ディスプレイにおい
て、光利用効率を高めると共に、視野角が広い液晶表示
装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも光源と、該光源からの拡散光
を平行光化する光平行化素子と、コレステリックカラー
フィルタと、該カラーフィルタからの各色の光を変調す
る液晶光変調素子と、該液晶光変調素子により変調され
た光を拡散する光拡散体とを有する液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、更に詳述すると、コレステリック配向を有する螺旋
ピッチに対応して選択反射を有するコレステリックカラ
ーフィルタを用いた液晶セルを有し、特に透過型ディス
プレイに好適な、色純度が高く、光利用効率を高めるこ
とができると共に、低コストな視野角が広い液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶セルを用いた液晶表示装置は、低電
圧駆動、低消費電力等の理由から、市場が急拡大してい
るが、液晶本来の複屈折現象によって視野角特性が悪い
という問題がある。
【0003】かかる問題点を克服するため、位相差補償
板、横電解方式、マルチドメイン方式などの液晶動作モ
ードの工夫が行われ、これによりかなりの改善が図られ
ている。
【0004】しかしながら、上記のような方式にも限界
があり、CRT並の視野角特性が得られていないのが現
状である。
【0005】この点を解決すべく、特開平9−9033
5号公報には、液晶に平行光を入れる仕組みを作り、こ
の液晶を通過した光を拡散させることで視野角を改善す
る方法が提案されている。また、この方法では、コレス
テリック液晶カラーフィルタを用いて、光の利用効率を
改善することも記載されている。
【0006】しかしながら、特開平9−90335号公
報に記載されているコレステリック液晶カラーフィルタ
の作製方法は、ポリシロキサンを主鎖とし、側鎖にビフ
ェニルベンゾエートとコレステリル基を持つ高分子重合
体でねじれ配向させるものであり、コレステリル基を有
する高分子重合体の含有量でねじれピッチが決まるた
め、赤、青、緑の画素は同時形成できない。そのため、
製造プロセスの簡略化には限界があり、コスト上も制約
を受けてしまうという問題があり、更なる改善が望まれ
ていた。
【0007】本発明は、このような状況下、従来におけ
る諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題と
する。即ち、本発明は、コレステリック液晶性化合物か
ら形成された螺旋ピッチに対応した選択反射を有するコ
レステリックカラーフィルタを用いた液晶セルを有する
透過型ディスプレイに好適であり、色純度が高く、光利
用効率を高めることができ、低コストであり、かつ視野
角が広い液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、下記の液晶表示装置を提供する。
【0009】請求項1の発明は、少なくとも光源と、該
光源からの拡散光を平行光化する光平行化素子と、コレ
ステリックカラーフィルタと、光を変調する液晶光変調
素子と、該液晶光変調素子により変調された光を拡散す
る光拡散体とを有する液晶表示装置において、前記コレ
ステリックカラーフィルタが、コレステリック配向を有
するパターニングされたポリマー層であり、かつ下記
(a)〜(c)の工程で製造されたものであることを特
徴とする液晶表示装置である。 (a)コレステリック配向を有する、少なくとも一種の
重合性の液晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラ
ルピッチが異なる少なくとも一種の光変換可能化合物
と、少なくとも一種の重合開始剤とを含む液晶組成物か
らなるポリマー層を形成する工程 (b)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
で照射することによって、照射部の光変換可能化合物の
少なくとも一部を変換し、コレステリック配向を有する
パターニングされたポリマー層を形成する工程 (c)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
成する工程
【0010】請求項2の発明は、少なくとも光源と、該
光源からの拡散光を平行光化する光平行化素子と、コレ
ステリックカラーフィルタと、光を変調する液晶光変調
素子と、該液晶光変調素子により変調された光を拡散す
る光拡散体とを有する液晶表示装置において、前記コレ
ステリックカラーフィルタが、コレステリック配向を有
するパターニングされたポリマー層であり、かつ下記
(A)〜(D)の工程で製造されたものであることを特
徴とする液晶表示装置である。 (A)配向規則性がない、少なくとも一種の重合性の液
晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラルピッチが
異なる少なくとも一種の光変換可能化合物と、少なくと
も一種の重合開始剤とを含む液晶組成物からなるポリマ
ー層を形成する工程 (B)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
で照射し、光変換可能化合物の少なくとも一部を変換
し、パターニングされたポリマー層を形成する工程 (C)前記パターニングされたポリマー層が液晶層を呈
する温度に昇温し、螺旋軸が略法線方向であるコレステ
リック配向を有するパターニングされたポリマー層を形
成する工程 (D)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
成する工程
【0011】本発明によれば、少なくとも光源と、該光
源からの拡散光を平行光化する光平行化素子と、コレス
テリックカラーフィルタと、光を変調する液晶光変調素
子と、該液晶光変調素子により変調された光を拡散する
光拡散体とを有し、前記コレステリックカラーフィルタ
が、コレステリック配向を有するパターニングされたポ
リマー層であり、かつ所定の工程で製造されたものを用
いることにより、赤、青、緑の画素は同時形成が可能と
なり、製造プロセスの簡略化が達成し得、低コストで、
色純度が高く、光利用効率を高めることができ、視野角
が広い液晶表示装置が得られるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置の実
施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態に係る液晶
表示装置の概略構成図を示し、図中、10は光源として
のバックライト、12はバックライト光源10からの非
偏光の拡散光を平行光に変換する光平行化素子、14は
コレステリックカラーフィルタ、16は光を変調する液
晶光変調素子、18は該液晶光変調素子により変調され
た光を拡散する光拡散体である。なお、コレステリック
カラーフィルタ14は、図1に示したような、光平行化
素子12と液晶光変調素子16の間以外にも、液晶光変
調素子16と光拡散体18の間にも配設することができ
る。
【0014】<バックライト>前記バックライト10
は、特に制限されず、任意のバックライトを使用するこ
とができる。なお、バックライトの背面側には図示を省
略しているが、光拡散体を設置することができる。この
光拡散体の設置によって、光平行化素子に照射される光
量を増加させることができる。
【0015】<光平行化素子>前記光平行化素子12
は、コリメータともいい、光源としてのバックライト1
0から放射される拡散光を、面的な平行光に変換してコ
レステリックカラーフィルタ14に供給する機能を果た
す。そして、光平行化素子12を出る光の強度の角度分
布が狭いこと(即ち、平行度が高い)ことが望ましい。
また、光平行化素子12において、光の利用効率を下げ
ないために高透過率を有することが必要である。このよ
うな主機能と必要属性を備えた部材としては、例えば、
(1)レンズアレー方式、(2)反射鏡方式、(3)プ
リズムシートなどが挙げられる。
【0016】前記(1)のレンズアレー方式は、板状の
樹脂成形品であり、その一方の面に凸レンズ機能の形状
がアレー状に形成され、その焦点に相当する部分に光が
通過する微小な部分が設けられている。この光通過部分
は板状成形品のレンズ面とは反対側の面上に形成されて
いる。このレンズアレー方式には、下記の2つの異なる
概念による手段がある。 (i)面のほとんどの部分を、拡散反射白色材料、又は
金属膜のような光を遮断・反射させる材料で覆い、光を
通過させたい微小部分は、そのような材料のない孔であ
る。 (ii)導光板として作用させるように利用することを
想定して、この板状成形品のレンズ面と反対の面上に樹
脂板内を内部全反射を繰り返している光が散乱するよう
な微小な傷、凹凸、異種材料からなる突起が設けられて
いる。
【0017】これらの一例について図面に基づいて更に
詳しく説明する。図2(A)は、透明支持体122に多
数の透明ビーズ124が緻密に配置されており、それぞ
れの透明ビーズ124に対して、図2(B)に示すよう
に、これらのビース124が透明支持体122に接する
位置にビーズ124の直径よりも小さい孔122Aが設
けられている。これらの孔122Aが形成されている部
分以外の透明支持体122の表面は、上記のように金属
反射面、又は白色反射面となっている。
【0018】このレンズアレー方式の光平行化素子の場
合、図2(B)に示すように、バックライト10からの
非偏光は、透明支持体122の多数の孔122Aの部分
のみを通過し、他の透明支持体122の部分では、非偏
光は反射する。透明支持体122の多数の孔122Aを
通過した光は、多数のビーズ124の一の表面付近で屈
折し、平行な光となる。従って、バックライト10から
の非偏向光は多数のビーズ124を経て平行な光とな
る。
【0019】前記(2)の反射鏡方式は、図3(A)に
示すように、透明支持体126に多数のコーン状の微小
孔128が形成されている。図3(B)は、微小孔12
8の形態を概念的に示す説明図である。これらの微小孔
128の縮径部は、透明支持体126の一方(光の入射
側)に開口しており、この開口部128A以外の支持体
126の一方(光の入射側)の面側は、金属反射面、又
は白色反射面となっている。
【0020】この反射鏡方式の光平行化素子の場合、図
3(C)に示すように、バックライト10からの非偏光
は、開口部128Aから透明支持体126の多数の微小
孔128部分のみを通過し、他の透明支持体126の部
分では、非偏光は反射する。従って、多数のコーン状の
微小孔128に入射された光は、コーン状の曲面で反射
して略平行な光となり、透明支持体126から出て行
く。
【0021】前記(3)のプリズムシートは、図4
(A),(B)に示すような、畝状の表面を有する板状
の樹脂成形品(プリズムシート130)であり、拡散光
を略平行な光に変換する機能を有する。この部材を通過
した光の角度分布の半値幅を約±30°にすることがで
きる。このようなプリズムシートとしては、例えば3M
社製の商品名(Brightnes Enhancin
g Film)等が挙げられる。
【0022】次に、光平行化素子12を経た光は、光の
一方向の円偏光成分のみを取り出すことができるコレス
テリックカラーフィルタ14に至る。
【0023】<コレステリックカラーフィルタ>前記コ
レステリックカラーフィルタ14は、コレステリック配
向を有するパターニングされたポリマー層から形成さ
れ、更に、配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられ
ていてもよい。
【0024】このコレステリック配向を有するパターニ
ングされたポリマー層は、下記(a)又は(A)の液晶
組成物から形成されることが好ましい。これにより、光
の利用効率が高く、透過率、色純度の点でも、従来の顔
料分散法や電着法で作製される顔料等を含む光吸収型の
カラーフィルタよりも卓越した性能を有する。また、円
偏光反射率が極めて高く、光学特性の厚み依存性が小さ
く、色の設計が極めて容易である。更に、素子構成によ
って偏光板が不要となるものである。 (a)コレステリック配向を有する、少なくとも一種の
重合性の液晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラ
ルピッチが異なる少なくとも一種の光変換可能化合物
と、少なくとも一種の重合開始剤とを含む液晶組成物。 (a’)配向規則性がない、少なくとも一種の重合性の
液晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラルピッチ
が異なる少なくとも一種の光変換可能化合物と、少なく
とも一種の重合開始剤とを含む液晶組成物。
【0025】なお、液晶組成物には、液晶化合物及び光
変換可能化合物以外にも、必要に応じて、バインダー樹
脂、溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、顔料等の
色素、紫外線吸収剤、ゲル化剤等の他の成分を含んでい
ても構わない。
【0026】本発明においては、液晶化合物としてコレ
ステリック配向を有する、又は配向規則性がない少なく
とも一種の重合性の液晶化合物を用いることが好まし
い。この液晶化合物は、その屈折率異方性Δnが0.1
0〜0.40であり、液晶分子の末端に重合性基若しく
は架橋性基が導入された重合性液晶化合物の中から適宜
選択することができる。溶融時の液晶状態にある間に、
例えばラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用
いる等により配向させ、そのまま冷却、重合硬化等して
固定化させることにより固相として使用することができ
る。即ち、液晶化合物は、配向状態で効率よく重合させ
るとその反応性が極めて高いため、強靭な膜を形成する
ことができる。
【0027】前記重合性の液晶化合物としては、例え
ば、紫外線に感応して重合硬化するUV硬化型の官能基
(例えばアクリレート基等)が液晶化合物の分子内に導
入された液晶化合物などが好適に挙げられる。これに紫
外線照射して固めれば、120℃以下の低温で膜強度の
高いカラーフィルタの作製が可能である。
【0028】前記液晶化合物の具体例としては、下記化
合物を挙げることができる。但し、本発明においては、
これらに制限されるものではない。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】前記式中、nは1〜1000の整数を表
す。これら各例示化合物においては、その側鎖連結基が
以下の構造に変わったものも同様に好適なものである。
【0033】
【化4】
【0034】上記のうち、液晶化合物としては、硬化性
に優れ、層の耐熱性を確保し得る観点から、分子内に重
合性基又は架橋性基を有するコレステリック液晶化合物
が好ましい。
【0035】液晶化合物の含有量としては、液晶組成物
の固形分質量に対して好ましくは30〜98質量%、よ
り好ましくは50〜95質量%である。液晶化合物の含
有量が30質量%未満であると、配向が不十分となり所
望の選択反射色が得られない場合がある。
【0036】前記光反応性カイラル化合物は、液晶組成
物に誘起する螺旋ピッチを光照射(紫外線〜可視光線〜
赤外線)によって変化させ得る化合物であり、このため
に必要な部位(分子構造単位)として、カイラル部位と
光の照射によって構造変化を生じる部位とを有する。こ
れらの部位は、1分子中に含有されているものが好まし
い。本発明においては、前記光反応性カイラル化合物の
他、捻れ性の温度依存性が大きいカイラル化合物など、
光反応しないカイラル化合物を併用することもできる。
【0037】前記カイラル化合物は、パターニング感度
を向上させるためにその光感応ピーク波長が重合開始剤
の光感応ピーク波長よりも長波長側にあるものが好まし
い。また、カイラル化合物は、液晶組成物の螺旋構造を
誘起する力が大きいものが好ましく、このためにはカイ
ラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲をリジット
な構造とすることが好ましく、分子量は300以上であ
ることが好ましい。光照射による螺旋構造の誘起力を大
きくするためには、光照射による構造変化の度合いの大
きいものを使用し、カイラル部位と光照射による構造変
化を生じる部位を近接させることが好ましい。
【0038】更に、液晶化合物への溶解性の高いカイラ
ル化合物が好ましく、その溶解度パラメータSP値が、
液晶性の重合性モノマーに近似するものがより好まし
い。また、カイラル化合物の構造を重合性の結合基が1
以上導入された構造にすると、形成された液晶組成物膜
(カラーフィルタ)の耐熱性を向上させることができ
る。
【0039】光照射により、構造変化する光反応部分の
構造例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、
入江正浩著、化学工業、vol.64,p.640,1
999、内田欣吾、入江正浩著、ファインケミカル、v
ol.28(9),p.15,1999)等に記載のも
のが挙げられる。以下、具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0040】
【化5】
【0041】前記式中、R、Rは、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルケニル基、アクリロイルオキシ基を表
す。
【0042】カイラル部位としては、光照射によって、
分解や付加反応、異性化、2量化反応等が起こり、不可
逆的に構造変化をするものであっても構わない。更に、
カイラル部位としては、例えば、以下に例示する化合物
の*印を付した炭素原子のような、4つの結合にそれぞ
れ異なった基が結合した不斉炭素等が相当する(液晶の
化学、No.22、野平博之、化学総説、p.73、1
994)。
【0043】
【化6】
【0044】また、カイラル部位と光異性化部を併せ持
つ光反応性カイラル化合物としては、下記化合物を一例
として挙げることができる。
【0045】
【化7】
【0046】また、下記一般式(I)又は(II)で表
される光反応型カイラル化合物も好適なものとして挙げ
られる。
【0047】
【化8】
【0048】前記一般式(I)及び(II)中、Rは、
水素原子、炭素数1〜15のアルコキシ基、総炭素数3
〜15のアクリロイルオキシアルキルオキシ基、総炭素
数4〜15のメタクリロイルオキシアルキルオキシ基を
表す。
【0049】前記一般式(I)で表される化合物の具体
例として、R基の例示〔例示化合物(1)〜(15)〕
を示すが、本発明においてはこれらに制限されるもので
はない。
【0050】
【化9】
【0051】液晶組成物中におけるカイラル化合物の全
含有量としては、特に制限はなく、通常2〜30質量%
程度が好ましい。
【0052】本発明の液晶組成物には、光照射による液
晶の捻れ力を変化させた後の螺旋構造を固定化し、固定
化後の液晶組成物の強度をより向上させる場合、不飽和
結合による重合反応を促進する目的で、光重合開始剤を
添加する。これは、所望の螺旋構造を形成した後、この
螺旋構造を変化させることなく、色純度の高い選択反射
色を得るには、液晶組成物の重合硬化反応が迅速である
ことが好ましいからである。
【0053】前記光重合開始剤としては、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えばp−メトキシフ
ェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロ
ロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニル
アクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベ
ンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイ
ミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジル
ジメチルケタール、チオキサントン/アミンなどが挙げ
られる。
【0054】前記光重合開始剤の添加量としては、液晶
組成物の固形分質量に対して0.1〜20質量%である
ことが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好
ましい。光重合開始剤の添加量が少なすぎると、光照射
時の硬化効率が低いため長時間を要する場合があり、一
方、多すぎると、紫外線領域から可視光領域での光透過
率が劣る場合がある。
【0055】本発明の液晶組成物には、重合性モノマー
を併用してよい。この重合性モノマーを併用すると、光
照射による液晶の捻れ力を変化させて選択反射波長の分
布を形成(パターニング)した後、その螺旋構造(選択
反射性)を固定化し、固定化後の液晶組成物の強度をよ
り向上させることができる。但し、前記液晶化合物が同
一分子内に不飽和結合を有する場合には、必ずしも添加
する必要がない。
【0056】前記重合性モノマーとしては、例えばエチ
レン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体的
には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノ
マーが挙げられる。前記エチレン性不飽和結合を持つモ
ノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げるこ
とができる。但し、本発明においては、これらに限定さ
れるものではない。
【0057】
【化10】
【0058】前記重合性モノマーの添加量としては、液
晶組成物の固形分質量に対して好ましくは0.5〜50
質量%である。重合性モノマーの添加量が0.5質量%
未満であると、十分な硬化性を得ることができない場合
がある。一方、50質量%を超えると、液晶分子の配向
を阻害し、十分な発色が得られない場合がある。
【0059】更に、本発明の液晶組成物には、その他の
成分として、バインダー樹脂、溶媒、界面活性剤、重合
禁止剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤
等を添加することもできる。その他の成分としては、紫
外線硬化により硬化したカラーフィルタ膜の強度に影響
するので、液晶化合物との相溶性に優れるものが好まし
い。
【0060】また、これらの成分が硬化されたカラーフ
ィルタ膜中で移動可能であると、遊離した成分が膜強度
を低下させ、カラーフィルタの諸特性にも変化を生じさ
せる。従って、添加する他の成分としては、液晶化合物
に導入された重合性の官能基と同系統の官能基を持つ成
分を使用することが好ましい。即ち、その他の成分が膜
中で遊離せずに重合硬化により液晶化合物中に固定化さ
れるので、膜強度、諸特性が阻害されることもないので
ある。
【0061】前記バインダー樹脂としては、例えばポリ
スチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン
化合物、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチ
ルセルロース等のセルロース樹脂、側鎖にカルボキシル
基を有する酸性セルロース誘導体、ポリビニルフォルマ
ール、ポリビニルブチラノール等のアセタール樹脂、特
開昭59−44615号公報、特公昭54−34327
号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−
25957号公報、特開昭59−53836号公報、特
開昭59−71048号公報に記載のメタクリル酸共重
合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロ
トン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化
マレイン酸重合体などが挙げられる。
【0062】また、アクリル酸アルキルエステルのホモ
ポリマー及びメタアクリル酸アルキルエステルのホモポ
リマーも挙げられ、これらについては、アルキル基がメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i
so−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、
2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。その
他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を添加させたも
の、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル
酸/他のモノマーの多元共重合体などが挙げられる。
【0063】上記の中でも、パターニング後のアルカリ
現像性、及び量産性の観点からは、カルボキシル基を含
むバインダー樹脂が好ましい。プラスチック基板上に液
晶層を形成(塗布、転写等)する場合、塗布液状に調製
する液晶組成物にバインダー成分としてカルボキシル基
を含むバインダー樹脂を用いると、アルカリ現像が可能
であり、光照射後にアルカリ現像することによって簡易
にパターニングを行うことができる。
【0064】液晶組成物中におけるバインダー樹脂の含
有量としては、0〜50質量%が好ましく、0〜30質
量%がより好ましい。バインダー樹脂の含有量が50質
量%を超えると液晶化合物の配向が不十分となる場合が
ある。
【0065】更に、以下の成分を添加することができ
る。本発明の液晶組成物においては、選択反射する色相
の色純度をより向上させる観点から、光反応性カイラル
剤及び液晶化合物と共に、界面活性剤を併用することが
好ましい。具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ま
しく、公知のノニオ系界面活性剤の中から適宜選択して
使用することができる。
【0066】前記重合禁止剤は、保存性の向上の目的で
添加することができる。例えば、ハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベン
ゾキノン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。この重
合禁止剤の添加量は前記重合性モノマーに対して0〜1
0質量%、好ましくは0〜5質量%である。
【0067】バインダー樹脂を除く前記他の成分の含有
量としては、液晶組成物の全固形分質量に対して10質
量%以下であることが好ましい。前記含有量が10質量
%を超えると、紫外線硬化により硬化したカラーフィル
タ膜の強度を低下させてしまう場合がある。
【0068】液晶組成物は、前記各成分を適当な溶媒に
溶解、分散して調製でき、これを任意の形状に成形し、
あるいは支持体等の上に形成して用いることができる。
ここで、前記溶媒としては、例えば2−ブタノン、シク
ロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げ
られる。
【0069】<コレステリック配向を有するパターニン
グされたポリマー層>本発明のカラーフィルタ14は、
コレステリック配向を有するパターニングされたポリマ
ー層からなる。このカラーフィルタは、図5(A)〜
(D)に示したように、LCD基板1上にポリビニルア
ルコール等からなる配向膜6を積層し、図5(A)に示
すようにしてラビング処理を施す。このラビング処理
は、必ずしも必要ではないが、ラビング処理した方がよ
り配向性を向上させることができる。
【0070】次に、図5(B)に示すように、配向膜6
上に、塗布液状の液晶組成物を塗布、乾燥し液晶ポリマ
ー層7を形成した後、図5(C)に示したように、光の
透過率の異なる領域を複数有するフォトマスク8を配置
し、このフォトマスク8を介して液晶ポリマー層7にパ
ターン状に光を照射する。この液晶ポリマー層7には、
光照射量に応じて螺旋ピッチが異なるように液晶化合
物、カイラル化合物等が含まれており、螺旋ピッチが異
なる構造が各パターン毎に、例えば、緑色(G)を反射
し、青色(B)及び赤色(R)を透過する領域、青色
(B)を反射し、緑色(G)及び赤色(R)を通過する
領域、赤色(R)を反射し、緑色(G)及び青色(B)
を通過する領域が形成される。
【0071】次いで、図5(D)に示すように、コレス
テリック配向を有するパターニングされた液晶ポリマー
層7に対して、図5(C)と異なる照射強度で更に紫外
線を照射して、重合及び/又は架橋させることにより3
次元ポリマー層を形成し、固定化することにより、BG
Rの反射領域を有するカラーフィルタを形成することが
できる。
【0072】更に具体的には、カラーフィルタは、下記
第1,第2の態様の製造方法によって好適に作製するこ
とができる。
【0073】〔第1の態様〕下記(a)〜(c)工程を
行うことにより、コレステリック配向を有するカラーフ
ィルタを製造することができる。 (a)コレステリック配向を有する、少なくとも一種の
重合性の液晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラ
ルピッチが異なる少なくとも一種の光変換可能化合物
と、少なくとも一種の重合開始剤とを含む液晶組成物か
らなるポリマー層を形成する工程 (b)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
で照射することによって、照射部の光変換可能化合物の
少なくとも一部を変換し、コレステリック配向を有する
パターニングされたポリマー層を形成する工程 (c)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
成する工程
【0074】〔第2の態様〕下記(A)〜(D)工程を
行うことにより、コレステリック配向を有するカラーフ
ィルタを製造することができる。 (A)配向規則性がない、少なくとも一種の重合性の液
晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラルピッチが
異なる少なくとも一種の光変換可能化合物と、少なくと
も一種の重合開始剤とを含む液晶組成物からなるポリマ
ー層を形成する工程 (B)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
で照射し、光変換可能化合物の少なくとも一部を変換
し、パターニングされたポリマー層を形成する工程 (C)前記パターニングされたポリマー層が液晶層を呈
する温度に昇温し、螺旋軸が略法線方向であるコレステ
リック配向を有するパターニングされたポリマー層を形
成する工程 (D)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
成する工程
【0075】この場合、(b),(B)の露光工程で
は、液晶化合物のパターニング及び固定化(重合硬化)
のいずれも光の照射によって行う。即ち、光反応型カイ
ラル剤が高感度に感応し得る波長の第一の光により画像
様に露光してパターニングした後、重合開始剤が高感度
に感応し得る第二の光により光重合させて硬化し、所望
の選択反射色に液晶化合物の螺旋構造を固定化する。な
お、液晶組成物を含む層は二層以上積層することもで
き、この場合には前記露光工程は複数工程設けられる。
【0076】前記第一の光が液晶組成物に照射される
と、その照度に応じて、共存する光反応型カイラル剤が
感応して液晶化合物の螺旋構造が変化し、この構造変化
により異なる選択反射色を示し、画像様のパターンが形
成される。従って、所望の領域ごとに照射強度を変えて
光照射すれば、照射強度に対応して複数色を呈し、例え
ば画像様に光透過率を変えて作成された露光用マスクを
介して露光することにより、一回の光照射によって画像
を、即ち異なる選択反射をする有色領域を同時形成する
ことができる。これに更に、第二の光を照射して硬化
(固定化)させることにより液晶カラーフィルタを作製
できる。
【0077】前記第一の光の波長としては、光反応型カ
イラル剤の光感応波長域、特に光感応ピーク波長に近接
する波長に設定することが、十分なパターニング感度が
得られる点で好ましい。また、第二の光の波長として
は、重合開始剤の光感応波長域、特に光感応ピーク波長
に近接する波長に設定することが、十分な光重合感度が
得られる点で好ましい。また、第一及び第二の光の照度
(照射強度)には特に制限はなく、パターニング時及び
重合硬化時の光感度が十分得られるように、使用する材
料に応じて適宜選択できる。
【0078】前記第一及び第二の光の照射に用いる光源
としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変化及
び重合反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光源が
好ましく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。また、光量可
変機能を備えることが好ましい。
【0079】<液晶光変調素子>液晶光変調素子16
は、TFT方式のものが好ましく、図6に概略図で示す
ように、ガラス等の透明基板150,152の間に液晶
154が充填され、R、G、B等の各カラー画素が配置
されている。これらの各カラー画素の一個ごとにトラン
ジスタースイッチが装着されており、これらのトランジ
スタにソースバスラインとゲートバスラインから信号が
入ると電流が流れ、各画素の駆動電極と対向基板の全面
にあるITO電極との間に電圧がかかり、この部位の液
晶分子が垂直に並び、光が通過するようになっている。
【0080】次に、前記液晶光変調素子16からの変調
された画像光は、光拡散体18に至る。 <光拡散体>光拡散体18は、液晶光変調素子16で変
調され略平行な光を通過し、かつ拡散させることによっ
て観視者がその上に画像を視認する機能を果たす。この
光拡散体18の必要な属性は下記のものが挙げられる。 (1)画像を視認する角度によらず、同じ輝度とコント
ラストが得られるために広い光拡散性能が必要であるこ
とから、光拡散性を有すること。 (2)画像のコントラストを下げないために、使用環境
での室内照明や日光などのディスプレイ素子の外側から
の光を観視者に向かって拡散反射しない性質を有するこ
と。 (3)画像のコントラストを下げないために、偏光板よ
りも液晶セル側に配置される場合には偏光の質(偏光
度、位相)を劣化させない性質を有すること。 (4)光の利用効率を下げないために高い透過率を有す
るという性質をユ数rこと。
【0081】これらの主機能と必要属性を備えた部材と
しては、(I)ビーズブラックスクリーン、(II)G
RINディフュザー、(III)GRIN粒子ディフュ
ザー等が挙げられる。
【0082】前記(I)のビーズブラックスクリーン
は、図7(A)に示すように、透明支持体160に透明
な多数のビーズ162が配置されており、これらビーズ
162の透明支持体160との接触面付近の微小部分を
除く、透明支持体160の面に黒色材料層164が形成
されている。このビーズブラックスクリーンでは、図7
(B)に示すように、ビーズ162に入射した平行光
は、入射と反対側の球表面近くの狭い微小部分を通過し
て拡散する。また、前記微小部分以外の部分は黒色材料
層164で形成されているので、観視者からは、黒色に
見える拡散フイルムが作製できる。
【0083】前記(I)のビーズブラックスクリーンの
製造方法についてその一例を図8に基づいて具体的に説
明する。例えば、透明支持体160の上に透明中間層1
60A、熱可塑性樹脂を含む光吸収層160Bを形成し
た後、この光吸収層160Bの表面に微小球状のビーズ
162を配列し、次いでビーズ162が配列された面を
熱プレスする方法が挙げられる。透明支持体160は、
押下されたビーズ162によって変形を受けない程度の
剛性を有する。ビーズ162は、熱によって柔らかくな
った2つの層を通って透明支持体160の表面に到達す
るまで押し込まれる。光吸収層160Bの開口半径は、
前記の透明中間層160Aの厚みにより規制されること
になる。従って、ビーズ162の平均半径rと設定開
口半径rから透明中間層160Aの必要な厚さを計算
し、この厚さで樹脂層を形成して前記方法を実施するこ
とにより、設定する開口半径を有する光拡散体を作製す
ることができる。他の方法として、同様にして必要な厚
さの透明中間層160Aを形成した後、その上にビーズ
162を配列し、同様に熱プレスし、次いで光吸収層1
60Bを塗布する方法等が挙げられる。
【0084】前記ビーズ162の平均半径は、好ましく
は3〜100μm、より好ましくは5〜50μm、更に
好ましくは1〜50μmである。なお、上述の製造方法
を考慮し、本発明に用いる多数のビーズ162は、各ビ
ーズ162の半径差が少ないものを適宜選定して用いる
ことが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0085】ビーズ162の材質には、ガラス、シリ
カ、炭酸カルシウム、アルミナ、又はアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の透明性を有する
樹脂などが挙げられる。この場合特に、耐熱性、耐溶媒
性を有するものが好ましい。また、ビーズ162の屈折
率は、好ましくは1.5〜2.4、より好ましくは1.
3〜2.4、更に好ましくは1.7〜1.9である。中
でも、透明中間層160A及び透明支持体160の屈折
率と同一、又はできるだけ近いものが望ましい。
【0086】光吸収層160B及び透明中間層160A
に用いる材質は、ビーズ162に対して十分な接着力を
持つものが好ましい。また、上述の製造方法を考慮し、
本発明に用いる光吸収層160B及び透明中間層160
Aは熱可塑性を持つことが好ましいが、これに限定され
るものではない。
【0087】また、熱プレスでビーズ162を光吸収層
160Bに埋設するにあたり、ビーズ162によって光
吸収層160Bを開口し、ビーズ162の光出射部分を
透明中間層160Aに露出させるためには、光吸収層1
60Bの溶融粘度が透明中間層160Aの溶融粘度より
も低いことが好ましい。熱プレスでビーズ162を光吸
収層160Bに埋設する場合、透明中間層160Aと比
べて溶融粘度の低い光吸収層160Bの変形が、透明中
間層160Aの変形よりも先に起こる。これにより、光
吸収層160Bを開口して確実にビーズ162の光出射
部分を透明中間層160Aに露出させることができるた
めである。
【0088】前記光吸収層160B及び透明中間層16
0Aの材質には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体、ポリアミド樹脂などが挙げられる。光吸収層16
0B及び透明中間層160Aの材質には、上述のとお
り、各層の溶融粘度の関係を考慮し、光吸収層160B
には溶融粘度の低い材質を選定し、透明中間層160A
には溶融粘度の高い材質を選定することが好ましい。
【0089】なお、光吸収層160Bは、これらの樹脂
をベース樹脂とし、そのベース樹脂に顔料を分散する
か、或いは染料により染色を施すことにより光吸収層1
60Bが形成される。この光吸収層160Bに用いる顔
料及び染料は、ビーズブラックスクリーンに使用される
黒色の顔料、例えば、カーボンブラックの他に、灰色、
赤、青、緑、又はそれらの混色用の顔料及び染料等であ
っても構わない。
【0090】前記光吸収層160Bの厚さは0.2〜
5.0μmであることが好ましい。なお、光吸収層16
0Bの厚さは、本発明に使用される微小球ビース162
の平均半径を考慮して、ビーズ162の光入射面側を光
の入射が十分に行われる程度に露出させてビーズ162
を固着できる程度であればよい。
【0091】透明中間層160Aの厚さは、0.05〜
5.0μmであることが好ましい。光吸収層160Bの
開口半径rと前記微小球ビーズの半径rの比であるr
/r が0.1〜0.5の範囲内であることが望まし
い。製造段階において透明中間層160Aの厚さによっ
て光吸収層160Bの開口半径rを調整する場合は、開
口半径rとビーズ162の半径rの比より透明中間層
160Aの厚さを算定してその厚さを選定することが好
ましい。また、透明中間層160Aの屈折率は、ビーズ
162と同一又はできる限り近いものを選定することが
好ましい。
【0092】透明支持体160の材質には、ガラス板、
又はアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリスチレン系樹脂等の透明性を有する樹脂が挙げられ
るが、特に、耐溶媒性、耐熱性、耐収縮性等に優れ、微
小球レンズ1と同一又はできるだけ近い屈折率を有する
もが望ましい。また、透明支持体160は厚さが1.0
μm〜2mmであることが好ましいが、ビーズ162、
光吸収層160B及び透明中間層160Aを設けるのに
必要な強度を有していればよい。
【0093】本発明における光拡散体18は、ビーズ1
62の表面上に、光入射方向から入射された光が反射す
るのを防止する光反射防止層を形成してもよい。図9
は、ビーズ162の表面に光反射防止層を形成した光拡
散体の一例を示す断面図である。図9において、ビーズ
162の表面には、ビーズ162に入射される光がビー
ズ162の表面で反射するのを防止する光反射防止層8
0が形成されている。ビーズ162の表面上に光反射防
止層80が形成されていない場合には、ビーズ162の
表面で反射される入射光は全体の約5%である。従っ
て、ビーズ162の表面上に光反射防止層80を形成す
ることで光拡散体の光透過率を約5%向上させることが
できる。
【0094】この光反射防止層80は、反射防止処理又
はアンチグレア処理によって形成される。反射防止処理
又はアンチグレア処理の方法は公知の方法でよい。例え
ば、シリカ、アルミナ等の公知の反射防止層をビーズ1
62の表面にコーティング或いは真空蒸着等する反射防
止処理や、樹脂にシリカ、プラスチックビーズ等を混入
してコーティングするアンチグレア処理等がある。
【0095】本発明における光拡散体においては、ビー
ズ162の面側に透明基材を設け、この透明基材を、液
晶光変調素子16を有する液晶ディスプレイのガラス基
材に貼り付けることで、光拡散体の剛性を高められるだ
けでなく、例えば、この光拡散体を液晶ディスプレイの
ガラス基材等に貼付する際に平滑な接着面を得ることが
できる。
【0096】前記(II)のGRINディフュザーは、
膜の内部に連続的な屈折率分布を有することによって透
過する光を拡散させる性質を有した無色透明ポリマー、
ガラス、又は無機材料と有機材料との複合材料からなる
膜がある。屈折率の異なる部分が明確な境界で接する部
分が少ないか又は全くないことがこの材料の特徴として
必須である。なお、GRINとは、gradient
index又はgraded indexの略である。
【0097】屈折率の勾配分布を光が通過すると光は曲
げられるが、部分によってその曲率が異なるように作製
すれば、全体として透過光が拡散する機能が実現され
る。屈折率の高い部分と低い部分の屈折率の差は0.1
以上、好ましくは0.2以上である。屈折率の高い部分
と低い部分の距離は、1μm以上50μm以下、好まし
くは3μm以上20μm以下である。
【0098】光拡散角度は、屈折率分布の勾配、即ち、
屈折率の異なる隣接する2点間における屈折率の差をそ
の距離で割った値に依存する。この値が小さいと、光拡
散角度が小さく、大きいと光拡散角度が大きくなる。こ
の材料は偏光の質の劣化が極めて小さいか、ほとんどな
い。また、この材料は、光を拡散する原理が粒径約0.
5μmの粒子で見られるミー拡散とは異なるために、後
方散乱が小さいか皆無で、光の透過率が高いので、本発
明の用途に好適である。
【0099】前記(III)のGRIN粒子ディフュザ
ーとは、無色透明な球状粒子とバンダーからなる層であ
る。球状粒子は、その内部の屈折率が半径方向に屈折率
の連続分布を持っており、(即ち、屈折率の面が略同心
球状である分布)、バインダーの屈折率は、球の表面の
屈折率と同一であるような材料である。従って、前記
(II)のGRINディフュザーの材料と原料が異なる
のみで作用の原理、及び物性値上の特徴は同じである。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光源からの光を有効利用でき、コントラストの高い画像
を得ることができると共に、見る角度による視覚依存性
を改善することができるため、低コストで、高品位表示
の液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の好ましい一実施の形態
を示す概略構成図である。
【図2】(A)は本発明の液晶表示装置の光平行化素子
の一実施の形態を示す要部斜視図、(B)は(A)の光
の平行化機構を示す説明図である。
【図3】(A)は本発明の液晶表示装置における光平行
化素子の他の実施の形態を示す要部斜視図、(B)は
(A)における孔の説明図、(C)は(B)の孔におけ
る光の平行化機構を示す説明図である。
【図4】(A)は本発明の液晶表示装置における光平行
化素子の他の実施の形態を示すプリズムシートの斜視
図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図5】(A)〜(D)は本発明のコレステリックカラ
ーフィルタの製造工程を示した説明図である。
【図6】本発明の液晶表示装置における液晶光変調素子
の概略的構成図である。
【図7】(A)は本発明の液晶表示装置における光拡散
体の斜視図、(B)は(A)の光の拡散機能を示す説明
図である。
【図8】本発明の液晶表示装置における光拡散体の要部
詳細図である。
【図9】本発明の液晶表示装置における他の光拡散体の
要部詳細図である。
【符号の説明】
1 基板 6 配向層 7 液晶ポリマー層 8 フォトマスク 10 バックライト 12 光平行化素子 14 コレステリックカラーフィルタ 16 液晶光変調素子 18 光拡散体 122 透明支持体 122A 孔 124 ビーズ 126 透明支持体 128 微小孔 128A 開口部 130 プリズムシート 160 透明支持体 162 ビーズ 164 黒色材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/50 C08G 59/50 4J100 73/00 73/00 G02B 5/20 G02B 5/20 101 101 5/30 5/30 G02F 1/13357 G02F 1/13357 (72)発明者 川畑 耕也 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H048 AA06 AA12 BA04 BA64 BB02 BB42 2H049 BA05 BA18 BA42 BB62 BC22 2H091 FA02Z FA17Z FA21X FA29Z FA31Z FA32X FA32Z FB02 FB04 FB07 FC17 FC19 FC23 LA12 LA15 LA16 LA17 LA19 4J036 AD10 AD13 DC02 DC38 DC40 DC45 DD01 FB03 HA02 JA09 4J043 PA15 QC23 SA13 SB01 SB02 TA38 TB01 TB02 UA131 UA132 UA141 UA262 UB082 UB162 UB211 UB402 VA021 VA022 VA031 VA041 VA042 XB19 XB28 ZB22 ZB23 ZB25 4J100 AL08P AL66P BA02P BA04P BA15P BA40P BA46P BC43P BC44P BC73P CA01 CA03 JA37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光源と、該光源からの拡散光
    を平行光化する光平行化素子と、コレステリックカラー
    フィルタと、光を変調する液晶光変調素子と、該液晶光
    変調素子により変調された光を拡散する光拡散体とを有
    する液晶表示装置において、 前記コレステリックカラーフィルタが、コレステリック
    配向を有するパターニングされたポリマー層であり、か
    つ下記(a)〜(c)の工程で製造されたものであるこ
    とを特徴とする液晶表示装置。 (a)コレステリック配向を有する、少なくとも一種の
    重合性の液晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラ
    ルピッチが異なる少なくとも一種の光変換可能化合物
    と、少なくとも一種の重合開始剤とを含む液晶組成物か
    らなるポリマー層を形成する工程 (b)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
    で照射することによって、照射部の光変換可能化合物の
    少なくとも一部を変換し、コレステリック配向を有する
    パターニングされたポリマー層を形成する工程 (c)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
    れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
    し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
    成する工程
  2. 【請求項2】 少なくとも光源と、該光源からの拡散光
    を平行光化する光平行化素子と、コレステリックカラー
    フィルタと、光を変調する液晶光変調素子と、該液晶光
    変調素子により変調された光を拡散する光拡散体とを有
    する液晶表示装置において、 前記コレステリックカラーフィルタが、コレステリック
    配向を有するパターニングされたポリマー層であり、か
    つ下記(A)〜(D)の工程で製造されたものであるこ
    とを特徴とする液晶表示装置。 (A)配向規則性がない、少なくとも一種の重合性の液
    晶化合物と、変換状態と非変換状態でカイラルピッチが
    異なる少なくとも一種の光変換可能化合物と、少なくと
    も一種の重合開始剤とを含む液晶組成物からなるポリマ
    ー層を形成する工程 (B)所望のパターンで前記ポリマー層を特定波長の光
    で照射し、光変換可能化合物の少なくとも一部を変換
    し、パターニングされたポリマー層を形成する工程 (C)前記パターニングされたポリマー層が液晶層を呈
    する温度に昇温し、螺旋軸が略法線方向であるコレステ
    リック配向を有するパターニングされたポリマー層を形
    成する工程 (D)前記コレステリック配向を有するパターニングさ
    れたポリマー層に前記特定波長と異なる波長の光を照射
    し、重合及び/又は架橋によって3次元ポリマー層を形
    成する工程
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005275322A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ基板、液晶ディスプレイ用基材、及び液晶表示装置
JP2006274093A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 感光性組成物、及びそれを用いた光学素子とその製造方法
EP2420868A3 (en) * 2007-10-16 2012-07-04 Rohm and Haas Company Light diffusing articles

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