JP2001303057A - コレステリック液晶組成物及びコレステリック液晶カラーフィルタ - Google Patents

コレステリック液晶組成物及びコレステリック液晶カラーフィルタ

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JP2001303057A
JP2001303057A JP2000119117A JP2000119117A JP2001303057A JP 2001303057 A JP2001303057 A JP 2001303057A JP 2000119117 A JP2000119117 A JP 2000119117A JP 2000119117 A JP2000119117 A JP 2000119117A JP 2001303057 A JP2001303057 A JP 2001303057A
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cholesteric liquid
light
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wavelength
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JP2000119117A
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Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Takekatsu Sugiyama
武勝 杉山
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射によるパターニング及び固定化が可能
で、色ズレがなく高鮮鋭にパターン化された選択反射像
を形成しうるコレステリック液晶組成物、及び所定の選
択反射色を有し、高鮮鋭で耐熱性を備えたコレステリッ
ク液晶カラーフィルタを提供する。 【解決手段】 液晶性の重合性モノマー、光反応性カイ
ラル化合物、重合開始剤、及び色素をそれぞれ少なくと
も一種ずつ含み、前記色素の光吸収ピーク波長が、前記
光反応性カイラル化合物の光感応ピーク波長と重合開始
剤の光感応ピーク波長との間に存在することを特徴とす
るコレステリック液晶組成物である。色素の光吸収ピー
ク波長が300〜400nmにある態様が好ましい。該
液晶組成物を、第一の光により画像様に露光した後、第
二の光により重合硬化する工程を少なくとも一工程含む
コレステリック液晶カラーフィルタの製造方法により得
られることを特徴とするコレステリック液晶カラーフィ
ルタである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、選択反射を示すコ
レステリック液晶化合物を含むコレステリック液晶組成
物、及び該液晶組成物をパターニングして得られ、LC
D等の表示デバイスに用いられるコレステリック液晶カ
ラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレー等に用いられる
カラーフィルタは、一般に、赤色(R)、緑色(G)、
青色(B)の各画素と、その間隙に表示コントラスト向
上を目的とするブラックマトリクスと、が形成されて構
成される。このようなカラーフィルタは、従来、樹脂中
に顔料を分散させたものや染料を染着させたものが主流
であり、製造方法においても、これらの着色樹脂液をス
ピンコート等によりガラス基板上に塗布して着色レジス
ト層を形成し、フォトリソグラフィーによるパターニン
グを行ってカラーフィルタ画素を形成したり、着色画素
を基板に直接印刷したりすることでカラーフィルタを作
製していた。
【0003】しかし、例えば、印刷法によるカラーフィ
ルタの製造方法では、画素の解像度が低く、高解像度の
画像パターンには対応が難しいという欠点があり、スピ
ンコート法による製造方法では材料ロスが大きく、また
大面積の基板に塗布する場合の塗布ムラが大きいといっ
た欠点があった。また、電着法による製造方法による
と、比較的解像度が高く、着色層のムラも少ないカラー
フィルタを得ることができるが、製造工程が煩雑であ
り、液管理も難しいといった難点を有していた。以上よ
り、カラーフィルタの製造工程としては、材料ロスが少
なく高効率に、かつ簡便に高品質なカラーフィルタを製
造しうる製造方法が要望されていた。
【0004】一方、カラーフィルタの性能としては、透
過率、色純度が高いことが要求されるが、近年、染料を
用いた方法では染料の種類や染着樹脂を最適化したり、
顔料を用いる方法ではより微細分散した顔料を用いるこ
とにより上記要求に対する向上が図られてきた。しかし
ながら、最近では、液晶ディスプレイ(LCD)パネル
における、カラーフィルタの透過率、色純度に対する要
求は非常に高い。特に、反射型LCD用カラーフィルタ
においては、ペーパーホワイトの白表示とコントラス
ト、及び色再現性の両立が難しい一方、従来の製造方法
における、樹脂中に染料を染着させ、或いは、顔料を分
散させて製造されるカラーフィルタは、いずれも光吸収
型のカラーフィルタであるため、更なる透過率の向上に
よる色純度の改善はほぼ限界に達していた。
【0005】以上のような状況に対して、コレステリッ
ク液晶を主成分とする偏光利用型カラーフィルタが知ら
れている。この偏光利用型カラーフィルタは、一定の光
量を反射し、それ以外を透過して画像表示を行うため、
光の利用効率が高く、透過率、色純度の点でも光吸収型
のカラーフィルタよりも卓越した性能を有する。一方、
その製造方法には、均一厚が得られる観点から、基板上
にスピンコート法等により成膜する方法が一般に行われ
てきたが、材料ロスが大きい問題があり、コストの点で
不利であった。
【0006】上記問題を解決しながら、フィルタ膜の色
純度等の均一性が確保でき、製造工程数の低減をも実現
し得る手段としては、光反応型のカイラル化合物を用い
た方法が有用である。この方法は、光反応型カイラル化
合物を含む液晶組成物に前記光反応型カイラル化合物の
反応波長の光をパターン状に照射すると、その照射エネ
ルギーの強度に応じてカイラル化合物の反応が進行する
ため、各画素ごとに液晶化合物の螺旋ピッチが変化して
個々に選択反射色の分布が形成されるという原理を用い
ている。つまり、カラーフィルタ形成時におけるパター
ニングの回数は一回のマスク露光で完了しうるといたメ
リットがある。即ち、画像様に光照射してパターニング
した後、パターニングされたコレステリック液晶化合物
を固定化してカラーフィルタとして機能する膜が形成さ
れる。
【0007】ここで、上記固定化を可能とする手段とし
て、前記液晶化合物として高分子系の液晶化合物を用
い、パターニングした後にガラス転移温度以下に急冷す
る方法が提案されている。しかし、この方法では、固定
化後の液晶組成物の耐熱性を得ることが困難であった。
【0008】また、別の手段として、液晶組成物として
重合性液晶モノマーを用い、パターニングのための露光
を行った後、更に光照射して液晶組成物自体に重合反応
を起こさせ硬化(固定化)させる方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、成膜後の耐熱性には優れる
ものの、画像様に光照射してパターニングする段階で重
合反応が部分的に進行してしまう問題がある。
【0009】更に、パターニング時の露光に反応して液
晶化合物のピッチを変える光反応性のカイラル化合物自
体の光感応波長が、共存する重合開始剤の光感応波長と
ほぼ同一波長域に存在するため、パターニング後(第一
の露光後)に更に光照射(第二の露光)して重合硬化す
る過程でカイラル化合物が再び感応し色ズレを生ずる問
題もある。これは、カイラル化合物の光感応波長域と重
合開始剤の光感応波長域との重なり領域が存在する限り
起こり得、パターニングと固定化とを共に光照射を手段
に行う場合には色ズレを回避することは困難であった。
【0010】上記二つの問題は、干渉フィルタ等を用い
て露光波長を選択しても、干渉フィルタの透過スペクト
ルが角度依存性を有するために均一性を確保することは
難しい。従って、従来よりパターニング後の重合硬化
(固定化)には、電子線を用いる方法が提案されている
が、工業的にみると実用的な方法とはいい難い。
【0011】以上より、コレステリック液晶カラーフィ
ルタの作製において、液晶組成物のパターニング及び重
合硬化(固定化)のいずれをも光照射により行う場合で
も、色ズレがなく所定の選択反射色を示し、鮮鋭度の高
いコレステリック液晶カラーフィルタを安定に作製しう
る製造方法は、未だ提供されていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、光照射によるパターニング
及び重合硬化(固定化)が可能で、色ズレがなく高鮮鋭
にパターン化された選択反射像を形成しうるコレステリ
ック液晶組成物を提供することを目的とする。本発明
は、色ズレのない所定の選択反射色を有し、高鮮鋭でか
つ耐熱性を備えたコレステリック液晶カラーフィルタを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、パターニ
ング後の重合硬化(固定化)に光を用いるコレステリッ
ク液晶カラーフィルタの製造において、色ズレのない選
択反射像を安定に形成しうる技術に関し鋭意検討を重ね
た結果、液晶化合物を構造変化させる光反応性カイラル
化合物の光感応波長域と、液晶化合物の重合を開始する
重合開始剤の光感応波長域とは近接若しくは重なり領域
を有することが多く、これら材料の選択のみではパター
ニングと硬化との感度分離ができないことが判った。
【0014】前記課題を解決するための手段は以下の通
りである。即ち、 <1> 少なくとも一種の液晶性の重合性モノマーと、
少なくとも一種の光反応性カイラル化合物と、少なくと
も一種の重合開始剤と、少なくとも一種の色素とを含有
するコレステリック液晶組成物であって、前記色素の光
吸収ピーク波長が、前記光反応性カイラル化合物の光感
応ピーク波長と重合開始剤の光感応ピーク波長との間に
存在することを特徴とするコレステリック液晶組成物で
ある。
【0015】<2> 色素の光吸収ピーク波長が、30
0〜400nmの範囲に存在する前記<1>に記載のコ
レステリック液晶組成物である。 <3> 色素が、紫外線吸収剤又はその前駆体である前
記<1>又は<2>に記載のコレステリック液晶組成物
である。
【0016】<4> 色素が、その構造中に重合性の結
合基を含む前記<1>〜<3>のいずれかに記載のコレ
ステリック液晶組成物である。
【0017】<5> 光反応性カイラル化合物の光感応
ピーク波長が、重合開始剤の光感応ピーク波長よりも長
波長側にある前記<1>〜<4>のいずれかに記載のコ
レステリック液晶組成物である。
【0018】<6> 前記<1>〜<5>のいずれかに
記載のコレステリック液晶組成物を、第一の光により画
像様に露光してパターニングした後、第二の光により光
重合させて硬化する工程を少なくとも一工程含むコレス
テリック液晶カラーフィルタの製造方法により得られる
ことを特徴とするコレステリック液晶カラーフィルタで
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のコレステリック液晶組成
物においては、光反応性カイラル化合物の光感応ピーク
波長と重合開始剤の光感応ピーク波長との間に、光吸収
ピーク波長を持つ色素を用いる。本発明のコレステリッ
ク液晶カラーフィルタにおいては、前記コレステリック
液晶組成物を含んで構成される。以下、本発明のコレス
テリック液晶組成物及びコレステリック液晶カラーフィ
ルタについて詳細に説明する。
【0020】<コレステリック液晶組成物>本発明のコ
レステリック組成物(以下、単に「液晶組成物」という
ことがある。)は、少なくとも一種の液晶性の重合性モ
ノマーと、少なくとも一種の光反応性カイラル化合物
と、少なくとも一種の重合開始剤と、少なくとも一種の
色素とを含有してなり、必要に応じて、バインダ樹脂、
溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、顔料、紫外線
吸収剤、ゲル化剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【0021】(色素)前記色素は、その光吸収ピーク波
長(λ)が後述の光反応性カイラル化合物の光感応ピー
ク波長(λa)と重合開始剤の光感応ピーク波長(λb
との間にある色素である。光吸収ピーク波長λとは、光
の吸収効率がもっとも高い波長(λmax)をいい、光
感応ピーク波長λaとは、カイラル化合物が光に対して
最大感度を示す時の波長をいい、光感応ピーク波長λb
とは、重合開始剤が光に対して最大感度を示す時の波長
をいう。
【0022】このような色素を共存させることにより、
波長λaから波長λbの間の波長領域に含まれる、波長λ
aから波長λb側に伸びるカイラル化合物の光感度及び波
長λ bから波長λa側に伸びる重合開始剤の光感度を低下
させることができる。特に、カイラル化合物と重合開始
剤とが共に光感度を有する波長領域における両者の光感
度を低下させることができ、液晶組成物のパターニング
時の光感度と重合硬化(固定化)時の光感度とを分離す
ることが可能となる。即ち、この感応波長の分離によ
り、パターニングと重合硬化(固定化)時の照射波長を
干渉フィルタや複数光源等を用いて選択することによ
り、パターニングされた選択反射像の形成と重合反応を
切り分けて行うことができる。したがって、パターニン
グ後に固定化する過程で、カイラル化合物が再び感応し
て液晶化合物の螺旋構造が変化し、色ズレを起こすのを
防止できる。
【0023】ここで、色素の光吸収ピーク波長(λ)
は、λaからλbの間にあることが必要であるが、特に、
カイラル化合物の光感応波長領域を示すスペクトル曲線
と重合開始剤の光感応波長領域を示すスペクトル曲線と
が交わる波長付近、即ち、両者が共に光感度を持つ領域
付近(波長(nm)を横軸とする光感度曲線における、横軸
と両スペクトル曲線とで囲まれた面積領域)にあること
が好ましく、λから長波長側及び低波長側に広がる裾部
が広過ぎる場合や、λがλa又はλbと近接する場合など
は、パターニング感度や光重合感度の低下を伴うことが
あるので好ましくない。具体的には、色素の光吸収ピー
ク波長(λ)は、使用するカイラル化合物及び光重合開
始剤の種類に応じて異なるが、300≦λ≦400nm
を満たすことが好ましい。
【0024】また、膜の耐熱性の点で、色素がその構造
中に重合性の結合基を有しているものが好ましい。該結
合基を有する色素と有しない色素とを併用してもよい。
【0025】前記色素としては、公知のものの中から適
宜選択することができ、例えば、ベンゾトリアゾール
系、トリアジン系等の紫外線吸収剤又はその前駆体等が
挙げられる。該色素は、市販品であってもよく、例え
ば、チバ・ガイギー(株)製のTINUVIN213(λmax=
344)、TINUVIN571(λmax=343)、TINUVIN
1577F(λmax=274)、TINUVIN400(λmax
=346)、TINUVIN P(λmax=340)、TINUVIN2
34(λmax=346)、TINUVIN320(λmax=34
5)等、住友化学工業(株)製のSumisorb20
0、Sumisorb300、AntigeneNBC
等、が挙げられる。
【0026】コレステリック液晶組成物中における色素
の含有量としては、0.5〜20重量%が好ましく、2
〜10重量%がより好ましい。前記含有量が0.5重量
%未満であると、パターニング感度と光重合感度とを十
分に分離できず、色ズレを生ずることがあり、20重量
%を超えると、パターニングや重合の感度低下を生ずる
ことがある。
【0027】(液晶性の重合性モノマー)本発明におい
ては、液晶化合物として、液晶性の重合性モノマーを用
いる。該液晶性の重合性モノマーは、その屈折率異方性
Δnが0.10〜0.40で、重合性基を持つネマチッ
ク液晶性の化合物である。溶融時の液晶状態にある間
に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基
板を用い、共存するカイラル化合物の光反応性を利用し
て所定の向きに配向させ、更に光照射して固定化させる
ことにより固相として使用することができる。
【0028】以下、前記液晶性の重合性モノマーの具体
例を示すが、本発明においてはこれらに限定されるもの
ではない。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】前記式中、nは、1〜1000の整数を表
す。前記各例示化合物においては、その側鎖連結基が、
以下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙
げることができる。
【0033】
【化4】
【0034】上記のうち、液晶性の重合性モノマーとし
ては、硬化性に優れ、層の耐熱性を確保しうる観点か
ら、分子内に重合性基あるいは架橋性基を有するネマチ
ック液晶性化合物が好ましい。
【0035】前記液晶性の重合性モノマーの含有量とし
ては、コレステリック液晶組成物の全重量に対して、3
0〜98重量%が好ましく、50〜95重量%がより好
ましい。前記含有量が、30重量%未満であると、液晶
性の重合性モノマーの配向が不十分となることがある。
【0036】(光反応性カイラル化合物)前記光反応性
カイラル化合物は、コレステリック液晶組成物に誘起す
る螺旋ピッチを光照射(紫外線〜可視光線〜赤外線)に
よって変化させうる化合物であり、このため必要な部位
(分子構造単位)として、カイラル部位と光の照射によ
って構造変化を生じる部位とを有する。これらの部位
は、1分子中に含有されているものが好ましい。本発明
においては、前記光反応性カイラル化合物の他、捻れ性
の温度依存性が大きいカイラル化合物など、光反応しな
いカイラル化合物を併用することもできる。
【0037】カイラル化合物は、パターニング感度を向
上させるためにその光感応ピーク波長が重合開始剤の光
感応ピーク波長よりも長波長側にあるものが好ましい。
また、カイラル化合物は、コレステリック液晶組成物の
螺旋構造を誘起する力が大きいものが好ましく、このた
めにはカイラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲
をリジットな構造とすることが好ましく、分子量は30
0以上が好ましい。光照射による螺旋構造の誘起力を大
きくするためには、光照射による構造変化の度合いの大
きいものを使用し、カイラル部位と光照射による構造変
化を生じる部位を近接させることが好ましい。
【0038】さらに、液晶性の重合性モノマーへの溶解
性の高いカイラル化合物が好ましく、その溶解度パラメ
ータSP値が、液晶性の重合性モノマーに近似するもの
がより好ましい。また、カイラル化合物の構造を重合性
の結合基が1以上導入された構造にすると、形成された
液晶組成物膜(カラーフィルタ)の耐熱性を向上させる
ことができる。
【0039】光照射により、構造変化する光反応部分の
構造例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、
入江正浩著、化学工業、vol.64,p.640,1
999、内田欣吾、入江正浩著、ファインケミカル、v
ol.28(9),p.15,1999)等に記載のも
のが挙げられる。以下、具体例を示すが、本発明におい
てはこれらに限定されるものではない。
【0040】
【化5】
【0041】式中、R1、R2は、アルキル基、アルコキ
シ基、アニケニル基、アクリロイルオキシ基を表す。
【0042】カイラル部位としては、光照射によって、
分解や付加反応、異性化、2量化反応等が起こり、不可
逆的に構造変化をするものであってもよい。さらに、カ
イラル部位としては、例えば、以下に例示する化合物の
*印を付した炭素原子のような、4つの結合にそれぞれ
異なった基が結合した不斉炭素等が相当する(液晶の化
学、No.22、野平博之、化学総説、p.73、199
4)。
【0043】
【化6】
【0044】また、カイラル部位と光異性化部を併せ持
つ光反応性カイラル化合物としては、下記化合物を一例
として挙げることができる。
【0045】
【化7】
【0046】コレステリック液晶組成物中におけるカイ
ラル化合物の全含有量としては、特に制限はなく適宜選
択できるが、2〜30重量%程度が好ましい。
【0047】(重合開始剤)前記重合開始剤は、光照射
によりラジカルを発生し、コレステリック液晶組成物中
の液晶分子(液晶性の重合性モノマー)の重合性基の重
合反応を促進させる。その結果、液晶分子は所定の選択
反射を示す螺旋ピッチに固定され、更に液晶組成物の膜
強度を向上させる。
【0048】前記重合開始剤としては、公知のものの中
から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフ
ェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロ
ロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニル
アクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベ
ンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイ
ミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジル
ジメチルケタール、チオキサントン/アミン等が挙げら
れる。
【0049】前記重合開始剤の添加量としては、コレス
テリック液晶組成物の全重量に対して、0.1〜20重
量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。前
記添加量が、0.1重量%未満であると、光照射時の硬
化効率が低いため長時間を要することがあり、20重量
%を越えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率
が劣ることがある。
【0050】(その他の成分) −バインダ樹脂− 前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、
ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物、メ
チルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロー
ス等のセルロース樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する
酸性セルロース誘導体、ポリビニルフォルマール、ポリ
ビニルブチラール等のアセタール樹脂、特開昭59−4
4615号、特公昭54−34327号、特公昭58−
12577号、特公昭54−25957号、特開昭59
−53836号、特開昭59−71048号に記載のメ
タクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸
共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、
部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0051】アクリル酸アルキルエステルのホモポリマ
ー及びメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー
も挙げられ、これらについては、アルキル基がメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−
エチルヘキシル基等のものを挙げることができる。その
他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を添加させたも
の、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸
のホモポリマータ)アクリル酸共重合体やベンジル(メ
タ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマー
の多元共重合体等が挙げられる。
【0052】コレステリック組成物中におけるバインダ
ーの含有量としては、0〜50重量%が好ましく、0〜
30重量%がより好ましい。前記含有量が、50重量%
を超えると、液晶化合物の配向が不十分となることがあ
る。
【0053】−重合禁止剤− また、保存性の向上の目的で、重合禁止剤を添加するこ
ともできる。該重合禁止剤としては、例えば、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチ
アジン、ベンゾキノン、及びこれらの誘導体等が挙げら
れ、これらは、液晶性の重合性モノマーの重量に対し
て、0〜10重量%添加することが好ましく、0〜5重
量%添加することがより好ましい。
【0054】<コレステリック液晶カラーフィルタ>本
発明のコレステリック液晶カラーフィルタは、上述した
コレステリック液晶組成物を含んでなり、該コレステリ
ック液晶組成物を、第一の光により画像様に露光してパ
ターニングした後、第二の光により光重合させて硬化す
る工程(以下、「露光工程」ということがある。)を少
なくとも一工程含むコレステリック液晶カラーフィルタ
の製造方法により作製される。また、該コレステリック
液晶カラーフィルタの製造方法には、選択する具体的な
製造態様に応じて、適宜、液晶組成物を基板上に設けて
液晶層を形成する工程、液晶組成物との接触面に配向処
理を施す工程、密着・剥離により液晶組成物(液晶層)
を転写等する工程、などを含んで構成される。
【0055】以下、コレステリック液晶カラーフィルタ
の製造方法の説明を通じて、本発明のコレステリック液
晶カラーフィルタについて詳述する。本発明のコレステ
リック液晶カラーフィルタは、上述のコレステリック液
晶組成物のみから構成されたシート形態のものであって
もよいし、所望の支持体上にコレステリック液晶組成物
含む液晶層が設けられた態様のものであってもよく、更
に配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられていても
よい。前者の場合、コレステリック液晶組成物を含む層
が二層以上積層することもでき、この場合には後述する
露光工程は複数工程設けられる。
【0056】−露光工程− 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタは、コレス
テリック液晶組成物に露光工程を少なくとも一回施さ
れ、所望の選択反射色で構成された画素パターンが形成
される。該露光工程では、液晶化合物のパターニング及
び固定化(重合硬化)のいずれもを光の照射によって行
う。即ち、光反応性カイラル化合物が高感度に感応しう
る波長の第一の光により画像様に露光してパターニング
した後、重合開始剤が高感度に感応しうる第二の光によ
り光重合させて硬化し、所望の選択反射色に液晶化合物
の螺旋構造を固定化する。
【0057】前記第一の光が液晶組成物に照射される
と、その照度に応じて、共存する光反応性カイラル化合
物が感応して液晶化合物の螺旋構造が変化し、この構造
変化により異なる選択反射色を示し、画像様のパターン
が形成される。従って、所望の領域ごとに照射強度を変
えて光照射すれば、照射強度に対応して複数色を呈し、
例えば、画像様に光透過率を変えて作成された露光用マ
スクを介して露光することにより、一回の光照射によっ
て画像を、即ち異なる選択反射をする有色領域を同時形
成することができる。更に、第二の光を照射することに
より硬化(固定化)させることによりコレステリック液
晶カラーフィルタを作製できる。
【0058】前記第一の光の波長としては、光反応性カ
イラル化合物の光感応波長域、特に光感応ピーク波長に
近接する波長に設定することが、十分なパターニング感
度が得られる点で好ましい。また、第二の光の波長とし
ては、重合開始剤の光感応波長域、特に光感応ピーク波
長に近接する波長に設定することが、十分な光重合感度
が得られる点で好ましい。また、第一及び第二の光の照
度(照射強度)には特に制限はなく、パターニング時及
び重合硬化時の光感度が十分得られるように、使用する
材料に応じて適宜選択できる。
【0059】前記第一の光及び第二の光の照射に用いる
光源としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変
化及び重合反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光
源が好ましく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。また、光
量可変機能を備えることが好ましい。
【0060】前記第一及び第二の光は、照射波長及び照
度の均一化及び装置構成の簡易化を図る観点から、同一
波長の光(単一光源)であってもよい。この場合、後述
の重合性モノマーの重合反応を起こさない照度(照射強
度)で前記第一の光の照射を行い、パターニングされた
各画素の選択反射波長帯の半値幅の増大を10%以下に
維持し得る照度で前記第二の光の照射を行うことが好ま
しい。通常、露光工程は酸素の存在下で行われ、該酸素
によるラジカルクエンチの影響を受けて重合反応速度が
低下し、鮮鋭さの低下や色ズレを起こしやすいが、迅速
に硬化させることで酸素による影響が回避でき、色ズレ
がなく所定の選択反射色を有するコレステリック液晶カ
ラーフィルタを作製できる。
【0061】ここで、重合性モノマーの重合反応を起こ
さない照度とは、パターニングと同時に部分的に重合反
応が進行するのを回避しうる照射強度をいう。また、各
画素の選択反射波長帯の半値幅の増大を10%以下に維
持し得る照度とは、所定の選択反射波長(所望の色相)
からの波長のズレ(色ズレ;第一の光の照射により得た
選択反射波長帯の半値幅からのズレ)を10%以下に維
持しつつ固定化する照射強度をいう。即ち、前記第一の
光が液晶組成物に照射されると、画像様に選択反射色を
示す画素パターンが形成され、更に、第二の光を照射し
て、迅速に重合反応を進行させ、第二の光にカイラル化
合物が感応して液晶化合物の螺旋構造が変化する前に硬
化(固定化)させるのである。
【0062】ここで、第一及び第二の光が同一波長であ
る場合とは、第一の光と第二の光とのスペクトルプロフ
ァイルが実質的に同一である場合をいい、第一及び第二
の光は実質的に同一の主波長域を有していればよく、両
光のスペクトルプロファイルが完全に一致していること
は要求されない。本発明においては、スペクトルプロフ
ァイル中の主となる波長成分がほぼ同じであれば同一波
長の光とする。
【0063】この場合の第一の光の照度としては、具体
的には、100mW・cm-2以下が好ましく、カイラル
化合物の光感度を考慮すると、2mW・cm-2以上が好
ましい。また、前記第二の光の照度としては、具体的に
は、150mW・cm-2以上が好ましく、カイラル化合
物の光感度を考慮すると、200〜500mW・cm -2
が好ましい。
【0064】本発明のコレステリック液晶カラーフィル
タは、上述の露光工程を少なくとも一工程含んでなる態
様の製造方法であれば、特に制限はなく、適宜他の工程
と組合せた製造方法により作製できる。例えば、以下に
示す第1、第2の態様の製造方法であってもよい。
【0065】〔第1の態様〕 (1)仮支持体上に、少なくとも塗布液状のコレステリ
ック液晶組成物を設け、コレステリック液晶層を有する
転写材料を形成する工程。前記コレステリック液晶層と
仮支持体との間には、配向膜や、被転写体上に異物等が
ある場合など、転写時における密着性を確保する観点か
ら、熱可塑性樹脂等を含んでなるクッション層を設ける
こともでき、該クッション層等の表面には、ラビング処
理等の配向処理(配向処理工程)を施すことも好まし
い。 (2)前記転写材料を光透過性の基板上にラミネートす
る工程。前記光透過性の基板のほか、基体上に受像層を
有する受像材料を用いてもよい。また、前記転写材料を
用いず、基板上にコレステリック液晶組成物を塗布形成
してもよい(塗布工程)。塗布は、公知の塗布方法の中
から適宜選択して行える。但し、材料ロス及びコストの
点で転写による方法が好ましい。
【0066】(3)光透過性の基板から転写材料を剥離
して、前記基板上にコレステリック液晶層を形成する工
程(転写工程)。該液晶層は、下記(4)を経た後、更
に積層して複数層より構成することもできる。 (4)コレステリック液晶層に露光マスクを介して画像
様に波長λ1の紫外線を照射し選択反射色を示す画素パ
ターンを形成し、これに更に波長λ2の紫外線を照射し
て層を硬化させ、フルカラーのカラーフィルタとする工
程(露光工程)。
【0067】〔第2の態様〕 (1)カラーフィルタを構成する支持体上に、直接コレ
ステリック液晶組成物を設けてコレステリック液晶層を
形成する工程。ここで、液晶層は、塗布液状に調製した
液晶組成物をスピンコート法等の公知の塗布方法により
塗布形成することができる。また、前記コレステリック
液晶層と仮支持体との間には、上記同様の配向膜が形成
されていてもよい。該配向膜等の表面には、ラビング処
理等の配向処理(配向処理工程)を施すことも好まし
い。 (2)前記第1の態様の工程(4)と同様の露光工程。
【0068】カラーフィルタとして機能する液晶層(シ
ート状の液晶組成物)の厚みとしては、1.5〜4μm
が好ましい。
【0069】本発明のコレステリック液晶カラーフィル
タを製造する方法の一例を、図1から図3により以下に
説明する。図1〜3は、本発明のコレステリック液晶カ
ラーフィルタを製造する工程の一部を示す概略図であ
る。まず、既述の各成分を適当な溶媒に溶解し、塗布液
状コレステリック液晶組成物を調製する。ここで、前記
溶媒としては、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノ
ン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が挙げられ
る。
【0070】図1−(A)のように、支持体10(以
下、「仮支持体」ともいう)を準備し、該支持体10上
に、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩ビニル
等を塗布形成してクッション層(熱可塑性樹脂層)12
を設け、更にポリビニルアルコール等よりなる配向膜1
4を積層する。この配向膜は、図1−(B)に示すよう
にしてラビング処理により形成される。このラビング処
理は、必ずしも必要ではないが、ラビング処理した方が
より配向性を向上させることができる。次に、図1−
(C)に示すように、前記配向膜14上に、塗布液状の
コレステリック液晶組成物を塗布、乾燥しコレステリッ
ク液晶層16を形成した後、このコレステリック液晶層
16上にカバーフィルム18を設けて、転写材料を作製
する。以下、該転写材料を転写シート20と称する。
【0071】一方、図1−(D)に示すように、別の支
持体22を準備し、該支持体上に上記と同様にして配向
膜24を形成し、その表面にラビング処理を施す。以
下、これをカラーフィルタ用基板26と称する。
【0072】次いで、図2−(E)に示すように、転写
シート20のカバーフィルム18を剥がした後、該転写
シート20のコレステリック液晶層16の表面と、カラ
ーフィルタ用基板26の配向膜24の表面とが接触する
ように重ね合わせ、図中の矢印方向に回転するロールを
通してラミネートされる。その後、図1−(F)に示す
ように、転写シート20の配向膜14とクッション層1
2との間で剥離され、カラーフィルタ用基板上に、コレ
ステリック液晶層が配向膜14と共に転写される。この
場合、クッション層12は、必ずしも仮支持体10と共
に剥離されなくてもよい。
【0073】転写後、図3−(G)に示すように、配向
膜14の上方に、光の透過率の異なる領域を複数有する
露光マスク28が配置され、このマスク28を介して第
一の光(波長λI)をコレステリック液晶層16にパタ
ーン状に照射される。コレステリック液晶層16には、
光照射量によって螺旋ピッチが異なるように液晶化合
物、カイラル化合物等が含まれており、螺旋ピッチが異
なる構造が各パターン毎に、例えば、緑色(G)を反射
し、青色(B)及び赤色(R)を透過させる領域、青色
(B)を反射し、緑色(G)及び赤色(R)を透過させ
る領域、赤色(R)を反射し、緑色(G)及び青色
(B)を透過させる領域を形成するように形成される。
【0074】次に、図5−(H)に示すように、コレス
テリック液晶層16に対して、更に第二の光(波長
λII;λI≠λII或いはλI=λII)を照射して、パター
ンを固定化する。その後、シクロヘキサノン等の溶媒洗
浄により、コレステリック液晶層16上の不要部分(例
えば、クッション層、中間層等の残存部、未露光部)を
除去することにより、図3−(I)に示すように、BG
Rの反射領域を有するコレステリック液晶層を形成でき
る。
【0075】図1〜3に示す方法は、ラミネート方式に
よるカラーフィルタの製造方法の一形態であるが、カラ
ーフィルタ用基板上に直接液晶層を塗布形成する塗布方
式による製造方法であってもよい。この場合、上記態様
に当てはめると、図1−(D)に示すカラーフィルタ用
基板26の配向膜24上にコレステリック液晶層を塗
布、乾燥した後、上記同様の図3−(G)〜(I)に示
す工程が順次実施される。
【0076】これらの工程及び使用する支持体などの材
料については、本発明者らが先に提出した特願平11−
342896号及び特願平11−343665号の各明
細書に詳細に記載されている。
【0077】上記のように、液晶組成物中に色素を共存
させることにより、カイラル化合物と重合開始剤とが共
に有する光感応波長域の光感度を消失若しくは低減させ
ることができるので、液晶組成物を固定化するプロセス
で生じやすい、各画素に相当する選択反射像の鮮鋭度の
低下や色ズレの発生を伴わずに、液晶組成物のパターニ
ングとその固定化(重合硬化)との両プロセスを光照射
手段により行うことができる。上記両プロセスを光照射
により行うことで、大幅な装置の簡易化、低コスト化も
達成できる。また、後述の通り、光反応性のカイラル化
合物と作用する液晶性の重合性モノマーにより構成成分
されるので、フィルタ膜自体が耐熱性を損なうこともな
い。
【0078】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0079】(実施例1) <感光性転写材料の作製>仮支持体としてラビング処理
された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートベー
スフィルム(PETフィルム)を準備し、該PETフィ
ルム上に、下記組成よりなる熱可塑性樹脂層用塗布液を
スピンコーターにて塗布し、100℃のオーブンにて2
分間乾燥して15μm厚の熱可塑性樹脂層を形成した。
【0080】 〔熱可塑性樹脂層用塗布液の組成〕 ・スチレン−アクリル酸共重合体 ・・・15重量部 (共重合比=60/40、重量平均分子量8000) ・2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニルプロパン) ・・・ 7重量部 ・フッ素系界面活性剤 ・・・ 1.5重量部 (F−176PF、大日本インキ(株)製) ・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・28重量部 ・メチルエチルケトン ・・・27重量部
【0081】次に、上記熱可塑性樹脂層上に、下記組成
より調製した中間層用塗布液をスピンコーターにより塗
布し、100℃のオーブンにて2分間乾燥して1.6μ
m厚の中間層を積層した。更に、該中間層の表面をナイ
ロン布にてラビング処理を施した。
【0082】 〔中間層用塗布液の組成〕 ・ポリビニルアルコール ・・・ 15重量部 (PVA205、(株)クラレ製) ・ポリビニルピロリドン ・・・ 6重量部 (PVP−K30、五協産業(株)製) ・メタノール ・・・173重量部 ・イオン交換水 ・・・211重量部
【0083】次いで、感光性樹脂層用塗布液として、下
記処方にて調製した塗布液を上記中間層上にスピンコー
ターにて塗布し、100℃のオーブンにて2分間乾燥し
て感光性樹脂層を形成した。更に、該層上にカバーフィ
ルムとして12μm厚のポリプロピレンフィルムを室温
でラミネートし、PETフィルム上に、熱可塑性樹脂
層、中間層、感光性樹脂層、及びカバーフィルムがこの
順に積層された感光性転写材料を得た。
【0084】
【化8】
【0085】<コレステリック液晶カラーフィルタの製
造方法> (1)フィルタ基板の準備 ガラス基板上にポリイミド配向膜塗布液をスピンコータ
ーにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した
後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成
した。更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理
して配向膜付ガラス基板を作製した。
【0086】(2)フィルタ層の形成 上記より得た感光性転写材料よりカバーフィルムを剥離
し、その感光性樹脂層の表面と、前記配向膜付ガラス基
板の配向膜の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネ
ータ(ファーストラミネータ8B−550−80、大成
ラミネータ(株)製)を用いて、2kg/m2の加圧、
130℃のローラ温度、0.2m/minの送り条件で
貼り合わせた。その後、貼り合わせた状態からPETフ
ィルムを熱可塑性樹脂層との界面で剥離してPETフィ
ルムを除去した。
【0087】続いて、ガラス基板の表面で接触するよう
に110℃のホットプレート上に5分間保持し感光性樹
脂層を発色させた。更に、感光性樹脂層上に、透過率が
三段階に異なり(0%、46%、92%)、それぞれの
領域が赤色画素用、緑色画素用、青色画素用に対応して
配列されたフォトマスクと365nmに透過の中心波長
を有する干渉フィルタとを介して超高圧水銀灯を配置
し、このフォトマスク及び干渉フィルタを通して超高圧
水銀灯により照射しパターニングした。このときの照射
エネルギーは青色画素用に対して500mJ/cm2
あった。
【0088】前記フォトマスク及び干渉フィルタ(中心
波長365nm)を取り除き、これらに代えて300n
mに透過の中心波長を有する干渉フィルタを介して、同
じ超高圧水銀灯により照射エネルギー1000mJ/c
2にて全面露光し重合硬化させた。
【0089】その後、所定の処理液(T−PD2、富士
写真フィルム(株)製)を用いて、ガラス基板上の熱可
塑性樹脂層と中間層とを除去した。更にフィルタ部(感
光性樹脂層)を硬化させるために、200℃のオーブン
で10分間焼成し、赤色画素、緑色画素、青色画素パタ
ーンが形成されたカラーフィルタ基板を得た。
【0090】以上のように、光照射により液晶化合物の
パターニング及び重合硬化(固定化)のいずれをも行う
ことができ、色ズレのない所定の選択反射色を有し、高
鮮鋭にパターン化されたカラーフィルタが得られた。し
かも、耐熱性を損なうこともなかった。
【0091】(実施例2)実施例1と同様の、ラビング
処理が施された配向膜を備えた配向膜付ガラス基板を作
製し、該配向膜上に実施例1で調製した感光性樹脂層用
塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオー
ブンにて2分間乾燥した。その後、ガラス基板の表面で
接触するように110℃のホットプレート上に5分間保
持して感光性樹脂層を発色させ、更に該感光性樹脂層上
に、透過率が三段階に異なり(0%、46%、92
%)、それぞれの領域が赤色画素用、緑色画素用、青色
画素用に対応して配列されたフォトマスクと365nm
に透過の中心波長を有する干渉フィルタとを介して超高
圧水銀灯を配置し、このフォトマスク及び干渉フィルタ
を通して超高圧水銀灯により照射しパターニングした。
このときの照射エネルギーは青色画素用に対して500
mJ/cm2であった。
【0092】前記フォトマスク及び干渉フィルタ(中心
波長365nm)を取り除き、これらに代えて300n
mに透過の中心波長を有する干渉フィルタを介して、同
じ超高圧水銀灯により照射エネルギー1000mJ/c
2にて全面露光し重合硬化させた。更にフィルタ部
(感光性樹脂層)を硬化させるために、200℃のオー
ブンで10分間焼成し、赤色画素、緑色画素、青色画素
パターンが形成されたカラーフィルタ基板を得た。
【0093】以上のように、光照射により液晶化合物の
パターニング及び重合硬化(固定化)のいずれをも行う
ことができ、色ズレのない所定の選択反射色を有し、高
鮮鋭にパターン化されたカラーフィルタが得られた。し
かも、耐熱性を損なうこともなかった。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、光照射によるパターニ
ング及び重合硬化(固定化)が可能で、色ズレがなく高
鮮鋭にパターン化された選択反射像を形成しうるコレス
テリック液晶組成物を提供することができる。また、該
コレステリック液晶組成物を含み、色ズレのない所定の
選択反射色を有し、高鮮鋭でかつ耐熱性を備えたコレス
テリック液晶カラーフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【図2】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【図3】 本発明のコレステリック液晶カラーフィルタ
を製造する工程の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
10 支持体(仮支持体) 12 クッション層(熱可塑性樹脂層) 14,24 配向膜 16 コレステリック液晶層(液晶組成物) 18 カバーフィルム 20 転写シート 22 基板 26 カラーフィルタ用基板 28 露光マスク
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 Fターム(参考) 2H048 AA05 AA06 BA47 BA48 BA64 BB02 BB34 BB42 2H088 EA49 GA03 GA10 GA13 GA17 HA03 HA12 2H091 FA02Y FB02 FB04 FC12 FD04 JA02 LA15 4H027 BA02 BA11 BE02 BE04 CF03 CN03 DG04 DH03 DK03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種の液晶性の重合性モノマ
    ーと、少なくとも一種の光反応性カイラル化合物と、少
    なくとも一種の重合開始剤と、少なくとも一種の色素と
    を含有するコレステリック液晶組成物であって、 前記色素の光吸収ピーク波長が、前記光反応性カイラル
    化合物の光感応ピーク波長と重合開始剤の光感応ピーク
    波長との間に存在することを特徴とするコレステリック
    液晶組成物。
  2. 【請求項2】 色素の光吸収ピーク波長が、300〜4
    00nmの範囲に存在する請求項1に記載のコレステリ
    ック液晶組成物。
  3. 【請求項3】 色素が、その構造中に重合性の結合基を
    含む請求項1又は2に記載のコレステリック液晶組成
    物。
  4. 【請求項4】 光反応性カイラル化合物の光感応ピーク
    波長が、重合開始剤の光感応ピーク波長よりも長波長側
    にある請求項1から3のいずれかに記載のコレステリッ
    ク液晶組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のコレ
    ステリック液晶組成物を、第一の光により画像様に露光
    してパターニングした後、第二の光により光重合させて
    硬化する工程を少なくとも一工程含むコレステリック液
    晶カラーフィルタの製造方法により得られることを特徴
    とするコレステリック液晶カラーフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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