JP2003065455A - 切換弁制御装置 - Google Patents

切換弁制御装置

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JP2003065455A
JP2003065455A JP2001255978A JP2001255978A JP2003065455A JP 2003065455 A JP2003065455 A JP 2003065455A JP 2001255978 A JP2001255978 A JP 2001255978A JP 2001255978 A JP2001255978 A JP 2001255978A JP 2003065455 A JP2003065455 A JP 2003065455A
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靖久 大嶋
Koichi Aoyama
浩一 青山
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Junko Seki
純子 関
Takahiko Ito
孝彦 伊東
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Tamura Electric Works Ltd
Yukigaya Institute Co Ltd
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YUKIGAYA SEIGYO KENKYUSHO KK
Tamura Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 理想的には電力エネルギーを使用せず、高効
率で、ムービングバルブを駆動可能とする。 【解決手段】 ムービングコイルの巻線へ定電流(+
i)を供給する(t0点)。これにより、ローレンツ力
が発生し、スプールがムービングバルブとともに加速移
動する。スプールのストローク位置Sが第1の切換状態
(移動開始地点)から第2の切換状態(停止目標地点)
までの移動ストローク長Lの1/2(S=L/2)に達
した時点で(t1点)、駆動電流(+i)の供給を遮断
する。ムービングコイルは、駆動電流(+i)の供給が
断たれた後も、スプールとともに慣性によって直線運動
する。この時、ムービングコイルの巻線にそれまでとは
逆方向の誘導電流(−i)が流れる。この誘導電流(−
i)を直流電源等に回生する。直線運動を続けるムービ
ングコイルおよびスプールは回生制動によって減速す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ムービングコイ
ルを用いた切換弁(高速度切換弁)に付設される切換弁
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】〔ソレノイドバルブ〕一般に、油圧バル
ブとしては、ソレノイドバルブが用いられている。ソレ
ノイドバルブは、ソレノイドの付勢によって可動鉄芯を
作動させ、この可動鉄芯によってプランジャの一端を打
撃することにより、プランジャを軸方向へ移動させて油
路を切り換える。このため、ソレノイドバルブでは、高
頻度に反復作動を行う場合、可動鉄芯の衝撃による騒
音,振動が大となる。また、可動鉄芯を介するために、
作動遅れが避けられず、高速度で油路の切り換えを行う
ことができない。
【0003】〔高速度切換弁(ムービングバルブ)〕そ
こで、高頻度反復高速作動に適する切換弁として、特公
昭45−34351号公報(文献1)などにより、ムー
ビングコイルを用いた高速度切換弁(以下、ムービング
バルブと呼ぶ)が提案されている。図9に従来のムービ
ングバルブの概略を示す。同図において、101はバル
ブ本体、102はサブブロック、103はコーンフラン
ジ、104は外側ヨーク、105はセンタヨークであ
り、これらは止めねじによって一体的に組み合わされて
いる。
【0004】バルブ本体101内にはスプール107が
組み込まれている。スプール107は、両側に設けられ
たスプリングアダプタ108,108との間に介装され
たスプリング109,109によって、軸方向へ移動可
能にバルブ本体101内に保持されている。また、スプ
ール107の一端には、ムービングコイル112が止め
ねじ110により一体的に連結されている。ムービング
コイル112はボビン112−1とボビン112−1に
巻かれた巻線112−2とによって構成されている。外
側ヨーク104とセンタヨーク105との間には励磁コ
イル113が設けられている。
【0005】114は励磁コイル113への電源供給用
の端子、115はムービングコイル112への電源供給
用の端子、116は冷却用オイルの入口、117は冷却
用オイルの出口、119〜124は外部への漏油を防ぐ
Oリング、125は油圧回路の圧力入口(Aポート)、
126,127は油圧回路の圧力出口(Bポート,Cポ
ート)である。
【0006】〔動作原理〕端子114を介して励磁コイ
ル113へ電源を供給する。これにより、励磁コイル1
13へ電流が流れ、この電流によって励磁コイル113
が磁界を発生し、センタヨーク105および外側ヨーク
104を磁路とする磁気回路が形成され、この磁気回路
中の磁界がムービングコイル112の巻線112−2と
直交する。この状態で、端子115を介してムービング
コイル112に電源を供給すると、ムービングコイル1
12の巻線112−2に駆動電流が流れ、このムービン
グコイル112の巻線112−2を流れる駆動電流と直
交する磁界との相互作用によって力(ローレンツ力)が
発生する。このローレンツ力によってムービングコイル
112およびこのムービングコイル112に連結された
スプール107が移動する。ローレンツ力の方向はムー
ビングコイル112の巻線112−2を流れる電流の方
向によって異なる。
【0007】例えば、ムービングコイル112の巻線1
12−2に図示A方向への駆動電流を流すと、このA方
向への駆動電流と直交する磁界との相互作用によって発
生するローレンツ力によりスプール107がムービング
コイル112とともに図示左方向へ移動し、Aポート1
25とCポート127とが連通状態となる。ムービング
コイル112の巻線112−2に図示B方向への駆動電
流を流すと、このB方向への駆動電流と直交する磁界と
の相互作用によって発生するローレンツ力によりスプー
ル107がムービングコイル112とともに図示右方向
へ移動し、Aポート125とBポート126とが連通状
態となる。
【0008】このムービングバルブ100では、その動
作原理から分かるように、ムービングコイル112で直
接スプール107が駆動されるので、ソレノイドバルブ
のような可動鉄芯の衝撃による騒音,振動などがなく、
また作動遅れも生じず、高速度で油路を切り換えること
が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このム
ービングバルブ100において、油路の切り換え動作の
開始から実際に切り換えられるまでの期間に着目した場
合、すなわちスプール107の移動を開始してから移動
を終了するまでの移動期間に着目した場合、その移動期
間の全てにおいてムービングコイル112の巻線112
−2に駆動電流を供給するようにしているため、消費電
力が大きいという問題があった。最近では、ムービング
バルブをメインバルブとして用いることも考えられてお
り、メインバルブではさらに大電力を必要とする。
【0010】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、理想的には
電力エネルギーを使用せず、高効率で、ムービングバル
ブを駆動することの可能な切換弁制御装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ムービングコイルの巻線に駆動電
流を供給し、この巻線を流れる駆動電流と交叉する磁界
との相互作用によってムービングコイルおよびスプール
を駆動する駆動手段と、この駆動手段によるムービング
コイルおよびスプールの駆動中の所定のタイミングでム
ービングコイルの巻線への駆動電流を遮断する駆動電流
遮断手段と、駆動電流を遮断した後に軸線に沿って直線
運動するムービングコイルと交叉する磁界との相互作用
によってムービングコイルの巻線に流れる電流を回生電
流として形成する回生手段とを設けたものである。
【0012】この発明によれば、ムービングコイルの巻
線に駆動電流を流すと、この巻線を流れる駆動電流と交
叉する磁界との相互作用によって力(ローレンツ力)が
発生し、このローレンツ力によってムービングコイルお
よびこのムービングコイルに連結されたスプールが加速
移動する。所定のタイミングで駆動電流を遮断した後も
ムービングコイルおよびスプールは慣性によって軸線に
沿って運動するが、ムービングコイルと交叉する磁界と
の相互作用によってムービングコイルの巻線に誘導電流
(回生電流)が流れる。その結果、駆動電流によってム
ービングコイルおよびスプールに与えられた運動エネル
ギーが電気エネルギーとして電源等へ還元されるととも
に、直線運動を続けるムービングコイルおよびスプール
は回生制動によって減速する。
【0013】なお、駆動電流を一定の電流とすれば、回
路抵抗の電力損失を最小限に抑え、ムービングコイルお
よびスプールを効率良く駆動することができる。また、
回生電流を一定の電流とすれば、回路抵抗の電力損失を
最小限に抑え、効率の良い回生が実現される。また、駆
動電流の遮断のタイミングをスプールの移動開始地点と
停止目標地点との間のほゞ中央とすれば、最短の時間で
スプールを停止目標地点まで移動させることが可能であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明に係る切換弁制御装置の一
実施の形態が付設されるムービングバルブの概略を示す
側断面図である。同図において、1はバルブ本体、2は
サブブロック、3はカバー、4は上蓋、5はセンターヨ
ーク、6は外側ヨーク、7はセンタヨーク5と外側ヨー
ク6との間に設けられた永久磁石(マグネット)であ
り、これらは止めねじによって一体的に組み合わされて
いる。
【0015】バルブ本体1内にはスプール8が組み込ま
れている。スプール8はシャフト9に4本のスプリング
カップラ9−1を介して取り付けられている。シャフト
9の先端はサブブロック2に設けられた貫通孔2−1に
挿通されている。貫通孔2−1の内壁面とシャフト9の
外周面との間にはOリング10が設けられている。貫通
孔2−1の一端側の開口2−1aは大気に開放されてい
る。この開口2−1の大気への開放により、スプール8
の移動に伴う内部の油圧圧力の変化が是正され、急峻な
圧力変化が生じなくなる。
【0016】また、シャフト9の後端部はセンタヨーク
5の中央部に設けられた貫通孔5−1を通してセンタヨ
ーク5と上蓋4との間の中空部11に位置している。シ
ャフト9の外周面と貫通孔5−1の内壁面との間にはO
リング12が設けられている。また、中空部11に位置
するシャフト9の後端部にはムービングコイル13が固
定されている。ムービングコイル13は、ボビン13−
1とボビン13−1に巻かれた巻線13−2とによって
構成されている。
【0017】本実施の形態では、センタヨーク5と外側
ヨーク6とマグネット7とでステータが構成されてお
り、マグネット7を磁界の発生源とし、センタヨーク5
および外側ヨーク6を磁路とする磁気回路が形成されて
いる。そして、この磁気回路中の磁界とその巻線13−
2が直交するように、ムービングコイル13が設けられ
ている。また、ムービングコイル13の巻線13−2の
軸線方向に移動可能にスプール8がバルブ本体1内に保
持されており、ムービングコイル13はシャフト9を介
してスプール8に連結されている。
【0018】シャフト9の後端には円筒状の磁性体15
が嵌入されている。この磁性体15の長さはスプール8
の移動ストローク長L(後述)と等しくされている。磁
性体15の長さ方向の中央位置(L/2の位置)にはノ
ッチ15−1が形成されている(図2参照)。また、セ
ンタヨーク5と上蓋4との間の中空部11にはセンサコ
ネクタ16が上蓋4側から挿入セットされており、この
センサコネクタ16の中央部に設けられたガイド孔16
−1に、磁性体15が嵌入されたシャフト9の後端が挿
入されている。センサコネクタ16には磁気センサ(例
えば、磁気抵抗素子)S1,S2,S3が設けられてい
る。
【0019】17はムービングコイル13への電源供給
用の端子、18は磁気センサS1,S2,S3からの検
出信号取出用の端子、19は油圧回路の圧力入口(Aポ
ート)、20は油圧回路の圧力出口(Bポート)、21
はドレインポート(タンクポート)である。
【0020】図1に示した状態は、スプール8の図示矢
印R方向(リバース方向)への移動(後述)によってA
ポート19とBポート20とを連通させた状態(第1の
切換状態)を示しており、この第1の切換状態において
シャフト9の後端に嵌入された磁性体15の左端に対向
位置するように磁気センサS2が、右端に対向位置する
ように磁気センサS3が配置されている。
【0021】また、この第1の切換状態からのスプール
8の図示矢印F方向(フォワード方向)への移動(後
述)によってAポート19とBポート20とを非連通状
態(第2の切換状態)としたとき、この第2の切換状態
においてシャフト9の後端に嵌入された磁性体15の左
端に対向位置するように磁気センサS1が、右端に対向
位置するように磁気センサS2が配置されている。
【0022】このムービングバルブ200には制御回路
300(図2参照)が付設されている。制御回路300
は、直流電源301と、コントローラ(双方向電流制御
部)302と、切り替えスイッチ部303と、センス信
号処理部304と、主制御部305と、電流センサ30
6とを備えている。
【0023】コントローラ302は、昇降圧双方向コン
バータとして電気回路では一般的に使用されているもの
であり、a点,b点の電圧に依存せずa→b又はb→a
方向に定電流を供給できる電流制御回路である。本実施
の形態において、コントローラ302は、主制御部30
5からの指示に従い選択的に双方向の定電流制御を行
う。切り替えスイッチ部303は、Hブリッジにより構
成され、主制御部305からの指示に従いムービングコ
イル13に印加する電圧方向を切り替える。
【0024】電流センサ306はムービングコイル13
に流れる電流を検出する。センス信号処理部304は、
電流センサ306からの検出電流を入力とし、コントロ
ーラ302を定電流動作させるための電流センスを行
い、主制御部305へ状態通知を行う。また、センス信
号処理部304は、磁気センサS1,S2,S3からの
検出信号に基づいてスプール8の位置を検出し、主制御
部305へ通知する。主制御部305は、CPU、メモ
リ(ROM,RAM)、I/Oより構成され、定電流制
御、スプール駆動制御を行う。
【0025】なお、ムービングバルブ200において、
磁気センサS1,S2,S3と磁性体15とによってス
プール位置検出部400が構成されている。本実施の形
態の切換弁制御装置は、このスプール位置検出部400
と制御回路300とを構成要素とし、図3にスプール8
の移動速度v(特性I)、ムービングコイル13に流れ
る電流i(特性II)、スプール8のストローク位置S
(特性III )を示すような制御方式で動作する。以下、
この図3に従う制御動作について説明する。
【0026】図1に示した第1の切換状態でのスプール
8の移動位置をストローク位置S=0とする。この第1
の切換状態において、主制御部305へ第2の切換状態
への切換指令(フォワード制御指令)を送ると、主制御
部305はコントローラ302へa→b方向への定電流
制御指令を送ると共に、切り替えスイッチ部303をc
点を+、d点を−とする直流電源301からの電圧印加
モードとする。すなわち、c→d方向への電流供給モー
ドとする。
【0027】これにより、コントローラ302における
定電流制御が開始され、切り替えスイッチ部303を介
してムービングコイル13の巻線13−2へ定電流(+
i)が供給される。なお、この定電流制御に際して、主
制御部305はセンス信号処理部304を介してムービ
ングコイル13の巻線13−2に流れる電流(+i)を
監視し、この電流(+i)が予め定められた一定値とな
るようにコントローラ302へ制御指令を送る。
【0028】ムービングコイル13へ定電流(+i)が
供給されると、すなわちムービングコイル13の巻線1
3−2へ駆動電流(+i)が流れると、この巻線13−
2を流れる駆動電流と直交する磁界(マグネット7を発
生源とする磁界)との相互作用によりローレンツ力が発
生する。このローレンツ力によってムービングコイル1
3がマグネット7側へ移動し、シャフト9を介してスプ
ール8がF方向へ加速移動し始める(図3に示すt0
点)。
【0029】ここで、可動部(スプール,ムービングコ
イル,シャフトなど共に動く部分)の質量をM(k
g)、加速度をα(m/s2 )としたとき、運動部の力
Fは、 F=M・α(N) ・・・・(1) と表される。次に、ムービングコイル13に一定電流I
(A)を流したとき、磁束密度をB(T),線材長をL
(m)とすると、電磁力は、 F=B・L・I(N) ・・・・(2) と表される。したがって、上記(1)および(2)式に
より、加速度αは、 α=F/M=B・L・I/M(m/s2 ) ・・・・(3) と表される。
【0030】また、可動部の速度vはv=αt、可動部
の移動距離Xは速度を時間tで積分した値となることか
ら、 X=∫αtdt=(1/2)・αt2 +C ・・・・(4) と表される。この場合、停止位置からのスタートである
から、C=0となり、 X=(1/2)・αt2 ・・・・(5) となる。
【0031】スプール8が加速移動し、そのストローク
位置Sが第1の切換状態(移動開始地点)から第2の切
換状態(停止目標地点)までの移動ストローク長Lの1
/2(S=L/2)に達すると(図3に示すt1点)、
磁気センサS2が磁性体15のノッチ15−1を検出
し、その検出信号をセンス信号処理部304を介して主
制御部305へ送る。
【0032】この磁気センサS2からの検出信号を受け
て、主制御部305は、コントローラ302へ、それま
でのa→b方向への定電流制御指令に代えて、b→a方
向への定電流制御指令を送る。なお、この時、切り替え
スイッチ部303は、c点を+、d点を−とする直流電
源301からの電圧印加モードとしたままとする。
【0033】コントローラ302は、b→a方向への定
電流制御指令が与えられると、ムービングコイル13へ
の駆動電流(+i)の供給を遮断する。ムービングコイ
ル13は、駆動電流(+i)の供給が断たれた後も、ス
プール8とともに慣性によって軸線方向に沿って直線運
動する。この時、ムービングコイル13と直交する磁界
(マグネット7を発生源とする磁界)との相互作用によ
りムービングコイル13の巻線13−2にそれまでとは
逆方向の誘導電流(−i)が流れ、この誘導電流(−
i)が切り替えスイッチ部303→コントローラ302
の経路で直流電源301に回生される。
【0034】この際、コントローラ302は、直流電源
301へ回生する誘導電流すなわち回生電流(−i)を
定電流とする。なお、この定電流制御に際して、主制御
部305はセンス信号処理部304を介してムービング
コイル13に流れる回生電流(−i)を監視し、この回
生電流(−i)が予め定められた一定値となるようにコ
ントローラ302へ制御指令を送る。
【0035】この結果、駆動電流(+i)によってムー
ビングコイル13およびスプール8に与えられた運動エ
ネルギーが電気エネルギーとして直流電源301へ還元
されるとともに、直線運動を続けるムービングコイル1
3およびスプール8は回生制動によって減速する。
【0036】この場合、スプール8のストローク位置S
がL/2に達したときにムービングコイル13への駆動
電流(+i)の供給が遮断されるので、理想状態では
(半導体素子、コイル抵抗等のロスを無視)、加速時に
ムービングコイル13に与えられた運動エネルギーと減
速時に直流電源301に回生される電気エネルギーとが
等しくなる。
【0037】これにより、スプール8はムービングコイ
ル13への駆動電流(+i)の供給が遮断された位置か
らL/2移動した位置、すなわちストローク位置S=0
から移動ストローク長Lだけ移動した位置(停止目標地
点)に停止し(図3に示すt2点)、Aポート19とB
ポート20とがスプール8によって非連通状態とされ
る。
【0038】このスプール8の移動過程において、加速
時にムービングコイル13に与えられた運動エネルギー
は減速時に電気エネルギーとして直流電源301に回生
されるので、理想的には電力エネルギーが消費されるこ
とがなく、高効率で、ムービングバルブ200の駆動が
行われるものとなる。
【0039】また、本実施の形態では、駆動電流(+
i)を一定の電流としているので、回路抵抗の電力損失
を最小限に抑え、ムービングコイル13およびスプール
8を効率良く駆動することができる。すなわち、回路抵
抗をRとし、流れる電流をIとした場合、電力損失はI
2 Rとなることから、電流Iが変動すると電力損失が大
きく変化し、電力損失が大きくなる。このため、本実施
の形態では、駆動電流(+i)を一定の電流とすること
によって、電力損失を最小限に抑えている。また、回生
電流(−i)についても一定の電流としているので、回
路抵抗の電力損失が最小限に抑えられ、効率の良い回生
が実現される。
【0040】また、前述した(3)式から分かるよう
に、加速度αはムービングコイル13の巻線13−2に
流れる駆動電流(+i)の大きさによって変化する。し
たがって、駆動電流(+i)の設定によって、加速度α
を適切な値として定めることができる。なお、駆動電流
(+i)の設定値を可変とすれば、加速度αを自由に調
整することが可能である。
【0041】また、本実施の形態において、スプール8
が停止目標地点に停止した状態では、ムービングコイル
13に流れる電流は零となり、電力は消費されない。ま
た、実際のバルブ制御においては電気的、メカ的損失を
伴うためスプール8の停止位置はサーボ制御等による調
整が必要となる。すなわち、主制御部305は、センス
信号処理部304を介する磁気センサS1,S2,S3
からの検出信号に基づき、スプール8が停止目標地点か
らずれないように停止位置決めサーボ制御を行う。
【0042】図4(a),(b),(c)に磁気センサ
S3,S2,S1からの検出信号を電圧値に変換した波
形(電圧波形)を示す。スプール8のストローク位置S
がL/2に達するt1点では、磁気センサS2に磁性体
15のノッチ15−1が対向するので、磁気センサS2
からの電圧波形が窪む。この磁気センサS2からの電圧
波形の変化から主制御部305はスプール8のストロー
ク位置SがL/2に達したことを知る。スプール8のス
トローク位置SがL(停止目標地点)に達するt2点で
は、磁気センサS2からの出力電圧が低下し、磁気セン
サS1からの出力電圧が上昇する。
【0043】スプール8が停止目標地点に停止した状態
では、磁気センサS2からの電圧波形の値と磁気センサ
S1からの電圧波形の値とは等しくなる。この状態か
ら、何らかの要因により、スプール8がストローク位置
S=0の方向へ動くと、磁気センサS1からの出力が小
さくなり、磁気センサS2からの出力が大きくなる。ま
た、スプール8が停止目標地点からストローク位置S=
0の方向とは反対の方向へ動くと、磁気センサS1から
の出力が大きくなり、磁気センサS2からの出力が小さ
くなる。
【0044】主制御部305は、この磁気センサS1,
S2からの出力が予め定められた一定値となるように、
ムービングコイル13へ電流を供給する。スプール8が
停止目標地点の手前で停止したり、停止目標地点をオー
バして停止した場合にも、同様にして停止位置決めサー
ボ制御が行われる。この停止位置決めサーボ制御につい
ては後述する制御回路300の具体例でより詳細に説明
する。
【0045】なお、この実施の形態では、スプール8の
ストローク位置SがL/2に達したときにムービングコ
イル13の巻線13−2への駆動電流(+i)の供給を
遮断するようにしたが、必ずしもL/2に達したときで
なくてもよい。例えば、エネルギーのロスを考慮し、ス
プール8のストローク位置SがS=(L/2)+ΔLに
達したときに、ムービングコイル13の巻線13−2へ
の駆動電流(+i)の供給を遮断するようにしてもよ
い。また、駆動電流(+i)や回生電流(−i)は、必
ずしも一定電流としなくてもよい。
【0046】また、この実施の形態では、スプール8を
第1の切換状態から第2の切換状態へ移動させる場合
(フォワード制御)について説明したが、スプール8を
第2の切換状態から第1の切換状態へ移動させる場合
(リバース制御)についてもフォワード制御と同様の制
御が行われる。
【0047】すなわち、ストローク位置SがS=Lから
S=L/2に達するまでの間は駆動電流(+i)を供給
し、ムービングコイル13およびスプール8を加速移動
させる。そして、S=L/2に達した時点で駆動電流
(+i)を遮断し、ストローク位置SがS=L/2から
S=0に達するまでの間は回生電流(−i)を流し、ム
ービングコイル13およびスプール8に与えられた運動
エネルギーを電気エネルギーとして直流電源301へ還
元するともにスプール8を減速させる。
【0048】また、この実施の形態では、マグネット7
からの磁界とムービングコイル13の巻線13−2とを
直交させるようにしたが、ローレンツ力や誘導電流が得
られればよく、必ずしも直交させなくてもよい。また、
この実施の形態では、電流(−i)を直流電源301に
回生するようにしたが、他の負荷へ回生するようにして
もよい。
【0049】〔制御回路300の具体例〕図5に図2に
示した制御回路300の具体例を示す。この制御回路3
00において、コントローラ(双方向電流制御部)30
2は、FET(電界効果トランジスタ)1およびFET
2と、コイルL1と、コンデンサC1と、FET1,F
ET2に接続されたダイオードD1,D2とから構成さ
れている。切り替えスイッチ部(Hブリッジ)303は
FETA,FETB,FETC,FETDと、それぞれ
のFETに接続されたフライホイーリングダイオードD
A,DB ,DC ,DD とから構成されている。
【0050】主制御部305は、CPU305−1と、
ROM305−2と、RAM305−3と、PWMデュ
ーティ制御部305−4と、入出力部(I/O)305
−5と、スイッチング素子駆動回路305−6とから構
成されている。センス信号処理部304はAD変換器3
04−1とセンサ入力部304−2とから構成されてい
る。AD変換器304−1には、電流センサ306が検
出するムービングコイル13に流れる電流と、センサ入
力部304−2を介する磁気センサS1,S2,S3か
らの検出信号とが与えられる。
【0051】図6にこの制御回路300における定電流
制御/Hブリッジ制御の真理値表を示す。図7にフォワ
ード制御に際する各部の出力波形を示す。図7(a),
(b),(c),(d)は入出力部305−5のポート
Pa,Pb,Pc,Pdからの出力波形、図7(e)は
電流センサ306からの出力波形(P1端子からの出力
波形)、図7(f)はスイッチング素子駆動回路305
−6からのFET1のゲートへの出力波形(P2端子か
らの出力波形)、図7(g)はスイッチング素子駆動回
路305−6からのFET2のゲートへの出力波形(P
3端子からの出力波形)、図7(h)はFET1のソー
ス電圧波形(P4点の電圧波形)、図7(i)はコンデ
ンサC1の電圧波形(P5点の電圧波形)である。
【0052】〔フォワード制御:加速〕図1に示した第
1の切換状態でのスプール8の移動位置をストローク位
置S=0とする。この第1の切換状態において、主制御
部305のCPU305−1へフォワード制御指令を送
ると、CPU305−1は入出力部305−5のFW制
御ポートPaを「H」レベルとするとともに(図7
(a)に示すt1点)、加速制御ポートPcを「H」レ
ベルとする(図7(c)に示すt2点)。
【0053】FW制御ポートPaが「H」レベルとなる
と、スイッチング素子駆動回路305−6は、Hブリッ
ジ303のFETAとFETBをONとする。加速制御
ポートPcが「H」レベルとなると、スイッチング素子
駆動回路305−6は、PWMデューティ制御部305
−4からのPWM信号をFET1のゲートへ与え、FE
T1をチョッピング制御し始める(図7(f)のt3
点)。
【0054】これにより、FET1がONの期間は、直
流電源301の正極性側→FET1→コイルL1→FE
TA→ムービングコイル13→FETB→直流電源30
1の負極性側の経路で電流が流れ、FET1がOFFの
期間は、コイルL1→FETA→ムービングコイル13
→FETB→ダイオードD2の経路で電流が流れる。こ
の際、ムービングコイル13に流れる電流は電流センサ
306により検出され、AD変換器304−1を介して
CPU305−1へ与えられる。CPU305−1は、
電流センサ306によって検出される電流が予め定めら
れている一定値となるように、PWMデューティ制御部
305−4からのPWM信号のデューティ比を調整す
る。
【0055】これにより、ムービングコイル13の巻線
13−2へ定電流(+i)、すなわち駆動電流(+i)
が供給されるようになる。ムービングコイル13の巻線
13−2へ駆動電流(+i)が流れると、ローレンツ力
が発生し、ムービングコイル13とともにスプール8が
フォワード方向へ加速移動し始める。
【0056】〔フォワード制御:減速〕スプール8が加
速移動し、そのストローク位置Sが第1の切換状態(移
動開始地点)から第2の切換状態(停止目標地点)まで
の移動ストローク長Lの1/2(S=L/2)に達する
と、磁気センサS2が磁性体15のノッチ15−1を検
出し、その検出信号をセンス信号処理部304へ与え
る。センス信号処理部304では、磁気センサS2から
の検出信号をセンサ入力部304−2を介して取り込
み、AD変換器304−1によりデジタル値に変換した
うえ、CPU305−1へ送る。
【0057】CPU305−1は、センス信号処理部3
04を介する磁気センサS2からの検出信号を受けて、
入出力部305−5のFW制御ポートPaを「H」レベ
ルに維持したまま、加速制御ポートPcを「L」レベル
とするとともに(図7(c)に示すt4点)、減速制御
ポートPdを「H」レベルとする(図7(d)に示すt
5点)。加速制御ポートPcが「L」レベルとなると、
スイッチング素子駆動回路305−6は、FET1のチ
ョッピング制御を停止する(図7(f)に示すt4
点)。減速制御ポートPdが「H」レベルとなると、ス
イッチング素子駆動回路305−6は、PWMデューテ
ィ制御部305−4からのPWM信号をFET2のゲー
トへ与え、FET2をチョッピング制御し始める(図7
(g)のt5点)。
【0058】FET1のチョッピング制御が停止される
と、すなわちFET1がOFFとされると、ムービング
コイル13の巻線13−2への駆動電流(+i)の供給
が遮断される。ムービングコイル13は、駆動電流(+
i)の供給が断たれた後も、スプール8とともに慣性に
よって軸線方向に沿って直線運動する。この時、ムービ
ングコイル13の巻線13−2には、それまでとは逆方
向の誘導電流(−i)が流れる。
【0059】この誘導電流(−i)は、FET2がOF
Fの期間は、ムービングコイル13→FETA→コイル
L1→ダイオードD1→直流電源301の正極性側→直
流電源301の負極性側→FETB→ムービングコイル
13の経路で直流電源301に回生され、FET2がO
Nの期間はムービングコイル13→FETA→コイルL
1→FET2→FETB→ムービングコイル13の経路
で流れる。
【0060】この際、ムービングコイル13に流れる電
流は電流センサ306により検出され、AD変換器30
4−1を介してCPU305−1へ与えられる。CPU
305−1は、電流センサ306によって検出される電
流が予め定められている一定値となるように、PWMデ
ューティ制御部305−4からのPWM信号のデューテ
ィ比を調整する。これにより、直流電源301に回生さ
れる誘導電流、すなわち回生電流(−i)が定電流とさ
れる。
【0061】この結果、駆動電流(+i)によってムー
ビングコイル13およびスプール8に与えられた運動エ
ネルギーが電気エネルギーとして直流電源301へ還元
されるとともに、直線運動を続けるムービングコイル1
3およびスプール8は回生制動によって減速する。
【0062】この場合、スプール8のストローク位置S
がL/2に達したときにムービングコイル13への駆動
電流(+i)の供給が遮断されるので、理想状態では
(半導体素子、コイル抵抗等のロスを無視)、加速時に
ムービングコイル13に与えられた運動エネルギーと減
速時に直流電源301に回生される電気エネルギーとが
等しくなる。
【0063】これにより、スプール8はムービングコイ
ル13への駆動電流(+i)の供給が遮断された位置か
らL/2移動した位置、すなわちストローク位置S=0
から移動ストローク長Lだけ移動した位置(停止目標地
点)に停止する。この状態では、コンデンサC1の充電
電圧が0Vとなり(図7(i)に示すt6点)、ムービ
ングコイル13に流れる電流は零となる。したがって、
スプール8が停止目標地点に停止した状態では、電力は
消費されない。
【0064】また、CPU305−1は、停止目標地点
に停止したことを磁気センサS1,S2からの検出信号
に基づいて認識し、入出力部305−5のFW制御ポー
トPa、減速制御ポートPdをともに「L」レベルとす
る。これにより、Hブリッジ303におけるFETA,
FETBがOFFとされ、FETA,FETB,FET
C,FETDの全てがOFF状態とされる。また、FE
T2のチョッピング制御が停止され、FET1,FET
2がOFF状態とされる。
【0065】〔リバース制御:加速〕リバース制御にお
いても、すなわちスプール8を第2の切換状態から第1
の切換状態へ移動させる場合においても、フォワード制
御と同様の制御が行われる。第2の切換状態において、
主制御部305のCPU305−1へリバース制御指令
を送ると、CPU305−1は入出力部305−5のR
V制御ポートPbを「H」レベルとし、加速制御ポート
Pcを「H」レベルとする。
【0066】RV制御ポートPbが「H」レベルとなる
と、スイッチング素子駆動回路305−6は、Hブリッ
ジ303のFETCとFETDをONとする。加速制御
ポートPcが「H」レベルとなると、スイッチング素子
駆動回路305−6は、PWMデューティ制御部305
−4からのPWM信号をFET1のゲートへ与え、FE
T1をチョッピング制御し始める。
【0067】これにより、FET1がONの期間は、直
流電源301の正極性側→FET1→コイルL1→FE
TC→ムービングコイル13→FETD→直流電源30
1の負極性側の経路で電流が流れ、FET1がOFFの
期間は、コイルL1→FETC→ムービングコイル13
→FETD→ダイオードD2の経路で電流が流れる。こ
の際、ムービングコイル13に流れる電流は電流センサ
306により検出され、AD変換器304−1を介して
CPU305−1へ与えられる。CPU305−1は、
電流センサ306によって検出される電流が予め定めら
れている一定値となるように、PWMデューティ制御部
305−4からのPWM信号のデューティ比を調整す
る。
【0068】これにより、ムービングコイル13の巻線
13−2へ定電流(+i)、すなわち駆動電流(+i)
が供給されるようになる。ムービングコイル13の巻線
13−2へ駆動電流(+i)が流れると、ローレンツ力
が発生し、ムービングコイル13とともにスプール8が
リバース方向へ加速移動し始める。
【0069】〔リバース制御:減速〕スプール8が加速
移動し、そのストローク位置Sが第2の切換状態(移動
開始地点)から第1の切換状態(停止目標地点)までの
移動ストローク長Lの1/2(S=L/2)に達する
と、磁気センサS2が磁性体15のノッチ15−1を検
出し、その検出信号をセンス信号処理部304へ与え
る。センス信号処理部304では、磁気センサS2から
の検出信号をセンサ入力部304−2を介して取り込
み、AD変換器304−1によりデジタル値に変換した
うえ、CPU305−1へ送る。
【0070】CPU305−1は、センス信号処理部3
04を介する磁気センサS2からの検出信号を受けて、
入出力部305−5のRV制御ポートPbを「H」レベ
ルに維持したまま、加速制御ポートPcを「L」レベル
とし、減速制御ポートPdを「H」レベルとする。加速
制御ポートPcが「L」レベルとなると、スイッチング
素子駆動回路305−6は、FET1のチョッピング制
御を停止する。減速制御ポートPdが「H」レベルとな
ると、スイッチング素子駆動回路305−6は、PWM
デューティ制御部305−4からのPWM信号をFET
2のゲートへ与え、FET2をチョッピング制御し始め
る。
【0071】FET1のチョッピング制御が停止される
と、すなわちFET1がOFFとされると、ムービング
コイル13の巻線13−2への駆動電流(+i)の供給
が遮断される。ムービングコイル13は、駆動電流(+
i)の供給が断たれた後も、スプール8とともに慣性に
よって軸線方向に沿って直線運動する。この時、ムービ
ングコイル13の巻線13−2には、それまでとは逆方
向の誘導電流(−i)が流れる。
【0072】この誘導電流(−i)は、FET2がOF
Fの期間は、ムービングコイル13→FETC→コイル
L1→ダイオードD1→直流電源301の正極性側→直
流電源301の負極性側→FETD→ムービングコイル
13の経路で直流電源301に回生され、FET2がO
Nの期間はムービングコイル13→FETC→コイルL
1→FET2→FETD→ムービングコイル13の経路
で流れる。
【0073】この際、ムービングコイル13に流れる電
流は電流センサ306により検出され、AD変換器30
4−1を介してCPU305−1へ与えられる。CPU
305−1は、電流センサ306によって検出される電
流が予め定められている一定値となるように、PWMデ
ューティ制御部305−4からのPWM信号のデューテ
ィ比を調整する。これにより、直流電源301に回生さ
れる誘導電流、すなわち回生電流(−i)が定電流とさ
れる。
【0074】この結果、駆動電流(+i)によってムー
ビングコイル13およびスプール8に与えられた運動エ
ネルギーが電気エネルギーとして直流電源301へ還元
されるとともに、直線運動を続けるムービングコイル1
3およびスプール8は回生制動によって減速する。
【0075】なお、本実施の形態において、スイッチン
グ素子駆動回路305−6は、負荷ドライブ系と定電流
制御部との分離に加えて、FETのゲートソース間電位
の安定化を図る機能を有している。すなわち、FET
1,FETA,FETCの駆動時は、ソース電位が変動
するためGNDを基準とした信号では制御できない。こ
のた、FET1,FETA,FETCについては、その
ソース電圧をスイッチング素子駆動回路305−6へ与
え、ゲートソース間電位の安定化を図るようにしてい
る。
【0076】〔停止位置決めサーボ制御〕スプール8
は、CPU305−1による停止位置決めサーボ制御に
よって、停止目標地点にとどめられる。また、スプール
8が停止目標地点の手前で停止したり、停止目標地点を
オーバして停止した場合にも、同様にして停止位置決め
サーボ制御が行われる。
【0077】例えば、フォワード制御によりスプール8
を第1の切換状態から第2の切換状態まで移動させる
際、電気的損失、メカ的損失などによって停止目標地点
の手前でスプール8が停止してしまうことがある。この
場合、CPU305−1は、磁気センサS1と磁気セン
サS2の出力状態をAD変換器304−1によりモニタ
し、Hブリッジ303を制御しつつ停止目標地点までス
プール8を移動させる。
【0078】磁気センサS1,S2,S3の出力電圧
は、周囲温度、センサ印加電圧および磁性体15の検出
位置に対して等しく出力され、図4のA部に示すよう
に、磁気センサS2は磁性体15が停止目標地点に近づ
くにつれ出力電圧は低下し、一方、磁気センサS1の出
力電圧は上昇する。停止目標地点での電圧値は予め規定
でき、磁気センサS1,S2ともに等しい規定値をとる
ため、その規定値が得られるようにスプール8の位置を
微調整する。この時、本実施の形態では、Hブリッジ3
03を加速/ブレーキとして制御する。
【0079】図8(a)に磁気センサS1およびS2の
出力電圧の変化を、図8(b)にHブリッジ303にお
けるFETA,FETBのON/OFF制御状況を、図
8(c)にHブリッジ303におけるFETC,FET
DのON/OFF制御状況を示す。
【0080】CPU305−1は、フォワード制御に際
し、停止目標地点の手前でスプール8が停止してしまっ
た場合、FETAとFETBとを短時間の間ONとし、
ムービングコイル13に直流電源301からの電流を流
す。これにより、スプール8が加速移動し、停止目標地
点へ向かう。
【0081】次に、CPU305−1は、FETCとF
ETDとを短時間の間ONとし、ムービングコイル13
に直流電源301からの逆方向への電流を流す。これに
より、スプール8にブレーキ(モータ制御における一般
的な逆転ブレーキ)がかかり、スプール8が減速する。
【0082】この加速・減速を繰り返し、磁気センサS
1およびS2の出力電圧が共に規定電圧に達する地点で
停止させるようにする。なお、サーボ制御については、
過去の制御過程を順次、次のサーボ制御にフィードする
ようなソフトウェアとしてもよい。
【0083】なお、上述した実施の形態では、駆動電流
(+i)の遮断のタイミング(加速/減速の切り替え
点)を磁気センサS2からの検出信号より求めるように
したが、ムービングコイル13の移動時に生じる逆起電
力の大きさより求めてもよい。
【0084】ムービングコイル13への印加電圧をE、
ムービングコイル13の巻線抵抗をR、ムービングコイ
ル13に流れる電流をI、ムービングコイル13に生じ
る逆起電力をEcとしたとき、 E=R・I+Ec ・・・・(6) と表される。
【0085】ここで、(6)式のRおよびIは既知であ
り、ムービングコイル13の速度vと逆起電力Ecは比
例関係にある。ムービングコイル13の移動距離Xは速
度を時間tで積分した値となることから、逆起電力Ec
を時間tで積分した値に換算することができる。 X=∫Ecdt ・・・・(7)
【0086】上記(7)式における距離Xは、ムービン
グコイル13の端子電圧に生じる電圧をA/D変換した
結果より演算(面積)にて求められる。スプール8の移
動距離Lは一定であり、加速/減速の切り替え点までの
距離L/2も既知であることから、予め求めたL/2位
置の積分値期待値とスプール8の加速時随時求められる
演算結果とを比較することによりL/2位置を検出でき
る。
【0087】このような方式とすると、加速/減速の切
り替え点を演算より求めることができ、磁性体15にノ
ッチ15−1を設ける必要がなくなる。また、磁気セン
サS2を省略することが可能となる。なお、この場合、
停止位置決めサーボ制御は、磁気センサS1,S3の出
力電圧のみでも行うことが可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、ムービングコイルの巻線に駆動電流を供
給し、この巻線を流れる駆動電流と交叉する磁界との相
互作用によってムービングコイルおよびスプールを駆動
する駆動手段と、この駆動手段によるムービングコイル
およびスプールの駆動中の所定のタイミングでムービン
グコイルの巻線への駆動電流を遮断する駆動電流遮断手
段と、駆動電流を遮断した後に軸線に沿って直線運動す
るムービングコイルと交叉する磁界との相互作用によっ
てムービングコイルの巻線に流れる電流を回生電流とし
て形成する回生手段とを設けたので、駆動電流によって
ムービングコイルおよびスプールに与えられた運動エネ
ルギーが電気エネルギーとして電源等へ還元されるとと
もに、直線運動を続けるムービングコイルおよびスプー
ルが回生制動によって減速するものとなり、理想的には
電力エネルギーを使用せず、高効率で、ムービングバル
ブを駆動することが可能となる。
【0089】また、駆動電流を一定の電流とすることに
より、回路抵抗の電力損失を最小限に抑え、ムービング
コイルおよびスプールを効率良く駆動することが可能と
なる。また、回生電流を一定の電流とすることにより、
回路抵抗の電力損失を最小限に抑え、効率の良い回生を
実現することが可能となる。また、駆動電流の遮断のタ
イミングをスプールの移動開始地点と停止目標地点との
間のほゞ中央とすれば、最短の時間でスプールを停止目
標地点まで移動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る切換弁制御装置の一実施の形態
が付設されるムービングバルブの概略を示す側断面図で
ある。
【図2】 このムービングバルブに付設される制御回路
を示す図である。
【図3】 スプールの移動速度v(特性I)、ムービン
グコイルに流れる電流i(特性II)、スプールのストロ
ーク位置S(特性III )の時間変化を示す図である。
【図4】 磁気センサS1,S2,S3からの検出信号
を電圧値に変換した波形(電圧波形)を示す図である。
【図5】 図2に示した制御回路の具体例を示す図であ
る。
【図6】 この制御回路における定電流制御/Hブリッ
ジ制御の真理値表を示す図である。
【図7】 この制御回路におけるフォワード制御に際す
る各部の出力波形を示す図である。
【図8】 この制御回路における停止位置決めサーボ制
御の一例を説明する図である。
【図9】 従来のムービングバルブの概略を示す側断面
図である。
【符号の説明】
5…センタヨーク、6…外側ヨーク、7…永久磁石(マ
グネット)、8…スプール、9…シャフト、13…ムー
ビングコイル、13−1…ボビン、13−2…巻線、1
5…磁性体、15−1…ノッチ、S1,S2,S3…磁
気センサ、200…ムービングバルブ、300…制御回
路、301…直流電源、302…コントローラ(双方向
電流制御部)、303…切り替えスイッチ部(Hブリッ
ジ)、304…センス信号処理部、305…主制御部、
306…電流センサ、400…スプール位置検出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 浩一 東京都目黒区下目黒二丁目2番3号 株式 会社田村電機製作所内 (72)発明者 鈴木 茂 東京都目黒区下目黒二丁目2番3号 株式 会社田村電機製作所内 (72)発明者 関 純子 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目12番12 号 新横浜IKビル203号 株式会社雪ケ 谷制御研究所内 (72)発明者 伊東 孝彦 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目12番12 号 新横浜IKビル203号 株式会社雪ケ 谷制御研究所内 Fターム(参考) 3H106 DA08 DA26 DB12 DB28 DB32 DC09 DD09 EE04 EE22 GA08 GA13 KK03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに固定されて所定方向の磁界を
    発生するステータと、前記磁界に交叉する巻線を有しこ
    の巻線の軸線方向に進退自在に支持されたムービングコ
    イルと、このムービングコイルに連結され前記軸線方向
    への移動により流路を切り換えるスプールとを備えた切
    換弁に付設され、前記ムービングコイルへ供給する電流
    を制御する切換弁制御装置において、 前記ムービングコイルの巻線に駆動電流を供給し、この
    巻線を流れる駆動電流と前記磁界との相互作用によって
    前記ムービングコイルおよび前記スプールを駆動する駆
    動手段と、 この駆動手段による前記ムービングコイルおよび前記ス
    プールの駆動中の所定のタイミングで前記ムービングコ
    イルの巻線への前記駆動電流を遮断する駆動電流遮断手
    段と、 前記駆動電流を遮断した後に前記軸線に沿って直線運動
    する前記ムービングコイルと前記磁界との相互作用によ
    って前記巻線に流れる電流を回生電流として形成する回
    生手段とを有することを特徴とする切換弁制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された切換弁制御装置に
    おいて、 前記駆動手段および前記回生手段は、それぞれ前記駆動
    電流および前記回生電流を一定とすることを特徴とする
    切換弁制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された切換弁制御装置に
    おいて、 前記駆動電流遮断手段は、移動開始地点と停止目標地点
    との間のほゞ中央に前記スプールが位置したときを所定
    のタイミングとして、前記ムービングコイルの巻線への
    前記駆動電流を遮断することを特徴とする切換弁制御装
    置。
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