JP2003065290A - 羽根車の取り付け構造およびこの構造を用いた過給機 - Google Patents

羽根車の取り付け構造およびこの構造を用いた過給機

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JP2003065290A JP2001260040A JP2001260040A JP2003065290A JP 2003065290 A JP2003065290 A JP 2003065290A JP 2001260040 A JP2001260040 A JP 2001260040A JP 2001260040 A JP2001260040 A JP 2001260040A JP 2003065290 A JP2003065290 A JP 2003065290A
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sleeve
rotary shaft
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mounting structure
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Keiichi Shiraishi
啓一 白石
Eiji Kato
英二 加藤
Yoshiji Aono
義嗣 青野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 羽根車取り付け部の負担を軽減すること。 【解決手段】 回転軸50の端部にはスプラインが設け
られており、ここに取り付けられるスリーブ10の内周
面に設けられたスプラインとかみ合って、回転軸50の
回転力をスリーブ10に伝達する。スリーブ10には、
その軸方向に貫通するネジ孔40が設けられており、ボ
ルト30がこのネジ孔40に挿入される。羽根車20が
スリーブ10と当接する面には、スリーブ10に設けら
れたネジ孔40と対応する位置に雌ネジを切ったネジ穴
41が設けられている。そして、スリーブ10と羽根車
20とはボルト30によって締結され固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機、送風機、
水力発電用の水車、風力発電用の風車あるいは過給機等
の羽根車を回転軸に取り付ける構造に関し、さらに詳し
くは、羽根車と回転軸との間で確実に動力を伝達できる
羽根車の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】軸流圧縮機の空気取り入れ口に使用され
る羽根車や、水力発電に使用する水車のランナ、あるい
は過給機における空気圧縮用の羽根車には、羽車から回
転軸へ、あるいは回転軸から羽根車へ動力を伝達する必
要がある。ここでは、内燃機関の過給機を例にとって、
これまで使用されてきた羽根車の取り付け構造について
説明する。図7は、内燃機関の過給機で使用されてきた
従来の羽根車の取り付け構造を示す説明図である。
【0003】空気圧縮用の羽根車500は、回転軸51
0によってタービン翼車520と連結されており、ター
ビン翼車520がエンジンの排気ガスによって回転する
と羽根車500も回転する。タービン翼車520の回転
力は、回転軸510に備えられたスリーブ560によっ
て羽根車500に伝達される。スリーブ560には、そ
の内周面にスプライン溝が設けられており、回転軸51
0に設けられたスプラインと組み合わされて、回転軸5
10からスリーブ560へとタービン翼車520の回転
力を伝達する。
【0004】図7(b)に示すように、羽根車500の
背面におけるボス部525には爪570が設けられお
り、クロークラッチを形成する。また、スリーブ560
の端部はこのクロークラッチとかみ合うように形成され
ている。そして、爪570とスリーブ560の端部とが
かみ合うことでスリーブ560に伝達されたタービン翼
車520の回転力を羽根車500に伝える。このように
して、タービン翼車520の回転力が羽根車500に伝
達されて羽根車500が回転し、空気取り入れ口530
から空気を取り込んで圧縮機550へ送り込む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来は羽根
車500の背面にクロークラッチを設けていたが、羽根
車500の構造上、この部分は羽根車の遠心応力が大き
くなる。そして、伝達動力に加えてこの遠心応力にも耐
え得るようにクロークラッチの爪570は頑丈な構造に
設計しなければならず、寸法や重量が増加していた。
【0006】また、回転軸510の回転トルクは、クロ
ークラッチの爪570の他、スリーブ560と羽根車背
面との当たり面580に生ずる摩擦力によっても伝達さ
れる。ここで、スリーブ560と羽根車背面との間に発
生する摩擦力は、回転軸用ナットを締め付けることによ
って発生する軸方向の力によって得られる。しかし、運
転中の羽根車500には、その回転による遠心力が発生
するため、この遠心力によって羽根車のボス部525が
その半径方向外向きの力を受ける結果、ボス部525の
軸方向長さが短くなってしまう。このため、羽根車50
0の回転中は上記軸方向の力が弱まってしまい、スリー
ブ560と羽根車背面との間に発生する摩擦力も小さく
なる。その結果、摩擦力が小さくなった分だけクローク
ラッチの爪570によって伝達される回転力が大きくな
るので、これに耐え得るように、クロークラッチの爪5
70を頑丈な構造に設計する必要があった。
【0007】さらに、クロークラッチの爪570が存在
するため、スリーブと羽根車背面との当たり面580は
環状にならないので、面の加工精度を確保することが難
しい。ここで、遠心力が小さければこれを無視し、回転
力の大きさのみを考慮すればよいので、前記当たり面5
80の加工精度はそれ程高くする必要はない。しかしな
がら、上述の通り、従来は遠心力の大きい羽根車500
の背面にクロークラッチを設け、スリーブ560と嵌合
している。このため遠心力は無視できず、前記当たり面
の加工精度を高くして、局所的に大きな力が作用しない
ようにする必要があった。そこで、この発明は、上記に
鑑みてなされたものであって、羽根車の取り付け部の負
担を軽減して、信頼性の高い運転ができる羽根車の取り
付け構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る羽根車の取り付け構造は、軸方向
に向かって半径の大きさが変化する羽根車に回転軸が挿
入され、当該羽根車の小半径側端部において、回転伝達
を行う伝達部材と前記回転軸とがかみ合うことによって
連結されており、且つ前記羽根車の小半径側端部に締結
手段によって前記伝達部材を固定し、この伝達部材によ
って前記回転軸と前記羽根車との間で回転伝達を行うこ
とを特徴とする。
【0009】この羽根車の取り付け構造は、羽根車の小
半径側端部で、ボルト等の締結手段によって羽根車と伝
達部材とを固定し、この伝達部材を介して回転軸から回
転力を羽根車に伝えるようにしてある。この取り付け構
造では従来のようにクロークラッチを使用する必要がな
いので、伝達部材と羽根車とは環状の面で当接する。こ
のため、回転力を伝達する際には伝達部材と羽根車との
間に発生する摩擦力を有効に利用できる。また、クロー
クラッチやこれとかみ合う伝達部材の加工が不要になる
ので加工が容易になり、前記環状の面の加工精度も高く
しやすいため、伝達部材と羽根車との摩擦も確実に確保
できる。さらに加工コストも大幅に低減できる。
【0010】伝達部材と前記回転軸とをかみ合わせるた
めに用いる手段には、スプラインやキー等を使用するこ
とができる。また、締結手段とは、ボルトによって伝達
部材と羽根車を結合する他、例えば伝達部材に雄ネジを
形成し、羽根車のハブ端部に前記雄ネジと組み合わされ
る雌ネジを形成して伝達部材と羽根車とを結合してもよ
い。また、伝達部材には、回転軸からの回転力を羽根車
へ伝達する作用の他、羽根車からの回転力を回転軸へ伝
達する作用も果たすものが含まれる。このような伝達部
材としては、例えばスプライン軸に対応する溝を内部に
備えたスリーブ等がある。なお、本発明に係る羽根車の
取り付け構造は、圧縮機、送風機、水力発電用の水車、
風力発電用の風車あるいは過給機等の羽根車およびこれ
らの羽根車に対しても適用できる(以下同様)。
【0011】また、請求項2に係る羽根車の取り付け構
造は、軸方向に向かって半径の大きさが変化する羽根車
に回転軸が挿入され、当該羽根車の小半径側端部におい
て、回転伝達を行う伝達部材と前記回転軸とがかみ合う
ことによって連結されており、且つ前記羽根車の小半径
側端部に前記伝達部材をかみ合わせて取り付け、この伝
達部材によって前記回転軸と前記羽根車との間で回転伝
達を行うことを特徴とする。
【0012】この羽根車の取り付け構造では、羽根車の
小半径側で伝達部材から回転軸の回転力を伝達するよう
にしてある。ここで、羽根車の小半径側端部に作用する
遠心力は、羽根車の大半径側端部に作用する遠心力より
も小さくなる。このため、伝達部材から羽根車へ回転力
を伝達するために両者がかみ合う部分に作用する遠心力
も小さくなるので、この部分に対する負荷も小さくでき
る。したがって、伝達手段と羽根車とをかみ合わせるた
めに用いる手段もコンパクトに設計できるので、羽根車
端部の加工が容易になる。さらに、伝達部材と羽根車端
部との当接面における面積も大きくできるため、それだ
け摩擦力を大きくできる。これによって、確実に羽根車
へ回転力を伝達でき、信頼性の高い運転ができる。ここ
で、伝達部材と前記回転軸とをかみ合わせるために用い
る手段には、スプラインやキー等を使用することができ
る。また、伝達手段と羽根車とをかみ合わせるために用
いる手段は、例えば羽根車の端部に爪を設けてクローク
ラッチを形成してもよいし、あるいはピンを使用しても
よい。
【0013】また、請求項3に係る羽根車の取り付け構
造は、上記羽根車の取り付け構造において、さらに、前
記伝達部材と前記羽根車の小半径側端部との当接面を粗
面化したことを特徴とする。この羽根車の取り付け構造
は、伝達部材と羽根車の端部との当接面をブラスト等に
よって粗面化することで、伝達部材と羽根車の端部との
摩擦を大きくする。このため、さらに確実に伝達部材か
ら羽根車へ回転力を伝達できるので、より信頼性の高い
運転ができる。
【0014】また、請求項4に係る内燃機関用の過給機
は、空気を圧縮する圧縮機と、内燃機関の排ガスによっ
て回転する翼車と、前記圧縮機に空気を送り込み、且
つ、上記羽根車の取り付け構造によって前記回転軸に取
り付けられる羽根車と、前記羽根車と前記翼車とをつな
いで、翼車の回転力を羽根車に伝達する回転軸と、を備
えたことを特徴とする。この内燃機関の過給機は、圧縮
機用の羽根車を上記羽根車の取り付け構造によって回転
軸に取り付けているので確実に回転力を羽根車に伝達で
き、安定して圧縮機を駆動できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態における構成要素には、当業者が容易に想定できるも
のが含まれるものとする。なお、次の説明においては内
燃機関に使用する過給機を例にとって説明するが、この
発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
【0016】(実施の形態1)図1は、この発明に係る
羽根車の取り付け構造を適用した内燃機関の過給機を示
す断面図である。羽根車20は、つぎに説明する羽根車
の取り付け構造によって伝達部材であるスリーブ10に
取り付けられており、羽根車20とスリーブ10とを回
転軸50に挿入した後、回転軸用ナット7によって回転
軸50に固定する。回転軸50に羽根車20が取り付け
られている反対側にはタービン翼車2が取り付けられて
おり、内燃機関(図示せず)からの排ガスによってター
ビン翼車2が回転する。そして、その回転力は回転軸5
0を介して羽根車20に伝えられ、羽根車20が圧縮機
3に空気を送り込む。そして、圧縮機3で圧縮された空
気は、燃焼用空気として内燃機関へ過給される。
【0017】つぎに、羽根車の取り付け構造について説
明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る羽根車
の取り付け構造を示す断面図である。この羽根車の取り
付け構造は、スプライン等のかみ合い手段を介して回転
軸に取り付けられた伝達部材であるスリーブを、ボルト
等の締結手段によって羽根車のボス部であって遠心力が
小さい方の端部に取り付けることで、回転軸と羽根車と
を取り付ける点に特徴がある。
【0018】回転軸50の端部には伝達部材と回転軸と
をかみ合わせるための手段としてスプラインが設けられ
ており、ここに取り付けられる伝達部材であるスリーブ
10の内周面に設けられた溝とかみ合って、回転軸50
の回転力をスリーブ10に伝達する(図2(b)参
照)。なお、スプラインには回転力の伝達効率の関係か
らインボリュートスプラインを使用することが好ましい
が、突起の形状を長方形断面とした、かどスプラインを
使用してもよい。また、図2(c)に示すように、スプ
ラインの代わりにキー70とキー溝72を使用し、これ
によって回転軸50からスリーブ10へ回転力を伝達し
てもよい。このようにすると、加工が容易になり、ま
た、製造コストを下げることができる。
【0019】スリーブ10は環状の部材であり、その軸
方向に貫通するネジ孔40が設けられている。そして、
締結手段であるボルト30がこのネジ孔40に挿入され
る。スリーブ10は、回転軸50から入力される回転力
をスプラインによって羽根車20(一部省略)に伝達す
るので強度および硬度が要求されるため、鉄系の材料で
製造することが好ましい。
【0020】羽根車20は回転体でありその外寸も大き
いため、できるだけ軽くする必要がある。このため、羽
根車20はアルミニウム系の材料で製造することが好ま
しい。また、羽根車20がスリーブ10と当接する面に
は、スリーブ10に設けられたねじ孔40と対応する位
置に雌ネジを切ったネジ穴41が設けられている。そし
て、スリーブ10と羽根車20とはボルト30によって
締結されて固定されるが、このときボルト30の締結力
によって両者は当接面60で密着し、回転する際には当
接面60に摩擦力を発生させる。なお、この摩擦力を大
きくするために、当接面60にブラスト仕上げ等の粗面
加工をすることが望ましい。このようにすると、回転の
際に摩擦力が大きくなって、ボルト30の負担が少なく
なる。
【0021】回転軸50のもう一方の端部には、タービ
ン翼車(図示せず)が取り付けられており、エンジンの
排ガスによって回転することで回転軸50が回転する。
翼車の回転力は、回転軸50およびスリーブ10に設け
られたスプラインを介してスリーブ10に伝達された
後、スリーブ10と羽根車20との当接面60に生ずる
摩擦力およびボルト30によって羽根車20を回転させ
る。
【0022】図3は、回転中における羽根車の状態を示
した説明図である。羽根車20が回転を始めると遠心力
が発生し、羽根車20内のある部分Aには半径方向外側
へ向かう力Fと、このFに基づく周方向の力Pとが発生
する(図3(a))。ここで、スリーブ10が取り付け
られている端部側の半径R1よりも、その反対側の半径
2の方が大きい。遠心力は回転半径の大きさに比例す
るため、羽根車20に作用する遠心力は、羽根車20の
大半径側よりも小半径側であるスリーブ10が取り付け
られている端部側の方が小さくなる(図3(b))。
【0023】実施の形態1に係る羽根車の取り付け構造
においては、羽根車20の小半径側、すなわち羽根車2
0に作用する遠心力の小さい側で、スリーブ10を介し
て回転軸50から羽根車20へ動力を伝達する。このた
め、当接面60に発生する摩擦力はほとんど回転力の伝
達に使用できる。また、遠心力をほとんど考慮しなくて
もよいので、ボルト30の強度も無闇に大きくする必要
はない。同時に、当接面60近傍においても遠心力はほ
とんど考慮しなくてもよいので、この部分における羽根
車20とスリーブ10との設計もこの分だけ余裕のある
設計ができる。
【0024】また、図7に示すように、従来における羽
根車の取り付け構造では、羽根車20の背面に設けたク
ロークラッチの爪570によって回転軸から動力を伝達
していたが、実施の形態1に係る羽根車の取り付け構造
においては、ボルト30によってスリーブ10と羽根車
20とを締結する。このため、従来のようにクロークラ
ッチの爪が不要になるので加工コストが大幅に削減でき
る。そして、クロークラッチの爪が存在しないので、ス
リーブ10と羽根車20との当接面60の加工精度は比
較的容易に確保できる。このため、当接面における摩擦
力を十分に確保でき、従来よりも確実にスリーブ10か
ら羽根車20へ回転力を伝達できる。
【0025】さらに、スリーブ10と羽根車20とは締
結手段であるボルト30によって締結されているため、
回転の遠心力によって羽根車20が軸方向に対して短く
変形しても、この変形によってスリーブ10と羽根車2
0との締結力は変化しない。ここで、従来の羽根車の取
り付け構造では、羽根車の背面に設けられたクロークラ
ッチとスリーブとが嵌合しているだけだったので、羽根
車が軸方向に縮むと羽根車とスリーブとの摩擦力が低下
する。このため、羽根車とスリーブとの間に発生する摩
擦力によって伝達される回転力の割合が減少して、クロ
ークラッチの爪によって伝達される回転力の割合が多く
なるので、この爪の負担も大きくなる。
【0026】このため、従来の羽根車の取り付け構造に
おいては、この負担に耐え得るように、クロークラッチ
の爪は頑丈に設計する必要があり、爪の寸法を大きく設
計する必要があった。しかし、この羽根車の取り付け構
造においては、上述の通りスリーブ10と羽根車20と
の締結力は変化しない。このため、羽根車20の回転数
に関わらずスリーブ10と羽根車20との当接面60に
発生する摩擦力を一定に保つことができるので、安定し
てスリーブ10から羽根車20へ回転力を伝達できる。
【0027】(実施の形態2)図4は、この発明の実施
の形態2に係る羽根車の取り付け構造を示す断面図であ
る。この羽根車の取り付け構造は、スリーブと羽根車と
に設けられた締結手段によって両者を結合して、スリー
ブを介して回転軸から羽根車へ回転力を伝達する点に特
徴がある。実施の形態1における羽根車の取り付け構造
では、締結手段としてボルトを使用してスリーブと羽根
車とを連結していたが、この羽根車の取り付け構造では
ボルトによらず、スリーブと羽根車とに直接ネジを設け
て両者を結合するものである。
【0028】スリーブ11の内周面にはスプラインが設
けられており、回転軸51に設けられたスプラインとか
み合って、回転軸51の回転力が伝達される。そして、
スリーブ11の羽根車21と締結される締結部11aに
は雄ネジが切られている。また、羽根車21のスリーブ
11と締結される締結部21aにはスリーブ11に設け
られている前記雄ネジをねじ込む雌ネジが切られてい
る。
【0029】スリーブ11は羽根車21に当接するまで
ねじ込まれて両者が結合される。このとき、スリーブ1
1の側面に互いに平行な平面を備えておくと、この部分
にスパナ等の工具を掛けてスリーブ11をねじ込めるの
で、ねじ込み作業が容易になる。なお、スリーブ11に
雌ネジを、羽根車21に雄ネジを設けてもよく、羽根
車、スリーブあるいは回転軸との関係で、どちらにどの
ネジを設けるかを適宜選択できる。
【0030】スリーブ11と羽根車21とに設けられて
いるネジは、回転軸51が回転すると締まるように切ら
れている。すなわち、図4(b)に示すように、スリー
ブ11側から見て回転軸51は半時計方向に回転する場
合には、スリーブ11と羽根車21とに左ネジ、すなわ
ち、スリーブ11を左回転させるとネジが締まるように
ネジが切られている。このため、回転軸51が回転して
いる間であっても、スリーブ11と羽根車21との締結
が緩むことはない。
【0031】この羽根車の取り付け構造では、回転軸5
1が回転している間は、常にスリーブ11と羽根車21
との締結が締まる方向に作用するため、これに応じて当
接面61の密着度合いも高くなる。したがって、スリー
ブ11と羽根車21との間に発生する摩擦力も、回転軸
51の回転によって大きくなるため、より確実にスリー
ブ11から羽根車21へ回転軸の回転力を伝達できる。
【0032】また、実施の形態1に係る羽根車の取り付
け構造では締結手段であるボルトに何らかの緩み止めが
必要であったが、この羽根車の取り付け構造では回転軸
51の回転中は常にスリーブ11が締まる方向に作用す
るため、ここに緩み止めを設ける必要はない。さらに実
施の形態1に係る羽根車の取り付け構造では締結手段と
してボルトが必要であったが、この羽根車の取り付け構
造ではスリーブ11と羽根車21とを締結手段として利
用するため、構造が簡易で信頼性が高くなる。また、ス
リーブ11および羽根車21にはボルト孔を設ける必要
はないので、当接面61の接触面積をボルト孔の分だけ
大きくできる。このため、この分だけ摩擦力も大きくで
きるので、さらに確実にスリーブ11を介して回転軸5
1の回転力を羽根車21へ伝達できる。
【0033】(実施の形態3)図5は、この発明の実施
の形態3に係る羽根車の取り付け構造を示す断面図であ
る。この羽根車の整流部材取り付け構造は、羽根車の小
半径側に爪を設け、スリーブにこの爪とかみ合う凹部を
設けて両者を嵌合し、スリーブを介して回転軸の回転力
を羽根車に伝達する点に特徴がある。図5(b)に示す
ように、羽根車22の先端部には爪22aが設けられて
いる。なお、爪22aの個数はこの例に示した2個には
限られず、羽根車の仕様等によって適宜その個数を選択
できる。また、図5(b)に示すように、スリーブ12
の端部には、羽根車22の先端部に設けられた爪22a
とかみ合うように凹部12aが設けられている。そし
て、この凹部12aと爪22aとがかみ合うことで、ス
リーブ12と羽根車22との間で回転伝達を行うように
なっている。また、スリーブ12の内周面にはスプライ
ンが形成されており、回転軸52に設けられたスプライ
ンとかみ合って回転軸52からスリーブ12へ回転力を
伝達する。
【0034】羽根車22が回転軸52に組み込まれ、さ
らにスリーブ12が回転軸52および羽根車22に取り
付けられる。そして、回転軸52の先端に切られた雄ネ
ジに回転軸用ナット7をねじ込んでスリーブ12と羽根
車22とを密着させる。この状態で回転軸52を回転さ
せると、スリーブ12に伝わった回転力は、スリーブ1
2と羽根車22との間に生ずる摩擦力および爪22aに
よって、羽根車22へ伝達される。
【0035】回転軸52の回転と共に羽根車22の回転
が高くなると、羽根車22には回転による遠心力が作用
する。従来の羽根車の取り付け構造においては、図7に
示すように、羽根車500の大半径側に爪570を設け
て回転軸510の回転力を伝達していたため、爪570
には回転力の他に大きな遠心力が作用していた。しか
し、実施の形態3に係る羽根車の取り付け構造では、羽
根車22の小半径側に爪22aを設けて回転軸52の回
転力を伝達するようにしたので、爪22aに作用する遠
心力は従来よりも小さくなる。
【0036】このため、爪22aの負担も従来よりも小
さくなるため、確実に回転力をスリーブ12から羽根車
22へ伝達してより信頼性の高い運転ができ、また、爪
22aの個数も従来の構造よりも少なくすることができ
る。このため羽根車22先端部の加工が容易になる他、
スリーブ12と羽根車22先端部との当接面62におけ
る面積も大きくできるため、それだけ摩擦力を大きくで
きる。
【0037】(変形例)図6は、実施の形態3に係る羽
根車の取り付け構造の変形例を示す説明図である。この
羽根車の取り付け構造は、上記羽根車の取り付け構造に
おいて、爪に代えてピンを用い、これによってスリーブ
と羽根車とをつなぐことで、スリーブから羽根車へ回転
軸の回転力を伝達する点に特徴がある。スリーブ13に
は、その軸方向に貫通するピン孔43が設けられてお
り、羽根車23の先端部におけるこのピン孔と対応する
位置にもピン穴44が設けられている。
【0038】羽根車23が回転軸53に組み込まれ、さ
らにスリーブ13が回転軸53および羽根車23に取り
付けられる。このとき、スリーブ13のピン孔43にピ
ン33を打ち込んでおき、スリーブ13を羽根車23に
組み付ける際に、羽根車23に設けられたピン穴43に
ピン33を挿入して両者を組み合わせる。そして、回転
軸53の先端に切られた雄ネジに回転軸用ナット7をね
じ込んでスリーブ13と羽根車23とを密着させる。こ
の状態で回転軸53を回転させると、スリーブ12に伝
わった回転力は、スリーブ13と羽根車23との間に生
ずる摩擦力およびピン33によって、羽根車23へ伝達
される。
【0039】この変形例に係る羽根車の取り付け構造で
は、実施の形態3に係る羽根車の取り付け構造のように
爪を使用していないので、スリーブ13と羽根車23と
の当接面63を環状の平面に構成できる。また、ピン3
3の断面積は小さいため、当接面63の面積ほとんどを
摩擦によって回転力を伝えるために使用できる。これら
の作用によって、より確実に回転力を羽根車23へ伝達
できるため、信頼性の高い運転ができる。また、ピン3
3を使用するため構造が簡単で、安価に製造できる。さ
らに、回転半径の小さい羽根車23の先端部でスリーブ
13を介して回転軸53の回転力を伝達するようにした
ので、ピン33に作用する遠心力も小さくなり、加重に
対する負担は少ない。このため、遠心力によって羽根車
23の軸方向長さが短くなっても、ピン33によって十
分にスリーブ13から羽根車23へ回転力を伝達できる
ため、より信頼性が高くなる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る羽
根車の取り付け構造(請求項1)では、この羽根車の取
り付け構造は、羽根車の小半径側における端部でボルト
等の締結手段によって羽根車と伝達手段とを固定し、伝
達手段を介して回転軸から回転力を羽根車に伝えるよう
にした。この取り付け構造では従来のように爪を伝達手
段にかみ合わせて回転力を伝達する必要がないので、伝
達手段と羽根車とは環状の面で当接する。このため、回
転力を伝達する際には伝達手段と羽根車との間に発生す
る摩擦力を有効に利用できる。また、爪やこれとかみ合
う伝達手段の加工が不要になるので加工が容易になり、
前記環状の面の加工精度も高くしやすいため、伝達手段
と羽根車との摩擦も確実に確保できる。その結果、安定
して回転力を羽根車に伝達できるので、信頼性の高い運
転ができる。
【0041】また、この発明に係る羽根車の取り付け構
造(請求項2)では、羽根車の小半径側で伝達手段であ
る伝達手段から回転軸の回転力を伝達するようにした。
このため、伝達手段から羽根車へ回転力を伝達する爪等
のかみ合い手段に作用する遠心力も小さくなるので、こ
れに対する負荷も小さくできる。したがって、かみ合い
手段を小さく設計でき、また、かみ合い手段の個数も少
なくできるので、羽根車端部の加工が容易になり、また
伝達手段と羽根車端部との当接面における面積も大きく
できる。このため、それだけ伝達手段と羽根車との当接
面における摩擦力を大きくできるので、確実に羽根車へ
回転力を伝達して、信頼性の高い運転ができる。
【0042】また、この発明に係る羽根車の取り付け構
造(請求項3)では、この羽根車の取り付け構造は、伝
達手段と羽根車の端部との当接面をブラスト等によって
粗面化することで、伝達手段と羽根車の端部との摩擦を
大きくする。このため、より確実にスリーブ等の伝達手
段から羽根車へ回転力を伝達できるので、さらに信頼性
の高い運転ができる。
【0043】また、この発明に係る内燃機関の過給機
(請求項4)では、圧縮機用の羽根車を上記羽根車の取
り付け構造によって回転軸に取り付けるようにしたの
で、回転軸と羽根車との間で確実に回転伝達ができ、安
定して圧縮機を駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る羽根車の取り付け構造を適用し
た内燃機関の過給機を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る羽根車の取り付
け構造を示す断面図である。
【図3】回転中における羽根車の状態を示した説明図で
ある。
【図4】この発明の実施の形態2に係る羽根車の取り付
け構造を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3に係る羽根車の取り付
け構造を示す断面図である。
【図6】実施の形態3に係る羽根車の取り付け構造の変
形例を示す説明図である。
【図7】内燃機関の過給機で使用されてきた従来の羽根
車の取り付け構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2、520 タービン翼車 3、550 圧縮機 4、530 空気取り入れ口 7 回転軸用ナット 10、11、12、13、560 スリーブ 11a、21a 締結部 12a 凹部 20、21、22、23 羽根車 22a、570 爪 30 ボルト 33 ピン 40 ネジ孔 41 ネジ穴 43 ピン孔 44 ピン穴 50、51、52、53、510 回転軸 60、61、62、63 当接面 70 キー 72 キー溝 500 羽根車 525 ボス 580 当たり面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 義嗣 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 Fターム(参考) 3H033 AA02 AA17 BB03 BB06 CC01 CC06 DD13 DD30 EE00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に向かって半径の大きさが変化す
    る羽根車に回転軸が挿入され、当該羽根車の小半径側端
    部において、回転伝達を行う伝達部材と前記回転軸とが
    かみ合うことによって連結されており、且つ前記羽根車
    の小半径側端部に締結手段によって前記伝達部材を固定
    し、この伝達部材によって前記回転軸と前記羽根車との
    間で回転伝達を行うことを特徴とする羽根車の取り付け
    構造。
  2. 【請求項2】 軸方向に向かって半径の大きさが変化す
    る羽根車に回転軸が挿入され、当該羽根車の小半径側端
    部において、回転伝達を行う伝達部材と前記回転軸とが
    かみ合うことによって連結されており、且つ前記羽根車
    の小半径側端部に前記伝達部材をかみ合わせて取り付
    け、この伝達部材によって前記回転軸と前記羽根車との
    間で回転伝達を行うことを特徴とする羽根車の取り付け
    構造。
  3. 【請求項3】 さらに、前記伝達部材と前記羽根車の小
    半径側端部との当接面を粗面化したことを特徴とする請
    求項1または2に記載の羽根車の取り付け構造。
  4. 【請求項4】 空気を圧縮する圧縮機と、 内燃機関の排ガスによって回転する翼車と、 前記圧縮機に空気を送り込み、且つ、上記請求項1〜3
    の羽根車の取り付け構造によって前記回転軸に取り付け
    られる羽根車と、 前記羽根車と前記翼車とをつないで、翼車の回転力を羽
    根車に伝達する回転軸と、 を備えたことを特徴とする内燃機関用の過給機。
JP2001260040A 2001-08-29 2001-08-29 羽根車の取り付け構造およびこの構造を用いた過給機 Withdrawn JP2003065290A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102444614A (zh) * 2010-09-30 2012-05-09 株式会社神户制钢所 离心式流体机械用转子
JP2013541673A (ja) * 2010-11-01 2013-11-14 アーベーベー ターボ システムズ アクチエンゲゼルシャフト コンプレッサホイールの破裂の際にシャフトを軸方向に固定するための手段を有する排気ガスターボチャージャ
US11041504B2 (en) 2015-12-03 2021-06-22 Mitsubishi Heavy Industries Compressor Corporation Rotor of centrifugal compressor, centrifugal compressor, and method for manufacturing rotor of centrifugal compressor
CN114087228A (zh) * 2021-11-26 2022-02-25 大唐宝鸡发电有限责任公司 水泵叶轮的防松脱结构

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