JP2003065274A - ポンプ及びポンプゲート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプのシール部分における良好なシール性
を確保しつつ、小型・軽量化を図り、さらには、効率向
上を図る。 【解決手段】 ステータ６４の中心に設けられた回転軸
６１とステータ６４の外周側に設けられたロータ６５と
の後端部を連結板部６６によって連結する。ロータ６５
の回転力を連結板部６６を介して回転軸６１に伝達させ
て回転させる。駆動部５２の外周をケーシング５４によ
って囲い、駆動部５２と羽根車６８との間に、ケーシン
グ５４に固定されて回転軸６１周りから駆動部５２への
水の侵入を防ぐメカニカルシール６７を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゲートポンプ、イ
ンラインポンプあるいはマイクロ水車用ポンプ等に用い
られるポンプ及びゲートにポンプが設けられたポンプゲ
ートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、水中にて用いられるポンプと
しては、例えば、ゲートポンプ、インラインポンプある
いはマイクロ水車用ポンプ等がある。この種のポンプの
構造を、ゲートポンプを例にとって説明する。図６にお
いて、符号１は、ゲートポンプである。このゲートポン
プ１は、開閉機構２によって昇降されて、水路３を開閉
するゲート本体４に、横向きに取り付けられており、ゲ
ート本体４によって水路３を閉鎖した状態にて、ゲート
ポンプ１を駆動させることにより、支流側から本流側へ
水を送り出すことができるようになっている。そして、
このようにゲートポンプ１が横向きに設けられた横型ポ
ンプゲートは、縦向きにゲートポンプが設けられた縦型
ポンプゲートと比較して、ゲート本体４の構造の簡略化
や重量的なバランスの良さから、近年多く採用されてい
る。

【０００３】そして、この横型ポンプゲートに用いられ
るゲートポンプ１としては、図７に示すように、軸１１
の周りに設けられた回転筒１２を回転させ、この回転筒
１２の外周側に設けられた羽根１３によって水流を起こ
すアウターロータ式が多く採用されている。つまり、こ
のゲートポンプ１は、軸１１側に設けられたステータ１
４と、回転筒１２の内周側に、ステータ１４の外周を囲
うように設けられたロータ１５とからポンプ本体１６が
構成され、このポンプ本体１６のステータ１４のコイル
へ給電されることにより、ロータ１５とともに回転筒１
２が回転される構造となっている。

【０００４】そして、このアウターロータ式のゲートポ
ンプ１によれば、羽根が設けられた回転軸を回転させる
インナーロータ型よりも、軸長を長くすることなく高い
出力を得ることができ、ゲート本体４の薄型化を図る点
で有利であり、インナーロータ型よりも多く用いられて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、回転筒１２
の両端には、ポンプ本体１６内へ水が侵入しないよう
に、油が封入された油封式メカニカルシール１７が設け
られているが、回転筒１２が回転されると、メカニカル
シール１７内の油が遠心力によって外周側へ寄ってしま
い、シールが不十分となる恐れがあった。また、上記ア
ウターロータ式のゲートポンプ１にあっても、その軸長
が依然として長く、ゲート本体４から大きく突出してし
まい、さらなる軸長の短縮化が要求されているのが現状
であり、さらには、水中にて回転する回転筒１２の摩擦
損失の低減及び重量の削減によるポンプ効率の向上が望
まれている。

【０００６】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、シール部分における良好なシール性が確保され、
また、小型・軽量化され、さらに効率が高められたポン
プ及びポンプゲートを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載のポンプは、ポンプ本体と、該ポンプ
本体によって回転される羽根車とを有し、前記ポンプ本
体によって前記羽根車を回転させることにより、前記羽
根車に周方向へ沿って設けられた複数の羽根によって水
流を生じさせるポンプであって、前記ポンプ本体は、ス
テータの外周側に円筒状のロータが回転可能に設けら
れ、給電されることにより前記ロータが回転される駆動
部と、前記ステータの中心に回転可能に支持され、先端
部に前記羽根車が固定された回転軸と、該回転軸及び前
記ロータの後端部を連結する連結部材とを有することを
特徴としている。

【０００８】このように、ステータの中心に設けられた
回転軸とステータの外周側に設けられたロータとの後端
部を連結部材によって連結し、ロータの回転力を連結部
材を介して回転軸に伝達させて回転させる構造とされて
いるので、駆動部の軸長を大幅に短縮させることがで
き、これにより、小型・軽量化されたポンプとすること
ができる。

【０００９】請求項２記載のポンプは、請求項１記載の
ポンプにおいて、前記駆動部の外周がケーシングによっ
て囲われ、前記駆動部と前記羽根車との間には、前記ケ
ーシングに固定されて前記回転軸周りにおける前記駆動
部への水の侵入を防ぐシール機構が設けられていること
を特徴としている。

【００１０】つまり、駆動部がケーシングに覆われ、羽
根車と駆動部との間における回転軸周りに、シール機構
が設けられた構造、つまり、回転軸周りに設けられるシ
ール機構が一つとされているので、その構造の簡略化を
図ることができるとともに、シール機構を設けることに
よる重量増加、摩擦損失を極力抑えることができ、これ
により、ポンプ効率を大幅に向上させることができる。

【００１１】請求項３記載のポンプは、請求項２記載の
ポンプにおいて、前記シール機構が、前記回転軸周りの
空間部分に、油が封入された油封式であることを特徴と
している。

【００１２】すなわち、シール機構は、ケーシングに固
定されて回動しないので、内部に封入された油への遠心
力の作用がなく、これにより、このシール機構内に挿通
された回転軸周りに確実に油を行き渡らせることがで
き、これにより、このシール機構における極めて良好な
シール性を確保することができる。

【００１３】請求項４記載のポンプは、請求項２または
請求項３記載のポンプにおいて、前記ケーシングが、前
記回転軸が回転可能に挿通されかつ外周側に前記ステー
タが固定されたスリーブを有することを特徴としてい
る。

【００１４】このように、ケーシングに設けられたスリ
ーブの内部に回転軸が回転可能に挿通され、また、スリ
ーブの外周側にステータが固定されてコンパクト化され
た構造であるので、ポンプのさらなる小型・軽量化を図
ることができる。

【００１５】請求項５記載のポンプゲートは、水路の途
中に昇降可能に設けられ、昇降されることにより前記水
路を開閉させるゲート本体と、該ゲート本体に設けられ
て、このゲート本体によって前記水路を閉鎖した状態に
てゲート本体によって区切られた前記水路の一方側から
他方側へ水を流すゲートポンプとを有するポンプゲート
であって、前記ゲートポンプとして、請求項１〜４のい
ずれか１項記載のポンプが用いられていることを特徴と
している。

【００１６】このように、小型・軽量化され、しかも効
率が向上されたポンプをゲートポンプとしてゲート本体
に備えているので、ゲート本体への据え付けの容易化を
図ることができるとともに、ゲート本体の重量の増加を
極力抑えることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例のポン
プ及びポンプゲートを図面を参照して説明する。なお、
ここでは、ポンプとして、水路を開閉させるゲート本体
に設けられるゲートポンプを説明する。図１から図４に
おいて、符号２１は、ゲートポンプである。このゲート
ポンプ２１は、ゲート本体２２に形成された角孔からな
る設置孔２３に横向きに装着された横型のゲートポンプ
であり、図２において、紙面に向かって左側が吸込側と
され、右側が吐出側とされている。なお、設置孔２３
は、ゲート本体２２を強度部材として構成する上下方向
に間隔をあけて設けられた横梁（図示略）間にて角孔を
形成し、水平方向へ間隔をあけて縦梁（図示略）を設け
ることにより形成されている。

【００１８】このゲートポンプ２１は、円筒状に形成さ
れた外筒２４の内部にポンプ本体２５が設けられてお
り、このポンプ本体２５によって外筒２４の吸込側から
吐出側へ向かって水が流されるようになっている。この
ゲートポンプ２１の外筒２４の吸込側には、矩形状に形
成された安全格子２６が設けられている。この安全格子
２６は、ゲート本体２２に形成された設置孔２３よりも
僅かに小さな外形に形成された枠体２８と、この枠体２
８内にて、格子状に縦横に設けられた柵体２９とを有し
ており、外筒２４の端部に、例えば、溶接等によって固
定されている。

【００１９】外筒２４は、吐出側の端部が、上方から下
方へ向かって次第に吐出側へ傾斜した形状に形成されて
おり、この外筒２４の吐出側の端部には、上部に設けら
れた連結部３１にて、回動可能に連結されたフラップ弁
３２が設けられている。このフラップ弁３２は、その自
重により、外筒２４の吐出側の端部に当接されて、この
外筒２４を閉鎖するようになっており、また、ポンプ本
体２５によって吸込側から吐出側へ向かって水が流され
ると、その水流の水圧によって外筒２４から離間する方
向へ回動され、外筒２４の端部が開口されるようになっ
ている。

【００２０】また、外筒２４には、その外周側における
吐出側寄りに、設置孔２３よりも大きな外形に形成され
た取付フランジ３３が設けられている。この取付フラン
ジ３３には、複数の取付孔３４が形成されており、この
取付孔３４から図示しないボルトを挿通し、ゲート本体
２２の設置孔２３の開口縁部に形成されたねじ孔へねじ
込むことにより、ゲートポンプ２１が、ゲート本体２２
に、その設置孔２３へ挿入された状態に固定されるよう
になっている。また、このように、取付フランジ３３を
ゲート本体２２へ固定することにより、外筒２４の外周
とゲート本体２２の設置孔２３との隙間が閉鎖されるよ
うになっている。

【００２１】さらに、ゲートポンプ２１には、その外筒
２４の下方側における両側に、複数の車輪４１が設けら
れており、取付フランジ３３をゲート本体２２へ固定し
ていない状態にて、ゲートポンプ２１が、ゲート本体２
２の設置孔２３内にて、軸方向へ移動可能とされてい
る。ゲートポンプ２１には、外筒２４の上部における両
側及び取付フランジ３３の上部における両側に、係止孔
４２が形成された吊上ピース４３がそれぞれ溶接固定さ
れており、これら吊上ピース４３には、その係止孔４２
に、図示しないクレーンのフックが係止されるようにな
っている。

【００２２】次に、上記ゲートポンプ２１のポンプ本体
２５の構造を説明する。このポンプ本体２５は、外筒２
４の内周面に、周方向へ間隔をあけて固定された複数の
ケーシングサポート５１に固定された駆動部５２と、こ
の駆動部５２の吸込側に設けられた可動部５３とから構
成されており、外筒２４の中心位置に支持されている。

【００２３】駆動部５２は、ケーシング５４によって囲
われている。このケーシング５４は、円筒状に形成され
た筒部５４ａを有しており、この筒部５４ａは、その一
端が、閉鎖板５５によって閉鎖されている。また、筒部
５４ａの他端には、中心に支持孔５６が形成されたスリ
ーブ５７を有する支持部材５８が固定されている。スリ
ーブ５７の支持孔５６には、回転軸６１が挿通されてお
り、この回転軸６１は、スリーブ５７の両端に設けられ
たベアリング６２によって回転可能に支持されている。

【００２４】スリーブ５７の外周側には、コイル６３を
有するステータ６４が設けられている。また、このステ
ータ６４の外周側には、永久磁石を有する円筒状のロー
タ６５が設けられている。このロータ６５は、その後端
側に連結板部（連結部材）６６を有しており、この連結
板部６６が回転軸６１の後端側に固定されている。

【００２５】回転軸６１の先端側には、支持部５８に固
定されたメカニカルシール（シール機構）６７が設けら
れており、このメカニカルシール６７によって回転軸６
１周りがシールされている。このメカニカルシール６７
は、その内部に油が封入された構造とされており、この
油によって外部から水が侵入しなようにされている。

【００２６】また、回転軸６１の先端部分には、羽根車
６８が固定されている。この羽根車６８は、その外周側
に複数の羽根６９が、周方向に間隔をあけて設けられた
もので、回転軸６１とともに回転されるようになってい
る。

【００２７】また、外筒２４には、軸方向における取付
フランジ３３と羽根車６８との間に、上下側における両
側に、それぞれ逆洗孔７１が形成されており、これら逆
洗孔７１には、外筒２４の内周側に、内方へのみ回動可
能に設けられた一対の弁体７２を有する逆止弁７３が設
けられている。この逆止弁７３は、通常、図示しないコ
イルバネ等の付勢手段によってそれぞれの弁体７２が外
筒２４の内周面側へ付勢されて逆洗孔７１を閉鎖するよ
うになっている。

【００２８】また、外筒２４の外周における上部には、
取付フランジ３３よりも吐出側に、電気接続箱７４が設
けられており、この電気接続箱７４を介して、ポンプ本
体２５の駆動部５２を構成するステータ６４のコイル６
３へ駆動電力が給電されるようになっている。

【００２９】次に、上記構造のゲートポンプ２１の作用
を説明する。 （排水駆動）このゲートポンプ２１では、ゲート本体２
２が、その上方に設けられた開閉機構２によって昇降さ
れることにより、水路３が開閉される。そして、ゲート
本体２２によって水路３を閉鎖した状態にて、ゲートポ
ンプ２１へ図示しない電力供給源から電気接続箱７４を
介してポンプ本体２５の駆動部５２のステータ６４のコ
イル６３に駆動電力が給電されると、ロータ６５が回動
され、このロータ６５の連結板部６６が固定された回転
軸６１が回転する。

【００３０】これにより、この回転軸６１の先端部に固
定された羽根車６８が回転され、各羽根６９によって外
筒２４内へ吸込側から水が吸い込まれ、この外筒２４に
吸い込まれた水は、その水圧によって吐出側に設けられ
たフラップ弁３２を押し上げて外筒２４の吐出側を開口
させて吐出側から吐出する。つまり、このゲートポンプ
２１によって、吸込側である支流側から吐出側である本
流側へ水が送り出される。

【００３１】（逆洗駆動）ここで、ゲートポンプ２１に
よって排水を続けると、吸込側の水に含まれていたゴミ
等の浮遊物が安全格子２６に付着していく。このため、
このゲートポンプ２１では、定期的に羽根車６８を逆転
させる逆洗駆動が行われる。

【００３２】このように、このゲートポンプ２１の羽根
車６８が逆転されると、外筒２４内にて、羽根車６８の
羽根６９によって吸込側へ水が送り出され、この外筒２
４に設けられた逆止弁７３の各弁体７２が付勢手段の付
勢力に抗して外筒２４の内面から離間して逆洗孔７１が
開口される。これにより、ゲート本体２２の設置孔２３
の四隅と外筒２４の外周との間に形成された隙間へ、吸
込側から水が吸い込まれ、外筒２４の開口された逆洗孔
７１から外筒２４内へ送り込まれ、その後、外筒２４の
吸込側から水が噴出される。

【００３３】そして、このように、外筒２４の吸込側か
ら水が噴出されると、その水圧によって、安全格子２６
に付着したゴミ等の浮遊物が確実に除去される。

【００３４】次に、ゲートポンプ２１のゲート本体２２
への着脱の仕方について説明する。

【００３５】（ゲートポンプの設置）ゲートポンプ２１
をゲート本体２２へ設置する場合は、まず、ゲートポン
プ２１の吊上ピース４３に、クレーンから吊り下げられ
たワイヤの先端部に設けられたフックを係止させて吊り
下げ、このゲートポンプ２１の吸込側の先端部分をゲー
ト本体２２の設置孔２３内へ入り込ませる。

【００３６】このようにすると、このゲートポンプ２１
の外筒２４の先端側における下方側に設けられた車輪４
１が設置孔２３の底面に設置される。

【００３７】この状態にて、ゲートポンプ２１を設置孔
２３内へ押し込む。このようにすると、このゲートポン
プ２１の外筒２４の先端側に設けられた車輪が転動して
ゲートポンプ２１が設置孔２３の奥へ向かって円滑に送
り込まれる。また、このようにゲートポンプ２１を設置
孔２３内へ送り込むと、外筒２４の中間部分における下
方側に設けられた車輪４１が設置孔２３の底面に設置さ
れる。

【００３８】このように、全ての車輪４１が設置孔２３
の底面に設置されるまで、ゲートポンプ２１を設置孔２
３内へ押し込んだら、クレーンのワイヤのフックを吊上
ピース４３から取り外し、さらにゲートポンプ２１を設
置孔２３の奥側へ押し込む。この場合も、外筒２４の下
方に設けられた車輪４１が設置孔２３の底面に設置され
ているので、このゲートポンプ２１を円滑に設置孔２３
内へ移動させることができる。

【００３９】ゲートポンプ２１の取付フランジ３３が、
ゲート本体２２の設置孔２３の開口縁部に当接された
ら、この取付フランジ３３に形成された取付孔３４へボ
ルトを挿入してゲート本体２２のネジ孔へねじ込んで、
取付フランジ３３をゲート本体２２に締結固定する。こ
のように、上記作業によってゲート本体２２の設置孔２
３へ、極めて容易にゲートポンプ２１を設置して取り付
けることができる。

【００４０】（ゲートポンプの取り外し）ゲートポンプ
２１をゲート本体２２から取り外す場合は、まず、ゲー
トポンプ２１の取付フランジ３３をゲート本体２２へ締
結固定しているボルトを緩めて取り外す。次いで、外筒
２４の後端側における上方に設けられた吊上ピース４３
に、クレーンのフックを係止させ、クレーンによって吊
り上げながら吐出側へゆっくり引き出す。

【００４１】ここで、このゲートポンプ２１は、外筒２
４の下方側に車輪４１が設けられているので、このゲー
トポンプ２１を極めて容易にかつ円滑に、設置孔２３か
ら引き出すことができる。ある程度ゲートポンプ２１を
設置孔２３から引き出したら、このゲートポンプ２１の
外筒２４の先端側における上方に設けられた吊上ピース
４３にもクレーンのフックを係止し、吊り上げながらさ
らにゲートポンプ２１を設置孔２３から引き出し、設置
孔２３から完全に取り出す。このように、上記作業によ
ってゲート本体２２の設置孔２３から、極めて容易にゲ
ートポンプ２１を取り外すことができる。

【００４２】以上、説明したように、上記実施形態例の
ポンプ及びポンプゲートによれば、ステータ６４の中心
に設けられた回転軸６１とステータ６４の外周側に設け
られたロータ６５との後端部を連結板部６６によって連
結し、ロータ６５の回転力を連結板部６６を介して回転
軸６１に伝達させて回転させる構造とされているので、
駆動部５２の軸長を大幅に短縮させることができ、これ
により、小型・軽量化されたゲートポンプ２１とするこ
とができる。

【００４３】また、駆動部５２がケーシング５４に覆わ
れ、羽根車６８と駆動部５２との間における回転軸６１
周りに、メカニカルシール６７が設けられた構造、つま
り、回転軸６１周りに設けられるメカニカルシール６７
が一つとされているので、その構造の簡略化を図ること
ができるとともに、メカニカルシール６７を設けること
による重量増加、摩擦損失を極力抑えることができ、こ
れにより、ポンプ効率を大幅に向上させることができ
る。

【００４４】さらには、メカニカルシール６７は、ケー
シング５４に固定されて回動しないので、内部に封入さ
れた油への遠心力の作用がなく、これにより、このメカ
ニカルシール６７内に挿通された回転軸６１周りに確実
に油を行き渡らせることができ、これにより、このメカ
ニカルシール６１における極めて良好なシール性を確保
することができる。

【００４５】しかも、ケーシング５４に設けられたスリ
ーブ５７の内部に回転軸６１が回転可能に挿通され、ま
た、スリーブ５７の外周側にステータ６４が固定されて
コンパクト化された構造であるので、ゲートポンプ２１
のさらなる小型・軽量化を図ることができる。

【００４６】そして、小型・軽量化され、しかも効率が
向上されたゲートポンプ２１を備えているので、ゲート
本体２２への据え付けの容易化を図ることができるとと
もに、ゲート本体２２の重量の増加を極力抑えることが
できる。

【００４７】なお、上記の例では、ゲートポンプ２１と
して吐出側よりゲート本体２２に挿入固定する形式を例
にとって説明したが、図５に示すように、吸込側よりゲ
ート本体２２に挿入固定する形式であっても良いことは
勿論である。この場合、取付フランジ３３は、吸込側よ
りに設けられ、ゲート本体２２の吸込側に固定される。
また、上記の実施形態例では、本発明のポンプの構造
を、ゲート本体に設けられるゲートポンプを例にとって
説明したが、本発明が適応可能なポンプとしては、ゲー
トポンプに限らず、例えば、インラインポンプあるいは
マイクロ水車用ポンプ等にも適応可能であることは勿論
である。

【００４８】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明のポンプ
及びゲートポンプによれば、下記の効果を得ることがで
きる。請求項１記載のポンプによれば、ステータの中心
に設けられた回転軸とステータの外周側に設けられたロ
ータとの後端部を連結部材によって連結し、ロータの回
転力を連結部材を介して回転軸に伝達させて回転させる
構造とされているので、駆動部の軸長を大幅に短縮させ
ることができ、これにより、小型・軽量化されたポンプ
とすることができる。

【００４９】請求項２記載のポンプによれば、駆動部が
ケーシングに覆われ、羽根車と駆動部との間における回
転軸周りに、シール機構が設けられた構造、つまり、回
転軸周りに設けられるシール機構が一つとされているの
で、その構造の簡略化を図ることができるとともに、シ
ール機構を設けることによる重量増加、摩擦損失を極力
抑えることができ、これにより、ポンプ効率を大幅に向
上させることができる。

【００５０】請求項３記載のポンプによれば、シール機
構は、ケーシングに固定されて回動しないので、内部に
封入された油への遠心力の作用がなく、これにより、こ
のシール機構内に挿通された回転軸周りに確実に油を行
き渡らせることができ、これにより、このシール機構に
おける極めて良好なシール性を確保することができる。

【００５１】請求項４記載のポンプによれば、ケーシン
グに設けられたスリーブの内部に回転軸が回転可能に挿
通され、また、スリーブの外周側にステータが固定され
てコンパクト化された構造であるので、ポンプのさらな
る小型・軽量化を図ることができる。

【００５２】請求項５記載のポンプゲートによれば、小
型・軽量化され、しかも効率が向上されたポンプをゲー
トポンプとしてゲート本体に備えているので、ゲート本
体への据え付けの容易化を図ることができるとともに、
ゲート本体の重量の増加を極力抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施形態例のポンプの構成及び構造
を説明するポンプの斜視図である。

【図２】 本発明の実施形態例のポンプの構成及び構造
を説明するポンプの断面図である。

【図３】 本発明の実施形態例のポンプの構成及び構造
を説明するポンプの吸込側である正面図である。

【図４】 本発明の実施形態例のポンプの構成及び構造
を説明するポンプの吐出側である裏面図である。

【図５】 本発明の他の実施形態例のポンプの構成及び
構造を説明するポンプの断面図である。

【図６】 ゲートポンプを備えた横型ポンプゲートを説
明する水路に設けられたポンプゲートの概略断面図であ
る。

【図７】 ゲートポンプを構成するポンプの構造を説明
するポンプの断面図である。

【符号の説明】

３ 水路 ２１ ゲートポンプ（ポンプ） ２２ ゲート本体 ２５ ポンプ本体 ５２ 駆動部 ５４ ケーシング ５７ スリーブ ６１ 回転軸 ６４ ステータ ６５ ロータ ６６ 連結板部（連結部材） ６７ メカニカルシール（シール機構） ６８ 羽根車 ６９ 羽根

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０４Ｄ 29/52 Ｆ０４Ｄ 29/52 Ａ Ｆターム(参考） 2D019 AA43 3H022 AA01 BA01 BA03 BA06 CA01 CA06 CA23 CA60 DA07 DA20 3H033 AA01 AA20 BB01 BB08 BB12 CC03 CC05 CC06 DD30 EE05 EE13 EE19 3H034 AA01 AA20 BB01 BB08 BB12 CC03 CC05 CC06 DD01 DD30 EE05 EE12 EE13 EE18

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポンプ本体と、該ポンプ本体によって回
   転される羽根車とを有し、前記ポンプ本体によって前記
   羽根車を回転させることにより、前記羽根車に周方向へ
   沿って設けられた複数の羽根によって水流を生じさせる
   ポンプであって、 前記ポンプ本体は、ステータの外周側に円筒状のロータ
   が回転可能に設けられ、給電されることにより前記ロー
   タが回転される駆動部と、前記ステータの中心に回転可
   能に支持され、先端部に前記羽根車が固定された回転軸
   と、該回転軸及び前記ロータの後端部を連結する連結部
   材とを有することを特徴とするポンプ。
2. 【請求項２】 前記駆動部は、その外周がケーシングに
   よって囲われ、前記駆動部と前記羽根車との間には、前
   記ケーシングに固定されて前記回転軸周りにおける前記
   駆動部への水の侵入を防ぐシール機構が設けられている
   ことを特徴とする請求項１記載のポンプ。
3. 【請求項３】 前記シール機構は、前記回転軸周りの空
   間部分に、油が封入された油封式であることを特徴とす
   る請求項２記載のポンプ。
4. 【請求項４】 前記ケーシングは、前記回転軸が回転可
   能に挿通されかつ外周側に前記ステータが固定されたス
   リーブを有することを特徴とする請求項２または請求項
   ３記載のポンプ。
5. 【請求項５】 水路の途中に昇降可能に設けられ、昇降
   されることにより前記水路を開閉させるゲート本体と、
   該ゲート本体に設けられて、このゲート本体によって前
   記水路を閉鎖した状態にてゲート本体によって区切られ
   た前記水路の一方側から他方側へ水を流すゲートポンプ
   とを有するポンプゲートであって、 前記ゲートポンプとして、請求項１〜４のいずれか１項
   記載のポンプが用いられていることを特徴とするポンプ
   ゲート。