JP2003065203A - 流体回転機および流体発電機 - Google Patents

流体回転機および流体発電機

Info

Publication number
JP2003065203A
JP2003065203A JP2001258605A JP2001258605A JP2003065203A JP 2003065203 A JP2003065203 A JP 2003065203A JP 2001258605 A JP2001258605 A JP 2001258605A JP 2001258605 A JP2001258605 A JP 2001258605A JP 2003065203 A JP2003065203 A JP 2003065203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
piston
rotary
cylinder member
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001258605A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Ueno
昇 上野
Fumito Komatsu
文人 小松
Masaki Nakamura
優樹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2001258605A priority Critical patent/JP2003065203A/ja
Publication of JP2003065203A publication Critical patent/JP2003065203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過度の高速回転を防止する。取り付ける流路
の流れ抵抗を減少させる。回転部分に異物の混入を防
ぐ。回転部分のスムーズな回転を確保する。 【解決手段】 回転シリンダ部材2と、シリンダ室23
a〜23d及び空洞部22を往復動作するピストン3,
4と、回転中心位置Xを中心として回転するピストン保
持部材5と、シリンダ室23a〜23dをはさみ対向す
る位置にそれぞれ設けられた流入口61及び流出口62
と、回転シリンダ部材2とピストン保持部材5のうち少
なくとも一方の回転を出力する出力軸51とを備え、回
転シリンダ部材2の回転数対ピストン保持部材5の回転
数対ピストン3,4のシリンダ室23a〜23d及び空
洞部22を往復する動作数の比が1:2:1となるよう
それぞれが配置された流体回転機1であって、流体が回
転シリンダ部材2内を迂回するバイパス流路101を流
入口61と流出口62との間に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体モータ等の流
体回転機とこれを利用した流体発電機に関する。更に詳
述すると、本発明は容積型の流体回転機とこれを利用し
た流体発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人の有無を赤外線センサ等で感知した
り、水道の制御弁を自動的に操作する自動水洗トイレで
は、発電機付き流体モータを水道に取り付けてトイレで
使用する水の流れを利用して発電を行い、トイレで使用
する電気を賄うことが考えられている。
【0003】一般的に水道の圧力にはばら付きがある。
このため、水道の圧力が低くても発電機を十分な速度で
回転させて発電できるようにするために、発電機付き流
体モータのモータ部分を小型化している。即ち、モータ
部分を小型化することで、水圧が低い場合にも発電を可
能にして発電機付き流体モータの汎用性を向上させてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発電機
付き流体モータのモータ部分を小型化すると、水圧が高
い水道に取り付けた場合にモータ部分や発電機の回転速
度が速くなり過ぎてしまい耐久性が悪化する。一方、発
電機を高速回転させることで発電量は増加するが、自動
水洗トイレでは使用する電気量が限られていることから
発電機を高速回転させてまで大量の発電を行う必要性に
乏しい。このため、回転速度が速くなり過ぎるのを防止
して耐久性を向上させたいとの要請がある。また、回転
速度の増加に伴って発生するノイズが大きくなるという
問題もある。
【0005】一方、発電機付き流体モータを水道に取り
付けるということは、水道の流れに対する抵抗を付加す
ることになるため、出来るだけ抵抗を減らして水道水の
圧力損失を抑えると共に、水道水の流量の減少を抑える
必要がある。
【0006】さらに、モータ部分へのごみ等の異物の混
入を防ぐと共に、モータ部分のスムーズな回転を確保す
る必要もある。
【0007】本発明は、過度の高速回転を防止すると共
に、取り付ける流路の流れ抵抗を減少させることができ
る流体回転機および流体発電機を提供することを目的と
する。また、回転部分に異物の混入を防ぐと共に、回転
部分のスムーズな回転を確保することが出来る流体回転
機および流体発電機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の流体回転機は、回転軸心を中心とし
て形成された空洞部に連通し、該空洞部をはさんで対向
する少なくとも一対のシリンダ室を有する回転シリンダ
部材と、回転シリンダ部材のシリンダ室及び空洞部を往
復動作するピストンと、回転シリンダ部材の回転軸心か
ら偏心した回転中心位置を中心として回転するとともに
偏心した回転中心位置から偏心した自転中心位置を中心
として回動可能なピストンを保持するピストン保持部材
と、シリンダ室をはさみ対向する位置にそれぞれ設けら
れ、シリンダ室に流体を流入する流入口及び流入した流
体をシリンダ室から流出する流出口と、流入口よりシリ
ンダ室に流入した流体の圧力によってピストンを動かし
て回転シリンダ部材とピストン保持部材を相対回転させ
ると共に、回転シリンダ部材とピストン保持部材のうち
少なくとも一方の回転を出力する出力軸とを備え、回転
シリンダ部材の回転数対ピストン保持部材の回転数対ピ
ストンのシリンダ室及び空洞部を往復する動作数の比が
1:2:1となるようそれぞれが配置された流体回転機
であって、流体が回転シリンダ部材内を迂回するバイパ
ス流路を流入口と流出口との間に設けたものである。
【0009】したがって、シリンダ室を有する回転シリ
ンダ部材と、ピストンを有するピストン保持部材とがそ
れぞれ支持部材に支持された状態で回転することがで
き、かつピストン保持部材に保持されているピストンも
それ自体で回動可能となっており、ピストンが姿勢を変
えながら各シリンダ室内を直線運動で出入りすることが
可能となる。その結果、ピストンをシリンダ室に対して
面接触させるように構成しても、各部材がスムーズに回
転運動をすることが可能となる。このため、ピストンが
作り易くなり、ピストンの精度を出し易くなる。また、
各部材同士が確実に無理なく回転し、回転時の振動や騒
音が軽減される構成となる。この流体回転機にはバイパ
ス流路が設けられているので、流体の流量が過大になっ
た場合に流体の一部をバイパス流路に流して回転シリン
ダ部材を迂回させることができる。
【0010】また、請求項2記載の流体回転機は、流体
の圧力によりバイパス流路を開閉する開閉弁を流出口付
近又は流入口付近に設けたものである。開閉弁が開くと
流体の一部がバイパス流路を流れ、開閉弁が閉じるとバ
イパス流路内の流体の流れが停止する。開閉弁は流体の
圧力に応じて開閉するので、流体の圧力が過大になると
バイパス流路を通じて流体の一部を流すことができる。
【0011】また、請求項3記載の流体回転機は、流入
口に、バイパス流路側に傾斜する傾斜部を有するフィル
タを備えている。したがって、流入口から回転シリンダ
部材内へと流れる流体に混入している異物を除去するこ
とができる。このため、回転シリンダ部材内への異物の
流入を防止することができる。フィルタによって除去さ
れた異物はフィルタの傾斜部に沿ってバイパス流路へと
流される。
【0012】また、請求項4記載の流体回転機は、回転
シリンダ部材とピストン保持部材との相対回転の抵抗と
なる背圧を減少させる背圧逃がし手段を設け、この背圧
逃がし手段はバイパス流路に連通しているものである。
【0013】ピストンが作動し回転シリンダ部材やピス
トン保持部材が回転することで、これらの動きを妨げる
背圧が発生するが、この背圧を背圧逃がし手段によって
バイパス流路に逃がすことができる。このため、背圧が
減少し、回転シリンダ部材やピストン保持部材の動きが
スムーズになる。
【0014】また、請求項5記載の流体回転機は、回転
シリンダ部材又はピストン保持部材の回転数を検知する
センサを備えている。したがって、回転数に基づいたバ
イパス流路の開閉制御が可能になる。
【0015】また、請求項6記載の流体回転機は、流入
口は、回転シリンダ部材の回転軸心からみて回転シリン
ダ部材の回転にともない、ピストンが回転シリンダ部材
の略外周位置でシリンダ室を連通するように開口し、回
転シリンダ部材の略中心位置でシリンダ室と閉口するよ
うに形成され、流出口は、回転シリンダ部材の回転軸心
からみて回転シリンダ部材の回転にともない、ピストン
が回転シリンダ部材の略中心位置でシリンダ室を連通す
るように開口し、回転シリンダ部材の略外周位置でシリ
ンダ室と閉口するように形成されるものである。したが
って、流体の回転シリンダ部材内の通過がスムーズなも
のになる。
【0016】また、請求項7記載の流体回転機のよう
に、ピストンのピストン保持部材側に対向する面を平面
とし、ピストン保持部材と面接触するようにしても良
い。
【0017】また、請求項8記載の流体回転機は、ピス
トンの横断面形状を異形状とし、当該形状に前記シリン
ダ室の横断面形状を一致させたものである。したがっ
て、ピストンが摺動するシリンダ室の両側壁を底面に対
して垂直に形成せずに済むので、シリンダ室の加工が容
易になる。
【0018】また、請求項9記載の流体回転機は、ピス
トンの横断面形状の異形状を、ピストンの底面の両コー
ナー部分を丸めた形状としている。したがって、ピスト
ンが摺動するシリンダ室のコーナー部分を丸めた形状に
することができるので、シリンダ室の加工がより一層容
易になる。
【0019】また、請求項10記載の流体回転機は、潤
滑剤循環機構を備えたものである。したがって、ピスト
ン,ピストン保持部材,回転シリンダ部材等の摺動面を
潤滑することができる。
【0020】また、請求項11記載の流体回転機は、回
転シリンダ部材とピストン保持部材を、転がり軸受け部
材又は滑り軸受け部材によって回転自在に支持したもの
である。したがって、回転シリンダ部材とピストン保持
部材の回転がスムーズになる。
【0021】また、請求項12記載の流体回転機は、回
転シリンダ部材とピストン保持部材が、スラスト荷重と
ラジアル荷重とを同時に受ける軸受け部材によって回転
自在に支持されている。したがって、回転シリンダ部材
とピストン保持部材を回転自在に支持する部分の構造が
簡単なものとなり、装置の小型化と低コスト化を図るこ
とができる。
【0022】また、請求項13記載の流体回転機は、ピ
ストンとシリンダ室との間に形成される隙間に磁性流体
を配置し、磁性流体を隙間に保持させるための磁石をピ
ストンとシリンダ室との接触部位の近傍に設けたもので
ある。したがって、磁石によって保持された磁性流体が
ピストンと回転シリンダ部材との間の隙間に充填され
る。このため、ピストンとシリンダ部材とが対向する部
位の僅かな隙間がさらに確実に封止され、接触部位から
の流体の漏れがより確実に防止できる。
【0023】また、請求項14記載の流体回転機は、ピ
ストンが複数形成されると共にシリンダ室が複数対形成
され、これら複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材の
回転軸心を含んで交差するように形成されている。した
がって、複数のピストンによって回転する流体回転機が
提供される。
【0024】また、請求項15記載の流体回転機は、複
数対のシリンダ室は回転シリンダ部材に円周方向に等配
分された位置に配置されている。したがって、回転シリ
ンダ部材の回転バランスが良くなり、振動や騒音の発生
を防止することができるとともに、高速回転に適した流
体回転機が提供される。
【0025】また、請求項16記載の流体回転機は、複
数対のシリンダ室が交差する部位のピストンの移動方向
における長さは、ピストンの長さよりも短いものであ
る。したがって、往復直線運動を行うピストンはシリン
ダ室が交差する部位を通過する際に移動しているシリン
ダ室の壁面にガイドされて交差する他のシリンダ室を横
切るので、他のシリンダ室に突っかかることなくスムー
ズに通過することができる。
【0026】また、請求項17記載の流体回転機は、複
数対のシリンダ室が交差する部位に面取り部が形成され
ている。したがって、ピストンのシリンダ室が交差する
部位の通過がより一層スムーズになる。
【0027】さらに、請求項18記載の流体発電機は、
請求項1から17のいずれかに記載の流体回転機の出力
側に発電機構を接続したものである。したがって、上述
の流体回転機を使用して発電を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1〜図3に、本発明を適用した流体発電
機の実施形態の一例を示す。なお、本願の流体発電機が
動力源として用いる流体はオイル,水等の液体に限るも
のではなく、空気,ガス等の気体であっても良い。
【0030】流体発電機98は、流体回転機1と発電機
構99より構成されている。流体回転機1は、円盤形状
の回転シリンダ部材2と、180度離れた2つの偏心し
た自転中心位置X1,X2にそれぞれピストン3,4を
回動可能に保持しかつ回転シリンダ部材2の回転軸心o
から偏心した位置を回転中心位置Xとして回転するピス
トン保持部材5と、回転シリンダ部材2及びピストン保
持部材5の両回転部材をそれぞれ回転自在に支持する支
持部材としてのケーシング6と、を有している。
【0031】回転シリンダ部材2は、所定の厚みを有す
る円盤形状で形成されており、ケーシング6内に回転自
在に配置されている。即ち、回転シリンダ部材2はケー
シング6に圧入された固定軸21に回転自在に嵌め込ま
れ、スラスト荷重とラジアル荷重を同時に受ける軸受け
部材7によって回転自在に支持されている。本実施形態
では、軸受け部材7として、例えはボールベアリングを
使用している。ただし、軸受け部材7としては、ボール
ベアリングに限るものではなく、ころ軸受け、ニードル
ベアリング等の転がり軸受けであっても良く、さらには
滑り軸受け等であっても良いことは勿論である。
【0032】回転シリンダ部材2には、4つの扇状の台
部25を利用して形成された十字状の空間が設けられて
いる。この十字状の空間は、空洞部22と4つのシリン
ダ室23a,23b,23c,23dとから構成されて
いる。すなわち、回転シリンダ部材2の他側の端面に
は、回転軸心oを中心として所定の広さを備えかつ底面
を有する空洞部22が形成されている。そして、この空
洞部22内の回転軸心oを中心として放射状に、4つの
シリンダ室23a〜23dが設けられている。シリンダ
室23a〜23dは上面部分が開放された溝形状をなし
ており、この溝の横断面形状は詳しくは後述するピスト
ン3,4の横断面形状と一致している。また、シリンダ
室23a〜23dの長手方向の一端側(中央側)は空洞
部22に連通している。
【0033】なお、空洞部22の底面は、シリンダ室2
3a〜23dに対応した形状となっている。即ち、シリ
ンダ室23a〜23dの横断面形状とこれらに連続する
空洞部22の断面形状は同一であり、厚肉の円板材料に
十字状の溝を切削等の方法で加工することで、空洞部2
2及びシリンダ室23a〜23dより成る十字状の溝を
形成することができる。しかも、切削等の方法で加工さ
れる十字状溝の底面の両コーナー部分は丸みを帯びた形
状で良いため、その加工は極めて容易である。
【0034】シリンダ室23a〜23d内には、後述す
るようにピストン保持部材5に保持されたピストン3,
4が嵌まり込んで摺動するようになっている。すなわ
ち、ピストン3,4は、例えば図4(A)に示すよう
に、その底面の両コーナー部分11を丸めた形状を成し
ており、その横断面形状をシリンダ室23a〜23dの
横断面形状に一致させている。また、ピストン3,4の
上面(ピストン保持部材5との対向面)は平面となって
いる。したがって、流体回転機1が組み付けられると、
シリンダ室23a〜23dに対してピストン3,4の上
面,両側面,底面はピストン3,4の全長に亘って面接
触することになり、シリンダ室23a〜23dとピスト
ン3,4の間の気密性・液密性が確保される。すなわ
ち、流体の漏れをより確実に防止することができる。
【0035】なお、上述したように形成されたシリンダ
室23a〜23dの長手方向の他端側(径方向外側)
は、回転シリンダ部材2の外周面2aに開放されてい
る。そのため、各シリンダ室23a〜23dは、後述す
るケーシング6に形成された流入口61及び流出口62
に連通可能となっている。
【0036】なお、上述した各シリンダ室のうちの2つ
のシリンダ室23a,23bは、180度の位置に配置
されており、ピストン3にとって、それぞれ空洞部22
を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、後
述するように、ピストン保持部材5の回転により、回転
シリンダ部材2とピストン保持部材5とが相対回転する
と、ピストン3が空洞部22を経てシリンダ室23a,
23b間を見た目上の往復直線運動を行い、シリンダ室
23a,23b内の双方に出入りするようになってい
る。
【0037】また、残りの2つのシリンダ室23cと2
3dも、180度の位置に配置されており、ピストン4
にとって、それぞれ空洞部22を挟んで対向する一対の
部材となっている。そして、回転シリンダ部材2とピス
トン保持部材5とが相対回転すると、ピストン4が空洞
部22を経てシリンダ室23c,23d間を見た目上の
往復直線運動を行い、シリンダ室23c,23d内の双
方に出入りするようになっている。また、対となるシリ
ンダ室23a,23bとシリンダ室23c,23dが交
差する部位である空洞部22のピストン3,4の移動方
向における長さは、ピストン3,4の接触面(シリンダ
室23a〜23dの両側壁面と対向する面)の長さより
も短くなっている。
【0038】図2等からも明らかなように、二対のシリ
ンダ室、即ちシリンダ室23a,23bとシリンダ室2
3c,23dは回転シリンダ部材2の回転中心oを含ん
で交差するように形成され、回転シリンダ部材2に円周
方向に等配分された位置に配置されている。
【0039】ピストン保持部材5は、回転シリンダ部材
2の外径よりも小さい外径を有する円盤形状に形成され
ている。このピストン保持部材5の回転中心位置Xに
は、出力軸51の一端が圧入により挿入固定されてい
る。なお、このピストン保持部材5の回転中心位置X
は、上述の回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心し
た位置に設けられている。そして、出力軸51の他端に
は、発電機構99のロータ72が取り付けられている。
ピストン保持部材5は、スラスト荷重とラジアル荷重を
同時に受ける軸受け部材8によって回転自在に支持され
ている。本実施形態では、軸受け部材8として、例えは
ボールベアリングを使用している。ただし、軸受け部材
8としては、ボールベアリングに限るものではなく、こ
ろ軸受け、ニードルベアリング等の転がり軸受けであっ
ても良く、さらには滑り軸受け等であっても良いことは
勿論である。
【0040】ピストン保持部材5の出力軸51が固定さ
れた面と反対側の面には、ピストン3を自転可能に保持
する保持軸52と、ピストン4を自転可能に保持する保
持軸53とが立設固定されている。
【0041】ピストン3は、往復直線運動時における前
後の面31,31が若干丸みを有するように形成されて
いる。また、ピストン3の中心部分には孔3aが形成さ
れており、この孔3aに保持軸52を挿入することで、
ピストン3は保持軸52に自転可能に保持される。
【0042】ピストン4もピストン3と同様、往復直線
運動時における前後の面41,41が若干丸みを有する
ように形成されている。また、ピストン4の中心部分に
は孔4aが形成されており、この孔4aに保持軸53を
挿入することで、ピストン4は保持軸53に自転可能に
保持される。
【0043】なお、ピストン保持部材5とピストン3,
4の回転時の軌跡との関係を、図5に示す。ピストン保
持部材5の半径R1、支持軸52,53の間隔の1/2
の距離R2、ピストン3,4の回転時の最外径軌跡の半
径R3の関係は、R1>(R2+R3)となっており、
半径差△Rが発生する。半径R1が距離R2+半径R3
よりも小さい場合には、動作時にピストン最外径軌跡が
ピストン保持部材5から飛び出すことになり、ピストン
3,4の回転の安定性、密閉性を確保するためには部品
の加工精度を向上させる必要がある。これに対し、上述
のように半径R1>距離R2+半径R3の関係にするこ
とで、部品の加工精度をあまり厳しくしなくてもピスト
ン3,4の回転の安定性、密閉性を確保するのが容易に
なる。ただし、かかる関係は密閉性を確保する等のため
のものであり、この関係に限定されることはなく、半径
R1は距離R2+半径R3とほぼ同等でも、小さくても
良いことは勿論である。
【0044】ケーシング6には、外部の流体をケーシン
グ6内に吸い込むための流入口61と、ケーシング6内
に吸い込んだ流体を外部へ吐出するための流出口62と
が形成されている。
【0045】流入口61は、ケーシング6の内周面に形
成されたスリット61aと、このスリット61aとケー
シング6の外部とを連通させる連通孔61bと、この連
通孔61bのケーシング6の外面側に接続される流入管
61cとから構成されている。そして、スリット61a
は、回転シリンダ部材2が回転すると、各シリンダ室2
3a〜23dとそれぞれ連なるようになっている。即
ち、流入口61は、回転シリンダ部材2の回転軸心oか
らみて回転シリンダ部材2の回転にともない、ピストン
3,4が回転シリンダ部材2の略外周位置にあるときに
シリンダ室23a〜23dを連通するように開口し、回
転シリンダ部材2の略中心位置にあるときにシリンダ室
23a〜23dと閉口するように形成されている。
【0046】また、流出口62は、ケーシング6の内周
面に形成されたスリット62aと、このスリット62a
とケーシング6の外部とを連通させる連通孔62bと、
この連通孔62bのケーシング6の外面側に接続される
流出管62cとから構成されている。そして、スリット
62aは、回転シリンダ部材2が回転すると、各シリン
ダ室23a〜23dとそれぞれ連なるようになってい
る。
【0047】流入口61と流出口62は、流体の流れに
対して流れ抵抗が小さくなるように形成されている。例
えば、流体がケーシング6内を方向転換せずにそのまま
直進できるように回転シリンダ部材2を挟んで対向する
直径上位置に流入口61と流出口62を形成している。
また、流入口61のスリット61aと流出口62のスリ
ット62aは、回転シリンダ部材2の回転方向に対して
広い範囲に形成されている。例えば、スリット61a
は、回転シリンダ部材2の回転方向に対して、ピストン
3,4を最も外側に移動させている状態のシリンダ室
(図2ではシリンダ室23d)を通過した位置から連通
孔61bが形成されている範囲に亘って形成されてい
る。また、スリット62aは、回転シリンダ部材2の回
転方向に対して、連通孔62bの始まる位置からピスト
ン3,4を最も外側に移動させている状態のシリンダ室
(図2ではシリンダ室63d)の直前の位置までの範囲
に亘って形成されている。さらに、流入口61の連通孔
61bと流出口62の連通孔62bは、各シリンダ室2
3a〜23dに比べて通路面積が十分大きくなってい
る。この様に、流入口61と流出口62が対向した位置
に形成され、しかもスリット61a,62aが広い範囲
に形成され、且つ連通孔61bと62bは通路面積が大
きく形成されているので、流体の流れ抵抗は小さなもの
となる。また、スリット61a,62aの流路断面積
は、深さ方向の値でコントロールできるので、流体抵抗
が小さくなるように設定してある。
【0048】流入口61と流出口62との間には、流体
が回転シリンダ部材2内を迂回するバイパス流路101
が設けられている。バイパス流路101は、例えばケー
シング6に形成された流路で、流入口61に通じる流入
口側空間102と、流出口62に通じる流出口側空間1
03と、流入口側空間102と流出口側空間103を連
通する迂回流路104より構成されている。
【0049】流出口62付近例えば流出口側空間103
には、流体の圧力によりバイパス流路101を開閉する
開閉弁105が設けられている。開閉弁105は、迂回
流路104を開閉する弁本体106と、弁本体106と
ケーシング6との間に圧縮された状態で配置され、且つ
流体の流れに逆らって迂回流路104を閉じる方向に弁
本体106を付勢する圧力調整ばね107より構成され
ている。
【0050】この流体回転機1は、ピストン前後動背圧
逃がし手段12を備えている。ピストン前後動背圧逃が
し手段12は、例えば空洞部22の底面の中央に形成さ
れた十字溝である。このピストン前後動背圧逃がし手段
としての十字溝12は、ピストン3,4の長さよりも若
干長く形成されており、図2に示すように、空洞部22
にピストン3,4が位置している場合であっても各シリ
ンダ室23a〜23dを連通することができる。このた
め、流体として非圧縮性の液体を使用する場合であって
も、ピストン3,4が液圧によってロックされることは
なく円滑な動きを可能にしている。なお、十字溝12の
通路断面積はピストン3,4の横断面積よりも十分小さ
くなっており、流入口61からシリンダ室23a〜23
d内に流れ込んだ流体の圧力は殆どピストン3,4に作
用するので、流体回転機1としての効率を悪化させるこ
とはない。ただし、ピストン前後動背圧逃がし手段とし
ての十字溝12は、例えば流体として気体を使用する場
合等には省略しても良い。
【0051】また、流体回転機1は、潤滑剤循環機構1
5を備えている。潤滑剤として潤滑オイルを、且つ流体
として気体を用いる場合の例を図6に示す。図6の潤滑
剤循環機構15は、潤滑剤タンク16と、ケーシング6
に設けられたポート19に連通し、この潤滑剤タンク1
6からケーシング6内に潤滑剤を導く潤滑剤流入通路1
7と、ケーシング6の出口側に設けられたポート20に
連通し、この潤滑剤タンク16に潤滑剤を導く潤滑剤流
出通路18を備えて構成されている。潤滑剤流入通路1
7の途中には、図示しないフィルタが設けられている。
なお、潤滑剤としては、潤滑オイル、潤滑グリス、水、
その他流体等、潤滑性とシール性を有するものであれば
良い。
【0052】潤滑剤流入通路17は、ケーシング6に設
けられたポート19に接続されている。このポート19
からケーシング6内に導かれた潤滑剤は、ケーシング6
内の各部材の隙間等を伝わって摺動面を潤滑する。そし
て、潤滑剤は流体と一緒にケーシング6に設けられたポ
ート20から潤滑剤流出通路18へと流出し、潤滑剤タ
ンク16へと循環される。そして、潤滑剤タンク16内
で潤滑剤と流体は分離され、潤滑剤は、回転シリンダ部
材2やピストン保持部材5の回転によって生じる圧力差
を利用して、潤滑剤タンク16→潤滑剤流入通路17→
ケーシング6内→潤滑剤流出通路18→潤滑剤タンク1
6へと循環する。一方、流体は流出口62から吐出され
る。
【0053】なお、図6では、流体が気体であることを
前提にしているが、流体が液体である場合でも、この潤
滑剤循環機構を用いることができる。例えば、液体が潤
滑剤と分離可能なものであれば、潤滑剤タンク16内で
図示しない分離手段を用いて分離し、潤滑剤タンク16
内に分離した潤滑剤だけを残し、液体を潤滑剤タンク1
6から外に取り出すことも可能である。
【0054】また、流体が、潤滑剤とシール性を有する
液体であれば、別の潤滑剤を用いる必要はないので、潤
滑剤タンク16や潤滑剤流入通路17を構成する潤滑剤
循環機構を使用しなくてもよい。
【0055】次に、発電機構99について説明する。発
電機構99は、回転側の要素としてのマグネット固定用
リング73及びマグネット74と、固定側の要素として
のコア76及びコイル77を備えている。なお、図1
中、符号113は水漏れ防止カバー、符号114は端子
取り出し用スペーサである。
【0056】すなわち、流体回転機1の出力軸51にロ
ータ72を取り付け、ロータ72にマグネット固定用リ
ング73を一体成形すると共に、このマグネット固定用
リング73にマグネット74を接着固定している。な
お、マグネット固定用リング73をロータ72と別々に
形成しても良い。一方、マグネット74に対向するコア
76およびコイル77は、流体回転機1のケーシング6
に取り付けられた発電機構99のハウジング78に取り
付けられている。
【0057】なお、本実施形態では、図7に示すよう
に、コア76の突極の中心とマグネット74の磁極(N
極またはS極)の中心位置とシリンダ室23a〜23d
になる溝位置とを略一致させている。これは、機動性を
よくするためであり、シリンダ室23a〜23dが停止
すると最大トルクを発生し起動し易くすることができ
る。しかし、使用上問題ない範囲であれば、上記位置関
係に固執することはない。なお、図7に示す発電機構9
9は4極であるが、4極の発電機構99に限るものでは
なく、例えば8極の発電機構99や、16極の発電機構
99であっても良いことは勿論である。
【0058】次に流体発電機98の作動について説明す
る。
【0059】上述したように構成された流体回転機1
は、流体の圧力によって回転する。すなわち、流入口6
1に流体が供給されると、ピストン保持部材5や回転シ
リンダ部材2等が回転運動を行い、出力軸51から回転
力を取り出すことができる。
【0060】流体回転機1の動作について、図8(A)
〜(F)を用いて説明する。なお、図8(A)〜(F)
は、回転シリンダ部材2の回転角にして15度おきに示
したものである。また、図8には、バイパス流路101
の記載を省略している。
【0061】まず、図8(A)の状態では、シリンダ室
23a,23b内を見かけ上往復動するピストン3は、
回転シリンダ部材2の空洞部22に位置している。この
位置では、ピストン3はシリンダ室23a,23bに同
時に係合している。一方、シリンダ室23c,23d内
を見かけ上往復動するピストン4は、回転シリンダ部材
2のシリンダ室23d内の最外周端部まで進出した(押
し進められた)状態となっている。
【0062】この状態では、シリンダ室23bは流入口
61のスリット61aに対向しており、シリンダ室23
aは流出口62のスリット62aに対向している。ま
た、シリンダ室23c,23dは、スリット61aとス
リット62aの間、即ちスリット61a,62aが形成
されていない位置に対向している。
【0063】この状態で、流入口61から流体がシリン
ダ室23bに流入すると、この流体の圧力によってピス
トン3がシリンダ室23aに向けて押し進められる。自
転中心位置X1は回転中心位置Xに対してずれているこ
とから、ピストン3が進む力はピストン3を保持するピ
ストン保持部材5を回転させる力となり、ピストン保持
部材5を回転中心位置Xまわりに回転させる。この結
果、ピストン3は回転中心位置Xまわりに回転するの
で、回転シリンダ部材2を回転軸心oまわりに回転させ
る。
【0064】ピストン3は、シリンダ室23a内の流体
を流出口62から排出しながら、流入口61からシリン
ダ室23bに流入した流体の圧力で押し進められる。一
方、ピストン保持部材5の回転に伴い、図8(B)に示
すように、シリンダ室23d内のピストン4は空洞部2
2に向けて引き戻されることになるが、この時、ピスト
ン3,4間の流体は十字溝12を通ってシリンダ室23
dから他のシリンダ室23a〜23cに流出し、また、
ピストン保持部材5の回転によってシリンダ室23dが
流入口61のスリット61aにオーバーラップ(対向)
し始めるので、流入口61からシリンダ室23dへと流
体が流入し始める。すなわち、流体の圧力によってピス
トン3,4の動きが妨げられる(液圧ロックされる)こ
とはなく、ピストン3,4はスムーズに動き、ピストン
保持部材5及び回転シリンダ部材2はスムーズに回転す
る。
【0065】そして、流入口61から流入した液体はシ
リンダ室23bとシリンダ室23dに流入し、ピストン
3,4を押し進めることでピストン保持部材5及び回転
シリンダ部材2を回転させ続ける。より具体的には、ピ
ストン3は、流入口61のスリット61aからの流体圧
力により回転シリンダ部材2の回転軸心oの位置から外
周へ進み、連通孔62b側のシリンダ室23aの流体を
押し出そうとする。
【0066】また、流体圧力がピストン3を押すことに
より、ピストン保持部材5の回転力となる。
【0067】一方、この流体圧力は、ピストン4には大
きく作用していない。即ち、ピストン4は、回転シリン
ダ部材2の回転軸心oに向かおうとするが、ピストン4
の前後は共にスリット61aにつながっており、等圧状
態であるスリット61aの図示上側の開口溝からの流入
流体が回転力を与えている(図8(C))。この状態で
は、シリンダ室23bとシリンダ室23dが流入口61
のスリット61aにオーバーラップしているが、ピスト
ン保持部材5及び回転シリンダ部材2が更に回転して図
8(D)の位置に達すると、流入口61のスリット61
aにオーバーラップしているシリンダ室はシリンダ室2
3dのみとなり、以降、流体の圧力はピストン4に作用
する。即ち、流体圧力がピストン4を押し、ピストン4
がシリンダ室23b,23c、空洞部22の流体を押
し、ピストン3が押されることとなり、回転力が継続す
る。換言すれば、流体の圧力を受けるピストンがピスト
ン3からピストン4へと移り、ピストン保持部材5及び
回転シリンダ部材2は回転し続ける。
【0068】一方、この状態では、流出口62のスリッ
ト62aにオーバーラップしているシリンダ室はシリン
ダ室23aのみであり、シリンダ室23a内の流体が流
出口62から排出されているが、ピストン保持部材5及
び回転シリンダ部材2が更に回転して図8(E)の位置
に達すると、シリンダ室23cも流出口62のスリット
62aにオーバーラップするようになり、スリット61
aからの流体圧力は、ピストン4が受け、ピストン保持
部材5に回転を与え、シリンダ室23a内の流体とシリ
ンダ室23c内の流体を流出口62から排出しながらピ
ストン保持部材5及び回転シリンダ部材2は回転する
(図8(F))。
【0069】そして、以降、流入口61のスリット61
aと流出口62のスリット62aに対するシリンダ室の
位置関係がシリンダ室23b→シリンダ室23d→シリ
ンダ室23a→シリンダ室23c→シリンダ室23bへ
と順番に変化し、また、流体の圧力を主に受けるピスト
ンがピストン3→ピストン4→ピストン3へと交互に変
化することで、ピストン保持部材5及び回転シリンダ部
材2が回転し続ける。したがって、出力軸51から回転
力が連続して出力される。すなわち、流体モータとして
機能する。
【0070】出力軸51の回転により発電機構99のロ
ータ72が回転し、これに固定されているマグネット7
4がコア76に巻かれているコイル77に対して回転す
る。したがって、コイル77に電流が生じて発電が行わ
れる。この発電機構99では、内側のコア76、コイル
77を中心として、その周囲にマグネット74を配置し
ているので、発電効率が良好になる。
【0071】流入口61から流入する流体の圧力があま
り高くない通常時には、開閉弁105は迂回流路104
を閉じている(図2)。このため、流体がバイパス流路
101を通って流れることはなく、流入口61に供給さ
れた流体は回転シリンダ部材2内を通過してピストン
3,4を動かした後、流出口62から流出する。即ち、
流体が全て発電に寄与する。
【0072】一方、流体の流量が増加しその圧力が上昇
すると、流体の圧力によって開閉弁105の圧力調整ば
ね107が押し縮められ弁本体106が移動する。した
がって、開閉弁105が開き、流体がバイパス流路10
1を通って流れ始める(図9)。
【0073】即ち、流体の流量が過大になると開閉弁1
05が開いて流体の一部をバイパス流路101に流して
回転シリンダ部材2を迂回させる。このため、流体回転
機1の回転速度が速くなり過ぎるのを防止することがで
き、装置の耐久性を向上させることができると共に、騒
音の発生防止を図ることができる。また、流体の流路途
中に設置される流体回転機1は流体の流れ抵抗となる
が、流量が過大となって流体回転機1が大きな流れ抵抗
となる場合にバイパス流路101を通じて流体を流すこ
とができるので、流体の流れ抵抗を減少させることがで
きる。このため、流体の圧力損失や流量の減少を抑える
ことが出来る。
【0074】流体の流量が減少してその圧力が下がる
と、開閉弁105の圧力調整ばね107が弁本体106
を押し戻して迂回流路104を閉じる。このため、バイ
パス流路101内の流体の流れが停止し、流入口61か
ら流入した流体は全て回転シリンダ部材2内を通過して
ピストン3,4を作動させる。このように、開閉弁10
5は流体の圧力の増減に応じて開閉するので、圧力調整
ばね107の付勢力を調整しておくことで、流量が過大
になった場合に流体の過大分を自動的に迂回させること
ができる。
【0075】なお、この流体回転機1では、ピストン
3,4がシリンダ室23a〜23dの外側位置から空洞
部22に向けて引き戻される場合、即ちシリンダ室23
a〜23d内の容積が増加する場合には、シリンダ室2
3a〜23dは流入口61のスリット61aにオーバー
ラップしている。また、ピストン3,4が空洞部22か
らシリンダ室23a〜23dの外側位置に向けて押し進
められる場合、即ちシリンダ室23a〜23d内の容積
が減少する場合には、シリンダ室23a〜23dは流出
口62のスリット62aにオーバーラップしている。こ
のため、ピストン3,4はスムーズに移動する。また、
上述したように、流入口61と流出口62は対向した位
置に形成されており、しかもスリット61a,62aが
広い範囲に形成され、且つ連通孔61bと62bは通路
面積が大きく形成されているので、流体の流れ抵抗は小
さなものとなる。これらの結果、流体の圧力が効率よく
出力軸51の回転力に変換されることになり、効率の良
い流体回転機1となる。
【0076】この流体回転機1では、ピストン3,4の
周回回転運動、すなわち、回転中心位置Xを中心とした
ピストン保持部材5の回転運動は、回転シリンダ部材2
の回転軸心oを中心とする回転角速度の2倍の角速度回
転運動となる。これは、ピストン3,4の回転半径が、
図2に示すように回転シリンダ部材2のピッチ円Z回転
半径の1/2となっており、ピストン3,4の回転運動
は、回転シリンダ部材2の回転運動に対して円サイクロ
イド運動となっているためである。なお、ピストン3,
4の自転、すなわち保持軸52,53を各々回転中心と
する回転も、回転シリンダ部材2と同じ角速度回転運動
となる。
【0077】また、ピストン3は、回転シリンダ部材2
が1回転する間にシリンダ室23a,23b間を1往復
するようになっており、ピストン3の往復動作数と回転
シリンダ部材2の回転数とが1:1の関係になってい
る。また、ピストン4も同様に、回転シリンダ部材2が
1回転する間にシリンダ室23c,23d間を1往復す
るようになっており、ピストン4の往復動作数と回転シ
リンダ部材2の回転数とが1:1の関係になっている。
すなわち、回転シリンダ部材2の回転数対ピストン保持
部材5の回転数対ピストン3,4のシリンダ室23a〜
23d及び空洞部22を往復する動作数の比が、1:
2:1となっている。
【0078】また、上述したように、ピストン3,4の
横断面形状とシリンダ室23a〜23dの横断面形状を
一致させているので、流体回転機1が組み付けられる
と、シリンダ室23a〜23dに対してピストン3,4
の上面,両側面,底面はピストン3,4の全長に亘って
面接触することになり、シリンダ室23a〜23dとピ
ストン3,4の間の気密性・液密性が確保される。すな
わち、流体の漏れをより確実に防止することができ、効
率の良い流体回転機とすることができる。
【0079】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0080】例えば、上述の説明では、流体回転機1と
発電機構99を一体化させた流体発電機98としていた
が、必ずしも流体発電機98に限るものではなく、発電
機構99を省略して流体回転機1として即ち流体モータ
として使用しても良いことは勿論である。
【0081】また、流体モータとして使用する場合に
は、上述の流出口62を流体の流入口とし、流入口61
を流体の流出口として用いることで、出力軸51から逆
回転の出力を得ることができる。
【0082】また、上述の説明では、ピストン保持部材
5の回転軸である出力軸51によって発電機構99を回
転させるようにしていたがこのような構成に限るもので
はなく、回転シリンダ部材2の回転中心軸である固定軸
21を出力軸として回転シリンダ部材2に固定し、この
軸21によって発電機構99を回転させるようにしても
良い。同様に、流体モータとして使用する場合には、ピ
ストン保持部材5の回転軸を出力軸51としても良い
し、回転シリンダ部材2の回転軸である固定軸21を出
力軸としても良い。
【0083】また、上述の説明では、開閉弁105を流
出口62付近に設けていたが、設置位置はここに限るも
のではない。例えば開閉弁105を流入口61付近に設
けても良い。例えば図10に示すように、流入口側空間
102に開閉弁105を設けても良い。
【0084】また、上述の説明では、開閉弁105を弁
本体106と圧力調整ばね107によって構成し、流体
の圧力変動に応じてバイパス流路101を開閉していた
が、これに限るものではない。流体の圧力を受けて伸縮
する圧力調整ばね107を備えた開閉弁105に代え
て、例えば図11,図12に示すように、ソレノイド1
08のオンオフ操作とリターンスプリング112のばね
力によって弁本体106を移動させるソレノイド弁によ
って開閉弁105を構成しても良い。この場合、回転シ
リンダ部材2やピストン保持部材5の回転速度が所定値
よりも速くなった場合にソレノイド弁105を開弁させ
るようにすることが好ましい。例えば、回転シリンダ部
材2又はピストン保持部材5の回転数を検出する回転数
検出手段109と、回転数検出手段109が検出した回
転数に基づいて回転速度を算出し、ソレノイド弁105
のソレノイド108をオンオフ操作する制御回路110
を設けるようにしても良い。回転シリンダ部材2やピス
トン保持部材5の回転速度に基づいて流体の流量が過大
であることを検出することができるので、この場合にも
流量が過大になったときに流体の一部をバイパス流路1
01に迂回させることができる。なお、回転シリンダ部
材2やピストン保持部材5の回転速度を検出する回転数
検出手段109としては、例えば後述する図31や図3
2の回転数検出手段109の使用が可能である。
【0085】また、例えば図13,図14に示すよう
に、流入口61に、バイパス流路101側に傾斜する傾
斜部111aを有するフィルタ111を設けても良い。
図13,図14では、フィルタ111を流入口側空間1
02に設けている。流入口61からゴミ等の異物が混入
した場合、フィルタ111によって回転シリンダ部材2
内への流入を防止することができ、しかも異物は傾斜部
111aに沿ってバイパス流路101へと流れるので、
異物を流出口62から排出することができ、フィルタ1
11の目詰まりを防止することができる。
【0086】また、例えば図33に示すように、バイパ
ス流路101に連通している背圧逃がし手段115を設
けても良い。背圧逃がし手段115は、回転シリンダ部
材2やピストン保持部材5等の回転の抵抗となる背圧を
減少させるもので、例えばケーシング6に設けた孔であ
り、ケーシング6内の回転シリンダ部材2を収容する空
間(以下、ケーシング内空間という)とバイパス流路1
01を連通している。回転シリンダ部材2とケーシング
6の隙間やピストン保持部材5とケーシング6の隙間等
に発生した背圧は回転シリンダ部材2やピストン保持部
材5を傾けたり浮き上がらせたりして回転力を低下させ
るが、この背圧を背圧逃がし手段115を通じてバイパ
ス流路101に逃がすことで、回転シリンダ部材2やピ
ストン保持部材5等の動きをスムーズにすることができ
る。また、背圧逃がし手段115はバイパス流路101
に連通しているので、背圧をバイパス流路101を通じ
て流出口62から排出することができる。なお、バイパ
ス流路101に連通する背圧逃がし手段115を設ける
場合には、開閉弁105を流入口側空間102に設ける
ようにする。開閉弁105を流出口側空間103に設け
た場合、シリンダ室23a〜23d内の圧力とバイパス
流路101内の圧力が等しくなり、回転シリンダ部材2
等の回転力が弱くなったり、バイパス流路101内を流
体が逆流する可能性があるが、開閉弁105を流入口側
空間102に設けることでこれらの不具合を防止するこ
とができる。
【0087】なお、図34に示すように、背圧逃がし手
段115の途中に拡径部116を形成し、拡頸部116
に背圧弁117を設けても良い。背圧弁117はバイパ
ス流路101内の流体がケーシング内空間に流入するの
を阻止し且つケーシング内空間の圧力が所定値よりも大
きくなった場合にケーシング内空間からバイパス流路1
01に向かう流体の流れを許容する一方向弁で、背圧逃
がし手段115を塞ぐチェックボール118と、チェッ
クボール118を押圧するスプリング119と、スプリ
ング119及びチェックボール118の脱落を防止する
と共にスプリング119の押圧力を調整するアジャスト
スクリュウ120より構成されている。アジャストスク
リュウ120はケーシング6の側面からねじ込まれ、バ
イパス流路101を横切ってスプリング119を保持し
ている。アジャストスクリュウ120のねじ込み量を調
整することで、背圧弁116が開弁する圧力値を設定す
ることができる。
【0088】また、ピストン3,4の形状やシリンダ室
23a〜23dの横断面形状は、図4に示したものに限
るものではなく、例えば図17〜図21に示す異形状の
横断面形状を有するものであっても良く、また、図22
に示すものであっても良い。さらに、その他の形状であ
っても良い。なお、ピストン3,4の横断面形状を異形
状とした場合にもこの形状にシリンダ室23a〜23d
の横断面形状を一致させることは勿論である。
【0089】さらに、上述の説明では、ケーシング6の
回転シリンダ部材2の外周面の対向する位置にそれぞれ
流入口61及び流出口62を設け、ケーシング6内を直
進するように流体を流すようにしていたが、必ずしもこ
れに限るものではなく、流入口61と流出口62の一方
又は両方を回転シリンダ部材2の上下方向位置に設けて
連通するようにしても良い。
【0090】また、上述の説明では、シリンダ室の数を
4つ,ピストンの数を2つとしていたが、必ずしもこの
数の組み合わせに限るものではない。例えば、シリンダ
室の数を6つ,ピストンの数を3としてもよい。この場
合の作動原理を、図15に基づいて簡単に説明する。な
お、図15にはバイパス流路101の記載を省略してい
る。
【0091】図15の例では、ケーシング6内に6つの
シリンダ室23a〜23fと6つの扇状の台部25を備
えた回転シリンダ部材2が回転自在に配置されている。
そして、回転シリンダ部材2の偏心位置には、ピストン
保持部材5が回転自在に配置され、このピストン保持部
材5には、3つのピストン3A,3B,3Cが回転自在
に保持されている。なお、上述の場合と同様に、この流
体回転機1のケーシング6内に配置された回転シリンダ
部材2とピストン保持部材5の回転の比率は、ピストン
保持部材5の回転数が2に対して回転シリンダ部材2の
回転数が1であり、ピストン3A,3B,3Cのシリン
ダ室23a〜23f内の往復回数は1である。
【0092】この例でも図8の場合と同様に、ピストン
保持部材5の回転により各ピストン3A〜3Cが図中時
計回り方向に回転すると、この動作に伴い回転シリンダ
部材2も同方向に回転するようになっている。これによ
り、ピストン3Aがシリンダ室23a,23b間を、ピ
ストン3Bがシリンダ室23c,23d間を、ピストン
3Cがシリンダ室23e,23f間を、それぞれ空洞部
22を横切りながら見た目上の往復運動するようになっ
ている。
【0093】なお、各ピストン3A〜3Cの長手方向の
寸法は、空洞部22を横切る際に、空洞部22の両側の
シリンダ室の内壁双方に係合することが可能なものとな
っている。したがって、各ピストン3A〜3Cは、空洞
部22を横切る際には両側のシリンダ室に同時に接触す
ることとなる。なお、各ピストン3A〜3Cは、空洞部
22を横切る際に互いに他のピストン3A〜3Cにぶつ
かり合わないように設計されているのは勿論である。こ
れにより、図15の例では、各ピストン3A〜3Cが常
時いずれかのシリンダ室にガイドされながら回転移動
し、その結果各ピストン3A〜3Cが各シリンダ室23
a〜23f内に確実に出入りし、流体の圧力によって図
示しない出力軸を回転させるモータ動作を行うこととな
る。
【0094】なお、図15に示すような6つのシリンダ
室23a〜23f及び3つのピストン3A〜3Cを有す
るタイプの流体回転機1は、トルク変動が少ないものと
なる。また、シリンダ室の数及びピストンの数は、上述
したものに限らず、シリンダ室の数を偶数としかつピス
トンの数をシリンダ室の数の半分で構成すれば、シリン
ダ室の数を2つとしたりあるいは8個以上としても良
い。即ち、シリンダ室を対にし且つピストンの数をシリ
ンダ室の対と同数にすれば、シリンダ室を一対としたり
或いは四対以上としても良い。また、ピストンの数は、
シリンダ室の数の半分ではなく、半分より少ない数とし
てもよい。
【0095】また、上述の説明では、回転シリンダ部材
2の片面側にピストン保持部材5を配置させ、このピス
トン保持部材5から保持軸52,53を、回転シリンダ
部材2のシリンダ室23a〜23d内に突出させること
によって、保持軸52,53に保持させたピストン3,
4を回転シリンダ部材2の十字状の空間内に配置させる
ようにしたが、図16(A)及び(B)に示すように、
ピストン保持部材を2枚の円盤状部材で構成し、回転シ
リンダ部材の両側に配置するものとしても良い。以下
に、図16に基づいて簡単に説明する。なお、図16に
はバイパス流路101の記載を省略している。
【0096】図16の流体回転機は、ケーシング81内
の円形のスペースの内壁に、多数のニードル82aを等
間隔に配置した輪環形状の軸受け部材(ニードルベアリ
ング)82を配置し、その内側に回転シリンダ部材84
を回転自在に支持させている。この回転シリンダ部材8
4には、各端部が半径方向外側には貫通されず、かつ軸
方向両側には貫通している十字状の空間が形成されてい
る。この十字状の空間の中心部は空洞部85、そして、
空洞部85から放射状に形成された部位は、それぞれシ
リンダ室86a,86b,86c,86dとなってい
る。このように形成された十字状の空間には、中心部に
孔87aを備えたブロック形状のピストン87と、中心
部に孔88aを備えたブロック形状のピストン88とが
回転自在に嵌め込まれている。
【0097】回転シリンダ部材84の軸方向両側には、
ケーシング81の外部に突出する出力軸89の一端を回
転中心として固定したピストン保持部材90が配置され
ている。すなわち、ピストン保持部材90は、回転シリ
ンダ部材84を挟んで配置された2枚の円盤状部材90
a,90bから構成されており、ピストン87,88を
それぞれ挿通させた2本の保持軸91a,91bによっ
て連結されている。
【0098】なお、図16の流体回転機の動作に関して
は、図1の流体回転機と同様のものとなっており、この
動作によってモータ活動を行うようになっている。な
お、この図16の流体回転機では、各シリンダ室86a
〜86dが回転シリンダ部材84の外周面に連通してい
ないので、流入口および流出口を回転シリンダ部材84
の両端面もしくは片側の端面の各シリンダ室86a〜8
6dに連通可能な位置の最外周部分に設けることとな
る。
【0099】また、複数対のシリンダ室を回転シリンダ
部材2に対して円周方向に互いに等配分する必要はな
く、例えば図23に示すように対となるシリンダ室23
a,23bと23c,23dを回転シリンダ部材2に対
して円周方向に等配分しなくても良い。
【0100】また、図24に示すように、シリンダ室2
3a〜23dを回転シリンダ部材2の回転軸心Oに対し
てオフセットさせて形成しても良い。また、図示しない
がピストンの幅は異なっても良い。
【0101】また、上述の各実施の形態では、ピストン
3,4の横断面形状と各シリンダ室23a〜23dの横
断面形状を一致させることでピストン3,4の周囲から
流体が漏れるのを防止する構成となっているが、これに
加え各ピストン3,4と各シリンダ室23a〜23dと
の間、すなわち対向面部分を磁性流体や粘性グリス等で
埋めるようにしてもよい。なお、磁性流体で埋める場合
は、各ピストン3,4内部に、磁性流体を隙間部分に保
持する保持手段としてのマグネットを備えるようにした
り、シリンダ室23a〜23dを区切る扇状の台部25
中にマグネットを埋め込むようにしたり、またその両者
にマグネットを備えるようにするのが好ましい。
【0102】例えば図25の例では、ピストン3内には
マグネット590が配置され、このマグネット590に
磁性流体591を付着させている。マグネット590
は、ピストン3のシリンダ室との接触部位の近傍、この
実施の形態ではピストン3の中央に設置されている。か
かる構成によって、各マグネット590は、磁性流体5
91をピストン3に引き寄せてその外周に保持すること
により、磁性流体591を回転シリンダ部材2との隙間
に充填し、この隙間からの流体の漏れを防止することが
できる。なお、図中符号N,Sは、マグネット590の
磁極を示すものである。
【0103】なお、ピストン3に配置するマグネット5
90の形状は、図26に示すものであっても良い。ま
た、ピストン3にマグネット590を配置することに代
えて、例えば図27や図28に示すように、回転シリン
ダ部材2の台部25にマグネット590を配置しても良
い。
【0104】また、上述の各実施の形態では、外面を平
面に形成された各ピストンが、内壁を平面で形成された
各シリンダ室に出入りする際に、平面同士が面対向する
ことによる抵抗力により各空間同士の流体の漏れを防止
する構成となっているが、これに加え各ピストンと各シ
リンダ室との対向面部分に粘性グリス等を充填部を設け
潤滑性を維持しつつ密閉性を高めても良い。この場合、
ピストンの両側面に凹部を形成して当該凹部を充填部と
しても良い。例えば、図29に示すように、ピストン
3,4の両側面34,44に凹部3d,4dを充填部と
して形成し、この凹部3d,4dに上記粘性グリス等を
ためておいてもよい。なお、この凹部3d,4dを形成
することで、潤滑剤を用いない場合でも、ピストン3,
4の往復動時の抵抗を和らげるようにもなっている。
【0105】また、例えば図30に示すように、回転シ
リンダ部材2の複数のシリンダ室23a〜23dが交差
する部位、即ち空洞部22の角22aを面取りしても良
い。このように面取りを施すことで、ピストン3,4が
回転シリンダ部材2の空洞部22を通過する際に、ピス
トン3,4の進行方向に対する向きが傾いたとしても次
のシリンダ室にスムーズに移動することができる。この
場合、ピストン3,4の角に面取りを施しても良いが、
ピストン3,4側に面取りを施すよりも、図30に示す
ように回転シリンダ部材2側に面取りを施すことがより
望ましい。ピストン側に面取りを施した場合には、ピス
トンが回転シリンダ部材の最外周側に回転しても面取り
部分が隙間となって圧縮された流体が残留することにな
り、この残留した流体がそのまま次の行程に持ち越され
ることになって効率が悪くなるからである。
【0106】また、回転シリンダ部材2又はピストン保
持部材5の回転数を検出する回転数検出手段109を備
えても良い。例えば図31に、流体発電機98に回転数
検出手段109を備えた場合の例を示す。この流体発電
機98では、例えばピストン支持軸52,53を金属製
のものにするとともに、ピストン保持部材5を別部材と
し、ピストン保持部材5のピストン支持軸52,53に
対向する位置に回転数検出手段として金属センサ109
を取り付け、金属センサ109によるピストン支持軸5
3,53の検出出力をカウンタでカウントすることで、
流体発電機98の回転数を検出する。ただし、この方法
に限るものではなく、例えば、マグネット572の回転
を検出するMR素子やホール素子573等を設け、これ
らの検出出力をカウンタでカウントすることで流体発電
機98の回転数を検出するようにしても良い。また、図
示しない電圧リミッタを設け、発電出力の正弦波形に基
づいて流体発電機98の回転数を検出するようにしても
良い。さらには、マグネット572の外側リングに図示
しないスリット板を設けるとともに、ケース側に図示し
ないフォトインタラプタを設け、スリット板を通過する
光をフォトインタラプタで検出し、この検出値をカウン
タでカウントすることで、流体発電機98の回転数を検
出するようにしても良い。なお、図31ではバイパス流
路101の記載を省略している。
【0107】また、例えば図32に示すように、流体回
転機1に回転数検出手段109を設けることで例えば流
量計とすることも可能である。この例も図31の例と同
様に、例えばピストン支持軸52,53を金属製のもの
にするとともに、ピストン保持部材5を別部材とし、ピ
ストン保持部材5のピストン支持軸52,53に対向す
る位置に金属センサ109を取り付け、金属センサ10
9によるピストン支持軸52,53の検出出力をカウン
タでカウントするようにしても良い。また、回転シリン
ダ部材2にマグネット572を取り付けるとともに、こ
のマグネット572の回転を検出するMR素子やホール
素子573等を設け、これらの出力をカウンタでカウン
トすることで流量計の回転数を検出するようにしても良
い。さらには、マグネット572の外側リングに図示し
ないスリット板を設けるとともに、ケース側に図示しな
いフォトインタラプタを設け、スリット板を通過する光
をフォトインタラプタで検出し、この検出値をカウンタ
でカウントすることで、流量計の回転数を検出するよう
にしても良い。容積型の流量計では回転シリンダ部材が
一回転した場合の流量がわかっているので、カウンタで
によって回転数をカウントすることで、総流量を計測す
ることができる。なお、図32では、バイパス流路10
1の記載を省略している。
【0108】つまり、本発明の流体回転機を流量計に適
用した場合に回転数検出手段109を設けることで流体
の流量を電気的に検出することができ、検出した流量に
基づいて、例えばバイパス流路101の開閉弁105を
開閉操作したり、流体の流路に設けた電磁式開閉弁をオ
ンオフ制御したり、流量が所定値に達した場合に警報を
鳴らすようにすることができる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の流体
回転機では、流体が回転シリンダ部材内を迂回するバイ
パス流路を流入口と流出口との間に設けているので、流
体の流量が過大になった場合に流体の一部をバイパス流
路に流して回転シリンダ部材を迂回させることができ
る。このため、回転シリンダ部材及びピストン保持部材
の回転速度が速くなり過ぎるのを防止することができ、
耐久性を向上させることができると共に、騒音の発生防
止を図ることができる。また、流体の流れ抵抗を減少さ
せることができ、流体の圧力損失や流量の減少を抑える
ことが出来る。
【0110】また、請求項2記載の流体回転機では、流
体の圧力によりバイパス流路を開閉する開閉弁を流出口
付近又は流入口付近に設けているので、流体の圧力が過
大になった場合に開閉弁が開いてバイパス流路を通じて
流体の一部を迂回させることができる。
【0111】また、請求項3記載の流体回転機では、流
入口にフィルタを備えているので、回転シリンダ部材内
への異物の流入を防止することができる。また、フィル
タはバイパス流路側に傾斜する傾斜部を有しているの
で、フィルタによって除去した異物を流体の流れを利用
してバイパス流路へと流すことが出来る。このため、除
去した異物がフィルタを目詰まりさせるのを防止するこ
とができる。
【0112】また、請求項4記載の流体回転機では、回
転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回転の抵抗
となる背圧を減少させる背圧逃がし手段を設けているの
で、回転シリンダ部材やピストン保持部材等の動きをス
ムーズにすることができる。また、背圧逃がし手段はバ
イパス流路に連通しているので、背圧逃がし手段から漏
れる流体をバイパス流路を通じて流出口から排出するこ
とができる。
【0113】また、請求項5記載の流体回転機では、回
転シリンダ部材又はピストン保持部材の回転数を検知す
るセンサを備えているので、回転数に基づいたバイパス
流路の開閉制御が可能になる。
【0114】また、請求項6記載の流体回転機では、流
入口は、回転シリンダ部材の回転軸心からみて回転シリ
ンダ部材の回転にともない、ピストンが回転シリンダ部
材の略外周位置でシリンダ室を連通するように開口し、
回転シリンダ部材の略中心位置でシリンダ室と閉口する
ように形成され、流出口は、回転シリンダ部材の回転軸
心からみて回転シリンダ部材の回転にともない、ピスト
ンが回転シリンダ部材の略中心位置でシリンダ室を連通
するように開口し、回転シリンダ部材の略外周位置でシ
リンダ室と閉口するように形成されているので、回転シ
リンダ部材内の流体の通過をスムーズなものにすること
ができる。
【0115】また、請求項7記載の流体回転機のよう
に、ピストンのピストン保持部材側に対向する面を平面
とし、ピストン保持部材と面接触するようにしても良
い。
【0116】また、請求項8記載の流体回転機では、ピ
ストンの横断面形状を異形状とし、当該形状にシリンダ
室の横断面形状を一致させているので、ピストンが摺動
するシリンダ室の両側壁を底面に対して垂直に形成する
必要がなくなり、シリンダ室の加工が容易になる。
【0117】また、請求項9記載の流体回転機では、ピ
ストンの横断面形状の異形状をピストンの底面の両コー
ナー部分を丸めた形状としているので、ピストンが摺動
するシリンダ室のコーナー部分を丸めた形状にすること
ができ、シリンダ室の加工がより一層容易になる。
【0118】また、請求項10記載の流体回転機では、
潤滑剤循環機構を備えているので、ピストン,ピストン
保持部材,回転シリンダ部材等の摺動面を潤滑すること
ができる。
【0119】また、請求項11記載の流体回転機では、
回転シリンダ部材とピストン保持部材を、転がり軸受け
部材又は滑り軸受け部材によって回転自在に支持してい
るので、これらの回転をスムーズにすることができる。
【0120】また、請求項12記載の流体回転機では、
回転シリンダ部材とピストン保持部材が、スラスト荷重
とラジアル荷重とを同時に受ける軸受け部材によって回
転自在に支持されているので、回転シリンダ部材とピス
トン保持部材を回転自在に支持する部分の構造を簡単な
ものにすることができ、装置の小型化と低コスト化を図
ることができる。
【0121】また、請求項13記載の流体回転機では、
ピストンとシリンダ室との間に形成される隙間に磁性流
体を配置し、磁性流体を隙間に保持させるための磁石を
ピストンとシリンダ室との接触部位の近傍に設けている
ので、磁石によって保持された磁性流体がピストンと回
転シリンダ部材との間の隙間に充填され、ピストンとシ
リンダ部材とが対向する部位の僅かな隙間がさらに確実
に封止され、接触部位からの流体の漏れをより確実に防
止することができる。
【0122】また、請求項14記載の流体回転機では、
ピストンが複数形成されると共にシリンダ室が複数対形
成され、これら複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材
の回転軸心を含んで交差するように形成されているの
で、複数対のピストンによって回転する流体回転機を提
供することができる。
【0123】また、請求項15記載の流体回転機では、
複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材に円周方向に等
配分された位置に配置されているので、回転シリンダ部
材の回転バランスが良くなり、振動や騒音の発生を防止
することができるとともに、高速回転に適した流体回転
機を提供することができる。
【0124】また、請求項16記載の流体回転機では、
複数対のシリンダ室が交差する部位のピストンの移動方
向における長さがピストンの長さよりも短いので、往復
直線運動を行うピストンはシリンダ室が交差する部位を
通過する際に移動しているシリンダ室の壁面にガイドさ
れて交差する他のシリンダ室を横切るようになり、他の
シリンダ室に突っかかることなくスムーズに通過するこ
とができる。
【0125】また、請求項17記載の流体回転機では、
複数対のシリンダ室が交差する部位には面取り部が形成
されているので、ピストンのシリンダ室が交差する部位
の通過をより一層スムーズにすることができる。
【0126】さらに、請求項18記載の流体発電機で
は、請求項1から17のいずれかに記載の流体回転機の
出力側に発電機構を接続しているので、上述の流体回転
機を使用して発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した流体発電機の第1の実施形態
を示す縦断面図である。
【図2】図1の流体発電機を発電機構及びピストン保持
部材を取り外した状態で一部切り欠いて示す平面図であ
る。
【図3】図1の流体発電機の回転シリンダ部材、ピスト
ン保持部材及びピストンを示す分解斜視図である。
【図4】ピストン形状の第1の例を示し、(A)はピス
トンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図5】ピストン保持部材とピストンの回転時軌跡との
関係を示す概念図である。
【図6】潤滑剤循環機構の概略構成図である。
【図7】ステータコアの突極とマグネットの磁極の中心
位置とシリンダ室の位置関係を示す図である。
【図8】図1の流体発電機の作動原理を説明するための
図で、(A)は一方のピストンが空洞部を横切り、他方
のピストンがシリンダ室の最奥部にまで進入した状態を
示す図、(B)は(A)の状態から回転シリンダ部材の
回転角で15度だけ回転した状態を示す図、(C)は
(B)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に15
度だけ回転した状態を示す図、(D)は(C)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に15度だけ回転した
状態を示す図、(E)は(D)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に15度だけ回転した状態を示す図、
(F)は(E)の状態から回転シリンダ部材の回転角で
更に15度だけ回転した状態を示す図である。
【図9】開閉弁がバイパス流路を開けている状態を一部
切り欠いて示す平面図である。
【図10】本発明を適用した流体発電機の第2の実施形
態を一部切り欠いて示す平面図である。
【図11】本発明を適用した流体発電機の第3の実施形
態を示し、ソレノイド弁がバイパス流路を閉じている状
態を一部切り欠いて示す平面図である。
【図12】本発明を適用した流体回転機の第3の実施形
態を示し、ソレノイド弁がバイパス流路を開けた状態を
一部切り欠いて示す平面図である。
【図13】本発明を適用した流体発電機の第4の実施形
態を示す縦断面図である。
【図14】図13の流体発電機を上ケース及びピストン
保持部材を取り外した状態で一部切り欠いて示す平面図
である。
【図15】本発明を適用した流体回転機の第5の実施形
態の作動原理を説明するための図で、(A)は3つのピ
ストンのうちの1つがシリンダ室の最奥部にまで進入し
ている状態を示す図、(B)は(A)の状態から回転シ
リンダ部材の回転角で10度だけ回転した状態を示す
図、(C)は(B)の状態から回転シリンダ部材の回転
角で更に10度だけ回転した状態を示す図、(D)は
(C)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に10
度だけ回転した状態を示す図、(E)は(D)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に10度だけ回転した
状態を示す図、(F)は(E)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に10度だけ回転した状態を示す図で
ある。
【図16】本発明を適用した流体回転機の第6の実施を
示し、(A)はその縦断面図と軸受けの一部を拡大して
示した図、(B)は(A)をケーシングの蓋を取り除い
た状態で矢印IX方向から見た平面図である。
【図17】ピストン形状の第2の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図18】ピストン形状の第3の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図19】ピストン形状の第4の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図20】ピストン形状の第5の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図21】ピストン形状の第6の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図22】ピストン形状の第7の例を示し、(A)はピ
ストンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図23】回転シリンダ部材のシリンダ室が円周方向に
対して等配分されていない例を示す概念図である。
【図24】シリンダ室をオフセットさせて形成した例を
示す概念図である。
【図25】ピストンにマグネットを配置した例を示す斜
視図である。
【図26】ピストンにマグネットを配置した別の例を示
す斜視図である。
【図27】回転シリンダ部材にマグネットを配置した例
を示す斜視図である。
【図28】回転シリンダ部材にマグネットを配置した別
の例を示す斜視図である。
【図29】ピストン形状の第8の例を示す斜視図であ
る。
【図30】回転シリンダ部材の空洞部の角に面取りを施
す様子を示す概念図である。
【図31】回転数検出手段を備えた流体発電機とした場
合の例を示す断面図である。
【図32】回転数検出手段を備えた流量計とした場合の
例を示す断面図である。
【図33】本発明を適用した流体発電機の第7の実施形
態を一部切り欠いて示す平面図である。
【図34】本発明を適用した流体発電機の第8の実施形
態を示し、その背圧弁の周囲を拡大して示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 流体回転機 2 回転シリンダ部材 3,4 ピストン 5 ピストン保持部材 6 ケーシング 7,8 転がり軸受け部材 22 空洞部 23a〜23d シリンダ室 51 出力軸 61 流入口 62 流出口 99 流体発電機 101 バイパス流路 105 開閉弁 109 回転数検出手段(センサ) 111 フィルタ 111a 傾斜部 115 背圧逃がし手段 X 回転中心位置 X1,X2 自転中心位置 o 回転軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 優樹 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内 Fターム(参考) 3H084 AA01 AA02 AA21 AA30 CC01 CC02 CC11 CC12 CC38 CC48 CC56 CC57 CC58 CC59 CC60 CC61 5H607 AA06 BB02 BB07 BB14 CC01 DD01 DD02 DD03 FF06 FF12 FF27 5H621 HH01 JK03 JK13

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸心を中心として形成された空洞部
    に連通し、該空洞部をはさんで対向する少なくとも一対
    のシリンダ室を有する回転シリンダ部材と、上記回転シ
    リンダ部材の上記シリンダ室及び上記空洞部を往復動作
    するピストンと、上記回転シリンダ部材の回転軸心から
    偏心した回転中心位置を中心として回転するとともに上
    記偏心した回転中心位置から偏心した自転中心位置を中
    心として回動可能なピストンを保持するピストン保持部
    材と、上記シリンダ室をはさみ対向する位置にそれぞれ
    設けられ、上記シリンダ室に流体を流入する流入口及び
    上記流入した流体をシリンダ室から流出する流出口と、
    上記流入口より上記シリンダ室に流入した流体の圧力に
    よって上記ピストンを動かして上記回転シリンダ部材と
    ピストン保持部材を相対回転させると共に、上記回転シ
    リンダ部材と上記ピストン保持部材のうち少なくとも一
    方の回転を出力する出力軸とを備え、上記回転シリンダ
    部材の回転数対上記ピストン保持部材の回転数対上記ピ
    ストンの上記シリンダ室及び上記空洞部を往復する動作
    数の比が1:2:1となるようそれぞれが配置された流
    体回転機であって、上記流体が上記回転シリンダ部材内
    を迂回するバイパス流路を上記流入口と上記流出口との
    間に設けたことを特徴とする流体回転機。
  2. 【請求項2】 上記流体の圧力により上記バイパス流路
    を開閉する開閉弁を上記流出口付近又は上記流入口付近
    に設けたことを特徴とする請求項1記載の流体回転機。
  3. 【請求項3】 上記流入口には上記バイパス流路側に傾
    斜する傾斜部を有するフィルタを備えてなることを特徴
    とする請求項1または2記載の流体回転機。
  4. 【請求項4】 上記回転シリンダ部材と上記ピストン保
    持部材との相対回転の抵抗となる背圧を減少させる背圧
    逃がし手段を設け、この背圧逃がし手段は上記バイパス
    流路に連通していることを特徴とする請求項1から3の
    いずれかに記載の流体回転機。
  5. 【請求項5】 上記回転シリンダ部材又は上記ピストン
    保持部材の回転数を検知するセンサを備えていることを
    特徴とする請求項1から4のいずれか記載の流体回転
    機。
  6. 【請求項6】 上記流入口は、上記回転シリンダ部材の
    回転軸心からみて上記回転シリンダ部材の回転にともな
    い、上記ピストンが上記回転シリンダ部材の略外周位置
    で上記シリンダ室を連通するように開口し、上記回転シ
    リンダ部材の略中心位置で上記シリンダ室と閉口するよ
    うに形成され、上記流出口は、上記回転シリンダ部材の
    回転軸心からみて上記回転シリンダ部材の回転にともな
    い、上記ピストンが上記回転シリンダ部材の略中心位置
    で上記シリンダ室を連通するように開口し、上記回転シ
    リンダ部材の略外周位置で上記シリンダ室と閉口するよ
    うに形成されることを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載の流体回転機。
  7. 【請求項7】 上記ピストンの上記ピストン保持部材側
    に対向する面は平面とし、上記ピストン保持部材と面接
    触することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
    載の流体回転機。
  8. 【請求項8】 前記ピストンの横断面形状を異形状と
    し、当該形状に前記シリンダ室の横断面形状を一致させ
    たことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の
    流体回転機。
  9. 【請求項9】 前記ピストンの横断面形状の異形状は前
    記ピストンの底面の両コーナー部分を丸めた形状である
    ことを特徴とする請求項8記載の流体回転機。
  10. 【請求項10】 潤滑剤循環機構を備えたことを特徴と
    する請求項1から9のいずれかに記載の流体回転機。
  11. 【請求項11】 前記回転シリンダ部材とピストン保持
    部材は、転がり軸受け部材又は滑り軸受け部材によって
    回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1か
    ら10のいずれかに記載の流体回転機。
  12. 【請求項12】 上記回転シリンダ部材とピストン保持
    部材は、スラスト荷重とラジアル荷重とを同時に受ける
    軸受け部材によって回転自在に支持されていることを特
    徴とする請求項1から11のいずれかに記載の流体回転
    機。
  13. 【請求項13】 上記ピストンと上記シリンダ室との間
    に形成される隙間に磁性流体を配置し、上記磁性流体を
    上記隙間に保持させるための磁石を上記ピストンと上記
    シリンダ室との接触部位の近傍に設けたことを特徴とす
    る請求項1から12のいずれかに記載の流体回転機。
  14. 【請求項14】 上記ピストンが複数形成されると共に
    上記シリンダ室が複数対形成され、これら複数対のシリ
    ンダ室は上記回転シリンダ部材の回転軸心を含んで交差
    するように形成されてなることを特徴とする請求項1か
    ら13のいずれかに記載の流体回転機。
  15. 【請求項15】 上記複数対のシリンダ室は上記回転シ
    リンダ部材に円周方向に等配分された位置に配置されて
    いることを特徴とする請求項14記載の流体回転機。
  16. 【請求項16】 上記複数対のシリンダ室が交差する部
    位の上記ピストンの移動方向における長さは、上記ピス
    トンの長さよりも短いことを特徴とする請求項14又は
    15記載の流体回転機。
  17. 【請求項17】 上記複数対のシリンダ室が交差する部
    位は面取り部が形成されていることを特徴とする請求項
    14から16のいずれかに記載の流体回転機。
  18. 【請求項18】 請求項1から17のいずれかに記載の
    流体回転機の出力側に発電機構を接続したことを特徴と
    する流体発電機。
JP2001258605A 2001-08-28 2001-08-28 流体回転機および流体発電機 Pending JP2003065203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001258605A JP2003065203A (ja) 2001-08-28 2001-08-28 流体回転機および流体発電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001258605A JP2003065203A (ja) 2001-08-28 2001-08-28 流体回転機および流体発電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003065203A true JP2003065203A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19086097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001258605A Pending JP2003065203A (ja) 2001-08-28 2001-08-28 流体回転機および流体発電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003065203A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008130940A1 (en) * 2007-04-17 2008-10-30 Aerokinetic Energy Corporation Fluid powered generator
JP2010178575A (ja) * 2009-01-31 2010-08-12 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd 電気油圧変換装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008130940A1 (en) * 2007-04-17 2008-10-30 Aerokinetic Energy Corporation Fluid powered generator
EA015612B1 (ru) * 2007-04-17 2011-10-31 Аэрокинетик Энерджи Корпорэйшн Генератор, работающий при воздействии текучей среды
JP2010178575A (ja) * 2009-01-31 2010-08-12 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd 電気油圧変換装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2000079101A1 (fr) Dispositif de cylindre rotatif
JP4791987B2 (ja) ベーンポンプ
US7566211B2 (en) Vane pump having vanes with a cutout portion
US7628594B2 (en) Vane pump having a labyrinth seal and gap between a top surface of a rotor and a ceiling surface of a rotor chamber that is formed between upper and lower cases
JP2003065203A (ja) 流体回転機および流体発電機
JPH02201086A (ja) 流体圧縮機
JP2007231774A (ja) 電動ポンプ
KR0147885B1 (ko) 스크로울형 유체기계의 속도검출기
JP2003021044A (ja) 流体回転機および流体発電機
JP2003021075A (ja) ロータリ式シリンダ装置
JP2002221150A (ja) ロータリ式シリンダ装置
JPH0587680B2 (ja)
JP2003021082A (ja) 回転式圧縮機
JP4280359B2 (ja) スクロール型流体機械
JP5097041B2 (ja) ベーンポンプ
JPH08261810A (ja) 流量計、ベーンポンプ及びベーンモータ
FI103067B (fi) Geroottoripumput
JP2001012201A (ja) ロータリー式シリンダ装置
CN214836933U (zh) 双滚珠圆盘二维柱塞电机泵
JP4811243B2 (ja) ベーンポンプ
JPH0744779Y2 (ja) トロコイド型オイルポンプ
JP3777268B2 (ja) ロータリー式シリンダ装置
JP2859279B2 (ja) 流体圧縮機
JPH0212317Y2 (ja)
JPH08219032A (ja) ベーンポンプ、ベーンモータ及び流量計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090916